JPH10293183A - タイムインジケーター - Google Patents

タイムインジケーター

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JPH10293183A
JPH10293183A JP10014397A JP10014397A JPH10293183A JP H10293183 A JPH10293183 A JP H10293183A JP 10014397 A JP10014397 A JP 10014397A JP 10014397 A JP10014397 A JP 10014397A JP H10293183 A JPH10293183 A JP H10293183A
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JP
Japan
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foam
time indicator
shape
shape recovery
resin
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Application number
JP10014397A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Shirato
斉 白土
Hideyuki Taguchi
秀之 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品を使用した期間を容易に判別でき、使用
環境の影響を受けにくく、又、無害で不快臭のないタイ
ムインジケーターを提供する。 【解決手段】 容器内の空間部分に充填され、大気に接
触することにより遅延された形状回復性を有する発泡体
又は積層体から形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイムインジケー
ターに関し、さらに詳しくは、有効期間の限られた製品
の使用状況と有効期間を視覚的に判断できるようにした
タイムインジケーターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、色調変化を利用して有効期間
の限られた製品の使用状況と有効期間を視覚的に判断で
きるようにしたタイムインジケーターは種々提案されて
いる。これらは、 中和反応、酸化還元反応等のある種の化合物との化学
反応によって色調変化を伴う指示薬を利用するもの、大
気中の酸素ガスや炭酸ガスとの接触により色調変化を起
こす指示薬を利用するもの、 色素の揮発性溶媒を基材に塗布、含浸させ、揮発性溶
媒の揮散により、終点を判別するもの(特開平1−16
1081号公報等)、などに大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、のタイムイ
ンジケーターは、色調変化が徐々に起こり、製品を使用
した期間を判別しにくい、又、光、湿度など使用環境の
影響を受けやすく、製品の有効期間と対応しにくいとい
う欠点を有し、のタイムインジケーターは、一般に有
機溶剤を使用するので不快臭を有し、吸入しても、ま
た、皮膚に付着しても有害であるなどの欠点を有してい
た。
【0004】本発明は、上記の課題を解決し、製品を使
用した期間を容易に判別でき、使用環境の影響を受けに
くく、又、無害で不快臭のないタイムインジケーターを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載(以下、
「本発明1」という)のタイムインジケーターは、容器
内の空間部分に充填され、大気に接触することにより遅
延された形状回復性を有する発泡体又は積層体から形成
されている。
【0006】本発明1において遅延された形状回復性を
有するとは、任意の形に変形させても元の形状を憶えて
おり、大気に接触することにより、徐々に変形前の形状
にもどることをいう。
【0007】遅延された形状回復性を有する発泡体と
は、以下のようなものを言う。 炭酸ガスや液化ガス等のガス透過係数Pagent が空
気のガス透過係数Pair より大きく、常温でガスもしく
は常温で液化するガスを発泡ガスとして用いたものであ
って、気泡内のガス置換、あるいは液化による体積収縮
により自然収縮を起こし、収縮後樹脂の弾性回復力とガ
ス透過により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にも
との厚さに回復してゆくもの。すなわち、Pagent >P
air となるガスを発泡剤として用いた場合、セル膜を通
して独立気泡(セル)内から外界(大気中)へ逃げる
(透過)ガス量の方が、外界から独立気泡内へ入るガス
量よりも多くなり、独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なる。この時、発泡体には外界圧で圧縮される力F1
それに抵抗する樹脂の弾性力F2 がかかり、F1 とF 2
が釣り合う状態まで発泡体が収縮する。収縮が進行する
にしたがって独立気泡内から外界へ逃げるガス量が次第
に減少し、しばらくすると独立気泡内から外界へ逃げる
ガス量と外界から独立気泡内に入るガス量が平衡に達し
収縮は停止する。この後、発泡体は膨張を開始する。
【0008】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、発泡体に弾性領域内の圧縮歪
みを与えた場合、発泡体を構成する独立気泡の内圧が上
昇し、直後に外力を取り除けば発泡体は瞬時に元の形状
に回復するが、所定時間以上その歪みを保持させれば、
樹脂のガス透過性により気泡内のガスが気泡膜から徐々
にぬけてゆき内圧と外圧とが釣り合い、外力を取り除い
ても瞬間的な形状回復は起こらず、その歪みが樹脂の弾
性領域内であれば、圧縮を解除すると樹脂の弾性回復力
により気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚
さに回復してゆく性質を持つもの。
【0009】 の発泡ガス以外のガスを発泡ガスと
して用いたものであって、減圧下で発泡することにより
気泡中のガス圧力は大気圧以下となった状態で冷却固定
した後大気中に取り出した時、発泡体が大気圧により一
旦圧縮され、樹脂の弾性回復力により気泡の内外圧力と
釣り合いながら徐々にもとの厚さに回復してゆくもの。
【0010】 冷却すると液化し沸点が成形温度以下
の発泡剤を使用して発泡体を製造したもの。すなわち、
沸点が樹脂の成形温度以下である発泡剤を用いた場合、
発泡体を発泡剤の沸点まで冷却すると、独立気泡内の発
泡剤も冷却されて気体から液体になる。このとき発泡剤
の体積収縮によって独立気泡内圧<外界圧(大気圧)と
なり発泡体が収縮する。その後樹脂の弾性回復力により
気泡の内外圧力と釣り合いながら徐々にもとの厚さに回
復してゆく。
【0011】なお、上記の独立気泡樹脂発泡体を圧縮
する場合、圧縮時の温度は、独立気泡樹脂発泡体を構成
する樹脂の軟化点(非晶性樹脂についてはガラス転移
点、結晶性樹脂については融点を軟化点とする)以下で
ある。すなわち、軟化点以上の温度で圧縮を行った場
合、抜重後の発泡体の形状回復能がなくなる恐れがあ
る。
【0012】独立気泡樹脂発泡体を構成する樹脂として
は、特に限定されないが、圧縮永久歪み(JIS K
6767に準拠)が20%以下のもの、特に10%以下
のものが形状回復性に優れ好ましい。
【0013】上記独立気泡発泡体の独立気泡率は、5%
以上が好ましく、50%以上がさらに好ましい。発泡体
の収縮は独立気泡の収縮によるものであるから、独立気
泡率が小さいと発泡体の収縮・膨張がほとんど起こらな
い。さらに、強制的に発泡体を圧縮した場合において
も、セル内に直接空気が入り込むので膨張が速すぎ、圧
縮を解放すると同時に膨張してしまう。
【0014】又、形状回復速度を速めるため、独立気泡
発泡体に針状物を突き刺して穿孔し、独立気泡を連通さ
せ、必要に応じ、発泡体の表層のみを熱融着等で封鎖し
てもよい。
【0015】上記高分子物質としては合成樹脂が好まし
いが、発泡性を有するものであれば天然樹脂であっても
よい。上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても
よいし、熱硬化性樹脂であってもよい。
【0016】上記熱可塑性樹脂としてはたとえば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチ
レン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−
ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン
−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルア
クリレート、ポリメチルメタクリレート、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ポリ塩
化ビニル等の塩素系樹脂、ポリフッ化エチレン等のフッ
素系樹脂、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイ
ロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹
脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルイミド、ケイ素樹脂、熱可塑性ポリ
ウレタン、各種エラストマーなどが挙げられる。これら
は架橋されていてもよい。
【0017】また、熱硬化性樹脂としてはたとえば、ウ
レタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン系樹脂、ケイ素樹脂、イミド系樹
脂、不飽和ポリエステルの硬化物などが挙げられる。
【0018】上記天然樹脂としてはたとえば、セルロー
ス、デンプン、タンパク質、ゴム等が挙げられる。
【0019】これらの高分子物質は単独で使用されても
よいし、2種以上併用されてもよい。
【0020】上記高分子物質の曲げ弾性率は、大きくな
ると収縮時にセルの破壊が発生するなどして形状回復能
が小さく、小さくなると、形状回復量が小さくなるか形
状回復が遅くなるので30000kgf/cm2 以下が
好ましく、より好ましくは100〜25000kgf/
cm2 、さらに好ましくは100〜20000kgf/
cm2 である。
【0021】本発明1に使用される発泡剤は、通常用い
られる発泡剤であれば特に限定されず、たとえば下記の
物理型発泡剤、熱分解型発泡剤などが例示される。
【0022】物理型発泡剤として、炭酸ガス、窒素ガ
ス、空気、酸素、ネオン、アルゴンなどの無機ガス、ブ
タン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;メタノー
ル、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、2,2−ジク
ロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,
2−テトラフルオロエタン、モノクロロジフルオロエタ
ン、モノクロロジフルオロメタンなどのハロゲン化炭化
水素、エチルエーテル、水等から選ばれる少なくとも1
種以上が用いられる。
【0023】なお、無害で不快臭のないタイムインジケ
ーターを得るには、物理型発泡剤としては、無機ガスが
好ましいが、発泡した後、発泡剤の残存量は微量である
ので、有機溶剤であっても構わない。
【0024】上記無機ガスとしては、樹脂に対するガス
透過係数Pagent と、樹脂に対する空気のガス透過係数
Pair がPagent >Pair なる関係にあるものが好まし
い。無機ガスのガス透過係数Pagent と空気のガス透過
係数Pair がPagent >Pair なる関係にある場合は、
独立気泡発泡体を常温、常圧下に放置するだけでも収縮
するからである。
【0025】上記熱分解型発泡剤としては、ポリオレフ
ィンの発泡体の製造に通常用いられるところのアゾジカ
ルボンアミド(分解温度200℃)、N,N’−ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン(分解温度200℃)、
ベンゼンスルホニルヒドラジド(分解温度95℃)、ト
ルエンスルホニルヒドラジド(分解温度110℃)、ア
ゾビスイソブチロニトリル(分解温度115℃)、N,
N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミド
(分解温度105℃)などが用いられる。
【0026】また、これら発泡剤と共に、発泡速度を調
節する発泡助剤を添加してもよい。因に、発泡速度を速
める発泡助剤として、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸
カルシウム等の金属石鹸;酸化亜鉛、硝酸亜鉛等の無機
物;アジピン酸,シュウ酸等の酸類などが挙げられ、発
泡速度を遅延する発泡助剤として、マレイン酸,フタル
酸等の有機酸;無水マレイン酸,無水フタル酸等の有機
酸無水物;ジブチル錫マレート,塩化錫等の錫化合物な
どが挙げられる。
【0027】発泡助剤は、使用する樹脂,発泡剤,助剤
の種類によって異なるが、通常熱可塑性樹脂100重量
部に対して0.1〜2重量部程度の添加割合で添加され
ることが好ましい。すなわち、添加量が0.1重量部以
下では、効果が小さく、2重量部以上では飽和状態とな
り、それ以上の添加効果がなくなる虞れがある。
【0028】上記樹脂組成物にはさらに必要に応じて顔
料が添加されていると、発泡体の形状回復量を識別しや
すくて好ましい。上記顔料としては、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、クロムイエロー、モノアゾイエロー、
ジアゾイエロー、、カーミン、キナクリドン、ローダミ
ン、アニリンブルーなどが挙げられる。
【0029】上記樹脂組成物にはさらに必要に応じて充
填材、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが添加さ
れてもよい。上記充填材としては炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、酸化マグネシウム、二酸化珪素、ガラス繊
維、ガラス粉、ガラスビーズ等があげられる。上記難燃
剤としてはヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロ
モビフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、ポリリン酸ア
ンモニウム、トリメチルホスフェート、トリエチルホス
フェート等の含リン酸系難燃剤、メラミン誘導体、無機
系難燃剤などがあげられる。これらは単独で用いてもよ
いし、2種以上併用してもよい。
【0030】一方、遅延された形状回復性を有する積層
体としては、連続気泡が発泡体を構成する樹脂の弾性回
復限界内で圧縮されその外周面が樹脂フィルムで被覆さ
れている遅延された形状回復性を有する積層体(A)
と、繊維集成体がその弾性回復限界内で圧縮されその外
周面を樹脂層で被覆されている遅延された形状回復性を
有する積層体(B)が挙げられる。
【0031】まず、積層体(A)の連続気泡樹脂発泡体
としては、特に限定されないが、連続気泡率が60〜1
00%のものが好ましい。
【0032】連続気泡樹脂発泡体を構成する樹脂として
は、上記独立気泡樹脂発泡体と同様の樹脂を使用し、同
様の発泡剤等を使用することができる。連続気泡樹脂発
泡体の製造方法は、特に限定されないが、たとえば、
発泡剤分解法、溶剤気散法、化学反応法等により独立気
泡を有する発泡体を製造したのち、この発泡体を押圧
し、独立気泡を潰す方法、この発泡体に針状物に突き
刺して穿孔し、独立気泡を連通させる方法、気泡倍率
を高くして発泡時に連続気泡率の高い発泡体を製造する
方法などが挙げられる。
【0033】樹脂フィルムとしては、樹脂の種類、フィ
ルムの厚さ等、特に限定されないが連続気泡樹脂発泡体
の体積をVcm3 、連続気泡樹脂発泡体の表面積をSc
m2 、フィルムの空気透過量をPcm3 /cm2 ・hr・atm
としたとき、V/(S×P)=1〜1000hr・atm を
満たすものが好ましい。すなわち、V/(S×P)が小
さすぎると、連続気泡樹脂発泡体内へ透過する空気の量
が多過ぎて緩衝材が充填前に膨張してしまい、逆に大き
すぎると、透過する空気の量が少な過ぎて膨張に時間が
かかりすぎる。
【0034】連続気泡樹脂発泡体を樹脂フィルムで被覆
する方法としては、特に限定されないが、たとえば、以
下のような方法が挙げられる。
【0035】 連続気泡樹脂発泡体を圧縮して気泡内
の気体を排除した状態で表面にフィルムを熱ラミネート
あるいは接着剤ラミネートする。 連続気泡樹脂発泡体をフィルムで挟むか、袋内に収
容し、プレス等で圧縮した状態で開口部をヒートシール
あるいは接着剤で封止する。 連続気泡樹脂発泡体を袋状のフィルム内に充填し、
真空ポンプ内でフィルム内の空気を抜く。
【0036】連続気泡樹脂発泡体の収縮は、3方向に一
様に収縮させる場合、収縮前の体積の15%以上、1方
向(例えば、シート形状で厚さ方向)のみ収縮させる場
合、収縮前の10%以上が好ましい。また、収縮は、連
続気泡樹脂発泡体に用いられる樹脂の弾性変形領域内で
行われなければならない。弾性変形領域内を超え塑性変
形領域内に入る、あるいは破断点を超えると連続気泡樹
脂発泡体の膨張(収縮回復)は起こらない。したがっ
て、収縮量が小さ過ぎると回復が悪くなる。
【0037】他方、積層体(B)とは、積層体(A)の
連続気泡樹脂発泡体に代えて、繊維集成体を用いた以外
は、積層体(A)と全く同様になっている。繊維集成体
とは、多数の繊維が互いに絡み合ってシート状、ボード
状に形成されたものを言い、たとえば、ロックウール、
グラスウール、セルロースファイバー等の繊維から形成
されているものが挙げられる。
【0038】本発明に使用される発泡体又は積層体(以
下単に「発泡体等」という)は、形状回復方向を規制す
る容器内の空間部分に充填され、大気に接触することに
より遅延された形状回復性を有するものであれば、特に
限定されないが、二方向以上に形状回復性を有するもの
であると、容器内の空間部分に充填された後、形状回復
する過程で、発泡体等の捩じれが生じ、形状回復量(製
品を使用した期間)が特定しにくくなるので、実質的に
一方向のみに形状回復性を有するものが好ましい。
【0039】上記発泡体等の形状回復率(形状回復後の
発泡体等の体積/形状回復前の発泡体等の体積)は特に
限定されないが、小さすぎると形状回復量(製品を使用
した期間)が特定しにくくなるので、3以上が好まし
い。
【0040】上記発泡体等の形状回復長さ(形状回復後
の発泡体等の回復方向の長さ─形状回復前の発泡体等の
回復方向の長さ)は特に限定されないが、小さすぎると
形状回復量(製品を使用した期間)が特定しにくくなる
ので、5mm以上が好ましい。
【0041】上記発泡体等の形状は特に限定されない
が、円柱状又は角柱状であると、形状回復量(製品を使
用した期間)が特定しやすくなるので好ましい。弾性変
形領域内の歪み幅で収縮され、少なくとも厚み方向に形
状回復可能とされているものである。
【0042】上記発泡体等には、必要に応じて上記した
ように顔料を添加するか、形状回復する方向に対応する
面に着色シートを積層すると、発泡体等の形状回復量
(製品を使用した期間)が特定しやすく好ましい。
【0043】本発明1に使用される容器は特に限定され
ないが、使用される発泡体等と略同一の断面形状を有す
る空間が、発泡体等の回復方向に延長されて設けられて
いるものが好ましい。又、上記容器は、発泡体等の形状
回復方向が開口されていてもよいし、発泡体等を充填
後、密封されてもよい。
【0044】上記発泡体等の形状回復量及び形状回復に
要する時間は、発泡体の独立気泡率、セル形状、積層体
に設けられた孔、シートの種類等により適宜調整するこ
とができる。
【0045】請求項2記載(以下、「本発明2」とい
う)のタイムインジケーターは、形状回復性を有する発
泡体又は積層体の回復方向と同一方向に時間の経過を示
す目盛りを有し、該目盛りと、形状回復性を有する発泡
体又は積層体との相対位置により時間経過を示すもので
ある。
【0046】本発明2において、目盛りは、予め使用さ
れる環境化における発泡体等の回復状況を調べておき、
それに併せて設けておくとよい。上記目盛りは、日
(月)数間隔で設けられてもよいし、使用される製品の
有効期間に対応した目盛りのみ設けられてもよい。
【0047】本発明2において使用される発泡体等は、
本発明1と同様である。
【0048】請求項3記載(以下、「本発明3」とい
う)のタイムインジケーターは、本発明1のタイムイン
ジケーターにおいて、発泡体又は積層体に蓄光顔料が添
加されていること以外は本発明1又は2と同様である。
【0049】上記蓄光顔料としては、燐光現象により、
太陽光や電灯の光を吸収蓄積し、夜間等暗い時にその蓄
積した光を徐々に放出して発光するものであれば特に限
定されず、硫化カルシウム/ビスマス、硫化カルシウム
・ストロンチウム/ビスマス、硫化亜鉛/銅、硫化亜鉛
・カドミウム/銅等の金属硫化物系;酸化アルミニウ
ム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化カルシウ
ム、酸化セリウム等の酸化物とユウロビウム、ディスプ
ロシウム、ルテチウム、テルビウム等の希土類元素とを
焼成して得られる金属酸化物系などが使用されるが、環
境面、蓄光輝度及び蓄光時間の点で金属酸化物系が好ま
しい。上記金属酸化物系蓄光顔料としては、たとえば根
本特殊化学社製;商品名「N夜光」、日本ケミックス社
製;商品名「ケミカラーNL」などがあげられる。
【0050】上記蓄光顔料の平均粒径は特に限定されな
いが、小さすぎると蓄光顔料粒子同士が凝集しやすくな
る、又は、発光輝度が弱くなることがあるので、1μm
以上が好ましい。
【0051】上記蓄光顔料の添加量は、少なすぎると燐
光の輝度が弱すぎて、夜間等に発泡体等の形状回復量を
認識しにくくなり、多すぎると発泡体等の形状回復性能
が低下するので、発泡体等に使用される熱可塑性樹脂1
00重量部に対して3〜100重量部が好ましい。
【0052】本発明1又は2のタイムインジケーター
は、上記形状回復方向を規制する容器内の空間部分に充
填され、使用開始まで形状回復を抑えた状態で保存され
る。上記保存方法としては、発泡体等の形状回復力より
強い力で拘束するものであれば特に限定されず、向たと
えば、予め発泡体等が形状回復方向を、発泡体等の形状
回復力よりも曲げ剛性の強いシート等で封止し、そのシ
ート等を接着剤等により容器に固定し、使用開始に際
し、上記シート等を剥がして使用するとよい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
をもってさらに詳細に説明する。図1は本発明1〜3の
タイムインジケーターを容器内の空間部分に充填した状
態の一例を示す斜視図であり、1はタイムインジケータ
ー(発泡体)、2は容器、3はタイムインジケーターが
充填されている空間、4はタイムインジケーターの形状
回復方向、5は目盛りを示す。
【0054】タイムインジケーター1は、大気に接触す
ることにより遅延された形状回復性を有する発泡体より
なり、容器2内の空間部分3に充填されている。空間部
分3は、タイムインジケーター1と同じ断面形状を有
し、タイムインジケーター1は空間部分3に規制されつ
つ、形状回復方向4へ向かって形状回復とされている。
【0055】タイムインジケーター1は、予め図示しな
いシートで封止され、製品の使用開始に際し、シートを
剥がすと同時にタイムインジケーターの形状回復方向4
に向かって形状回復する。目盛り5は、1月単位にタイ
ムインジケーター1の形状回復量に相当する場所に設け
られ、タイムインジケーター1は製品の使用有効期間が
過ぎるまで形状回復を続けるようになされている。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例をもってさらに詳細に
説明する。
【0057】 (実施例1:本発明1の実施例) 低密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名「三菱ポリエチ−LD LF44 0HB」:融点112.5℃) 100重量部 アゾジカルボン酸アミド(大塚化学社製、商品名「SO−L」) 15重量部 酸化亜鉛 1重量部 を混合し、ロールにより140℃で5分間混練し、プレ
ス成形機により140℃、100kg/cm2 で5分間
混練し、150×150×3mmのシートを得た。
【0058】得られたシートの両面に800kVで5M
radの電子線を照射した後、250℃のオーブン中で
5分間加熱し、発泡倍率32cc/g、独立気泡率82
%、厚み10mmの発泡体シートを得た。
【0059】得られた発泡体シートを3枚積層し、直径
0.5mmの針でシート厚み方向に8個所/cm2 の孔
空け密度でシート裏面まで貫通する孔を穿孔した。
【0060】得られた有孔シートを、厚み2mmのスペ
ーサーにより1時間プレス成形し、厚さ6mmの、厚み
方向に遅延された形状回復性を有する発泡体を得た。
【0061】得られた発泡体を10×10mmに裁断
し、図1に示した容器2の空間3中(断面10×10m
m、長さ24mm)に充填し、タイムインジケーター1
を得た。得られたタイムインジケーター1を4℃に於い
て放置し、15日及び30日経過後、形状回復した位置
に目盛り5を設けた。
【0062】次に、同様に製造した発泡体を、上記目盛
り5が設けられた容器2の空間3中に充填し、タイムイ
ンジケーター1を得た。得られたタイムインジケーター
1を冷蔵庫(4℃)内に放置し、15日及び30日経過
後の形状回復状態を観察したところ、夫々上記目盛りに
対応する位置まで形状回復していた。
【0063】(実施例2:本発明1の実施例)実施例1
と同様にして得られた発泡体シートを3枚積層し、厚み
2mmのスペーサーにより3時間プレス成形し、厚さ6
mmの、厚み方向に形状回復可能とされている発泡体を
得た。
【0064】得られた発泡体を10×10mmに裁断
し、図1に示した容器2の空間3中(断面10×10m
m、長さ24mm)に充填し、タイムインジケーター1
を得た。得られたタイムインジケーター1を20℃に於
いて放置し、1ケ月及び2ケ月経過後、形状回復した位
置に目盛り5を設けた。
【0065】次に、同様に製造した発泡体を、上記目盛
り5が設けられた容器2の空間3中に充填し、タイムイ
ンジケーター1を得た。得られたタイムインジケーター
1を倉庫(20℃)内に放置し、1ケ月及び2ケ月経過
後の形状回復状態を観察したところ、夫々上記目盛りに
対応する位置まで形状回復していた。
【0066】 (実施例3:本発明2の実施例) 低密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名「三菱ポリエチ−LD LF44 0HB」:融点112.5℃) 100重量部 アゾジカルボン酸アミド(大塚化学社製、商品名「SO−L」) 15重量部 酸化亜鉛 1重量部 金属酸化物系蓄光顔料(根本特殊化学社製;商品名「N夜光」、 グレード「G300」、平均粒径60μm)17重量部 を混合し、ロールにより140℃で5分間混練し、プレ
ス成形機により140℃、100kg/cm2 で5分間
混練し、150×150×3mmのシートを得た。
【0067】得られたシートの両面に800kVで5M
radの電子線を照射した後、250℃のオーブン中で
5分間加熱し、発泡倍率32cc/g、独立気泡率82
%、厚み10mmの発泡体シートを得た。
【0068】得られた発泡体シートを3枚積層し、厚み
2mmのスペーサーにより3時間プレス成形し、厚さ6
mmの、厚み方向に形状回復可能とされている発泡体を
得た。
【0069】得られた発泡体を10×10mmに裁断
し、図1に示した容器2の空間3中(断面10×10m
m、長さ24mm)に充填し、タイムインジケーター1
を得た。得られたタイムインジケーター1を20℃に於
いて放置し、1ケ月及び2ケ月経過後、形状回復した位
置に目盛り5を設けた。
【0070】次に、同様に製造した発泡体を、上記目盛
り5が設けられた容器2の空間3中に充填し、タイムイ
ンジケーター1を得た。得られたタイムインジケーター
1を倉庫(20℃)内に放置し、1ケ月及び2ケ月経過
後の形状回復状態を観察したところ、夫々上記目盛りに
対応する位置まで形状回復していた。又、夜間であって
も照明なしに形状回復状態が確認できた。
【0071】
【発明の効果】本発明1のタイムインジケーターは、容
器内の空間部分に充填され、大気に接触することにより
遅延された形状回復性を有する発泡体等から形成されて
いるものであるから、製品を使用した期間を容易に判別
でき、使用環境の影響を受けにくく、又、無害で不快臭
のないものとなる。
【0072】本発明2のタイムインジケーターは、形状
回復性を有する発泡体等の回復方向と同一方向に時間の
経過を示す目盛りを有し、該目盛りと、形状回復性を有
する発泡体又は積層体との相対位置により時間経過を示
すものであるから、製品を使用した期間をさらに容易に
判別でき、使用環境の影響を受けにくく、又、無害で不
快臭のないものとなる。
【0073】本発明3のタイムインジケーターは、本発
明1又は2のタイムインジケーターにおいて、発泡体又
は積層体に蓄光顔料が添加されているものであるから、
夜間等、暗い場合においても、製品を使用した期間を容
易に判別でき、使用環境の影響を受けにくく、又、無害
で不快臭のないものとなる。
【0074】従って、本発明のタイムインジケーター
は、防臭剤、防虫剤、芳香剤、防黴剤等のタイムインジ
ケーターとして好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1〜3のタイムインジケーターを容器内
の空間部分に充填した状態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 タイムインジケーター 2 容器 3 空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の空間部分に充填され、大気に接
    触することにより遅延された形状回復性を有する発泡体
    又は積層体から形成されていることを特徴とするタイム
    インジケーター。
  2. 【請求項2】 形状回復性を有する発泡体又は積層体の
    回復方向と同一方向に時間の経過を示す目盛りを有し、
    該目盛りと、形状回復性を有する発泡体又は積層体との
    相対位置により時間経過を示すことを特徴とするタイム
    インジケーター。
  3. 【請求項3】 発泡体又は積層体に蓄光顔料が添加され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載のタイムイ
    ンジケーター。
JP10014397A 1997-04-17 1997-04-17 タイムインジケーター Pending JPH10293183A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8367324B2 (en) 2003-11-17 2013-02-05 Canon Kabushiki Kaisha Method for judging change in probe-bearing substrate, probe-bearing substrate and detecting apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8367324B2 (en) 2003-11-17 2013-02-05 Canon Kabushiki Kaisha Method for judging change in probe-bearing substrate, probe-bearing substrate and detecting apparatus

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