JPH1028685A - 超音波イメージング方法及び装置並びに超音波造影剤及びその製造方法 - Google Patents

超音波イメージング方法及び装置並びに超音波造影剤及びその製造方法

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JPH1028685A
JPH1028685A JP8189282A JP18928296A JPH1028685A JP H1028685 A JPH1028685 A JP H1028685A JP 8189282 A JP8189282 A JP 8189282A JP 18928296 A JP18928296 A JP 18928296A JP H1028685 A JPH1028685 A JP H1028685A
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JP
Japan
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ultrasonic
contrast agent
signal
ultrasonic imaging
microballoons
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JP8189282A
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English (en)
Inventor
Yasuto Takeuchi
康人 竹内
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GE Healthcare Japan Corp
Original Assignee
GE Yokogawa Medical System Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波造影剤の特性に適した超音波イメージ
ング方法および超音波イメージング装置を実現する。 【解決手段】 被検体内に超音波を送波し、被検体から
のエコー信号を検出する超音波イメージング装置であっ
て、超音波造影剤を構成するマイクロバルーンの個々の
共振性応答に合致した複数の信号を生成するフィルタ2
9と、このフィルタで生成された複数の信号成分のそれ
ぞれで画像信号を生成する処理手段31,41,32,
42,33,43と、を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波イメージング
方法及び装置並びに超音波造影剤及びその製造方法に関
し、特に、超音波造影剤のエコー特性に配慮した超音波
イメージング方法及び装置並びに超音波造影剤及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医用超音波撮影装置(超音波イメージン
グ装置)においては、被検体内に超音波を送波し、その
エコー(echo)信号に基づいて被検体の内部構造を画像化
することが行なわれる。
【0003】ところで、ある種の超音波造影剤(発泡剤
又はコントラスト剤)のように、反射特性の非線形性に
より、送波された超音波の例えば第2高調波成分のエコ
ーを強調して返すものがある。このような造影剤を被検
体の関心部位に注入した場合、エコー信号の第2高調波
成分に基づいて被検体内を画像化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような超音波造影
剤としてマイクロバルーンを用いたものが一般的であ
る。そして、このマイクロバルーンは、個々の径に応じ
て共振周波数が決定されるものである。しかし、このマ
イクロバルーンの個々の共振周波数の違いに考慮して超
音波イメージングを行うようなことはなされていなかっ
た。
【0005】従って、受波帯域幅にある程度の幅を持た
せることで、いくつかの微妙に異なる共振周波数の受波
信号をまとめて受信して画像信号を生成していた。この
ため、造影効果の際立った共振周波数と、そうでない共
振周波数との画像信号が平均化されることになってい
た。
【0006】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、超音波造影剤の特性に適した超
音波イメージング方法および超音波イメージング装置を
実現することである。
【0007】また、本発明の他の目的は、微妙に異なる
共振周波数のエコー信号を発生するに適した超音波造影
剤及びその製造方法を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】従って、課題を解決する
手段である本発明は以下に説明するように構成されたも
のである。
【0009】(1)第1の発明は、被検体内に超音波を
送波し、被検体からのエコー信号を検出する超音波イメ
ージング方法であって、超音波造影剤を構成するマイク
ロバルーンの個々の共振性応答に合致した周波数濾波を
行い、このように濾波されたエコー信号の複数の周波数
成分のそれぞれで画像信号を生成し、各周波数成分の画
像信号について造影効果の有無を比較することを特徴と
する超音波イメージング方法である。
【0010】この第1の発明の超音波イメージング方法
では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送波
し、超音波造影剤のマイクロバルーンの個々の共振性応
答に合致した周波数濾波を行い、このように濾波された
エコー信号の複数の周波数成分のそれぞれで画像信号を
生成する。
【0011】この際に、超音波造影剤による造影効果の
現れている際のエコー信号により生成された超音波イメ
ージと、超音波造影剤による造影効果の現れていないと
きのエコー信号により生成された超音波イメージとを、
濾波を行った各周波数毎に比較することで、超音波造影
剤の最も効果のある周波数領域での超音波イメージを速
やかに得ることができる。
【0012】(2)第2の発明は、被検体内に超音波を
送波し、被検体からのエコー信号を検出する超音波イメ
ージング装置であって、超音波造影剤を構成するマイク
ロバルーンの個々の共振性応答に合致した複数の信号を
生成するフィルタと、このフィルタで生成された複数の
信号成分のそれぞれで画像信号を生成する処理手段と、
を備えたことを特徴とする超音波イメージング装置であ
る。
【0013】そして、この超音波イメージング装置に、
各信号成分の造影前後の画像信号を交互に表示する表示
手段か、各信号成分の造影前後の画像信号を比較して、
最も造影効果のある画像信号を識別して表示する制御手
段を設けることが好ましい。
【0014】この第2の発明の超音波イメージング装置
では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送波
し、超音波造影剤のマイクロバルーンの個々の共振性応
答に合致した周波数濾波を行い、このように濾波された
エコー信号の複数の周波数成分のそれぞれで画像信号を
生成する。
【0015】この際に、超音波造影剤による造影効果の
現れている際のエコー信号により生成された超音波イメ
ージと、超音波造影剤による造影効果の現れていないと
きのエコー信号により生成された超音波イメージとを、
濾波を行った各周波数毎に比較することで、超音波造影
剤の最も効果のある周波数領域での超音波イメージを速
やかに得ることができる。
【0016】(3)第3の発明は、前記第2の発明の超
音波イメージング装置において、前記超音波造影剤が複
数のマイクロバルーンが一部の膜を共有するように連結
した状態(2連マイクロバルーン)に構成されており、
前記連結状態のマイクロバルーンの膜の共振周波数に対
応するように前記フィルタの濾波周波数が設定されてい
る超音波イメージング装置である。
【0017】この第3の発明の超音波イメージング装置
では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送波
し、2連マイクロバルーンの膜の共振性応答に合致した
周波数濾波を行い、このように濾波されたエコー信号の
複数の周波数成分のそれぞれで画像信号を生成する。
【0018】この際に、超音波造影剤による造影効果の
現れている際のエコー信号により生成された超音波イメ
ージと、超音波造影剤による造影効果の現れていないと
きのエコー信号により生成された超音波イメージとを、
濾波を行った各周波数毎に比較することで、超音波造影
剤の最も効果のある周波数領域での超音波イメージを速
やかに得ることができる。
【0019】(4)第4の発明は、非線形の超音波反射
特性を有する超音波造影剤であって、複数のマイクロバ
ルーンが一部の膜を共有するように連結した状態に構成
され、前記連結状態のマイクロバルーンにおいて共有さ
れた膜の共振によりエコーを発することを特徴とする超
音波造影剤である。
【0020】この第4の発明の超音波造影剤は、連結状
態のマイクロバルーンにおいて共有された膜の共振によ
りエコーを発する。この共有された膜は周りの雰囲気か
らは独立したものであるため、共振性を有するが壊れ易
くはない。また、この膜の共振のQは外皮Qより大きい
ものであり、また、膜の共振は外圧依存性が大きいもの
でもあるため、照射される超音波の基本波若しくは高調
波に共振する性質を有している。
【0021】従って、微妙に異なる共振周波数のエコー
信号を発生するに適した超音波造影剤を実現することが
できる。 (5)第5の発明は、マイクロバルーンの外皮が軟化し
て接着性を持つ温度でマイクロバルーン同士を衝突さ
せ、複数のマイクロバルーンが一部の膜を共有するよう
に連結した状態にすることを特徴とする超音波造影剤製
造方法である。
【0022】このように、マイクロバルーンの外皮が軟
化して接着性を持つ温度でマイクロバルーン同士を衝突
させ、複数のマイクロバルーンが一部の膜を共有するよ
うに連結した状態にすることで、微妙に異なる共振周波
数のエコー信号を発生するに適した超音波造影剤を実現
することができる。
【0023】尚、外被が軟化して接着性を持つ温度でマ
イクロバルーンを衝突させるとは、 そのような温度の雰囲気下でマイクロバルーンを衝突
させる、 マイクロバルーンを衝突させる際に加熱する、の2通
りの手法が考えられる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。ここで、図1は本発明の
一実施の形態例としての超音波イメージング方法の処理
手順を示すフローチャートであり、図2は本発明の一実
施の形態例としての超音波イメージング装置の主要部の
概略構成を示す構成図である。
【0025】また、図3は前記図2に示した超音波イメ
ージング装置の全体構成となる超音波撮影装置を示す構
成図である。先ず、この実施の形態例の超音波イメージ
ング装置を用いた超音波撮影装置の全体構成について説
明する。尚、以下に示す超音波撮影装置は医用のものに
限られない。
【0026】図3において、1は超音波探触子としての
プローブ(probe) 、11はプローブ11と超音波撮影装
置本体部とを電気的に接続するケーブル(cable) 、2は
ケーブル11と超音波撮影装置本体部とを機械的に接続
するケーブルコネクタ(cable connecter) である。
【0027】20は送受信回路、30は対数増幅部、4
0は包絡線検波部、50はディジタル・スキャンコンバ
ータ(digital scan converter :DSC) 、60は表示
部、70は制御部、80は操作部である。
【0028】プローブ1はケーブルコネクタ2によって
送受信回路20に接続される。プローブ1は図示しない
被検体に当接され、送受信回路20から与えられる送波
信号に従って超音波を被検体内に送波し、被検体内から
返ってくるエコー信号を受波信号として検出するもので
ある。
【0029】送受信回路20は、制御部70による制御
の下にプローブ1に送波信号を与えると共に、検出され
たエコー信号を受信および増幅するものである。なお、
送波信号の出力および超音波検出信号の受信に当たって
は、各送波信号についての位相差付けおよび各受信信号
の整相加算が行なわれ、超音波送受信の指向性を決める
ためのビームフォーミング(beam forming)および超音波
ビーム走査のためのビームステアリング(beam steerin
g) が行なわれる。
【0030】対数増幅部30は、送受信回路20の出力
信号を対数増幅するものである。包絡線検波部40は、
対数増幅部30の出力信号を包絡線検波してBモードの
画像信号を得るものである。
【0031】ディジタル・スキャンコンバータ50は、
制御部70による制御の下、包絡線検波部40から出力
される画像信号をディジタル信号に変換して画像メモリ
(不図示)に記憶するとともに、記憶した画像データを
表示部60の表示動作に合わせて出力するものである。
表示部60は、制御部70による制御の下、ディジタル
・スキャンコンバータ50から与えられる画像データを
画像として表示するものである。
【0032】制御部70は、送受信回路20、ディジタ
ル・スキャンコンバータ50および表示部60に制御信
号を与えてそれらの動作を制御するものである。操作部
80は、操作者によって操作され、制御部70に指令や
データを与えるものである。
【0033】<超音波イメージング装置の構成(1)>
ここで図2を参照して本実施の形態例の超音波イメージ
ング装置の構成を説明する。
【0034】この図2において、22は送信する超音波
の波形を発生する波形発生器、23は波形発生器22で
発生した波形の超音波信号を送波用に増幅する送波アン
プである。
【0035】また、24はプローブ1で受けた受波超音
波信号を増幅するプリアンプとしての受波アンプ、29
はエコー信号の受波帯域幅に含まれる複数の共振周波数
(超音波造影剤を構成するマイクロバルーンの個々の共
振性応答に合致した複数の周波数)を中心に濾波した信
号を出力するフィルタ(バンドパスフィルタ)である。
【0036】このエコー信号の受波帯域幅に含まれる複
数の共振周波数の様子を図4に示す。この図4では、受
波帯域幅Bを比較的広帯域に設定し、複数の共振性応答
に合致した比較的狭帯域の複数の濾波特性(BP01〜B
P06)を含むようにしてある。尚、図2に示した構成で
は、3種類の共振周波数(f01,f02,f03)に濾波し
て出力する場合を示しているが、この例に限定されるも
のではなく、濾波出力の出力のさせ方は適宜選択するこ
とが可能である。
【0037】31は共振周波数f01の受波信号について
の対数増幅部、32は周波数f02の受波信号についての
対数増幅部、33は周波数f03の受波信号についての対
数増幅部、41は周波数f01の受波信号についての包絡
線検波部、42は周波数f02の受波信号についての包絡
線検波部、43は周波数f03の受波信号についての包絡
線検波部である。
【0038】45は包絡線検波によって得られた複数種
類のBモードの画像信号を記憶するメモリ、50はディ
ジタル・スキャンコンバータ(digital scan converter
:DSC) 、60は表示部である。
【0039】70は装置の各部の制御の他に、メモリ4
5のリード/ライトを制御することで、各共振周波数毎
の画像信号の造影効果の違いを比較する制御を行う制御
部である。
【0040】ここで、プローブ1は図示しない被検体に
当接され、送受信回路20から与えられる送波信号に従
って超音波を被検体内に送波し、被検体内から返ってく
るエコー信号を受波信号として検出するものである。
【0041】送受信回路20は、制御部70による制御
の下にプローブ1に送波信号を与えると共に、検出され
たエコー信号を受信および増幅するものである。なお、
送波信号の出力および超音波検出信号の受信に当たって
は、各送波信号についての位相差付けおよび各受信信号
の整相加算が行なわれ、超音波送受信の指向性を決める
ためのビームフォーミング(beam forming)および超音波
ビーム走査のためのビームステアリング(beam steerin
g) が行なわれる。
【0042】この送受信回路20について、波形発生器
22からの波形に従った超音波信号を送波アンプ23で
増幅してプローブ1に印加する。関心部位若しくは超音
波造影剤で反射されたエコー信号は、プローブ1で検出
され、受波アンプ24で増幅された後、フィルタ29で
受波帯域幅に含まれる複数の共振周波数(超音波造影剤
を構成するマイクロバルーンの個々の共振性応答に合致
した複数の周波数)毎に帯域濾波される。
【0043】尚、このようにマイクロバルーンの個々の
共振性応答に合致した複数の周波数を検出するために
は、波形発生器22から広帯域の送波用の波形を発生す
ると共に、広帯域の送受波が可能なプローブ1を使用す
る必要がある。
【0044】また、このフィルタ29の受波帯域幅Bに
ついては、エコー信号の中心周波数をf0 とした場合に
比受信帯域幅(B/f0 )が1以上になるように比較的
広帯域に設定することが、マイクロバルーンの個々の共
振性応答に合致した複数の周波数をまとめて検出するう
えで好ましい。
【0045】そして、濾波する各特性(図4でのBP01
〜BP06)における通過帯域幅Bfについては、比通過
帯域幅(Bf /f0 )を0.3程度にして比較的狭帯域
に設定することが、個々の共振応答の分離とBモード像
の品位との両立の点から好ましい。
【0046】尚、この通過帯域幅Bf を狭くするほど個
々の共振応答の分離性が高まるが、同時にBモード像の
品位が低下する傾向がみられるので、上述した値の付近
に設定することが望ましい。
【0047】尚、図4の周波数特性図は、比受信帯域幅
B/f0 を1程度に定め、比通過帯域幅Bf を0.3程
度にし、各濾波特性(BP01〜BP06)の裾の部分が重
なり合うように設定した場合を例示している。
【0048】また、この実施の形態例ではフィルタ29
により共振応答の分離を行う例を示しているが、高速フ
ーリエ変換(FFT)を用いて周波数の違いによる分離
を行っても構わない。
【0049】対数増幅部31〜33は、送受信回路20
の出力信号(中心周波数f01,f02,f03)をそれぞれ
対数増幅するものである。包絡線検波部41〜43は、
対数増幅部31〜33の出力信号をそれぞれ包絡線検波
してBモードの画像信号を得るものである。
【0050】メモリ45は、制御部70の制御の下、包
絡線検波部41〜43からのBモードの画像信号(超音
波造影剤の効果の現れているときの画像信号と効果の現
れていないときの画像信号)を記憶しておくものであ
る。
【0051】ディジタル・スキャンコンバータ50は、
制御部70による制御の下、メモリ45から出力される
画像信号を表示部60の表示動作に合わせて出力するも
のである。
【0052】表示部60は、制御部70による制御の
下、ディジタル・スキャンコンバータ50から与えられ
る画像データを画像として表示するものである。 <超音波イメージング装置の動作(1)>ここで、図1
のフローチャートを参照して超音波イメージング装置の
動作説明を行う。
【0053】まず、超音波造影剤(コントラスト剤)を
関心部位に注入しない状態で、以下の処理を行う。すな
わち、制御部70による制御のもと、プローブ1と送受
信回路20により、超音波による被検体内に超音波を送
波して走査を行う(図1S1)。
【0054】この段階でプローブ1で得られるエコー信
号は、受波アンプ24で増幅された後、後に被検体内に
注入されるマイクロバルーンの個々の共振性応答に対応
したf01,f02,f03の3種類の信号成分にフィルタ2
9により分離される(図1S2)。
【0055】そして、フィルタ29で分離されたそれぞ
れの信号成分から、対数増幅部31〜33及び包絡線検
波部41〜43によってBモードの画像信号が生成され
る(図1S3)。尚、ここで生成されたBモードの画像
信号はメモリ45に格納される。
【0056】尚、このように造影されていない状態で画
像信号を生成するのは、 送波信号にも高調波成分が含まれている、 被検体内の伝搬経路に位置する媒質の非線形性によっ
てもエコー信号に高調波成分が発生することがある、の
2つの場合に発生する第2高調波成分と、超音波造影剤
が注入された関心部位で発生する所望の第2高調波成分
とが区別できなくなる、という不都合を防止するためで
ある。
【0057】造影前の画像信号の生成が終了した時点
で、被検体の関心部位に超音波造影剤を注入する(図1
S4,S5)。この超音波造影剤としては超音波で造影
効果を有する各種の造影剤が使用可能であるが、例えば
マイクロバルーンなどを用いることができる。尚、マイ
クロバルーンは球体の中空薄膜となっており、材質はプ
ラスチックの他に、アルブミンやサッカロースなどが用
いられる。
【0058】関心部位にマイクロバルーンを注入した後
に、再度超音波の送受波を行い、フィルタ29で分離し
た各信号成分についてBモードの画像信号を生成する
(図1S4,S1〜S3)。ここで生成されたBモード
の画像信号もメモリ45に格納される。この際、造影剤
注入前後でプローブ1を動かしてはならないことは言う
までもない。
【0059】尚、マイクロバルーンを注入する前後にお
いて造影効果の違いのある画像信号を得るようにした
が、マイクロバルーンを注入した後であって造影効果の
現れているときの画像信号と造影効果の消滅した後の画
像信号とを得るようにしても構わない。
【0060】そして、造影前後のBモードの画像信号の
生成及びメモリ45への格納が完了した後に、各周波数
毎に造影前後の画像信号を比較する(図1S6)こと
で、超音波造影剤による造影効果が最も大きい周波数領
域での画像信号を選択することができる。
【0061】尚、この画像信号の比較については、濾波
された各周波数毎に、表示部60に造影前後の画像信号
の表示を行って操作者が視認により比較する場合と、制
御部70が画像処理プログラム等を用いて自動的に比較
を行う場合との2つの手法が考えられる。
【0062】このようにして、造影前後の画像の比較
を、濾波を行った各周波数毎に比較することで、超音波
造影剤の最も効果のある周波数領域での画像を速やかに
得ることができる。
【0063】尚、上述した造影前後の表示により操作者
が視認して比較する場合は、 造影前後をゆっくりと何度か交互に表示する 造影前後を高速に何度か交互に表示して、視覚の残像
効果により違いが分かるようにする 画像の差分を求めて、その差分のみを表示する などが考えられる。
【0064】また、制御部70の画像信号プログラムが
比較をする場合は、各画素で造影前後の信号の差分を求
め、この差分を累積し、累積値が最大となるものを求め
るようにすることで、自動判定が行なえる。
【0065】<超音波造影剤の実施の形態例>ここで、
上述した超音波イメージング方法及び装置に好適な超音
波造影剤の実施の形態例について説明する。
【0066】上述した超音波イメージ方法及び装置では
各種の超音波造影剤を使用することが可能であるが、共
振性応答を分離するようにしているため、周波数選択性
の良い超音波造影剤であることが好ましい。
【0067】図5は本実施の形態例における超音波造影
剤を構成するマイクロバルーンの外観構成を示す構成図
である。また、図6はマイクロバルーンの断面構成を示
す断面図である。この図5及び図6(a)において、マ
イクロバルーン100は、マイクロカプセル101とマ
イクロカプセル102との2つのマイクロバルーンが連
結した状態になっており、その中間に2つのマイクロバ
ルーンが共有する中間膜103が存在している。
【0068】このような2連形式のマイクロカプセル1
00を生成するには、個々のマイクロバルーンを製造し
た後に径が略同じものをフィルタ等により予め分離選択
しておく。通常のマイクロバルーンは1〜5μm程度の
径を有しているため、これを分離しておく。
【0069】そして、マイクロバルーンの外皮が軟化し
て接着性を持つような温度の雰囲気中で、略同じ径を有
するマイクロバルーン同士を衝突させることにより2連
のマイクロカプセル100を生成する。または、衝突さ
せる瞬間に加熱を行なうようにする。
【0070】尚、3連以上のマイクロカプセルを生成す
ることも可能であるが、目的とするマイクロカプセルが
2連のものである場合には、衝突させた後に2連のマイ
クロカプセルのみをフィルタ等により分離選択する。
【0071】このようにして構成したマイクロカプセル
100においては、中間膜103に生じる張力(周囲に
向かって引っ張られる力)によって、ちょうど楽器のテ
ィンパニーのように特定の周波数で共振をする性質を有
する(図6(b))。
【0072】この中間膜103は周りの雰囲気からは独
立したものであるため、共振性を有するが壊れ易くはな
い。また、この中間膜103の共振のQは外皮Qより大
きいものであり、また、中間膜103の共振は外圧依存
性が大きいものでもあるため、照射される超音波の基本
波若しくは高調波に共振する。
【0073】また、周りの圧力により中間膜103の張
力が変化するので共振周波数も変化する性質があり、圧
力センサとしての性質も有している。この場合、単独の
マイクロバルーンの場合とは異なり、外圧の増加に伴っ
て共振周波数は低下する傾向を有している。
【0074】そして、元になる個々のマイクロバルーン
の径に応じて中間膜103の大きさも変化するため、共
振周波数の異なる超音波造影剤を容易に生成することが
可能になる。
【0075】従って、予め分離選択しておいた径の異な
るマイクロバルーンを用いて、共振周波数の異なるマイ
クロカプセル100を生成することができる。従って、
このようなマイクロカプセル100を用いることで、上
述した超音波イメージング方法及び装置に適した複数の
明確な共振周波数を有する超音波造影剤を生成できるよ
うになる。
【0076】この際、フィルタ29が分離する周波数
と、マイクロカプセル100の共振周波数を事前に合わ
せることが可能であれば、超音波造影剤を効果的に使用
することが可能になる。
【0077】尚、上述した外圧に応じて共振周波数が変
化する性質を利用することで、このマイクロカプセル1
00に超音波を照射してそのエコー信号の周波数を計測
することで、非接触静圧計測に用いることも可能であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上実施の形態例と共に詳細に説明した
ように、この明細書記載の各発明によれば以下のような
効果が得られる。
【0079】(1)第1の発明の超音波イメージング方
法では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送
波し、超音波造影剤のマイクロバルーンの個々の共振性
応答に合致した周波数濾波を行い、このように濾波され
たエコー信号の複数の周波数成分のそれぞれで画像信号
を生成する際に、超音波造影剤による造影効果の現れて
いる際のエコー信号により生成された超音波イメージ
と、超音波造影剤による造影効果の現れていないときの
エコー信号により生成された超音波イメージとを、濾波
を行った各周波数毎に比較することで、超音波造影剤の
最も効果のある周波数領域での超音波イメージを速やか
に得ることができる。
【0080】(2)第2の発明の超音波イメージング装
置では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送
波し、超音波造影剤のマイクロバルーンの個々の共振性
応答に合致した周波数濾波を行い、このように濾波され
たエコー信号の複数の周波数成分のそれぞれで画像信号
を生成する際に、超音波造影剤による造影効果の現れて
いる際のエコー信号により生成された超音波イメージ
と、超音波造影剤による造影効果の現れていないときの
エコー信号により生成された超音波イメージとを、濾波
を行った各周波数毎に比較することで、超音波造影剤の
最も効果のある周波数領域での超音波イメージを速やか
に得ることができる。
【0081】(3)第3の発明の超音波イメージング装
置では、超音波振動子を駆動して被検体内に超音波を送
波し、2連マイクロバルーンの膜の共振性応答に合致し
た周波数濾波を行い、このように濾波されたエコー信号
の複数の周波数成分のそれぞれで画像信号を生成する際
に、超音波造影剤による造影効果の現れている際のエコ
ー信号により生成された超音波イメージと、超音波造影
剤による造影効果の現れていないときのエコー信号によ
り生成された超音波イメージとを、濾波を行った各周波
数毎に比較することで、超音波造影剤の最も効果のある
周波数領域での超音波イメージを速やかに得ることがで
きる。
【0082】(4)第4の発明は、連結状態のマイクロ
バルーンにおいて共有された膜の共振によりエコーを発
するものであり、この共有された膜は周りの雰囲気から
は独立したものであるため共振性を有するが壊れ易くは
なく、また、この膜の共振のQは外皮のQより大きいも
のであり、また、膜の共振は外圧依存性が大きいもので
もあるため、照射される超音波の基本波若しくは高調波
に共振する性質を有している。従って、微妙に異なる共
振周波数のエコー信号を発生するに適した超音波造影剤
を実現することができる。
【0083】(5)第5の発明では、マイクロバルーン
の外皮が軟化して接着性を持つ温度でマイクロバルーン
同士を衝突させ、複数のマイクロバルーンが一部の膜を
共有するように連結した状態にすることで、微妙に異な
る共振周波数のエコー信号を発生するに適した超音波造
影剤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の処理手順を示すフロー
チャートである。
【図2】本発明の実施の形態例の装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の実施の形態例の装置を用いた超音波撮
影装置ブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態例におけるフィルタの濾波
の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例で使用するマイクロカプ
セルの外観構成を示す構成図である。
【図6】本発明の実施の形態例で使用するマイクロカプ
セルの断面構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 プローブ 20 送受信回路 21 送信回路 22 波形発生器 23 送波アンプ 24 受波アンプ 29 フィルタ 31,32,33 対数増幅部 41,42,43 包絡線検波部 45 メモリ 50 DSC 60 表示部 70 制御部 80 操作部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内に超音波を送波し、被検体から
    のエコー信号を検出する超音波イメージング方法であっ
    て、 超音波造影剤を構成するマイクロバルーンの個々の共振
    性応答に合致した周波数濾波を行い、 このように濾波されたエコー信号の複数の周波数成分の
    それぞれで画像信号を生成し、 各周波数成分の画像信号について造影効果の有無を比較
    することを特徴とする超音波イメージング方法。
  2. 【請求項2】 被検体内に超音波を送波し、被検体から
    のエコー信号を検出する超音波イメージング装置であっ
    て、 超音波造影剤を構成するマイクロバルーンの個々の共振
    性応答に合致した複数の信号を生成するフィルタと、 このフィルタで生成された複数の信号成分のそれぞれで
    画像信号を生成する処理手段と、 を備えたことを特徴とする超音波イメージング装置。
  3. 【請求項3】 被検体内に超音波を送波し、被検体から
    のエコー信号を検出する超音波イメージング装置であっ
    て、 前記超音波造影剤は、複数のマイクロバルーンが一部の
    膜を共有するように連結した状態に構成され、前記連結
    状態のマイクロバルーンの膜の共振周波数に対応するよ
    うに前記フィルタの濾波周波数を設定することを特徴と
    する請求項2記載の超音波イメージング装置。
  4. 【請求項4】 非線形の超音波反射特性を有する超音波
    造影剤であって、複数のマイクロバルーンが一部の膜を
    共有するように連結した状態に構成され、前記連結状態
    のマイクロバルーンにおいて共有された膜の共振により
    エコーを発することを特徴とする超音波造影剤。
  5. 【請求項5】 マイクロバルーンの外皮が軟化して接着
    性を持つ温度でマイクロバルーン同士を衝突させ、複数
    のマイクロバルーンが一部の膜を共有するように連結し
    た状態にすることを特徴とする超音波造影剤製造方法。
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