JPH10290693A - 新規フィブロネクチン結合蛋白化合物 - Google Patents

新規フィブロネクチン結合蛋白化合物

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JPH10290693A
JPH10290693A JP9321878A JP32187897A JPH10290693A JP H10290693 A JPH10290693 A JP H10290693A JP 9321878 A JP9321878 A JP 9321878A JP 32187897 A JP32187897 A JP 32187897A JP H10290693 A JPH10290693 A JP H10290693A
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JP
Japan
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polypeptide
polynucleotide
dna
seq
sequence
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Withdrawn
Application number
JP9321878A
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English (en)
Inventor
John Edward Hodgson
ジョン・エドワード・ホッジソン
Martin Karl R Burnham
マーティン・カール・ラッセル・バーナム
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
Original Assignee
SmithKline Beecham Ltd
SmithKline Beecham Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規フィブロネクチン結合タンパク質ポリペ
プチドおよび該ポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドが望まれている。 【解決手段】 本発明は、(a)配列番号1のアミノ酸
1ないし236からなるポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一性を有す
るポリヌクレオチド;(b)(a)のポリヌクレオチド
に対して相補性のポリヌクレオチド;および(c)
(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なくとも連
続した15塩基からなるポリヌクレオチドからなる群よ
り選択されるポリヌクレオチドからなる単離ポリヌクレ
オチドを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規に同定された
ポリヌクレオチド、かかるポリヌクレオチドによりコー
ドされるポリペプチド、かかるポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドの使用、ならびにかかるポリヌクレオチド
およびポリペプチドの製造、および該ポリヌクレオチド
で形質転換される組換え宿主細胞に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の宿主組織への細菌性付着に関連
し、細菌性病因における重要な因子であると考えられ
る、スタフィロコッカス属(Staphylococci)およびス
トレプトコッカス属(Streptococci)の細胞表面結合タ
ンパク質のいくつかがここ10年間で同定されてきた
(Patti,J.M.,Allen,B.L.,McGavin,M.
J.およびHook,M.,MSCRAMM−Mediated Ad
herence of Microorganisms toHost Tissues[199
4]Annu.Rev.Microbiol. 48,585-617を参考のこ
と)。
【0003】細胞表面タンパク質であるフィブロネクチ
ン結合タンパク質、フィブリノゲン結合タンパク質、コ
ラーゲン結合タンパク質およびスタフィロコッカス・ア
ウレウス(Staphylococcus aureus)のタンパク質Aは
すべて、グラム陰性菌における表面タンパク質の特徴で
あるLPXTGモチーフに対するN−末端に、プロリン
およびグリシン残基に富むペプチドグリカンに及ぶ領域
を有すると同定されている(Surface−Associated Pr
oteins of Staphylococcus aureus:Their possible
roles in virulence.Foster,T.J.およびMcDevit
t,D.[1994]FEMS Microbiology Letters 11
8,199-206を参照のこと)。
【0004】抗菌性標的、例えば、フィブロネクチン結
合タンパク質(EP0294349、EP039763
3、WO94/18327)、フィブリノゲン結合タン
パク質(WO94/06830)、コラーゲン結合タン
パク質(WO92/07002)および骨シャロタンパ
ク質としてのスタフィロコッカス・アウレウス由来のタ
ンパク質を扱う種々の解決法が提唱されている。その結
合タンパク質または結合フラグメントを、抗菌剤として
用いて生物の宿主細胞への結合を遮断するか、ワクチン
として用いて宿主動物において該生物に対する抗体を産
生するか、または抗原として用いて生物の宿主組織への
結合を遮断するのに用いることのできる治療用抗体を産
生する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、配列番号1
に示すアミノ酸配列またはそのフラグメント、アナログ
または誘導体からなることを特徴とするスタフィロコッ
カス・アウレウス(S.aureus)由来の新規な細胞表面
タンパク質に関する。本発明はまた、配列番号1に示す
アミノ酸配列を有する細胞表面タンパク質のポリペプチ
ドフラグメントまたはその誘導体に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の別の態様によれ
ば、かかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(DNAまたはRNA)が提供される。特に、本発明
は、配列番号2に示すDNA配列を有するポリヌクレオ
チドを提供する。本発明はまた、配列番号2に示すDN
A配列またはそのフラグメント、アナログまたは誘導体
からなることを特徴とする遺伝子の発現により得られる
スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29由来の新
規タンパク質を提供する。本発明はまた、配列番号3お
よび4を含め、配列番号2の配列より誘導される新規な
オリゴヌクレオチドに関する。
【0007】本発明は、配列番号1の推定アミノ酸配列
により特徴付けられるポリペプチドのフラグメント、ア
ナログおよび誘導体をコードする前記したポリヌクレオ
チドの変種を提供する。本発明はまた、本発明のポリヌ
クレオチドを含むベクター、本発明のベクターを用いて
遺伝子操作される宿主細胞および組換え技法による本発
明のポリペプチドの製造に関する。
【0008】さらには、配列番号1のポリペプチドに結
合し、その活性を阻害する化合物の同定方法であって、
結合手段への結合を可能とする条件下で、ポリペプチド
についての結合手段をその細胞表面に発現する細胞を、
スクリーニングすべき化合物と接触させること(ここ
に、該結合手段は化合物の該結合手段への結合に応答し
て検出可能なシグナルを提供する能力を有する第2の成
分と結合する);および該化合物と該結合手段との相互
作用より生じるシグナルの有無を検出することにより、
該化合物がその結合手段に結合して、それを活性化する
か阻害するかを決定することからなる方法を提供する。
【0009】配列番号1のポリペプチドに対する抗体も
また提供される。さらにまた、配列番号1のポリペプチ
ドの活性を阻害するアンタゴニストも提供される。配列
番号1のポリペプチドの阻害を必要とする個体の治療方
法であって、治療上有効量の本発明のポリペプチドに対
するアンタゴニストを該個体に投与することからなる治
療方法が提供される。本発明のポリペプチドの発現に関
与する疾患の診断方法であって、配列番号1のポリペプ
チドをコードする核酸配列を測定する方法が提供され
る。宿主由来のサンプル中の配列番号1のポリペプチド
の存在について分析することからなる診断方法が提供さ
れる。さらに、配列番号1のポリペプチドに対する抗体
も提供される。さらにまた、配列番号1のポリペプチド
の活性を阻害するアンタゴニストも提供される。
【0010】本発明のポリペプチドの結合の阻害を必要
とする個体の治療方法であって、治療上有効量のかかる
ポリペプチドに対するアンタゴニストを該個体に投与す
ることからなる治療方法が提供される。本発明のポリペ
プチドの発現に関与する疾患の診断方法であって、配列
番号1のポリペプチドをコードする核酸配列を測定する
方法が提供される。宿主由来のサンプル中の配列番号1
のポリペプチドの存在について分析することからなる診
断方法が提供される。本発明のさらなる態様によれば、
例えば、抗菌剤またはワクチンとして、治療または予防
を目的とする本発明のポリペプチドの使用が提供され
る。
【0011】本発明のさらなる態様によれば、治療また
は予防を目的として、特に遺伝的免疫処置における本発
明のポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明のさ
らなる態様によれば、抗菌剤として有用な、かかるポリ
ペプチドに対する阻害剤が提供される。本発明のもう一
つ別の態様は、上記した本発明のポリペプチド、ポリヌ
クレオチドまたは阻害剤と、医薬上許容される担体とか
らなる医薬組成物である。ある態様において、本発明
は、病原体と感染の後遺症に関与している哺乳動物宿主
の間の直接的な物理的相互作用を妨げるための、本発明
のポリペプチド、ポリヌクレオチドまたは阻害剤の使用
を提供する。本発明はさらに、かかる使用のための医薬
の製造に関する。本発明は細胞表面タンパク質または哺
乳動物細胞に対する活性フラグメントの相互作用を妨げ
る薬剤を同定するための薬剤のスクリーニング方法を提
供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、配列番号1に示すアミ
ノ酸配列からなることを特徴とするスタフィロコッカス
・アウレウスWCUH29由来の新規な細胞表面タンパ
ク質またはそのフラグメント、アナログまたは誘導体に
関する。スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29
は、1995年9月11日に、受託番号NCIMB40
771の下、スコットランド、アバディーン、ナショナ
ル・コレクション・オブ・インダストリアル・アンド・
マリン・バクテリア・リミテッド(NCIMB)に寄託
されている。
【0013】本発明はまた、配列番号1に示すアミノ酸
配列を有する細胞表面タンパク質のポリペプチドフラグ
メントまたはその誘導体に関する。配列番号1のアミノ
酸配列は、ペプチドグリカン・スパンニング領域を含
め、スタフィロコッカス・アウレウスのフィブロネクチ
ン結合タンパク質Aに対して限定相同性(93個以上の
アミノ酸の30%の同一性)を示す。以下、ポリペプチ
ド(複数でも可)なる語は、細胞表面タンパク質、その
フラグメント、アナログまたは誘導体ならびにポリペプ
チドフラグメントまたはその誘導体をいうのに用いる。
本発明のもう一つ別の態様によれば、かかるポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたはRN
A)が提供される。特に、本発明は配列番号2に示すD
NA配列を有するポリヌクレオチドを提供する。本発明
はさらにスタフィロコッカス・アウレウスWCUH29
からの細胞表面タンパク質をコードするポリヌクレオチ
ドであって、配列番号2に示すDNA配列を有してなる
ことを特徴とするポリヌクレオチドを提供する。
【0014】配列番号2に示すDNA配列を有するポリ
ヌクレオチドは、エシェリキア・コリ(E.coli)中の
スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29の染色体
DNAのクローンのライブラリーから入手した。配列番
号2に示すDNA配列を用いて細胞表面タンパク質をコ
ードするポリヌクレオチドを得るために、典型的には、
エシェリキア・コリまたは他の適当な宿主中のスタフィ
ロコッカス・アウレウスWCUH29の染色体DNAの
クローンのライブラリーを、部分配列から由来する、放
射標識したオリゴヌクレオチド、好ましくは、17量体
またはそれ以上の長さのオリゴヌクレオチドでプローブ
する。ついで、該プローブと同じDNAを有するクロー
ンを高ストリンジェントな洗浄条件を用いて区別するこ
とができる。そのオリジナル配列から設計された配列決
定プライマーを用いてそのように同定された個々のクロ
ーンをシーケンシングすることにより、該配列を両方向
に伸長し、完全な遺伝子配列を決定することが可能であ
る。都合よくは、かかる配列決定をプラスミドクローン
より調製した変性二本鎖DNAを用いて行う。適当な技
法は、Maniatis,T.,Fritsch,E.F.およびSambro
ok,J. MOLECULAR CLONING,A Laboratory Man
nual[Cold Spring Harbor Laboratory 第2版
(1989)に記載されている。ハイブリダイゼーショ
ンによるスクリーニング1.90および変性二本鎖DN
A鋳型の配列決定13.70を参照のこと]。
【0015】本発明のポリヌクレオチドRNAの形態で
あっても、DNAの形態であってもよく、このDNAは
cDNA、ゲノムDNAおよび合成DNAを包含する。
該DNAは二本鎖または一本鎖であってもよく、一本鎖
であるならば、コーディング鎖または非コーディング
(アンチセンス)鎖のいずれであってもよい。ポリペプ
チドをコードするコーディング配列は配列番号1に示さ
れるコーディング配列と同じであるか、または遺伝暗号
の重複性または同義性の結果として、同じポリペプチド
をコードする異なるコーディング配列であってもよい。
【0016】本発明は、配列番号1の推定アミノ酸配列
により特徴付けられるポリペプチドのフラグメント、ア
ナログおよび誘導体をコードする前記したポリヌクレオ
チドの変種を包含する。該ポリヌクレオチドの変種はポ
リヌクレオチドの天然の対立遺伝子の変種またはポリヌ
クレオチドの非天然の変種であってもよい。かくして、
本発明は、配列番号1の推定アミノ酸配列により特徴付
けられるのと同じポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド、ならびに該ポリペプチドのフラグメント、誘導
体またはアナログをコードするそのようなポリヌクレオ
チドの変種を包含する。
【0017】該ポリヌクレオチドは、配列番号2のDN
A配列により特徴付けられるコーディング配列の天然の
対立遺伝子の変種であるコーディング配列を有していて
もよい。当該分野にて知られているように、対立遺伝子
の変種は、コードされたポリペプチドの機能を実質的に
変えない、1またはそれ以上のヌクレオチドが置換、欠
失または付加されていてもよいポリヌクレオチド配列の
別の形態である。成熟ポリペプチド、すなわち元の細胞
表面タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、成熟
ポリペプチドについてのコーディング配列だけを、また
は成熟ポリペプチドについてのコーディング配列および
リーダーもしくは分泌配列またはプロタンパク質配列な
どの付加的なコーディング配列を含んでいてもよい。か
くして、「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
ド」なる語は、ポリペプチドについてのコーディング配
列だけを含むポリヌクレオチドならびに付加的なコーデ
ィングおよび/または非コーディング配列を含むポリヌ
クレオチドを包含する。
【0018】したがって、本発明は、ポリヌクレオチ
ド、その成熟ポリペプチドについてのコーディング配列
が宿主細胞からのポリペプチドの発現および分泌を補助
するポリヌクレオチド配列、例えば細胞からのポリペプ
チドの輸送を調整するための分泌配列として機能するリ
ーダー配列に同一のリーディング・フレームにて融合し
ていてもよいポリヌクレオチドを包含する。リーダー配
列を有するポリペプチドはプレタンパク質であり、その
リーダー配列が宿主細胞により切断され、ポリペプチド
の成熟形態を形成してもよい。ポリヌクレオチドはま
た、成熟タンパク質に加えて付加的な5’アミノ酸残基
を有するプロタンパク質をコードできる。プロ配列を有
する成熟タンパク質はプロタンパク質であり、そのタン
パク質の不活性形である。プロタンパク質が切断される
と、活性な成熟タンパク質が残る。
【0019】かくして、例えば、本発明のポリヌクレオ
チドは、成熟タンパク質を、プロ配列を有するタンパク
質を、またはプロ配列およびプレ配列(リーダー配列)
を有するタンパク質をコードすることができる。本発明
のポリヌクレオチドはまた、そのコーディング配列をフ
レームにて、本発明のポリペプチドの精製を可能とする
遺伝子の5’または3’末端のいずれかにあるマーカー
配列に融合させることができる。そのマーカー配列は、
pQEシリーズのベクター(Quiagen Inc.より市販
されている)により供給されるヘキサ−ヒスチジン・タ
グであり、細菌宿主の場合に、マーカーに融合したポリ
ペプチドを精製する。
【0020】本発明はさらに、両者の間に少なくとも5
0%、好ましくは少なくとも70%の同一性がある場合
に、前記した配列にハイブリダイズするポリヌクレオチ
ドに関する。本発明は、特に、ストリンジェントな条件
下で、前記したポリヌクレオチドにハイブリダイズする
ポリヌクレオチドに関する。本明細書で用いる場合、
「ストリンジェントな条件」なる語は、ハイブリダイゼ
ーションが、配列間に少なくとも95%、好ましくは少
なくとも97%の同一性がある場合にのみ起こることを
意味する。好ましい具体例として前記したポリヌクレオ
チドにハイブリダイズするポリヌクレオチドは、配列番
号1に示す推定アミノ酸により特徴付けられるポリペプ
チドと実質的に同じ機能または活性を保持するポリペプ
チドをコードする。本発明はまた、配列番号1のアミノ
酸からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
に対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレ
オチド;(a)のポリヌクレオチドに対して相補性のポ
リヌクレオチド;および(a)または(b)のポリヌク
レオチドの少なくとも連続した15塩基を有するポリヌ
クレオチドからなる群より選択されるポリヌクレオチド
からなる単離ポリヌクレオチドを提供する。
【0021】本明細書の寄託株は、特許手続き上の微生
物寄託の国際承認に関するブタペスト条約の下で維持さ
れている。これらの寄託株は当業者の便宜のためにのみ
提供され、35U.S.C.112条の下に要求されるよ
うな、寄託が実施可能要件であることを承認するもので
はない。寄託材料に含まれるポリヌクレオチドの配列、
ならびにそれによりコードされるポリペプチドのアミノ
酸配列は、出典明示により本明細書の一部とするもので
あり、本明細書の配列の記載と矛盾するいずれの事象を
も調整するものである。寄託材料を製造、使用または販
売するには、ライセンスが必要であるが、そのようなラ
イセンスはここで付与されるものではない。
【0022】「フラグメント」、「誘導体」および「ア
ナログ」なる語は、配列番号1の推定アミノ酸配列によ
り特徴付けられるポリペプチドに言及する場合、かかる
ポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能または活性を
保持するポリペプチドを意味する。かくして、アナログ
は、プロタンパク質部分の切断により活性化され、活性
な成熟ポリペプチドを産生することのできるプロタンパ
ク質を包含する。本発明のポリペプチドは、組換えポリ
ペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチドで
あってもよく、好ましくは組換えポリペプチドである。
配列番号1の推定アミノ酸配列により特徴付けられるポ
リペプチドのフラグメント、誘導体またはアナログは、
(i)1またはそれ以上のアミノ酸残基が保存または非
保存アミノ酸残基(好ましくは、保存アミノ酸残基)で
置換されており、かかる置換アミノ酸残基が遺伝暗号に
よりコードされるものであってもなくてもよいもの、ま
たは(ii)1またはそれ以上のアミノ酸残基が置換基
を含むもの、(iii)ポリペプチドが別の化合物、例
えばポリペプチドの半減期を延ばすような化合物(例え
ば、ポリエチレングリコール)に融合しているもの、ま
たは(iv)リーダーもしくは分泌配列またはポリペプ
チドの精製に用いられる配列またはプロタンパク質配列
などの付加アミノ酸がポリペプチドに融合したものであ
ってもよい。かかるフラグメント、誘導体およびアナロ
グは本明細書の教示から当業者の観点の範囲内であると
考えられる。
【0023】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは、単離形にて提供され、好ましく
は、均質にまで精製されている。「単離」なる語は、材
料がそのオリジナルな環境(例えば、天然に生じる場
合、天然環境)から除去されることを意味する。例え
ば、生存している動物にある天然のポリヌクレオチドま
たはポリペプチドは単離されていないが、その天然系で
共存するいくつかのまたはすべての物質から分離された
同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは単離されて
いる。かかるポリヌクレオチドはベクターの一部とする
ことができ、および/またはそのようなポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドは組成物の一部とすることがで
き、かかるベクターまたは組成物がその天然環境の一部
でないように単離することもできる。
【0024】本発明はまた、本発明のポリヌクレオチド
を含むベクター、本発明のベクターで遺伝子操作される
宿主細胞および組換え技法による本発明のポリペプチド
の製造に関する。したがって、本発明のさらなる態様に
よれば、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドを宿主にて発現させ、発現産物を回収することに
よる、組換え技法で該ポリペプチドを産生する方法が提
供される。別法として、本発明のポリペプチドは、通常
のペプチド合成器を用いて合成することもできる。宿主
細胞を、例えば、クローニングベクターまたは発現ベク
ターである、本発明のベクターで遺伝子操作(形質導
入、形質転換またはトランスフェクション)する。該ベ
クターは、例えば、プラスミド、コスミドまたはファー
ジなどの形態であってもよい。遺伝子操作された宿主細
胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選別
するか、または遺伝子を増幅するのに適宜修飾された通
常の栄養培地にて培養することができる。温度、pHな
どの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で前
に使用された条件であり、当業者には明らかであろう。
【0025】適当な発現ベクターは、染色体、非染色体
および合成DNA配列、例えば細菌性プラスミド;ファ
ージDNA;バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラ
スミドとファージDNAの組み合わせより誘導されるベ
クターを包含する。しかしながら、宿主にて複製可能で
あり、生存している限り、他のいずれのベクターも利用
できる。適当なDNA配列は、種々の操作によりベクタ
ーに挿入できる。一般に、DNA配列は、当該分野にて
知られている操作により、適当な制限エンドヌクレアー
ゼ部位(複数でも可)に挿入される。発現ベクターのD
NA配列は、mRNAの合成を指令するように、適当な
配列制御配列(複数でも可)(プロモーター)に機能的
に連結される。かかるプロモーターの代表例として、以
下の:LTRまたはSV40プロモーター、エシェリキ
ア・コリlacまたはtrp、ファージラムダPLプロ
モーターおよび真核または原核生物細胞あるいはそのウ
イルスの遺伝子の発現を制御することが知られている他
のプロモーターが挙げられる。発現ベクターはまた、翻
訳開始のためのリボソーム結合部位および転写終結区を
含有する。該ベクターはまた、発現を増幅するための適
当な配列を含んでいてもよい。
【0026】加えて、発現ベクターは、1またはそれ以
上の選択可能なマーカー遺伝子を含有し、形質転換され
た宿主細胞を選択するための表現型特性、例えば真核細
胞培養ではジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイシ
ン耐性、またはエシェリキア・コリにおけるテトラサイ
クリンまたはアムピシリン耐性などを付与することが好
ましい。遺伝子を、プロモーター、リポソーム結合部位
(細菌発現の場合)、所望によりオペレーター(集合的
に、以下、「制御」因子と称する)の制御下に置き、所
望のタンパク質をコードするDNA配列を、この発現構
築物を含有するベクターにより形質転換される宿主細胞
中のRNAに転写させる。そのコーディング配列はシグ
ナルペプチドまたはリーダー配列を含んでいてもいなく
てもよい。本発明のポリペプチドは、例えば、エシェリ
キア・コリtacプロモーターまたはタンパク質A遺伝
子(spa)プロモーターとシグナル配列を用いて発現
させることができる。リーダー配列は、細菌性宿主によ
り翻訳後プロセッシングにて取り出すことができる。例
えば、米国特許第4431739号;第4425437
号;第4338397号を参照のこと。プロモーター領
域は、CAT(クロラムフェニコール・トランスフェラ
ーゼ)ベクターまたは他のベクターを、選択可能なマー
カーと一緒に用いて、いずれか所望の遺伝子より選択す
ることができる。2種の適当なベクターは、PKK23
2−8およびPCM7である。特に細菌性プロモーター
として、lacI、lacZ、T3、T7、gst、ラ
ムダPR、PLおよびtrpが挙げられる。真核生物性
プロモーターは、CMV即時型プロモーター、HSVチ
ミジンキナーゼプロモーター、初期および後期SV40
プロモーター、レトロウイルス由来のLTRプロモータ
ーおよびマウスメタロチオネイン−Iプロモーターを包
含する。適当なベクターおよびプロモーターの選択は、
当業者の範囲内にある。
【0027】制御配列に加えて、宿主細胞の増殖に関連
してタンパク質配列の発現を制御する調節配列を付加す
ることが望ましい。調節配列は当業者に公知であり、例
えば、調節化合物の存在を含め、化学的または物理的刺
激に対する応答にてオンまたはオフとなるように遺伝子
の発現を生じさせるものを包含する。他の調節因子はま
た、ベクター中、例えばエンハンサー配列にあってもよ
い。
【0028】発現ベクターは特定のコーディング配列が
適当な調節配列を有するベクター中にあるように構築さ
れ、制御配列に関するコーディング配列をそのコーディ
ング配列が制御配列の「制御」の下に転写されるように
位置および配向させる(すなわち、DNA分子に制御配
列で結合するRNAポリメラーゼがコーディング配列を
転写する)。この目的を達成するにはコーディング配列
を修飾することが望ましい。例えば、ある場合には、コ
ーディング配列が適当な配向で制御配列に結合するよう
に、すなわち、リーディング・フレームを維持するため
に、その配列を修飾することが必要である。前記したコ
ーディングベクターなどのベクターに挿入する前に、制
御配列および他の調節配列をコーディング配列にライゲ
ートさせることができる。また、コーディング配列を、
既に制御配列および適当な制限部位を含有する発現ベク
ター中に直接クローンさせることもできる。
【0029】一般に、組換え発現ベクターは、複製起点
および宿主細胞の形質転換を可能とする選択可能なマー
カー、例えば、エシェリキア・コリのアンピシリン耐性
遺伝子およびエス・セレビシエ(S.cerevisiae)TR
P1遺伝子、および下流の構造配列の転写を指令する高
度に発現した遺伝子に由来のプロモーターを有してな
る。異種構造配列を、適当な段階で翻訳開始配列および
終止配列、好ましくは翻訳タンパク質の周辺腔または細
胞外培地への分泌を指令する能力を有するリーダー配列
を用いてアセンブリーする。所望により、異種配列は、
所望の特性、例えば発現した組換え産物の安定性および
簡単な精製を付与するN−末端同定ペプチドを含む融合
タンパク質をコードしうる。前記した適当なDNA配列
ならびに適当なプロモーターまたは制御配列を含有する
ベクターを用いて適当な宿主を形質転換し、その宿主が
タンパク質を発現するようにしてもよい。
【0030】さらに詳しくは、本発明はまた、1または
それ以上の前記した配列を有してなる組換え構築物を包
含する。該構築物は、その中に本発明の配列が正または
逆配向にて挿入されている、プラスミドまたはウイルス
ベクターなどのベクターからなる。この具体例の好まし
い態様において、該構築物はさらに、例えば、その配列
に機能的に連結するプロモーターを含む、調節配列から
なる。多数の適当なベクターおよびプロモーターが当業
者に知られており、商業上入手可能である。以下のベク
ターを例示として提供する。細菌性:pET-3(Stratage
ne)、pQ70、pQ60、pQE-9(Qiagen)、pbs、pD10、pha
gescript、psiX174、pbluescriptSK、pbsks、pNH8A、pN
H16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene);ptrc99a、pKK2
23-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)。真核
性:pBlueBacIII(Invitrogen)、pWLNEO、pSV2CAT、p
OG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMS
G、pSVL(Pharmacia)。しかしながら、宿主にて複製
可能であり、生存できる限り、他のいずれのプラスミド
またはベクターを用いてもよい。
【0031】発現用組換えDNAベクターおよびそれら
ベクターが形質転換しうる宿主細胞として、例えば、バ
クテリオファージ1(E.coli)、pBR322(E.coli)、pA
CYC177(E.coli)、pKT230(グラム陰性菌)、pGV1106
(グラム陰性菌)、pLAFR1(グラム陰性菌)、pME290
(E.coli以外のグラム陰性菌)、pHV14(E.coliおよびB
acillus subtilis)、pBD9(bacillus)、pIJ61(Strep
tomyces)、pUC6(Streptomyces)、YIp5(Saccharomyc
es)、バキュロウイルス性昆虫細胞系、YCp19(Sacchar
omyces)が挙げられる。一般に、「DNA Clonin
g」:I&II巻、Gloverら編、IRL Press Oxfor
d(1985)(1987)およびT.Maniatisら、「Molecula
r Cloning」、Cold Spring Harbor Laboratory
(1982)を参照のこと。
【0032】ある場合には、ポリペプチドを宿主生物か
ら分泌させ、その後に分泌シグナルの切断を誘起する配
列を付加することが望ましい。適当なプロモーターの制
御下、ポリペプチドを、宿主細胞にて発現させることが
できる。さらに、無細胞翻訳系を利用し、本発明のDN
A構築物に由来のRNAを用いてかかるタンパク質を産
生することができる。原核および真核宿主で用いるため
の適当なクローニングおよび発現ベクターは、Sambrook
ら、MolecularCloning:A Laboratory Manual,第2
版;Cold Spring Harbor, New York(1989)に記載され
ており、その内容を出典明示により本明細書の一部とす
る。
【0033】適当な宿主株を形質転換し、その宿主細胞
株を適当な細胞密度にまで増殖させた後、選択されたプ
ロモーターを適当な手段(例えば、温度シフトまたは化
学誘導)により導入し、細胞をさらに一定期間培養す
る。細胞を、典型的には、遠心分離により収穫し、物理
的または化学的手段により分裂させ、得られた粗抽出物
をさらに精製するために取っておく。タンパク質の発現
に用いた微生物細胞を、凍結−解凍サイクル、ソニケー
ション、機械的分裂または細胞溶解剤を含め、常法によ
り分裂させることができる。そのような方法は当業者に
周知である。
【0034】選択された発現系および宿主に応じて、問
題となるポリペプチドを発現する条件下、前記した発現
ベクターで形質転換された宿主細胞を増殖させることに
より本発明のポリペプチドを産生することができる。つ
いで、該ポリペプチドを宿主細胞から単離し、精製す
る。発現系がポリペプチドを増殖培地に分泌するなら
ば、ポリペプチドを該培地から直接精製することができ
る。ポリペプチドが分泌されないならば、ポリペプチド
は細胞溶解液から単離されるか、または細胞膜フラクシ
ョンから回収される。ポリペプチドが細胞表面に集中し
ている場合、全細胞または単離膜を所望の遺伝子産物の
分析可能な供給源として用いることができる。エシェリ
キア・コリなどの細菌性宿主にて発現されたポリペプチ
ドは含有物からの単離および再生を必要とするかもしれ
ない。成熟タンパク質が過剰発現で不溶性産物となる高
疎水領域(通常、C−末端に)を有する場合、疎水領域
の削除した平滑末端タンパク質を発現させることが望ま
しい。適当な増殖条件および回収方法の選択は当業者の
範囲内である。
【0035】ポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたは
エタノール沈殿、酸抽出、陽イオンまたは陰イオン交換
クロマトグラフィー、リンセルロースクロマトグラフィ
ー、疎水相互作用クロマトグラフィー、アフィニティー
クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマト
グラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む方
法により、組換え細胞培養物から回収し、精製すること
ができる。成熟タンパク質の配列を完成するにおいて、
必要ならば、タンパク質を再生する工程を用いることが
できる。最後の精製工程には高性能液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)を用いることができる。
【0036】組換え産生操作にて利用する宿主に応じ
て、本発明のポリペプチドをグリコシル化してもよく、
または非グリコシル化してもよい。本発明のポリペプチ
ドはまた、初期メチオニンアミノ酸残基を含んでいても
よい。「レプリコン」は、インビボにて自律DNA複製
ユニットとして機能する;すなわち自己の制御下で複製
能を有する遺伝的エレメント(例えば、プラスミド、染
色体、ウイルス)である。「ベクター」は、別のDNA
セグメントが付着し、その付着したセグメントの複製を
引き起こす、プラスミド、ファージまたはコスミドなど
のレプリコンである。
【0037】「二本鎖DNA分子」は、二本鎖らせん
(弛緩状およびスーパーコイル状の両方)のデオキシリ
ボヌクレオチド(アデニン、グアニン、チミンまたはチ
トシン塩基)のポリマー形態をいう。この用語は、分子
の一次および二次構造のみに言及するものであり、特定
の三次形態を限定するものではない。かくして、この用
語は、とりわけ、線状DNA分子(例えば、制限フラグ
メント)、ウイルス、プラスミドおよび染色体に見られ
る二本鎖DNAを包含する。個々の二本鎖DNA分子の
構造を説明するにおいて、DNAの非翻訳鎖(すなわ
ち、mRNAに相同的な配列を有する鎖)に沿って5’
から3’の方向の配列での取り決めにしたがって記載す
る。特定のタンパク質のDNAコーディング配列または
特定のタンパク質をコードするヌクレオチド配列とは、
適当な調節配列の制御下に置かれた場合に、転写されて
ポリペプチドに翻訳されるDNA配列をいう。
【0038】「プロモーター配列」は、細胞にてRNA
ポリメラーゼの結合能を有し、下流(3’方向)にある
コーディング配列の転写を開始する能力のあるDNA調
節領域である。本発明を限定することを目的として、プ
ロモーター配列は、コーディング配列の翻訳開始コドン
(例えば、ATG)付近の3’末端に結合し、バックグ
ラウンド以上の検出可能なレベルで転写を開始するのに
必要な最小の塩基またはエレメントを含むように、上流
(5’方向)に伸びる。プロモーター配列内に、転写開
始部位(ヌクレアーゼS1でマッピングすることで便宜
上定められる)ならびにRNAポリメラーゼの結合に関
与するタンパク質結合領域(コンセンサス配列)が見ら
れる。真核細胞プロモーターは、常にではないが、しば
しば、「TATA」ボックスおよび「CAT」ボックス
を有する。原核細胞プロモーターは、−10および−3
5のコンセンサス配列に加えて、Shine-Dalgarno配列
を有する。
【0039】DNA「制御配列」は、集合的には、プロ
モーター配列、リボソーム結合部位、ポリアデニル化シ
グナル、転写終止配列、上流の調節領域、エンハンサー
などをいい、包括的には、該配列は、宿主細胞における
コーディング配列を発現(すなわち、転写および翻訳)
する。RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合
し、コーディング配列をmRNAに転写し、ついでその
コーディング配列によりコードされるポリペプチドに翻
訳されると、制御配列が細胞におけるコーディング配列
の「発現を指令」する。「宿主細胞」は、形質転換また
はトランスフェクションされるか、または外因性DNA
配列による形質転換またはトランスフェクション能を有
する細胞である。
【0040】外因性DNAが細胞膜の内部に導入される
と、細胞はそのような外因性DNAにより形質転換され
る。外因性DNAは細胞のゲノムを構成する染色体DN
Aに融合(共有結合)してもいなくてもよい。例えば、
原核生物および酵母では、外因性DNAはプラスミドな
どのエピソームエレメント上に維持される。真核細胞に
関しては、安定して形質転換またはトランスフェクショ
ンされた細胞は、外因性DNAが染色体複製を介して子
細胞に受け継がれるように該DNAが染色体に融合する
ようになった細胞である。この安定性は真核細胞が外因
性DNAを含有する一集団の子細胞からなる細胞系また
はクローンを確立できることにより証明される。
【0041】「クローン」は有糸分裂により単一の細胞
または共通の祖先から由来する細胞の集団である。「細
胞系」は多くの世代についてインビトロにて安定した増
殖能を有する一次細胞のクローンである。DNA構築物
の「異種」領域は、実際は他の分子と結合して見られな
い、別のDNA分子の中にあるまたは付着したDNAの
同一とみなせるセグメントである。
【0042】本発明のさらにもう一つの態様によれば、
治療または予防を目的として、例えば、抗菌剤またはワ
クチンとしての本発明のポリペプチドの使用が提供され
る。本発明のもう一つ別の態様によれば、治療または予
防を目的として、特に遺伝的免疫処置における本発明の
ポリヌクレオチドの使用が提供される。本発明のさらに
もう一つ別の態様によれば、抗菌剤として有用な、かか
るポリペプチドに対する阻害剤が提供される。特に、か
かるポリペプチドに対する抗体が提供される。本発明の
もう一つ別の態様は、前記した本発明のポリペプチド、
ポリヌクレオチドまたは阻害剤と、医薬上許容される担
体とからなる医薬組成物である。
【0043】ある態様において、本発明は、病原体と感
染の後遺症に関与する哺乳動物宿主の間での即時的な物
理的相互作用を妨げるための本発明のポリペプチド、ポ
リヌクレオチドまたは阻害剤の使用を提供する。特に、
本発明の分子を用いて: i)細菌、特にグラム陽性菌の、内在装置上の哺乳動物
細胞外マトリックスタンパク質または創傷部の細胞外マ
トリックスタンパク質への付着を妨げ; ii)例えば、哺乳動物性チロシンキナーゼをリン酸化す
ることにより、細胞表面タンパク質介在の哺乳動物細胞
侵入を遮断し(Rosenshineら、Infect.Immun. 60,22
11−7(1992)); iii)組織損傷を媒介する、哺乳動物性細胞外マトリッ
クスタンパク質と細菌細胞表面タンパク質の間の細菌付
着を遮断し; iv)内在装置の移植によるまたは他の外科手術による以
外で始まった感染の病態発生の正常な進行を遮断するこ
とができる。
【0044】本発明はさらにかかる使用についての薬物
の製造に関する。ポリペプチドを宿主をワクチン処理す
るための抗原として用い、例えば、細菌の損傷した組織
への付着を遮断することにより、細菌の侵入を妨げる特
異的な抗体を産生することができる。組織損傷として、
例えば、機会、化学または熱損傷によるか、または内在
装置の移植により生じる皮膚または結合組織における創
傷、または口、腺、尿道または膣などの粘膜における創
傷が挙げられる。
【0045】ポリペプチドまたはポリペプチドを発現す
る細胞を免疫原として用いてそれに対する抗体を産生す
ることができる。これらの抗体は、例えば、ポリクロー
ナルまたはモノクローナル抗体とすることができる。抗
体なる語はまた、キメラ、一本鎖およびヒト化抗体、な
らびにFabフラグメントまたはFab発現ライブラリ
ーの生成物を包含する。当該分野にて知られている種々
の方法を用いてかかる抗体およびフラグメントを製造す
ることができる。
【0046】本発明のポリペプチドに対して生じる抗体
は、該ポリペプチドを動物に直接注射することにより、
または該ポリペプチドを動物、好ましくはヒト以外の動
物に投与することにより得ることができる。こうして得
られた抗体は、ポリペプチドその物に結合するであろ
う。このように、ポリペプチドのフラグメントだけをコ
ードする配列であっても、元の全ポリペプチドと結合す
る抗体を得るのに用いることができる。ついで、かかる
抗体を用いてそのポリペプチドを発現する細胞から該ポ
リペプチドを単離することができる。
【0047】ポリペプチド誘導体は、本発明の一の態様
を形成する、抗原的または免疫学的に等価な誘導体を包
含する。本明細書で用いる「抗原的に等価な誘導体」
は、本発明に係るタンパク質またはポリペプチドに対し
て誘起された場合、病原体と哺乳動物宿主の間での即時
的な物理的相互作用を妨げる特定の抗体により特異的に
認識されるであろうポリペプチドまたはその等価物を包
含する。本明細書で用いる「免疫学的に等価な誘導体」
は、脊椎動物において抗体を誘起するのに適した処方を
用いた場合、抗体が病原体および哺乳動物宿主の間での
即時的な物理的相互作用を妨げるように作用するペプチ
ドまたはその等価物を包含する。
【0048】特に、本発明の元の細胞表面タンパク質ま
たはポリペプチドフラグメントよりもわずかに長いまた
はわずかに短い誘導体を用いてもよい。加えて、1また
はそれ以上のアミノ酸残基が修飾されているポリペプチ
ドを用いてもよい。そのようなペプチドは、例えば、ア
ミノ酸の置換、付加または再配列により、またはその化
学的修飾により調製できる。かかるすべての置換および
修飾は、一般に、ペプチド化学の当業者に周知である。
タンパク質のN−末端フラグメント、すなわち、細胞質
にないフラグメントが、タンパク質の領域に対する抗体
の調製に最も関連している(Binding and activation
of plasminogen at the surface of Staphylococus au
reus,Kuusela,PおよびSaksela,O.,Eur.J.Bi
ochem. 193:759−65(1990)を参照のこと)。
【0049】抗原的または免疫学的に等価な誘導体また
はその融合タンパク質などのポリペプチドを抗原として
用いてマウスまたは他の動物、例えばラットまたはニワ
トリを免疫する。融合タンパク質はポリペプチドに安定
性を付与できる。抗原は、例えば、接合することで、免
疫原性キャリアタンパク質、例えばウシ血清アルブミン
(BSA)またはキーホール・リムペット・ヘモシアニ
ン(keyhole limpet haemocyanin(KLH))に結合さ
せることができる。別法として、タンパク質またはポリ
ペプチド、またはその抗原的もしくは免疫学的に等価な
ポリペプチドの多重コピーを有する多重抗原性ペプチド
は、免疫原性を改良するのに十分な抗原性を有してお
り、キャリアを使用しなくてすむ。
【0050】モノクローナル抗体を調製する場合、連続
的細胞系培養により産生される抗体を提供するいずれの
方法も用いることができる。例えば、ハイブリドーマ法
(KohlerおよびMilstein、Nature,256:495-497(197
5));トリオーマ法およびヒトB-細胞ハイブリドーマ
法(Kozborら、Immunology Today,4:72(1983));
およびヒト・モノクローナル抗体を産生するためのEBV
−ハイブリドーマ法(Coleら、Monoclonal Antibodies
and Cancer Therapy, Alan R. Liss,Inc.、77-96頁(19
85)が挙げられる。一本鎖抗体を製造するための技術
(米国特許第4946778号)を用いて、本発明の免
疫原性ポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生すること
ができる。
【0051】KohlerおよびMilstein(Nature,256:
495-497(1975))の方法を用いて、免疫処理した哺乳
動物由来の抗体含有細胞を脊髄細胞と融合させ、モノク
ローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を形成させ
る。そのハイブリドーマをスクリーンに付し、高い結合
親和性および1またはそれ以上のオリジナルなポリペプ
チドおよび/または融合タンパク質を用いる他のスタフ
ィロコッカス種との好ましい交差反応性を有する細胞系
を選択する。選択された細胞系を培養して所望のMab
を得る。モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
細胞系も本発明の別の態様を形成する。
【0052】別法として、ファージディスプレイ(phag
e display)技法を利用して、抗Fabを保持すること
についてスクリーニングしたヒト由来のリンパ球のPC
R増幅したv−遺伝子のレパートリー由来の、または無
処理のライブラリー由来のポリペプチドに対する結合活
性を有する抗体遺伝子を選択することができた(McCa
fferty,J.ら、Nature 348:552-554(1990);Mark
s,J.ら、Biotechnology 10:779-783(1992))。こ
れらの抗体の親和性はチェインシャフリング(chain sh
uffling)により改善することもできる(Clackson,T.
ら、Nature352:624-628(1991))。抗体はポリペプ
チドおよび/または融合タンパク質に対する高親和性に
ついて再度スクリーニングに付すべきである。前記した
ように、最終抗体のフラグメントを製造してもよい。
【0053】抗体は分子量約150000の無傷の抗体
であるかまたはその誘導体、例えば、Skerra,Aおよ
びPluckthun,A、Science 240 1038−1040(198
8)に記載されているように、Fabフラグメントまた
はFvフラグメントのいずれかである。2つの抗原結合
領域が存在する場合、各領域は異なるエピトープに向け
られ、それを「二特異性」抗体と称する。本発明の抗体
は、常法、例えば、確立されたモノクローナル抗体技法
(Kohler,G.およびMilstein,C.,Nature,256:
495-497(1975))により、または組換え手段、例え
ば、Huse,W.D.ら、Science 246,1275−1281(198
9)に記載されているような、コンビナトリアル・ライ
ブラリーを用いることにより製造することができる。
【0054】好ましくは、抗体を、本発明のポリペプチ
ドの発現について前記したような適当な発現系にて抗体
をコードするDNAポリマーを発現することにより調製
する。発現系についてのベクターの選択は、いくらか
は、原核細胞、例えば、エシェリキア・コリ(好ましく
はB株)またはストレプトマイセス種あるいは真核細
胞、例えば、マウスC127、マウス・ミエローマ、ヒ
トHeLe、チャイニーズ・ハムスター卵巣、糸状また
は単細胞真菌または昆虫細胞である、宿主により決定さ
れる。宿主はまた、トランスジェニック動物またはトラ
ンスジェニック植物であってもよい(例えば、Hiatt,
Aら、Nature 34,76−78(1989))。適当なベクター
は、プラスミド、バクテリオファージ、コスミドおよび
組換えウイルス、誘導形態、例えばバキュロウイルスお
よびワクシニアウイルスを包含する。
【0055】Fabフラグメントはまた、例えば、パパ
インを用いてFc部からFab部を切断する酵素処理に
より、その親モノクローナル抗体から調製することもで
きる。好ましくは、抗体およびその誘導体を修飾し、患
者における免疫原性を減少させる。例えば、患者がヒト
の場合、抗体は最も好ましくは「ヒト化」されており;
例えば、Jones,P.ら、Nature 321,522−525(198
6)またはTempestら、Biotechnology 9,266−273(1
991)に記載されているように、ハイブリドーマ由来の
抗体の相補性決定領域(複数でも可)がヒトモノクロナ
ール抗体に移植されている。修飾を「ヒト化」の修飾に
限定する必要はない;他の霊長類の配列(例えば、New
man,R.ら、Biotechnology,10,1455−1460(1992)
もまた用いることができる。
【0056】ヒト化モノクロナール抗体またはその結合
活性を有するフラグメントは本発明のある態様を形成す
る。本発明は細胞表面タンパク質の哺乳動物細胞への相
互作用を妨げる薬剤または活性フラグメントをスクリー
ニングする方法であって、哺乳動物細胞または膜調製物
を薬剤の存在下で標識したポリペプチドと共にインキュ
ベートし、その薬剤のこの相互作用を遮断する活性を測
定することからなる方法を手境する。
【0057】本発明のポリヌクレオチドの遺伝的免疫に
おける使用は、好ましくは、プラスミドDNAの筋肉へ
の直接注射(Wolffら、Hum.Mol.Genet 1:363(199
2);Manthorpeら、Hum.Gene Ther.4:419(196
3))、特異的タンパク質キャリヤを複合させたDNA
の送達(Wuら、J.Biol Chem. 264:16985(198
9))、リン酸カルシウムを用いるDNA共沈(Benven
isty&Reshef、PNAS,83:9551(1986))、種々
の形態のリポソーム中へのDNA封入(Kanedaら、Sc
ience 243:375(1989))、微粒子爆撃(Tangら、Na
ture 356:152(1992);Eisenbraunら、DNA Cell
Biol. 12:791(1993))およびクローン化レトロウイ
ルスベクターを用いたインビボ感染(Seegerら、PN
AS 81:5849(1984))などの適当な送達方法を用い
る。筋肉トランスフェクション用の適当なプロモーター
は、CMV、RSV、SRa、アクチン、MCK、αグ
ロビン、アデノウイルスおよびジヒドロ葉酸レダクター
ゼを包含する。
【0058】治療および予防において、活性剤は患者に
注射用組成物、例えば、滅菌水性分散液、好ましくは等
張の水性分散液として投与される。また、組成物は、例
えば、軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼剤、
点耳剤、マウスウォッシュ、含浸包帯および縫合糸なら
びにエアゾルの形態の局所用処方とすることができ、適
当な通常の添加剤、例えば、保存料、薬剤浸透を助ける
溶媒、軟膏やクリームにおけるエモリエント等を含むこ
とができる。そのような局所用処方はまた、適合する通
常の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤、ローショ
ン用のエタノールまたはオレイルアルコールも含有する
ことができる。このような担体は、処方に対して約1〜
98重量%、さらに一般には、処方の約80重量%まで
含有できる。
【0059】ヒト患者に投与するには、1日の活性薬剤
の用量は、0.01mg/kg〜10mg/kg、典型
的には約1mg/kgである。いずれにしても、個々の
患者に最も適した実際の用量は医者により決定され、個
々の患者の年齢、体重および応答により変化する。上記
の用量は、平均的な場合の例示である。もちろん、より
高いまたは低い用量範囲が適当な個体もあり、それらも
本発明の範囲内である。内在装置には外科移植、補綴お
よびカテーテル、すなわち、患者の体内に導入され、そ
の位置に長時間止まる装置が包含される。例えば、その
ような装置としては、人工関節、心臓弁、ペースメーカ
ー、血管グラフト、血管カテーテル、脳脊髄液シャン
ト、尿カテーテル、連続歩行腹膜透析(continuous amb
ulatory peritoneal dialysis:CAPD)カテーテル
が挙げられる。
【0060】本発明の組成物は、内在装置の挿入の直前
に関連する細菌に対する全身的効果を達成するために注
射で投与してもよい。治療は、手術の後、装置が体内に
ある間継続できる。加えて、組成物は、スタフィロカッ
コスの創傷感染を防止するために、いずれの手術用の手
術周辺カバーの拡張にも使用できる。多くの整形外科医
は、補綴関節を有する患者は、菌血症を生じ得る歯の治
療前に抗生物質による予防を考慮すべきと考えている。
後の重い感染は、重篤な合併症となり、時に、補綴関節
の損失および著しい罹病率、致死率を伴う。したがっ
て、該活性物質の使用をこの状況の予防的抗生物質の代
替品にまで拡張することが可能である。
【0061】上記した治療に加えて、本発明の組成物
は、一般に、創傷組織にて露出したマトリックス・タン
パク質への細菌付着を予防するための創傷治療剤とし
て、および抗生物質予防に代え、あるいは共に、歯の治
療における予防的用途に使用できる。別法として、本発
明の組成物は挿入直前に内在装置を浸すのに使用でき
る。該活性剤は、創傷または内在装置を浸する場合、1
μg/ml〜10μg/mlの濃度にすることが好まし
い。ワクチン組成物は、都合よくは、注射用形態であ
る。通常のアジュバントを使用して免疫応答を亢進でき
る。
【0062】ワクチン用の適当な単位投与量は抗体0.
5〜5μg/kgであり、この用量を、好ましくは1〜
3週間の間隔で1〜3回投与する。指示した用量範囲
で、本発明の化合物では、その化合物の適当な患者への
投与を妨げる、有害な毒作用は何も観察されない。上記
の抗体をまた診断薬として用い、細胞表面タンパク質を
含有する細菌の存在を検出することもできる。後記する
実施例の理解を容易にするために、汎用されている方法
および/または用語を説明する。
【0063】「プラスミド」は、小文字pを前に、つづ
いて大文字および/または数字と付してデザインされて
いる。本明細書における出発プラスミドは、制約を受け
ずに商業上かつ一般的に利用できるか、または公開され
ている方法により利用可能なプラスミドより構築するこ
とができる。加えて、記載のプラスミドと等価なプラス
ミドも当該分野において知られており、当業者に明らか
である。
【0064】DNAの「消化」とは、DNAのある配列
でのみ作用する制限酵素を用いるDNAの触媒的切断を
いう。本明細書にて用いる種々の制限酵素は市販されて
おり、その反応条件、コファクターおよび他の要件を当
業者に公知のように使用した。分析を目的とする場合、
典型的には、1μgのプラスミドまたはDNAフラグメ
ントを、20μlの緩衝溶液中、約2単位の酵素と一緒
に用いる。プラスミドを構築するためにDNAフラグメ
ントを単離することを目的とする場合、典型的には、5
ないし50μgのDNAを20ないし250単位の酵素
で大量に消化する。ある制限酵素に関する適当な緩衝液
および基質の量は製造業者により指示されている。37
℃で約1時間のインキュベーション時間が一般に使用さ
れるが、供給者の指示に従って変更してもよい。消化
後、反応物をポリアクリルアミドゲル上の電気泳動に直
接付し、所望のフラグメントを単離する。
【0065】切断したフラグメントのサイズ分離は、G
oeddel,D.ら、Nucleic AcidsRes.,8:4057(198
0)に記載されている8%ポリアクリルアミドゲルを用
いて行う。「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成さ
れる、一本鎖ポリデオキシヌクレオチドまたは二本相補
的ポリデオキシヌクレオチド鎖をいう。かかる合成オリ
ゴヌクレオチドは5’リン酸を有しておらず、かくして
キナーゼの存在下でATPを用いてリン酸を付加するこ
となく、別のオリゴヌクレオチドにライゲーションしな
い。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていない
フラグメントにライゲーションする。
【0066】「ライゲーション」とは2つの二本鎖核酸
フラグメントの間でホスホジエステル結合を形成する工
程をいう(Maniatis,T.ら、前掲、146頁)。特記し
ない限り、ライゲーションは、ライゲーションさせる略
等モル量のDNAフラグメント0.5μg当たりT4D
NAリガーゼ(「リガーゼ」)10単位を用いる、公知
の緩衝液および条件を用いて達成される。
【0067】
【実施例】
実施例1 スタフィロコッカス・アウレウスWCUH29からの新
規な細胞表面タンパク質をコードするDNAの単離 配列番号2に示すDNA配列を有するポリヌクレオチド
は、エシェリキア・コリにおけるスタフィロコッカス・
アウレウスWCUH29の染色体DNAのクローンライ
ブラリーより得た。ライブラリーは、常套手段、例えば
以下の方法1および2により製造してもよい。全細胞D
NAをスタフィロコッカス・アウレウス株WCUH29
(NCIMB40771)より、標準法に従って単離
し、二つの方法のいずれかによりサイズ分画する。
【0068】方法1 標準方法に従ってサイズ分画するために、全細胞DNA
をニードルに通して機械的に剪断する。11kbpまで
の大きさのDNAフラグメントをエキソヌクレアーゼお
よびDNAポリメラーゼで処理することによって平滑末
端とし、EcoRIリンカーを付加する。フラグメント
を、EcoRIで切断したベクター、ラムダZapII
にライゲーションし、標準的方法によりライブラリーを
パッケージングし、次いでパッケージングしたライブラ
リーでエシェリキア・コリを感染させる。ライブラリー
を標準方法により増幅させる。
【0069】方法2 全細胞DNAを、標準的操作に従って、4種の制限酵素
(RsaI、PalI、AluI、Bshl235I)
の組み合わせで部分的に加水分解し、サイズ分画に付
す。EcoRIリンカーをDNAにライゲーションし、
次いでそのフラグメントをEcoRIで切断したベクタ
ー、ラムダZapIIにライゲーションし、標準的操作
によりライブラリーをパッケージングし、パッケージン
グしたライブラリーでエシェリキア・コリを感染させ
る。ライブラリーを標準方法により増幅させる。
【0070】
【配列表】
(1)一般的情報: (i)出願人:ホッジソン,ジョン バーナム,マーティン (ii)発明の名称: 新規フィブロネクチン結合蛋白
化合物 (iii)配列の数:2 (iv)連絡先: (A)宛名: スミスクライン・ビーチャム・コーポレ
イション (B)通り名: スウェードランド・ロード709番 (C)都市名: キング・オブ・プルシア (D)州名: ペンシルベニア州 (E)国名: アメリカ合衆国 (F)郵便番号: 19406−0939 (v)コンピューター・リーダブル・フォーム: (A)媒体形態:ディスケット (B)コンピューター:IBM コンパチブル (C)オペレーティングシステム:DOS (D)ソフトウェア:ウィンドウズ・バージョン1.5
用のFastSEQ (vi)現出願データ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先の出願データ (A)出願番号: (B)出願日: (viii)代理人等の情報: (A)氏名:ジミー、エドワード・アール (B)登録番号:38,891 (C)代理人等における処理番号:P50562P (ix)テレコミュニケーションの情報: (A)電話番号:610−270−4478 (B)テレファックス番号:610−270−5090 (C)テレックス:
【0071】(2) 配列番号1の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:236アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ペプチド (iii)ヒポセティカル:なし (iv)アンチセンス:なし (v)フラグメントの型:N−末端 (vi)起源: (xi)配列の記載:配列番号1: Glu Phe Gly Gly Glu Lys Ile Pro Gln Gly His Lys Asp Ile Phe Asp 1 5 10 15 Pro Asn Leu Pro Thr Asp Gln Thr Glu Lys Val Pro Gly Asn Pro Gly 20 25 30 Ile Lys Asn Pro Asp Thr Gly Lys Val Ile Glu Glu Pro Val Asp Asp 35 40 45 Val Ile Lys His Gly Pro Lys Thr Gly Thr Pro Glu Thr Lys Thr Val 50 55 60 Glu Ile Pro Cys Glu Thr Lys Arg Glu Phe Thr Pro Lys Leu Gln Pro 65 70 75 80 Gly Glu Glu Arg Val Thr Gln Glu Gly His Pro Gly Ser Lys Thr Leu 85 90 95 Thr Thr Pro Leu Thr Val Thr Pro Leu Thr Gly Glu Lys Val Gly Glu 100 105 110 Gly His Pro Thr Glu Glu Ile Thr Lys Gln Pro Val Asp Lys Ile Val 115 120 125 Glu Phe Gly Gly Glu Lys Pro Lys Asp Pro Lys Gly Pro Glu Asn Pro 130 135 140 Glu Lys Pro Ser Arg Pro Thr His Pro Ser Gly Pro Val Asn Pro Asn 145 150 155 160 Asn Pro Gly Leu Ser Lys Asp Arg Ala Lys Pro Asn Gly Pro Val His 165 170 175 Ser Met Asp Lys Asn Asp Lys Val Lys Lys Ser Lys Ile Ala Lys Glu 180 185 190 Ser Val Ala Asn Gln Glu Lys Lys Arg Ala Glu Leu Pro Lys Thr Gly 195 200 205 Leu Glu Ser Thr Gln Lys Gly Leu Ile Phe Ser Ser Ile Ile Gly Ile 210 215 220 Ala Gly Leu Met Leu Leu Ala Arg Arg Arg Lys Asn 225 230 235
【0072】(2) 配列番号2の情報: (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:708塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)分子の型:ゲノムDNA (iii)ヒポセティカル:なし (iv)アンチセンス:なし (v)フラグメントの型: (vi)起源: (xi)配列の記載:配列番号2: GAATTCGGTG GCGAGAAAAT ACCGCAAGGT CATAAAGATA TCTTTGATCC AAACTTACCA 60 ACAGATCAAA CGGAAAAAGT ACCAGGTAAC CCAGGAATCA AGAATCCAGA CACAGGAAAA 120 GTGATCGAAG AGCCAGTGGA TGATGTGATT AAACACGGAC CAAAAACGGG TACACCAGAA 180 ACAAAAACAG TAGAGATACC GTGTGAAACA AAACGTGAGT TTACTCCAAA ATTACAACCT 240 GGTGAAGAGC GAGTGACACA AGAAGGACAC CCAGGAAGTA AGACACTCAC AACACCACTC 300 ACAGTGACCC CATTAACAGG TGAAAAAGTT GGCGAGGGTC ACCCAACAGA AGAGATCACA 360 AAACAACCAG TAGATAAGAT TGTAGAGTTC GGTGGAGAGA AACCAAAAGA TCCAAAAGGA 420 CCTGAAAACC CAGAGAAGCC GAGCAGACCA ACTCATCCAA GTGGCCCAGT AAATCCTAAC 480 AATCCAGGAT TATCGAAAGA CAGAGCAAAA CCAAATGGCC CAGTTCATTC AATGGATAAA 540 AATGATAAAG TTAAAAAATC TAAAATTGCT AAAGAATCAG TAGCTAATCA AGAGAAAAAA 600 CGAGCAGAAT TACCAAAAAC AGGTTTAGAA AGCACGCAAA AAGGTTTGAT CTTTAGTAGT 660 ATAATTGGAA TTGCTGGATT AATGTTATTG GCTCGTAGAA GAAAGAAT 708
【図面の簡単な説明】
【図1】 新規なフィブロネクチン結合タンパク質のポ
リペプチド配列を示す[配列番号1]。
【図2】 図1のポリヌクレオチド配列から推定される
新規なフィブロネクチン結合タンパク質のポリヌクレオ
チド配列を示す[配列番号2]。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07K 16/12 C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 C12Q 1/02 C12P 21/02 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 G01N 33/53 D G01N 33/15 33/566 // G01N 33/53 A61K 37/02 ADZ 33/566 C12N 5/00 B (C12N 15/09 ZNA C12R 1:445) (71)出願人 595047190 スミスクライン・ビーチャム・パブリッ ク・リミテッド・カンパニー SmithKline Beecham p.l.c. イギリス国ミドルセックス・ティーダブリ ュ8・9イーピー、ブレンフォード、ニュ ー・ホライズンズ・コート(番地の表示な し) (72)発明者 ジョン・エドワード・ホッジソン アメリカ合衆国19355ペンシルベニア州マ ルバーン、ラップ・ロード260番 (72)発明者 マーティン・カール・ラッセル・バーナム アメリカ合衆国19403ペンシルベニア州ノ ーリスタウン、タングルウッド・レイン 2927番

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)配列番号1のアミノ酸1ないし23
    6からなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    に対して少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレ
    オチド; (b)(a)のポリヌクレオチドに対して相補性のポリ
    ヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
    とも連続した15塩基からなるポリヌクレオチドからな
    る群より選択されるポリヌクレオチドからなる単離ポリ
    ヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 ポリヌクレオチドがRNAである請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 配列番号2に示すヌクレオチド1ないし
    708からなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 新規なフィブロネクチン結合タンパク質
    Aポリペプチドをコードする配列番号2に示すポリヌク
    レオチドからなる請求項2記載のポリヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 配列番号1のアミノ酸1ないし236か
    らなるポリペプチドをコードする請求項2記載のポリヌ
    クレオチド。
  7. 【請求項7】(a)NCIMB受託番号40794に含
    まれるDNAにより発現されるのと同じ成熟ポリペプチ
    ドをコードし、配列番号2のポリヌクレオチド配列を有
    するポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の同一
    性を有するポリヌクレオチド (b)(a)のポリヌクレオチドに対して相補性のポリ
    ヌクレオチド;および (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドの少なく
    とも連続した15塩基からなるポリヌクレオチドからな
    る群より選択されるポリヌクレオチドからなる単離ポリ
    ヌクレオチド。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のDNAを含むベクター。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のベクターを含む宿主細
    胞。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の宿主細胞からそのDN
    Aによってコードされるポリペプチドを発現させること
    を特徴とするポリペプチドの製造法。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドを発現する細胞の製造方
    法であって、該細胞が請求項8記載のベクターに含まれ
    るcDNAによりコードされるポリペプチドを発現する
    ように、細胞を該ベクターで形質転換またはトランスフ
    ェクションすることを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 配列番号1のアミノ酸1ないし236
    に対して少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を有
    してなるポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号1に示すようなアミノ酸配列
    を含有してなるポリペプチド。
  14. 【請求項14】 請求項12記載のポリペプチドに対す
    る抗体。
  15. 【請求項15】 請求項12記載のポリペプチドの活性
    を阻害するアンタゴニスト。
  16. 【請求項16】 新規なフィブロネクチン結合タンパク
    質Aを必要とする個体の治療方法であって、請求項12
    記載のポリペプチドの治療上有効量を該個体に投与する
    ことからなる治療方法。
  17. 【請求項17】 該ポリペプチドをコードするDNAを
    個体に投与し、該ポリペプチドをインビボにて発現させ
    ることにより、治療上有効量のポリペプチドを投与する
    請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 新規なフィブロネクチン結合タンパク
    質Aポリペプチドの阻害を必要とする個体の治療方法で
    あって、請求項15記載のアンタゴニストの治療上有効
    量を該個体に投与することからなる治療方法。
  19. 【請求項19】 請求項12記載のポリペプチドをコー
    ドする核酸配列を決定することからなる、該ポリペプチ
    ドの発現に関与する疾患の診断方法。
  20. 【請求項20】 宿主由来のサンプル中の請求項12記
    載のポリペプチドの存在を分析することからなる診断方
    法。
  21. 【請求項21】 請求項12記載のポリペプチドに結合
    し、その活性を阻害する化合物の同定方法であって、 結合手段との結合を可能とする条件下で、ポリペプチド
    についての結合手段をその細胞表面に発現する細胞を、
    スクリーニングすべき化合物と接触させること(ここ
    に、該結合手段は化合物の該結合手段への結合に応答し
    て検出可能なシグナルを提供する能力を有する第2の成
    分と結合する);および該化合物と該結合手段との相互
    作用より生じるシグナルの有無を検出することにより、
    該化合物がその結合手段に結合して、それを活性化する
    か阻害するかを決定すること;からなる方法。
  22. 【請求項22】 哺乳動物において免疫学的応答を誘導
    する方法であって、哺乳動物を疾患から保護するための
    抗体を産生するのに十分な新規フィブロネクチン結合タ
    ンパク質Aまたはそのフラグメントもしくは変種を該哺
    乳動物に接種することを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 哺乳動物において免疫学的応答を誘導
    する方法であって、遺伝子治療により、インビボにて新
    規なフィブロネクチン結合タンパク質A、またはそのフ
    ラグメントもしくは変種を発現させるために、新規なフ
    ィブロネクチン結合タンパク質Aフラグメントまたはそ
    の変種をコードする遺伝子を送達し、免疫学的応答を誘
    発させて抗体を産生し、該動物を疾患から保護する方
    法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物宿主に導入した場合に、哺乳
    動物において所定の新規なフィブロネクチン結合タンパ
    ク質Aポリヌクレオチドまたはそれよりコードされるタ
    ンパク質に対する免疫学的応答を誘発する免疫学的組成
    物であって、新規なフィブロネクチン結合タンパク質A
    ポリヌクレオチドまたはそれよりコードされるタンパク
    質をコードし、発現するDNAを有してなる免疫学的組
    成物。
JP9321878A 1996-10-17 1997-10-17 新規フィブロネクチン結合蛋白化合物 Withdrawn JPH10290693A (ja)

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