JPH10291527A

JPH10291527A - アンプル容器

Info

Publication number: JPH10291527A
Application number: JP11526397A
Authority: JP
Inventors: Keinosuke Isono; 啓之介磯野
Original assignee: Material Engineering Technology Laboratory Inc
Current assignee: Material Engineering Technology Laboratory Inc
Priority date: 1997-04-17
Filing date: 1997-04-17
Publication date: 1998-11-04

Abstract

(57)【要約】【目的】開口の際に指などを傷つけず、また、切断屑
等が薬液に混入して血管内等に入れることなく、また開
口部を清潔に維持して院内感染等の原因にならないよう
したアンプル容器を提供。【構成】上部の開口部から薬液が充填され、該薬液充
填後に該開口部が閉塞されるアンプル容器において、上
記アンプル容器の上部開口部以外の壁に薬液の取出口を
設けることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、アンプル容器に関
するものであり、より詳細には、薬液を取り出す際に、
アンプルカットで指を切ったり、或いは切断屑が薬液内
に混入しないアンプル容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】アンプル製品は、アンプル容器本体の製
造、アンプル容器内への薬液の充填、及び充填開口の閉
塞の工程を踏まえて製造される。現在、アンプル容器は
ガラス製、場合によってはプラスチック製のものが用い
られている。アンプル容器の形態は、ガラス製でもプラ
スチック製でも胴部が円筒状で、胴部の上には薬液を充
填した開口の閉止部及び首部を有するものである。アン
プル製品の使用に際しては首部をカットすることにより
上部を開口して薬液の取り出しを行っている。

【０００３】しかしながら、アンプル容器の首部での切
断開放では以下の問題が生じる。第一に、ガラス製のア
ンプル容器の場合、切断口で指を傷つけるおそれがあ
り、傷付けると、薬液を汚染して好ましくない。第二
に、アンプル容器の首部の切断の際に、多量の切断屑が
発生し、その切断屑は薬液に混合し、これが血管内に注
射されるケースが多々見られ、医療用上の重大な問題と
なっている。第三に、アンプル容器の切断部である首部
はその外表面の無菌維持が困難であり、汚染されている
ケースも見られ、これが院内感染の原因となる場合もあ
る。従って、本発明は、開口の際に指などを傷つけず、
また、切断屑等が薬液に混入して血管内等に入れること
なく、また開口部を清潔に維持して院内感染等の原因に
ならないようしたアンプル容器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上部の開口部
から薬液が充填され、該薬液充填後に該開口部が閉塞さ
れるアンプル容器において、上記アンプル容器の上部開
口部以外の壁に薬液の取出口を設けることを特徴とする
アンプル容器を提供することにより、上記目的を達成し
たものである。

【０００５】上記アンプル容器は、ガラス製又は樹脂製
でも良い。アンプル容器は内部の薬液の確認ができる程
度以上に透明性を有していることが望ましい。また、ア
ンプル容器が樹脂製であれば、その樹脂壁はガスバリア
ー性を有していることが望ましい。樹脂製のアンプル容
器は、押出成形、射出成形、又はブロー成形したもので
ある。樹脂素材としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹
脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用
樹脂である。また樹脂容器は単層又は多層で形成されて
いても良い。薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与
えない、また溶出物が生じない樹脂層であるあることが
望ましい。このような樹脂としては、ポリオレフィン系
樹脂が望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂等が挙げら
れる。また上述のようにガスバリアー性層が形成されて
いることが望ましい。特に、酸素等を容易に透過しない
層であることが望ましい。このようなガスバリアー性層
としては、殆ど、又は全くガスを透過させないアルミニ
ウム等の金属層や酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チ
タン等の無機蒸着層であり、またポリ塩化ビニリデン、
ポリエステル、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール
共重合体、フッ素系樹脂等のようにガスバリアー性の高
い樹脂層である。樹脂層におけるガスバリアー性層の酸
素透過量は４０ｃｃ＊２０μ／ｍ²＊ｄａｙ＊ａｔｍ
（温度：２０℃）以下、特に、３０ｃｃ＊２０μ／ｍ²
＊ｄａｙ＊ａｔｍ以下、また好ましくは５ｃｃ＊２０μ
／ｍ²＊ｄａｙ＊ａｔｍ以下、更には１ｃｃ＊２０μ／
ｍ²＊ｄａｙ＊ａｔｍ以下であることが望ましい。

【０００６】製造の際にアンプル容器は上部に充填用の
開口を有するものである。薬液はできる限り無菌充填さ
れるため、アンプル容器の上部開口からの液充填が好ま
しいからである。薬液は、加熱に弱いものでも、加熱に
強い高圧蒸気滅菌可能なものでも良い。また薬液が加熱
に弱い場合には無菌充填が成される。薬液の充填後、上
部開口部は閉塞される。開口部の閉塞はガラス製であれ
ば熱バーナーによる封管、樹脂製であれば熱溶着等がな
される。

【０００７】本発明に係るアンプル容器は、上部開口部
以外の壁に取出口とするものである。本発明に係る取出
口はガラス製アンプル容器であれば完全な内部との連通
孔として形成され、樹脂製のアンプル容器であれば、内
部との連通孔又は容易に孔開け可能な切れ込み等が付い
た易開封部であっても良い。このように構成される本発
明に係るアンプル容器であれば、上記開口部付近の首部
等の切断を伴わないため、操作が安全で、切断屑等も発
生せず、容器内の薬液等を汚染するおそれがない。

【０００８】本発明に係る請求項２記載のアンプル容器
は、請求項１記載のアンプル容器において、上記取出口
は弾性部材で液密に閉止されていることを特徴とする。
上記弾性部材は取出口の周縁に密着するものであれば良
く、リング状のシール部材であっても良く、また完全に
取出口を閉止する着脱可能な栓体の形状であっても良
い。弾性部材はゴム材、熱可塑性エラストマー等であ
り、例えば、天然ゴム、シリコンゴム、オレフィン系エ
ラストマー、スチレン系エラストマー等を挙げることが
できる。このような部材の弾性応力を利用して取出口を
液密に閉止することができる。本発明に係る請求項３記
載のアンプル容器は、請求項２記載のアンプル容器にお
いて、上記弾性部材は栓体からなり該栓体の中央部には
穴部が形成され、該穴部内に該穴部を拡大押圧する拡径
部材が配され、上記弾性部材による上記取出口の周縁部
への押圧付勢が高められることを特徴とする。上記弾性
栓体の中央部に硬い部材を挿入して弾性栓体の外径が広
がるようにすれば、弾性栓体と取出口との隙間が完全に
閉じられ、その液密性は高圧蒸気滅菌時においても保た
れるシール性を有する。

【０００９】本発明に係る請求項４記載のアンプル容器
は、請求項２記載のアンプル容器において、上記弾性部
材はリング状シール部材からなり、該シール部材内に着
脱可能な硬質栓体が挿入されていることを特徴とする。
上記弾性部材がリング状のシール部材、即ち、オーリン
グ等を取出口に取り付けられていれば、弾性栓体に限る
ことなく硬質栓体で十分に液密性を発揮させることがで
きる。本発明に係る請求項５記載のアンプル容器は、請
求項１記載のアンプル容器において、上記取出口が無菌
維持材で覆われていることを特徴とする。本発明に係る
アンプル容器の取出口は首部等の円柱周面に設けないの
で、シートやフィルム等を無菌維持材とすることができ
る。このため、使用時に開口される部分である取出口は
保管時に清潔に維持される。これは、特に樹脂製のアン
プル容器に望ましく、かかる容器であれば、取出口を易
開封部として、かかる部分をシール材やカバー部材で覆
うだけで、安全な取出口を提供することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係るアンプル容器の好ましい
実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図１は、本
発明に係るアンプル容器を示す第一実施例の正面図であ
る。図２は、第一実施例のアンプル容器の取出口の拡大
断面図である。図３は、本発明に係るアンプル容器の第
二実施例の取出口の拡大断面図である。図４は、本発明
に係るアンプル容器の第三実施例の取出口の拡大断面図
である。

【００１１】図１及び図２に示す如く、第一実施例に係
るアンプル容器１は、上部の開口部２から薬液３が充填
され、薬液３の充填後に開口部２が閉塞されるガラス製
アンプル容器である。しかして、アンプル容器１の上部
開口部２以外の壁１Ａに取出口４を設ける。また取出口
４は着脱可能な弾性部材（ゴム栓体）５で液密に閉止さ
れて、弾性部材５は栓体からなりそのゴム栓体５の中央
部には穴部６が形成され、穴部６内に穴部６を拡大押圧
する拡径部材７が配され、ゴム栓体５による取出口４の
周縁部４Ａへの押圧付勢が高められる。更に、取出口４
が無菌維持シール材８で覆われている。

【００１２】本実施例に係るアンプル容器１を更に説明
すると、アンプル容器１はガラス製であり、薬液３が充
填される前は上部に開口部２を有している。そして、薬
液３の充填後は熱風で封管されている。アンプル容器１
の壁１Ａはその厚みが０．４〜２０ｍｍの範囲で形成さ
れ、遮光壁となっている。上記開口部２以外、即ち、開
口部２の通路となる首部等を除くアンプル容器壁１Ａの
所定位置には円形状の薬液３の取出口４が設けられる。
図２に示す如く取出口４にはゴム栓体５が取付られ、ゴ
ム栓体５の周縁面に形成される溝条部５Ａに取出口４の
周縁部４Ａがはめ込まれている。また、ゴム栓体５の中
央部には穴部６が形成され、穴部６には硬質の拡径部材
７が圧入されている。拡径部材７は硬質の樹脂成形物か
らなり、着脱用の摘み部７Ａが形成されている。拡径部
材７の外径は穴部６の内径より大径に形成され、拡径部
材７が穴部６に挿入されていると、ゴム栓体５による取
出口４の周縁部４Ａへの押圧付勢が高められる。ゴム栓
体５の外面及び拡径部材７の外面は無菌維持シール材８
で覆われ、無菌維持シール材８はゴム栓体５の外面に剥
離可能で且つ液密に付着されている。

【００１３】本実施例に係るアンプル容器１の製造は、
先ず、ガラス製のアンプル容器１を管体から製造し、次
に、アンプル容器壁１Ａに取出口４の為の孔を熱照射に
より形成する。取出口４の形成後、ゴム栓体５を取出口
４にはめ込み、更に、拡径部材７をはめ込む。次に、無
菌維持シール材８をゴム栓体５の外面に付着し、アンプ
ル容器１の全体を滅菌処理する。滅菌処理はエチレンオ
キサイドガス滅菌処理して行う。次に、アンプル容器１
の上部開口部２から薬液３を充填し、充填後に上部開口
部２を熱封管する。封管後に薬液３をアンプル容器１と
共に高圧蒸気滅菌処理する。滅菌処理温度を１１０℃で
行い、冷却後、アンプル容器１の製品とする。このよう
に構成されるアンプル容器１を用いる場合には、先ず、
無菌維持シール材８を剥がし、次に、拡径部材７をゴム
栓体５の穴部６から引き抜く。そして、ゴム栓体５を取
出口４から外し、取出口４に注射針を挿入して薬液３を
シリンジ内に移し、注射を行う。尚、注射針をゴム栓体
５などに刺通させて良い場合は、ゴム栓体５を取出口４
から取り外さずに直接使用しても良い。従って、アンプ
ル容器１は開口部２付近の首部等の切断を伴わないた
め、操作が安全で、切断屑等も発生せず、容器１内の薬
液３を汚染するおそれがない。また、ゴム栓体５の弾性
応力を利用して取出口４を液密に閉止することができ、
更に、ゴム栓体５の穴部６に固い拡径部材７を挿入して
ゴム栓体５の外径が広がるようにすれば、ゴム栓体５と
取出口４との隙間が完全に閉じられ、その液密性は高圧
蒸気滅菌時においても保たれる。更に、保存中において
は、無菌維持シール材８によって取出口４付近が無菌に
維持される。

【００１４】図３は、本発明に係るアンプル容器の第二
実施例を示す拡大断面図である。第二実施例のアンプル
容器１１は第一実施例のアンプル容器１と同様な部材が
用いられ、第一実施例のアンプル容器１と異なる点は以
下の点にあいる。第二実施例のアンプル容器１１の取出
口４にリング状のシール部材１２が周縁部４Ａに沿って
取り付けられ、シール部材１２内に着脱可能なプラスチ
ック製の硬質栓体１３がシール部材１２の内壁を押圧し
ながら挿入されている。また、硬質栓体１３と無菌維持
シール材８とは接着されている。このような構成された
第二実施例のアンプル容器１１を使用する場合には、先
ず、無菌維持シール材８を剥がすのみで、硬質栓体１３
も一緒に外れ、取出口４を容易に開放させることができ
る。そして、第二実施例のアンプル容器１１のその他の
作用効果は第一実施例と同様な作用効果を奏する。

【００１５】図４は、本発明に係るアンプル容器の第三
実施例を示す拡大断面図である。第三実施例のアンプル
容器２１は第一実施例のアンプル容器１とほぼ同様な形
状であるが、部材はポリプロピレン製のブロー成形物か
らなる。また、アンプル容器壁２１Ａには円形状の切れ
込み２３が形成され、取出口２２は易開封部となってい
る。そして、かかる取出口２２の外壁面は無菌維持シー
ル材８で気密に覆われ、高圧蒸気滅菌時に完全に無菌、
滅菌状態が維持されている。また、取出口２２の外側の
アンプル容器壁２１Ａにシール材８は剥離可能に接着さ
れている。このように構成される第三実施例のアンプル
容器２１にあっては、その使用時に、一旦、取出口２２
を無菌維持シール材８越しに図４の矢印Ａの方向に押圧
して、切れ込み２３に沿って容器壁２１Ａを破封して取
出口２２を開口させ、次にシール材８を剥がして注射針
を差し込む。従って、取出口２２は使用時まで無菌に維
持され、従来のように院内感染を起こすおそれもない。
上記実施例において、取出口２２をアンプル容器２１の
側壁に形成したが取出口２２を容器の底面壁に形成して
も良い。取出口２２を底面壁に形成したものは、特に樹
脂製のブロー成形物からなるアンプル容器に望ましい。
かかるアンプル容器では肩部等が肉厚に形成されるた
め、注射針等が貫通することがない。

【００１６】

【発明の効果】本発明に係るアンプル容器によれば、上
記アンプル容器の上部開口部以外の壁に取出口を設ける
ことにより、開口の際に指などを傷つけず、また、切断
屑等が薬液に混入して血管内等に入れることなく、また
開口部を清潔に維持して院内感染等の原因にならないよ
うにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係るアンプル容器を示す第一
実施例の正面図である。

【図２】図２は、第一実施例のアンプル容器の取出口の
拡大断面図である。

【図３】図３は、本発明に係るアンプル容器の第二実施
例の取出口の拡大断面図である。

【図４】図４は、本発明に係るアンプル容器の第三実施
例の取出口の拡大断面図である。

【符号の説明】

１アンプル容器２液充填開口部３薬液４取出口５ゴム栓体６穴部７拡径部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上部の開口部から薬液が充填され、該薬液
充填後に該開口部が閉塞されるアンプル容器において、
上記アンプル容器の上部開口部以外の壁に薬液の取出口
を設けることを特徴とするアンプル容器。
【請求項２】上記取出口は着脱可能な弾性部材で液密に
閉止されていることを特徴とする請求項１記載のアンプ
ル容器。
【請求項３】上記弾性部材は、栓体からなり該栓体の中
央部には穴部が形成され、該穴部内に該穴部を拡大押圧
する拡径部材が配され、上記弾性部材による上記取出口
の周縁部への押圧付勢が高められることを特徴とする請
求項２記載のアンプル容器。
【請求項４】上記弾性部材はリング状シール部材からな
り、該シール部材内に着脱可能な硬質栓体が挿入されて
いることを特徴とする請求項２記載のアンプル容器。
【請求項５】上記取出口が無菌維持部材で覆われている
ことを特徴とする請求項１記載のアンプル容器。
【請求項６】上記アンプル容器は、ガラス製又は樹脂製
であることを特徴とする請求項１〜５の何れかに記載の
アンプル容器。