JPH10290610A - ロータリ植付装置のガタ取り構造 - Google Patents

ロータリ植付装置のガタ取り構造

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JPH10290610A
JPH10290610A JP10136897A JP10136897A JPH10290610A JP H10290610 A JPH10290610 A JP H10290610A JP 10136897 A JP10136897 A JP 10136897A JP 10136897 A JP10136897 A JP 10136897A JP H10290610 A JPH10290610 A JP H10290610A
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JP
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planting
rotary
gear
arm
seedling
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JP10136897A
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Masaichi Tanaka
政一 田中
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガタ取り機構の構造見直しにより、従来構造
のロータリ植付装置よりも重量軽減可能とする。 【解決手段】 回転ケース10の両端夫々に取付けた植
付アーム13に、回転ケース10に内装されたギヤ連動
機構Sを介して植付伝動ケース3から動力を伝達するよ
うに構成されたロータリ植付装置において、ギヤ連動機
構Sでのバックラッシに起因して植付爪12先端が、略
楕円形の植付作動軌跡における上昇移動部分から下降移
動部分に移る際に先行移動する、所謂「シャクリ現象」
を規制するガタ取り機構Gを、押出しアーム20と押出
しバネをその構成部材に兼用することによって植付アー
ム13に内装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ植付装置
における植付爪が略楕円形の植付作動軌跡を描いて移動
するときに、回転ケースに内装されたギヤ機構のバック
ラッシにより、上昇移動から下降移動に移る際の先行移
動、所謂「シャクリ」現象を軽減、或いは解消するため
のガタ取り構造に係り、詳しくは、ガタ取り機構を植付
アーム内に装備することによって軽量化を可能とする技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】前述したガタ取り機構は、従来では、特
開平6‐209624号公報に示されたもののように、
植付アームを支持する支持軸に取付けられたカムと、こ
のカムにバネによって押圧作用するカムアームとから構
成されており、回転ケースの両端部分に収納されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構造では、
前記公報の図3や図5に示されるように、ガタ取り機構
を構成するためのカムアームとバネとが回転ケースから
大きく張出すことにより、回転ケース末端が周方向に肥
大したような形状となっていた。つまり、ガタ取り機構
用スペースのために。回転慣性の大きい部分である回転
ケース末端が大型化するものであって重量的に不利であ
り、改善の余地があるように思える。本発明の目的は、
ガタ取り機構の構造見直しにより、従来構造のロータリ
植付装置よりも重量軽減可能とさせる点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕第1発明は、回転ケースの両端夫々に取付けら
れた植付アームに、回転ケースに内装されたギヤ連動機
構を介して植付伝動ケースから動力を伝達するように構
成してあるロータリ植付装置のガタ取り構造において、
ギヤ連動機構でのバックラッシに起因して植付アームに
おける植付爪先端が、略楕円形の植付作動軌跡における
上昇移動部分から下降移動部分に移る際に先行移動する
ことを規制するガタ取り機構を、植付アームに内装して
あることを特徴とする。
【0005】第2発明は、第1発明において、ガタ取り
機構を、苗押出し具を出退移動させるためのカム軸に備
えられた作動カムと、この作動カムに接触可能な植付ア
ーム側の作動部材とから構成してあることを特徴とす
る。
【0006】第3発明は、第2発明において、作動部材
は、これと作動カムとの接触によって受ける強制移動力
を、押出し具突出作動用のバネを圧縮するものに構成さ
れていることを特徴とする。
【0007】第4発明は、第1〜第3発明において、ギ
ヤ連動機構を、互いに偏心する回転軸心を有する駆動ギ
ヤと受動ギヤとを不等速状態で回転させる偏心クランク
式回転伝動部が備わったものに構成してあることを特徴
とする。
【0008】第5発明は、第1〜第3発明において、ギ
ヤ連動機構を、回転ケースの回転に伴って植付爪先端が
略楕円形の植付作動軌跡を描くように、非円形ギヤどう
しを咬合させるものに構成してあることを特徴とする。
【0009】〔作用〕請求項1の構成は、従来では回転
ケースに内装されていたガタ取り機構を植付アームに内
装したものである。植付アームには、植付爪で掻き取っ
た苗を田面において押出すための苗押出し具と、その突
出付勢用のバネと、苗押出し具をバネに逆らって退入移
動させるとともに、それによって圧縮されたバネを急速
に開放して苗押出し具を突出移動させるためにカム軸に
形成された押出し用カムとが内装されており、言わば、
前記公報に示された回転ケース内のガタ取り機構と似た
構造が元々備わっているものである。
【0010】つまり、植付アームのケース形状は、既に
ガタ取り機構を収納するに好適な形状になっているもの
であるから、例えばケース幅を若干増やす程度の改造に
よって比較的に容易にガタ取り機構を内装するとができ
る。これは、ガタ取り機構用スペースの大部分を覆う状
態で回転ケースを突出させる従来手段に比べて、植付ア
ームとしてのケース体積増加割合が小で済むようにな
り、その分軽量化が可能になるのである。
【0011】又、従来の手段でも本請求項の手段でも、
ガタ取り機構はカム軸上に構成されるので、回転ケース
の回転による慣性の点については増減変化が殆ど無いも
のである。
【0012】請求項2の構成によれば、ガタ取り機構
を、植付アームのカム軸に設けた作動カムと、植付アー
ム側の作動部材とで構成してある。作動カムの装備され
るカム軸には、元々、苗押出し作動用の押出し用カムが
設けられているから、側面視形状としては植付アームの
ケース形状には殆ど変更が無く、左右幅を少し拡げる程
度で済む。つまり、カム軸を共用しての部材兼用化によ
り、植付アームの左右幅を部分的に増やすことによっ
て、ガタ取り機能を維持しながら回転ケースの出張りを
無くすことができ、全体として装置の軽量化を図ること
が可能になる。
【0013】請求項2の構成における作動部材は、植付
アームを、その回転ケースに対する回転方向の下手側に
付勢することにより、重力によるバックラッシ分の先行
移動を規制するものであるから、ガタ取り機構用として
の何らかの弾性部材を植付アーム内に装備する必要があ
る。
【0014】そこで、請求項3の構成によれば、その弾
性部材を苗押出し用のバネを用いて構成することによっ
て部材の兼用化が行えるものである。苗押出し具の突出
作動を行うためのバネの作用時期は、植付爪先端の植付
作動軌跡における最も下降した箇所(下死点)であるに
対し、ガタ取り機構として必要なバネの作用時期は、植
付爪先端の植付作動軌跡における最も上昇した箇所(上
死点)付近、及びそこから少し手前の領域であり、それ
ら両者は構造上重ならないものであることから、上記バ
ネの兼用化が可能となっている。
【0015】請求項4の構成によれば、ギヤ連動機構
を、互いに偏心する回転軸心を有する駆動ギヤと受動ギ
ヤとを不等速状態で回転させる偏心クランク式回転伝動
部が備わったものに構成したものである。植付アーム内
にガタ取り機構を備えたことによる上記作用を、真円ギ
ヤを用いて比較的廉価なギヤ連動機構を備えたものに組
み合わせてある。
【0016】請求項5の構成によれば、ギヤ連動機構
を、回転ケースの回転に伴って植付爪先端が略楕円形の
植付作動軌跡を描くように、非円形ギヤどうしを咬合さ
せるものに構成したものである。植付アーム内にガタ取
り機構を備えたことによる上記作用を、理想的な植付爪
の移動軌跡を描けるギヤ連動機構を備えたものに組み合
わせてある。
【0017】〔効果〕請求項1〜5のいずれに記載され
たガタ取り構造でも、(イ)ケース幅を若干増やす程度
の改造で植付アームにガタ取り機構を内装でき、回転ケ
ースを大きく突出させていた従来手段に比べて、ロータ
リ植付装置としての軽量化を図ることが可能になった。
【0018】請求項2に記載のガタ取り構造では、カム
軸を共用しての部材兼用化により、植付アームの左右幅
を部分的に増やす程度の簡単な改造により上記効果
(イ)を得る利点がある。
【0019】請求項3に記載のガタ取り構造では、苗押
出し用のバネもガタ取り機構に兼用化でき、上記効果
(イ)を強化できる利点がある。
【0020】請求項4に記載のガタ取り構造では、偏心
クランク式回転伝動部を有した廉価なギヤ機構との組み
合わせにより、必要な機能を備えながら、ロータリ植付
装置の軽量化と廉価化とを促進することができた。
【0021】請求項5に記載のガタ取り構造では、非円
形ギヤどうしの咬合によって円滑な植付作動が得れるギ
ヤ連動機構との組み合わせにより、良好な機能状態とし
ながらロータリ植付装置の軽量化を促進することができ
た。
【0022】
【発明の実施の形態】図1に示すように、角パイプ状の
機体横向きのメインフレーム1、このメインフレーム1
の機体横幅方向略中央部に連結しているフィードケース
2、メインフレーム1に機体横幅方向に適宜間隔をあけ
て配置して連結した複数個の植付伝動ケース3により、
フレーム体を構成してある。フレーム体の前部に苗載台
4を機体横幅方向に一定ストロークで往復移送されるよ
うに取付け、複数個の植付伝動ケース3夫々の後部の左
右側に苗植付機構5を駆動自在に設け、フレーム体の底
部に機体横方向に並ぶ複数個の接地フロート6を取付け
て、苗植付装置Aを構成してある。
【0023】この苗植付装置Aは、走行機体(図示せ
ず)の後部にリンク機構(図示せず)を介して昇降操作
されるように、かつ、自走機体からフィードケース2に
動力伝達されるように連結して乗用型田植機を構成する
ものである。そして、機体走行に伴い、接地フロート6
が圃場の泥面に接地して機体重量を支持するとともに泥
面を整地して行き、各苗植付機構5が苗載台4に載置さ
れたマット苗の一部を切り出し、接地フロート6による
整地箇所に植付けて行くのである。
【0024】図1及び図2に示すように、複数個の苗植
付機構5夫々は、植付伝動ケース3の後部の横側にロー
タリケース(回転ケース)10を機体横方向の第1軸心
X1回りで回転方向Fに回転駆動するように取付け、こ
のロータリケース10の第1軸心X1から外れており、
ロータリケース10の回転方向に互いに180度の位相
差を有している二箇所に、苗植付爪12及び苗押出し具
15を備えた爪支持体としての植付アーム13を第1軸
心X1に平行な第2軸心X2回りで回転するように取付
ける。そして、ロータリケース10が回転駆動されるに
伴って植付アーム13とロータリケース10とを相対回
動させる相対回動手段を各植付アーム13と植付伝動ケ
ース3との間に設け、ロータリケース10が回転駆動さ
れるに伴って苗押出し具15を作動させる苗押出し操作
機構Eを各植付アーム13に備えることによって構成し
てある。
【0025】ロータリケース10は分割線Yを有した半
割りケース部分10A,10Bをボルト連結した2分割
構造であり右半割りケース部分10Aの長手方向での中
央部を、植付伝動ケース3の後部の機体横向きの筒ボス
部3aにベアリング7を介して回転自在に取付け、左半
割りケース部分10Bの長手方向での中央部に位置する
軸承部10aを、植付伝動ケース3がベアリング9を介
して回転自在に支持するとともにボス部3aを貫通する
出力軸8の端部にテーパピン11によって一体回転する
ように連結してある。この出力軸8は、フィードケース
2から伝動チェーン(図示せず)を介して動力伝達され
る。これにより、ロータリケース10は、植付伝動ケー
ス3に対して第1軸心X1回りでF方向に回転駆動され
る。
【0026】植付アーム13は、ロータリケース10先
端部でベアリング24,25支持された支軸14のロー
タリケース10から外部に突出している端部に連結して
ある。植付アーム13に一体形成したフランジ部27
を、このフランジ部27の貫通孔29に支軸14の端部
が入り込むようにして支軸14に組み付け、支軸14に
固着してあるフランジ部26にボルト28によって締付
け連結することにより、植付アーム13と支軸14とが
一体に回転することを可能にしてある。これにより、植
付アーム13は、第1軸心X1と平行な支軸14の第2
軸心X2回りで回転自在にロータリケース10に支持さ
れている。
【0027】一対の相対回動手段の夫々は、図2及び図
3に示すように出力軸8に相対回転自在に外嵌した太陽
ギヤ23、第1軸心X1と第2軸心X2との間において
第3軸心X3を有した第1中間ギヤ(駆動ギヤの一例)
31、第4軸心X4を有した第2中間ギヤ(受動ギヤの
一例)32、支軸14と一体回転する受動ギヤ(遊星ギ
ヤ)30、及び第1中間ギヤ31と第2中間ギヤ32と
に亘る偏心クランク式回転伝動部Dから構成されてい
る。
【0028】太陽ギヤ23のボス部に形成した噛合い爪
部Bと、植付伝動ケース3のボス部3aの端部に形成し
た噛合い爪部とを係合させることにより、植付伝動ケー
ス3は太陽ギヤ23を回動不能に固定している。第1中
間ギヤ31と太陽ギヤ23とが咬合し、かつ、第2中間
ギヤ32と受動ギヤ30とが咬合することで、回転伝動
部Dを介して太陽ギヤ23と植付アーム13とを互いに
同方向に連動回転させるギヤ連動機構Sが構成されてい
る。
【0029】回転伝動部Dは、第1丸軸部51と第2丸
軸部52と連結軸部53とで成るクランク状のギヤ支軸
50と、第1及び第2中間ギヤ31,32とで構成され
ている。すなわちギヤ支軸50は、第1中間ギヤ31を
支承する第1丸軸部51と、第2中間ギヤ32を支承す
る第2丸軸部52と、これら第1丸軸部51と第2丸軸
部52とを連結する連結軸部53とを一体に構成してあ
る。
【0030】図3,図5に示すように、第2中間ギヤ3
2にはクランクピン36が圧入一体化されている。クラ
ンクピン36は、第1中間ギヤ31のカム溝38に嵌ま
るように組み付けられるものであり、第3軸心X3側の
カム溝38が第4軸心X4側のクランクピン36を押す
ことにより、第1中間ギヤ31が第2中間ギヤ32を不
等速連動回転させる偏心クランク式回転伝動部Dが構成
されている。
【0031】つまり、ロータリケース10が回転駆動さ
れ、太陽ギヤ23が固定されることとにより、第1中間
ギヤ31が第3軸心X3周りで自転回転してその回転力
がクランクピン36で伝達され、第2中間ギヤ32が第
4軸心X4回りで回転する。そして、第3軸心X3と第
4軸心X4との偏心により、クランクピン36はカム溝
38内を第1中間ギヤ31の半径方向に往復摺動しなが
ら回転力を伝達する。従って、回転伝動部Dは、第1中
間ギヤ31が等速で回転しても第2中間ギヤ32は不等
速で回転し、第1中間ギヤ31と第2中間ギヤ32とが
連動して回転するように機能する。
【0032】太陽ギヤ23、第1,第2中間ギヤ31,
32、受動ギヤ30、及びロータリケース10の組付け
位置の関係を、ロータリケース10と受動ギヤ30とが
連動して相対回動する組付け関係に設定してある。これ
により、相対回動手段は、ロータリケース10が回転駆
動されるに伴い、一対の植付アーム13,13夫々とロ
ータリケース10とを相対回動するように駆動し、一対
の植付アーム13,13夫々の苗植付爪12に、これの
先端部が図1に示す楕円状の植付作動軌跡T1を描く苗
植運動を行わせる。尚、受動ギヤ30の位相が−方向に
変化する際には、植付アーム13が対地上昇方向に回転
し、受動ギヤ(遊星ギヤ)30の位相が+方向に変化す
る際には、植付アーム13が対地下降方向に回転する。
【0033】図4に示すように、苗押出し具15は、植
付アーム13が植付爪12に沿って摺動するように支持
している支持ロッド15aの一端側に固着することによ
り、植付アーム13に植付爪12に沿って移動するよう
に支持させてある。苗押出し操作機構Eは、図2及び図
4に示すように、植付アーム13の内部に設けたカム軸
16、天秤アーム20、押出しばね22、カム軸16の
植付アーム13から外部に突出している端部に連結して
ある連結具18等によって構成してある。
【0034】カム軸16は、第2軸心X2と同一の軸心
回りで回転自在に植付アーム13に支持されるととも
に、苗押出し具15を操作する押出しカム17を一体に
形成されている。天秤アーム20は、植付アーム13の
支軸20aに回転自在に支持させてある。天秤アーム2
0の一端側は、リンク19によって支持ロッド15aに
連結してあり、天秤アーム20の他端には、押出しカム
17に作用するカムフォロア21が備えられている。押
出しばね22は植付アーム13を反力部材として天秤ア
ーム20を揺動付勢することにより、支持ロッド15a
を植付アーム13から突出する側に摺動付勢していると
ともに、天秤アーム20のカムフォロア21を押出しカ
ム17の周面に押し当て付勢している。
【0035】連結具18は、一方の植付アーム13のカ
ム軸16と、他方の植付アーム13のカム軸16とに亘
って取付けてあり、植付アーム13がロータリケース1
0に対して回転しても、カム軸16がロータリケース1
0に対して回転しないようにカム軸16を支持してい
る。従って、苗植付爪12が苗植運動を行うに伴い、植
付アーム13とカム軸16とが相対回動することにな
り、天秤アーム20が押出しカム17のカムフォロア2
1に対する押圧操作と、押出しばね22による操作との
ために支軸20aの回りで揺動操作されて支持ロッド1
5aを摺動操作する。
【0036】これにより、苗押出し操作機構Eは、苗植
付爪12が苗植運動を行うに伴い、ロータリケース10
の回転力によって駆動され、苗押出し具15を図4に二
点鎖線で示す如く苗植付爪12の先端側に位置する作用
位置に押出しばね22の弾性復元力による操作力によっ
て押出し操作したり、図4に実線で示す如く作用位置よ
りも苗植付爪12の基端側に位置する非作用位置に押出
しカム17による操作力によって引退操作したりする。
【0037】従って、ロータリケース10を回転駆動す
ると、各苗植付アーム13,13がロータリケース10
の回転によって第1軸心X1回りで公転回転するととも
に、相対回動手段の作用によって第2軸心X2回りで自
転回転し、苗植付爪12の先端部が略楕円形の植付作動
軌跡T1を描いて苗載台4の苗取出口と圃場との間を上
下に回動するように苗植付爪12に苗植運動を行わせ、
各苗植付アーム13に備えてある苗押出し操作機構Eが
ロータリケース10の回転力によって駆動され、苗押出
し具15を苗植付爪12の苗植運動に連動させて非作用
位置と作用位置とに移動操作する。
【0038】これにより、一方の苗植付アーム13の苗
植付爪12と、他方の苗植付アーム13の苗植付爪12
とが交互に、苗載台4に載置されているマット状苗から
一株分のブロック苗を切断するとともに取り出し、圃場
に下降搬送して同一の植付け条に植付けて行くのであ
る。そして、各苗植付爪12が苗載台4の苗取出口の上
方から苗植付け位置に下降作動する間は、苗押出し具1
5は非作用位置にあって苗植付爪12の苗取り出しと取
出し苗の保持を可能にし、苗植付爪12が圃場に到達し
て苗植付けを行う際には、苗押出し具15が作用位置に
なり、苗植付爪12が保持していた苗を苗植付爪12か
ら容易に離れるように押出し操作する。
【0039】図2,図6に示すように、ギヤ連動機構S
でのバックラッシに起因して苗植付爪12先端が、植付
作動軌跡T1における上昇移動部分から下降移動部分に
移る際に先行移動することを規制するガタ取り機構G
を、植付アーム13に内装してある。すなわち、ガタ取
り機構Gは、カム軸16に備えられた作動カム33と、
この作動カム33に接触可能なガタ取りアーム(植付ア
ーム側の作動部材の一例)35と、天秤アーム20と、
押出しばね22とから構成されている。
【0040】詳述すると、ガタ取りアーム35は支軸2
0aの回りで揺動自在な略L字形状に形成され、天秤ア
ーム20の長手方向途中部位に植立されたピン37に接
当可能であるとともに、突出した接触作用面35aを備
えている。作動カム33は、ガタ取りアーム35の接触
作用面35aに接触可能な突出部33aを周方向で1箇
所のみ備えた単発カムに構成されており、作動カム33
から受ける強制揺動力によってピン37を押し、それに
よって天秤アーム20を介して押出しばね22を圧縮す
るように機能する。
【0041】つまり、苗植付爪12先端が、植付作動軌
跡T1における上昇移動部分から下降移動部分に移る際
には、作動カム33によって植付アーム13をそのロー
タリケース10に対する回転方向下手側に押圧付勢する
ことになり、重力によってバックラッシの分先行移動す
る、所謂「シャクリ」現象を防止して、常にギヤ連動機
構Sの駆動力によって植付アーム13が追従移動するよ
うになるのである。
【0042】上記構成では、天秤アーム20と押出しバ
ネ22とを兼用しており、新設部品としては、作動カム
33とガタ取りアーム35だけで良く、植付アーム13
のカム軸16周辺部分のみを軸方向に膨出させる程度の
改造で済み、従来のように、ロータリケース10の両末
端を大きく突出させる手段に比べて軽量化を可能として
ある。
【0043】〔別実施形態」前述した公報(特開平6‐
209624号)に示されたもののように、非円形ギヤ
(該公報の図3において符合12,18で示されたギ
ヤ)どうしを咬合させて成るギヤ連動機構を採用したロ
ータリ植付装置に、本発明のガタ取り機構Gを適用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗植付装置全体の側面図
【図2】苗植付機構の断面図
【図3】ロータリケースの断面図
【図4】植付アームの断面図
【図5】第1及び第2中間ギヤを示す斜視図
【図6】ガタ取り機構の構造、及び作用を示す側面図
【符号の説明】
3 植付伝動ケース 10 回転ケース 12 植付爪 13 植付アーム 15 苗押出し具 16 カム軸 22 バネ 31 駆動ギヤ 32 受動ギヤ 33 作動カム 35 作動部材 D 回転伝動部 G ガタ取り機構 S ギヤ連動機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ケースの両端夫々に取付けられた植
    付アームに、前記回転ケースに内装されたギヤ連動機構
    を介して植付伝動ケースから動力を伝達するように構成
    してあるロータリ植付装置のガタ取り構造であって、 前記ギヤ連動機構でのバックラッシに起因して前記植付
    アームにおける植付爪先端が、略楕円形の植付作動軌跡
    における上昇移動部分から下降移動部分に移る際に先行
    移動することを規制するガタ取り機構を、前記植付アー
    ムに内装してあるロータリ植付装置のガタ取り構造。
  2. 【請求項2】 前記ガタ取り機構を、前記苗押出し具を
    出退移動させるためのカム軸に備えられた作動カムと、
    この作動カムに接触可能な前記植付アーム側の作動部材
    とから構成してある請求項1に記載のロータリ植付装置
    のガタ取り構造。
  3. 【請求項3】 前記作動部材は、これと前記作動カムと
    の接触によって受ける強制移動力を、前記押出し具突出
    作動用のバネを圧縮するものに構成されている請求項2
    に記載のロータリ植付装置のガタ取り構造。
  4. 【請求項4】 前記ギヤ連動機構を、互いに偏心する回
    転軸心を有する駆動ギヤと受動ギヤとを不等速状態で回
    転させる偏心クランク式回転伝動部が備わったものに構
    成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータ
    リ植付装置のガタ取り構造。
  5. 【請求項5】 前記ギヤ連動機構を、前記回転ケースの
    回転に伴って前記植付爪先端が略楕円形の植付作動軌跡
    を描くように、非円形ギヤどうしを咬合させるものに構
    成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータ
    リ植付装置のガタ取り構造。
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