JPH10290209A - 同期制御装置 - Google Patents

同期制御装置

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JPH10290209A
JPH10290209A JP9095597A JP9559797A JPH10290209A JP H10290209 A JPH10290209 A JP H10290209A JP 9095597 A JP9095597 A JP 9095597A JP 9559797 A JP9559797 A JP 9559797A JP H10290209 A JPH10290209 A JP H10290209A
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JP
Japan
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phase
correlation power
update amount
spread code
value
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Pending
Application number
JP9095597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Sato
慎一 佐藤
Hideki Ishizuki
秀貴 石月
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトル拡散に基づく通信システムの受信
機において、拡散符号のチップ同期を維持し得る簡単な
構成の同期制御装置を提供する。 【解決手段】 スペクトル逆拡散に用いる基準位相に対
して所定の値だけ位相が進んでいる進み位相拡散符号系
列を発生すると共に所定の値だけ位相が遅れている遅れ
位相拡散符号系列を発生する拡散符号発生手段を有す
る。この進み位相拡散符号と受信ベースバンド信号との
既知データ区間における演算から進み位相相関パワーを
出力する進み位相相関パワー演算手段と、同様にして遅
れ位相相関パワーを出力する遅れ位相相関パワー演算手
段とを有する。これら進み位相相関パワーと遅れ位相相
関パワーとを比較し、その比較結果に応じて進相又は遅
相を指示する位相更新量を出力する位相更新量演算手段
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は同期制御装置に関
し、特に、スペクトル拡散に基づく通信システムの受信
機において、単純な回路構成で同期制御を維持し得る同
期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動通信の分野においては、通信
資源の有効利用等の観点から、CDMA等のスペクトル
拡散に基づく移動通信システムが注目されている。この
スペクトル拡散に基づく移動通信システムの受信機にお
いて、拡散符号のチップ同期を維持するための同期制御
回路技術としては、例えば次の文献1及び文献2に記載
されている方法が知られている。
【0003】文献1:佐藤慎一、西野雅弘”ディジタル
位相制御DLLの特性解析”、電子情報通信学会技術研
究報告、SST95−90、pp.1-6、1995年12月 文献2:佐和橋衛”DS−CDMA逆変調型coherentD
LL”、1995年電子情報通信学会総合大会講演論文集、
B-407、1995年3月 上記文献で詳細に説明されているように、文献1では送
信機がデータ変調を行わない拡散符号系列をパイロット
チャネル信号(文献1ではパイロット信号と呼んでい
る)として連続的に送信するシステムにおいて、受信機
はパイロットチャネル信号の相関値を利用し遅延ロック
ループ(DLL;Delay Lock Loop )の原理に基づき拡
散符号の発生位相の制御を行っている。なお、従来のD
LLは、フィードバック制御信号で電圧制御発振回路
(VCO)を駆動し、拡散符号発生回路の発生周波数を
調整することによって、受信信号に含まれている拡散符
号の同期追従を行うものであるが、この文献1のDLL
は、VCOを必要とすることなく、フィードバック制御
信号により拡散符号発生回路の発生位相を離散的に制御
するようにしている。
【0004】また、上記文献2では、送信機側で、送信
する情報データの間に予め定めた一定時間間隔毎に予め
定めた既知データを挿入して送信するスペクトル拡散に
基づく移動通信システムの受信機において、受信された
全てのデータ(情報データ及び既知データ)の相関値を
用い、DLLの原理に基づき拡散符号の発生位相の制御
を行っている。この文献2による制御では、文献1の場
合とは異なり、情報データ区間の相関値は未知のデータ
成分を含んでいるため、受信データを判定し、その判定
結果を帰還することによりデータ成分の除去(逆変調)
を行っている。これにより、データ成分を含まない相関
値、すなわち文献1の場合のパイロットチャネル信号相
関値に相当するものを等価的に生成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記文
献1に記載の構成の方法では、基地局がパイロットチャ
ネル信号を常時送信しないシステム、例えば、送信する
情報データの間に間欠的に既知データを挿入して送信す
るシステムには適用が困難となる。
【0006】また、上記文献2に記載の構成の方法で
は、受信データの判定及びその判定結果の帰還を必要と
するため回路が複雑となる。また、高雑音環境下では受
信データの誤判定が発生するため、これが誤動作の要因
となる。
【0007】さらに、上記文献1及び文献2に記載の構
成の方法の両方とも、拡散符号の発生位相の制御は行う
ものの、拡散符号の発生周波数、すなわち、局部発振器
の発振周波数の制御は行わない。そのため、局部発振器
の発振周波数の制御を行う周波数制御回路を別途設けな
ければならない。
【0008】上記文献1及び文献2の構成の方法の両方
に対して、制御対象を拡散符号の発生位相から発生周波
数、すなわち、局部発振器の発振周波数に変更すること
も可能ではある。これは位相を進ませることは周波数を
高くすること、また、位相を遅らせることは周波数を低
くすることに対応するためである。
【0009】しかしながら、局部発振器はディジタル回
路全てに影響するのでその周波数制御は安定性が要求さ
れるため、制御対象を発生位相から発生周波数への変更
を考えた場合、雑音等に対する頑強性を強めるために制
御速度を遅くする必要が生じる。すなわち、同期追従能
力の劣化は避けられないものとなる。
【0010】そのため、スペクトル拡散に基づく通信シ
ステムの受信機において、拡散符号のチップ同期を維持
することができる簡単な構成の同期制御装置が求められ
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明は、スペクトル拡散に基づく通信システムの
送信機側で送信する情報データに所定の間隔毎に既知デ
ータを挿入して送信するときの受信機側の同期制御装置
において、以下の各手段を備えることを特徴としてい
る。
【0012】すなわち、(1)入力される位相更新量が
進相を指示する値の場合に基準位相をその値に応じた位
相だけ進ませ、また、入力される位相更新量が遅相を指
示する値の場合には基準位相をその値に応じた位相だけ
遅らせると共に、当該基準位相に対して所定の値だけ位
相が進んでいる進み位相拡散符号系列を発生し、また、
基準位相に対して所定の値だけ位相が遅れている遅れ位
相拡散符号系列を発生する拡散符号発生手段と、(2)
この拡散符号発生手段から出力される進み位相拡散符号
と受信ベースバンド信号との既知データ区間における相
関パワーを演算し、進み位相相関パワーとして出力する
進み位相相関パワー演算手段と、(3)拡散符号発生手
段から出力される遅れ位相拡散符号と受信ベースバンド
信号との既知データ区間における相関パワーを演算し、
遅れ位相相関パワーとして出力する遅れ位相相関パワー
演算手段と、(4)進み位相相関パワー演算手段からの
進み位相相関パワーと遅れ位相相関パワー演算手段から
の遅れ位相相関パワーとを比較し、進み位相相関パワー
が遅れ位相相関パワーよりも所定値以上大きい場合は、
第1の値を位相更新量として出力し、一方、遅れ位相相
関パワーが進み位相相関パワーよりも所定値以上大きい
場合は、第2の値を位相更新量として出力する位相更新
量演算手段とを有することを特徴とする。
【0013】本発明の同期制御装置において、パイロッ
トチャネル信号を利用せず、情報データの間に挿入され
た既知データを利用しているため、送信する情報データ
の間に間欠的に既知データを送信するシステムへの適用
が可能となる。また、データ判定帰還を要しないため、
回路構成は単純となる。
【0014】ここで、拡散符号発生手段が、進み位相拡
散符号系列及び遅れ位相拡散符号系列を、局部発振器の
発振周波数に基づき発生するものであると共に、位相更
新量演算手段からの位相更新量に基づき、局部発振器の
発振周波数の周波数更新量を演算して出力する周波数更
新量演算手段をさらに備えることが好ましい。
【0015】このように構成した場合には、拡散符号の
発生位相の制御と同時に、小規模な回路の追加のみで局
部発振器の発振周波数の制御を実現しているため、別
途、周波数制御回路を設けるよりも低コスト出局部発振
器の発振周波数の制御が可能となる。さらに、周波数制
御の安定化のために周波数制御速度を低下させても、同
時に行っている位相制御により同期追従性能は劣化しな
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による同期制御装置
の第1及び第2の実施形態を図面を参照しながら詳述す
る。
【0017】なお、各実施形態では、スペクトル拡散に
基づく移動通信システムを前提としており、さらにこの
移動通信システムの送信側において、Nsシンボル間隔
(ここで、Nsは予め定めた整数)毎に、情報データの
間に既知データをNpシンボル挿入した送信データを、
所定の拡散符号系列(例えばPN系列)で直接拡散し、
2相PSK変調して送信するものとする。
【0018】このような送信側での送信データのフォー
マットの一例を図2に示す。送信データは長さNsシン
ボルのフレーム構成をとり、1フレームはNpシンボル
の既知データとその後に連続する(Ns−Np)シンボル
の情報データからなる。送信側における拡散信号の符号
速度は、シンボル速度の整数倍である。また、拡散符号
周期は、1フレーム長あるいは、1フレーム長の整数倍
である。これは、受信側で、受信された拡散符号の位相
に基づき、既知データの位置を検出するためである。
【0019】次に、本発明が適用される同期制御装置に
おける同期制御の基本原理を図1を参照して説明する。
図1は、拡散符号発生器の基準位相が同期位相よりも進
んでいる場合の例である。
【0020】スペクトル逆拡散に用いる拡散符号の位相
である基準位相よりδだけ位相が進んだ進み位相での相
関パワーは、基準位相よりδだけ位相が遅れた遅れ位相
での相関パワーよりも小さくなる。逆に、図示はしてい
ないが、基準位相が、受信信号における位相である同期
位相よりも遅れている場合は、進み位相での相関パワー
は、遅れ位相での相関パワーよりも大きくなる。
【0021】このことより、進み位相での相関パワーと
遅れ位相での相関パワーの比較により、基準位相が同期
位相よりも進んでいるのか遅れているのかを検出するこ
とができる。
【0022】また、上記の原理に基づき基準位相の補正
を行い続けているのにも拘らず、基準位相が同期位相よ
りも進んでいると検出され続けた場合は、局部発振器の
局部発振周波数が送信側よりも高いことを意味し、ま
た、基準位相が同期位相よりも遅れていると検出され続
けた場合は、局部発振器の局部発振周波数が送信側より
も低いことを意味する。従って、同期位相に対する基準
位相の進み、遅れの継続状態を監視することにより、局
部発振器の局部発振周波数の制御が行うことができる。
【0023】(A)第1の実施形態 以下、本発明による同期制御装置の第1の実施形態を図
面を参照しながら詳述する。
【0024】(A−1)第1の実施形態の構成 図3は、この第1の実施形態の同期制御装置の構成を示
すブロック図であり、この図3を参照して第1の実施形
態の概略の構成を説明する。
【0025】受信信号入力端子1を介して受信信号が、
進み位相相関パワー演算部3と遅れ位相相関パワー演算
部4とに入力される。これら進み位相相関パワー演算部
3と遅れ位相相関パワー演算部4には、拡散符号発生部
2と位相更新量演算部5が接続されている。
【0026】これにより、これら進み位相相関パワー演
算部3と遅れ位相相関パワー演算部4には、拡散符号発
生部2で生成された進み位相拡散符号及びそれに対応す
る既知データ区間フラグと、遅れ位相拡散符号及びそれ
に対応する既知データ区間フラグがそれぞれ入力され
る。そして、これら進み位相相関パワー演算部3と遅れ
位相相関パワー演算部4からそれぞれ出力される進み位
相相関パワーと遅れ位相相関パワーは、位相更新量演算
部5に入力される。
【0027】この位相更新量演算部5には、拡散符号発
生部2と周波数更新量演算部6が接続される。これによ
り位相更新量演算部5で演算して得られた「+1」、
「−1」又は「0」のいずれかの位相更新量が拡散符号
発生部2と周波数更新量演算部6に出力される。
【0028】周波数更新量演算部6は、アップダウンカ
ウンタ7と定数乗算部8により構成され、接続される局
部発振器9に周波数更新量を出力する。局部発振器9
は、周波数更新量演算部6から周波数更新量を入力して
チップ逓倍クロックを拡散符号発生部2に出力する。
【0029】(A−2)第1の実施形態の動作 以下、この第1の実施形態の同期制御装置の動作を説明
する。
【0030】局部発振器9は、周波数更新量演算部6の
出力の周波数更新量を入力とし、拡散符号系列のチップ
速度のN倍(Nは偶数)の周波数であるチップ逓倍クロ
ックを生成し、拡散符号発生部2に出力する。この局部
発振器9は、例えば、電圧制御発振回路(VCO;Volt
age Contorolled Oscillator)や可変分周回路等を有す
るPLL回路で構成され、生成しているチップ逓倍クロ
ックの周波数は、周波数更新量演算部6から入力された
周波数更新量に応じて分周比を変えることにより調整さ
れる。
【0031】拡散符号発生部2は、局部発振器9の出力
のチップ逓倍クロック及び位相更新量演算部5の出力の
位相更新量を入力とする。拡散符号発生部2は、図示し
ない同期捕捉回路から指示された値を初期値とする基準
位相を内部に持っており、この基準位相に対して、例え
ば、1/2チップ区間だけ位相が進んだ、すなわちチッ
プ逓倍クロックのN/2個分だけ位相が進んだ進み位相
拡散符号系列、及び1/2チップ区間だけ位相が遅れ
た、すなわちチップ逓倍クロックのN/2個分だけ位相
が遅れた遅れ位相拡散符号系列を、チップ速度、すなわ
ちチップ逓倍クロックの1/N倍の速度で発生する。
【0032】また、拡散符号発生部2は、進み位相拡散
符号系列と遅れ位相拡散符号系列のそれぞれに対し、生
成された符号が既知データ区間に対応するときに既知デ
ータ区間フラグを発生する。
【0033】さらに、拡散符号発生部2は、位相更新量
演算部5から+1の位相更新量が入力された場合には、
基準位相を1/Nチップ区間、すなわちチップ逓倍クロ
ックの1クロック分だけ進ませ、逆に、−1の位相更新
量が入力された場合には、チップ逓倍クロックの1クロ
ック分だけ遅らせ、さらに、位相更新量演算部5から0
の位相更新量が入力された場合には、基準位相を維持す
る。
【0034】生成された進み位相拡散符号及びそれに対
応する既知データ区間フラグは、進み位相相関パワー演
算部3に出力され、一方、生成された遅れ位相拡散符号
及びそれに対応する既知データ区間フラグは、遅れ位相
相関パワー演算部4に出力される。
【0035】受信信号入力端子1から入力された、受信
ベースバンド信号の同相成分を実数部、直交成分を虚数
部とする複素受信信号は、進み位相相関パワー演算部3
及び遅れ位相相関パワー演算部4に与えられる。なお、
この実施形態の場合、信号を複素信号で表しているが、
他の表現で表された信号を処理するようにしても良いこ
とは勿論である。
【0036】進み位相相関パワー演算部3は、受信信号
入力端子1からの複素受信信号と、拡散符号発生部2か
らの進み位相拡散符号及び既知データ区間フラグを入力
とし、進み位相相関パワーを演算し、位相更新量演算部
5に出力する。
【0037】進み位相相関パワー演算部3は、まず、既
知データ区間フラグが規定している既知データ区間にお
いて、複素受信信号と進み位相拡散符号との相関演算
(積和演算)を行う。次に、得られた相関値のパワー
を、予め決められている個数(ここではL個とする)だ
け平均し、その結果を進み位相相関パワーとして出力す
る。L個の既知データ区間に対する相関パワーを平均す
ることにより、雑音の影響が抑圧され、検出された進み
位相相関パワーの精度が向上する。
【0038】一方、遅れ位相相関パワー演算部4は、受
信信号入力端子1からの複素受信信号と、拡散符号発生
部2からの遅れ位相拡散符号及び既知データ区間フラグ
を入力とし、遅れ位相相関パワーを演算し、位相更新量
演算部5に出力する。
【0039】遅れ位相相関パワー演算部4の処理は、進
み位相相関パワー演算部3と同様に、まず、既知データ
区間フラグで規定されている既知データ区間で、複素受
信信号と遅れ位相拡散符号の相関演算を行う。次に、得
られたL個の相関値のパワーを平均し、その結果を遅れ
位相相関パワーとして出力する。
【0040】位相更新量演算部5は、進み位相相関パワ
ー演算部3からの進み位相相関パワーと、遅れ位相相関
パワー演算部4からの遅れ位相相関パワーを比較する。
そして、進み位相相関パワーが遅れ位相相関パワーより
も予め定めた値以上に大きい場合には(この場合は、基
準位相が同期位相より遅れている場合である)、位相更
新量を+1とし、また、遅れ位相相関パワーが進み位相
相関パワーよりも予め定めた値以上に大きい場合には
(この場合は、基準位相が同期位相より進んでいる場合
である)、位相更新量を−1とし、これら以外の場合に
は(この場合は、基準位相が同期位相より進んでいると
も遅れているとも明確に言えない場合である)位相更新
量を0として、拡散符号発生部2及び周波数更新量演算
部6に出力する。
【0041】すなわち、この第1の実施形態の位相更新
量演算部5は、上述した原理に従って、同期位相(受信
信号の位相)に対する基準位相の進み遅れを判定して、
位相更新量を形成している。
【0042】周波数更新量演算部6は、位相更新量演算
部5からの位相更新量を入力とし、周波数更新量を演算
して出力する。この第1の実施形態の場合、周波数更新
量演算部6は、図3に示すように、アップダウンカウン
タ7及び定数乗算部8から構成されている。
【0043】アップダウンカウンタ7は、大きさ2C+
1のカウンタ(最小値0、最大値2C)を内蔵し、カウ
ンタ値の初期値(通信開始時点での値)はCに選定され
ている。アップダウンカウンタ7は、位相更新量演算部
5からの位相更新量をカウンタ値に加算する。
【0044】そして、アップダウンカウンタ7は、カウ
ンタ値が最大値2Cに達したときは「+1」を、最小値
0に達したときは「−1」を定数乗算部8に出力する。
そのとき同時にカウンタ値を初期値Cに戻す。一方、カ
ウンタ値が最小値0と最大値2Cとの間であるときは出
力を行わない。
【0045】すなわち、アップダウンカウンタ7は、位
相更新量演算部5からの位相更新量が+1(基準位相が
同期位相より遅れていることを意味している)又は−1
(基準位相が同期位相より進んでいることを意味してい
る)のどちらかに偏っているかを検出している。さらに
言い換えると、上述した原理に従って、同期位相(受信
信号の位相)に対する基準位相の進み遅れの傾向をとら
えて、対向する送信機側と、当該受信機側の局部発振周
波数のオフセット値が位相の進み方向に現れているの
か、遅れ方向に現れているのかを判定して、その傾向を
示す値+1又は−1を形成している。
【0046】定数乗算部8は、アップダウンカウンタ7
からの入力の+1又は−1に対し、予め決めた定数Δを
乗算し、その結果を周波数更新量として局部発振器9に
出力する。このとき、局部発振器9は、例えば、内蔵す
るVCOに対する位相差に無関係な直流レベルをこの周
波数更新量分だけ変更させることを通じて局部発振周波
数を変更させる。
【0047】(A−3)第1の実施形態の効果 上述した第1の実施形態の同期制御装置によれば、以下
のような効果を得ることができる。
【0048】(1)この第1の実施形態では、パイロッ
トチャネル信号を利用することなく、送信側で情報デー
タの間に間欠的に挿入された既知データを利用するよう
にしているため、送信する情報データの間に間欠的に既
知データを挿入して送信する通信システムへの適用が可
能となる。
【0049】(2)データ判定帰還及びそのための回路
を要しないため、回路構成は単純となる。
【0050】(3)拡散符号の発生位相の制御と同時
に、小規模な回路の追加のみで局部発振器の発振周波数
の制御を実現しているため、別途、周波数制御回路を設
けるよりも低コストで局部発振器の発振周波数の制御が
可能となる。
【0051】(4)周波数制御の安定化のため周波数制
御速度を低下させても、すなわち、アップダウンカウン
タ7の大きさ2C+1を大きくしても、同時に行ってい
る位相制御により同期追従性能は劣化しない。
【0052】(B)第2の実施形態 次に、本発明による同期制御装置の第2の実施形態を図
面を参照しながら詳述する。
【0053】(B−1)第2の実施形態の構成 図4は、この第2の実施形態の同期制御装置の構成を示
すブロック図であり、以下では、この図4を参照して第
2の実施形態の概略の構成を説明する。
【0054】この第2の実施形態の同期制御装置は、複
数個、ここではM個のパス処理部11と、これらの出力
を合算する加算部18と、この加算部18に接続される
周波数更新量演算部19と、この周波数更新量演算部1
9に接続される局部発振器23とによって構成される。
【0055】また、パス処理部11の内の1つのパス1
処理部111(他のパス処理部も同様な構成を有する)
は、拡散符号発生部12、基準位相相関パワー演算部1
3、進み位相相関パワー演算部14、遅れ位相相関パワ
ー演算部15、位相更新量演算部16及び重み付け部1
7によって構成されている。
【0056】そして、受信信号入力端子10を介して入
力される受信信号が、パス1処理部111 の基準位相相
関パワー演算部13、進み位相相関パワー演算部14及
び遅れ位相相関パワー演算部15にそれぞれ入力され
る。これら基準位相相関パワー演算部13、進み位相相
関パワー演算部14及び遅れ位相相関パワー演算部15
には、拡散符号発生部12が接続される。また、基準位
相相関パワー演算部13は重み付け部17と直接接続さ
れ、進み位相相関パワー演算部14と遅れ位相相関パワ
ー演算部15は位相更新量演算部16を介して重み付け
部17と接続される。
【0057】これにより、拡散符号発生部12で生成さ
れた基準位相拡散符号及びそれに対応する既知データ区
間フラグが基準位相相関パワー演算部13に入力され
て、演算された基準位相相関パワーが重み付け部17に
出力される。同様に、拡散符号発生部12で生成された
進み位相拡散符号及びそれに対応する既知データ区間フ
ラグと、遅れ位相拡散符号及びそれに対応する既知デー
タ区間フラグが進み位相相関パワー演算部14と遅れ位
相相関パワー演算部15に、それぞれ入力されて、演算
された進み位相相関パワーと遅れ位相相関パワーが位相
更新量演算部16を介して重み付け部17に出力され
る。重み付け部17は、接続する各パスに共通な加算部
18に対して重み付け位相更新量を出力する。
【0058】位相更新量演算部16は、重み付け部17
と接続されると共に拡散符号発生部12とも接続され、
それぞれに位相更新量を出力する。拡散符号発生部12
は、接続される各パスに共通な局部発振器23からチッ
プ逓倍クロックが入力される。
【0059】なお、他のパス2処理部112 からパスM
処理部11Mもパス1処理部111と同様に構成され、動
作することからこれらの詳細な構成は省略する。
【0060】このように構成されるパス1処理部111
には、他のパス2処理部112 からパスM処理部11M
と同様に、加算部18を介して周波数更新量演算部19
が接続される。これにより各パス処理部11の重み付け
部17からそれぞれ出力された重み付け位相更新量が加
算部18で加算され、この加算結果である重み付け加算
位相更新量が加算部18から周波数更新量演算部19に
出力される。
【0061】周波数更新量演算部19は、例えば、2値
化部20とアップダウンカウンタ21と定数乗算部22
により構成されている。周波数更新量演算部19は、接
続される局部発振器23に周波数更新量を出力する。局
部発振器23は、周波数更新量を入力してチップ逓倍ク
ロックを各パス処理部11の拡散符号発生部12に出力
する。
【0062】(B−2)第2の実施形態の動作 以下、上述した各部から構成されている第2の実施形態
の同期制御装置の動作を説明する。
【0063】局部発振器23は、電圧制御発振回路(V
CO)等で構成され、生成されるチップ逓倍クロックの
周波数は入力された周波数更新量だけ調整される。すな
わち局部発振器23は、周波数更新量演算部19の出力
の周波数更新量を入力とし、拡散符号系列のチップ速度
のN倍(Nは偶数)の周波数であるチップ逓倍クロック
を生成し、各パス1処理部111 〜パスM処理部11M
に出力する。
【0064】M個のパスm処理部11m (m=1〜M)
は全て同じ構成であり、それぞれ、拡散符号発生部1
2、基準位相相関パワー演算部13、進み位相相関パワ
ー演算部14、遅れ位相相関パワー演算部15、位相更
新量演算部16、及び、重み付け部17から構成され
る。
【0065】各パス1処理部111 〜パスM処理部11
M は、局部発振器23からチップ逓倍クロック、及び、
受信信号入力端子10からの、受信ベースバンド信号の
同相成分を実数部、直交成分を虚数部とする複素受信信
号を入力とする。これによりパスm処理部11mは、m
番目の無線マルチパスに対して、重み付け位相更新量を
演算し、加算部18に出力する。
【0066】以下、パスm処理部11m (m=1〜M)
を例にその構成と動作を詳細に説明する。
【0067】パスm処理部11m の拡散符号発生部12
は、局部発振器23から出力されるチップ逓倍クロック
及びパスm処理部11m の位相更新量演算部16から出
力される位相更新量とを入力する。この拡散符号発生部
12は、m番目のパスに対応した、図示しない同期捕捉
回路から指示された値を初期値とする基準位相を内部に
持っており、この基準位相に対して、1/2チップ区間
だけ位相が進んだ、すなわち、チップ逓倍クロックのN
/2クロック分だけ位相が進んだ進み位相拡散符号系列
と、1/2チップ区間だけ位相が遅れた、すなわち、チ
ップ逓倍クロックのN/2クロック分だけ位相が遅れた
遅れ位相拡散符号系列、及び、位相が基準位相である基
準位相拡散符号系列を、チップ速度すなわちチップ逓倍
クロックの1/N倍の速度で発生して出力する。また、
進み位相拡散符号系列、遅れ位相拡散符号系列及び基準
位相拡散符号系列のそれぞれに対し、生成された符号が
既知データ区間に対応するときに既知データ区間フラグ
を発生する。
【0068】また、パスm処理部11m の位相更新量演
算部16から第1の値としての+1の位相更新量が入力
された場合、基準位相を1/Nチップ区間すなわちチッ
プ逓倍クロックの1クロック分だけ進ませ、逆に、第2
の値としての−1の位相更新量が入力された場合、チッ
プ逓倍クロックの1クロック分だけ遅らせる。
【0069】このようにして生成された進み位相拡散符
号及びそれに対応する既知データ区間フラグは、パスm
処理部11m の進み位相相関パワー演算部14に出力さ
れ、同様に生成された遅れ位相拡散符号及びそれに対応
する既知データ区間フラグは、パスm処理部11m の遅
れ位相相関パワー演算部15に出力され、さらに同様に
生成された基準位相拡散符号及びそれに対応する既知デ
ータ区間フラグは、パスm処理部11m の基準位相相関
パワー演算部13に出力される。
【0070】受信信号入力端子10から入力された、受
信ベースバンド信号の同相成分を実数部、直交成分を虚
数部とする複素受信信号は、パスm処理部11m の進み
位相相関パワー演算部14、遅れ位相相関パワー演算部
15及び基準位相相関パワー演算部13にそれぞれ与え
られる。
【0071】パスm処理部11m の進み位相相関パワー
演算部14は、受信信号入力端子10からの複素受信信
号と、パスm処理部11m の拡散符号発生部12からの
進み位相拡散符号及び既知データ区間フラグとを入力
し、進み位相相関パワーを演算し、パスm処理部11m
の位相更新量演算部16に出力する。
【0072】すなわち、進み位相相関パワー演算部14
は、まず、既知データ区間フラグで検出された既知デー
タ区間で、複素受信信号と進み位相拡散符号の相関演算
(積和演算)を行う。次に得られた相関値のパワーを、
予め決められた個数(ここではL個とする)について平
均し、その結果を進み位相相関パワーとして出力する。
このようにしてL個の既知データ区間に対する相関パワ
ーを平均することで、雑音の影響が抑圧されパワーの精
度が向上する。
【0073】パスm処理部11mの遅れ位相相関パワー
演算部15は、受信信号入力端子10からの複素受信信
号と、パスm処理部11m の拡散符号発生部12からの
遅れ位相拡散符号及び既知データ区間フラグとを入力
し、遅れ位相相関パワーを演算し、パスm処理部11m
の位相更新量演算部16に出力する。
【0074】すなわち、遅れ位相相関パワー演算部15
の処理は、進み位相相関パワー演算部14と同様であ
り、まず既知データ区間フラグで検出された既知データ
区間で、複素受信信号と遅れ位相拡散符号との相関演算
を行う。次に、得られた相関値のパワーをL個平均し、
その結果を遅れ位相相関パワーとして出力する。
【0075】パスm処理部11mの基準位相相関パワー
演算部13は、受信信号入力端子10からの複素受信信
号と、パスm処理部11mの拡散符号発生部12からの
基準位相拡散符号及び既知データ区間フラグとを入力
し、基準位相相関パワーを演算し、パスm処理部11m
の重み付け部17に出力する。
【0076】すなわち、基準位相相関パワー演算部13
の処理は、進み位相相関パワー演算部14、遅れ位相相
関パワー演算部15と同様であり、まず、既知データ区
間フラグで検出された既知データ区間で、複素受信信号
と基準位相拡散符号の相関演算を行う。次に、得られた
相関値のパワーを、L個平均し、その結果を基準位相相
関パワーとして出力する。
【0077】パスm処理部11m の位相更新量演算部1
6は、パスm処理部11m の進み位相相関パワー演算部
14からの進み位相相関パワーとパスm処理部11m の
遅れ位相相関パワー演算部15からの遅れ位相相関パワ
ーとを比較し、進み位相相関パワーが遅れ位相相関パワ
ーよりも予め定めた値以上に大きい場合には、位相更新
量を第1の値、具体的には+1とし、また、遅れ位相相
関パワーが進み位相相関パワーよりも予め定めた値以上
に大きい場合には、位相更新量を第2の値、具体的には
−1とし、これら以外の場合は位相更新量を0として、
パスm処理部11m の拡散符号発生部12及びパスm処
理部11m の重み付け部17に出力する。
【0078】これにより、パスm処理部11m の拡散符
号発生部12は、上述した位相調整を行う。
【0079】一方、パスm処理部11m の重み付け部1
7は、パスm処理部11m の位相更新量演算部16から
の位相更新量、及び、パスm処理部11m の基準位相相
関パワー演算部13からの基準位相相関パワーを入力と
し、位相更新量に基準位相相関パワーを乗算し、その結
果を重み付け位相更新量として加算部18に出力する。
【0080】以上が、各パスm処理部11m (m=1〜
M)の構成と動作である。以下では、全てのパス1処理
部111 〜パスM処理部11Mに共通する部分の動作を
説明する。
【0081】加算部18は、全てのパスm処理部11m
(m=1〜M)からの重み付け位相更新量を入力とし、
全てのパスm処理部11m (m=1〜M)からの重み付
け位相更新量を全て加算し、その結果を、重み付け加算
位相更新量として、周波数更新量演算部19に出力す
る。
【0082】マルチパスのそれぞれのパスのパワーは、
フェージングのため大きく変動する。パスのパワーが、
フェージングにより小さくなった場合、そのパスのSN
比は低下し、得られた位相更新量の信頼度が低下する。
逆に、パワーの大きなパスで得られる位相更新量は、そ
の信頼度が大きい。全てのパスに対する位相更新量をパ
ワー重み付け加算することにより、各パスの信頼度で重
み付けされた位相更新量が得られる。
【0083】周波数更新量演算部19は、加算部18か
らの重み付け加算位相更新量を入力とし、周波数更新量
を演算して出力する。周波数更新量演算部19は2値化
部20、アップダウンカウンタ21及び定数乗算部22
から構成されている。
【0084】2値化部20は、加算部18からの出力で
ある重み付け加算位相更新量の正負判定を行い、正の場
合は+1を、負の場合は−1を出力する。
【0085】アップダウンカウンタ21は、大きさ2C
+1のカウンタ(最小値0、最大値2C)を持ち、初期
値をCとする。2値化部20の出力をカウンタ値に加算
して、カウンタ値が最大値2Cに達したときは+1を、
最小値0に達したときは−1を、定数乗算部22に出力
し、そのとき同時にカウンタ値を初期値Cに戻す。一
方、カウンタ値が最小値0と最大値2Cの間であるとき
は出力を行わない。すなわち、アップダウンカウンタ2
1は、2値化部20の出力が+1又は−1に偏っている
ことを検出するものである。
【0086】定数乗算部22は、アップダウンカウンタ
21からの入力の+1又は−1に対し、予め決めた定数
Δを乗算し、その結果を周波数更新量として局部発振器
23に出力する。このとき、局部発振器23は、例え
ば、内蔵するVCOに対する位相差に無関係な直流レベ
ルをこの周波数更新量分だけ変更させることを通じて局
部発振周波数を変更させる。
【0087】(B−3)第2の実施形態の効果 上述した第2の実施形態の同期制御装置によれば、以下
のような効果を得ることができる。
【0088】(1)この第2の実施形態では、パイロッ
トチャネル信号を利用することなく、送信側で情報デー
タの間に間欠的に挿入された既知データを利用するよう
にしているため、送信する情報データの間に間欠的に既
知データを挿入して送信する通信システムへの適用が可
能となる。
【0089】(2)データ判定帰還及びそのための回路
を要しないため、回路構成は単純となる。
【0090】(3)拡散符号の発生位相の制御と同時
に、小規模な回路の追加のみで局部発振器の発振周波数
の制御を実現しているため、別途、周波数制御回路を設
けるよりも低コストで局部発振器の発振周波数の制御が
可能となる。
【0091】(4)周波数制御の安定化のため周波数制
御速度を低下させても、すなわち、アップダウンカウン
タ21の大きさ2C+1を大きくしても、同時に行って
いる位相制御により同期追従性能は劣化しない。
【0092】(5)さらに、上記第1の実施形態と同様
な効果に加えて、この第2の実施形態では、マルチパス
無線チャネルのそれぞれのパスに対して得られる位相更
新量を各パスのパワーで重み付け加算した値に基づき、
周波数更新量を演算するようにしたことによる効果が得
られる。
【0093】すなわち、マルチパスのそれぞれのパスの
パワーは、フェージングのため大きく変動する。このパ
スのパワーが、フェージングにより小さくなった場合、
そのパスのSN比は低下し、得られた位相更新量の信頼
度が低下する。逆に、パワーの大きなパスで得られる位
相更新量は、その信頼度が大きい。これにより、全ての
パスに対する位相更新量をパワー重み付け加算すること
により、各パスの信頼度で重み付けされた位相更新量が
得られることになり、第1の実施形態よりも正確に局部
発振周波数の送信機及び受信機間の相違に基づいた位相
変化傾向を検出することができ、より正確な周波数制御
が可能となる。
【0094】(C)他の実施形態 なお、上記実施形態においては、本発明の同期制御装置
を移動通信システムの受信機に適用したものを示した
が、スペクトラム拡散方式を適用しているシステムであ
れば、移動通信システムに関係なく、広く適用すること
ができる。従って、1対N通信以外の通信システムに適
用でき、1対N通信であってもその多元アクセス方式が
TDMAに限定されるものではない。
【0095】また、上記実施形態においては、位相更新
量が+1、0、−1の3段階のものを示したが、+2〜
−2の5段階のものであっても良く、さらに段階数が多
いものであっても良い。同様に、周波数更新量の段階数
も実施形態より多くしても良い。
【0096】さらに、上記実施形態においては、周波数
更新量演算部19が加算部18の出力を2値化した後
に、アップダウンカウンタ21を更新するものを示した
が、周波数更新量の形成方法は、これに限定されるもの
ではない。例えば、2値化部20及びアップダウンカウ
ンタ21に代えて、累積部を適用して、累積値が予め設
定されている最大値又は最小値を越えたか否かを関しし
て、周波数更新量を形成するようにしても良い。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、進み位
相相関パワー演算手段からの進み位相相関パワーと遅れ
位相相関パワー演算手段からの遅れ位相相関パワーとを
比較し、進み位相相関パワーが遅れ位相相関パワーより
も所定値以上大きい場合は進相を指示する値を位相更新
量として出力し、また、遅れ位相相関パワーが進み位相
相関パワーよりも所定値以上大きい場合は遅相を指示す
る値を位相更新量として出力する位相更新量演算手段
と、この位相更新量演算手段からの位相更新量が進相を
指示する値の場合に基準位相を進ませ、また、位相更新
量演算手段からの位相更新量が遅相を指示する値の場合
には基準位相を遅らせると共に、当該基準位相に対して
所定の値だけ位相が進んでいる進み位相拡散符号系列を
発生し、また、基準位相に対して所定の値だけ位相が遅
れている遅れ位相拡散符号系列を発生する拡散符号発生
手段とを有したので、パイロットチャネル信号を利用す
ることなく、情報データの間に所定の間隔毎に挿入され
た既知データを利用するようにしているため、送信する
情報データの間に所定の間隔毎に既知データを挿入して
送信するシステムへの適用が可能となり、また、データ
判定及び逆変調等のための判定結果の帰還回路を要しな
いため、回路構成は単純となる。
【0098】ここで、進み位相相関パワーと遅れ位相相
関パワーとの大小関係の偏りの傾向に応じて、局部発振
器からの局部発振周波数を制御するようにした場合に
は、別途、周波数制御回路を設けるよりも低コストで局
部発振器の発振周波数の制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の同期制御の基本原理を説明するため
の図である。
【図2】第1及び第2の実施形態における送信データの
フォーマット図である。
【図3】第1の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】第2の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…受信信号入力端子、2、12…拡散符号発生部、
3、14…進み位相相関パワー演算部、4、15…遅れ
位相相関パワー演算部、5、16…位相更新量演算部、
6、19…周波数更新量演算部、7、21…アップダウ
ンカウンタ、8、22…定数乗算部、9、23…局部発
振器、11m(mは1〜M)…パスm処理部、13…基
準位相相関パワー演算部、17…重み付け部、18…加
算部、20…2値化部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトル拡散に基づく通信システムの
    送信機側で送信する情報データに所定の間隔毎に既知デ
    ータを挿入して送信するときの受信機側の同期制御装置
    において、 入力される位相更新量が進相を指示する値の場合に基準
    位相を値に応じた位相だけ進ませ、また、入力される位
    相更新量が遅相を指示する値の場合には基準位相を値に
    応じた位相だけ遅らせると共に、当該基準位相に対して
    所定の位相だけ進んでいる進み位相拡散符号系列を発生
    し、また、上記基準位相に対して所定の値だけ位相が遅
    れている遅れ位相拡散符号系列を発生する拡散符号発生
    手段と、 この拡散符号発生手段から出力される進み位相拡散符号
    と受信ベースバンド信号との既知データ区間における相
    関パワーを演算し、進み位相相関パワーとして出力する
    進み位相相関パワー演算手段と、 上記拡散符号発生手段から出力される遅れ位相拡散符号
    と上記受信ベースバンド信号との既知データ区間におけ
    る相関パワーを演算し、遅れ位相相関パワーとして出力
    する遅れ位相相関パワー演算手段と、 上記進み位相相関パワー演算手段からの進み位相相関パ
    ワーと上記遅れ位相相関パワー演算手段からの遅れ位相
    相関パワーとを比較し、進み位相相関パワーが遅れ位相
    相関パワーよりも所定値以上大きい場合は、進相を指示
    する値を位相更新量として出力し、一方、遅れ位相相関
    パワーが進み位相相関パワーよりも所定値以上大きい場
    合は、遅相を指示する値を位相更新量として出力する位
    相更新量演算手段とを有することを特徴とする同期制御
    装置。
  2. 【請求項2】 上記拡散符号発生手段は、上記進み位相
    拡散符号系列及び上記遅れ位相拡散符号系列を、局部発
    振器の発振周波数に基づき発生するものであると共に、 上記位相更新量演算手段からの位相更新量に基づき、上
    記局部発振器の発振周波数の周波数更新量を演算して出
    力する周波数更新量演算手段をさらに備えることを特徴
    とする請求項1に記載の同期制御装置。
  3. 【請求項3】 上記周波数更新量演算手段が、 上記位相更新量演算手段の出力値を加算してカウンタ値
    を更新すると共に、更新後のカウンタ値が最大値又は最
    小値に達したときにそれぞれ、正の所定値又は負の所定
    値を出力してカウンタ値をリセットするアップダウンカ
    ウンタと、 このアップダウンカウンタから出力された正又は負の所
    定値に対して所定の定数を乗算して乗算結果を周波数更
    新量として出力する定数乗算部とから構成されることを
    特徴とする請求項2に記載の同期制御装置。
  4. 【請求項4】 マルチパスチャネルのそれぞれのパスに
    対して、上記拡散符号発生手段、上記進み位相相関パワ
    ー演算手段、上記遅れ位相相関パワー演算手段、及び、
    上記位相更新量演算手段を有することを特徴とする請求
    項1に記載の同期制御装置。
  5. 【請求項5】 マルチパスチャネルのそれぞれのパスに
    対する、上記各拡散符号発生手段は、自己についての上
    記進み位相拡散符号系列及び上記遅れ位相拡散符号系列
    を、各パスに共通な局部発振器の発振周波数に基づき発
    生するものであると共に、 マルチパスチャネルのそれぞれのパスに対する、上記各
    位相更新量演算手段からの位相更新量に基づき、上記局
    部発振器の発振周波数の周波数更新量を演算して出力す
    る周波数更新量演算手段をさらに備えることを特徴とす
    る請求項4に記載の同期制御装置。
  6. 【請求項6】 上記周波数更新量演算手段が、 各パスについて、そのパスの上記受信ベースバンド信号
    と上記拡散符号発生手段から出力された基準位相拡散符
    号との既知データ区間の相関パワーを演算し、基準位相
    相関パワーとして出力する、パス数に等しい数の基準位
    相相関パワー演算部と、 各パスについて、そのパスの上記位相更新量演算手段の
    出力に対して、上記基準位相相関パワー演算部からの基
    準位相相関パワーを乗算して乗算結果を出力する、パス
    数に等しい数の位相更新量重み付け部と、 これら複数の位相更新量重み付け部の出力を合成する重
    み付け位相更新量合成部と、 上記重み付け位相更新量合成部の出力値が正のときにア
    ップカウントすると共に、負のときにダウンカウント
    し、更新後のカウンタ値が最大値又は最小値に達したと
    きにそれぞれ、正の所定値又は負の所定値を出力してカ
    ウンタ値をリセットするアップダウンカウンタと、 このアップダウンカウンタから出力された正又は負の所
    定値に対して所定の定数を乗算して乗算結果を周波数更
    新量として出力する定数乗算部とから構成されることを
    特徴とする請求項5に記載の同期制御装置。
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