JPH10293545A - 投射型表示装置 - Google Patents

投射型表示装置

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JPH10293545A
JPH10293545A JP9103488A JP10348897A JPH10293545A JP H10293545 A JPH10293545 A JP H10293545A JP 9103488 A JP9103488 A JP 9103488A JP 10348897 A JP10348897 A JP 10348897A JP H10293545 A JPH10293545 A JP H10293545A
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JP
Japan
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lens
light
lens plate
laser
light source
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JP9103488A
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English (en)
Inventor
Masaya Adachi
昌哉 足立
Tatsuya Sugita
辰哉 杉田
Seiji Maruo
成司 丸尾
Makoto Tsumura
津村  誠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の半導体レーザーを光源として用い、光
利用効率が高く、明るく高品位の投射映像が得られるよ
うにした投射型表示装置を提供すること。 【解決手段】 複数の半導体レーザー素子をマトリクス
状に配した構成の半導体レーザーアレイ201と、複数
のレーザー光を平行化するコリメートレンズアレイ20
2と、二次元光変調装置106と、複数の単レンズ部を
配置した第1のレンズ板203と、複数の単レンズ部を
配置した第2のレンズ板204と、フィールドレンズ1
23と、投射レンズ108を備え、第1のレンズ板20
3に入射する複数のレーザー光束のうちの少なくとも一
つが、第2のレンズ板204を構成する隣合う単レンズ
部にまたがって照射されるように、各光学素子を配置し
たもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、二次元光変調装置
に表示された映像をスクリーン上に投射して表示する画
像表示装置に係り、特に液晶表示素子を用いた投射型表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】投射型表示装置の一例としては、液晶表
示素子を用いたライトバルブ方式の液晶プロジェクタが
あるが、この液晶プロジェクタは、CRT(陰極線管)を
用いた表示装置に比して小型軽量で、且つ地磁気の影響
に対する配慮を要せず、手軽に大画面映像が得られると
ういう利点がある。
【0003】そして、この液晶プロジェクタの液晶表示
素子としては、例えば、透明電極を有する2枚のガラス
基板の間に、誘電異方性が正のネマチック液晶を、液晶
分子長軸が2枚のガラス基板間で連続的に90°ねじれ
た状態で封入した、いわゆるTN(Twisted Nematic)液
晶表示素子が知られている。
【0004】一方、このような透過型の液晶表示素子と
は別に、例えば、半導体チップ上に光反射面を形成し、
そこに液晶を組み込んだ反射型の液晶表示素子も知られ
ており、この反射型の素子を用いた投射型表示装置とし
ては、ECB(ElectricallyContorlled Birefringence)
効果を利用し、光の偏光状態を制御して画像を形成する
表示装置が、例えば、特開昭64−7021号公報によ
り提案されている。
【0005】ところで、このようなライトバルブ方式の
投射型表示装置では、投射光用の光源を必要とするが、
従来技術では、この光源として、一般にメタルハライド
ランプやキセノンランプなどの高輝度放電ランプが用い
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、光源
として、メタルハライドランプやキセノンランプなど高
輝度放電ランプを用いたことによる以下の課題について
配慮がされておらず、省エネルギー化の点で問題があっ
た。
【0007】一般に、このような表示装置では、カラー
表示のため、3原色の光源を要するが、メタルハライド
ランプやキセノンランプなど高輝度放電ランプは白色光
源に近いので、ダイクロイックミラーなどにより3原色
に分光する必要があるが、この際、このような白色光源
ではスペクトルがブロードなため、光を効率良く利用す
るには、各色の光の波長帯域をできるだけ広くすること
が望ましい。
【0008】しかし、そうすると、光源の色純度が低下
し、色の再現範囲が狭くなってしまう。また、ECBモ
ードを用いる液晶表示素子では、液晶層の波長分散のた
め、表示の明るさ(液晶に印加する電圧)によって色度が
ずれ、安定した色再現が行えなくなってしまうという問
題を生じる。
【0009】さらに、この種の光源からの光は無偏光光
のため、TN液晶表示素子やECB反射型液晶表示素子
など偏光を利用する表示素子では、少なくとも半分の光
を偏光板などで吸収して捨ててしまうことになるため、
光利用効率は更に低くなってしまう。従って、上記従来
技術では、明るい表示を得るためには、光量の多い光源
が必要になり、省エネルギー化の点で問題が生じてしま
うのである。
【0010】ところで、このような問題の無い光源とし
てレーザーが考えられ、なかでも半導体レーザーは、固
体レーザーや気体レーザーなどに比して著しく小型堅牢
で、しかも高効率、且つ大量生産が可能であるなどの長
所を有するので、特に有望である。しかしながら、半導
体レーザーは、現在のところ出力が数mW程度と低く、
単体で投射型表示装置の光源として利用するには、十分
な出力とはいえない。
【0011】そこで、複数の半導体レーザーを用いるこ
とにより、必要な光量を得るようにすることが考えられ
るが、この場合、光度むらの抑制が課題になるが、従来
技術では何も言及されていない。本発明の目的は、複数
の半導体レーザーを光源として用い、明るくて高品位の
投射映像が得られるようにした投射型表示装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、光源部と、
光源部から出力された光束を画像情報に応じて変調し、
光学像を形成する二次元光変調装置と、前記光学像をス
クリーン面に投射する投射レンズとを備えた投射型表示
装置において、前記光源部が、複数の半導体レーザー素
子をマトリクス状に配置したレーザーアレイと、前記レ
ーザーアレイから出力される複数のレーザー光をそれぞ
れ個別に平行化するコリメートレンズアレイと、前記二
次元光変調装置の画像表示面と平面形状が相似した複数
個の単レンズ部を、前記光源部から出力されるレーザー
光束の主軸に垂直な面内に配置した第1のレンズ板と、
この第1のレンズ板の単レンズ部と同じ個数の単レンズ
部を前記光源部から出力されるレーザー光束の主軸に垂
直な面内に配置した第2のレンズ板と、前記二次元光変
調装置の光入射側に配置したフィールドレンズとを備
え、前記第1のレンズ板に入射する複数のレーザー光束
のうち少なくとも1本の光束が、前記第1のレンズ板の
隣合う単レンズ部間にまたがって照射されるようにして
達成される。
【0013】また、上記目的は、光源部と、光源部から
出力された光束を画像情報に応じて変調し、光学像を形
成する二次元光変調装置と、前記光学像をスクリーン面
に投射する投射レンズとを備える投射型表示装置におい
て、前記光源部が、複数の半導体レーザー素子をマトリ
クス状に配置したレーザーアレイと、前記半導体レーザ
ーアレイから出力される複数のレーザー光をそれぞれ個
別に平行化するコリメートレンズアレイと、前記二次元
光変調装置の画像表示面と平面形状が相似した複数個の
単レンズ部を、前記光源部から出力されるレーザー光束
の主軸に垂直な面内に配置した第1のレンズ板と、前記
二次元光変調装置の光入射側に配置したフィールドレン
ズとを備え、前記第1のレンズ板の各単レンズ部の曲率
中心と、前記光源部から出力されるレーザー光束群の主
軸中心とのずれの量の縦横比が、前記二次元光変調装置
の表示部の高さと幅の比と同じであり、前記第1のレン
ズ板に入射する複数のレーザー光束のうち少なくとも1
本の光束が、前記第1のレンズ板の隣合う単レンズ部間
にまたがって照射されるようにしても達成される。
【0014】このとき、さらに、前記第1のレンズ板の
各単レンズ部の幅をW、高さをHとし、前記第1のレン
ズ板に入射する複数のレーザー光束の該第1のレンズ板
上での幅方向のピッチをPh、高さ方向のピッチをPv
としたとき、 W=Ph(Nh+Khl/Kh) H=Pv(Nv+Kvl/Kv) Nh、Nv:0以上の任意の整数からなる係数 Kh、Kv:1以上の任意の整数からなる係数 Khl:Khよりも小さい任意の整数からなる係数 Kvl:Kvよりも小さい任意の整数からなる係数 の関係が成り立ち、かつ前記第1のレンズ板の各単レン
ズ部の幅方向の個数が係数Khの整数倍、高さ方向の個
数が係数Kvの整数倍になるようにすることによって
も、達成される。
【0015】上記の構成により、レーザーアレイの半導
体レーザー素子から出力されたレーザー光束は、コリメ
ートレンズアレイにより平行光に変換された後、第1の
レンズ板に入射する。この際、第1のレンズ板に入射す
る複数のレーザー光束のうち一部のレーザー光束は第1
のレンズ板を構成する隣合う単レンズ部にまたがるよう
に照射されるようになる。
【0016】ここで、第1のレンズ板の各単レンズ部を
通過したレーザー光束は、それぞれ第2のレンズ板の対
応する単レンズ部とフィールドレンズを介して二次元光
変調装置の表示部に伝達重畳される。
【0017】このとき、或る1個の単レンズ部を通過し
たレーザー光束群は、二次元光変調装置表示部上で半導
体レーザーのピッチに対応した位置に光強度のピークを
有する周期的な光強度分布となる。しかし、同じ行、又
は同じ列の単レンズ部を通過したレーザー光束群の光強
度のピーク位置は、係数Kh、Kvの値により適切にず
らすことができ、これにより、或る単レンズ部を通過し
たレーザー光束群の間隙に、別の単レンズ部を通過した
レーザー光束群を補うように照射することができ、合成
後の光強度分布を面内で均一にすることができる。
【0018】また、第1のレンズ板を構成する単レンズ
部の形状は、二次元光変調装置の表示部の形状と相似で
あるため、合成後のレーザー光束群の断面形状は表示部
と同形状となり、過不足のない効率の高い照明ができ
る。
【0019】従って、本発明の投射型表示装置によれ
ば、照明光として複数の半導体レーザーからのレーザー
光を合成して利用しているため、十分な明るさの投射画
像を得ることができる。
【0020】また、照明光と二次元光変調装置の表示部
の形状とのミスマッチによる光の損失がほとんどないの
で、光利用効率が高く、明るい投射映像が得られる。さ
らに、合成後のレーザー光束群の光強度分布は均一とな
るので面内の明るさが均一で高品位な投射映像が得られ
る。
【0021】また、二次元光変調装置として液晶表示素
子を用いる場合は、各半導体レーザーから出力される直
線偏光光の偏光の向きを、所望の方向に揃えることで偏
光板等による損失を小さく押さえられるあため、光利用
効率が向上し、より明るい投射映像が得られる。
【0022】しかも、光源である半導体レーザーは、波
長帯域の狭い色純度の高い光が得ることができるため、
従来の白色光源を用いた場合よりも色再現範囲が広く、
高品位な投射映像を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明による投射型表示装
置について、図示の実施形態により詳細に説明する。図
1は、本発明の一実施形態による投射型表示装置の光学
系の基本構成図で、この投射型表示装置は、ダイクロッ
クプリズム107を中心にして、このダイクロイックプ
リズム107の3側面にそれぞれ配置された透過型の赤
色(R)用二次元光変調装置104、緑色(G)用二次元光
変調装置105、それに青色(B)用二次元光変調装置1
06と、残りの1側面の近傍に配置した投射レンズ10
8を備えている。
【0024】さらに、これら二次元光変調装置104、
105、106には、それぞれ対応する色のレーザー光
を照射する半導体レーザー光源装置101、102、1
03と、フィールドレンズ121、122、123が設
けられており、これにより、半導体レーザー光源装置1
01、102、103から出射した赤色と緑色、それに
青色の光は、それぞれフィールドレンズ121、12
2、123を介して対応する色光用の二次元光変調装置
104、105、106に入射されるようになってい
る。
【0025】ここで、これらの二次元光変調装置10
4、105、106は、入射した光を各色の画像情報に
応じて変調する装置で、例えば透過型の液晶表示素子で
構成されており、具体的には、画素を形成する透明電極
が施された2枚のガラス基板の間に、誘電異方性が正の
ネマチック液晶を封入し、このとき、液晶分子長軸が、
2枚のガラス基板間で連続的に90°ねじれた状態にな
るようにした、いわゆるTN(Twisted Nematic)液晶表
示素子で構成されている。
【0026】そして、このTN液晶表示素子は、偏光軸
を直交させた2枚の偏光板の間に配置され、偏光状態を
制御することにより光の透過量を制御する。このとき、
この液晶表示素子としては、各画素毎に薄膜トランジス
タ(TFT)を設けた、いわゆるアクティブマトリクス方
式を用いることができる。
【0027】これら二次元光変調装置104、105、
106に入射した光は、各色の画像情報に応じて、各画
素毎に変調された後、ダイクロイックプリズム107に
入射する。このダイクロイックプリズム107は、赤色
反射膜107Rと青色反射膜107Bを有する4個の3
角柱状のプリズムを、それらの張合わせ面に、赤色反射
膜107Rと青色反射膜107Bが互いに直交して形成
されるように組合わせ、張合わせて4角柱状にしたもの
である。
【0028】そして、このダイクロイックプリズム10
7に対して、まず赤色用二次元光変調装置104は、赤
色反射膜107Rと対向するようにして、その側面に配
置され、次に青色用二次元光変調装置106は、赤色用
二次元スイッチ装置104と向かい合うようにして、そ
反対側の側面に配置されている。
【0029】一方、緑色用二次元光変調装置105は、
ダイクロイックプリズム107の、赤色反射膜107R
と青色反射膜107Bによる反射光の進行方向とは反対
側の側面に配置されている。そして、このダイクロイッ
クプリズム107の、赤色反射膜107Rと青色反射膜
107Bによる反射光の進行方向にある側面の近傍に、
投射レンズ108が配置されている。
【0030】これにより、赤色用二次元光変調装置10
4を通過した変調光は、ダイクロイックプリズム107
の赤色反射膜107Rで反射され、青色用二次元光変調
装置106を通過した変調光は、青色反射膜107Bで
反射され、それぞれ投射レンズ108に入射し、この投
射レンズ108によりスクリーン109に投射され、緑
色用二次元光変調装置105を通過した変調光は、ダイ
クロイックプリズム107の赤色反射膜107Rと青色
反射膜107Bをそのまま透過して投射レンズ108に
入射し、スクリーン109に投射される。
【0031】この結果、赤色、緑色、青色の各変調光が
ダイクロイックプリズム107で合成され、投射レンズ
108によりスクリーン109上に投射されることにな
り、フルカラーの拡大映像がスクリーン109上に表示
されることになる。
【0032】次に、本発明の主要部である半導体レーザ
ー光源装置101、102、103について説明する。
なお、これらは、光学系全体の構成は同じで、光源とな
る半導体レーザーの発光色が異なるだけなので、以下の
説明では、青色半導体レーザー光源装置103を例に挙
げて説明する。
【0033】図2は、青色半導体レーザー光源装置10
3の基本構成図で、まず、青色のレーザー光を発生する
複数の半導体レーザー素子を同一面内にマトリクス状に
配置した半導体レーザーアレイ201と、この半導体レ
ーザーアレイ201の各半導体レーザーのそれぞれに対
応してマトリクス状に配置した複数の凸レンズ部を有
し、各半導体レーザー素子のそれぞれから出力される複
数のレーザー光をそれぞれ個別に平行光化するためのコ
リメートレンズアレイ202とを備え、これを光源部と
する。
【0034】次に、この光源部から出力される光束の主
軸に垂直な面内に、複数の凸レンズ部を配列させてなる
第1のレンズ板203及び第2のレンズ板204と、単
一の凸レンズ部からなる第3のレンズ205を用い、こ
れらをフィールドレンズ123及び二次元光変調装置1
06に向かって順次配列してある。
【0035】これにより、まず半導体レーザーアレイ2
01から出力される複数のレーザー光は、コリメータレ
ンズアレイ202によって、それぞれ個々に平行光束に
変換された後、第1のレンズ板203に入射される。
【0036】これら第1のレンズ板203と第2のレン
ズ板204は、それぞれ同数同形の単レンズ部を有し、
第1のレンズ板203の単レンズ部と第2のレンズ板2
04の単レンズ部をそれぞれ1対1に対応させ、これに
より、第1のレンズ板203の対応する単レンズ近傍の
像が、二次元光変調装置106の表示部に重畳して結像
されるようにする。
【0037】ここで、この第1のレンズ板203は、第
2のレンズ板204及び第3のレンズ板205による光
の伝達効率を高める働きをするもので、このため、二次
元光変調装置106の表示部と相似形に作られた複数の
矩形の単レンズ部をマトリクス状に配した構成になって
いる。
【0038】そして、この第1のレンズ板203の各単
レンズ部の焦点距離は、第1のレンズ板203と第2の
レンズ板204の間の距離にほぼ等しくしてあり、これ
により、第1のレンズ板203の各単レンズ部に入射さ
れる平行光束が、第2のレンズ板204の対応する単レ
ンズ部上に集光されるようにする。
【0039】従って、第2のレンズ板204の単レンズ
部は、対応する第1のレンズ板203の単レンズ部近傍
の像を無限遠に結像する。そこで、第3のレンズ板20
5は、第2のレンズ板204により無限遠に形成される
はずの像を二次元光変調装置106の表示部に伝達重畳
するため、その焦点距離が第3のレンズ板205と二次
元光変調装置106との距離にほぼ等しくなってる。
【0040】さらに、第1のレンズ板203の単レンズ
部近傍の像を二次元光変調装置106の表示部に過不足
なく伝達するため、第2のレンズ板204と第3のレン
ズ板205による拡大率を、第1のレンズ板203の単
レンズ部の大きさと二次元光変調装置106の表示部の
大きさとの比に対応させてある。
【0041】次に、二次元光変調装置106の光束入射
側には、図示のように、フィールドレンズ123が設け
られているが、これは、第2のレンズ板204から二次
元光変調装置106に入射される照明光束が発散光束と
なっているため、これを平行化して入射させるために配
置されているものであり、このため、このフィールドレ
ンズ123の焦点距離は、第2のレンズ板204とフィ
ールドレンズ123の間の距離にほぼ等しくしてある。
【0042】なお、この実施形態では、フィールドレン
ズ123が二次元光変調装置106側に平面を向けた平
凸レンズで構成されているが、両凸レンズや、凸面を二
次元光変調装置106に向けた平凸レンズ、フレネルレ
ンズ、非球面レンズ等を用いることができる。
【0043】以上の結果、第1のレンズ板203を構成
する個々の単レンズ部を通過した光束は、第2のレンズ
板204、第3のレンズ板205、フィールドレンズ1
23を介して、二次元光変調装置106の表示部に重畳
して伝達されることになる。
【0044】次に、この実施形態における各レンズ板の
構成について説明する。まず、図3は、第1のレンズ板
203の正面形状を示したもので、この実施形態では、
図示のように、4個の単レンズ部203a、203b、
203c、203dを備え、且つこれらの単レンズ部2
03a〜の平面形状は、例えば、アスペクト比4:3の
矩形からなる二次元光変調装置106の表示部の形状と
相似形に作られている。
【0045】そして、これにより、半導体レーザーアレ
イ201の各レーザー素子から出射され、コリメートレ
ンズアレイ202により平行化されたレーザー光束の断
面形状は、この第1のレンズ板203上では、図形30
1で示すように、楕円形になる。
【0046】次に、図4は、この実施形態での第2のレ
ンズ板204の正面形状を示したもので、図示のよう
に、第1のレンズ板203のレンズ部と同数同形の単レ
ンズ部204a、204b、204c、204dを備え
ている。従って、この第2のレンズ板204上でのレー
ザー光束群の断面形状は、図3に示した第1のレンズ板
203の各単レンズ部203a〜での像が集光され、縮
小された図形401で示すようになる。
【0047】ここで、本発明による投射型表示装置で
は、例えば上記実施形態に示されているように、第1の
レンズ板203に入射する複数本のレーザー光束のうち
の少なくとも1本の光束が、第1のレンズ板203を構
成する隣合う単レンズ部にまたがって照射されるように
構成したことを特徴としている。具体的には、図3に示
すように、第1のレンズ板203の各単レンズ部の幅を
W、高さをH、レーザー光束群の第1のレンズ板上での
幅方向のピッチをPh、高さ方向のピッチをPvとした
とき、以下の関係が成立するようにしたものである。
【0048】W=Ph(Nh+Khl/Kh) H=Pv(Nv+Kvl/Kv) Nh、Nv:0以上の任意の整数からなる係数 Kh、Kv:1以上の任意の整数からなる係数 Khl:Khよりも小さい任意の整数からなる係数 Kvl:Kvよりも小さい任意の整数からなる係数 また、このとき、第1のレンズ板203を構成する単レ
ンズ部の幅方向の個数は係数Khの整数倍で、高さ方向
の個数は係数Kvの整数倍となるようにする。
【0049】上記したように、第1のレンズ板203の
各単レンズ部を通過したレーザー光束群は、それぞれ第
2のレンズ板204の対応する単レンズ部と、第3のレ
ンズ板205、それにフィールドレンズ206を介して
二次元光変調装置106の表示部に伝達され重畳される
が、このとき、第1のレンズ板203の中の或る1個の
単レンズ部を通過したレーザー光束群について見た場合
には、二次元光変調装置106の表示部上では、半導体
レーザーのピッチに対応した位置に光強度のピークを有
する周期的な光強度分布となって、面内で均一な明るさ
にはならない。
【0050】しかし、本発明では、上記の通りレーザー
光束の第1のレンズ板への入射位置を規定することで、
同じ行、又は同じ列の単レンズ部を通過したレーザー光
束群の光強度のピーク位置を適切にずらすことができ
る。例えば、図3に示す実施形態では、Nh=Nv=K
h=Kv=2にしてあるので、第1のレンズ板203に
入射する複数のレーザー光束の内、一部のレーザー光束
は1/2ずつ隣り合う単レンズ部にまたがって照射され
る。
【0051】この場合、第1のレンズ板203の幅方向
に隣り合う単レンズ部を通過したレーザー光束群は、二
次元光変調装置106の表示部上で、互いに光強度のピ
ーク位置が幅方向に1/2ピッチずれ、高さ方向に隣り
合う単レンズ部を通過したレーザー光束群は二次元光変
調装置106の表示部上で、互いに光強度のピーク位置
が高さ方向に1/2ピッチずれる。このため、各レンズ
板を通過したレーザー光束群は、図5に示すように、互
いにそれぞれの隙間を補うように合成される。
【0052】この図5は、二次元光変調装置106の表
示部を501として示したもので、上記の通り、第1の
レンズ板203の単レンズ部の形状が、この二次元光変
調装置106の表示部(内側の枠)501の形状と相似形
にされているため、各単レンズ部を通過したレーザー光
束群(外側の枠)502の合成後の断面形状を表示部50
1と同じ矩形形状にすることができ、且つ個々のレーザ
ー光束が重畳され、それぞれの隙間を互いに補うように
して照射されるようにできる。
【0053】つまり、本発明によれば、合成後のレーザ
ー光束の断面形状が表示部と同じ形状になり、且つ相互
に重畳されるので、過不足の無い効率の高い照明が得ら
れるのである。図6は、図5のA−A位置における光強
度分布を示した図で、以下、この図6により、更に詳し
く説明する。
【0054】個々の半導体レーザー素子から出力される
光の強度分布は、一般にガウス分布を呈しているため、
第1のレンズ板203の単レンズ部を通過したレーザー
光束群は、各単レンズ部毎に見ただけでは、図6に示し
たように、半導体レーザーの配置のピッチに起因した位
置にピークを有する周期的な分布となる。
【0055】しかして、半導体レーザー光源装置103
によれば、隣り合う単レンズ部、例えば図3の単レンズ
203aと単レンズ部203bを通過したレーザー光束
群の光強度のピーク位置が互いに1/2ピッチずれて現
われるようにしてあるため、二次元光変調装置106の
表示部501上では、図6に示したように、均一な強度
分布の合成光となる。
【0056】従って、本発明の実施形態によれば、複数
の半導体レーザー素子からなる半導体レーザーアレイ2
01を用い、二次元光変調装置106の表示部501を
効率良く均一に照明することができるので、投射型表示
装置の光源として複数の半導体レーザー素子を用いたに
もかかわらず、充分に明るく、しかも高品位の投射映像
を容易に得ることができる。
【0057】ここで、上記したように、第1のレンズ板
203を構成する単レンズ部203a〜の幅方向の個数
は係数Khの整数倍で、高さ方向の数は係数Kvの整数
倍であれば良い。これは、幅方向にKh個、高さ方向に
Kv個の単レンズ部で形成される領域が均一照明を行う
ための単位領域となるからである。従って、例えばKh
=Kv=2であれば、単レンズ部の数が幅方向に2個、
高さ方向に2個、合計4個の単レンズで形成される領域
が単位領域となる。
【0058】図7は、第1のレンズ板203の他の一実
施形態で、楕円図形301は、この第1のレンズ板20
3上でのレーザー光束群の断面形状である。この図7の
実施形態は、上記した係数について、Kh=Kv=2と
した上で、幅方向と高さ方向共に係数Kh、Kvの2倍
の個数、すなわち、16個の単レンズ部とした場合の第
1のレンズ板203を示したものであり、従って、この
図7の例では、例えば太枠で囲った4個の単レンズ部か
らなる領域702が均一照明を行うための単位領域とな
る。
【0059】従って、この実施形態による第1のレンズ
板203は、4個の単位領域を備えていることになり、
この結果、図3に示した実施形態に比して、半導体レー
ザー素子の数を4倍にすることができ、これにより4倍
の明るさの投射映像を得ることができる。
【0060】また、このことから、本発明による投射型
表示装置では、第1のレンズ板203を構成する単位領
域の個数と半導体レーザー素子の個数の増減により、光
源の能力、すなわち、投射映像の明るさを容易に変える
ことができる。従って、半導体レーザー素子1個当たり
の出力と、投射映像の明るさに対する要求仕様から、必
要とする半導体レーザー素子の個数を算出し、この個数
に合わせて光学系を設計することにより、容易に所望の
明るさの投射型表示装置を得ることができる。
【0061】次に、図8は、第1のレンズ板203の他
の実施形態で、この例は、上記した係数について、Kh
=Kv=3とした上で、図示のように、高さ方向に3
個、幅方向に3個、合計9個の単レンズ部802a〜を
設け、これにより、これら9個の単レンズ部が均一照明
を行うための単位領域となるようしたものである。
【0062】従って、この第1のレンズ板203上での
レーザー光束の断面図形301は、単位領域では、図示
のように、1/3がまたがった状態で重畳され、この結
果、この図8の実施形態では、第1のレンズ板203を
構成する各単レンズ部802a〜を通過したレーザー光
束は、二次元光変調装置106の表示部上で重畳された
とき、或る単レンズ部を通過したレーザー光束群の光強
度のピーク位置に対して、別の単レンズ部を通過したレ
ーザー光束群では光強度のピーク位置が高さ方向に1/
3ピッチ、幅方向に1/3ピッチ、それぞれずれる。
【0063】図9は、図8に示した第1のレンズ板20
3を用いたときの二次元光変調装置106の表示部での
光強度の分布を示した図である。既に説明したように、
1個の単レンズ部を通過したレーザー光束は、半導体レ
ーザー素子の配置のピッチに起因した位置にピークを有
する周期的な光強度分布になる。
【0064】しかし、この図8の実施形態では、同じ
行、又は同じ列の単レンズ部、例えば単レンズ部802
a、802b、802cを通過したレーザー光束群は、
光の強度のピーク位置が1/3ピッチずつずれているた
め、その合成後の光の強度分布は、図9に合成光として
示してあるように、均一になる。従って、この図8の実
施形態によっても、二次元光変調装置106の表示部を
過不足なく均一に照明することができる。
【0065】ここで、各単レンズ部を通過したレーザー
光束群の合成後の光強度分布が均一になる光強度ピーク
位置のずれ量は、ひとつのレーザー光束のもつ光強度分
布によって異なるが、本発明では、二次元光変調装置表
示部上でのレーザー光束群のピーク位置のずれ量は、係
数Kh、Kvの値によって任意に定めることができるの
で、各単レンズ部を通過したレーザー光束群の光強度の
ピーク位置のずれ量を合成後の光強度分布が最も均一に
なるように、係数Kh、Kvの値を定めることにより、
容易に最適な均一照明を得ることができる。
【0066】図10は、半導体レーザー光源装置103
の他の実施形態で、図2の実施形態における第2のレン
ズ板204と第3のレンズ板205に代えて、第2のレ
ンズ板1001を設けたものである。この第2のレンズ
板1001は、図示のように、一方の面(図では下側の
面)が球面、又は非球面からなる集光作用を有する凸面
となっており、他方の面に、第1のレンズ板203を構
成する単レンズ部に対応した同数の凸面をマトリクス状
に形成させたもので、これにより、図2の実施形態にお
ける第2のレンズ板204と第3のレンズ板205の双
方の機能が得られるようにしたものである。
【0067】従って、この図10の実施形態によれば、
図2の実施形態に比して、部品点数を減らすことができ
る。なお、この図10では、第2のレンズ板1001
は、マトリクス状のレンズ部が形成されている面を二次
元光変調装置106側に向けているが、反対に、第1の
レンズ板203側に向けてもよい。
【0068】図11は、半導体レーザー光源装置103
の更に別の実施形態である。図において、第1のレンズ
板1103は、一方の面(図では上側の面)がマトリクス
状に並んだ複数の単レンズ状の凸面で構成され、他方の
面が球面、又は非球面からなる集光作用を有する単一の
凸面で形成されている。また、第2のレンズ板1102
は、図10の実施形態における第1のレンズ板203と
同様な構成の複数の単レンズ部を有するものである。
【0069】そして、第1のレンズ板1103の各単レ
ンズ部の凸面の中心と、これと1対1に対応する第2の
レンズ板1102の各単レンズ部の中心は、二次元光変
調装置106の中心に対してほぼ一直線状に並ぶように
構成してあり、従って、第2のレンズ板1102のサイ
ズは、図示のように、第1のレンズ板1103のサイズ
より小さくなっている。
【0070】この図11の実施形態によっても、図2及
び図10に示した半導体レーザー光源装置と同様、レー
ザー光束を二次元光変調装置の表示部に伝達重畳すると
ういう機能には何ら違いは無く、明るく均一な投射映像
を得ることができる。
【0071】なお、第2のレンズ板1102を構成する
単レンズ部の開口形状は必ずしも矩形である必要はな
く、第1のレンズ板1103によって集光されたレーザ
ー光束がけられる虞れがなければ、円形、3角形、6角
形など、どのような形状でもかまわない。
【0072】また、図11では、第1のレンズ板110
3が、凸面がマトリクス状に形成された面を二次元光変
調装置106側に向けているが、半導体レーザーアレイ
201側に向けて構成してもよい。
【0073】ここで、以上に説明した2枚のレンズ板を
有する光学系としては、露光機などに一般に使用される
インテグレーターが好適であり、詳細については、例え
ば特開平3−111806号公報に詳しい説明がある。
【0074】以上、青色半導体レーザー光源装置103
について説明したが、上記したように、図1の実施形態
における赤色半導体レーザー光源装置101、緑色半導
体レーザー光源装置102については、光源である半導
体レーザーとして出力光の波長が対応する色に見合った
ものを用いること以外は上記青色半導体レーザー光源装
置103と同様の構成である。
【0075】なお、赤色半導体レーザーとしてはAlG
aInP系、青色半導体レーザーとしてはInGaN
系、緑色半導体レーザーとしてはInGaN系、もしく
はZeSe系のものを用いることができる。
【0076】従って、以上の実施形態によれば、照明光
として複数の半導体レーザーからのレーザー光を合成し
て利用しているため、十分な明るさの投射画像を容易に
得ることができる。また、合成後のレーザー光束群の断
面形状が、二次元光変調装置の表示部と同じ形状にでき
るので、複数の半導体レーザーを用いて過不足の無い効
率の高い照明ができる。つまり、照明光と二次元光変調
装置の表示部の形状とのミスマッチによる光の損失がほ
とんどないので、光利用効率が高く、明るい投射映像が
得られる。さらに、合成後のレーザー光束群の光の強度
分布が均一にできるので、画像内の明るさにむらのない
高品位な投射映像が得られる。
【0077】ところで、既に説明したように、従来技術
による投射型表示装置に用いられていた光源(主にメタ
ルハライドランプ)では、出力される光束が無偏光光で
あったため、二次元光変調装置として好適なTN液晶表
示素子等においては、入射側に配置される偏光板で半分
の光が吸収されていた。
【0078】しかるに、本発明の投射型表示装置では、
各半導体レーザーから出力されるのは直線偏光光であ
り、従って、その偏光の向きを、TN液晶表示素子の入
射側に配置される偏光板の偏光軸と平行となるように揃
えることにより、偏光板による光吸収を小さく抑えるこ
とができる。従って、上記実施形態によれば、光の利用
効率はさらに向上され、より明るい投射映像が容易に得
られる。
【0079】また、この結果、偏光板の光吸収による温
度上昇や、これに伴う偏光板の劣化も抑制できるので、
高画質の投射映像を長期間に渡って得ることができる。
さらに、従来技術の光源では、出力光に紫外線や赤外線
を含むので、UV、IRカットフィルタの設置などの対
策が必要であったが、半導体レーザーでは、これらの対
策は必要なく、従って、上記本発明の実施形態によれ
ば、構成が簡単になる。
【0080】また、半導体レーザーからは、波長帯域が
狭い色純度の高い光が得られる。従って、本発明の実施
形態によれば、色再現範囲が広い高品位な投射映像を容
易に得ることができる。
【0081】次に、本発明による投射型表示装置の他の
実施形態について説明する。まず、図12は、本発明に
よる投射型表示装置の第2の実施形態で、この実施形態
は、基本的構成として、半導体レーザー光源装置120
1と、フィールドレンズ123、二次元光変調装置12
03、投射レンズ108、それに二次元光変調装置12
03と半導体レーザー光源装置1201にケーブルで接
続され、これらを共に制御する画像制御装置1205を
備え、スクリーン109にフルカラー映像を投射するよ
うに構成されている。
【0082】半導体レーザー光源装置1201の光学系
は、図10で説明した半導体レーザー光源装置103と
は、半導体レーザーアレイ1207が異なるだけで、コ
リメーターレンズアレイ202と、第1のレンズ板12
09と、第2のレンズ板1001とで構成されている点
は同じである。なお、ここで、第1のレンズ板1209
は、図10の第1のレンズ板203と機能は同じであ
る。
【0083】従って、第1のレンズ板1209を構成す
る各単レンズ部に入射したレーザー光束群は、第2のレ
ンズ板1001とフィールドレンズ123を介して二次
元光変調装置1203の表示部上に重畳され、均一な光
強度の照明光となる点も、図10の実施形態と同じであ
る。
【0084】半導体レーザーアレイ1207は、3原色
に相当する色光を発光する少なくとも3種類の半導体レ
ーザー素子を備え、画像制御装置1205の制御によ
り、赤色、緑色、青色の各レーザー光を切替えながら二
次元光変調装置1203に照射するように構成されてい
る。そして、このようにして二次元光変調装置1203
に入射された光束は、同じく画像制御装置1205から
供給される画像情報に応じて変調され、そのまま投射レ
ンズ108によりスクリーン109に拡大投射されるこ
とになる。
【0085】従って、フルカラー映像を得るためには、
二次元光変調装置1203は、赤色のレーザー光が照射
されているときは赤色の画像データを表示し、緑色のレ
ーザー光が照射されているときは緑色の画像データを表
示し、青色のレーザー光が照射されているときは青色の
画像データを表示する動作を繰り返す必要があり、この
ため、1枚の二次元光変調装置1203を時分割動作さ
せ、赤色、緑色、青色の各色の映像を順次投射する、い
わゆる面順次方式で動作させなければならない。
【0086】そこで、二次元光変調装置1203と半導
体レーザアレイ1207を、それぞれ映像制御装置12
05に接続し、各色の半導体レーザーの発光と二次元光
変調装置1203の表示(変調)のタイミングを合わせる
ようにする。
【0087】この場合、二次元光変調装置1203は、
通常の画像信号における1フレーム期間の間に赤、緑、
青の3フレームの画像を表示しなければならないので、
光学応答の速いものが必要になるが、この目的にかなう
装置としては、強誘電性液晶表示素子や反強誘電性液晶
表示素子があり、これらを選択して使用すれば良い。
【0088】次に、この実施形態での主要部である半導
体レーザー光源装置1201について説明する。図13
は、この第1のレンズ板1209の一実施形態で、説明
のため、このレンズ板1209上でのレーザー光束群の
断面形状1301(R、G、B、X)が記載してある。そ
して、この実施形態は、係数Nh=Nv=Kh=Kv=
2の場合で、この場合、第1のレンズ板1209は、横
方向2個、縦方向2個、合計4個の単レンズ部で形成さ
れる部分が均一照明のための単位領域となる。
【0089】従って、この単位領域を縦横共に2単位ず
つ並べて4単位、単レンズ部の個数にして合計16個の
単レンズ部により第1のレンズ板1209が形成され、
この単位領域毎に異なる色のレーザー光束が照射される
ようになり、この結果、各色のレーザー光束は、二次元
光変調装置1203表示部においては、面内で均一な光
強度分布を有する照明光となる。
【0090】ところで、この図13に示した実施形態で
は、第1のレンズ板1209に単位領域が4個あり、単
位領域1209Gには緑色のレーザー光束群1301G
を、単位領域1209Rには赤色のレーザー光束群13
01Rを、そして単位領域1209Bには青色のレーザ
ー光束群1301Bを照射している。そこで、残りの単
位領域1209Xには、赤色、緑色、青色の各半導体レ
ーザー光束群のうち、最も発光量が少ない色のレーザー
光を照射するようにしてやれば、各色の半導体レーザー
に性能差があっても、それを補うことができ、より均一
な照明を得ることができる。
【0091】また、用途に応じて、3原色とは異なる第
4の中心波長を有するレーザー光を発する半導体レーザ
ーを用い、このレーザー光を単位領域1209Xに照射
するようにしても良い。この場合には、フレーム周波数
を従来の4倍にしなければならないが、色の再現範囲が
広がり、より高品位の投射映像を得ることができる。な
お、第1のレンズ板1209を構成する単位領域の数を
3の倍数にして、3原色のレーザー光束がそれぞれ同じ
数の単位領域を通過するように構成にしても良い。
【0092】図14は、半導体レーザーアレイ1207
の一実施形態で、マトリクス状に配置された複数の半導
体レーザー素子により構成され、この場合は4個の領域
のそれぞれに対応して、特定の色のレーザー光を発する
半導体レーザー素子が配置される。
【0093】すなわち、領域1207Gには緑色半導体
レーザー素子1401Gが、領域1207Rには赤色半
導体レーザー素子1401Rが、領域1207Bには青
色半導体レーザー素子1401Bが、それに領域120
7Xには赤色、緑色、青色の内のある1種類の色の半導
体レーザー素子、又は3原色とは異なる第4の中心波長
を有するレーザー光を発する半導体レーザー素子が、そ
れぞれ配置されるのである。
【0094】そして、この半導体レーザーアレイ120
7は、画像制御装置1205の制御により、二次元光変
調装置1203で表示(変調)される画像の色と表示のタ
イミングに合わせて、所望の色の半導体レーザー素子が
配置された領域の半導体レーザーだけを順次発光させ、
二次元光変調装置1203で変調された光を投射レンズ
108によりスクリーン109に拡大投射することによ
りカラー映像を得る。
【0095】従って、この図12の実施形態によって
も、複数の半導体レーザーからのレーザー光を合成して
利用しているため、十分な明るさの投射画像を得ること
ができるなど、図1と図2で説明した実施形態と同等の
作用効果を得ることができる。
【0096】また、この図12の実施形態によれば、1
枚の二次元光変調装置1203によりフルカラー表示が
得られるので、ダイクロイックプリズムなどの色合成手
段が不要になるので、光学系の構成が簡略化され、装置
の小型化、低コスト化を図ることができ、さらに、コン
バージェンス調整が不要になるので、保守点検が容易に
なり、信頼性を充分に高めることができる。
【0097】また、この図12の実施形態によれば、光
源として、波長帯域が狭く色純度の高い光を得ることが
できる半導体レーザーを用いているため、従来技術のよ
うに白色光源を用いた場合よりも色再現範囲が広い高品
位な投射映像を得ることができる上、さらに、3原色の
半導体レーザーとは異なる第4の中心波長を有するレー
ザー光を発する半導体レーザーを配置することができる
ので、色の再現範囲をさらに広げることができ、より高
品位の投射映像を容易に得ることができる。
【0098】なお、この図12の実施形態では、二次元
光変調装置として透過型の液晶表示素子を用いたが、D
MD(Digital Micromirror Device)などの高速変調が可
能な反射型の表示素子を用いていもよく、この場合に
は、公知の折り返し方式の投射光学系を適用してやれば
よい。
【0099】次に、図15は、本発明を反射型の二次元
光変調装置により構成した場合の一実施形態で、図示の
ように、ダイクロイックプリズム107の光入射側とな
る3側面の近傍に、赤色用偏光ビームスプリッタ151
0と緑色用偏光ビームスプリッタ1511、それに青色
用偏光ビームスプリッタ1512を付加し、さらに、こ
れら偏光ビームスプリッタの反対側の側面近傍に、反射
型赤色用二次元光変調装置1504と反射型緑色用二次
元光変調装置1505、それに反射型青色用二次元光変
調装置1506を設けたものであり、その他の点は、図
1の実施形態と同じである。
【0100】各色の反射型二次元光変調装置1504、
1505、1506は、例えば半導体チップ上にミラー
を形成し、液晶を組み込んだ反射型の液晶表示素子、例
えば特開昭64−7021号公報に記載されているEC
B(Elecrically Contorlledbirefringence)効果を利用
し偏光状態を制御して画像を形成する液晶表示装置が好
適である。
【0101】図18は、このECB反射型液晶表示素子
の基本構成を示す断面図で、まず、上側基板1801
は、透明電極1802と配向膜1803が形成されたガ
ラス基板1804で構成されており、その光の入出射側
には位相板1805が積層されている。一方、下側基板
1806は、シリコン基板1807の上にMOSFET
1808と配線層1809、反射板を兼ねたアルミ電極
層1810、それに配向膜1811を順次形成して構成
されている。
【0102】そして、これら上側基板1801と下側基
板1806の間に、液晶1812を封入し、この液晶1
812の配向方向が上下の電極間に印加される電圧に応
じて変化され、第1の配向方向と、これとほぼ垂直な第
2の配向方向の間で連続的に制御できるように構成され
ている。
【0103】次に、この図15の実施形態の動作につい
て、緑色の光学系を代表にして説明する。図16は、図
15に示した投射型表示装置の一部を示す基本構成図
で、緑色半導体レーザー光源装置102は、緑色半導体
レーザーアレイ1601とコリメートレンズアレイ20
2、第1のレンズ板203、それに第2のレンズ板10
01とで構成されており、上記半導体レーザー光源装置
(例えば図10)と基本的に同じ構成で同じ機能を有する
光学系を構成している。
【0104】そして、半導体レーザーアレイ1601か
ら出力されたレーザー光は、コリメートレンズアレイ2
02で平行化された後、第1のレンズ板203と第2の
レンズ板1001を介して偏光ビームスプリッタ151
1に入射する。このとき、半導体レーザーアレイ160
1の各半導体レーザー素子から出力されるレーザー光の
直線偏光方向を、偏光ビームスプリッタ1511の偏光
分離面1511Gに対してS偏光となる方向に揃えてお
き、ほとんどのレーザー光束が偏光分離面1511Gで
反射されるようにする。
【0105】緑色偏光ビームスプリッタ1511は、3
角柱状のプリズムの接合面に図17に示す偏光分離特性
を有する偏光分離膜を形成した4角柱状のプリズム光学
素子であり、この偏光ビームスプリッタ1511の偏光
分離面1511Gと対向する側面に、フィールドレンズ
122と緑色用反射型二次元光変調装置1505が配置
され、これと隣り合う側面の近傍に、図示の通り緑色半
導体レーザー光源装置102が配置されている。
【0106】この結果、偏光分離面1511Gで反射さ
れたレーザー光束は、フィールドレンズ122を介して
二次元光変調装置1505に入射され、このとき、上記
した実施形態と同様、第1のレンズ板203を構成する
各単レンズ部を通過したレーザー光束群は、第2のレン
ズ板1001と緑色用偏光ビームスプリッタ1511、
フィールドレンズ122を介して緑色用反射型二次元光
変調装置1505の表示部に過不足なく伝達され重畳さ
れることになり、明るく均一な照明が得られることにな
る。
【0107】二次元光変調装置1505は、図18に示
されているように、上下基板間に印加する電圧によって
液晶の配向方向が変化し、入射光束の中心波長をλとし
たとき、位相板1805と液晶層1812の積層により
与えられるリターデーションの値が、(2m−1)・λ/
4とm・λ/2の間で変化することで、画像情報に応じ
た変調を行う。ここで、mは整数である。
【0108】すなわち、位相板1805と液晶層181
2を積層した際のリターデーションの値が(2m−1)・
λ/4である画素に入射した光束は、反射後はλ/2の
位相差がつくため、入射した直線偏光に対して90°回
転した直線偏光になり、この結果、偏光ビームスプリッ
タ1511の偏光分離面1511Gに対してP偏光とな
り、偏光分離面1511Gを透過して、ダイクロイック
プリズム107と投射レンズ108を介してスクリーン
109に拡大投射されることになり、このときは明表示
が得られる。
【0109】一方、位相板1805と液晶層1812を
積層した際のリターデーションの値がm・λ/2(m)で
ある画素に入射した光束は、反射後、入射時と同じ状態
となるため、再び偏光分離面1511Gで反射され、投
射レンズ108には入射しないので、このときは暗表示
となる。
【0110】ここで、より高いコントラスト比を実現す
るためには、偏光ビームスプリッタ1511の半導体レ
ーザー光源装置102側の側面に、偏光分離面1511
Gに対してP偏光となる直線偏光成分を吸収する偏光板
を配置したり、或いは偏光ビームスプリッタ1511と
ダイクロイックプリズム1513との間に偏光分離面1
511Gに対してS偏光となる直線偏光成分を吸収する
偏光板を配置してやればよい。
【0111】以上は、緑色の光学系についての説明であ
るが、他の色についても同様に画像データに応じた変調
が行われる。従って、赤色用反射型二次元光変調装置1
504と、青色用反射型二次元光変調装置1506につ
いては、基本的に図18に示したECB反射型液晶表示
素子と同じ構成であるが、液晶層に印加できる適切な電
圧範囲内で入射光束の中心波長λに対して、位相板18
05と液晶層1812とを積層した際のリタデーション
値が(2m+1)・λ/4とm・λ/2を実現できるよう
に、各色毎に、液晶材料と液晶層の厚さ、或いは位相板
の位相差を変えることが望ましい。
【0112】一方、赤色半導体レーザー光源装置101
と、青色半導体レーザー光源装置103については、光
源である半導体レーザー素子として、出力光の波長が対
応する色に見合ったものを用いること以外、上記緑色半
導体レーザー光源装置102と同様な構成でよい。
【0113】また、赤色用偏光ビームスプリッタ151
0と青色用偏光ビームスプリッタ1512の基本構成
は、偏光ビームスプリッタ1511と同様であり、偏光
分離面における分光特性が、それぞれの色に対応したレ
ーザー光の波長帯域において、S偏光とP偏光で十分な
消光比が得られるものであればよい。
【0114】そこで、図15の実施形態では、赤色半導
体レーザー光源装置101と緑色半導体レーザー光源装
置102、それに青色半導体レーザー光源装置103か
ら出力された各色のレーザー光は、それぞれ偏光ビーム
スプリッタ1510、1511、1512の偏光分離面
で反射された後、反射型二次元光変調装置1504、1
505、1506の表示部に過不足なく入射され、面内
の光強度が均一になるように照射されることになる。
【0115】そして、各色の二次元光変調装置では各色
の画像情報に応じた変調が行われ、各色の変調光がダイ
クロイックプリズム107に入射され、以後、図1の実
施形態と同様にして、投射レンズ108によりスクリー
ン109上に拡大投射され、フルカラー映像が得られる
ことになる。
【0116】従って、この図15の実施形態によって
も、複数の半導体レーザーからのレーザー光を合成して
利用しているため、十分な明るさの投射画像を得ること
ができるなど、図1と図2で説明した実施形態と同等の
作用効果を得ることができる。
【0117】ところで、上記したように、従来技術によ
る投射型表示装置で用いられていたメタルハライドラン
プなどの光源は、出力される光束が無偏光光であるた
め、反射型二次元光変調装置として好適なECB反射型
液晶表示素子を用いた場合、半分の光しか利用できなか
ったが、この図15に示す本発明の投射型表示装置によ
れば、半導体レーザーから出力されるレーザー光の直線
偏光方向を偏光ビームスプリッタの偏光分離面に対して
S偏光となる方向に揃えることで、ほとんど全てのレー
ザー光を投射に利用することができ、この結果、光利用
効率はさらに向上し、より明るい投射映像を得ることが
できる。
【0118】また、このような反射型の二次元光変調装
置を用いた場合は、前述の透過型液晶表示素子よりも表
示に利用できる有効面積が広がる。つまり、透過型の液
晶表示素子では、配線部やTFT部分は光を通すことが
できないが、反射型の液晶表示素子では、配線などが、
画素部、すなわち反射電極の下にも形成できるため、表
示有効面積をより大きくできる。従って、この図15の
実施形態のように、反射型液晶表示素子を採用すること
により、透過型液晶表示素子を用いた場合に比して、よ
り明るい投射画像を得ることができる。
【0119】ところで、従来のメタルハライドランプな
どの光源を用いた投射型表示装置では、光源から出力さ
れる白色光をダイクロイックミラー等により3原色に分
光してから利用されるが、この際、このような白色光源
では、出力光の分光スペクトルがブロードであるため、
光源光を効率よく利用するには、上記したように、各色
光の波長帯域をできるだけ広くする必要がある。
【0120】しかしながら、反射型二次元スイッチ装置
として好適なECB反射型液晶表示素子に波長帯域の広
い色光を利用した場合には、液晶層及び位相板の波長分
散のために液晶層に印加する電圧を変えると色ずれが生
じてしまう。つまり、この場合には、明るさによって色
度が変わってしまうという問題が生じてしまう。
【0121】しかしなから、本発明によれば、光源とし
て、出力光の波長帯域が狭い半導体レーザーを用いてい
るため、このような色ずれはほとんど生じず、高品位な
投射画像を得ることができる。
【0122】さらに、ECB反射型液晶表示素子による
表示に必要な偏光ビームスプリッタの偏光分離特性は、
一般に図17に示した通り、かなり狭い波長帯域でしか
効率良く偏光分離できない。このため、従来の光源で
は、利用効率を下げて使用したり、或いは、より高価な
偏光ビームスプリッタを使用する必要があった。しかる
に、本発明によれば、出力光の波長帯域が狭い半導体レ
ーザーを用いているため、偏光ビームスプリッタを効率
的に利用できることになり、明るい投射画像を得ること
ができる。
【0123】なお、上記実施形態では、反射型二次元光
変調装置として3枚のECB反射型表示装置を用いた場
合について説明したが、図12に示した、一枚の二次元
光変調装置でフルカラー表示を行う実施形態における二
次元光変調装置として、ECB反射型液晶表示素子を用
い、反射型の装置として実施してもよい。
【0124】次に、本発明の更に別の実施形態について
説明する。いままでに説明した実施形態では、半導体レ
ーザー光源装置に2枚のレンズ板が使用されていた。し
かし、本発明によれば、1枚のレンズ板によっても目的
が達成でき、同等の効果を得ることができるものであ
り、従って、以下、この1枚のレンズ板を用いた本発明
の実施形態について説明する。
【0125】なお、以下に説明する実施形態でも、全体
の構成は図1の実施形態と同じで、ただ各半導体レーザ
ー光源装置101、102、103の構成が異なってい
るだけなので、以下、これら半導体レーザー光源装置1
01、102、103について説明する。なお、これら
は、光学系全体の構成は同じで、光源となる半導体レー
ザーの発光色が異なるだけなので、図2のときと同様
に、以下の説明では、青色半導体レーザー光源装置10
3を例に挙げて説明する。
【0126】図19から明らかなように、この実施形態
では、青色半導体レーザー光源装置103が、半導体レ
ーザーアレイ201とコリメートレンズアレイ202と
で構成された光源部のほかは、フィールドレンズ123
と光源部の間に配置した第1のレンズ板1901だけで
構成されている。
【0127】この第1のレンズ板1901は、半導体レ
ーザーアレイ201から出力され、コリメートレンズア
レイ202によって平行化されたレーザー光束群の主軸
1902に対して垂直な面内に複数の単レンズ部を備え
たもので、これにより、各単レンズ部に入射したレーザ
ー光束群が二次元光変調装置106の表示部に伝達重畳
できるように、各単レンズ部毎に焦点距離と曲率中心が
規定されているものであり、以下、この第1のレンズ板
1901について詳細に説明する。
【0128】この第1のレンズ板1901は、図20に
示すように、同一の焦点距離を有する4個の単レンズ部
2001、2002、2003、2004をマトリクス
状に備えている。そして、これらの単レンズ部2001
〜は、何れも、二次元光変調装置106の表示部と相似
の矩形に作られている。
【0129】そして、更に、これらの単レンズ部200
1〜は、それぞれ異なる位置にレンズ凸面の曲率中心2
001c、2002c、2003c、2004cを有す
る、いわゆる偏心レンズで作られ、その曲率中心の位置
は、半導体レーザー光源装置103の光学系の主軸に平
行で、かつ二次元光変調装置106の表示部中心を通る
中心軸1902から、それぞれ図示の通り、幅方向に
X、高さ方向にYだけずれた位置にくるようにしてあ
る。
【0130】ここで、二次元光変調装置106の表示部
の幅と高さの比が4:3であるとすると、これに応じ
て、XとYの比も4:3に、すなわち、X:Y=4:3
にしてやれば、各単レンズ部2001〜を通過した光束
は、幅と高さの比が4:3の矩形形状に、過不足なく重
ね合わせることができる。
【0131】また、各単レンズ部2001〜の焦点距離
をfとし、第1のレンズ板1901と二次元光変調装置
106との距離をLとすると、各単レンズ部2001〜
を通過した光束の断面の大きさは、二次元光変調装置1
06上では、ほぼ(L−f)/f倍となる。従って、この
関係に基いて、第1のレンズ板1901を構成する各単
レンズ部2001〜の大きさと、二次元光変調装置10
6の表示部の大きさの関係から、各単レンズ部2001
〜の焦点距離を決定することができる。
【0132】この結果、第1のレンズ板1901の各単
レンズ部2001〜を通過した光束が、二次元光変調装
置106の表示部上に伝達重畳されるときの第1のレン
ズ板1901の単レンズ部の大きさと、これに入射する
レーザー光束群のピッチの関係については、上記の2枚
のレンズ板を用いた場合の実施形態と同じになり、従っ
て、第1のレンズ板1901だけで、2枚のレンズ板を
用いた場合と同じ機能が得られることになる。
【0133】従って、この図19の実施形態によって
も、複数の半導体レーザーからのレーザー光を合成して
利用しているため、十分な明るさの投射画像を得ること
ができるなど、図1と図2で説明した実施形態と同等の
作用効果を得ることができる。すなわち、この図19の
実施形態においても、照明光として複数の半導体レーザ
ーからのレーザー光を合成して利用しているため、十分
な明るさの投射画像を得ることができる。
【0134】ところで、この図19の実施形態によって
も、各半導体レーザーから出力される直線偏光光の偏光
の向きを、TN液晶表示素子等の偏光を用いる表示素子
において所望の偏光方向となるように揃えることによ
り、偏光板などによる光吸収を小さく抑えることがで
き、この結果、光利用効率はさらに向上し、より明るい
投射映像が得られることになるが、ここで、さらにこの
実施形態では、半導体レーザーから二次元光変調装置ま
での間にはレンズ板が一枚しかなので、その分、偏光状
態が乱される虞れが小さくなり、より一層、明るい投射
画像を得ることができる。
【0135】また、この図19の実施形態によれば、2
枚のレンズ板を用いる場合よりも部品点数が減るので、
軽量化と低コスト化が得られるという効果もある。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、照明光として複数の半
導体レーザーからのレーザー光束を合成して利用するこ
とができるので、十分な明るさの投射映像を容易に得る
ことができる。また、本発明によれば、複数の半導体レ
ーザーからのレーザー光束が、二次元光変調装置の表示
部に過不足なく重畳されるため、二次元光変調装置の表
示部の形状とのミスマッチによる光の損失がほとんど無
く、このため、光の利用効率が高く、明るい投射映像を
得ることができる。
【0137】さらに、本発明によれば、合成後のレーザ
ー光束群が均一な光強度分布になるので、明るさにむら
の無い高品位の投射映像を容易に得ることができる。一
方、本発明によれば、各半導体レーザーから出力される
直線偏光光の偏光の向きを、所望の方向に揃えることが
できるので、二次元光変調装置として好適な液晶表示素
子を用いた場合には、偏光板などによる損失を小さく抑
えることができ、従って、光の利用効率が大きく向上で
き、より明るい投射映像を得ることができる。また、光
源である半導体レーザーは、波長帯域が狭い色純度の高
い光が得られるので、本発明によれば、従来技術の白色
光源を用いた場合よりも色再現範囲が広くなり、この結
果、充分に高品位の投射映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射型表示装置の一実施形態を示
す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態における青色半導体レーザ
ー光源装置の一例を示す構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における第1のレンズ板と
レーザー光束群との関係を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における第2のレンズ板と
レーザー光束群との関係を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における二次元光変調装置
表示部上でのレーザー光束群を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態における二次元光変調装置
表示部上での光強度分布を示す特性図である。
【図7】本発明の一実施形態における第1のレンズ板と
レーザー光束群との関係を示す説明図である。
【図8】本発明の他の一実施形態における第1のレンズ
板とレーザー光束群との関係を示す説明図である。
【図9】本発明の他の一実施形態における二次元光変調
装置表示部上での光強度分布を示す特性図である。
【図10】本発明の一実施形態における半導体レーザー
光源装置の一例を示す構成図である。
【図11】本発明の他の一実施形態における半導体レー
ザー光源装置の他の一例を示す構成図である。
【図12】本発明による投射型表示装置の他の一実施形
態を示す構成図である。
【図13】本発明の他の一実施形態における第1のレン
ズ板とレーザー光束群との関係を示す説明図である。
【図14】本発明の他の一実施形態における半導体レー
ザーアレイの正面図である。
【図15】本発明による投射型表示装置の更に別の一実
施形態を示す構成図である。
【図16】本発明の更に別の一実施形態における緑色半
導体レーザー光源装置の一例を示す構成図である。
【図17】本発明の更に別の一実施形態における緑色用
偏光ビームスプリッタの特性図である。
【図18】本発明の更に別の一実施形態におけるECB
反射型液晶表示素子の基本構成を示す断面図である。
【図19】本発明の更にその他の一実施形態における半
導体レーザー光源装置の一例を示す構成図である。
【図20】本発明の更にその他の一実施形態における第
1のレンズ板の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
101 赤色半導体レーザー光源装置(R) 102 緑色半導体レーザー光源装置(G) 103 青色半導体レーザー光源装置(B) 104 赤色用二次元光変調装置 105 緑色用二次元光変調装置 106 青色用二次元光変調装置 107 ダイクロイックプリズム 108 投射レンズ 109 スクリーン 121、122、123 フィールドレンズ 201 半導体レーザーアレイ 202 コリメートレンズアレイ 203 第1のレンズ板 204 第2のレンズ板 205 第3のレンズ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/74 H04N 5/74 Z (72)発明者 津村 誠 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源部と、光源部から出力された光束を
    画像情報に応じて変調し、光学像を形成する二次元光変
    調装置と、前記光学像をスクリーン面に投射する投射レ
    ンズとを備えた投射型表示装置において、 前記光源部が、 複数の半導体レーザー素子をマトリクス状に配置したレ
    ーザーアレイと、 前記レーザーアレイから出力される複数のレーザー光を
    それぞれ個別に平行化するコリメートレンズアレイと、 前記二次元光変調装置の画像表示面と平面形状が相似し
    た複数個の単レンズ部を、前記光源部から出力されるレ
    ーザー光束の主軸に垂直な面内に配置した第1のレンズ
    板と、 この第1のレンズ板の単レンズ部と同じ個数の単レンズ
    部を前記光源部から出力されるレーザー光束の主軸に垂
    直な面内に配置した第2のレンズ板と、 前記二次元光変調装置の光入射側に配置したフィールド
    レンズとを備え、 前記第1のレンズ板に入射する複数のレーザー光束のう
    ち少なくとも1本の光束が、前記第1のレンズ板の隣合
    う単レンズ部間にまたがって照射されるように構成され
    ていることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 【請求項2】 光源部と、光源部から出力された光束を
    画像情報に応じて変調し、光学像を形成する二次元光変
    調装置と、前記光学像をスクリーン面に投射する投射レ
    ンズとを備える投射型表示装置において、 前記光源部が、 複数の半導体レーザー素子をマトリクス状に配置したレ
    ーザーアレイと、 前記半導体レーザーアレイから出力される複数のレーザ
    ー光をそれぞれ個別に平行化するコリメートレンズアレ
    イと、 前記二次元光変調装置の画像表示面と平面形状が相似し
    た複数個の単レンズ部を、前記光源部から出力されるレ
    ーザー光束の主軸に垂直な面内に配置した第1のレンズ
    板と、 前記二次元光変調装置の光入射側に配置したフィールド
    レンズとを備え、 前記第1のレンズ板の各単レンズ部の曲率中心と、前記
    光源部から出力されるレーザー光束群の主軸中心とのず
    れの量の縦横比が、前記二次元光変調装置の表示部の高
    さと幅の比と同じであり、 前記第1のレンズ板に入射する複数のレーザー光束のう
    ち少なくとも1本の光束が、前記第1のレンズ板の隣合
    う単レンズ部間にまたがって照射されるように構成され
    ていることを特徴とする投射型表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記第1のレンズ板の各単レンズ部の幅をW、高さをH
    とし、前記第1のレンズ板に入射する複数のレーザー光
    束の該第1のレンズ板上での幅方向のピッチをPh、高
    さ方向のピッチをPvとしたとき、 W=Ph(Nh+Khl/Kh) H=Pv(Nv+Kvl/Kv) Nh、Nv:0以上の任意の整数からなる係数 Kh、Kv:1以上の任意の整数からなる係数 Khl:Khよりも小さい任意の整数からなる係数 Kvl:Kvよりも小さい任意の整数からなる係数 の関係が成り立ち、かつ前記第1のレンズ板の各単レン
    ズ部の幅方向の個数が係数Khの整数倍、高さ方向の個
    数が係数Kvの整数倍であることを特徴とする投射型表
    示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記レーザーアレイが、異なる中心波長を有するレーザ
    ー光を発する3種類以上の半導体レーザー素子で構成さ
    れ、 該レーザーアレイと前記二次元光変調装置が画像制御装
    置に接続されていることを特徴とする投射型表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2の発明において、 前記二次元光変調装置が、半導体チップ上にミラーを形
    成し、液晶を組み込んだ反射型の液晶表示素子で構成さ
    れ、 複屈折効果を利用して表示を行なうように構成されてい
    ることを特徴とする投射型表示装置。
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