JPH10289552A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録または再生時にディスクカートリッジが
外力を受けた際のカートリッジ本体の変形による記録ま
たは再生特性の低下の虞れのないディスクカートリッジ
を提供すること。 【構成】 上シェル及び下シェルによりカートリッジ本
体を形成し、該カートリッジ本体内に、磁気ディスクを
回転自在に収納し、該上シェル及び下シェルの内面それ
ぞれに、該磁気ディスクの外縁に沿って互いに対向する
ように略円環状のリブを設けたディスクカートリッジに
おいて、上記上シェルのリブと上記下シェルのリブとを
接合したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクカートリッ
ジ、詳しくは、記録または再生時にディスクカートリッ
ジが外力を受けた際に、記録または再生特性が低下しな
いディスクカートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
のディスクカートリッジでは、そのカートリッジ本体
は、上シェル及び下シェルそれぞれの四隅にある接合用
突起を接合することにより形成されており、該カートリ
ッジ本体内にはディスクが回転自在に保持収納されてい
る。しかし、上記ディスクカートリッジは、ディスクド
ライブに挿入されて記録または再生される時、上記セン
ターコアに挿通されるディスクドライブの駆動ピン等に
より、その厚み方向に力を受けた場合、カートリッジ内
部中央のクリアランスが小さくなり易く、その結果、回
転しているディスクがシェル等に接触して、ディスクの
回転安定性が低下する虞れがあった。しかも、斯る虞れ
は、高速回転で記録または再生が行われる高容量磁気デ
ィスクにおいて特に顕著であった。

【０００３】従って、本発明の目的は、記録または再生
時にディスクカートリッジが外力を受けた際のカートリ
ッジ本体の変形による記録または再生特性の低下の虞れ
のないディスクカートリッジを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上シェル及び
下シェルによりカートリッジ本体を形成し、該カートリ
ッジ本体内に、磁気ディスクを回転自在に収納し、該上
シェル及び下シェルの内面それぞれに、該磁気ディスク
の外縁に沿って互いに対向するように略円環状のリブを
設けたディスクカートリッジにおいて、上記上シェルの
リブと上記下シェルのリブとを接合したことを特徴とす
るディスクカートリッジを提供することにより上記目的
を達成したものである。

【０００５】本発明のディスクカートリッジによれば、
上記上シェルのリブと上記下シェルのリブとによって囲
まれる上記磁気ディスクの回転空間は、その形態保持性
が高くなり、記録または再生時にドライブからディスク
カートリッジの厚み方向に力が加わっても、該回転空間
のクリアランスが保持される。このため、該磁気ディス
クは、その高速回転時においても該上シェルまたは該下
シェルに接触することがないため安定して回転できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るディスクカー
トリッジの一実施形態を図面を参照して説明する。図１
は本実施形態のディスクカートリッジの斜視図、図２は
本実施形態のディスクカートリッジの分解斜視図、図３
は本実施形態のカートリッジ本体の上シェル及び下シェ
ルの内面図、図４は図１のＡ─Ａ線矢視断面図、図５は
別の実施形態のディスクカートリッジにおけるリブの接
合状態を示す縦断面拡大図、図６は更に別の実施形態の
ディスクカートリッジにおける接合前のリブの縦断面及
び該リブの溶着部の平面を示す拡大図である。

【０００７】本実施形態のディスクカートリッジ１は、
図１〜図３に示す如く、上シェル３及び下シェル４から
なるカートリッジ本体２内に、磁気ディスク５を収納
し、上記上シェル３及び下シェル４の内面それぞれに、
該磁気ディスク５の外縁に沿って互いに対向するように
略円環状のリブ６，６’を設けてある。また、上記カー
トリッジ本体２においては、上記上シェル３及び下シェ
ル４それぞれの四隅にある接合用突起１０，１０’が接
合されており、上記上シェル３及び下シェル４の内面そ
れぞれには、不織布からなる略Ｃ字形状のライナー７，
７’が取り付けられており、上記上シェル３及び下シェ
ル４それぞれには、ディスクドライブの記録・再生用ヘ
ッドが上記磁気ディスク５に当接又は近接できるよう
に、ヘッドウィンド８，８’が設けられており、上記上
シェル３及び下シェル４の外面それぞれには、シャッタ
ー部材９がスライド自在に係合されている。上記磁気デ
ィスク５は、上記ライナー７，７’それぞれの間に位置
し、上記磁気ディスク５に設けられたセンターコア１１
が上記下シェル４のセンターホール１２に挿入されて、
上記カートリッジ本体２内に回転自在に保持されてい
る。本実施形態のディスクカートリッジにおける上述の
構成は、公知のディスクカートリッジと同じである。

【０００８】而して、本実施形態のディスクカートリッ
ジ１は、図４に示す如く、上述の構成のディスクカート
リッジ１において、上記上シェル３のリブ６と下シェル
４のリブ６’とを接合させたことを特徴とするものであ
る。

【０００９】本実施形態について詳述すると、上記上シ
ェル３のリブ６及び下シェル４のリブ６’は、図３に示
す如く、円周の一部が欠落した円環で、その欠落部分の
両端部にはカートリッジ本体２の周辺と平行に走る二対
の直線状突起１３，１３’が連設されている。また、該
リブ６，６’及び該直線状突起１３，１３’それぞれ
は、該上シェル３または下シェル４と一体に成形されて
いる。

【００１０】上記上シェル３のリブ６と下シェル４のリ
ブ６’とは、超音波溶着により、それらの円周面の全面
で接合されている。また、上記直線状突起１３，１３’
も、上記リブ６，６’と同様に接合されている。

【００１１】以上のように構成された本実施形態におい
ては、上シェル３のリブ６と下シェル４のリブ６’とが
接合されているため、該リブ６、６’によって囲まれる
磁気ディスク５の回転空間は、その形態保持性が高くな
り、記録または再生時にドライブからディスクカートリ
ッジ１の厚み方向に力が加わっても、該回転空間のクリ
アランスが保持される。このため、該磁気ディスク５
は、その高速回転時においても上シェル３または下シェ
ル４に接触することがほとんどないため安定して回転で
きる。

【００１２】本発明のディスクカートリッジは、上記実
施形態に制限されることはない。例えば、上シェルのリ
ブと下シェルのリブとの接合の程度は、本実施形態のよ
うにリブの円周面を全面接合するのが好ましいが、本発
明の効果を損なわない限り、接合部が全体に均一に分布
していてもよく、例えば円周面の６％以上９０％以下、
更には１８％以上６０％以下が接合していれば良い。ま
た、それぞれの直線状突起は接合されていなくても良
い。また、本発明の効果を損なわない範囲で、リブの一
部が欠落したものであっても良い。

【００１３】上シェルのリブと下シェルのリブとの接合
は、その接合方法には制限されないが、本実施形態のよ
うな超音波溶着による接合の他に、接着剤等による接合
方法を採用しても良い。接着剤により接合する場合の接
合の程度は、リブの円周面を全面接合するのが好ましい
が、本発明の効果を損なわない限り、接合部が全体に均
一に分布していても良く、例えば、１０％以上１００％
以下、更には６０％以上１００％以下が接合していれば
良い。

【００１４】上シェルのリブと下シェルのリブとの接合
部の形状は、特に制限されるものでないが、例えば超音
波溶着による樹脂のはみだしや接着剤のはみだしがディ
スク側に発生することを防止するリブ形状にしておくこ
ともでき、その好ましい具体例としては、例えば、図５
及び図６に示すものが挙げられる。図５は、上シェルの
リブと下シェルのリブとをあいじゃくり形状とし、それ
らのあいじゃくり接合面を接着することにより、接着剤
が磁気ディスク側にはみ出さないようにしたものであ
り、また図６は、一方のリブに縦断面が凹状の凹部分１
４を設け、他方のリブに該凹部分１４に嵌合する縦断面
が凸状の凸部分（溶着部）１５を設け、該凹部分１４と
該凸部分（溶着部）１５を嵌合させた後、超音波溶着に
より接合し、該凹部分１４及び該凸部（溶着部）１５の
樹脂が磁気ディスク側にはみ出さないようにしたもので
ある。尚、上記凹部分１４及び上記凸部分１５は、図６
の下方に示す該凸部分１５の平面図のように、それぞれ
矩形状に形成されリブの接合面に間欠的に複数個連設さ
れている。

【００１５】磁気ディスクは、その記録容量には特に制
限されないが、記憶容量１００ＭＢ以上、記録または再
生時の該磁気ディスクの回転数が５００ｒｐｍ以上、特
に１０００ｒｐｍ以上、就中、２９００ｒｐｍ以上の高
速回転を要するものにおいて、特に優れた作用・効果を
示す。また、光（磁気）ディスクにも適用することがで
きる。

【００１６】

【発明の効果】本発明に係るディスクカートリッジによ
れば、記録または再生時にディスクカートリッジが外力
を受けた際に、カートリッジ本体の変形による記録また
は再生特性が低下する虞れがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本実施形態のディスクカートリッジの
斜視図である。

【図２】図２は、本実施形態のディスクカートリッジの
分解斜視図である。

【図３】図３は、本実施形態のカートリッジ本体の上シ
ェル及び下シェルの内面図である。

【図４】図４は、図１のＡ─Ａ線矢視断面図である。

【図５】図５は、別の実施形態のディスクカートリッジ
におけるリブの接合状態を示す縦断面拡大図である。

【図６】図６は、更に別の実施形態のディスクカートリ
ッジにおける接合前のリブの縦断面及び該リブの溶着部
の平面を示す拡大図である。

【符号の説明】

１ ディスクカートリッジ ２ カートリッジ本体 ３ 上シェル ４ 下シェル ５ 磁気ディスク ６ 上シェルのリブ ６’ 下シェルのリブ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上シェル及び下シェルによりカートリッ
   ジ本体を形成し、該カートリッジ本体内に、磁気ディス
   クを回転自在に収納し、該上シェル及び下シェルの内面
   それぞれに、該磁気ディスクの外縁に沿って互いに対向
   するように略円環状のリブを設けたディスクカートリッ
   ジにおいて、 上記上シェルのリブと上記下シェルのリブとを接合した
   ことを特徴とするディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 上記上シェルのリブと上記下シェルのリ
   ブとを、超音波溶着により接合したことを特徴とする請
   求項１記載のディスクカートリッジ。
3. 【請求項３】 上記上シェルのリブと上記下シェルのリ
   ブとを、接着剤により接合したことを特徴とする請求項
   １記載のディスクカートリッジ。
4. 【請求項４】 上記上シェルのリブ及び上記下シェルの
   リブを、それらを接合した時に、溶着による樹脂のはみ
   だし又は接着剤のはみだしがディスク側に発生すること
   を防止するリブ形状にしたことを特徴とする請求項１記
   載のディスクカートリッジ。
5. 【請求項５】 上記磁気ディスクの記録容量が１００Ｍ
   Ｂ以上であり、記録または再生時の磁気ディスクの回転
   数が５００ｒｐｍ以上であることを特徴とする請求項１
   記載のディスクカートリッジ。