JPH10294527A - モノリシック受発光素子およびその製造方法およびそれを用いた光ピックアップ - Google Patents

モノリシック受発光素子およびその製造方法およびそれを用いた光ピックアップ

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JPH10294527A
JPH10294527A JP9102292A JP10229297A JPH10294527A JP H10294527 A JPH10294527 A JP H10294527A JP 9102292 A JP9102292 A JP 9102292A JP 10229297 A JP10229297 A JP 10229297A JP H10294527 A JPH10294527 A JP H10294527A
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light emitting
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Shojiro Kitamura
昇二郎 北村
Takeo Kawase
健夫 川瀬
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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  • Light Receiving Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光部でのレーザ発振特性と、受光部での光
−電流変換効率とをともに良好に確保できるモノリシッ
ク受発光素子を提供すること。 【解決手段】 半導体基板101上の少なくとも2つの
領域に、発光部100Aと受光部100Bを形成する。
発光部100Aは垂直共振器型面発光レーザ100Aか
らなり、受光部100Bは共振器構造を持つPIN型フ
ォトダイオードからなる。吸収層105Bの量子井戸の
幅は発光部100Aの活性層の量子井戸の幅よりも広
く、共振器長は環境温度において100Aの出射光の波
長に対して共振するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光素子と受光素
子を同一の半導体基板上に集積したモノリシック受発光
素子およびそれを用いた光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】フォトダイオードからなる受光素子と半
導体レーザからなる光源とを一対で使用するものとし
て、例えば光を用いて情報を記録再生する光ピックアッ
プが知られている。これは、半導体レーザからのレーザ
光を記録媒体に入射させ、その反射光を受光素子にて検
出して、情報の記録、再生を行うものである。
【0003】近年、この光ピックアップの小型化、簡素
化をはかるために様々な研究がなされているが、その一
つに光源と受光素子を同一の半導体基板上に集積するこ
とが検討されている。なかでも、半導体基板の垂直方向
にレーザ光を出射するようにこの半導体基板に垂直な方
向に共振器を形成した垂直共振器型面発光レーザ(以
下、面発光レーザと称す)を光源とし、面発光レーザの
共振器と同一の構造である共振器構造を持つフォトダイ
オードを受光素子として、光源と受光素子をモノリシッ
ク化したモノリシック受発光素子は、その作製の容易
さ、受発光素子のレイアウトの自由度の大きさ等から特
に注目されている。このモノリシック受発光素子として
は、例えば、Electoronics Letter
s, Vol.32(1996) 20th June
No.13 pp.1205−1207において開示
されたものが知られている。これは図5に示すように、
半導体基板上301に下部半導体多層膜ミラー302、
クラッド層に挟まれた多重量子井戸活性層からなる活性
領域303、上部半導体多層膜ミラー304を順次エピ
タキシャル成長させ、その後、受光素子を形成する部分
300Bの上部分布反射型多層膜ミラー304の一部を
化学的エッチングで取り除くことによってフォトダイオ
ードの受光感度の最適化を行っている。
【0004】このように、受光部と発光部を同一基板上
で同時にエピタキシャル成長させて形成しているため、
受光部と発光部との位置関係は、フォトリソグラフィー
工程でのパターニング精度で定まり、高い位置精度を確
保できる。また、受光部を共振器構造を持つフォトダイ
オードとすることにより、受光感度が向上するのみなら
ず、その受光感度スペクトルの波長帯域を狭くすること
ができ、例えば外光等のノイズを低減できるというメリ
ットを持つ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らの検討によれば、発光部と受光部とを同一の成長条
件でエピタキシャル成長させると、発光部からの出射光
に対して受光部の感度が低く、受光部にて微弱な強度の
光を精度良く検出することができないという問題点があ
った。これは、発光部はレーザ発振時に局部的に高温に
なることによって、2つの問題が引き起こされるためで
ある。すなわち、面発光レーザを連続発振させるために
は、発光部が高温になったときに、発振波長において多
重量子井戸活性層で高い利得が得られる必要がある。こ
のためには、量子井戸のバンドギャップのエネルギーに
相当する波長(λgLD)を、環境温度において発振波
長よりも短くする必要がある。一方、受光部は発光部の
ように高温にならずほぼ環境温度と等しいため、受光部
の多重量子井戸活性層においては、環境温度におけるλ
gLDよりも短い波長において高い吸収が得られる。し
たがって、発光部の面発光レーザの出射光に対しては、
受光部の多重量子井戸活性層における吸収が非常に小さ
くなるというのが1つめの問題である。2つめの問題
は、温度上昇によって、発光部の共振器の光学的な長さ
も長くなるため、発光部での環境温度における共振波長
を、発振波長よりも短くする必要がある。したがって、
面発光レーザからの出射光が受光部において共振しない
ため、受光感度が低くなるということである。
【0006】本発明はこのような課題を解決するもので
あり、その目的とするところは、同一基板上に発光部お
よび受光部を形成しながらも、発光部での良好なレーザ
発振特性と、発光部からの出射光に対して高い受光感度
を持ち、外光などのノイズを低減でき、さらに応答速度
の速い受光部を持つモノリシック受発光素子およびそれ
を用いた光ピックアップを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のモノリシ
ック受発光素子は、第1導電型の半導体基板上に、第1
導電型の第1の半導体多層膜ミラーと、少なくとも量子
井戸層とバリア層からなる活性層を含む共振器が形成さ
れ、前記共振器が前記第1の半導体多層膜ミラーと第2
のミラーで挟まれた垂直共振器型面発光レーザからなる
発光部と、前記共振器が前記第1の半導体多層膜ミラー
と第3のミラーで挟まれたPIN型フォトダイオードか
らなる受光部を有するモノリシック受発光素子におい
て、前記垂直共振器型面発光レーザからの発振波長を
λ、環境温度における前記PIN型フォトダイオードの
量子井戸のバンドギャップのエネルギーに相当する波長
をλgPD(TRT)、前記環境温度における前記PI
N型フォトダイオードの前記共振器による共振波長をλ
cPD(TRT)としたとき、 λ≦λgPD(TRT) かつ、 λ=λcPD(TRT) であることを特徴とする。
【0008】また、本発明の第2のモノリシック受発光
素子は、 λ=λgPD(TRT) かつ、 λ=λcPD(TRT) であることを特徴とする。
【0009】また、本発明の第3のモノリシック受発光
素子は、前記PIN型フォトダイオードの前記量子井戸
層の膜厚が、前記垂直共振器型面発光レーザの前記量子
井戸層の膜厚よりも大きいことを特徴とする。
【0010】本発明の第1のモノリシック受発光素子の
製造方法は、少なくとも前記量子井戸層をエピタキシャ
ル成長するとき、前記受光部でのエピタキシャル成長速
度vPDを、前記発光部でのエピタキシャル成長速度v
LDよりも大きくしたことを特徴とする。
【0011】また、本発明の第2のモノリシック受発光
素子の製造方法は、前記垂直共振器型面発光レーザでの
前記量子井戸層の幅をdLDとし、 λ=λgPD(TRT) が得られる前記PIN型フォトダイオードの前記量子井
戸層の幅をdPDとしたとき、 vPD/vLD≧dPD/dLD としたことを特徴とする。
【0012】また、本発明の第3のモノリシック受発光
素子の製造方法は、 vPD/vLD=dPD/dLD としたことを特徴とする。
【0013】また、本発明の第4のモノリシック受発光
素子の製造方法は、前記半導体基板上に柱状部を形成
し、有機金属気相成長法にて前記第1の半導体多層膜ミ
ラーと、前記共振器をエピタキシャル成長させ、該エピ
タキシャル成長後に、λ=λcPD(TRT)としたこ
とを特徴とする。
【0014】また、本発明の第5のモノリシック受発光
素子の製造方法は、前記柱状部の径および高さを、 vPD/vLD≧dPD/dLD となる径および高さとしたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の第6のモノリシック受発光
素子の製造方法は、前記柱状部の径および高さを、 vPD/vLD=dPD/dLD となる径および高さとしたことを特徴とする。
【0016】また、本発明の第7のモノリシック受発光
素子の製造方法は、前記第1の半導体多層膜ミラーとし
て、前記PIN型フォトダイオードにおいて前記λの波
長付近の光に対して99.5%以上の反射率を有する第
1導電型の半導体多層膜ミラー1と、前記垂直共振器型
面発光レーザにおいて前記λの波長付近の光に対して9
9.5%以上の反射率を有する第1導電型の半導体多層
膜ミラー2とを、この順に積層し、前記共振器として、
第1導電型の第1のクラッド層と、前記活性層と、第2
導電型の第2のクラッド層と、第2導電型の電流狭窄層
と、第2導電型のコンタクト層とを、この順に積層し、
前記PIN型フォトダイオードの前記コンタクト層の厚
さを低減させて、 λ=λcPD(TRT) とし、前記垂直共振器型面発光レーザと前記PIN型フ
ォトダイオードの、少なくとも前記コンタクト層および
前記電流狭窄層および前記第2のクラッド層および前記
活性層との間を、それぞれ電気的に絶縁したことを特徴
とする。
【0017】本発明の第1の光ピックアップは、上記の
モノリシック受発光素子を有し、前記垂直共振器型面発
光レーザから出射されたレーザ光を光ディスクに照射
し、該光ディスクからの反射光を前記PIN型フォトダ
イオードにて受光して、前記光ディスクに対してデータ
を記録再生することを特徴とする。
【0018】また、本発明の第2の光ピックアップは、
一方の面上に対物レンズを、他方の面上に回折格子をそ
れぞれ形成した透明基板と、前記モノリシック受発光素
子とを、前記透明基板の前記回折格子が形成された面
と、前記モノリシック受発光素子の前記垂直共振器型面
発光レーザの光を出射する面とが対向し、前記透明基板
上の前記対物レンズの光軸と、前記垂直共振器型面発光
レーザの発光部の中心とが略一致するように、位置合わ
せして貼り合わせることによって形成し、浮上スライダ
に搭載することを特徴とする。
【0019】また、本発明の第3の光ピックアップは、
前記対物レンズが前記透明基板上に形成した鋸歯形状を
持つブレーズ化グレーティングレンズであることを特徴
とする。
【0020】また、本発明の第4の光ピックアップは、
前記対物レンズが前記透明基板上に円形開口を持つマス
クを形成した後、イオン交換処理によって前記透明基板
中に屈折率分布を付けることによって作製したマイクロ
平板レンズであることを特徴とする。
【0021】また、本発明の第5の光ピックアップは、
前記モノリシック受発光素子は前記PIN型フォトダイ
オードからなる少なくとも2つの受光部を有し、前記回
折格子は前記光ディスクの記録トラックに平行な直線で
2つの領域で分割され、前記光ディスクからの反射光の
うち、前記回折格子の一方の領域による回折光が、一方
の前記受光部に入射し、前記回折格子の他方の領域によ
る回折光が、他方の前記受光部に入射して、前記受光部
の出力信号の差をとることによりトラックエラー信号
を、前記受光部の出力信号の和をとることにより前記デ
ータを再生することを特徴とする。
【0022】また、本発明の第6の光ピックアップは、
前記回折格子は、断面が矩形で、前記回折格子の2つの
領域において前記光ディスクからの反射光が回折する方
向が、互いに直交することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を用いて説明する。
【0024】(実施例1)図1は本発明の一実施例にお
けるモノリシック受発光素子100の発光部と受光部の
断面を模式的に示す図であり、図2はその概略斜視図で
ある。
【0025】モノリシック受発光素子100は、n型半
導体基板101上の異なる領域に、それぞれ発光部10
0Aと受光部100Bとが形成されている。発光部10
0Aは、多重量子井戸構造の活性層が一対のミラーで挟
まれた構造の垂直共振器型面発光レーザ(以下、面発光
レーザと称す)で構成され、受光部100Bは、発光部
100Aと同一のエピタキシャル成長層の活性層が一対
のミラーで挟まれた共振器構造を持つPIN型フォトダ
イオード(以下、フォトダイオードと称す)で構成され
ている。この発光部100A、受光部100Bの平面的
レイアウトとしては、図2に示すように、例えば発光部
100Aの両側の2ヶ所に、受光部100Bを形成して
いる。このモノリシック受発光素子100の発光部10
0A、受光部100Bの数は、図2に示す数に限定され
るものではなく、複数の発光部と複数の受光部を平面的
にレイアウトすることが可能である。
【0026】ここで、具体的なモノリシック受発光素子
100の構造を説明する前に、発光部100Aの面発光
レーザが発振するための条件、面発光レーザからの出射
光を受光部100Bのフォトダイオードで高効率に検出
するための条件、さらにこれらの条件を満たすための方
法について述べる。
【0027】まず、発光部100Aの面発光レーザが発
振するための条件について説明する。この条件は2つあ
るが、1つめの条件は、活性層において大きな利得が得
られることである。利得は波長(エネルギー)に対して
変化し、量子井戸のバンドギャップのエネルギーE
gLDに相当する波長λgLD(=1240/
gLD、ただしエネルギーの単位は[eV]、波長の
単位は[nm])から波長が短くなるにしたがって増大
し、ある波長でピークを有する。EgLDは温度の上昇
に伴って低下するため、利得が得られる波長は温度上昇
とともに長波長化することになる。
【0028】2つめの条件は、共振器の光学的な長さL
LDと発振波長λとの関係である。つまり、 LLD=m×λ/2(mは整数)・・・(1) を満たすようにLLDが設計される必要がある。ここ
で、LLDも温度上昇に伴って増大するが、その変化率
は、前述した利得の変化率よりも小さい。
【0029】以上をまとめると、次のようになる。面発
光レーザを波長λで発振させるためには、レーザを駆動
する電流による温度上昇を考慮する必要がある。そのと
きの温度をTHTとし、THTでのEgLDに相当する
波長をλgLD(THT)とするとき、λ<λ
gLD(THT)を満たす必要がある。さらに、環境温
度をTRTとし、TRTでの共振器において共振可能な
波長をλcLD(TRT)とするとき、λgLD(T
RT)<λcLD(TRT)<λを満たす必要がある。
したがって、面発光レーザの発振するための条件は、次
式で表される。
【0030】 λgLD(TRT)<λcLD(TRT)<λ<λgLD(THT)・・・(2 ) 次に、面発光レーザからの出射光を受光部100Bのフ
ォトダイオードで高効率に検出するための条件について
説明する。フォトダイオードにおいて高効率な光電変換
を実現するためには、2つの条件、すなわち、活性層で
の吸収と、共振器での共振条件が満たされる必要があ
る。
【0031】ここで、活性層というのは順バイアスにて
キャリアを注入して、電子、正孔の分布に反転分布が生
じた場合、つまり、発光素子に関するものであるが、受
光部100Bでは、逆バイアスあるいはゼロバイアスで
使用するため、キャリアは注入されず、活性層は吸収層
となる。以下では、受光部100Bの活性層を吸収層と
呼ぶことにする。
【0032】1つめの条件、すなわち、吸収層の吸収
も、上述した利得と同様に、光の波長に依存して変化す
る。つまり、吸収層の量子井戸層のバンドギャップのエ
ネルギーEgPDに相当する波長λgPD(=1240
/EgPD)より短波長で大きな吸収を有し、高効率な
光電変換が可能となる。このλgPDも温度に依存する
が、受光部100Bではキャリアが注入されず、発光部
100Aからも離れているため発熱しない。このため、
λgPDは環境温度での値λgPD(TRT)から変化
しない。したがって、面発光レーザからの出射光を、高
効率にフォトダイオードで検出するための1つめの条件
は、 λ≦λgPD(TRT)・・・(3) を満たすことである。
【0033】2つめの共振条件は、受光部100Bのフ
ォトダイオードの共振器において波長λの光が共振する
ことである。すなわち、フォトダイオードの共振器の光
学的な長さをLPDとすると、式(1)と同様に、 LPD=k×λ/2(kは整数)・・・(4) が満たされる必要がある。すなわち、TRTでの共振器
において共振可能な波長をλcPD(TRT)とする
と、 λ=λcPD(TRT)・・・(5) を満たさなければならない。
【0034】以上説明したように、これらの条件をすべ
て満たすことによってはじめて、発光部100Aの面発
光レーザはレーザ発振を行うことができ、受光部100
Bのフォトダイオードは発光部100Aからの出射光に
対して高効率の光電変換を行うことができる。
【0035】次に、これらの条件を満たすための方法に
ついて以下に述べる。
【0036】活性層(あるいは吸収層)は多重量子井戸
構造をとっているが、周知のごとく、量子井戸の幅を変
えることによってバンドギャップのエネルギーを変える
ことができる。λgLD、λgPDはバンドギャップの
エネルギーによって決まるので、発光部100Aの活性
層と、受光部100Bの吸収層の量子井戸の幅を変える
ことによって、式(3)を満たすように設計が可能であ
る。
【0037】この、発光部100Aの活性層と、受光部
100Bの吸収層の量子井戸の幅を変える方法として
は、活性層のエピタキシャル成長時の成長速度を発光部
100Aと受光部100Bとで変える方法を用いること
ができる。すなわち、λgLD(TRT)が得られる量
子井戸の幅をdLD、λgPD(TRT)が得られる量
子井戸の幅をdPDとし、発光部100A、受光部10
0Bにおける成長速度をそれぞれvLD、vPDとする
と、式(3)は、 vLD/vPD=dLD/dPD・・・(6) とすることによって満たされる。ここで、エピタキシャ
ル成長時に、少なくとも活性層の量子井戸層においての
み式(6)を満たせばよいが、すべてのエピタキシャル
成長層において式(6)を満たすようにしても良い。
【0038】また、式(5)を満たすには、活性層の量
子井戸層のエピタキシャル成長を式(6)を満たす成長
条件にて行い、共振器を構成する量子井戸層以外の各層
のエピタキシャル成長を式(5)を満たす別の成長条件
にて行うという方法を採ることもできる。しかし、後述
するように、すべてのエピタキシャル成長層の成長時に
おいてvLD/vPDが一定となる場合は、エピタキシ
ャル成長後に、式(5)を満たすように、LPDを調整
すればよい。
【0039】以下に、モノリシック受発光素子100の
構造とその製造方法について具体的に説明するが、本実
施例での面発光レーザの発振波長λを830nmとす
る。
【0040】図1において、n型GaAsからなる半導
体基板101上に、受光部100Bを形成する部分に柱
状部101Bがエッチングにて形成されている。そし
て、柱状部101B上に受光部101Bを、それ以外の
部分に発光部100Aをそれぞれ形成する。
【0041】このように、半導体基板101上に柱状部
101Bを形成し、有機金属気相成長法(MOVPE
法)によるエピタキシャル成長によって半導体層を積層
すると、J. Electronic Materia
ls, vol. 19, pp.317−321,1
990に示されるように、柱状部101B上では、それ
以外の部分よりもエピタキシャル成長時の成長速度が大
きくなるため、柱状部101B上に積層される各層の膜
厚は、柱状部101B以外の部分よりも厚くなる。この
柱状部101Bの径および高さを変えると、柱状部10
1B上での成長速度は変化するため、上で説明した式
(6)を満たすように柱状部101Bの径および高さを
決めればよい。本実施例では、後述するように、柱状部
101B上での成長速度が、柱状部101B以外の半導
体基板101上の成長速度の1.4倍、すなわち、v
PD/vLD=1.4になるように、柱状部101Bの
径および高さをそれぞれ100μmおよび3μmとし
た。
【0042】この半導体基板101上には、n型Al
0.15Ga0.85As層とn型AlAs層をこの順
に交互に30ペア積層し、受光部100Bにおいて83
0nm付近の波長の光に対し99.5%以上の反射率を
持つ第1の半導体多層膜ミラー102が積層される。こ
の第1の半導体多層膜ミラー102は、例えば、受光部
100Bにおいて、光学的な長さがλ/4となる膜厚の
n型Al0.15Ga0.85As層と、同じ光学的な
長さとなる膜厚のn型AlAs層を交互に積層させるこ
とによって形成される。この時、発光部100Aの第1
の半導体多層膜ミラー102Aは、各層の膜厚が受光部
100Bの第1の半導体多層膜ミラー102Bの1/
1.4倍になっているため、波長λ付近の光に対する反
射率はほぼ0となり、ミラーとして作用しない。
【0043】次に、この上には、n型Al0.15Ga
0.85As層とn型AlAs層をこの順に交互に30
ペア積層し、発光部100Aにおいて830nm付近の
波長の光に対し99.5%以上の反射率を持つ第2の半
導体多層膜ミラー103が積層される。この第2の半導
体多層膜ミラー103は、例えば、発光部100Aにお
いて、光学的な長さがλ/4となる膜厚のn型Al
0.15Ga0.85As層と、同じ光学的な長さとな
る膜厚のn型AlAs層を交互に積層させることによっ
て形成される。この時、受光部100Bの第2の半導体
多層膜ミラー103Bは、各層の膜厚が発光部100A
の半導体多層膜ミラー103Aの1.4倍になっている
ため、波長λ付近の光に対する反射率はほぼ0となり、
ミラーとして作用しない。
【0044】さらにこの上には、n型Al0.5Ga
0.5As層(n型クラッド層104)、Al0.3
0.7Asバリア層とGaAs量子井戸層からなり量
子井戸層が10層で構成される多重量子井戸構造の活性
層105、p型Al0.5Ga0.5As層(p型クラ
ッド層106)、p型AlAs層(電流狭窄層10
7)、p型Al0.15Ga0.85As層(コンタク
ト層108)が順次積層されている。ここで、受光部1
00Bにおけるこれらの各層の膜厚は、それぞれ発光部
100Aの1.4倍になっている。
【0045】発光部100Aは、p型クラッド層106
Aの途中まで、メサ部109がエッチングにて形成さ
れ、発光部100Aの発光中心付近の注入電流密度を上
げるために、電流狭窄層107Aの一部を選択的に酸化
することにより、電流狭窄部110が形成される。
【0046】このメサ部109の周囲には、熱CVD法
により形成されたSiOなどのシリコン酸化膜(Si
膜)からなる絶縁層111を形成し、その上に例え
ばCrと金−亜鉛合金で構成されるコンタクト金属層
(上部電極112A)が、コンタクト層108Aと接し
て形成され電極となる。
【0047】この上部電極112Aはメサ部109の表
面に開口部113Aを有し、この開口部113Aからレ
ーザ光が出射される。さらに、開口部113Aを充分に
覆う面積で例えばSiOなどのSiO層と、例えば
TaなどのTaO層とを交互に積層し、波長8
30nm付近の光に対して98.5〜99%の反射率を
持つ7ペアの誘電体多層膜ミラー114Aが形成されて
いる。
【0048】一方受光部100Bでは、コンタクト層1
08Bの表面をエッチングし、コンタクト層108Bの
厚さを薄くした後、例えばCrと金−亜鉛合金で構成さ
れるコンタクト金属層(上部電極112B)が、コンタ
クト層108Bと接して形成され電極となる。コンタク
ト層108Bの表面をエッチングした理由については後
述する。
【0049】この上部電極112Bは表面に開口部11
3Bを有し、この開口部113Bから、発光部100A
から出射されたレーザ光の図示しない外部反射物からの
反射光が入射する。さらに、開口部113Bを充分に覆
う面積で、例えばSiOなどのSiO層と、例えば
TaなどのTaO層とを交互に積層し、波長8
30nm付近の光に対して約86%の反射率を持つ3ペ
アの誘電体多層膜ミラー114Bが形成されている。受
光部を共振器構造としたとき、レーザ光が入射する側の
ミラーの反射率は受光部の量子効率が最大になる最適値
を持つ。本実施例では、受光部100Bの量子効率が最
大となるように、誘電体多層膜ミラー114Bのペア数
を3ぺアとした。ここで、受光部の量子効率とは、入射
光量に対する吸収層における吸収光量の割合であり、量
子効率が高いほど高い光電変換効率が得られる。
【0050】そして、半導体基板101の発光部100
Aおよび受光部100Bが形成されている面と反対側の
面には、例えば金−ゲルマニウム合金で構成される下部
共通電極115が形成されている。
【0051】さらに、発光部100Aと受光部100B
はエッチングにより形成された溝部116により素子分
離されている。本実施例のモノリシック受発光素子10
0では、下部共通電極115が用いられているため、こ
の素子分離は、少なくとも、コンタクト層108、電流
狭窄層107、p型クラッド層106、活性層105を
発光部100Aと受光部100Bで分離すればよい。
【0052】以上のように構成することにより、発光部
100Aでは、n型クラッド層104A、活性層105
A、p型クラッド層106A、電流狭窄層107A、コ
ンタクト層108Aで構成される共振器117Aが、誘
電体多層膜ミラー114Aと第2の半導体多層膜ミラー
103Aで挟まれた面発光レーザが構成され、受光部1
00Bでは、第2の半導体多層膜ミラー103B、n型
クラッド層104B、活性層105B、p型クラッド層
106B、電流狭窄層107B、コンタクト層108B
で構成される共振器117Bが、誘電体多層膜ミラー1
14Bと第1の半導体多層膜ミラー102Bで挟まれた
フォトダイオードが構成される。
【0053】ここで、発光部100Aにおいて、上で説
明した式(1)、(2)を満たすように、発光部100
Aにおける活性層105Aの量子井戸の幅(dLD)を
約4.7nm、バリア層の幅を約6.7nmとし、λ
cLD(TRT)が約825nmになるように、活性層
105A以外の共振器を構成する各層の膜厚を設定し
た。このとき、λcLD(TRT)は約810nmとな
り、λが830nm付近で良好に連続発振した。
【0054】一方、受光部100Bにおいて、式(3)
を満たすためには、λgPD(TRT)=830nmと
すればよいが、このための量子井戸の幅(dPD)およ
びバリア層の幅はそれぞれ約6.69nmおよび9.3
8nmであった。したがって、vPD/vLDを約1.
4(=dPD/dLD)にすればよいことがわかる。図
3は、柱状部101Bの高さを3μmとして半導体基板
上101にGaAs層をエピタキシャル成長したとき、
柱状部101Bの径の変化に対する、柱状部101B上
での成長速度とそれ以外での成長速度の比の変化の様子
を、横軸に柱状部101Bの径の逆数をとってプロット
したものである。この図から、柱状部101Bの径が小
さくなるに従って成長速度が大きくなることがわかる。
この図から、本実施例では柱状部101Bの径を、柱状
部101B上の成長速度がそれ以外での成長速度の約
1.4倍になる100μmとした。
【0055】このとき、受光部100Bの共振器117
Bで共振する波長は一般的には発振波長λとは一致しな
い。したがって、本実施例では、式(5)を満たすよう
に、コンタクト層108の表面をエッチングして、コン
タクト層108の膜厚を薄くした。この方法として、例
えば、エピタキシャル成長後に受光部100Bのみに開
口を持つレジストマスクで成長面を覆い、受光部100
Bの反射率スペクトルを測定しながら、反射率スペクト
ルのディップの波長がλと一致するまでレジストマスク
の開口部のみをエッチングするという方法を用いること
ができる。ここでディップとは、反射率スペクトルにお
いて、共振器が共振する波長で反射率が急激に低下する
部分のことを意味する。
【0056】以上説明したように、本実施例のモノリシ
ック受発光素子は、発光部と受光部を同一半導体基板上
にモノリシックに形成しながらも、それぞれの素子の発
光特性と受光特性を最適化することができる。また、受
光部は共振器構造を持つPIN型のフォトダイオードで
あるため、受光感度が高く、応答速度が速く、さらに外
光などのノイズの影響を受けにくい。このため、本実施
例のモノリシック受発光素子は、光ピックアップ等の光
源と光検出器として好適に用いることができる。あるい
は、光インターコネクト等のように、同一の波長を出射
する発光部を持つ一対のモノリシック受発光素子を、発
光部と受光部を対向させて通信を行うというような用途
にも好適に用いることができる。
【0057】なお、上記の実施例において、各層におけ
るp型とn型を入れ替えて、極性を逆にしたモノリシッ
ク受発光素子としても本発明の趣旨を逸脱するものでは
ない。また、上記の実施例では、AlGaAs系の面発
光レーザについて説明したが、その他のIII−V族系ある
いはII−VI族系の面発光レーザについても好適に適用で
き、特に活性層はAlの組成を変えることで発振波長を
変更することもできる。
【0058】また、本発明の趣旨は、発光部の活性層と
受光部の吸収層が同一エピタキシャル成長層にて形成さ
れたモノリシック受発光素子において、発光部と受光部
での成長速度を変えて、吸収層における吸収が発光部か
らの出射光に対して十分に大きく、がつ、受光部の共振
器での共振波長が発光部の波長と一致するモノリシック
受発光素子を提供するというものである。本実施例で
は、半導体基板上に形成した柱状部上では、積層される
すべての半導体層はその成長速度がそれ以外の部分の成
長速度よりも大きくなるが、必要な半導体層のみ成長速
度を大きくしても、本発明の趣旨は損なわれない。例え
ば、本実施例と同様に、半導体基板上に柱状部を形成
し、MOVPE法によるエピタキシャル成長時の半導体
基板の温度を制御して、例えば量子井戸層を積層すると
きのみ、柱状部上の成長速度をそれ以外の部分の成長速
度よりも大きくしても良い。また、エピタキシャル成長
法として分子線エピタキシー法を用いて、エピタキシャ
ル成長時にレーザ光を局部的に照射し、その部分のみ高
温にして成長速度を変える方法を用いても良い。
【0059】以下、実施例1で説明した本発明のモノリ
シック受発光素子100を、光ピックアップに適用した
実施例について説明する。
【0060】(実施例2)図4は、本発明の光ピックア
ップ200の構成を示す概略斜視図である。
【0061】図中、ガラス等の透明基板201の一方の
表面上には、断面が鋸歯形状を持つブレーズ化グレーテ
ィングレンズからなるマイクロ対物レンズ202が形成
され、他方の表面には、マイクロ対物レンズ202の光
軸に直交する直線で2つの領域に分割された回折格子2
03が形成されている。ここで、マイクロ対物レンズ2
02はブレーズ化グレーティングレンズの代わりに、透
明基板上に円形開口を持つマスクを形成した後、イオン
交換処理によって透明基板中に屈折率分布を付けること
によって作製したマイクロ平板レンズを用いてもよい。
【0062】光ピックアップ200は、モノリシック受
発光素子100を複数個2次元アレイ状に形成したもの
と、マイクロ対物レンズ202と回折格子203をそれ
ぞれ複数個2次元アレイ状に形成した透明基板201と
を一定の間隔をとった状態で貼り合わせたものを、個々
の素子ごとに切り出したものである。ここで、モノリシ
ック受発光素子100と透明基板201は、図4に示す
ように、モノリシック受発光素子100のレーザ出射側
と回折格子203が対向し、さらにモノリシック受発光
素子100の発光部100Aからの出射光の光軸と、マ
イクロ対物レンズ202の光軸が一致するように位置合
わせして張り合わされている。
【0063】ここで、モノリシック受発光素子100、
マイクロ対物レンズ202、回折格子203はそれぞれ
2次元アレイ状に複数形成することが容易であり、それ
ぞれの素子の位置はフォトリソグラフ技術により高精度
に位置決め可能であるため、大量の光ピックアップ20
0を同時に作製可能である。従来の光ピックアップが個
々の素子を別々に作製し、高精度な組立調整が必要であ
ったため小型化が困難であり高コストであったのに対し
て、本発明の光ピックアップ200は非常に小型にもか
かわらず、同時に大量に作製することが容易であるとい
う大きなメリットを持つ。
【0064】この光ピックアップ200は図示しない浮
上スライダに固定され、光ディスクの回転時に、光ディ
スクの記録面に対して常にマイクロ対物レンズ202の
焦点を結ぶように光ディスクから一定の距離を隔てて浮
上している。このため、本実施例の光ピックアップ20
0はフォーカスサーボを行う必要がなく、構成を非常に
簡略化することができる。また、光ピックアップ200
は浮上スライダに搭載されているためディスクチルトが
発生せず、高精度なトラッキングを行うことができる。
【0065】また、この光ピックアップ200は、回折
格子203の2つの領域の分割線が、光ディスクのトラ
ック方向に平行になるように設置される。そして、光デ
ィスクからの反射光の内、領域203Rでの+1次と−
1次回折光が受光部100BRに入射するように、領域
203Lでの+1次と−1次回折光が受光部100BL
に入射するように、回折格子203の形状を、断面が矩
形で、領域203Rと領域203Lでそれぞれの領域で
の回折光の回折方向が互いに直交する形状とした。
【0066】次に、この光ピックアップ200の動作に
ついて説明する。
【0067】まず、駆動回路204によって発光部10
0Aの面発光レーザがレーザ光を出射する。
【0068】発光部100Aから出射されたレーザ光は
回折格子203を通過し、マイクロ対物レンズ202に
よって光ディスクの記録面上に集光される。光ディスク
からの反射光はマイクロ対物レンズ202を通過し、回
折格子203によって回折され、分割線によって分離さ
れて受光部100BRと受光部100BLに入射する。
受光部100BR、受光部100BLに流れる電流量を
それぞれI−V変換器205で検出し、それぞれの出力
の内、加算増幅器206Rで受光部100BRの出力の
和をとり、加算増幅器206Lで受光部100BLの出
力の和をとる。そして、差動増幅器207で加算増幅器
206Rと加算増幅器206Lの出力の差をとることに
よりプッシュプル法でトラックエラー信号(TES)を
検出し、加算増幅器208でそれぞれの信号の和をとる
ことによりデータ信号(RFS)を検出する。
【0069】以上説明したように、本発明のモノリシッ
ク受発光素子を光ピックアップに適用することにより、
非常に小型の光ピックアップが、大量にかつ容易に作製
可能になる。
【0070】
【発明の効果】本発明のモノリシック受発光素子は、発
光部と受光部を同一半導体基板上にモノリシックに形成
しながらも、それぞれの素子の発光特性と受光特性を最
適化することができる。さらに、受光部は共振器構造を
持つPIN型のフォトダイオードであるため、受光感度
が高く、応答速度が速く、さらに外光などのノイズを低
減することができる。
【0071】また、本発明のモノリシック受発光素子を
光ピックアップに適用することにより、作製容易な小型
の光ピックアップが実現可能となり、光ディスクにおけ
る記録、再生の高速化および装置全体の小型化、省電力
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るモノリシック受発光素
子の断面を模式的に示す図である。
【図2】図1に示すモノリシック受発光素子の概略斜視
図である。
【図3】半導体基板101上の柱状部101Bの高さを
3μmとし、径を変化させたときの、柱状部101Bに
おける成長速度とそれ以外の部分における成長速度の比
の変化を示した図である。
【図4】本発明の一実施例に係る光ピックアップを模式
的に示す概略斜視図である。
【図5】従来例のモノリシック受発光素子の断面を模式
的に示す断面図である。
【符号の説明】
100 モノリシック受発光素子 100A、300A 発光部 100B、100BR、100BL、300B 受光部 101 n型半導体基板 101B 柱状部 102 第1の半導体多層膜ミラー 103 第2の半導体多層膜ミラー 104、104A、104B n型クラッド層 105、105A 活性層 105B 吸収層 106、106A、106B p型クラッド層 107、107A、107B 電流狭窄層 108、108A、108B コンタクト層 109 メサ部 110 電流狭窄部 111 絶縁膜 112A、112B 上部電極 113A、113B 開口部 114A、114B 誘電体多層膜ミラー 115 下部共通電極 116 分離溝 117A、118B 共振器 200 光ピックアップ 201 透明基板 202 マイクロ対物レンズ 203、203R、203L 回折格子 204 駆動回路 205 I−V変換器 206、206R、206L、208 加算増幅器 207 差動増幅器 301 半導体基板 302 下部半導体多層膜ミラー 303 活性領域 304 上部半導体多層膜ミラー

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板上に、 第1導電型の第1の半導体多層膜ミラーと、少なくとも
    量子井戸層とバリア層からなる活性層を含む共振器が形
    成され、 前記共振器が前記第1の半導体多層膜ミラーと第2のミ
    ラーで挟まれた垂直共振器型面発光レーザからなる発光
    部と、 前記共振器が前記第1の半導体多層膜ミラーと第3のミ
    ラーで挟まれたPIN型フォトダイオードからなる受光
    部を有するモノリシック受発光素子において、 前記垂直共振器型面発光レーザからの発振波長をλ、環
    境温度における前記PIN型フォトダイオードの量子井
    戸のバンドギャップのエネルギーに相当する波長をλ
    gPD(TRT)、前記環境温度における前記PIN型
    フォトダイオードの前記共振器による共振波長をλ
    cPD(TRT)としたとき、 λ≦λgPD(TRT) かつ、 λ=λcPD(TRT) であることを特徴とするモノリシック受発光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 λ=λgPD(TRT) かつ、 λ=λcPD(TRT) であることを特徴とするモノリシック受発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれかにおいて、 前記PIN型フォトダイオードの前記量子井戸層の膜厚
    が、前記垂直共振器型面発光レーザの前記量子井戸層の
    膜厚よりも大きいことを特徴とするモノリシック受発光
    素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかのモノリシッ
    ク受発光素子の製造方法において、 少なくとも前記量子井戸層をエピタキシャル成長すると
    き、 前記受光部でのエピタキシャル成長速度vPDを、前記
    発光部でのエピタキシャル成長速度vLDよりも大きく
    したことを特徴とするモノリシック受発光素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記垂直共振器型面発光レーザでの前記量子井戸層の幅
    をdLDとし、 λ=λgPD(TRT) が得られる前記PIN型フォトダイオードの前記量子井
    戸層の幅をdPDとしたとき、 vPD/vLD≧dPD/dLD としたことを特徴とするモノリシック受発光素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 vPD/vLD=dPD/dLD としたことを特徴とするモノリシック受発光素子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至6のいずれかにおいて、 前記半導体基板上に柱状部を形成し、有機金属気相成長
    法にて前記第1の半導体多層膜ミラーと、前記共振器を
    エピタキシャル成長させ、 該エピタキシャル成長後に、 λ=λcPD(TRT)としたことを特徴とするモノリ
    シック受発光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記柱状部の径および高さを、 vPD/vLD≧dPD/dLD となる径および高さとしたことを特徴とするモノリシッ
    ク受発光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 前記柱状部の径および高さを、 vPD/vLD=dPD/dLD となる径および高さとしたことを特徴とするモノリシッ
    ク受発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかにおいて、 前記第1の半導体多層膜ミラーとして、 前記PIN型フォトダイオードにおいて前記λの波長付
    近の光に対して99.5%以上の反射率を有する第1導
    電型の半導体多層膜ミラー1と、 前記垂直共振器型面発光レーザにおいて前記λの波長付
    近の光に対して99.5%以上の反射率を有する第1導
    電型の半導体多層膜ミラー2とを、 この順に積層し、 前記共振器として、 第1導電型の第1のクラッド層と、前記活性層と、第2
    導電型の第2のクラッド層と、第2導電型の電流狭窄層
    と、第2導電型のコンタクト層とを、この順に積層し、 前記PIN型フォトダイオードの前記コンタクト層の厚
    さを低減させて、 λ=λcPD(TRT) とし、 前記垂直共振器型面発光レーザと前記PIN型フォトダ
    イオードの、少なくとも前記コンタクト層および前記電
    流狭窄層および前記第2のクラッド層および前記活性層
    との間を、それぞれ電気的に絶縁したことを特徴とする
    モノリシック受発光素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の製造方法にて作製
    されたモノリシック受発光素子を有し、 前記垂直共振器型面発光レーザから出射されたレーザ光
    を光ディスクに照射し、該光ディスクからの反射光を前
    記PIN型フォトダイオードにて受光して、前記光ディ
    スクに対してデータを記録再生することを特徴とする光
    ピックアップ。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 一方の面上に対物レンズを、他方の面上に回折格子をそ
    れぞれ形成した透明基板と、前記モノリシック受発光素
    子とを、 前記透明基板の前記回折格子が形成された面と、前記モ
    ノリシック受発光素子の前記垂直共振器型面発光レーザ
    の光を出射する面とが対向し、 前記透明基板上の前記対物レンズの光軸と、前記垂直共
    振器型面発光レーザの発光部の中心とが略一致するよう
    に、 位置合わせして貼り合わせることによって形成し、 浮上スライダに搭載することを特徴とする光ピックアッ
    プ。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記対物レンズが前記透明基板上に形成した鋸歯形状を
    持つブレーズ化グレーティングレンズであることを特徴
    とする光ピックアップ。
  14. 【請求項14】 請求項12において、 前記対物レンズが前記透明基板上に円形開口を持つマス
    クを形成した後、イオン交換処理によって前記透明基板
    中に屈折率分布を付けることによって作製したマイクロ
    平板レンズであることを特徴とする光ピックアップ。
  15. 【請求項15】 請求項12乃至14のいずれかにおい
    て、 前記モノリシック受発光素子は前記PIN型フォトダイ
    オードからなる少なくとも2つの受光部を有し、前記回
    折格子は前記光ディスクの記録トラックに平行な直線で
    2つの領域で分割され、前記光ディスクからの反射光の
    うち、 前記回折格子の一方の領域による回折光が、一方の前記
    受光部に入射し、前記回折格子の他方の領域による回折
    光が、他方の前記受光部に入射して、 前記受光部の出力信号の差をとることによりトラックエ
    ラー信号を、前記受光部の出力信号の和をとることによ
    り前記データを再生することを特徴とする光ピックアッ
    プ。
  16. 【請求項16】 請求項15において、 前記回折格子は、断面が矩形で、前記回折格子の2つの
    領域において前記光ディスクからの反射光が回折する方
    向が、互いに直交することを特徴とする光ピックアッ
    プ。
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US7277642B2 (en) 2000-11-10 2007-10-02 Kabushiki Kaisha Kenwood Fine displacement detection device by sound or the like
US7704758B2 (en) 2006-07-14 2010-04-27 Seiko Epson Corporation Optical device and its manufacturing method, and optical device wafer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7277642B2 (en) 2000-11-10 2007-10-02 Kabushiki Kaisha Kenwood Fine displacement detection device by sound or the like
US7704758B2 (en) 2006-07-14 2010-04-27 Seiko Epson Corporation Optical device and its manufacturing method, and optical device wafer

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