JPH10287530A - 湿潤粘着性組成物、それを用いた貼付材及び当該貼付材の使用方法 - Google Patents

湿潤粘着性組成物、それを用いた貼付材及び当該貼付材の使用方法

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JPH10287530A
JPH10287530A JP9113406A JP11340697A JPH10287530A JP H10287530 A JPH10287530 A JP H10287530A JP 9113406 A JP9113406 A JP 9113406A JP 11340697 A JP11340697 A JP 11340697A JP H10287530 A JPH10287530 A JP H10287530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貼付部位に良好に粘着するとともに、乾燥が
速くてかつ乾燥後の機械的強度が高く、しかも剥離が容
易な、角栓除去に適した湿潤粘着性組成物並びに当該湿
潤粘着性組成物からなる貼付材を提供する。 【解決手段】 高分子量ポリマーであるポリビニルピロ
リドン又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体と、
低分子量ポリマーであるポリビニルピロリドン又はビニ
ルピロリドン・酢酸ビニル共重合体の混合物、グリセリ
ンなどのこれらと相溶性のある液状可塑剤、並びに二酸
化ケイ素などの充填剤とから湿潤粘着性組成物を構成
し、当該湿潤粘着剤組成物から貼付層を形成して本発明
に係る貼付材を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿潤粘着性組成
物、それを用いた貼付材及び当該貼付材の使用方法に関
する。具体的には、水又はメチルアルコールやエチルア
ルコールなどの親水性媒体によって湿潤されたり、濡ら
れたりすると粘着性を示す湿潤粘着性組成物及び当該湿
潤粘着性組成物を用いた貼付材に関する。さらには、当
該貼付材の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】病院等で使用される皮膚カバー材(ドレ
ッシングなどの皮膚に貼付される医療用材)は、皮膚へ
の良好な接着性を得るため、天然ゴム系やアクリル系等
の医療用接着剤が用いられていた。これらの医療用接着
剤は、皮膚に対して良好な接着性を示すように設計され
ているため、湿潤面に対する接着性は期待できない。ま
た、接着剤の透湿性を高くするために、接着剤中に吸水
性高分子を添加したり、微細な貫通孔を基材や接着剤層
に設けたりしているが、これら方法では湿潤面に対する
接着性を十分に確保することができない。
【0003】また、皮膚面に貼付して使用されるものと
して種々の化粧用パックがあるが、特にピールオフタイ
プの化粧用パックとしては、被膜形成剤を皮膚表面に塗
布し、一定時間経過乾燥させて、被膜を十分に形成させ
た後に皮膚から剥がすタイプのものが主流であり、これ
らの製品形態としてゼリー状のもの、ペースト状のもの
及び粉末状のものが知られている。しかしながら、これ
らの化粧用パックは、皮膚に塗布した後、被膜が形成さ
れるまでの放置時間、つまり乾燥に要する時間が長いと
いう問題があった。
【0004】一方、被膜形成剤を予めシート状に成形し
たシート状化粧用パックも知られており、例えば、貼付
前に水又は親水性媒体と接触させて湿潤状態または濡れ
状態とした後、貼付部位に貼り付けるか、貼付部位に予
め水または親水性媒体を塗布した後、貼り付けて使用さ
れるタイプのものがある。
【0005】このタイプの化粧用パックには、一般的に
各種の水溶性有機高分子材料を主成分とする湿潤粘着性
組成物が用いられており、この湿潤粘着性組成物は、水
又はメチルアルコールやエチルアルコールなどの親水性
媒体によって湿潤状態または濡れ状態とされて、粘着性
を示す。
【0006】ここにおいて、水溶性有機高分子が過大な
分子量を有する場合は、水又は親水性媒体を介しての粘
着性の発揮までに長時間を要する問題がある。一方、低
分子量の水溶性有機高分子は、水又は親水性媒体を介し
ての粘着性の発揮が速くて短時間内に粘着性を示す長所
がある反面、低分子量であるために乾燥状態での機械的
強度が低いので、上記組成物からなる乾燥した被膜の剥
離除去が困難であるのみならず、剥離時には剥離残渣を
生じる問題もあった。
【0007】さらに、被貼付面上の水又は親水性媒体の
量は、貼付部位や貼付までに要する時間によって様々で
あり、一定しない。そこで、どのような条件下でも安定
した貼付効果を得るために、一般的に上記組成物からな
る被膜の膜厚は、通常100〜300μmという比較的
厚膜に調整される。この結果、貼付後の被膜の乾燥に長
時間を要する。
【0008】上記問題点を解決するために、本願発明者
らは、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン・酢
酸ビニル共重合体系ポリマーからなる湿潤粘着性組成物
が、優れた効果を発揮できることを見出し、特許出願す
るに至っている(特願平8−213835号)。
【0009】しかしながら、この湿潤粘着性組成物を、
適度な大きさの分子量を有する単一のポリマー(分子量
2万〜120万)から主として構成させると、特に、角
栓除去材として用いる場合にあっては、皮膚にある角栓
の除去が効果的に行なえない場合が生じるという問題点
があった。また、貼付部位、特に、鼻部から剥離する際
の痛みが強すぎるといった使用上の不都合もあった。そ
こで、本発明者らはさらに研究を積み重ね、鋭意努力の
結果、上記問題点を解決するに至った。
【0010】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、水又は親水
性媒体によって粘着性を示して、貼付部位に良好に粘着
するとともに、乾燥が速くてかつ乾燥後の機械的強度が
高く、しかも剥離が容易な、角栓除去に適した湿潤粘着
性組成物及び貼付材並びに当該貼付材の使用方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の湿潤粘着性組成
物は、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビ
ニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA
成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填
剤を含有する湿潤粘着性組成物であって、前記A成分
は、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの混合物であ
ることを特徴としている。
【0012】本発明に用いられるポリビニルピロリドン
又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体は、
分子量70万以上の高分子量ポリマーと分子量70万未
満、特に20万以下の低分子量ポリマーとの混合物が用
いられる。ここで、本発明における分子量とは、重量平
均分子量を意味するものとする。
【0013】従来例の湿潤粘着性組成物にあっては平均
分子量がほぼ単一であるポリマーが使用されており、こ
のようなポリマーを使用した場合には、次のような欠点
があった。すなわち、使用するポリマーが高分子量、具
体的には分子量が70万以上である場合には、上述した
ような組成を有する湿潤粘着性組成物から得られる貼付
層は、貼り付けて乾燥した後の機械的強度が強く、いわ
ゆる糊残り(剥離残渣量)が少ないという利点がある
が、一方で水で濡らした場合には、シート状化粧用パッ
クとしての貼付層表面のポリマーが溶解するのに時間を
要し、あるいは溶解するよりむしろ、膨潤してしまい、
皮膚の毛穴に奥深く入り込んでいる角栓部分にまで十分
に到達しえない。この結果、角栓除去が十分に行なえな
いという問題を生じる。
【0014】一方、使用するポリマーが低分子量、つま
り分子量70万未満である場合には、貼付層表面のポリ
マーがすぐに溶解して、角栓部分にまで容易に達する点
では効果的である。しかし、用いた水又は親水性媒体を
含んだ貼付層表面が十分に乾燥するまでに時間を要する
という欠点がある。また、十分に乾燥させた状態にあっ
ても、貼付層中に水分等が残存してしまうため、ポリマ
ーの一部はドロドロとした溶解状態に近く、機械的強度
は低い。このため、剥離した際に糊残りを生じやすく、
その結果角栓除去が十分に行なえないという問題を生じ
る。また、糊残りを防ぐため、水分等を十分に蒸発させ
ようとすれば、長時間貼付なければならず、十分に乾燥
するまで、貼付したままでじっとしているのは非常に苦
痛なものである。ちなみに、一般的な待ち時間として
は、5〜30分程度であり、30分を超えるようになる
と耐えがたいものとなる。
【0015】したがって、この分子量70万以上、好ま
しくは100万〜500万の高分子量ポリマー及び分子
量70万未満、好ましくは5000〜30万の低分子量
ポリマーとを混合して用いることにより、両者の特徴を
活かした湿潤粘着性組成物を提供できる。
【0016】また、本発明において用いるポリマーとし
ては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン・酢
酸ビニル共重合体のいずれか一種のみならず、両者を適
宜混合して用いることにしてもよい。この場合には、乾
燥後の機械的強度を高める観点から、高分子量のビニル
ピロリドン・酢酸ビニル共重合体を、低分子量のポリビ
ニルピロリドン中に混合する、若しくは高分子量ポリビ
ニルピロリドンと低分子量ポリビニルピロリドンの混合
物中に、混合するのが望ましい。
【0017】さらに、高分子量ポリマーと低分子量ポリ
マーとの混合割合は、用いるポリマーの分子量や使用す
る目的などによっても異なるが、おおよそ、高分子量ポ
リマーと低分子量ポリマーの比が、重量比で、5:95
〜95:5、好ましくは20:80〜70:30の割合
で使用でき、さらに好ましくは角栓の除去効率や剥がす
際の痛さの観点から、低分子量ポリマーの配合比が多く
なるように混合するのが好ましい。
【0018】また、本発明に用いられるB成分として
は、A成分に対して相溶性を有し、A成分を溶解して可
塑化効果を示す材料が用いられる。例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレ
ングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グ
リセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、などのブチレングリコール類、ソルビトール、マ
ンニトールなどの糖アルコール類、ラノリン、レシチ
ン、オリーブ油などのグリセライド類などが、例示され
る。また、B成分としてこれらの1種若しくは2種以上
を併用することができる。
【0019】C成分としては、A成分とB成分との混合
物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機又は有機
の充填剤が用いられる。無機の充填剤としては、例えば
シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、ク
レー、カオリン、硝子などの無機酸化物ないし複合酸化
物をはじめ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロ
キシアパタイト、セラミックス、カーボンなどのその他
の無機化合物類、金属や各種金属の合金等の金属類、な
どが例示される。無機の充填剤としては、例えば、セル
ロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィンなどの
繊維形成性高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリスチレン、その他の有機高分
子類、などが例示される。これらの充填剤は、通常粉体
状態で用いるのが好ましく、その形状は特に限定されな
いが、均一な分散性の観点から球形であることが好まし
く、その平均粒径は、0.01〜50μm、特に0.1
〜10μmのものが好ましい。また、C成分としてこれ
らの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0020】組成割合としては、A成分の使用量に対す
るB成分の使用量が過大であると、本発明の湿潤粘着性
組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機
械的強度が乏しくなり、逆に過小であると、本発明の湿
潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しく、
貼付部位に良好にフィットし難い。このため、B成分の
使用量としては、A成分100重量部に対して、好まし
くは1〜75重量部、より好ましくは5〜50重量部で
ある。
【0021】また、A成分の使用量に対するC成分の使
用量が過大であると、本発明の湿潤粘着性組成物から得
られる貼付層の柔軟性が乏しくて、貼付部位に良好にフ
ィットし難く、逆に過小であると、本発明の湿潤粘着性
組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機
械的強度の改善効果が乏しく、貼付後の乾燥に要する時
間が長くなる。このため、C成分の使用量としては、A
成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重
量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0022】本発明の貼付材は、本発明に係る湿潤粘着
性組成物を含有する貼付層を少なくとも有することを特
徴としている。この貼付材は、貼付層のみからなるシー
ト状の物として作製することもできるが、一般的に取扱
いが容易となるのみならず、貼付材の機械的強度が向上
して、貼付部位からの剥離性がより一層向上する点で、
その片面に保持層を形成するのが好ましい。
【0023】保持層は、貼付後における貼付層の乾燥速
度や貼付前後における柔軟性を阻害することなく、機械
的強度の向上に寄与できるものであれば、特に限定され
るものではなく、種々の材料からなる種々の構造のもの
を用いることができる。構造に関しては、織布、不織
布、編布、紙などの繊維の集合体類、および多孔性フィ
ルム、透気性フィルムなどのフィルム類等のシート状物
が例示される。これらのうち、被貼付部位の曲面になじ
み易い適度の伸縮性を有するものが特に好ましい。ま
た、材料に関しては、ナイロン、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、セルロース、
などの合成あるいは天然の有機高分子類が例示される。
【0024】また、本発明に用いる保持層の通気度は、
JIS P−8117の方法に準じて測定された値が1
0秒以下であるのが好ましい。保持層の通気度が不足す
ると、貼付後の貼付層の乾燥を遅延させ、剥離の際に貼
付部位に剥離残渣を生じる恐れがある。このとき、10
秒を超える保持層を用いると、乾燥時間が長くなるとと
もに、剥離残渣を生じて、実用上に耐えない恐れがあ
る。また、この通気度を確保できるならば、厚みも特に
限定されるものではないが、貼付材の柔軟性等を考慮す
るに、その厚みは、5〜500μm程度、特に10〜2
00μm程度が好ましい。
【0025】また、当該保持層は、貼付層が保持層の片
面に単純に積層載置した状態、保持層の片面からその内
部に貼付層の組成物の一部が含浸した状態、さらには貼
付層が保持層の片面から一部がはみ出した状態のいずれ
であってもよい。
【0026】貼付層は、上記の湿潤粘着性組成物を含有
するものであり、湿潤粘着性組成物と、水/及び又はエ
チルアルコールやメチルアルコールなどの親水性媒体等
とからなる塗布液を、上記保持層となるシート状物、あ
るいは、剥離層を有する場合には剥離層となるシート状
物の上に、塗布した後乾燥して作製される。
【0027】本発明に係る貼付材は、貼付部位に塗布さ
れた水又は親水性媒体を吸収するか、あるいは予め貼付
層に与えられた水等を吸収して粘着性を示すので、貼付
層の水又は親水性媒体の含有率を予め設定しておくのが
好ましい。このとき、良好な粘着性を発揮できる点で、
貼付層の水又は親水性媒体の含有率、つまり、水又は親
水性媒体を含んだ貼付層に対する水又は親水性媒体の割
合は、25重量%以下、特に7〜20重量%以下である
ことが望ましい。25重量%を超えると、使用時に適用
する水又は親水性媒体の吸収性が劣る傾向にあり、粘着
効果が十分に発揮できない場合があり、貼付材自体にべ
とつきが生じ、手に付着する等取扱いにくくなる。ま
た、水又は親水性媒体の含有率が7重量%以下になる
と、貼付部位に適合できなくなる。
【0028】また、当該貼付層は、分子量の大小異なる
2種のポリマーを混合することによって、機械的強度と
貼付部位からの剥離性を改善するものではあるが、A成
分、B成分、C成分の種類や物性によっては、貼付後の
乾燥状態における機械的強度が過小になったり、過大に
なったりする場合があるので、これらの種類や物性を考
慮しつつ、上記した配合量の範囲内で適宜配合量比を決
定すればよい。
【0029】さらに、貼付層に予め付与される水又は親
水性媒体の量や、貼付部位に予め塗布される水又は親水
性媒体の量は、使用毎に異なるものである。したがっ
て、貼付層の厚さは、これらの水や親水性媒体をできる
だけ多く吸収できるよう設定するのが好ましく、具体的
には10〜500μm程度、特に50〜250μm程度
とするのが望ましい。
【0030】また、本発明の貼付材にあっては、貼付層
を衛生的に保存できる点や、貼付材を積み重ねたり、ロ
ール状にして保管できる点から、貼付層上にさらに剥離
層が積層されることが好ましい。この剥離層として、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、表面をポ
リマー処理した紙、あるいはその他のフィルムやシート
が例示される。
【0031】本発明の貼付材は、保持層及び剥離層を有
している場合には、例えば、次の方法により製造するこ
とができる。A成分に、B成分及びC成分を添加して、
均一に攪拌した後、粘度や濃度調整のために20〜70
重量%となるように水又は親水性媒体を加えて液状物と
する。次いで、剥離層上にこの液状物を乾燥後の厚みが
所望の範囲となるように塗布し、必要に応じて乾燥させ
て貼付層を形成する。次いで、この上に保持層を積層し
て乾燥させて貼付材を得ることができる。この時の乾燥
条件は、得られる貼付層の水又は親水性媒体の含有量が
25重量%以下となるような条件に設定することが好ま
しい。
【0032】また、上記の液状物に、必要に応じて化粧
料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、紫外線吸収
剤、あるいはその他の貼付材に通常使用される薬剤や添
加剤を通常量添加することができる。
【0033】こうして得られた貼付材は、任意の形状に
裁断され、使用直前に剥離層を剥離して使用される。ま
た、保存中の乾燥により貼付層中の水又は親水性媒体の
含有量が低下するのを防止するため、密封包装などの手
段によって適度な湿度条件下で保存される。
【0034】そして、上記貼付材を使用する際には、貼
付前に剥離層を剥がして貼付層に水又は親水性媒体を付
与して湿潤状態又は濡れ状態にした後、貼付部位に貼り
付けるか、あるいは、貼付部位に予め水又は親水性媒体
を塗布した後、上記貼付材を当該貼付部位に貼り付け
る。
【0035】このような貼付材は、ピールオフタイプの
化粧用パックや毛穴に形成された角栓を良好に除去でき
る角栓除去材、あるいは湿潤又は濡れた皮膚面に対して
の皮膚カバー材等として有効に利用できる。
【0036】
【実施例】次に、各種実施例及び比較例の貼付材を作製
し、角栓除去材としての本発明の効果について確認し
た。以下、各成分の分量は、重量部を示す。
【0037】〔評価項目及び評価方法〕 1.貼付層の水分含有率 作製した各種実施例及び比較例の貼付材から、所定の大
きさの貼付層を剥がし、当該剥がした貼付層の重量(W
o)を測定した。これを乾燥機にて、75℃で30分間
乾燥した後、直ちに乾燥後の重量(Wt)を測定し、次
式により水分含有率を求めた。 水分含有率(%)=(Wo−Wt)/Wo×100 2.貼付層の厚み ダイヤルゲージを用いて測定した。 3.保持層の通気度 JIS P−8117に準じて測定した。 4.貼付材の実用性能 20名の女性パネラーに、洗顔後あるいは化粧をしてい
ない状態で、鼻筋を境にして左右いずれか一方の鼻部に
実施例の貼付材を、残る一方の鼻部に比較例の貼付材を
貼付してもらい、使用感について評価した。各貼付材
は、3cm×4cmの大きさに裁断して用い、鼻の貼付
部位をたっぷりの水で濡らした後に貼付した。この状態
で15分間放置した後、貼付材を剥がし、この時の角栓
の取れ具合及び鼻への剥離残渣量並びに剥離時の痛みに
ついて、次の評価基準に基づいて評価点を求め、平均点
を求めた。また、試験は、実施例1と比較例1について
行ない、後日改めて実施例2と比較例2について行なっ
た。
【0038】〔評価基準〕 (角栓の取れ具合) ・非常によく取れた :5点 ・よく取れた :4点 ・よく取れたとも取れないとも言えない:3点 ・取れ方が足りない :2点 ・全く取れない :1点 (鼻への剥離残渣量) ・全く残らない :5点 ・ごくわずかに残った :4点 ・1/3の面積が残った :3点 ・1/3〜1/2の面積が残った :2点 ・1/2以上残った :1点 (剥離時の痛み) ・痛みなく剥がせた :4点 ・少し痛いが問題なく剥がせた :3点 ・やや痛かった :2点 ・かなり痛みを伴った :1点
【0039】 (実施例1) ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:16万) 6部 ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:120万) 4部 水 16部 グリセリン 1.2部 酸化チタン 0.31部 二酸化ケイ素 6部
【0040】上記各成分を所定の分量となるように計り
取り、攪拌混合して液状物を得た。この液状物を、剥離
層となる厚さ50μmのポリエステルフィルム上に均一
に塗布し、その上に保持層となる坪量25g/m2、通
気度1.5秒のポリエステル不織布を積層した。次い
で、乾燥して保持層及び剥離層を有する3層構造の実施
例1のシート状貼付材を作製した。なお、貼付層の厚み
及び水分含有率は、それぞれ、150μm及び15%で
あった。
【0041】 (実施例2) ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:4万) 7部 ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:150万) 3部 水 16部 グリセリン 1.2部 酸化チタン 0.31部 二酸化ケイ素 6部
【0042】上記各成分を所定の分量となるように計り
取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有す
る3層構造の実施例2のシート状貼付材を作製した。な
お、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150
μm及び15%であった。
【0043】 (比較例1) ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:16万) 10部 水 16部 グリセリン 1.2部 酸化チタン 0.31部 二酸化ケイ素 6部
【0044】上記各成分を所定の分量となるように計り
取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有す
る3層構造の比較例1のシート状貼付材を作製した。な
お、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150
μm及び10%であった。
【0045】 (比較例2) ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:120万) 10部 水 30部 グリセリン 1.2部 酸化チタン 0.31部 二酸化ケイ素 6部
【0046】上記各成分を所定の分量となるように計り
取り、実施例1と同様にして、保持層及び剥離層を有す
る3層構造の比較例2のシート状貼付材を作製した。な
お、貼付層の厚み及び水分含有率は、それぞれ、150
μm及び15%であった。
【0047】〔実用性能評価結果〕上記各実施例及び比
較例の実用性能を、表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示すように、本発明に係る実施例1
及び実施例2の貼付材にあっては、角栓の取れ方では、
比較例1及び比較例2の貼付材に比べて、それぞれ約1
点スコアが向上した。また、鼻への剥離残渣量では、実
施例2の貼付材では比較例2の貼付材よりやや糊残りが
見られたが、実施例1の貼付材では比較例1の貼付材に
比べて1.6点スコアが向上した。さらに、剥離時の痛
みについては、実施例1及び実施例2の貼付材とも、比
較例2の貼付材よりも痛みが軽減された。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る湿潤粘着性組成物にあって
は、速やかに乾燥し、乾燥後の機械的強度も適度であ
り、剥離も良好な貼付層を形成することができる。ま
た、当該湿潤粘着性組成物は、ピールオフタイプの化粧
用パックや湿潤又は濡れた皮膚面に対する皮膚カバー材
等として有用であり、特に角栓除去が効果的に行なえ、
しかも剥離時の痛みが少ない角栓除去材を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 31/04 C08L 39/06 39/06 C09J 131/04 C09J 131/04 139/06 139/06 A61L 15/06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A成分としてポリビニルピロリドン又は
    /及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分
    としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分と
    して充填剤を含有する湿潤粘着性組成物であって、 前記A成分は、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの
    混合物であることを特徴とする湿潤粘着性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の湿潤粘着性組成物を含
    有する貼付層を少なくとも有することを特徴とする貼付
    材。
  3. 【請求項3】 さらに保持層を有することを特徴とする
    請求項2に記載の貼付材。
  4. 【請求項4】 前記貼付層は、さらに水又は親水性媒体
    を25重量%以下の割合で含有することを特徴とする請
    求項2又は3に記載の貼付材。
  5. 【請求項5】 JIS P−8117の方法に準じて測
    定される保持層の通気度が、10秒以下であることを特
    徴とする請求項3又4に記載の貼付材。
  6. 【請求項6】 貼付層上にさらに剥離層を有することを
    特徴とする請求項2〜5に記載の貼付材。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれかに記載の貼付材
    の貼付層表面を、貼付前に水又は親水性媒体と接触させ
    て湿潤状態または濡れ状態とすることを特徴とする貼付
    材の使用方法。
  8. 【請求項8】 貼付部位に予め水又は親水性媒体を塗布
    した後、請求項2〜6のいずれかに記載の貼付材の貼付
    層表面を、当該貼付部位に貼り付けることを特徴とする
    貼付材の使用方法。
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