JPH10292045A - 眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物 - Google Patents

眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物

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JPH10292045A
JPH10292045A JP9102240A JP10224097A JPH10292045A JP H10292045 A JPH10292045 A JP H10292045A JP 9102240 A JP9102240 A JP 9102240A JP 10224097 A JP10224097 A JP 10224097A JP H10292045 A JPH10292045 A JP H10292045A
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compound
double bond
molecule
moles
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JP9102240A
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English (en)
Inventor
Masayuki Shijo
雅之 四條
Masamichi Matsumoto
正道 松本
Michiko Seki
道子 関
Osamu Abe
修 阿部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高屈折率性、耐衝撃性、耐熱性および染色性
に共に優れ、バランスの良い特性を有する眼鏡用プラス
チックレンズ基材を成形するための重合性組成物を提供
する。 【解決手段】 分子内に重合性二重結合を2個以上有す
る化合物からなる材料(A成分)、及び分子内にメルカ
プト基を2個以上有する化合物からなる材料(B成
分)、及び分子内に重合性二重結合を1個有する化合物
からなる反応性希釈剤(C成分)を含有し、B成分の化
合物のメルカプト基のモル数に対する、A成分の化合物
の二重結合のモル数の比率を1.5〜20とし、かつC
成分の化合物の二重結合のモル数に対する、A成分の化
合物の二重結合のモル数とB成分の化合物のメルカプト
基のモル数との和の比率を0.1〜20とする重合性組
成物を用いて成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率であり、
かつ耐衝撃性、耐熱性、染色性に優れた眼鏡用プラスチ
ックレンズ基材を作製することができるプラスチックレ
ンズ用重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】眼鏡用プラスチックレンズ基材の素材と
して望まれる特性は、高屈折率性、耐衝撃性、耐熱性、
染色性である。従来より、ポリ(ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート)が眼鏡用プラスチックレンズ
基材の代表的素材として広く用いられている。この素材
は、屈折率が1.50と低いことを除けば、耐衝撃性、耐熱
性、染色性に優れており、眼鏡用として比較的バランス
が良い特性を示す。
【0003】また最近では、ポリイソシアネートとポリ
チオールを反応させて得られるポリチオウレタン系熱硬
化性樹脂が提案され、屈折率が1.6以上と高く、且つ
良好な耐衝撃性を有するプラスチックレンズとして実用
化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリ
(ジエチレングリコールビスアリルカーボネート)は、
耐衝撃性、耐熱性、染色性に優れるが、屈折率が1.50と
低く、総合的特性は充分でない。ポリチオウレタン系熱
硬化性樹脂は、屈折率が高く、良好な耐衝撃性を示す点
では優れるが、耐熱性と染色性に劣り、総合的な特性は
やはり充分でない。
【0005】本発明の目的は、前記従来の眼鏡用プラス
チックレンズ基材の問題点を解決し、眼鏡用プラスチッ
クレンズ基材して好適な、高屈折率であり、かつ耐衝撃
性、耐熱性、染色性に優れ、眼鏡用としてのバランスの
良い特性を示す、プラスチックレンズを成形することが
可能な眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点の解決のため
に鋭意検討を重ねた結果、分子内に重合性二重結合を2
個以上有する化合物からなる材料(A成分)と、分子内
に重合性二重結合を1個有する化合物からなる反応性希
釈剤(C成分)のラジカル共重合系に、分子内にメルカ
プト基を2個以上有する化合物からなる材料(B成分)
を添加した重合性組成物が、高屈折率で眼鏡プラスチッ
クレンズとして優れた耐衝撃性、耐熱性および染色性を
有する硬化物を与えることを見いだした。
【0007】特にB成分の化合物のメルカプト基のモル
数に対する、A成分の化合物の重合性二重結合のモル数
の比率が1.5〜20であり、かつC成分の化合物の重
合性二重結合のモル数に対する、A成分の化合物の重合
性二重結合のモル数とB成分の化合物のメルカプト基の
モル数との和の比率が0.1〜20の場合に、眼鏡プラ
スチックレンズとして最も優れた特性のバランスを示す
ことを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は第一に「分子内に重合
性二重結合を2個以上有する化合物からなる材料(A成
分)、及び分子内にメルカプト基を2個以上有する化合
物からなる材料(B成分)、及び分子内に重合性二重結
合を1個有する化合物からなる反応性希釈剤(C成分)
を含有し、前記B成分の化合物のメルカプト基のモル数
に対する、前記A成分の化合物の二重結合のモル数の比
率が1.5〜20であり、かつ前記C成分の化合物の二
重結合のモル数に対する、前記A成分の化合物の二重結
合のモル数と前記B成分の化合物のメルカプト基のモル
数との和の比率が0.1〜20であることを特徴とする
眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物(請求項1)」
を提供する。
【0009】第二に、「0.001〜10重量%の熱重
合開始剤および0.001〜10重量%の光重合開始剤
のうち少なくとも一つが含有されていることを特徴とす
る請求項1記載の眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成
物(請求項2)」を提供する。第三に、「前記A成分の
化合物が、分子内にアクリロキシ基およびアクリロイル
基のうち少なくとも一方を、合計2個以上含有すること
を特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載
の眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物(請求項
3)」を提供する。
【0010】第四に、「前記A成分の化合物が、分子内
にメタクリロキシ基およびメタクリロイル基のうち少な
くとも一方を、合計2個以上含有することを特徴とする
特許請求の範囲第1項または第2項に記載の眼鏡プラス
チックレンズ用重合性組成物(請求項4)」を提供す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、A成分の化合物
として使用される、分子内に重合性二重結合を2個以上
有する化合物の代表例としては、ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェ
ノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ
(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェ
ノールSジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ
系オリゴマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られ
るエポキシ(メタ)アクリレート、芳香族カルボン酸と
グリコールの反応によって得られる末端ヒドロキシ基ポ
リエステルポリオールのジ(メタ)アクリレート(ポリ
エステル(メタ)アクリレート)などがあげられる。こ
れらの化合物は一種または二種以上の混合物として用い
ることもできる。
【0012】B成分の化合物として使用される、分子内
にメルカプト基を2個以上有する化合物の代表例として
は、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチ
オール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオー
ル、1,4−ブタンジチオール、ペンタエリスリチオー
ル、o−キシリレンジチオール、m−キシリレンジチオ
ール、p−キシリレンジチオール、エチレングリコール
ビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコー
ルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブ
タンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,
4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、ビス
(2−メルカプトエチル)スルフィド、トリメチロール
プロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメ
チロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプ
トアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3
−メルカプトプロピオネート)などがあげられる。これ
らの化合物は一種または二種以上の混合物として用いる
こともできる。
【0013】A成分とB成分の配合比としては、B成分
の化合物のメルカプト基のモル数に対するA成分の化合
物の重合性二重結合のモル数の比率を好ましくは1.5
〜20の範囲とし、より好ましくは2〜10の範囲とす
る。B成分の化合物のメルカプト基のモル数に対するA
成分の化合物の重合性二重結合のモル数の比率が1.5
未満の場合は成形体の耐熱性が十分でなく、またB成分
の化合物のメルカプト基のモル数に対するA成分の化合
物の重合性二重結合のモル数の比率が20を越えると成
形体の耐衝撃性が低下する。
【0014】C成分として使用される分子内に重合性二
重結合を1個有する化合物からなる反応性希釈剤の代表
例としては、フェニル(メタ)アクリレート、クロロフ
ェニル(メタ)アクリレート、ブロモフェニル(メタ)
アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル
(メタ)アクリレート、ブロモベンジル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチル
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸
およびメタクリル酸エステル誘導体、α−クロロアクリ
ル酸エステル、α−シアノアクリル酸エステル、α−ア
セトキシアクリル酸エステルなどのα置換アクリル酸エ
ステル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレ
ン、メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物、環状
ケテンチオアセタールなどがあげられる。これらの化合
物は一種または二種以上の混合物として用いることもで
きる。
【0015】C成分として使用される反応性希釈剤の配
合比としては、C成分の化合物の重合性二重結合のモル
数に対して、A成分の化合物の重合性二重結合のモル数
とB成分の化合物のメルカプト基のモル数との和の比率
を0.1〜20の範囲にすることが好ましく、より好ま
しくは0.3〜10の範囲である。C成分の化合物の重
合性二重結合のモル数に対して、A成分の化合物の重合
性二重結合のモル数とB成分の化合物のメルカプト基の
モル数との和の比率が0.1未満の場合は成形時間が長
くなり、成形体の耐熱性が低下する。またC成分の化合
物の重合性二重結合のモル数に対して、A成分の化合物
の重合性二重結合のモル数とB成分の化合物のメルカプ
ト基のモル数との和の比率が20を越えると組成物の粘
度が高くなり、作業性が低下する。
【0016】本発明の重合性組成物は、A成分およびC
成分の化合物の重合性二重結合同士のラジカル共重合
と、A成分およびC成分の化合物の重合性二重結合とB
成分の化合物のメルカプト基とのラジカル付加反応と、
によって重合硬化させることができる。ラジカル共重合
とラジカル付加反応の開始剤は、熱あるいは紫外線など
の活性エネルギー線によってラジカルを生成し得るもの
であればいずれの開始剤の使用も可能であり、熱重合開
始剤または光重合開始剤をそれぞれ単独で、もしくは併
用して用いることができる。
【0017】熱重合開始剤として使用される代表例とし
ては、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキ
サノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオ
キサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、ア
セチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘ
キシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル4,4−
ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,
1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチル
ヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオ
キサイド、過コハク酸、m−トルオイルベンゾイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエ
チルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチル
パーオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカ
ノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパ
ーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメ
チルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘ
キシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオ
キシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t
−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオ
キシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオ
キシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5
−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネー
ト、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イ
ソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボ
ネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパー
オキシカルボニル)ベンソフェノン、2,3−ジメチル
−2,3−ジフェニルブタンなどの熱重合開始剤があげ
られる。これらの化合物は一種または二種以上の混合物
として用いることもできる。 光重合開始剤として使用
される代表例としては、4−フェノキシジクロロアセト
フェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、
4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキ
シアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン −
1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プ
ロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェ
ニル)−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセ
トフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テ
ル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピ
ルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、ベンジル
ジメチルケタ−ル(2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン)などのベンゾイン系、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、
4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイン−4’−メチルジフェニルサルファ
イド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ンなどのベンゾフェノン系、その他α−アシロキシムエ
ステル(1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2
(o−エトキシカルボニル)オキシム)、アシルホスフ
ィンオキサイド(2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド)、メチルフェニルグリ
オキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキ
ノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチ
ルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェ
ノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパ−オ
キシカルボニル)ベンゾフェノンなどの光重合開始剤が
あげられる。これらの化合物は一種または二種以上の混
合物として用いることもできる。
【0018】熱重合開始剤および/または光重合開始剤
の使用量は本発明の重合性組成物の種類および組成比に
より異なるが、重合性組成物の総重量に対して、0.0
01〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは
0.01〜5重量%の範囲である。熱重合開始剤および
/または光重合開始剤の使用量が0.001重量%未満
では重合硬化速度が遅くなり、また10重量%を越える
と成形体の耐熱性や耐衝撃性が低下するばかりでなく、
重合硬化速度が速すぎて成形不良になりやすい。
【0019】光重合開始剤を単独で、もしくは熱重合開
始剤を併用して用いた場合、光重合開始助剤を必要に応
じて選択して使用することもできる.光重合開始助剤と
して使用される代表例としては、トリエタノールアミ
ン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミ
ヒラーケトン)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェ
ノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸
n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソ
アミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシ
ル、重合性3級アミンなどがあげられる。これらの化合
物は一種または二種以上の混合物として用いることもで
きる。光重合開始助剤の使用量は本発明の重合性組成物
の種類および組成比により異なるが、重合性組成物の総
重量に対して、0.001〜10重量%の範囲が好まし
く、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。
【0020】また、本発明の重合性組成物には、必要に
応じて重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤
およびその他の添加剤を添加することもできる。さらに
また、本発明の重合性組成物は眼鏡用プラスチックレン
ズに好ましく適用でき、上記眼鏡用プラスチックレンズ
には酸化シリコン或いは酸化チタンあるいは酸化スズあ
るいは酸化タングステンあるいは酸化アンチモン、等の
金属酸化物の微粒子あるいはこれらの複合微粒子を含有
する有機ハードコートを好ましく適用でき、さらには酸
化シリコン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化マ
グネシウム、等からなる薄膜を有する多層反射防止膜が
好ましく適用でき、さらにまた有機シリコン化合物、有
機フッ素化合物からなる撥水膜が好ましく適用できる。
また、必要に応じて上記有機ハードコートのアンダーコ
ートとして有機プライマーコートも好ましく適用するこ
とができ、さらに必要に応じて、金属酸化物微粒子を含
有させた有機プライマーコートも好ましく適用できる。
【0021】
【実施例1】以下、本発明を実施例を掲げて説明する
が、本発明がこれらによってなんら限定されることはな
い。A成分の化合物としてビスフェノールAジアクリレ
ートを27重量部、B成分の化合物としてペンタエリス
リチオールを8重量部、C成分の化合物としてフェニル
メタクリレートを65重量部を混合し、40℃に加温し
ながら攪拌溶解した。いったん室温にもどしたのち、光
重合開始剤として2,4,6ートリメチルベンゾイルジ
フェニルホスフィンオキサイド、熱重合開始剤としてt
ーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート(日本
油脂(株)製パーブチルO)を上記組成物100重量部
に対してそれぞれ0.2重量部、0.5重量部を混合
し、室温でよく撹拌した後、50mmHgに減圧して1
0分間脱気した。
【0022】次に、ガラス製のレンズ成形用型と合成樹
脂製ガスケットを組み合わせて成形用鋳型を作製し、前
記混合物を注入し、出力120W/cmのメタルハライ
ドランプを用いて30秒間紫外線を照射した。更に80
℃のオーブンで1時間焼き締めを行った後ガスケットを
外し、レンズ成形用型からレンズを取り外し、120℃
で1時間アニールを行った。
【0023】得られたレンズは無色透明で、屈折率が
1.57と高屈折率であり、また、耐衝撃性、耐熱性お
よび染色性が良好で、眼鏡用プラスチックレンズとして
優れたものであった。なお、本願発明に関わるプラスチ
ックレンズの性能評価は次のように行った。 1)屈折率およびアッベ数 アタゴ(株)製アッベ屈折計を用い、接触液にはブロモ
ナフタレンもしくはジヨードメタンを使用した。なお、
測定は20℃で行った。 2)比重 アルキメデス法を用いた。なお、測定は20℃で行っ
た。 3)耐衝撃性 鋼球落球試験により評価した。16.2gの鋼球を12
7cmの高さから被検レンズの中心部に向かって自然落
下させ、割れる1回前の回数を被検レンズの耐衝撃性と
し、10回落下させても割れない場合を良好とした。な
お、本試験に用いた被検レンズの中心厚はすべて1.0
mmとした。 4)耐熱性 荷重試験により評価した。被検レンズ表面に接した先端
形状がフラットな断面積1mm2の針に5kgの荷重を
かけ、1時間あたり30℃の割合で昇温させたとき、針
先が0.1mm侵入する温度を被検レンズの耐熱性と
し、その温度が70℃以上の場合を良好とした。なお、
本試験に用いた被検レンズ形状は平板で、中心厚はすべ
て1.0mmとした。 5)染色性 被検レンズを浸漬染色することにより評価した。一般的
な染料であるMLP3色(Yellow2、Red2、
Blue2;三井東圧化学(株)製)より調色したブラ
ウン染料3g、一般的な分散剤であるニッカサンソルト
7000(日華化学(株)製)3ccを水1000部に
添加した染浴中で90℃、10分間の条件で染色した被
検レンズの視感度透過率を被検レンズの染色性とし、そ
の値が50%以下の場合を良好とした。
【0024】
【実施例2〜6】
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】A成分、B成分、C成分としてそれぞれ表
1に示した化合物および組成比を用いた以外は実施例1
と同様の方法で成形し、その性能を評価した。表2にこ
れら実施例と比較例の評価結果を示した。実施例はいず
れも無色透明で高屈折率であり、また、耐衝撃性、耐熱
性および染色性が良好で、眼鏡用プラスチックレンズと
して優れたものであった。
【0028】
【比較例1】A成分の化合物としてビスフェノールAジ
アクリレートを39重量部、B成分の化合物としてビス
(2ーメルカプトエチル)スルフィドを14重量部、
(これはB成分の化合物のメルカプト基のモル数に対す
る、A成分の化合物の二重結合のモル数の比が1.0に
相当する)、C成分の化合物としてpークロロスチレン
4を7重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で成形
した。
【0029】レンズは焼き締め後にもB成分の臭気が残
り、型からの取り外しが困難であるほど柔らかかった。
【0030】
【比較例2】A成分の化合物としてビスフェノールAジ
アクリレートを63重量部、B成分の化合物としてビス
(2ーメルカプトエチル)スルフィドを0.4重量部
(これはB成分の化合物のメルカプト基のモル数に対す
る、A成分の化合物の二重結合のモル数の比が50に相
当する)、C成分の化合物としてpークロロスチレンを
37重量部用いた以外は実施例1と同様の方法で成形し
た。
【0031】レンズは紫外線照射時に多数のクラックが
入り、レンズを型から取り外す際に破砕するほど脆かっ
た。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明による、分子内に
重合性二重結合を2個以上有する化合物からなる材料
(A成分)と、分子内に重合性二重結合を1個有する化
合物からなる反応性希釈剤(C成分)のラジカル共重合
系に、特定の比率で分子内にメルカプト基を2個以上有
する化合物からなる材料(B成分)を添加して成る、眼
鏡プラスチックレンズ用重合性組成物から成型されたレ
ンズは、眼鏡用プラスチックレンズ基材として極めて優
れた特性と特性バランスを具備したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 修 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に重合性二重結合を2個以上有す
    る化合物からなる材料(A成分)、及び分子内にメルカ
    プト基を2個以上有する化合物からなる材料(B成
    分)、及び分子内に重合性二重結合を1個有する化合物
    からなる反応性希釈剤(C成分)を含有し、前記B成分
    の化合物のメルカプト基のモル数に対する、前記A成分
    の化合物の二重結合のモル数の比率が1.5〜20であ
    り、かつ前記C成分の化合物の二重結合のモル数に対す
    る、前記A成分の化合物の二重結合のモル数と前記B成
    分の化合物のメルカプト基のモル数との和の比率が0.
    1〜20であることを特徴とする眼鏡プラスチックレン
    ズ用重合性組成物。
  2. 【請求項2】 0.001〜10重量%の熱重合開始剤
    および0.001〜10重量%の光重合開始剤のうち少
    なくとも一つが含有されていることを特徴とする請求項
    1記載の眼鏡プラスチックレンズ用重合性組成物。
  3. 【請求項3】 前記A成分の化合物が、分子内にアクリ
    ロキシ基およびアクリロイル基のうち少なくとも一方
    を、合計2個以上含有することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の眼鏡プラスチックレン
    ズ用重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記A成分の化合物が、分子内にメタク
    リロキシ基およびメタクリロイル基のうち少なくとも一
    方を、合計2個以上含有することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の眼鏡プラスチックレ
    ンズ用重合性組成物。
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