JPH10112696A - 周波数制御回路 - Google Patents

周波数制御回路

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JPH10112696A
JPH10112696A JP8265833A JP26583396A JPH10112696A JP H10112696 A JPH10112696 A JP H10112696A JP 8265833 A JP8265833 A JP 8265833A JP 26583396 A JP26583396 A JP 26583396A JP H10112696 A JPH10112696 A JP H10112696A
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JP8265833A
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English (en)
Inventor
Hideki Ishizuki
秀貴 石月
Shinichi Sato
慎一 佐藤
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェージングの影響を受けずに高精度に局部
発振周波数を制御する。 【解決手段】 入力されたスペクトル拡散されている受
信ベースバンド信号から無線チャネル特性を推定した
後、その推定結果であるチャネル推定値について、自己
相関を演算すると、その結果であるチャネル自己相関値
は、受信機におけるキャリア信号局部発振器の発振周波
数と、送信機での発振周波数との周波数誤差の単調関数
になっている。そして、チャネル推定、自己相関処理を
介した結果に応じて、キャリア信号局部発振器の発振周
波数を更新する。ここで、マルチパス無線チャネルの複
数パスについてチャネル推定、自己相関処理を行ない、
複数のチャネル自己相関値を合成した後、キャリア信号
局部発振器の発振周波数を更新制御することで、制御精
度を一段と高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散に
基づく通信システムの受信機におけるキャリア信号局部
発振器(以下、単に局部発振器と呼ぶ)の周波数を制御
する周波数制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、受信側で送信側搬送波と周波数
のみならず位相まで合った基準周波数を再生する代表的
な方法としては、次の文献に示すようなコスタスループ
が用いられている。
【0003】文献:“ディジタル移動通信技術”、日本
工業技術センター発行、初版、1988年、第64頁、
第65頁 コスタスループでは、送信側の情報信号u(t) と、搬送
波cos(ωc ・t)(ωc は角周波数)の積を送信信
号u(t) ・cos(ωc ・t)として送信するときに、
受信側で受信するA・u(t) ・cos(ωc ・t)(A
は振幅項)に対して、受信側発振器信号cos(ωc ・
t+φ)と、位相がそれよりπ/2だけずらした信号s
in(ωc ・t+φ)とをそれぞれ掛け合わせ(φは位
相ずれに相当)、低域通過フィルタ(LPF)を通過さ
せる。フィルタ通過後の信号はそれぞれ、(1/2)A
・u(t) ・cosφ、(1/2)A・u(t) ・sinφ
であり、この2つを掛け合わせた信号、(1/8)A2
・u(t) 2 ・sin(2φ)を演算する。これは、近似
的には、(A・u(t) /2)2 ・φと表され、この値を
使用することで受信側発振器の位相を制御することがで
きる。
【0004】フェージングのない静的条件下でコスタス
ループが正しく動作すると、受信側の局部発振器で送信
側搬送波と全く同じものが再生される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
コスタスループによる周波数制御では、フェージング条
件下で受信パワーが変動し、受信信号のS/Nが悪化す
る場合には周波数の追従が難しくなるという課題があ
る。
【0006】また、異なる経路を経て到達するマルチパ
ス波を合成して特性の向上をはかるといったことに対応
するには困難であるという課題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明は、スペクトル拡散通信システムの受
信機におけるキャリア信号局部発振器の周波数を制御す
る周波数制御回路において、(1) 入力された受信ベース
バンド信号から無線チャネル特性を推定し、その結果を
チャネル推定値として出力するチャネル推定部と、(2)
チャネル推定値を入力とし、予め定められた時間だけ前
の時刻でのチャネル推定値との自己相関を演算し、チャ
ネル自己相関値として出力する自己相関演算部と、(3)
チャネル自己相関値に基づいて、周波数更新量を出力す
る制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】第2の本発明は、スペクトル拡散通信シス
テムの受信機におけるキャリア信号局部発振器の周波数
を制御する周波数制御回路において、(1) 受信ベースバ
ンド信号を入力とし、マルチパス無線チャネルの複数パ
スのうちの予め定められたM個(Mは2以上)のパスの
それぞれに対して、無線チャネル特性を推定し、その結
果をチャネル推定値として出力するM個のチャネル推定
部と、(2) 対応するチャネル推定部からの上記チャネル
推定値を入力とし、予め定められた時間だけ前の時刻で
のチャネル推定値との自己相関を演算し、チャネル自己
相関値として出力するM個の自己相関演算部と、(3) 各
自己相関演算部から出力されたチャネル自己相関値を加
算してチャネル自己相関加算値として出力する自己相関
加算部と、(4) チャネル自己相関加算値を入力とし、周
波数更新量を出力する制御部とを備える。
【0009】第1及び第2の本発明は、入力されたスペ
クトル拡散されている受信ベースバンド信号から無線チ
ャネル特性を推定した後、その推定結果であるチャネル
推定値について、自己相関を演算すると、その結果であ
るチャネル自己相関値は、受信機におけるキャリア信号
局部発振器の発振周波数と、送信機での発振周波数との
周波数誤差の単調関数になっていることを見出してなさ
れたものである。そして、チャネル推定、自己相関処理
を介した結果に応じて、キャリア信号局部発振器の発振
周波数を更新することとした。
【0010】第2の本発明は、マルチパス無線チャネル
の複数パスについてチャネル推定、自己相関処理を行な
い、複数のチャネル自己相関値を合成した後、キャリア
信号局部発振器の発振周波数を更新制御することで、制
御精度を一段と高めようとしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
(A)各実施形態に共通する周波数制御原理 本発明による周波数制御回路の第1〜第5の実施形態を
後述するが、各実施形態を詳述する前に、まず、各実施
形態に共通する周波数制御の原理的な考え方を説明す
る。なお、各実施形態の周波数制御回路は、移動通信シ
ステムの移動局に搭載されているものである。
【0012】通常、基地局は移動局の周波数制御のため
基準信号を送信する。基準信号として±1のいずれかの
信号のランダム系列であるPN符号を送信することを前
提としている。送信された信号は、伝搬路の影響を受け
つつ、受信部において、その受信部の局部発振器で発生
する周波数によって、基準信号と同じPN符号系列で逆
拡散されて受信される。その結果、受信された信号の振
幅に対しては、伝搬路の振幅特性が、信号の位相に対し
ては、伝搬路の位相特性及び送信側と受信側での周波数
誤差がそれぞれ影響してくる。
【0013】チャネル推定は、伝搬路を経て到達する信
号に対して、PN符号を掛け合わせることで行なわれ
る。送信側から送られる基準信号をp、伝搬路の振幅特
性による振幅変調をβ、伝搬路の位相特性及び送信側と
受信側での周波数誤差による位相をθとすると、伝搬路
を経て到達する信号は、p・β・exp(j・θ)とな
る。PN符号系列は±1のいずれかであるから、チャネ
ル推定器においてPN符号を掛け合わせることにより、
β・exp(j・θ)が取り出される。すなわち、伝搬
路の振幅特性、伝搬路の位相特性、及び、送信側と受信
側での周波数誤差が含まれたチャネル推定結果が得られ
る。
【0014】実際のチャネル推定器は、PN符号の掛け
合わせ、1シンボル区間の積分、その移動平均値の演算
という3つの演算部分から構成される。1シンボル区間
の積分と移動平均処理は、主に伝搬路における雑音の影
響を除去することが目的である。チャネル推定器による
チャネル推定結果を、ここでは簡単化のため、(1) 式に
示すように表す。
【0015】 a(k・T)=A・exp(j・2π・fD ・k・T) …(1) ここで、Tは1シンボル長、Aは1シンボルチャネル推
定結果の信号振幅、fD は1シンボルチャネル推定結果
の信号周波数項である。fD にはフェージング等による
伝搬路の周波数誤差と、受信側の局部発振器の周波数誤
差の両方が含まれるが、フェージングによる周波数誤差
は高々100Hzであり、一方、受信側の局部発振器の
周波数誤差は、例えば送信周波数2GHzに対して2.
5ppmの誤差では5000Hzに相当するため、fD
の大部分は受信側の局部発振器の周波数誤差が影響して
いると考えられる。Aは時間的に変化する。
【0016】このチャネル推定値と、予め定めたシンボ
ル数N(Nは任意の整数で良い)だけ離れたチャネル推
定値との間の自己相関値の期待値Ra (N)を、(2) 式
に従って演算する。ここで、は複素共役を示してい
る。このチャネル推定値の自己相関値の期待値Ra
(N)の虚数部分Im[Ra (N)]は、(3) 式で表さ
れる。
【0017】 Ra (N)=a(k・T)・a((k−N)・T) =A・exp(j・2π・fD ・k・T) ×A・exp(−j・2π・fD ・(k−N)・T) =A2 ・exp(j・2π・fD ・N・T) …(2) Im[Ra (N)]=A2 ・sin(2π・fD ・N・T) …(3) ここで、Im[Ra (N)]はfD =0で0である周波
数誤差fD だけを変数とした単調増加関数である。従っ
て、受信信号のチャネル推定値とNシンボルだけ前のチ
ャネル推定値の自己相関値の虚数部Im[Ra (N)]
の値を検出し、これを利用することで周波数制御が可能
である。周波数誤差fD が正であればIm[Ra
(N)]も正となり、周波数誤差fD が負であればIm
[Ra (N)]も負となるため、Im[Ra (N)]の
正負判定によって、周波数誤差fD の正負が判明する。
これを使って局部発振器に対して周波数補正のための信
号を出力すれば良い。
【0018】信号振幅Aがフェージングの影響により時
間的に変動し、信号のS/Nが劣化するという条件下に
おいても、基地局から送信される基準信号を利用するこ
とで、周波数の追従が可能である。また、異なる経路を
経て到達する、伝搬路の振幅特性の異なるマルチパス波
を個別に受信して合成することで受信信号のS/Nを高
めることが可能であり、これによってフェージングに対
する耐久性を高めることができる。
【0019】以下の各実施形態は、このような考え方に
従って、受信側の局部発振器における周波数誤差の検出
を行なうようにしたものである。
【0020】(B)第1の実施形態 以下、本発明による周波数制御回路の第1の実施形態
を、図面を参照しながら詳述する。なお、この第1の実
施形態は、マルチパス無線チャネルの複数パスのうち、
2つのパスの信号を利用するものである。
【0021】図1は、第1の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。図1において、第1の実施形態の周波数
制御回路は、パス1に対応したチャネル推定部11、パ
ス2に対応したチャネル推定部12、パス1に対応した
自己相関演算部21、パス2に対応した自己相関演算部
22、自己相関加算演算部3及び制御部4からなってお
り、制御部4は、判定部41、アップダウンカウンタ4
2及び更新量発生部(第2の実施形態の更新量制御部と
相違していることを明確にするため、以下、第1の更新
量制御部と呼ぶ)43から構成されている。
【0022】両チャネル推定部11及び12には、受信
ベースバンド信号の同相成分を実数部、直交成分を虚数
部とする複素受信ベースバンド信号が入力される。
【0023】チャネル推定部11は、入力された複素受
信ベースバンド信号をパス1に同期したPN符号系列で
逆拡散した後、1シンボル区間の間だけ加算し、さらに
その移動平均を演算し、結果をチャネル推定値1として
自己相関演算部21に出力する。一方、チャネル推定部
12は、入力された複素受信ベースバンド信号をパス2
に同期したPN符号系列で逆拡散した後、1シンボル区
間の間だけ加算し、さらにその移動平均を演算し、結果
をチャネル推定値2として自己相関演算部22に出力す
る。
【0024】自己相関演算部21は、入力されたチャネ
ル推定値1:X1 (n・Ts )(ここでnは整数、Ts
は1シンボル区間長)と、予め定めた時間NTs だけ前
の時刻(n−N)Ts でのチャネル推定値1:X1
((n−N)Ts )との自己相関値R1 (NTs )を、
(4) 式に従って演算する。そして、自己相関値R1 (N
Ts )の虚数部をチャネル自己相関値1として自己相関
加算値演算部3に出力する。
【0025】 R1 (NTs )=X1 (n・Ts )・X1 ((n−N)Ts ) …(4) 同様に、自己相関演算部22は、入力されたチャネル推
定値2:X2 (n・Ts )と、予め定めた時間NTs だ
け前の時刻(n−N)Ts でのチャネル推定値2:X2
((n−N)Ts )との自己相関値R2 (NTs )を、
(5) 式に従って演算する。そして、自己相関値R2 (N
Ts )の虚数部をチャネル自己相関値2として自己相関
加算値演算部3に出力する。
【0026】 R2 (NTs )=X2 (n・Ts )・X2 ((n−N)Ts ) …(5) 自己相関加算値演算部3は、入力されたチャネル自己相
関値1とチャネル自己相関値2の加算結果を得てチャネ
ル自己相関加算値として制御部4に出力する。
【0027】上述した原理説明から明らかなように、自
己相関演算部21及び22からのチャネル自己相関値1
及び2はそれぞれ、図示しない局部発振器の周波数誤差
(上述したfD )の正負に応じて正負で変化する単純増
加関数となっており、これらを自己相関加算値演算部3
において加算することにより、その出力であるチャネル
自己相関加算値は、局部発振器の周波数誤差(上述した
fD )の正負に応じて正負でより明確で変化する単純増
加関数となっている。
【0028】制御部4は、このチャネル自己相関加算値
に基づいて、図示しない局部発振器に与える周波数更新
量信号を形成する。
【0029】制御部4の判定部41は、入力されたチャ
ネル自己相関加算値の正負判定を行ない、その値が正の
場合は+1を、負の場合は−1をアップダウンカウンタ
42に出力する。
【0030】アップダウンカウンタ42は、大きさ2R
のカウンタ(最小値0、最大値2R)を持ち、初期値を
Rとする。アップダウンカウンタ42は、判定部41の
出力を入力として、その入力値をカウンタ値に加算す
る。そして、更新されたカウンタ値が最小値0に達した
ときは+1を、最大値2Rに達したときは−1を第1の
更新量発生部43に出力すると共に、同時にカウンタ値
を初期値Rにもどす。一方、アップダウンカウンタ42
は、判定部41の出力が入力されてカウンタ値を更新し
ても、そのカウンタ値が最小値0と最大値2Rの間であ
るときは、第1の更新量発生部43に対する出力を実行
しない。
【0031】第1の更新量発生部43は、予め1回の周
波数更新幅Δを定めておき、アップダウンカウンタ42
の出力が+1であるときは周波数更新量を+Δに、アッ
プダウンカウンタ42の出力が−1であるときは周波数
更新量を−Δに決定し、その周波数更新量信号を図示し
ない局部発振器に出力する。
【0032】この周波数更新量が与えられた局部発振器
は、この周波数更新量に応じて、発振周波数を補正す
る。これにより、移動局における局部発振器の発振周波
数と基地局の発信周波数との誤差を低滅させることが可
能となる。
【0033】上述のように、制御部4にアップダウンカ
ウンタ42を使用すると、移動局における局部発振器の
発振周波数と基地局の発信周波数との誤差が小さい場合
に、アップダウンカウン夕42のカウンタ値が最小値0
又は最大値2Rに達する頻度が滅少するために周波数制
御が行なわれる回数が滅少し、移動局における局部発振
器の発振周波数の安定性が保たれる。
【0034】以上の構成において、移動局における局部
発振器の発振周波数が基地局の発信周波数より高い場合
には、チャネル推定部11及び自己相関演算部21を順
次介して出力されたパス1についてのチャネル自己相関
値1も、チャネル推定部12及び自己相関演算部22を
順次介して出力されたパス2についてのチャネル自己相
関値2も正の値をとり、自己相関演算加算値演算部3か
らのチャネル自己相関加算値も正の値をとる。なお、チ
ャネル自己相関値1又はチャネル自己相関値2の一方
が、雑音成分等で負の値をとったとしても、チャネル自
己相関加算値は正の値をとることが大半である。
【0035】その結果、判定部41から+1が出力さ
れ、これにより、アップダウンカウンタ42のカウンタ
値は徐々に大きくなり、最大値2Rに達したときに、ア
ップダウンカウンタ42から−1が出力される。これに
よって、第1の更新量発生部43から−Δの周波数更新
量信号が局部発振器に与えられ、局部発振器は発振周波
数を小さくさせて、基地局の発信周波数に近付ける。
【0036】これに対して、移動局における局部発振器
の発振周波数が基地局の発信周波数より低い場合には、
チャネル推定部11及び自己相関演算部21を順次介し
て出力されたパス1についてのチャネル自己相関値1
も、チャネル推定部12及び自己相関演算部22を順次
介して出力されたパス2についてのチャネル自己相関値
2も負の値をとり、自己相関演算加算値演算部3からの
チャネル自己相関加算値も負の値をとる。なお、チャネ
ル自己相関値1又はチャネル自己相関値2の一方が、雑
音成分等で正の値をとったとしても、チャネル自己相関
加算値は負の値をとることが大半である。
【0037】その結果、判定部41から−1が出力さ
れ、これにより、アップダウンカウンタ42のカウンタ
値は徐々に小さくなり、最小値0に達したときに、アッ
プダウンカウンタ42から+1が出力される。これによ
って、第1の更新量発生部43から+Δの周波数更新量
信号が局部発振器に与えられ、局部発振器は発振周波数
を大きくさせて、基地局の発信周波数に近付ける。
【0038】また、移動局における局部発振器の発振周
波数が基地局の発信周波数にほぼ一致している場合に
は、チャネル推定部11及び自己相関演算部21を順次
介して出力されたパス1についてのチャネル自己相関値
1も、チャネル推定部12及び自己相関演算部22を順
次介して出力されたパス2についてのチャネル自己相関
値2も0近傍の値をとり、自己相関演算加算値演算部3
からのチャネル自己相関加算値も0近傍の値をとる。
【0039】その結果、判定部41から、+1及び−1
がほぼ同じ割合で出力され、これにより、アップダウン
カウンタ42のカウンタ値は、最小値0及び最大値2R
に達することなく、その間の値をとる。そのため、アッ
プダウンカウンタ42からは、+1も−1も出力され
ず、第1の更新量発生部43からも周波数更新量信号が
出力されない。その結果、局部発振器は、基地局の発信
周波数にほぼ一致している発振周波数を維持させる。
【0040】以上のように、第1の実施形態によれば、
フェージング条件下においても基地局から送信される基
準信号を利用することで、フェージングによる周波数誤
差成分を無視できる周波数誤差成分を取り出して、発振
周波数を基地局の発信周波数に追従させるようにしたの
で、フェージングの影響を受けずに高精度に局部発振周
波数を制御することができる。
【0041】また、第1の実施形態によれば、異なる経
路を経て到達するマルチパス波を個別に処理して周波数
誤差成分を得てそれを含成して局部発振周波数を制御す
るので、フェージングに対する耐久性を一段と高めるこ
とができる。
【0042】さらに、第1の実施形態によれば、検出さ
れた周波数誤差成分を直ちに用いて局部発振周波数を制
御するのではなく、アップダウンカウンタを設けて、周
波数誤差成分の誤差方向が連続している状態を捕らえて
はじめて局部発振周波数を可変させるので、移動局にお
ける局部発振器の発振周波数と基地局の発信周波数との
誤差が小さい場合には、移動局における局部発振器の発
振周波数の安定性が保たれるという効果がある。
【0043】(C)第2の実施形態 次に、本発明による周波数制御回路の第2の実施形態
を、図面を参照しながら詳述する。なお、この第2の実
施形態も、上述した原理に従うものであり、また、マル
チパス無線チャネルの複数パスのうち、2つのパスの信
号を利用するものである。
【0044】図2は、この第2の実施形態の周波数制御
回路の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実
施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付
して示している。
【0045】図2及び図1の比較から明らかなように、
この第2の実施形態は、自己相関加算値演算部3から出
力されたチャネル自己相関加算値に基づいて、図示しな
い局部発振器へ与える周波数更新量信号を形成する制御
部4Aの詳細構成が、第1の実施形態の制御部4と異な
っている。
【0046】この第2の実施形態の制御部4Aは、平均
演算部44及び第2の更新量発生部45から構成されて
いる。
【0047】平均演算部44は、1つのメモリを内蔵し
ており、その初期値は0である。平均演算部44は、自
己相関加算値演算部3から出力されたチャネル自己相関
加算値の入力を毎回メモリに加算し(累積し)、予め定
めた回数(Hシンボル)毎に、メモリ値の正負判定を行
ない、メモリ値が負である場合には+1を、正である場
合には−1を第2の更新量発生部45に出力すると共
に、メモリ値を0にリセットする。なお、演算自体は、
累積処理であるが、この平均演算部44へ入力されるチ
ャネル自己相関加算値の期待値は0であるので、理想的
な状態における累積処理は平均処理と等価であり、そこ
で、平均演算部と呼んでいる。
【0048】第2の更新量発生部45において、予め1
回の周波数更新幅Δが定められている。第2の更新量発
生部45は、平均演算部44の出力が行なわれたときに
その値を入力として、平均演算部44の出力が+1であ
るときは周波数更新量を+Δに、平均演算部44の出力
が−1であるときは周波数更新量を−Δに決定し、その
周波数更新量信号を図示しない局部発振器に出力する。
【0049】制御部4Aに、平均演算部44を使用する
と、移動局における局部発振器の発振周波数と基地局の
発信周波数との誤差が比較的大きい、制御の初期段階に
おいて、平均演算による雑音の低減により雑音等の影響
が大きく作用しないため、周波数制御の行なわれる方向
が正しく検出され、また、Hシンボル毎に周波数の更新
が行なわれるため、移動局における局部発振器の発振周
波数と基地局の発信周波数との誤差の低減が高速に行な
うことができる。
【0050】以上の構成において、移動局における局部
発振器の発振周波数が基地局の発信周波数より高い場合
に、自己相関演算加算値演算部3から正のチャネル自己
相関加算値が出力されるのは、第1の実施形態で説明し
た通りである。
【0051】そのため、平均演算部44がHシンボルの
間のチャネル自己相関加算値を累積した値も正になり、
−1の出力が第2の更新量発生部45に与えられる。こ
れによって、第2の更新量発生部45から−Δの周波数
更新量信号が局部発振器に与えられ、局部発振器は発振
周波数を小さくさせて、基地局の発信周波数に近付け
る。
【0052】また、移動局における局部発振器の発振周
波数が基地局の発信周波数より低い場合に、自己相関演
算加算値演算部3から負のチャネル自己相関加算値が出
力されるのは、第1の実施形態で説明した通りである。
【0053】そのため、平均演算部44がHシンボルの
間のチャネル自己相関加算値を累積した値も負になり、
+1の出力が第2の更新量発生部45に与えられる。こ
れによって、第2の更新量発生部45から+Δの周波数
更新量信号が局部発振器に与えられ、局部発振器は発振
周波数を大きくさせて、基地局の発信周波数に近付け
る。
【0054】さらに、移動局における局部発振器の発振
周波数が基地局の発信周波数にほぼ一致している場合
に、自己相関演算加算値演算部3からほぼ0のチャネル
自己相関加算値が出力されるのは、第1の実施形態で説
明した通りである。
【0055】そのため、平均演算部44がHシンボルの
間のチャネル自己相関加算値を累積した値もほぼ0とな
って正負が同じ程度の割合で出力される。これによっ
て、第2の更新量発生部45から+Δ、−Δが同程度の
割合で生じる周波数更新量信号が局部発振器に与えら
れ、局部発振器は発振周波数を大きくさせたり小さくさ
せたりすることを均一の割合で実行し、基地局の発信周
波数にほぼ一致している発振周波数を維持させる。
【0056】以上のように、第2の実施形態によって
も、フェージング条件下においても基地局から送信され
る基準信号を利用することで、フェージングによる周波
数誤差成分を無視できる周波数誤差成分を取り出して、
発振周波数を基地局の発信周波数に追従させるようにし
たので、フェージングの影響を受けずに高精度に局部発
振周波数を制御することができる。また、第2の実施形
態によっても、異なる経路を経て到達するマルチパス波
を個別に処理して周波数誤差成分を得てそれを含成して
局部発振周波数を制御するので、フェージングに対する
耐久性を一段と高めることができる。
【0057】さらに、第2の実施形態によれば、移動局
における局部発振器の発振周波数と基地局の発信周波数
との誤差が比較的大きい、制御の初期段階において、平
均演算部44の機能により、移動局における局部発振器
の発振周波数と基地局の発信周波数との誤差の低減を高
速に行なうことができるという効果がある。
【0058】(D)第3の実施形態 次に、本発明による周波数制御回路の第3の実施形態
を、図面を参照しながら詳述する。なお、この第3の実
施形態も、上述した原理に従うものであり、また、マル
チパス無線チャネルの複数パスのうち、2つのパスの信
号を利用するものである。
【0059】図3は、この第3の実施形態の周波数制御
回路の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実
施形態に係る図1、第2の実施形態に係る図2との同
一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0060】図3と、図1又は図2との比較から明らか
なように、この第3の実施形態は、第1の実施形態又は
第2の実施形態の構成に加えて、収束状態監視部5及び
収束判定部6を設けたものである。新たに設けられた構
成要素以外は、第1の実施形態又は第2の実施形態と同
一であるのでその説明は省略する。
【0061】収束状態監視部5は、自己相関値平均加算
演算部51、パワー平均加算演算部52及び収束状態パ
ラメータ演算部53から構成されている。
【0062】自己相関値平均加算演算部51には、両自
己相関演算部21及び22がそれぞれ出力したチャネル
自己相関値1及びチャネル自己相関値2が与えられる。
自己相関値平均加算演算部51は、入力されたチャネル
自己相関値1とチャネル自己相関値2のそれぞれについ
て、予め定められた時間幅の移動平均値を演算して、さ
らにそれぞれの移動平均値を加算して、収束状態パラメ
ータ演算部53に出力する。
【0063】パワー平均加算演算部52には、両チャネ
ル推定部11及び12がそれぞれ出力したチャネル推定
値1及びチャネル推定値2が与えられる。パワー平均加
算演算部52は、入力されたチャネル推定値1及びチャ
ネル推定値2のそれぞれのパワーを計算し、各パワーの
予め定められた時間幅の移動平均値を演算し、さらに両
移動平均値を加算して、収束状態パラメータ演算部53
に出力する。
【0064】収束状態パラメータ演算部53は、入力さ
れた自己相関値平均加算演算部51の出力を、入力され
たパワー平均加算演算部52の出力で除算した値の絶対
値を演算し、演算結果を収束状態パラメータとして、収
束判定部6に出力する。収束状態パラメータは、収束状
態が不十分で周波数誤差が大きいときに大きい値をと
り、また、周波数誤差がある程度小さくなっても受信パ
ワーが小さくてその周波数誤差に疑義があるときに大き
い値をとるものである。
【0065】収束判定部6は、入力された収束状態パラ
メータが、予め定められた、移動局における局部発振器
の発振周波数と基地局の発信周波数との誤差目標値Δf
に対応したしきい値T(Δf)り小さくなったら、復調
開始信号を発生して、図示しない復調回路に出力する。
ここで、誤差目標値Δfは、この値よりも周波数誤差が
小さければ復調が正常に行なわれるという値に設定され
る。
【0066】移動局における局部発振器の発振周波数の
制御自体は、第1又は第2の実施形態と同様である。周
波数制御が収束してない状態で、発振周波数の制御が第
1又は第2の実施形態と同様にして行なわれ、移動局に
おける局部発振器の発振周波数と基地局の発信周波数と
の誤差が低減されていくと、収束判定部6からやがて復
調開始信号が出力され、復調回路側において、移動局に
おける局部発振器の発振周波数と基地局の発信周波数と
の予め定められた誤差目標値Δfよりも小さくなるまで
周波数制御が行なわれたこと、すなわち、復調が正常に
行なわれる状態(収束状態)になったことを確認するこ
とができる。
【0067】この第3の実施形態によっても、局部発振
器の周波数制御方法は、第1又は第2の実施形態と同一
であるので、同様な効果を奏することができる。
【0068】これに加えて、この第3の実施形態によれ
ば、移動局における局部発振器の発振周波数と基地局の
発信周波数との誤差が予め定められた誤差目標値より小
さい収束状態か否かを判定することができる。
【0069】(E)第4の実施形態 次に、本発明による周波数制御回路の第4の実施形態
を、図面を参照しながら詳述する。なお、この第4の実
施形態も、上述した原理に従うものであり、また、マル
チパス無線チャネルの複数パスのうち、2つのパスの信
号を利用するものである。
【0070】図4は、この第4の実施形態の周波数制御
回路の構成を示すブロック図であり、上述した第1の実
施形態に係る図1、第3の実施形態に係る図3との同
一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0071】図4と、図1との比較から明らかなよう
に、この第4の実施形態は、第1の実施形態の構成に加
えて、収束状態監視部5及び制御パラメータ調整部7を
設けたものである。また、制御部4内のアップダウンカ
ウンタ42及び第1の更新量発生部43に、制御パラメ
ータ調整部7からの制御パラメータが与えられる点が第
1の実施形態と異なっている。
【0072】両チャネル推定部11及び12、両自己相
関演算部21及び22、自己相関加算値演算部3、並び
に、制御部4内の判定部41は、第1の実施形態のもの
と同一であるので、その説明は省略する。また、収束状
態監視部5は、第3の実施形態のものと同一であるの
で、その説明は省略する。
【0073】制御パラメータ調整部7は、収束状態パラ
メータ演算部53から入力された収束状態パラメータ
と、移動局における局部発振器の発振周波数と基地局の
発信周波数との予め定められている誤差Δfに対応した
しきい値T(Δf)との大小関係を比較し、その比較結
果をもとに、予め用意されている変換テーブルに従っ
て、カウンタ制御パラメータRc及び更新幅制御パラメ
ータΔcを得て、カウンタ制御パラメータRcをアップ
ダウンカウンタ42に出力すると共に、更新幅制御パラ
メータΔcを第1の更新量発生部43に出力する。
【0074】この第4の実施形態のアップダウンカウン
タ42は、制御パラメータ調整部7から人力されたカウ
ンタ制御パラメータRcで規定される、大きさ2Rcの
カウンタ(最小値0、最大値2Rc)を持ち、初期値を
与えられたカウンタ制御パラメータRcとする。アップ
ダウンカウンタ42は、判定部41の出力を入力とし
て、その入力値をカウンタ値に加算する。そして、更新
されたカウンタ値が最小値0に達したときは+1を、最
大値2Rcに達したときは−1を第1の更新量発生部4
3に出力すると共に、同時にカウンタ値を初期値Rcに
もどす。一方、アップダウンカウンタ42は、判定部4
1の出力が入力されてカウンタ値を更新しても、そのカ
ウンタ値が最小値0と最大値2Rcの間であるときは、
第1の更新量発生部43に対する出力を実行しない。
【0075】この第4の実施形態の第1の更新量発生部
43は、制御パラメータ調整部7から入力された更新幅
制御パラメータΔcを1回の周波数更新幅として定め、
アップダウンカウンタ42の出力が+1であるときは周
波数更新量を+Δcに、アップダウンカウンタ42の出
力が−1であるときは周波数更新量を−Δcに決定し、
その周波数更新量信号を図示しない局部発振器に出力す
る。
【0076】すなわち、この第4の実施形態は、収束状
態監視部5及ぴ制御パラメータ調整部7の機能により、
移動局における局部発振器の発振周波数と基地局の発信
周波数との誤差を監視しながら周波数制御を行ない、誤
差の大きさに応じて制御部4のパラメータを変化させる
構成となっている。そして、制御の進行に応じて、最適
なパラメータを選ぶことにより、周波数誤差の低減を高
速に行なうことが可能で、かつ、周波数収束後も周波数
が安定しているような構成とすることが可能である。
【0077】例えば、制御パラメータ調整部7のテーブ
ルを、収束状態パラメータがしきい値T(Δf)より大
きいときに(非収束状態)、カウンタ制御パラメータR
cを小さな値に、更新幅制御パラメータΔcを大きな値
に設定し、逆に収束状態パラメータがしきい値T(Δ
f)以下のときに(収束状態)、カウンタ制御パラメー
タRcを大きな値に、更新幅制御パラメータΔcを小さ
な値に設定するように形成しておく。
【0078】このような設定において、周波数誤差がか
なり大きい場合、すなわち収束状態パラメータがしきい
値T(Δf)より大きい場合は、カウンタ制御パラメー
タRcで規定されるアップダウンカウンタ42のカウン
タの大きさが小さくなることと、周波数誤差が大きいこ
とによる判定部41の出力が±1のどちらかに偏ること
とにより、アップダウンカウンタ42が出力を行なう頻
度が高くなり、同時に、更新幅制御パラメータΔcで規
定される第1の更新量発生部43での1回の周波数更新
幅が大きくなるため、結果として、周波数誤差の低減を
高速に行なうことができる。
【0079】逆に、周波数誤差が小さい場合、すなわち
収束状態パラメータがしきい値T(Δf)以上の場含
は、カウンタ制御パラメータRcで規定されるアップダ
ウンカウンタ42のカウンタの大きさが大きくなること
と、周波数誤差が小さいことによる判定部41の出力の
偏りが小さくなることとにより、アップダウンカウンタ
42が出力を行なう類度が低くなり、同時に更新幅制御
パラメータΔcで規定される第1の更新量発生部43で
の1回の周波数更新幅が小さくなるため、結果として、
周波数誤差が小さくなった後、安定した制御ができる。
【0080】すなわち、周波数誤差に応じて、周波数制
御の時定数を変えていることを行なっていることにな
り、非収束状態で高速な基地局の発信周波数への追従動
作を行ない、収束状態で基地局の発信周波数への安定し
た追従動作を行なっている。
【0081】この第4の実施形態によっても、局部発振
器の周波数制御方法は、第1の実施形態と同一であるの
で、同様な効果を奏することができる。
【0082】これに加えて、この第4の実施形態によれ
ば、移動局における局部発振器の発振周波数と基地局の
発信周波数との誤差の収束状態を監視して、その結果を
周波数更新量を決定する制御部に与えることで、周波数
誤差の収束状態に応じた周波数制御を可能にしており、
周波数誤差の大きい場合の高速動作と、誤差の小さい場
合の安定動作の併存が可能となる。
【0083】(F)第5の実施形態 次に、本発明による周波数制御回路の第5の実施形態
を、図面を参照しながら簡単に説明する。
【0084】図5は、この第5の実施形態の周波数制御
回路の構成を示すブロック図であり、上述した第2の実
施形態に係る図2、第4の実施形態に係る図4との同
一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0085】上述した第4の実施形態は、第1の実施形
態の構成をベースとし、そのベース構成に、周波数誤差
に応じた追従速度の可変構成を付加したものである。す
なわち、第1の実施形態の構成に、収束状態監視部5及
び制御パラメータ調整部7を設け、制御部4内のアップ
ダウンカウンタ42及び第1の更新量発生部43の追従
速度に影響を与えるパラメータを可変させるようにした
ものである。
【0086】この第5の実施形態は、第2の実施形態の
構成をベースとし、そのベース構成に、周波数誤差に応
じた追従速度の可変構成を付加したものである。すなわ
ち、図5に示すように、収束状態監視部5及び制御パラ
メータ調整部7を設けると共に、制御部4A内の平均演
算部44及び第2の更新量発生部45の追従速度に影響
を与えるパラメータを可変させるようにしたものであ
る。
【0087】ここで、制御パラメータ調整部7からの出
力である平均時間制御パラメータは、平均演算部44に
入力されて、ここでのメモリにチャネル自己相関加算値
を加算する回数Hを変更するパラメータとなり、制御パ
ラメータ調整部7からの出力である更新幅制御パラメー
タは、第2の更新量発生部45に入力されて1回の周波
数更新幅Δとなる。
【0088】この第5の実施形態によれば、上述した第
2の実施形態の効果、及び、第4の実施形態での特有の
効果を奏することができる。
【0089】(G)他の実施形態 なお、上記各実施形態においては、複素数表記された信
号を処理するものを示したが、演算結果で所望の信号を
得られるならば、各部での演算を複素数で行なう必要は
ない。
【0090】また、上記各実施形態は、移動通信システ
ムの移動局に適用したものを示したが、スペクトル拡散
通信システムの受信局に広く本発明を適用することがで
き、受信局が固定局であっても良い。
【0091】さらに、上記各実施形態においては、処理
に供するパス数が2個のものを示したが、パス数は1で
も3以上であっても良い。パス数が1の場合には、自己
相関加算値演算部3は不要となり、自己相関値平均加算
演算部51及びパワー平均加算演算部52の各パスにつ
いての合計機能は不要となる。
【0092】さらにまた、上記第3の実施形態の復調開
始信号を形成する技術思想を、第4及び第5の実施形態
の構成に盛り込むようにしても良い。
【0093】また、上記第4及び第5の実施形態におい
ては、制御部4、4Aの制御パラメータを2段階で切り
替えるものを示したが、3段階以上で切り替えるように
しても良い。
【0094】
【発明の効果】以上のように、第1及び第2の本発明に
よれば、フェージング条件下においても送信機から送信
される基準信号を利用することで、フェージングによる
周波数誤差成分を無視できる周波数誤差成分を取り出し
て、局部発振器の発振周波数を送信機の発信周波数に追
従させるようにしたので、フェージングの影響を受けず
に高精度に局部発振周波数を制御することができる。
【0095】また、第2の本発明によれば、異なる経路
を経て到達するマルチパス波を個別に処理して周波数誤
差成分を得てそれを含成して局部発振周波数を制御する
ので、フェージングに対する耐久性を一段と高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】第2の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】第3の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】第4の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】第5の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
11、12…チャネル推定器、21、22…自己相関演
算部、3…自己相関演算加算部、4、4A…制御部、4
1…判定部、42…アップダウンカウンタ、43…第1
の更新量発生部、44…平均演算部、45…第2の更新
量発生部、5…収束状態監視部、51…自己相関値平均
加算演算部、52…パワー平均加算演算部、53…収束
状態パラメータ演算部、6…収束判定部、7…制御パラ
メータ調整部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトル拡散通信システムの受信機に
    おけるキャリア信号局部発振器の周波数を制御する周波
    数制御回路において、 入力された受信ベースバンド信号から無線チャネル特性
    を推定し、その結果をチャネル推定値として出力するチ
    ャネル推定部と、 上記チャネル推定値を入力とし、予め定められた時間だ
    け前の時刻でのチャネル推定値との自己相関を演算し、
    チャネル自己相関値として出力する自己相関演算部と、 上記チャネル自己相関値に基づいて、周波数更新量を出
    力する制御部とを備えることを特徴とする周波数制御回
    路。
  2. 【請求項2】 上記自己相関演算部から出力されたチャ
    ネル自己相関値の予め定められた時間幅の平均値を演算
    して出力する自己相関値平均演算部と、 上記チャネル推定部から出力された上記チャネル推定値
    のパワーの予め定められた時間幅の平均値を演算して出
    力するパワー平均演算部と、 上記自己相関値平均演算部の出力を上記パワー平均演算
    部の出力で除算した値の絶対値を演算し、演算結果を収
    束状態パラメータとして出力する収束状態パラメータ演
    算部とから構成される収束状態監視部を備えることを特
    徴とする請求項1に記載の周波数制御回路。
  3. 【請求項3】 スペクトル拡散通信システムの受信機に
    おけるキャリア信号局部発振器の周波数を制御する周波
    数制御回路において、 受信ベースバンド信号を入力とし、マルチパス無線チャ
    ネルの複数パスのうちの予め定められたM個(Mは2以
    上)のパスのそれぞれに対して、無線チャネル特性を推
    定し、その結果をチャネル推定値として出力するM個の
    チャネル推定部と、 対応する上記チャネル推定部からの上記チャネル推定値
    を入力とし、予め定められた時間だけ前の時刻でのチャ
    ネル推定値との自己相関を演算し、チャネル自己相関値
    として出力するM個の自己相関演算部と、 上記各自己相関演算部から出力されたチャネル自己相関
    値を加算してチャネル自己相関加算値として出力する自
    己相関加算部と、 上記チャネル自己相関加算値を入力とし、周波数更新量
    を出力する制御部とを備えることを特徴とする周波数制
    御回路。
  4. 【請求項4】 上記各自己相関演算部から出力されたチ
    ャネル自己相関値のそれぞれについて、予め定められた
    時間幅の平均値を演算した後、その合成を求めて出力す
    る自己相関値平均加算演算部と、 上記各チャネル推定部から出力された上記チャネル推定
    値のそれぞれについて、パワーの予め定められた時間幅
    の平均値を演算した後、その合計を求めて出力するパワ
    ー平均加算演算部と、 上記自己相関値平均加算演算部の出力を上記パワー平均
    加算演算部の出力で除算した値の絶対値を演算し、演算
    結果を収束状態パラメータとして出力する収束状態パラ
    メータ演算部とから構成される収束状態監視部を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の周波数制御回路。
  5. 【請求項5】 上記制御部が、 入力された上記チャネル自己相関加算値又は上記チャネ
    ル相関値の正負判定により、+1、−1のいずれかを出
    力する判定部と、 この判定部の出力値をカウンタ値に加算してカウンタ値
    を更新すると共に、更新後のカウンタ値が最大値又は最
    小値に達したときにそれぞれに対応した信号を出力して
    カウンタ値をリセットするアップダウンカウンタと、 このアップダウンカウンタからの出力に応じた周波数更
    新量を出力する第1の更新量発生部とから構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の周
    波数制御回路。
  6. 【請求項6】 上記制御部が、 入力された上記チャネル自己相関加算値又は上記チャネ
    ル相関値の時間平均値を演算して出力する平均演算部
    と、 この平均演算部の出力の正負に対応した周波数更新量を
    出力する第2の更新量発生部とから構成されていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の周波数制
    御回路。
  7. 【請求項7】 上記収束状態監視部の後段に、上記収束
    状態パラメータが予め定められたしきい値よりも小さく
    なったら、復調開始信号を発生する収束判定部を設けた
    ことを特徴とする請求項2、4〜6のいずれかに記載の
    周波数制御回路。
  8. 【請求項8】 上記収束状態監視部の後段に、上記収束
    状態パラメータと予め定められた固定値との比較結果に
    基づき、上記制御部の制御パラメータを調整する制御パ
    ラメータ調整部を設けたことを特徴とする請求項2、4
    〜7のいずれかに記載の周波数制御回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002039634A1 (fr) * 2000-11-07 2002-05-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Appareil recepteur et procede de controle de la frequence de reference dans l'appareil recepteur
JP2003516696A (ja) * 1999-12-10 2003-05-13 ノキア コーポレイション スペクトラム拡散システム用の受信器

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