JPH10288070A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置

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JPH10288070A
JPH10288070A JP9230597A JP9230597A JPH10288070A JP H10288070 A JPH10288070 A JP H10288070A JP 9230597 A JP9230597 A JP 9230597A JP 9230597 A JP9230597 A JP 9230597A JP H10288070 A JPH10288070 A JP H10288070A
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fuel injection
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fuel
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Hiroyuki Itoyama
浩之 糸山
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の各種制御パラメータの制御信号の信
頼性を高める。 【解決手段】エンジン運転状態に基づいて燃料噴射量を
演算する手段102と、アイドル状態での各種パラメー
タを検出する手段104と、アイドル状態でのエンジン
回転数が目標値となるように燃料噴射量を補正する手段
106と、前記検出した各種パラメータに基づいてアイ
ドル状態での実相当噴射量を演算する手段と105、ア
イドル状態で所定の条件が成立したときに燃料噴射量誤
差の学習許可を判定する手段107と、前記学習の許可
時にアイドル補正噴射量と実相当噴射量の偏差に基づい
て噴射量誤差を演算、学習する手段108と、基本燃料
噴射量と噴射量誤差とから目標噴射量を演算する手段1
09とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射
量を制御信号として用いて各種制御パラメータを制御す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン等にあっては、エン
ジンの負荷と回転数に応じて基本的な燃料噴射量が決定
され、この目標とする噴射量となるように燃料噴射ポン
プが電子的に制御される。
【0003】しかし、実際に噴射される燃料量は、燃料
噴射ポンプ、燃料噴射ノズルの生産バラツキや経時劣化
などもあって目標噴射量とは正確に一致しないことがあ
る。この場合には、運転状態に応じて最適な燃料供給特
性とはならず、例えば目標噴射量よりも実際の噴射量が
多ければ、高負荷域などでスモークが過大に発生した
り、逆に少なければ、十分なエンジン出力が確保できな
くなったりする。
【0004】また、噴射量に応じて減速時などの燃料カ
ットとリカバーを制御すれば、タイミングにバラツキを
生じ、排気組成が悪化する。
【0005】なお、従来、例えば特開昭63−2309
44号公報にもあるように、ディーゼルエンジンのEG
R量(排気還流量)を運転状態に応じて制御するにあた
り、この目標噴射量を制御信号として用いてEGR量を
制御する場合、実噴射量との間に誤差があると、実際の
燃焼に対して過大にEGRが行われて、スモークが増え
たりすることがある。そこで、この公報によれば、燃料
噴射量の誤差を把握するため、例えばアイドル運転時な
どに目標とする所定の回転数を維持するのに必要な燃料
噴射量の補正量を算出し、この補正量に基づいて目標噴
射量を修正し、この修正された目標噴射量に基づいてE
GR量を制御している。
【0006】このようにすると、燃料噴射ポンプに特性
上のバラツキ等があっても、目標噴射量と実際の噴射量
とが対応するので、EGR時の排気組成が目標値よりも
悪化するような問題が回避できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
アイドル状態での燃料噴射量の補正量を算出しても、例
えばエアコンやパワステなどの負荷がエンジンに加わっ
た状態では、同じ目標回転数を維持するのに必要な燃料
の噴射量が相違し、補正量はそのときの補機負荷等に応
じて変動する。したがって、このような補正量に基づい
て目標燃料噴射量を修正しても、運転条件によっては実
際の噴射量と一致しなくなる。
【0008】したがって、このように補正された燃料噴
射量に基づいて燃料噴射を制御しても、依然として上記
した問題が解消されない。
【0009】本発明はこのような問題を解決するために
提案されたもので、燃料噴射制御のための目標噴射量の
信頼性を高め、内燃機関の制御精度を向上させることを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
運転状態を検出する手段と、エンジン運転状態に基づい
て燃料噴射量を演算する手段と、エンジンのアイドル状
態を判定する手段と、アイドル状態での各種パラメータ
を検出する手段と、アイドル状態でエンジン回転数が目
標回転数となるようにアイドル燃料噴射量を補正する手
段と、前記検出した各種パラメータに応じてアイドル状
態での目標回転数を維持するのに必要な燃料噴射量に相
当する実相当噴射量を演算する手段と、アイドル状態に
おいて所定の条件が成立したときに燃料噴射量誤差の学
習許可を判定する手段と、学習の許可時に前記アイドル
補正噴射量と実相当噴射量の偏差から噴射量誤差を演算
し学習する手段と、前記燃料噴射量を噴射量誤差に基づ
いて修正して目標噴射量とする噴射量修正手段とを備え
る。
【0011】第2の発明は、前記噴射量修正手段は、前
記燃料噴射量に1.0よりも大きい所定のゲインと、
1.0よりも小さい所定のゲインを乗じて上限値と下限
値を設定し、前記目標噴射量がこれら上限、下限値の範
囲内となるように制限する。
【0012】第3の発明は、前記燃料噴射量修正手段
は、許容最大噴射量との関係から目標噴射量の最大値を
制限する。
【0013】第4の発明は、前記噴射量誤差の演算学習
手段が、エンジン回転数の積算値、走行距離、経過時間
に関連する重み係数のうち少なくとも一つを用いて、前
記アイドル補正噴射量と実相当噴射量との偏差を加重平
均処理する。
【0014】第5の発明は、前記噴射量誤差の演算学習
手段は、アイドル補正噴射量と実相当噴射量の偏差に予
め定められた補正値を乗じて噴射量誤差を演算する。
【0015】第6の発明は、前記噴射量誤差の演算学習
手段は、前記学習許可判定手段が学習不許可のときは、
それまでに学習された噴射量誤差に予め定められた補正
値を乗じて噴射量誤差とする。
【0016】第7の発明は、前記学習許可の判定手段
が、エンジンが所定の基準回転数範囲にあるアイドル状
態であって、かつ補機負荷等が無負荷であり、この状態
が所定時間以上継続しているときに学習許可を判定す
る。
【0017】第8の発明は、前記各種パラメータの検出
手段が、スタータスイッチ、イグニッションスイッチ、
パワステスイッチ、電気負荷スイッチ、ニュートラルス
イッチ、エアコンスイッチや、燃料温度、エンジン冷却
水温、車速、電源電圧、エンジン回転数センサのうち、
少なくとも一つを備える。
【0018】
【発明の作用・効果】第1の発明において、もし、アイ
ドル状態における補機負荷等を一切考慮しなければ、一
定のアイドル回転数を維持するのに必要な燃料補正量
は、そのまま目標噴射量と実際の噴射量との誤差分に相
当する。
【0019】しかし、アイドル回転数を一定に維持する
のに必要な補正量は、そのときエンジンにかかる補機負
荷の状態等によっても変化する。目標とする燃料噴射量
と実際の噴射量とが一致していたとしても、補機負荷状
態によって燃料の補正量が相違するのである。
【0020】したがって、これら補機負荷状態等に応じ
て予想される燃料噴射量に相当するアイドル回転数を一
定に維持するのに必要なアイドル実相当噴射量を設定し
ておき、これと補正後の燃料噴射量を比較すれば、補機
負荷等の影響を除いた燃料噴射量の誤差分が正しく判断
できる。
【0021】実相当噴射量は各種パラメータの入力状態
に応じて決定され、したがって補機負荷、電気負荷等に
対応した、実際のアイドル噴射量を正確に反映したもの
となり、また、噴射量誤差は順次学習されていくので、
燃料噴射特性の経時変化などを含む変動要因を補償し、
常に精度よく噴射量誤差を算出できる。
【0022】したがって、この噴射量誤差に基づいて修
正した目標噴射量は、正確に実際の噴射量と一致し、機
関の運転条件に応じて最適な燃料噴射特性に燃料噴射量
が制御され、スモークやパティキュレートの発生を抑制
し、また加速時などでも十分な出力を確保できる。さら
に減速時などの燃料カット、リカバーについても正確に
制御でき、とくにリカバー時の噴射量が正確になること
からエンスト等も未然に防止できる。
【0023】第2の発明では、目標とする燃料噴射量を
基本噴射量に対しての所定の上限値と下限値との間に収
めたので、燃料噴射量の過剰修正が回避され、常に適正
な範囲に制御される。
【0024】第3の発明では、最大噴射量を許容される
範囲内に収めるので、演算された噴射量が許容値を越え
ることがなく、機関が過負荷状態で運転されるのを確実
に防止できる。
【0025】第4の発明においては、アイドル補正噴射
量と実相当噴射量の偏差を演算するにあたり、エンジン
の生産後の回転数の積算値、走行距離、あるいは経過時
間など、燃料噴射量が変動する要因を基にして、加重平
均処理するので、アイドル補正噴射量と実相当噴射量と
の偏差の客観的な正確性が増す。
【0026】第5の発明では、アイドル補正噴射量と実
相当噴射量の偏差に予め定められた補正値を乗じて噴射
量誤差を求めるので、噴射量信号の演算特性の安定性が
高められる。
【0027】第6の発明では、学習許可判定手段が学習
不許可のときは、それまでに学習された噴射量誤差に基
づいて噴射量誤差を算出するので、最新の情報が無くて
も、前回の情報に基づいて噴射量信号が求められ、信頼
性が維持される。
【0028】第7の発明において、学習許可が、エンジ
ン回転がアイドル状態の無負荷で安定しているときにの
み行われるので、外乱による誤差の影響をそれだけ小さ
くして、制御の安定性を高められる。
【0029】第8の発明において、スタータスイッチ、
イグニッションスイッチ、パワステスイッチ、電気負荷
スイッチ、ニュートラルスイッチ、エアコンスイッチ
や、燃料温度、エンジン冷却水温、車速、電源電圧、エ
ンジン回転数センサなどからの入力に応じてアイドル実
相当噴射量を求めることにより、それだけ正確に噴射量
を予測することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面に基づいて説明する。
【0031】まず、図26にディーゼルエンジンの燃料
噴射システムを示す。
【0032】図26において、エンジン回転に同期して
回転駆動される燃料噴射ポンプ1の入力軸6aには、燃
料を予圧するフィードポンプ6が取付けられ、さらに同
軸上には入力軸6aと同一的に回転すると共に、軸方向
に往復運動するように連結されたプランジャ2が配置さ
れる。
【0033】フィードポンプ6はポンプ室7に加圧した
燃料を送り出し、かつ余剰燃料は図示しない燃料タンク
へと還流され、ポンプ室7の圧力を一定に維持する。
【0034】プランジャ2には気筒数に対応したカム山
をもつフェイスカム2aが同軸に設けられ、フェイスカ
ム2aがローラ8aに乗り上げる毎にプランジャ2が軸
方向に往復運動する。例えば6気筒エンジンならば、入
力軸6aが1回転すると、この間にフェイスカム2aが
6回だけローラ8aに乗り上げ、プランジャ2が6回往
復運動する。プランジャ2が往復運動すると、その都
度、プランジャ室2bに燃料を吸込み、加圧する。な
お、2kはフェイスカム2aに対抗してプランジャ2を
押し戻すリタンースプリングである。
【0035】プランジャ2の伸び出し行程において、プ
ランジャ室2bには、前記ポンプ室7からの燃料が、燃
料停止弁10及びプランジャ2に設けたスリット2jを
経由して吸入される。
【0036】これに対して、プランジャ2の圧縮行程で
プランジャ室2bの加圧燃料を燃料噴射ノズルに圧送す
るため、プランジャ2の軸心に沿って、プランジャ室2
bと連通する連通路2cが形成され、この連通路2cは
途中において半径方向に分岐する高圧通路2dをもち、
またその先端部において同じく半径方向に貫通する放出
通路2eが形成される。
【0037】プランジャ2の回転位置に応じて高圧通路
2dと選択的に接続するように、プランジャ2の周囲の
シリンダ2fの内周には、エンジン気筒数に対応した数
のポート2gが均等に配置され、各ポート2gにはそれ
ぞれデリバリバルブ2h(1つだけしか図示していな
い)が接続し、このデリバリバルブ2hから図示しない
燃料噴射ノズルへと燃料が圧送される。
【0038】プランジャ2は1回転する度に6回往復
し、その都度吸入した燃料を加圧するが、加圧燃料が連
通路2cから高圧通路2dに押し込まれ、このときプラ
ンジャ2の回転位置により連通するポート2gに加圧燃
料が送り込まれ、対応するデリバリバルブ2hを介して
燃料噴射ノズルに燃料が圧送される。
【0039】一方、プランジャ2の外周にはコントロー
ルスリーブ3が摺動自在に嵌合し、通常は前記放出通路
2eを被覆して閉じているが、プランジャ2の圧縮方向
への移動により、やがて放出通路2eを解放する。これ
により、プランジャ室2bの圧力が解放され、デリバリ
バルブ2hから燃料噴射ノズル11への燃料の圧送が終
了する。
【0040】したがって、燃料噴射ノズルに送り込まれ
る燃料量は、コントロールスリーブ3の位置により変化
し、プランジャ2の圧縮方向への移動時に、早期に放出
通路2eを解放すれば、燃料噴射量は少なく、逆に放出
通路2eの解放時期が遅くなると、燃料噴射量は多くな
る。
【0041】この燃料噴射量を制御するため、コントロ
ールスリーブ3の位置を自由に変化させるロータリソレ
ノイド4が設けられ、このロータリソレノイド4にはコ
ントローラ18からの燃料の噴射信号が供給され、これ
に応じてコントロールスリーブ3の位置を変える。な
お、コントロールスリーブ3の位置は位置センサ5によ
って検出され、コントローラ18にフィードバックされ
る。
【0042】次に、前記したフェイスカム2aが乗り上
げるローラ8aは、タイマピストン8によって、そのフ
ェイスカム2aの円周方向の位置が制御される。なお、
図示したタイマピストン8は、説明の便宜上、実際の位
置から90度だけ回転させてある。タイマピストン8の
両側には、低圧室8bと高圧室8cとが設けられ、高圧
室8cの圧力は、コントロールバルブ9によって高圧燃
料の一部を低圧室8bに逃がす量を制御することにより
調整され、これによってタイマピストン8の位置が変化
する。
【0043】タイマピストン8の位置が変化し、フェイ
スカム2aの回転方向にローラ8aの位置を進めると、
フェイスカム2aがローラ8aに乗り上げる位置が相対
的に遅れ、プランジャ2による燃料の加圧開始時期、つ
まり燃料の噴射時期が遅くなり、逆にフェイスカム2a
の回転と反対方向にローラ8aの位置を遅らせると、プ
ランジャ2による加圧開始時期が早まり、燃料噴射時期
が早くなる。
【0044】前記したコントローラ18からの信号によ
り、運転状態に応じてコントロールバルブ9の作動が制
御され、タイマピストン8の位置が調整され、燃料噴射
時期が進角、遅角制御される。
【0045】コントローラ18には、燃料噴射ノズル1
1の開弁時期及びリフト量を検出するノズルリフトセン
サ12と、燃料噴射ポンプ1に供給される燃料温度を検
出する燃料温度センサ15と、エンジン冷却水温を検出
する冷却水温センサ13と、アクセル開度を検出するア
クセル開度センサ16と、ポンプ回転数を検出する回転
数センサ14などからの信号が入力し、これらに基づい
て燃料噴射量、噴射時期の制御信号を演算し、出力す
る。
【0046】そして、本発明では、このコントローラ1
8によって制御される燃料噴射量について、運転状態に
応じて決まる目標噴射量と、この目標噴射量信号に基づ
いて実際に噴射される噴射量とが一致するように、この
目標噴射量を以下のようにして修正する。
【0047】図1において、101はエンジン回転数や
アクセル開度(負荷)などを含む運転状態を検知する手
段であり、102はこれらの各出力から基本となる燃料
噴射量を演算する手段である。また、103はアイドル
スイッチなどの出力からアイドル運転状態を判定する手
段、104は例えばスタータスイッチ、イグニッション
スイッチ、パワステスイッチ、電気負荷信号、ニュート
ラルスイッチ、エアコンスイッチや、燃料温度、エンジ
ン冷却水温、車速、電源電圧、エンジン回転数センサか
らの各種パラメータを入力する手段である。
【0048】105は各種パラメータ入力手段104の
出力に基づいて、さまざまな条件下において、アイドル
運転時に目標回転数を維持するため、実際に噴射してい
ると予想される噴射量を演算する実相当噴射量の演算手
段である。106は上記した燃料噴射量演算手段10
2、アイドル状態判定手段103,各種パラメータ入力
手段104からの信号に基づいてアイドル運転時に目標
回転数と一致するように噴射量を補正する手段である。
また、107はアイドル状態判定手段103と各種パラ
メータ入力手段104の出力に基づいて、後述するよう
に、アイドル運転状態での特定の条件においてのみ燃料
噴射量誤差の学習を行うべく、学習の許可判定を行う手
段である。
【0049】そして、108は実相当噴射量の演算手段
105と、アイドル燃料補正手段106と、学習許可判
定手段107との出力に基づいて、学習が許可された運
転状態において、補正されたアイドル燃料噴射量と予測
される実相当噴射量との偏差から燃料噴射量の誤差を演
算する誤差演算手段である。
【0050】この場合、例えばエアコンの作動している
ときは、非作動時に比較して、アイドル回転数を目標回
転数に維持するのに必要な燃料噴射量は大きくなり、こ
れと同じく、実相当噴射量も入力パラメータにより変化
し、エアコン作動時には非作動時に比較して大きくな
る。したがって、これら噴射量の偏差は、エアコン負荷
等の影響を除いた噴射量の誤差分に相当する。
【0051】109は燃料噴射量演算手段106と噴射
量誤差演算手段108の出力から、燃料噴射量を噴射量
誤差に基づいて修正し、目標噴射量を設定する噴射量演
算手段である。
【0052】そして、この目標噴射量を基本噴射量に対
して所定の範囲に収まるように最終噴射量設定手段11
0において調整し、この最終的に決められた目標噴射量
にしたがって燃料噴射手段111によって燃料噴射量を
制御する。
【0053】ここで、これら制御内容について、以下の
フローチャートにしたがって、さらに詳しく説明する。
【0054】図2は燃料噴射ポンプに対して出力される
最終的な燃料噴射量を演算するフローであり、エンジン
回転に同期したタイミングで処理が行われる(Ref同
期演算)。
【0055】ステップ1で基本となる燃料噴射量を演算
する(後に図3によって詳しく説明する)。ステップ2
では、この燃料噴射量に対しての最大噴射量の制限を行
う(図8によって詳しく説明する)。ステップ3では燃
料噴射量の誤差を学習するかどうかの許可判定を行う。
この学習許可については、後述する図13で説明する。
ステップ4では学習が許可されたときに燃料噴射量の誤
差を後述するようにして演算する(後で図15〜図19
にしたがって説明する)。
【0056】そして、ステップ5では前記した最大噴射
量を規制された燃料噴射量と、この噴射量誤差とから補
正噴射量を演算する(図23によって詳しく説明す
る)。
【0057】ステップ6では、これらに基づいて最終的
に燃料噴射ポンプに出力する燃料噴射量を演算する(詳
しくは、図24によって説明する)。
【0058】このようにして、燃料噴射量の誤差を修正
した噴射量を求め、燃料噴射ポンプの制御信号として出
力するのであるが、各々については後で詳しく説明す
る。
【0059】図3は基本燃料噴射量を演算するフローで
あり、エンジン回転に同期したタイミングで処理が行わ
れる(Ref同期演算)。
【0060】ステップ1、2でエンジン回転数Neとア
クセル開度Clを読み込み、ステップ3では、これらN
eとClに基づいて、図4に示すようなマップから燃料
噴射量を設定し、これをMqdrvとする。ステップ4
ではこの燃料噴射量Mqdrvについてエンジン冷却水
温等による増量補正を行い、基本燃料噴射量Qsol1
とする。そして、ステップ5ではアイドル状態を判定す
るスイッチ、例えばアクセルの全閉位置を検出するスイ
ッチの出力に基づいてアイドル状態を判定する。アイド
ル状態であるときは、ステップ6に進み、エンジン回転
数Neがアイドル状態での目標回転数Nsetとなるよ
うに燃料噴射量を補正し、この補正後の値をQsol2
とする。
【0061】なお、目標アイドル回転数Nsetの設定
については、図5で説明する。
【0062】これに対して、アイドル状態に無いとき
は、そのままQsol1をQsol2として処理を終了
する。
【0063】図5はアイドル運転状態において、目標ア
イドル回転数Nsetを設定するフローである(Ref
同期演算)。
【0064】ステップ1で水温Twnを読み込み、ステ
ップ2では、図6のようなテーブルから、Twnに基づ
いて目標アイドル回転数Nsetを設定し(水温が低い
ほど目標回転数は高くなる)、処理を終了する。
【0065】次ぎに図7は、上記した基本噴射量を許容
最大噴射量との関係に基づいて規制するためのフローで
ある(Ref同期演算)。
【0066】ステップ1で目標噴射量Qsol2と、図
8に示すようにして求める最大噴射量Qfulを比較
し、Qsol2が大きいときにはステップ2に進み、燃
料噴射量QsolにQfulを用い、これに対してQs
olが小さいときには、ステップ3に進み、そのままQ
solにQsol2を設定し、処理を終了する。
【0067】図8は最終的な最大燃料噴射量Qfulを
演算するためのフローである(Ref同期演算)。
【0068】ステップ1でエンジン回転数Neを読み込
み、ステップ2ではこのNeに基づいて、例えば図9に
示すようなテーブルから、限界空気過剰率Klambを
設定する。ステップ3では後述(図12参照)するよう
にして求めた1シリンダ当たりの吸入空気量Qacを読
み込み、ステップ4でこれらQac、Klambを用い
て、最大噴射量を次式のようにして算出する。
【0069】 Qful=(Qac/Klamb)/14.7 このようにしてQfulを演算したら処理を終了する。
【0070】図10は吸入空気量を演算するためのフロ
ーである。
【0071】ステップ1でエアフローメータの出力電圧
Usを読み込み、ステップ2で図11に示すような、電
圧流量変換テーブルから、このUsに基づいて、吸入空
気量Qas0_dに変換する。さらに、ステップ3でこ
のQas0_dの加重平均処理を行い、Qas0を求
め、処理を終了する。なお、この処理は、例えば4ms
ecJOB等の所定時間間隔で実行する。
【0072】図12はこの吸入空気量に基づいてシリン
ダに流入する空気量を演算するフローである。(Ref
同期演算)。
【0073】ステップ1ではエンジン回転数Neを読み
込み、ステップ2では前記した空気量Qas0とNeと
から、次式のようにして、1吸気行程当たりの吸入空気
量Qac0に変換する。
【0074】Qac0=(Qas0/Ne)×KC
ただし、KCは定数 ステップ3ではエアフローメータ(吸入空気量計測手
段)から吸気コレクタまでの輸送遅れ分のディレイ処理
を、Qac=Qac0n-Lとして行う。ただしLは定
数。そして、ステップ4では、次式のようにして、コレ
クタ内でのダイナミクス相当の遅れ処理を行い、1シリ
ンダ当たりの吸入空気量Qacを算出するのである。
【0075】 Qac=Qacn-1×(1−KV)+Qacn×KV
ただし、KVは定数 このようにして、処理を行い終了する。
【0076】次に図13から図22によって、燃料噴射
量の誤差の演算、学習について説明する。
【0077】まず、図13、図14は燃料噴射量の誤差
を学習することを許可するかどうかを判定するためのフ
ローである(Ref同期演算)。
【0078】この許可判定は、次のようにしてアイドル
回転時における種々の条件を検出して行われるもので、
まず、ステップ1でエンジンのスタートスイッチSTS
Wがオンかどうか判断し、オン(始動中)のときはステ
ップ16に進み、学習許可カウンタCtrlrnを所定
値TMRLRN#に設定する。これに対して、オンでな
いときは、ステップ2に進み、イグニッションスイッチ
IGNSWがオンかどうか判断する。オフ(エンジン停
止)のときは、上記したステップ16に進むが、オンの
ときは、ステップ3でアイドルスイッチIDLESWが
オンかどうかを判断する。
【0079】アイドルスイッチオンのときは、ステップ
4に進んで車速VSPがゼロかどうか判断するが、否の
ときは上記と同じくステップ16に進む。車速がゼロの
ときは(車両停車状態)、ステップ5に進み、エンジン
回転数Neが、アイドル目標回転Nsetに所定値NL
RNH#を加えた値よりも小さいかどうかを判断する。
もし、回転数が低いときは、ステップ6に進むが、否の
ときはステップ16に移行する。
【0080】ステップ6においては、エンジン回転数N
eをアイドル目標回転Nsetから所定値NLRNL#
を引いた値よりも大きいかどうか判断する。回転数がこ
れよりも高いときは、ステップ7に進むが、そうでない
ときは、ステップ16に移行する。
【0081】このようにして、アイドル回転数が、目標
アイドル回転数を基準にして所定の範囲内にあるときは
ステップ7に進む。
【0082】ステップ7では電源電圧Vbを所定値VB
LRN#と比較し、電源電圧が所定値以上のときは、ス
テップ8に進み、否のときはステップ16に移行する。
【0083】ステップ8ではエンジン冷却水温Twを所
定値TWLRNH#と比較し、所定値よりも低いとき
は、ステップ9に進むが、そうでないときはステップ1
6に移行する。ステップ9では冷却水温Twを、前記し
たTWLRNH#よりも低い所定値TWLRNL#と比
較し、これよりも高いとき、つまりエンジン冷却水温が
所定の範囲にあるときはステップ10に進むが、そうで
ないときはステップ16に移る。
【0084】ステップ10では燃料温度Tfnを所定値
TFLRNH#と比較し、もしこれより低いときはステ
ップ11に進むが、高いときはステップ16に移行す
る。
【0085】ステップ11では、燃料温度Tfnを、前
記TFLRNH#よりは低い所定値TFLRNL#と比
較し、これよりも高いとき、つまり、燃料温度が所定の
範囲にあるときは、ステップ12に進むが、そうでない
ときは、やはりステップ16に移行する。
【0086】ステップ12で電源電圧VbがVBQLL
#よりも高いことを確認したら、ステップ13に進み、
パワステスイッチPWSTSWがオンかどうか判断し、
オフのとき、つまりパワーステアリングが非作動のとき
は、ステップ14に進み、ここで電気負荷、例えばヘッ
ドライトやディフォッガ等がオフのときにステップ15
に進むが、ステップ13、14において、補機等を含む
負荷があるときは、ステップ16に移行する。
【0087】そして、アイドル回転中であって、補機な
どの負荷が無い状態では、ステップ15において、学習
許可状態カウンタCtrlrnをデクリメントし、つま
りCtrlrn=Ctrlrn−1とし、ステップ17
でカウンタCtrlrnがゼロよりも大きいかどうかを
判断する。もし、ゼロならば、ステップ18に進んで学
習許可フラグをセット、すなわち、Flgqln=1と
するが、ゼロよりも大きいときは、ステップ19に進
み、学習許可フラグをクリアし、Flgqln=0にし
て処理を終了する。
【0088】このようにして、エンジンが適正な範囲の
アイドル回転中であって、後述するようにニュートラル
スイッチ、エアコンスイッチを除く、補機等の負荷がか
からない状態にあり、かつこの状態が所定時間継続した
ときに学習許可フラグがセットされ、燃料噴射量の誤差
学習が許可される。
【0089】図15は燃料噴射量の誤差を演算するため
の基本フローである(Ref同期演算)。
【0090】まず、ステップ1では、後で詳しく説明す
る学習値反映ゲインGlqfhを演算する(図16参
照)。ステップ2で前記した学習許可フラグFlgql
nの状態を見て、フラグFlgqln=1ならば、ステ
ップ3に進む、クリアされていたらステップ5に移行す
る。
【0091】学習が許可されているときは、ステップ3
でアイドル状態において目標回転数を維持するのに必要
な、実際に供給していると考えられる燃料噴射量Qso
libを演算する(図18で詳しく説明する)。さらに
ステップ4では図19に示すようにして、噴射量誤差D
qsol¥を演算し、学習する。
【0092】そして、ステップ5で噴射量誤差Dqso
llを、Dqsoll=Dqsol¥×Glqfhとし
て算出する。
【0093】なお、学習が許可されていないときは、ス
テップ2からステップ5に進み、前回の学習値であるD
qsol¥を用いて、噴射量誤差Dqsollを演算す
ることになる。
【0094】図16は演算された噴射量誤差を安定させ
るための学習値反映ゲインGlqfhを演算するための
フローである(Ref同期演算)。
【0095】ステップ1ではアイドルスイッチIDLE
SWがオンかどうか判断し、否ならばステップ4に移行
するが、オンのときはステップ2で車速VSPがゼロか
どうか判定する。もし車速がゼロでないときは、ステッ
プ4に移るが、ゼロのときはステップ3で学習反映ゲイ
ンGlqfh=1.0として処理を終了する。
【0096】車速ゼロでないときは、ステップ4で、例
えば図17に示すような学習値反映ゲインマップによ
り、エンジン回転数Neと噴射量Qsolとから、学習
値反映ゲインGlqfhを読み込み、処理を終了する。
【0097】なお、学習値反映ゲインGlqfhは、運
転条件がアイドル状態に近いほど1.0に近づき、高負
荷、高回転域になるほど小さくなり、噴射量誤差を小さ
く評価する。
【0098】次ぎに図18は、アイドル運転状態で実際
に噴射している想定される実相当噴射量Qsolibを
演算するためのフローである(Ref同期演算)。
【0099】ステップ1では変速機のニュートラルスイ
ッチNeutSWがオンかどうか判断し、オンでニュー
トラル状態ならばステップ2に進み、オフならばステッ
プ5に進む。
【0100】ステップ2ではエアコンスイッチA/CS
Wがオンかどうか判断し、オフならばステップ3に進ん
で、噴射量Qsolib=QSOLL0#とし、またオ
ンならばQsolib=QSOLL1#とする。
【0101】一方、ステップ5ではエアコンスイッチが
オンかどうかを見て、オフならばステップ6に進み、噴
射量Qsolib=QSOLL2#とし、オンならばス
テップ7に進んでQsolib=QSOLL3#とし、
処理を終了する。
【0102】噴射量Qsolibは、ニュートラルでな
いときの方が相対的に大きく、またエアコンスイッチが
オンのときの方が相対的に大きくなる。
【0103】なお、これらの噴射量は、アイドル回転数
を目標回転数に維持するために必要な、予め設計等によ
り想定されたアイドル運転状態での予想噴射量であり、
補機負荷等が増えればそれだけ噴射量は増加する。
【0104】ところで、前記した図13、図14の学習
許可の判定条件からは、ニュートラルスイッチとエアコ
ンスイッチからの信号は除外されており、したがって、
学習が許可されたアイドル状態において、この例では4
つの条件について、それぞれ実相当噴射量が設定される
ことになる。そして、後述するように、噴射量誤差の学
習は、制御の安定性、信頼性を高めるために、これら4
つの条件ついて行われたものの荷重平均がとられるよう
になっている。
【0105】なお、この例では、ニュートラルスイッチ
とエアコンスイッチとから条件を判定し、実相当噴射量
を算出しているが、この他に、例えばパワステスイッ
チ、電気負荷信号、ニュートラルスイッチ、エアコンス
イッチや、燃料温度、エンジン冷却水温、電源電圧、エ
ンジン回転数センサ等に基づいて、各条件下においてそ
れぞれ予想されるアイドル運転状態での実相当噴射量
を、同じようにして設定することができ、条件が増える
ほど、学習精度の安定性が高まる。
【0106】ただし、これら入力パラメータが変わると
きは、学習許可条件もそれぞれ相違し、実相当噴射量の
入力条件に入ったものについては、学習条件から除外さ
れることになる。
【0107】そして、図19は基本燃料噴射量と実相当
噴射量とに基づいて、噴射量誤差学習値Dqsol¥を
演算するためのフローである(Ref同期演算)。
【0108】まず、ステップ1では生産時からのエンジ
ン回転の積分値SNeから加重平均時定数補正係数(回
転積分重み補正係数)Klsneを、図20のようなテ
ーブルに基づいて設定する。
【0109】なお、このテーブル特性はエンジン初期作
動時の不安定な状態での学習ゲインを小さくし、経時的
にエンジンの作動が安定してきた状態では、補正係数が
1.0(補正無し)になる。
【0110】ステップ2では生産時からの走行距離SV
spから加重平均時定数補正係数(走行距離重み補正係
数)KLsvspを、例えば図21のようなテーブルか
ら設定する。このテーブル特性についても、エンジン初
期作動時の不安定要素を取り除くためのもので、走行距
離に応じて補正係数が1.0に近づく。
【0111】ステップ3ではエンジン生産時からの作動
時間SSttmからの加重平均時定数補正係数(経過時
間重み補正係数)Klsstを、図22のようなテーブ
ルから設定する。この場合にも、エンジン初期作動時の
不安定な状態での学習ゲインが小さくなるように設定し
てある。
【0112】なお、これら各重み補正係数Klsne、
KLsvsp、Klsstについては、必ずしも全部で
なく、少なくとも一つ求めればよい。
【0113】次ぎにステップ4でニュートラルスイッチ
NeutSWがオンかどうか判断し、オンならばステッ
プ5に、またオフならばステップ8に進み、それぞれに
おいて、エアコンスイッチA/CSWがオンかどうか判
断する。
【0114】ステップ5において、エアコンスイッチが
オンならばステップ6に進み、加重平均時定数相当基本
値KlconをKLC0#とし、オフならばステップ7
に進んでKlconをKLC1#にする。また、ステッ
プ8において、エアコンスイッチがオンのときは、ステ
ップ9に進み、加重平均時定数相当基本値Klconを
KLC2#にとし、オフのときはステップ10に進ん
で、KlconをKLC3#にする。
【0115】このようにして補機負荷等の条件によっ
て、学習ゲインを調整し、条件が相違したときの学習誤
差の影響を小さくする。
【0116】そして、ステップ11で、この加重平均時
定数相当基本値Klconと、上記した重み補正係数K
lsne、KLsvsp、Klsstとから、加重平均
時定数相当値Klcを、Klc=Klcon×Klsn
e×KLsvsp×Klsstとして演算する。ステッ
プ12では、このKlcを0以上1以下の値となるよう
に制限、つまりこの範囲を越えるときには、最小値で
0、最大値で1となるように制限する。
【0117】ステップ13では基本燃料噴射量Qsol
2と、実相当噴射量Qsolibとの差をとり、その偏
差をDqsol0とする。すなわち、Dqsol0=Q
sol2−Qsolibとする。
【0118】つまり、所定のアイドル運転状態におい
て、目標回転数を維持するのに必要な燃料噴射量と、そ
のときの実相当噴射量とから、燃料噴射量のずれ分Dq
sol0を算出するのである。
【0119】そして、ステップ14では噴射量誤差学習
値Dqsol¥を、これらずれ分Dqsol0と荷重平
均時定数相当値Klcとを用いて加重平均処理を行って
求める。つまり、Dqsol¥=Dqsol¥n−1×
(1−Klc)+Dqsol0×Klcとして演算す
る。
【0120】このようにして、学習が許可された所定の
アイドル運転状態において、そのときの目標アイドル回
転数を維持するために補正された燃料噴射量と、補機負
荷等に応じて設定された実相当噴射量との偏差に基づい
て、燃料噴射量の偏差が求められ、これに補正値が乗算
され、さらに加重平均されることにより、燃料噴射量誤
差の学習値が求められるのである。
【0121】図23は上記のようにして求めた噴射量誤
差の学習値に基づいて修正した噴射量を演算するフロー
である(Ref同期演算)。
【0122】ステップ1で基本燃料噴射量Qsol2
と、誤差学習値dqsol1を読み込む。ステップ2で
は学習値により次のようにして基本噴射量を修正する。
すなわち、修正噴射量Qsolhを、Qsolh=Qs
ol2+Dqsol1として算出する。
【0123】図24は最終的に燃料噴射ポンプに出力す
る噴射量Qsolfを演算するフローである(Ref同
期演算)。
【0124】ここでは、修正された噴射量が基本噴射量
に対して所定の範囲となるように規制し、燃料噴射量の
過剰修正を回避している。
【0125】ステップ1では、基本噴射量Qsol2に
1.0以下の大きさの所定のゲインKQSOLM#を乗
じた下限値と、修正された噴射量Qsolhとを比較
し、もしQsolhが下限値よりも大きいときはステッ
プ2に進み、小さいときはステップ5に進む。
【0126】ステップ2では、基本噴射量Qsol2に
1.0以上の大きさの所定のゲインKQSOLP#を乗
じた上限値と、修正された噴射量Qsolhとを比較
し、もし上限値よりも小さいときはステップ3に進み、
燃料噴射ポンプに出力するための最終噴射量Qsolf
として、そのままQsolhを設定する。
【0127】これに対して、修正噴射量Qsolhが、
ステップ1において下限値よりも小さいと判断されたと
きは、ステップ5において、Qsolf=Qsol2×
KQSOLM#として最終噴射量を下限値と同じに設定
する。
【0128】また、ステップ2において、修正噴射量Q
solhが上限値よりも大きいときは、Qsolf=Q
sol2×KQSOLP#として最終噴射量を上限値と
同じ値とする。
【0129】なお、図25は、このようにして求めた燃
料噴射量Qsolfから、実際に噴射量を制御する出力
信号に変換するためのマップで、Qsolfが大きくな
るほど出力信号(電圧)Uαsolは大きくなる。
【0130】次に全体的な作用について説明する。
【0131】一般に、エンジンの生産バラツキ、燃料噴
射ポンプや燃料噴射ノズルの生産バラツキ、あるいはこ
れらの経時劣化等があるため、制御目標とする燃料噴射
量に対して実際の燃料噴射量との間には誤差が生じる。
【0132】この噴射量誤差が大きいときは、運転状態
に応じて最適な燃料噴射量とはならず、例えばエンジン
高負荷域などで、実際の噴射量が目標噴射量よりも過大
のときは、大量にスモークが発生したり、あるいは噴射
量が少なければ、加速時などエンジン出力が不足したり
する。減速時の燃料カット、リカバー時にもバラツキが
出て、場合によってはリカバー時の燃料が不足し、エン
ストを起こすこともある。
【0133】本発明では目標噴射量を実際の噴射量と一
致させるために、次のようにして目標噴射量が演算され
る。
【0134】アイドル運転状態において、基本的な燃料
噴射量が設定され、燃料噴射ポンプより各気筒の燃料噴
射ノズルに燃料が圧送され、噴射される。このときアイ
ドル回転数を一定に維持するため、エンジン回転数が検
出され、この検出した回転数が目標とする一定回転数と
一致するように、燃料噴射量が補正される。
【0135】この場合、アイドル回転数を一定に維持す
るために演算された目標燃料噴射量と実際に供給される
噴射量とが一致していれば、補正量はゼロとなるはずだ
が、誤差があればそれに対応して補正量が算出される。
ただし、補機負荷等があれば、この補機負荷に応じて燃
料を増量しないとアイドル回転数を一定に維持できな
い。このため、燃料噴射量の補正分には実際の噴射量と
のずれ分に補機負荷等の変化分が含まれてくる。
【0136】したがって、アイドル回転数を目標回転数
とするために演算された燃料噴射量と実際の燃料噴射量
との誤差は、単純に補正量だけからは判断できない。
【0137】そこで、アイドル状態における各種パラメ
ータ、例えばニュートラルスイッチ、エアコンスイッ
チ、パワステスイッチ、電気負荷信号、冷却水温、燃料
温度などに基づいて、これらの入力条件下において、一
定のアイドル回転数を維持するのに必要な、実際の燃料
噴射量に相当する実相当噴射量を求める。これは、補機
負荷等があったときに、それぞれの場合においてアイド
ル回転数を一定に維持するのに必要な噴射量を予測した
ものである。
【0138】パワステスイッチやエアコンスイッチが入
っている状態では、エンジンに負荷がかかり、アイドル
回転数を一定に維持するのに必要な燃料噴射量は相対的
に増加する。したがって、これらに応じて求めた実相当
噴射量は、それだけ実際の燃料噴射量に近くなる。
【0139】次に、このアイドル条件下において、実際
のアイドル回転数を一定に維持するために補正した燃料
噴射量と、この実相当噴射量との偏差に基づいて、噴射
量の誤差を演算する。実相当噴射量はそのときの補機負
荷等の条件によって異なった値となり、したがって、補
正後の噴射量からこの実相当噴射量を差し引いたもの
は、補機負荷分等を含まない噴射量誤差分にのみ相当し
たものとなる。
【0140】一般にこの噴射量の誤差分はエンジン、燃
料噴射ポンプや燃料噴射ノズルの生産バラツキ、あるい
は経時劣化等、さまざまな原因によって生じる。
【0141】したがって、このようにして噴射量誤差を
求め、これと基本噴射量とから目標とする噴射量を算出
すると、この目標噴射量は正確に実際の噴射量と一致す
るため、この目標噴射量に基づいて燃料噴射量を制御す
れば、エンジンの運転状態に応じて最適な燃料噴射量が
得られる。
【0142】これにより、燃料噴射量の誤差に基づくス
モークやパティキュレートの増大が防止され、また燃料
カット後のリカバー時の運転性が改善される。
【0143】ところで、燃料噴射量の誤差分の演算につ
いては、一定の学習条件が成立した状態で行っている
が、この学習許可条件として、エンジンの補機負荷や電
気負荷などが少なく、また、エンジン冷却水温や燃料温
度、あるいは電源電圧等が所定の範囲にあり、かつこれ
らが所定の時間にわたり継続しているときを選ぶことに
より、エラーの少ない安定した状態のもとで学習が行え
る。
【0144】また一方、いくつかの入力パラメータ、例
えばニュートラルスイッチとエアコンスイッチとを条件
にして、各条件下において場合分けし、それぞれ求めた
実相当噴射量との比較して噴射量の誤差を求め、かつそ
の荷重平均値として最終的な噴射量誤差を演算し、学習
しているので、学習値のバラツキが小さく、信頼性が高
められる。さらにこの学習にあたり、エンジンの回転数
の積算値、走行距離、生産後の経過時間などを補正値と
して取り込んでいるので、経時劣化による変動分を加味
され、学習値の安定性や信頼性がそれだけ高まる。
【0145】さらに、この学習値との関係で最終的な燃
料噴射量を求めるにあたり、基本燃料噴射量に対して所
定の範囲内に収まるように規制するので、噴射量の修正
が過剰に行われることがなく、制御の安定性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】最終燃料噴射量を演算するためのフローチャー
ト。
【図3】基本燃料噴射量を演算するためのフローチャー
ト。
【図4】基本燃料噴射量特性を示す特性図。
【図5】目標アイドル回転数を設定するためのフローチ
ャート。
【図6】目標アイドル回転数の特性図。
【図7】最大燃料噴射量を規制するためのフローチャー
ト。
【図8】最大燃料噴射量を設定するためのフローチャー
ト。
【図9】限界空気過剰率を設定した特性図。
【図10】吸入空気量を検知するためのフローチャー
ト。
【図11】吸入空気量の電圧変換特性図。
【図12】シリンダ吸入空気量を演算するためのフロー
チャート。
【図13】燃料噴射量誤差の学習許可を判定するための
フローチャート。
【図14】同じくフローチャート。
【図15】燃料噴射量誤差を演算するためのフローチャ
ート。
【図16】学習値反映ゲインを演算するためのフローチ
ャート。
【図17】学習値反映ゲインの特性図。
【図18】実相当噴射量を演算するためのフローチャー
ト。
【図19】誤差学習値を演算するためのフローチャー
ト。
【図20】学習重み係数の特性図。
【図21】同じく特性図。
【図22】同じく特性図。
【図23】燃料補正噴射量を演算するフローチャート。
【図24】最終噴射量を演算するフローチャート。
【図25】噴射量と電圧変換特性を設定した特性図。
【図26】本発明の実施形態の燃料噴射ポンプの概略構
成図。
【符号の説明】
102 燃料噴射量演算手段 103 アイドル状態判定手段 104 各種パラメータの検出手段 105 実相当噴射量演算手段 106 アイドル燃料噴射量補正手段 107 学習許可判定手段 108 噴射量誤差の演算学習手段 109 目標燃料噴射量の演算手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン運転状態を検出する手段と、 エンジン運転状態に基づいて燃料噴射量を演算する手段
    と、 エンジンのアイドル状態を判定する手段と、 アイドル状態での各種パラメータを検出する手段と、 アイドル状態でエンジン回転数が目標回転数となるよう
    にアイドル燃料噴射量を補正する手段と、 前記検出した各種パラメータに応じてアイドル状態での
    目標回転数を維持するのに必要な燃料噴射量に相当する
    実相当噴射量を演算する手段と、 アイドル状態において所定の条件が成立したときに燃料
    噴射量誤差の学習許可を判定する手段と、 学習の許可時に前記アイドル補正噴射量と実相当噴射量
    の偏差から噴射量誤差を演算し学習する手段と、 前記燃料噴射量を噴射量誤差に基づいて修正して目標噴
    射量とする噴射量修正手段とを備えることを特徴とする
    内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】前記噴射量修正手段は、前記燃料噴射量に
    1.0よりも大きい所定のゲインと、1.0よりも小さ
    い所定のゲインを乗じて上限値と下限値を設定し、前記
    目標噴射量がこれら上限、下限値の範囲内となるように
    制限する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】前記燃料噴射量修正手段は、許容最大噴射
    量との関係から目標噴射量の最大値を制限する請求項1
    または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記噴射量誤差の演算学習手段が、エンジ
    ン回転数の積算値、走行距離、経過時間に関連する重み
    係数のうち少なくとも一つを用いて、前記アイドル補正
    噴射量と実相当噴射量との偏差を加重平均処理する請求
    項1〜3のいずれか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 【請求項5】前記噴射量誤差の演算学習手段は、アイド
    ル補正噴射量と実相当噴射量の偏差に予め定められた補
    正値を乗じて噴射量誤差を演算する請求項1〜4のいず
    れか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】前記噴射量誤差の演算学習手段は、前記学
    習許可判定手段が学習不許可のときは、それまでに学習
    された噴射量誤差に予め定められた補正値を乗じて噴射
    量誤差とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の内燃
    機関の制御装置。
  7. 【請求項7】前記学習許可の判定手段が、エンジンが所
    定の基準回転数範囲にあるアイドル状態であって、この
    状態が所定時間以上継続しているときに学習許可を判定
    する請求項1〜6のいずれか一つに記載の内燃機関の制
    御装置。
  8. 【請求項8】前記各種パラメータの検出手段が、スター
    タスイッチ、イグニッションスイッチ、パワステスイッ
    チ、電気負荷スイッチ、ニュートラルスイッチ、エアコ
    ンスイッチや、燃料温度、エンジン冷却水温、車速、電
    源電圧、エンジン回転数センサのうち、少なくとも一つ
    を備える請求項1〜7のいずれか一つに記載の内燃機関
    の制御装置。
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