JPH10286088A - リンパ球系腫瘍の治療剤 - Google Patents

リンパ球系腫瘍の治療剤

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JPH10286088A
JPH10286088A JP10044219A JP4421998A JPH10286088A JP H10286088 A JPH10286088 A JP H10286088A JP 10044219 A JP10044219 A JP 10044219A JP 4421998 A JP4421998 A JP 4421998A JP H10286088 A JPH10286088 A JP H10286088A
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cell
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リンパ球系腫瘍の新規な治療剤の提供。 【解決手段】 配列番号:1に示すアミノ酸配列を有す
る蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有する
抗体を有効成分として含有する、リンパ球系腫瘍(骨髄
腫を除く)治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンパ球系腫瘍に
発現される蛋白質に特異的に結合する抗体を有効成分と
して含有するリンパ球系腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤に
関する。また、本発明は、T細胞腫瘍またはB細胞腫瘍
(骨髄腫を除く)治療剤に関する。さらに、本発明は、
リンパ球系腫瘍に発現される蛋白質に特異的に結合し、
細胞障害活性を有する抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】リンパ球系細胞は、生体において主に免
疫を担当する細胞である。リンパ球系細胞は全て同じ血
液幹細胞に由来し、骨髄中あるいはその他の器官で様々
な分化誘導因子、または増殖因子の作用を受けて分化を
繰り返した後、末梢血中へ放出される。この分化の違い
によりリンパ球系細胞はB細胞とT細胞に大別される。
B細胞は抗体産生能を、T細胞は抗原提示能、細胞障害
能その他様々な能力を有していると考えられている。こ
の分化段階で何らかの原因により腫瘍化し、骨髄中、リ
ンパ組織中、末梢血中等で異常増殖するようになったも
のが、リンパ球系腫瘍である。
【0003】近年の新しい技術導入、特に細胞表面の分
化抗原に対するモノクローナル抗体を用いた技術の進歩
により、リンパ球系細胞の由来や分化段階の同定が可能
になった。それに伴い、リンパ球系腫瘍についてもその
腫瘍細胞の由来がT細胞なのかB細胞なのかだけではな
く、成熟度の同定までもが可能になった。
【0004】リンパ球系腫瘍はその腫瘍細胞の起源ある
いは成熟度によりB細胞腫瘍およびT細胞腫瘍に大別さ
れる。B細胞腫瘍は腫瘍細胞の成熟度によって、急性B
リンパ性白血病(B-ALL )、慢性Bリンパ性白血病(B-
CLL )、pre-B リンパ腫、Burkitt リンパ腫、濾胞性リ
ンパ腫、濾胞外套リンパ腫、びまん性リンパ腫等に分類
される。また、T細胞腫瘍はその腫瘍細胞の成熟度によ
って、急性Tリンパ性白血病(T-ALL )、慢性Tリンパ
性白血病(T-CLL )、成人T細胞白血病(ATL)、非ATL
末梢性Tリンパ腫(PNTL)等に分類される(図解臨床
〔癌〕シリーズNo.17 白血病・リンパ腫、杉村隆ら、ME
DICAL VIEW社、1987, B細胞腫瘍、高月清、西村書店、
1991) 。
【0005】近年の医療技術の進歩にも関わらず、リン
パ球系腫瘍の治療に関しては未だ不十分であると言わざ
るを得ない。例えば、急性リンパ性白血病(ALL )の治
癒率は20%以下である。また、リンパ腫の場合、Bリン
パ腫は多剤併用療法の進歩により比較的治癒率は高いと
はいうものの、進行期での治癒率は50%程度である。さ
らにTリンパ腫はより難治性であり、治癒率は約30%、
成人T細胞白血病(ATL )に至っては10%にも満たない
のが現状である。
【0006】一方、Goto, T.らは、ヒト骨髄腫細胞をマ
ウスに免疫して得られたモノクローナル抗体(抗HM1.24
抗体)を報告している(Blood (1994) 84, 1922-193
0)。ヒト骨髄腫細胞を移植したマウスに抗HM1.24抗体
を投与すると、この抗体が腫瘍組織に特異的に集積した
こと(小阪昌明ら、日本臨床(1995)53,627-635)から、
抗HM1.24抗体はラジオアイソトープ標識による腫瘍局在
の診断や、ラジオイムノセラピーなどのミサイル療法に
応用することが可能であることが示唆されている。しか
し、抗HM1.24抗体が他のリンパ球系腫瘍の治療に有用で
あることは知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在行われているリン
パ球系腫瘍の治療には、種々の化学療法、X線療法、骨
髄移植等が挙げられるが、上記のごとく、いずれの治療
法も未だ完全ではなく、リンパ球系腫瘍を寛解に導き、
患者の生存期間を延長させる画期的な治療剤あるいは治
療法が待たれている。従って、本発明の目的は、骨髄腫
を除くリンパ球系腫瘍に対する新しい治療剤を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる治
療剤を提供すべく、抗HM1.24抗体(Goto, T.ら Blood
(1994) 84. 1922-1930)を用いて、FCM (フローサイト
メトリー)解析、ADCC活性、CDC 活性のような細胞障害
活性の測定等のイン・ビトロでの研究、イン・ビボでの
抗腫瘍効果の検討、さらには抗HM1.24抗体が特異的に結
合する抗原蛋白質単離の研究を重ねた結果、抗HM1.24抗
体が認識する抗原タンパク質がリンパ球系腫瘍に発現し
ていること、および抗HM1.24抗体がリンパ球系腫瘍に対
し抗腫瘍効果を有することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は配列番号1に示される
アミノ酸配列を有する蛋白質に特異的に結合し、かつ細
胞障害活性を有する抗体を有効成分として含有する、リ
ンパ球系腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。ま
た、本発明は配列番号1に示されるアミノ酸配列を有す
る蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有する
抗体を有効成分として含有する、T細胞腫瘍治療剤、ま
たはB細胞腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。ま
た、本発明は配列番号1に示されるアミノ酸配列を有す
る蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有する
モノクローナル抗体を有効成分として含有する、T細胞
腫瘍治療剤、またはB細胞腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤
を提供する。
【0010】また、本発明は配列番号1に示されるアミ
ノ酸配列を有する蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障
害活性としてADCC活性またはCDC活性を有する抗
体を有効成分として含有する、T細胞腫瘍治療剤、また
はB細胞腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。ま
た、本発明は配列番号1に示されるアミノ酸配列を有す
る蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有し、
定常領域としてヒト抗体のCγを有する抗体を有効成分
として含有する、T細胞腫瘍治療剤、またはB細胞腫瘍
(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。
【0011】また、本発明は配列番号1に示されるアミ
ノ酸配列を有する蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障
害活性を有するキメラ抗体またはヒト型化抗体を有効成
分として含有する、T細胞腫瘍治療剤、またはB細胞腫
瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。また、本発明は
抗HM1.24抗体が認識するエピトープと特異的に結合する
抗体を有効成分とする、T細胞腫瘍治療剤、またはB細
胞腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提供する。また、本発
明は抗HM1.24抗体を有効成分として含有するT細胞腫瘍
治療剤、またはB細胞腫瘍(骨髄腫を除く)治療剤を提
供する。さらに、本発明はリンパ球系腫瘍に発現される
蛋白質に特異的に結合し、細胞障害活性を有する抗体に
関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
1. 抗体の作製 1-1. ハイブリドーマの作製 本発明で使用される抗体を産生するハイブリドーマは、
基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製で
きる。すなわち、HM1.24抗原蛋白質やHM1.24抗原を発現
する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫
方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細
胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスク
リーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞を
スクリーニングすることによって作製できる。
【0013】具体的には、モノクローナル抗体を作製す
るには次のようにすればよい。例えば、抗体取得の感作
抗原であるHM1.24抗原発現細胞としては、ヒ卜多発性骨
髄腫細胞株であるKPMM2 (特開平7-236475)やKPC-32
(Goto, T. et al., Jpn. J. Clin. Hematol. (1991) 3
2, 1400 )を用いることができる。また、感作抗原とし
て配列番号1 に示すアミノ酸配列を有する蛋白質、ある
いは抗HM1.24抗体が認識するエピトープを含むペプチド
またはポリペプチドを使用することができる。
【0014】なお、感作抗原として使用される、配列番
号1 に示すアミノ酸配列を有する蛋白質のcDNAはpUC19
ベクターのXbaI切断部位の間に挿入されて、プラスミド
pRS38-pUC19 として調製されている。このプラスミドpR
S38-pUC19 を含む大腸菌(E.coli)は、平成5 年(1993
年)10月5 日付で工業技術院生命工学工業技術研究所
に、Escherichia coli DH5α(pRS38-pUC19 )として、
受託番号FERM BP-4434としてブダペスト条約に基づき国
際寄託されている(特開平7-196694参照)。このプラス
ミドpRS38-pUC19 に含まれるcDNA断片を用いて遺伝子工
学的手法により、抗HM1.24抗体が認識するエピトープを
含むペプチドまたはポリペプチドを作製することができ
る。
【0015】感作抗原で免疫される哺乳動物としては、
特に限定されるものではないが、細胞融合に使用する親
細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般
的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハム
スター等が使用される。感作抗原を動物に免疫するに
は、公知の方法にしたがって行われる。例えば、一般的
方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または、皮下
に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原
をPBS (Phosphate-Buffered Saline )や生理食塩水等
で適当量に希釈、懸濁したものを所望により通常のアジ
ュバント、例えば、フロイント完全アジュバントを適量
混合し、乳化後、哺乳動物に4-21日毎に数回投与するの
が好ましい。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用
することができる。
【0016】このように免疫し、血清中に所望の抗体レ
ベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細
胞が取り出され、細胞融合に付される。細胞融合に付さ
れる好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられ
る。前記免疫細胞と融合される他方の親細胞としての哺
乳動物のミエローマ細胞は、すでに、公知の種々の細胞
株、例えば、P3X63Ag8.653(J. Immnol. (1979) 123: 1
548-1550),P3X63Ag8U.1 (Current Topics in Microb
iology and Immunology (1978) 81: 1-7),NS-1(Kohl
er. G. and Milstein, C. Eur. J. Immunol.(1976) 6:
511-519),MPC-11(Margulies. D. H. et al., Cell
(1976) 8: 405-415 ),SP2/0 (Shulman, M. et al.,
Nature (1978) 276: 269-270),FO(de St. Groth, S.
F. et al., J. Immunol. Methods (1980) 35: 1-21
),S194(Trowbridge, I. S. J. Exp. Med. (1978) 1
48: 313-323),R210(Galfre, G.et al., Nature (197
9) 277: 131-133 )等が適宜使用される。
【0017】前記免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合
は基本的には公知の方法、たとえば、ミルステインらの
方法(Kohler. G. and Milstein, C., Methods Enzymo
l. (1981) 73: 3-46 )等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は例えば、細胞融合促進
剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促
進剤としては例えば、ポリエチレングリコール(PEG
)、センダイウィルス(HVJ )等が使用され、更に所
望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド
等の補助剤を添加使用することもできる。
【0018】免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合
は、例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1-10倍
とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液とし
ては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRP
MI1640培養液、MEM 培養液、その他、この種の細胞培養
に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、
牛胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することもでき
る。細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所
定量を前記培養液中でよく混合し、予め、37℃程度に加
温したPEG 溶液、例えば、平均分子量1000-6000 程度の
PEG 溶液を通常、30-60 %(w/v )の濃度で添加し、混
合することによって目的とする融合細胞(ハイブリドー
マ)が形成される。続いて、適当な培養液を逐次添加
し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことにより
ハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除
去できる。
【0019】当該ハイブリドーマは、通常の選択培養
液、例えば、HAT 培養液(ヒポキサンチン、アミノプテ
リンおよびチミジンを含む培養液)で培養することによ
り選択される。当該HAT 培養液での培養は、目的とする
ハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するの
に十分な時間、通常数日〜数週間継続する。ついで、通
常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハ
イブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニング
が行われる。
【0020】また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上
記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球をin vitro
でHM1.24抗原またはHM1.24抗原発現細胞で感作し、感作
リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合さ
せ、HM1.24抗原またはHM1.24抗原発現細胞への結合活性
を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-
59878 参照)。さらに、ヒト抗体遺伝子の全てのレパー
トリーを有するトランスジェニック動物に抗原となるHM
1.24抗原またはHM1.24抗原発現細胞を投与し、前述の方
法に従い所望のヒト抗体を取得してもよい(国際特許出
願公開番号WO 93/12227, WO 92/03918,WO 94/02602, W
O 94/25585,WO 96/34096, WO 96/33735参照)。
【0021】このようにして作製されるモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継
代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期
保存することが可能である。当該ハイブリドーマからモ
ノクローナル抗体を取得するには、当該ハイブリドーマ
を通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得
る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある
哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法
などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得る
のに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産
に適している。
【0022】具体的には、抗HM1.24抗体産生ハイブリド
ーマの作製は、Goto, T.らの方法(Blood (1994) 84. 1
922-1930)により行うことができる。工業技術院生命工
学工業技術研究所(茨城県つくば市東1 丁目1 番3 号)
に、平成7 年9 月14日にFERMBP-5233としてブタペスト
条約に基づき国際寄託された抗HM1.24抗体産生ハイブリ
ドーマをBALB/cマウス(日本クレア製)の腹腔内に注入
して腹水を得、この腹水から抗HM1.24抗体を精製する方
法や、本ハイブリドーマを適当な培地、例えば、10%ウ
シ胎児血清、5 %BM-Condimed H1(Boehringer Mannhei
m 製)含有RPMI1640培地、ハイブリドーマSFM 培地(GI
BCO-BRL 製)、PFHM-II 培地(GIBCO-BRL 製)等で培養
し、その培養上清から抗HM1.24抗体を精製する方法で行
うことができる。
【0023】1-2. 組換え型抗体 本発明では、モノクローナル抗体として、抗体遺伝子を
ハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに
組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を
用いて産生させた組換え型抗体を用いることができる
(例えば、Carl,A. K. Borrebaeck, James, W. Larric
k, THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES,Published in
the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 19
90 参照)。
【0024】具体的には、目的とする抗体を産生するハ
イブリドーマから、抗体の可変(V)領域をコードするm
RNAを単離する。mRNAの単離は、公知の方法、例えば、
グアニジン超遠心法(Chirgwin, J. M. ら、Biochemist
ry (1979) 18, 5294-5299 )、AGPC法(Chomczynski,
P. ら、Analytical Biochemistry, (1987) 162, 156-15
9)等により全RNA を調製し、mRNA Purification Kit
(Pharmacia 製)等を使用してmRNAを調製する。また、
QuickPrep mRNA Purification Kit(Pharmacia製)を
用いることによりmRNAを直接調製することができる。
【0025】得られたmRNAから逆転写酵素を用いて抗体
V 領域のcDNAを合成する。cDNAの合成は、AMV Reverse
Transcriptase First-strand cDNA Synthesis Kit 等を
用いて行うことができる。また、cDNAの合成および増幅
を行うには5'-Ampli FINDERRACE Kit (Clontech製)お
よびPCR を用いた5'-RACE 法(Frohman, M. A. ら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85, 8998-9002 ;Be
lyavsky, A. ら、Nucleic Acids Res. (1989) 17, 2919
-2932 )を使用することができる。得られたPCR 産物か
ら目的とするDNA 断片を精製し、ベクターDNA と連結す
る。さらに、これより組換えベクターを作成し、大腸菌
等に導入してコロニーを選択して所望の組換えベクター
を調製する。目的とするDNA の塩基配列を公知の方法、
例えば、デオキシ法により確認する。
【0026】目的とする抗体のV 領域をコードするDNA
が得られれば、これを所望の抗体定常領域(C 領域)を
コードするDNA と連結し、これを発現ベクターへ組み込
む。または、抗体のV 領域をコードするDNA を、抗体C
領域のDNA を含む発現ベクターへ組み込んでもよい。本
発明で使用される抗体を製造するには、後述のように抗
体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロ
モーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組
み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質
転換し、抗体を発現させることができる。
【0027】1-3. 改変抗体 本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること
等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、
例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト型化(Humanize
d )抗体などを使用できる。これらの改変抗体は、既知
の方法を用いて製造することができる。キメラ抗体は、
前記のようにして得た抗体V 領域をコードするDNA をヒ
ト抗体C 領域をコードするDNA と連結し、これを発現ベ
クターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより
得られる(欧州特許出願公開番号EP 125023 、国際特許
出願公開番号WO 96/02576 参照)。この既知の方法を用
いて、本発明に有用なキメラ抗体を得ることができる。
【0028】例えば、キメラ抗HM1.24抗体のL 鎖V 領域
およびH 鎖V 領域をコードするDNAを含むプラスミドを
有する大腸菌は、各々Escherichia coli DH5α(pUC19-
1.24L-gκ)およびEscherichia coli DH5α(pUC19-1.
24H-gγ1)として、工業技術院生命工学工業技術研究
所(茨城県つくば市東1 丁目1 番3 号)に、平成8 年8
月29日に、各々FERM BP-5646およびFERM BP-5644として
ブダペスト条約に基づき国際寄託されている(特願平9-
271536参照)。ヒト型化抗体は、再構成(reshaped)ヒ
ト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウ
ス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity deter
miningregion )をヒト抗体の相補性決定領域へ移植し
たものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られ
ている(欧州特許出願公開番号EP 125023 、国際特許出
願公開番号WO 96/02576 参照)。
【0029】具体的には、マウス抗体のCDR とヒト抗体
のフレームワーク領域(frameworkregion;FR)を連結
するように設計したDNA 配列を、末端部にオーバーラッ
プする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレ
オチドからPCR 法により合成する。得られたDNA をヒト
抗体C 領域をコードするDNA と連結し、次いで発現ベク
ターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させること
により得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400 、国
際特許出願公開番号WO 96/02576 参照)。CDR を介して
連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗
原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、
再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位
を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域
のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.et al., Cancer
Res. (1993) 53, 851-856)。
【0030】例えば、ヒト型化抗HM1.24抗体のL 鎖V 領
域a バージョン(配列番号:2)およびH 鎖V 領域r バ
ージョン(配列番号:3)をコードするDNA を含むプラ
スミドを有する大腸菌は、各々Escherichia coli DH5α
(pUC19-RVLa-AHM-gκ)およびEscherichia coli DH5α
(pUC19-RVHr-AHM- gγ1)として、工業技術院生命工
学工業技術研究所(茨城県つくば市東1 丁目1 番3 号)
に、平成8 年8 月29日に、各々FERM BP-5645およびFERM
BP-5643としてブダペスト条約に基づき国際寄託されて
いる(特願平9-271536参照)。また、ヒト型化抗HM1.24
抗体のH 鎖V 領域s バージョン(配列番号:4)をコー
ドするDNA を含むプラスミドを有する大腸菌は、Escher
ichia coli DH5α (pUC19-RVHs-AHM- gγl)として、
工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東
1 丁目1 番3 号)に、平成9 年(1997年)9 月29日にFE
RM BP-6127としてブダペスト条約に基づき国際寄託され
ている(特願平9-271536参照)。キメラ抗体、ヒト型化
抗体には、ヒト抗体C 領域が使用され、細胞障害活性を
呈するヒト抗体C 領域として、ヒトCγ例えば、Cγ
1,Cγ2,Cγ3,Cγ4を使用することができる。
これらのうち、特にCγ1,Cγ3を有する抗体が強力
な細胞障害活性、すなわち、ADCC活性、CDC 活性を有
し、本発明に好適に使用される。
【0031】キメラ抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体
の可変領域とヒト抗体由来のC 領域からなり、ヒト型化
抗体はヒト以外の哺乳動物由来抗体の相補性決定領域と
ヒト抗体由来のフレームワーク領域(framework regio
n; FR)およびC 領域からなり、ヒト体内における抗原
性が低下しているため、本発明の治療剤の有効成分とし
て有用である。本発明に使用されるヒト型化抗体の好ま
しい具体例としては、ヒト型化抗HM1.24抗体が挙げられ
る(特願平9-271536参照)。ヒト型化抗HM1.24抗体のL
鎖V 領域の好ましい具体例としては、配列番号2に示さ
れる塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有する
ものが挙げられる。また、ヒト型化抗HM1.24抗体のH 鎖
V 領域の好ましい具体例としては、配列番号3又は4に
示される塩基配列によりコードされるアミノ酸配列を有
するものが挙げられる。
【0032】1-4. 発現および産生前記のように構築し
た抗体遺伝子は、公知の方法により発現させ、取得する
ことができる。哺乳類細胞の場合、常用される有用なプ
ロモーター、発現される抗体遺伝子、その3'側下流にポ
リA シグナルを機能的に結合させたDNA あるいはそれを
含むベクターにより発現させることができる。例えばプ
ロモーター/エンハンサーとしては、ヒトサイトメガロ
ウィルス前期プロモーター/エンハンサー(human cyto
megalovirus immediate early promoter/enhancer )を
挙げることができる。
【0033】また、その他に本発明で使用される抗体発
現に使用できるプロモーター/エンハンサーとして、レ
トロウィルス、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、
シミアンウィルス40(SV 40 )等のウィルスプロモータ
ー/エンハンサーやヒトエロンゲーションファクター1
α(HEF1α)などの哺乳類細胞由来のプロモーター/エ
ンハンサーを用いればよい。例えば、SV 40 プロモータ
ー/エンハンサーを使用する場合、Mulliganらの方法
(Nature (1979) 277, 108)、また、HEF1αプロモータ
ー/エンハンサーを使用する場合、Mizushima らの方法
(Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)に従えば容易
に実施することができる。
【0034】大腸菌の場合、常用される有用なプロモー
ター、抗体分泌のためのシグナル配列、発現させる抗体
遺伝子を機能的に結合させて発現させることができる。
例えばプロモーターとしては、laczプロモーター、araB
プロモーターを挙げることができる。laczプロモーター
を使用する場合、Wardらの方法(Nature (1098) 341,54
4-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモ
ーターを使用する場合、Betterらの方法(Science (198
8) 240, 1041-1043 )に従えばよい。抗体分泌のための
シグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生さ
せる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Ba
cteriol. (1987) 169, 4379)を使用すればよい。ペリ
プラズムに産生された抗体を分離した後、抗体の構造を
適切にリフォールド(refold)して使用する(例えば、
WO96/30394を参照)。
【0035】複製起源としては、SV 40 、ポリオーマウ
ィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BP
V )等の由来のものを用いることができ、さらに、宿主
細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選
択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラー
ゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大
腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラ
ーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)
遺伝子等を含むことができる。本発明で使用される抗体
の製造のために、任意の産生系を使用することができ
る。抗体製造のための産生系は、in vitroおよびin viv
o の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細
胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系が挙げ
られる。
【0036】真核細胞を使用する場合、動物細胞、植物
細胞、真菌細胞を用いる産生系がある。動物細胞として
は、(1) 哺乳類細胞、例えば、CHO, COS,ミエローマ、
BHK(baby hamster kidney ),HeLa,Vero,(2) 両生
類細胞、例えば、アフリカツメガエル卵母細胞、あるい
は(3) 昆虫細胞、例えば、sf9, sf21, Tn5などが知られ
ている。植物細胞としては、ニコティアナ(Nicotiana)
属、例えばニコティアナ・タバカム(Nicotiana tabacu
m)由来の細胞が知られており、これをカルス培養すれば
よい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセ
ス(Saccharomyces )属、例えばサッカロミセス・セレ
ビシエ(Saccharomyces serevisiae)、糸状菌、例え
ば、アスペルギルス(Aspergillus )属、例えばアスペ
スギルス・ニガー(Aspergillus niger )などが知られ
ている。
【0037】原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用い
る産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli
)、枯草菌が知られている。これらの細胞に、目的と
する抗体遺伝子を形質転換により導入し、形質転換され
た細胞をin vitroで培養することにより抗体が得られ
る。培養は、公知の方法に従い行う。例えば、培養液と
して、DMEM,MEM, RPMI1640 、IMDMを使用することがで
き、牛胎児血清(FCS )等の血清補液を併用することも
できる。また、抗体遺伝子を導入した細胞を動物の腹腔
等へ移すことにより、in vivo にて抗体を産生してもよ
い。一方、in vivo の産生系としては、動物を使用する
産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。動物を使
用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。
【0038】哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツ
ジ、マウス、ウシなどを用いることができる(Vicki Gl
aser,SPECTRUM Biotechnology Application,1993)。ま
た、昆虫としては、カイコを用いることができる。植物
を使用する場合、タバコを用いることができる。これら
の動物または植物に抗体遺伝子を導入し、動物または植
物の体内で抗体を産生させ、回収する。例えば、抗体遺
伝子をヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生され
る蛋白質をコードする遺伝子の途中に挿入して融合遺伝
子として調製する。抗体遺伝子が挿入された融合遺伝子
を含むDNA 断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギ
へ導入する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジ
ェニックヤギまたはその子孫が産生する乳汁から所望の
抗体を得る。トランスジェニックヤギから産生される所
望の抗体を含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモ
ンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert,
K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702
)。
【0039】また、カイコを用いる場合、目的の抗体遺
伝子を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させ、
このカイコの体液より所望の抗体を得る(Susumu, M.et
al., Nature(1985)315, 592-594) 。さらに、タバコを
用いる場合、目的の抗体遺伝子を植物発現用ベクター、
例えばpMON530に挿入し、このベクターをアグロ
バクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tume
faciens)のようなバクテリアに導入する。このバクテリ
アをタバコ、例えばニコチニア・タバカム(Nicotiana
tabacum)に感染させ、本タバコの葉より所望の抗体を得
る(Julian, K.-C.Ma et al., Eur.J.Immunol.(1994)2
4, 131-138)。
【0040】上述のようにin vitroまたはin vivo の産
生系にて抗体を産生する場合、抗体重鎖(H 鎖)または
軽鎖(L 鎖)をコードするDNA を別々に発現ベクターに
組み込んで宿主を同時形質転換させてもよいし、あるい
はH 鎖およびL 鎖をコードするDNA を単一の発現ベクタ
ーに組み込んで、宿主を形質転換させてもよい(国際特
許出願公開番号WO 94-11523 参照)。上述のように得ら
れた抗体は、ポリエチレングリコール(PEG )等の各種
分子と結合させ抗体修飾物として使用することもでき
る。本願特許請求の範囲でいう「抗体」にはこれらの抗
体修飾物も包含される。このような抗体修飾物を得るに
は、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得
ることができる。これらの方法はこの分野においてすで
に確立されている。
【0041】2. 抗体の分離、精製 2-1. 抗体の分離、精製 前記のように産生、発現された抗体は、細胞内外、宿主
から分離し均一にまで精製することができる。本発明で
使用される抗体の分離、精製はアフィニティークロマト
グラフィーにより行うことができる。アフィニティーク
ロマトグラフィーに用いるカラムとしては、例えば、プ
ロテインA カラム、プロテインG カラムが挙げられる。
プロテインA カラムに用いる担体として、例えば、Hype
r D, POROS,Sepharose F.F.等が挙げられる。
【0042】その他、通常のタンパク質で使用されてい
る分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるも
のではない。例えば、上記アフィニティークロマトグラ
フィー以外のクロマトグラフィー、フィルター、限外濾
過、塩析、透析等を適宜選択、組み合わせれば、本発明
で使用される抗体を分離、精製することができる。クロ
マトグラフィーとしては、例えば、イオン交換クロマト
グラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過等が挙
げられる。これらのクロマトグラフィーはHPLCに適用す
ることができる。また、逆相HPLCを用いることができ
る。
【0043】2-2. 抗体の濃度測定 2-1 で得られた抗体の濃度測定は吸光度の測定またはEL
ISA 等により行うことができる。すなわち、吸光度の測
定による場合には、本発明で使用される抗体又は抗体を
含むサンプルをPBS(-)で適当に希釈した後、280 nmの吸
光度を測定し、1 mg/ml を1.35 OD として算出する。ま
た、ELISA による場合は以下のように測定することがで
きる。すなわち、0.1M重炭酸緩衝液(pH9.6 )で1 μg/
mlに希釈したヤギ抗ヒトIgG (BIO SOURCE製)100 μl
を96穴プレート(Nunc製)に加え、4℃で一晩インキュ
ベーションし、抗体を固層化する。
【0044】ブロッキングの後、適宜希釈した本発明で
使用される抗体または抗体を含むサンプル、あるいは標
品としてヒトIgG (CAPPEL製)100 μl を添加し、室温
にて1時間インキュベーションする。洗浄後、5000倍希
釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ヒトIgG (BIO
SOURCE製)100 μl を加え、室温にて1時間インキュベ
ートする。洗浄後、基質溶液を加えインキュベーション
の後、MICROPLATE READER Model 3550(Bio-Rad 製)を
用いて405nm での吸光度を測定し、目的の抗体の濃度を
算出する。
【0045】3. FCM 解析 リンパ球系腫瘍と本発明で使用される抗体との反応性
は、FCM (フローサイトメトリー)解析で行うことがで
きる。細胞としては、樹立細胞株あるいは新鮮分離細胞
を用いることができる。例えば樹立細胞株として、T細
胞株であるRPMI 8402 (ATCC CRL-1994 )、急性リンパ
芽球性白血病由来CCRF-CEM(ATCC CCL-119)、急性リン
パ性白血病由来HPB-ALL (FCCH1018)、T リンパ腫由来
HPB-MLT (FCCH1019)、急性リンパ性白血病由来JM(FC
CH1023)、急性リンパ芽球性白血病由来MOLT-4(ATCC C
RL-1582 )、急性リンパ性白血病由来Jurkat(FCCH102
4)、急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-HSB-2(ATCC CC
L-120.1)、成人T 細胞白血病由来MT-1(FCCH1043)、
レンネルトリンパ腫由来KT-3(Shimizu, S.et al., Blo
od(1988)71,196-203)などを、
【0046】また、B細胞株としてEBウィルス形質転換
細胞CESS(ATCC TIB-190)、EBウィルス陽性B 細胞SKW
6.4 (ATCC TIB-215)、B リンパ腫由来MC116 (ATCC C
RL-1649 )、急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-SB (AT
CC CCL-120)、急性骨髄性白血病患者由来B 細胞RPMI 6
410 (FCCH6047)、Burkitt リンパ腫由来Daudi (ATCC
CCL-213)、Burkitt リンパ腫由来EB-3(ATCC CCL-85
)、Burkitt リンパ腫由来Jijoye(ATCC CCL-87 )、B
urkitt リンパ腫由来Raji(ATCC CCL-86 )などを、さ
らに非T非B細胞株として急性骨髄性白血病由来HL-60
(ATCC CCL-240)、急性単球性白血病由来THP-1 (ATCC
TIB-202)、組織球性リンパ腫由来U-937(ATCC CRL-15
93 )、慢性骨髄性白血病由来K-562 (ATCC CCL-243)
などを用いることができる。
【0047】上記細胞をPBS(-)で洗浄した後、 FACS 緩
衝液(2 %ウシ胎児血清、0.1 %アジ化ナトリウム含有
PBS(-))で25μg/mlに希釈した抗体あるいはコントロー
ル抗体 100μl を加え、氷温化30分インキュベートす
る。FACS緩衝液で洗浄した後、25μg/mlのFITC標識ヤギ
抗マウス抗体(GAM, Becton Dickinson 製)100 μl を
加え、氷温化30分間インキュベートする。FACS緩衝液で
洗浄した後、600 μl あるいは1 mlのFACS緩衝液に懸濁
し、FACScan (Becton Dickinson製)で各細胞の蛍光強
度を測定すればよい。
【0048】各細胞の蛍光強度の測定値から、本発明で
使用される抗体と各細胞の反応性を知ることができる。
すなわち、各細胞の蛍光強度の測定値から、各細胞にHM
1.24抗原が発現しているか否か(陽性か陰性か)及び発
現の強度を知ることができる。リンパ球系腫瘍細胞にお
けるHM1.24抗原の発現の有無および発現強度について
は、後述の実施例2.2.FCM 解析に記載されている。
【0049】本発明の治療対象となるリンパ球系腫瘍の
腫瘍細胞は、HM1.24抗原を発現している。より詳しく
は、リンパ球系腫瘍の腫瘍細胞は、HM1.24抗原陽性のパ
ーセンテージが5%未満ではない腫瘍細胞が好ましい。
より詳しくは、リンパ球系腫瘍の腫瘍細胞は、HM1.24抗
原陽性のパーセンテージが20%以上である腫瘍細胞が好
ましい。より詳しくは、リンパ球系腫瘍の腫瘍細胞は、
HM1.24抗原陽性のパーセンテージが50%以上である腫瘍
細胞が好ましい。より詳しくは、リンパ球系腫瘍の腫瘍
細胞は、HM1.24抗原陽性のパーセンテージが80%以上で
ある腫瘍細胞が好ましい。
【0050】4. 細胞障害活性 4-1. CDC 活性の測定 本発明に使用される抗体は、細胞障害活性として、例え
ば、CDC活性を有する抗体である。本発明のリンパ球
系腫瘍治療剤のリンパ球系腫瘍に対するCDC 活性は、次
のようにして測定することができる。まず標的細胞を適
当な培地、例えば10% ウシ胎児血清(GIBCO-BRL 製)含
有RPMI 1640 培地(GIBCO-BRL 製)で4 x 105 個/mlに
なるように調製する。標的細胞としてはCCRF-CEM(ATCC
CCL-119),CCRF-HSB-2(ATCC CCL-120.1)、HPB-MLT
(FCCH1019),EB-3(ATCC CCL-85 ),MC116(ATCC CR
L-1649 ),CCRF-SB (ATCC CCL-120),K-562 (ATCC
CCL-243)などを用いることができる。これら細胞を96
穴平底プレート(FALCON製)に50μl 加え、37℃CO2
ンキュベーター中で一晩培養する。
【0051】次いで、CDC 活性を測定する抗体を加え、
60分間インキュベートした後、適当に希釈した補体、例
えばBaby Rabbit Complement(CEDARLANE 製)を加え、
2 時間インキュベートする。これにAlamar Bule (BIO
SOURCE製)を各穴に10μl 加え、4 時間インキュベート
した後、各穴の蛍光強度(励起波長530 nm、検出波長59
0 nm)を蛍光測定システムCytoFluor 2350(MILLIPORE
製)で測定する。細胞障害活性(%)は、(A-C )/
(B-C )x 100 で計算することができる。なお、A は抗
体存在下でインキュベートしたときの蛍光強度、B は抗
体を含まず培養液のみでインキュベートしたときの蛍光
強度、C は細胞を含まない穴の蛍光強度である。
【0052】4-2. ADCC活性の測定 本発明に使用される抗体は、細胞障害活性として、例え
ば、ADCC活性を有する抗体である。本発明のリンパ
球系腫瘍治療剤のリンパ球系腫瘍に対するADCC活性は、
次のようにして測定することができる。まず、ヒトの末
梢血や骨髄より比重遠心法で単核球分離し、エフェクタ
ー細胞として調製する。また、標的細胞としてはCCRF-C
EM(ATCC CCL-119),CCRF-HSB-2(ATCC CCL-120.1)、
HPB-MLT (FCCH1019),EB-3(ATCC CCL-85 ),MC116
(ATCC CRL-1649 ),CCRF-SB (ATCC CCL-120),K-56
2 (ATCC CCL-243)などを51Crにより標識して、標的細
胞として調製する。次いで、標識した標的細胞にADCC活
性を測定する抗体を加えインキュベートし、その後、標
的細胞に対し適切な比のエフェクター細胞を加えインキ
ュベートする。
【0053】インキュベートした後上清を取り、ガンマ
カウンターで放射活性を測定する。その際、最大遊離放
射能測定用に、1 %のNP-40 を用いることができる。細
胞障害活性(%)は、(A-C )/ (B-C )x 100 で計算
することができる。なお、Aは抗体存在下において遊離
された放射活性(cpm )、B はNP-40 により遊離された
放射活性(cpm )、C は抗体を含まず培養液のみで遊離
された放射活性(cpm)である。
【0054】4-3. 細胞障害活性の増強 ADCC活性やCDC 活性のような細胞障害活性を発揮するに
は、ヒトにおいては抗体定常領域(C領域)としてC
γ、特にCγ1 、Cγ3 を使用することが好ましい。さ
らに、抗体C領域のアミノ酸を一部付加、改変、修飾す
ることにより、より強力なADCC活性、あるいはCDC 活性
を誘導することができる。
【0055】例えば、アミノ酸置換によるIgG のIgM 様
ポリマー化(Smith, R. I. F. & Morrison, S. L. BIO/
TECHNOLOGY(1994) 12, 683-688)、アミノ酸付加による
IgGのIgM 様ポリマー化(Smith, R. I. F. et al. , J.
Immunology (1995) 154,2226-2236 )、L鎖をコード
する遺伝子の直列連結での発現(Shuford, W. et al.,
Science (1991) 252, 724-727 )、アミノ酸置換による
IgG の二量体化(Caron, P. C. et al., J. Exp. Med.
(1992) 176, 1191-1195, Shopes, B., J. Immunology
(1992) 148, 2918-2922)、化学修飾によるIgG の二量
体化(Wolff, E. A. et al., Cancer Res. (1993) 53,
2560-2565 )、および抗体ヒンジ領域のアミノ酸改変に
よるエフェクター機能の導入(Norderhaug, L. et al.,
Eur. J.Immunol. (1991) 21, 2379-2384)が挙げられ
る。これらは、プライマーを利用したオリゴマー部位特
異的変異導入法、制限酵素切断部位を利用した塩基配列
の付加、共有結合をもたらす化学修飾剤を使用すること
によって達成される。
【0056】5. 治療効果の確認 本発明のリンパ球系腫瘍治療剤の治療効果を確認するに
は、本発明で使用される抗体をリンパ球系腫瘍細胞を移
植した動物に投与し、抗腫瘍効果を評価することにより
行うことができる。動物に移植するリンパ球形腫瘍細胞
としては、樹立細胞株あるいは新鮮分離細胞を用いるこ
とができる。例えば樹立細胞株として、T細胞株である
CCRF-CEM(ATCC CCL-119),HPB-MLT (FCCH1019),MO
LT-4(ATCC CRL-1582 ),CCRF-HSB-2(ATCC CCL-120.
1)などを、また、B細胞株としてCESS(ATCC TIB-19
0),SKW 6.4 (ATCC TIB-215),CCRF-SB (ATCC CCL-
120),RPMI 6410 (FCCH6047),EB-3(ATCC CCL-85
)などを用いることができる。
【0057】また、移植される動物としては、免疫機能
が低下または欠失した動物が好ましく、例えば、ヌード
マウス、SCIDマウス、ベージュマウス、ヌードラットな
どを用いることができる。評価する抗腫瘍効果の確認
は、腫瘍体積・重量の測定や動物の生存期間などにより
行うことができる。後述の実施例に示されるように、抗
HM1.24抗体の投与によりヒトリンパ球系腫瘍移植マウス
において、腫瘍体積の増加が抑制され、さらに腫瘍移植
マウスの生存期間の延長が認められた。これらのことか
ら、抗HM1.24抗体はリンパ球系腫瘍に対し抗腫瘍効果を
有することが示された。
【0058】6. 投与経路および製剤 本発明のリンパ球系腫瘍治療剤は、非経口的に全身ある
いは局所的に投与することができる。例えば、点滴など
の静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射を選
択することができ、患者の年齢、症状により適宜投与方
法を選択することができる。有効投与量は、一回につき
体重1 Kgあたり0.01 mg から100 mgの範囲で選ばれる。
あるいは、患者あたり1-1000 mg 、好ましくは5-50 mg
の投与量を選ぶことができる。
【0059】本発明のリンパ球系腫瘍治療剤は、投与経
路次第で医薬的に許容される担体や添加物を共に含むも
のであってもよい。このような担体および添加物の例と
して、水、医薬的に許容される有機溶媒、コラーゲン、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリ
ウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチ
ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセル
ロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼ
ラチン、寒天、ジグリセリン、プロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステ
アリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン
(HSA )、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、
医薬添加物として許容される界面活性剤などが挙げられ
る。使用される添加物は、剤型に応じて上記の中から適
宜あるいは組合せて選択されるが、これらに限定される
ものではない。
【0060】本発明の治療対象疾患としては、標的とす
る腫瘍細胞上に本発明で使用される抗体が結合する抗原
が存在する、骨髄腫を除くリンパ球系腫瘍である。具体
的には、急性Bリンパ性白血病(B-ALL )、慢性Bリン
パ性白血病(B-CLL )、pre-B リンパ腫、Burkitt リン
パ腫、濾胞性リンパ腫、濾胞外套リンパ腫、びまん性リ
ンパ腫、急性Tリンパ性白血病(T-ALL )、慢性Tリン
パ性白血病(T-CLL )、成人T細胞白血病(ATL )、非
ATL 末梢性Tリンパ腫(PNTL)等が挙げられる。本発明
の治療剤は、これらリンパ球系腫瘍の治療剤として有用
である。
【0061】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。実施例1. 抗HM1.24抗体の作製 1. 抗HM1.24抗体を含むマウス腹水の調製 抗HM1.24抗体産生ハイブリドーマをGoto, T らの方法
(Blood (1994) 84. 1922-1930)に従い得た。
【0062】あらかじめ11,3 日前に2,6,10,14-テトラ
メチルペンタデカン(和光純薬工業製)をそれぞれ500
μl ずつ腹腔内に投与したBALB/cマウス(日本クレア
製)に、本ハイブリドーマ5 x 106 個を腹腔内に注入し
た。ハイブリドーマ注入後10日目より、マウスの腹腔内
に溜った腹水を19ゲージの留置針ハッピーキャス(メデ
ィキット製)で採取した。採取した腹水は、低速遠心機
RLX-131 (トミー精工製)を用いて回転数1000,3000 r
pmで2 回遠心し、ハイブリドーマ、血球等の雑排物を除
去した。
【0063】2. マウス腹水からの抗HM1.24抗体の精製 上記マウス腹水からの抗HM1.24抗体の精製は以下の方法
で行った。マウス腹水に等量のPBS(-)を加えた後、中空
糸フィルターメディアプレップ(MILLIPORE 製)を用い
てろ過した後、高速抗体精製装置ConSep LC100(MILLIP
ORE 製)およびHyper D Protein A カラム(カラム体積
20 ml、日本ガイシ製)を用い、付属の説明書に基づき
吸着緩衝液としてPBS(-)、溶出緩衝液として0.1 M クエ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH 4)を用いてアフィニティー
精製した。溶出画分は直ちに1 MTris-HCl (pH 8.0) を
添加してpH7.4 付近に調整した後、遠心限外濃縮器Cent
riprep 10 を用いて濃縮およびPBS(-)への緩衝液置換を
行い、孔径0.22μm のメンブランフィルターMILLEX-GV
(MILLIPORE 製)でろ過滅菌し、精製抗HM1.24抗体を得
た。
【0064】3. 抗体濃度の測定 精製抗体の濃度測定は吸光度の測定により行った。すな
わち、精製抗体をPBS(-)で希釈した後、280 nmの吸光度
を測定し、1 mg/ml を1.35 OD として算出した。
【0065】実施例2. 抗HM1.24抗体のリンパ球系腫瘍
細胞に対する反応性の検討 1. コントロールマウスIgG2a の精製 コントロールマウスIgG2a の精製は以下の方法で行っ
た。市販のmouse IgG2a(KAPPA)(UPC 10) ascites(CAPP
EL製)を精製水およびPBS(-)で溶解した。これを孔径0.
2 μm のメンブランフィルターAcrodisc(Gelman Scien
ces 製)を用いてろ過した後、高速抗体精製装置ConSep
LC100(MILLIPORE 製)およびHyper D Protein A カラ
ム(カラム体積 20 ml、日本ガイシ製)を用い、付属の
説明書に基づき吸着緩衝液としてPBS(-)、溶出緩衝液と
して0.1 M クエン酸ナトリウム緩衝液(pH 4)を用いて
アフィニティー精製した。
【0066】溶出画分は直ちに1 M Tris-HCl (pH 8.0)
を添加してpH7.4 付近に調整した後、遠心限外濃縮器Ce
ntriprep 10 を用いて濃縮およびPBS(-)への緩衝液置換
を行い、孔径0.22μm のメンブランフィルターMILLEX-G
V (MILLIPORE 製)でろ過滅菌し精製コントロールマウ
スIgG2a を得た。精製コントロールマウスIgG2a の濃度
測定は、上記3 の抗体濃度の測定に従った。
【0067】2. FCM 解析 抗HM1.24抗体のリンパ球系腫瘍細胞に対する反応性の検
討は、FCM (フローサイトメトリー)解析で行った。T
細胞株であるRPMI 8402 (ATCC CRL-1995 )、急性リン
パ芽球性白血病由来CCRF-CEM(ATCC CCL-119)、急性リ
ンパ性白血病由来HPB-ALL (FCCH1018)、T リンパ腫由
来HPB-MLT (FCCH1019)、急性リンパ性白血病由来JM
(FCCH1023)、急性リンパ芽球性白血病由来MOLT-4(AT
CC CRL-1582 )、急性リンパ性白血病由来Jurkat(FCCH
1024)、急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-HSB-2(ATCC
CCL-120.1)、成人T 細胞白血病由来MT-1(FCCH104
3)、レンネルトリンパ腫由来KT-3(Shimizu, S.et a
l., Blood(1988)71,196-203)を、
【0068】また、B細胞株としてEBウィルス形質転換
細胞CESS(ATCC TIB-190)、EBウィルス陽性B 細胞SKW
6.4 (ATCC TIB-215)、B リンパ腫由来MC116 (ATCC C
RL-1649 )、急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-SB (AT
CC CCL-120)、急性骨髄性白血病患者由来B 細胞RPMI 6
410 (FCCH6047)、Burkitt リンパ腫由来Daudi (ATCC
CCL-213)、Burkitt リンパ腫由来EB-3(ATCC CCL-85
)、Burkitt リンパ腫由来Jijoye(ATCC CCL-87 )、B
urkitt リンパ腫由来Raji(ATCC CCL-86 )を、さらに
非T非B細胞株として急性骨髄性白血病由来HL-60 (AT
CC CCL-240)、急性単球性白血病由来THP-1 (ATCC TIB
-202)、組織球性リンパ腫由来U-937 (ATCC CRL-1593
)、慢性骨髄性白血病由来K-562 (ATCC CCL-243)をP
BS(-)で洗浄した後、 FACS 緩衝液(2 %ウシ胎児血
清、0.1 %アジ化ナトリウム含有 PBS(-) )で25μg/ml
に希釈した抗HM1.24抗体あるいは精製コントロールマウ
スIgG2a100 μl を加え、氷温化30分インキュベートし
た。
【0069】FACS緩衝液で清浄した後、25μg/ml のFI
TC標識ヤギ抗マウス抗体(GAM)100μl を加え、氷温化3
0分間インキュベートした。FACS緩衝液で洗浄した後、6
00μl あるいは1 mlのFACS緩衝液に懸濁し、FACScan
(Becton Deckinson社製)で各細胞の蛍光強度を測定し
た。その結果、図1 〜23に示すように、T 細胞株では全
例で、またB 細胞株でDaudi, Raji の2 種類で反応しな
いもののその他全てで抗HM1.24抗体と反応し、HM1.24抗
原を高発現していることが確認された。一方、非T 非B
細胞株では全例で抗HM1.24抗体と反応せず、抗原の発現
を検出できなかった。
【0070】また、図1〜23の各細胞のヒストグラムに
おいて、コントロールマウスIgG2aを用いた染色で陰性
細胞が98%、陽性細胞が2%となるようにヒストグラム
マーカーを設定し、そのヒストグラムマーカーに従って
抗HM1.24抗体を用いたときのHM1.24抗原陽性の細胞のパ
ーセンテージを算出したものが表1である。HM1.24抗原
陽性細胞のパーセンテージによりHM1.24抗原発現率を
−、+/−、+、++、+++の5段階に区別した結
果、図1〜23と同様T細胞株では全例で、またB細胞株
でもDaudi 、Rajiを除く全てで++あるいは+++と非
常にHM1.24抗原を高発現していることが確認された。ま
た、非T非B細胞株では全例でHM1.24抗原陽性細胞が5
%未満の−であり、抗原の発現が無いか、あるいは非常
に少ないことが示された。
【0071】
【表1】
【0072】実施例3. CDC 活性の測定 抗HM1.24抗体の、リンパ球系腫瘍細胞に対するCDC 活性
は、以下のようにして測定した。 1. 標的細胞の調製 標的細胞として急性リンパ性白血病由来CCRF-CEM(ATCC
CCL-119)、急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-HSB-2
(ATCC CCL-120.1)、T リンパ腫由来HPB-MLT (FCCH10
19)、Burkitt リンパ腫由来EB-3(ATCC CCL-85 )、B
リンパ腫由来116(ATCC CRL-1649 )、急性リンパ性白
血病由来CCRF-SB (ATCC CCL-120)、慢性骨髄性白血病
由来K562(ATCC CCL-243)を、10% ウシ胎児血清(GIBC
O-BRL 製)含有RPMI 1640 培地(GIBCO-BRL 製)で4 x
105 個/ml になるように調製した。これら細胞懸濁液を
96穴平底プレート(FALCON製)に50μl 加え、37℃、5
%CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で一晩培養
した。
【0073】2. 抗HM1.24抗体の調製 前記実施例1 で得られた精製抗HM1.24抗体を、10% ウシ
胎児血清(GIBCO-BRL製)含有RPMI 1640 培地(GIBCO-B
RL 製)で0, 0.2, 2, 20 μg/mlに調製し、上記1 で作
製した96穴平底プレートの各穴に50μl ずつ加えた。37
℃、5 %CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で60
分間インキュベートした後、低速遠心機05PR-22 (日立
製)を用いて、1000 rpm、5 分間遠心し、上清50μl を
除去した。
【0074】3. 補体の調製 Baby Rabbit Complement(CEDARLANE 製)を1 バイアル
あたり1 mlの精製水で溶解し、さらにFCS 不含RPMI 164
0 培地(GIBCO-BRL 製)5 mlで希釈した。これを上記2
の96穴平底プレートの各穴に50μl 添加し、37℃、5 %
CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で2 時間イン
キュベートした。
【0075】4. CDC 活性の測定 インキュベート後、上記3 の96穴平底プレートの各穴に
Alamar Bule (BIO SOURCE製)を10μl ずつ加え、37
℃、5 %CO2 高湿インキュベーター(TABAI 製)中で4
時間インキュベートした後、各穴の蛍光強度(励起波長
530 nm、検出波長590 nm)を蛍光測定システムCytoFluo
r 2350(MILLIPORE 製)で測定した。細胞障害活性
(%)は、(A-C )/ (B-C )x 100 で計算した。な
お、A は抗体存在下でインキュベートしたときの蛍光強
度、B は抗体を含まず培養液のみでインキュベートした
ときの蛍光強度、C は細胞を含まない穴の蛍光強度であ
る。
【0076】その結果、図24および25に示すように、FC
M 解析で抗HM1.24抗体と反応しなかったK562は、抗HM1.
24抗体を添加しても細胞障害が起きなかったのに対し、
抗HM1.24抗体と反応するCCRF-CEM,CCRF-HSB-2,HPB-ML
T, EB-3, MC116およびCCRF-SB では、添加した抗HM1.24
抗体の濃度依存的に細胞障害が見られた。このことか
ら、抗HM1.24抗体は、細胞表面に抗HM1.24抗体が特異的
に結合する抗原蛋白質を有するリンパ球系腫瘍に対し
て、CDC 活性を示すことが明らかとなった。
【0077】実施例4. 抗HM1.24抗体のヒトリンパ球系
腫瘍移植マウスに対する抗腫瘍効果 1. 投与抗体の調製 1-1. 抗HM1.24抗体の調製 前記実施例1 で得られた精製抗HM1.24抗体を、ろ過滅菌
したPBS(-)を用いて1mg/ml, 200μg/mlに調製し、以下
の実験に用いた。 1-2. コントロールマウスIgG2a の調製 前記実施例2 で得られた精製を、ろ過滅菌したPBS(-)を
用いて1 mg/ml に調製し、以下の実験に用いた。
【0078】2. 抗HM1.24抗体のヒトリンパ球系腫瘍移
植マウスに対する抗腫瘍効果 2-1. ヒトリンパ球系腫瘍移植マウスの作製 ヒトリンパ球系腫瘍移植マウスは以下のように作製し
た。SCIDマウス(日本クレア)を用いてin vivo 継代し
た急性リンパ芽球性白血病由来CCRF-HSB-2細胞(ATCC C
CL 120.1)を、10% ウシ胎児血清(GIBCO-BRL 製)を含
むRPMI 1640 培地で1 x 108 個/ml になるように調製し
た。あらかじめ前日抗アシアロGM1 (和光純薬工業製)
100 μl を腹腔内投与したSCIDマウス(オス、6 週令)
(日本クレア)の腹部皮下に、上記で調製した細胞懸濁
液を注入した。
【0079】2-2. 抗体投与 腫瘍移植後7 日目に上記ヒトリンパ球系腫瘍移植マウス
のCCRF-HSB-2移植部位の腫瘍径をノギスを用いて測定
し、腫瘍体積を算出した後、各群の腫瘍体積の平均がほ
ぼ等しくなるように群分けを行った(各群8 匹、3
群)。同日より上記1で調製した1 mg/ml または200 μ
g/mlの抗HM1.24抗体、あるいは1 mg/ml のコントロール
マウスIgG2a それぞれ100 μl を各群に腹腔内投与し
た。投与は週2 回、合計19回同様に行った。この間、週
2 回ノギスを用いて腫瘍径を測定し腫瘍体積を算出し
た。
【0080】2-3. 抗HM1.24抗体のヒトリンパ球系腫瘍
移植マウスに対する抗腫瘍効果の評価 抗HM1.24抗体の抗腫瘍効果については、腫瘍体積の変化
およびマウスの生存期間で評価した。その結果、図26に
示すように抗HM1.24抗体投与群は、コントロールマウス
IgG2a 抗体投与群に比べ腫瘍体積の増加が抑制された。
また、図27に示すように、抗HM1.24抗体投与群は、コン
トロールマウスIgG2a 抗体投与群に比べマウスの生存期
間の延長が見られた。これらのことから、抗HM1.24抗体
はヒトリンパ球系腫瘍移植マウスに対して抗腫瘍効果を
有することが示された。
【0081】参考例1. マウス抗HM1.24モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマの調製 Goto, T. et al., Blood (1994) 84, 1992-1930 に記載
の方法にて、マウス抗HM1.24モノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマを調製した。ヒト多発性骨髄腫患者骨髄由
来の形質細胞株KPC-32(1x107 個)(Goto, T. et al.,
Jpn. J. Clin. Hematol. (1991) 32, 1400 )をBALB/C
マウス(チャールスリバー製)の腹腔内に6 週間おきに
2 回注射した。このマウスを屠殺する3 日前にマウスの
抗体産生価をさらに上昇させるために、1.5 x 106 個の
KPC-32をマウスの脾臓内に注射した(Goto, T. et al.,
Tokushima J. Exp. Med. (1990) 37, 89 )。マウスを
屠殺した後に脾臓を摘出し、Groth, de St. & Schreide
ggerの方法(Cancer Research (1981) 41, 3465 )に従
い摘出した脾臓細胞とミエローマ細胞SP2/0 を細胞融合
に付した。
【0082】KPC-32を用いたCell ELISA(Posner, M.
R. et al., J. Immunol. Methods (1982) 48, 23 )に
よりハイブリドーマ培養上清中の抗体のスクリーニング
を行った。5 x 104 個のKPC-32を50 ml のPBS に懸濁
し、96穴プレート(U 底型、Corning, Iwaki製)に分注
し37℃で一晩風乾した。1%ウシ血清アルブミン(BSA )
を含むPBS でブロックした後、ハイブリドーマ培養上清
を加え4℃にて2 時間インキュベートした。次いで、4
℃にて1 時間ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG ヤギ抗
体(Zymed 製)を反応させ、洗浄後室温にて30分間o-フ
ェニレンジアミン基質溶液(Sumitomo Bakelite 製)を
反応させた。
【0083】2N硫酸で反応を停止させ、ELISA reader
(Bio-Rad 製)で492nm における吸光度を測定した。ヒ
ト免疫グロブリンに対する抗体を産生するハイブリドー
マを除去するために、陽性ハイブリドーマ培養上清をヒ
ト血清にあらかじめ吸着させ、他の細胞株に対する反応
性をELISA にてスクリーニングした。陽性のハイブリド
ーマを選択し、種々の細胞に対する反応性をフローサイ
トメトリーで調べた。最後に選択されたハイブリドーマ
クローンを二度クローン化し、これをプリスタン処理し
たBALB/Cマウスの腹腔に注射して、腹水を取得した。
【0084】モノクローナル抗体は、硫酸アンモニウム
による沈澱とプロテインA アフィニティクロマトグラフ
ィーキット(Ampure PA 、Amersham製)によりマウス腹
水より精製した。精製抗体は、Quick Tag FITC結合キッ
ト(ベーリンガーマンハイム製)を使用することにより
FITC標識した。その結果、30のハイブリドーマクローン
が産生するモノクローナル抗体がKPC-32およびRPMI 822
6 と反応した。クローニングの後、これらのハイブリド
ーマの培養上清と他の細胞株あるいは末梢血単核球との
反応性を調べた。
【0085】このうち、3 つのクローンが形質細胞に特
異的に反応するモノクローナル抗体であった。これらの
3 つのクローンのうち、最もフローサイトメトリー分析
に有用であり、かつRPMI 8226 に対するCDC 活性を有す
るハイブリドーマクローンを選択し、HM1.24と名付け
た。このハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体
のサブクラスを、サブクラス特異的抗マウスウサギ抗体
(Zymed 製)を用いたELISA にて決定した。抗HM1.24抗
体は、IgG2a κのサブクラスを有していた。抗HM1.24抗
体を産生するハイブリドーマHM1.24は、工業技術院生命
工学工業研究所(茨城県つくば市東1 丁目1 番3 号)
に、平成7 年9 月14日にFERM BP-5233としてブタペスト
条約に基づき国際寄託された。
【0086】参考例2. ヒト型化抗HM1.24抗体の作製 ヒト型化抗HM1.24抗体を下記の方法により得た。参考例
1 で作製されたハイブリドーマHM1.24から、常法により
全RNA を調製した。これよりマウス抗体V 領域をコード
するcDNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法および5'-RA
CE 法により、合成、増幅した。マウスV 領域をコード
する遺伝子を含むDNA 断片を得、これらのDNA 断片を各
々プラスミドpUC 系クローニングベクターに連結し、大
腸菌コンピテント細胞に導入して大腸菌形質転換体を得
た。この形質転換体から上記プラスミドを得、プラスミ
ド中のcDNAコード領域の塩基配列を常法に従い決定し、
さらに各々のV 領域の相補性決定領域(CDR )を決定し
た。
【0087】キメラ抗HM1.24抗体を発現するベクターを
作製するため、それぞれマウス抗HM1.24抗体L 鎖および
H 鎖のV 領域をコードするcDNAをHEF ベクターに挿入し
た。また、ヒト型化抗HM1.24抗体を作製するために、CD
R 移植法によりマウス抗HM1.24抗体のV 領域CDR をヒト
抗体へ移植した。ヒト抗体のL 鎖としてヒト抗体REIのL
鎖を用い、ヒト抗体H 鎖としてフレームワーク領域(F
R)1-3 についてはヒト抗体HG3 のFR1-3 を用いFR4 に
ついてはヒト抗体JH6 のFR4 を用いた。CDR を移植した
抗体が適切な抗原結合部位を形成するようにH 鎖V 領域
のFRのアミノ酸を置換した。
【0088】このようにして作製したヒト型化抗HM1.24
抗体のL 鎖およびH 鎖の遺伝子を哺乳類細胞で発現させ
るために、HEF ベクターに、各々の遺伝子を別々に導入
し、ヒト型化抗HM1.24抗体のL 鎖またはH 鎖を発現する
ベクターを作製した。これら二つの発現ベクターをCHO
細胞に同時に導入することにより、ヒト型化抗HM1.24抗
体を産生する細胞株を樹立した。この細胞株を培養して
得られたヒト型化抗HM1.24抗体のヒト羊膜由来細胞株WI
SHへの抗原結合活性および結合阻害活性を、Cell ELISA
にて調べた。その結果、ヒト型化抗HM1.24抗体は、キメ
ラ抗体と同等の抗原結合活性を有し、さらにビオチン化
マウス抗HM1.24抗体を用いた結合阻害活性についても、
キメラ抗体あるいはマウス抗体と同等の活性を有した。
【0089】なお、キメラ抗HM1.24抗体のL 鎖V 領域お
よびH 鎖V 領域をコードするDNA を含むプラスミドを有
する大腸菌は、各々Escherichia coli DH5α(pUC19-1.
24L-gκ) およびEscherichia coli DH5α(pUC19-1.24
H-gγ1)として、工業技術院生命工学工業技術研究所
(茨城県つくば市東1 丁目1 番3 号)に、平成8 年8月2
9日に、各々FERM BP-5646およびFERM BP-5644としてブ
ダペスト条約に基づき国際寄託された。また、ヒト型化
抗HM1.24抗体のL 鎖V 領域a バージョン(配列番号:
2)およびH 鎖V 領域r バージョン(配列番号:3)を
コードするDNA を含むプラスミドを有する大腸菌は、各
々Escherichia coli DH5α(pUC19-RVLa-AHM-gk )およ
びEscherichia coli DH5α(pUC19-RVHr-AHM- gγ1)
として、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つ
くば市東1 丁目1 番3 号)に、平成8 年8 月29日に、各
々FERM BP-5645およびFERM BP-5643としてブダペスト条
約に基づき国際寄託された。また、ヒト型化抗HM1.24抗
体のH 鎖V 領域s バージョン(配列番号:4)をコード
するDNA を含むプラスミドを有する大腸菌は、Escheric
his coli DH5α (pUC19-RVHs-AHM- gγ1)として、工
業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1
丁目1 番3 号)に、平成9 年 (1997年) 9 月29日にFERM
BP-6127としてブダペスト条約に基づき国際寄託され
た。
【0090】参考例3. HM1.24 抗原蛋白質cDNAのクロー
ニング 抗HM1.24抗体が特異的に認識するHM1.24抗原蛋白質をコ
ードするcDNAをクローニングした。 1. cDNA ライブラリーの作製 1 )全RNA の調製 ヒ卜多発性骨髄腫細胞株KPMM2 から、全RNA をChirgwin
ら(Biochemistry, 18, 5294(1979))の方法に従って
調製した。すなわち、2.2 x 108 個のKPMM2 を20 ml の
4 M グアニジンチオシアネー卜(ナカライテスク製)中
で完全にホモジナイズさせた。
【0091】ホモジネー卜を遠心管中の5.3 M 塩化セシ
ウム溶液に重層し、次にこれをBeckman SW40ロー夕ー中
で31,000rpm にて20℃で24時間遠心分離することにより
RNAを沈殿させた。RNA 沈殿物を70 %エタノールにより
洗浄し、そして1 mM EDTA 及び0.5 % SDS を含有する10
mM Tris-HCl(pH7.4 )300 μl 中に溶解し、それにPr
onase (Boehringer製)を0.5 mg/ml となるように添加
した後、37℃にて30分間インキュべー卜した。混合物を
フェノール及びクロロホルムで抽出し、RNA をエタノー
ルで沈殿させた。次に、RNA 沈殿物を1mM EDTAを含有す
る10 mM Tris-HCl(pH7.4 )200 μl に溶解した。
【0092】2 )poly(A) +RNA の調製 前記のようにして調製した全RNA の約500 μg を材料と
してFast Track 2.0 mRNA Isolation Kit (Invitrogen
製)を用いてキッ卜添付の処方に従って poly(A)+RNA
を精製した。
【0093】3 )cDNAライブラリーの構築 上記 poly(A)+RNA 10μg を材料としてcDNA合成キッ卜
TimeSaver cDNA Synthesis Kit(Pharmacia 製)を用い
てキッ卜添付の処方に従って二本鎖 cDNA を合成し、更
にDirectional Cloning Toolbox (Pharmacia 製)を用
いてキッ卜付属の EcoRIアダプターをキッ卜添付の処方
に従って連結した。EcoRI アダプターのカイネーション
及び制限酵素 NotI 処理はキッ卜添付の処方に従って行
った。更に、約 500 bp 以上の大きさのアダプター付加
二本鎖 cDNA を1.5 % 低融点アガロースゲル(Sigma
製)を用いて分離、精製し、アダプター付加二本鎖 cDN
A 約40 μl を得た。
【0094】このようにして作製したアダプター付加二
本鎖 cDNA を、あらかじめ制限酵素EcoRI、NotI及びア
ルカリフォスファターゼ(宝酒造製)処理した pCOS1ベ
クター(特願平8-255196)と T4 DNA リガーゼ(GIBCO-
BRL 製)を用いて連結し、cDNAライブラリーを構築し
た。構築した cDNA ライブラリーは、大腸菌細胞株 DH5
α(GIBCO-BRL 製)に形質導入され、全体のサイズは約
2.5 x 106個の独立したクローンであると推定された。
【0095】2. 直接発現法によるクローニング 1 )COS-7 細胞へのトランスフェクション 上記の形質導入した大腸菌約 5 x 105クローンを 50 μ
g/mlのアンピシリンを含む 2-YT 培地(Molecular Clon
ing: A Laboratory Mannua1. Sambrook ら、Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press (1989))にて培養するこ
とにより cDNAの増幅を行い、アルカリ法(Molecular C
loning: A Laboratory Mannual. Sambrook ら、Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press (1989))により大腸
菌からプラスミド DNAを回収した。得られたプラスミド
DNAはGene Pulser 装置(Bio-Rad 製)を用いてエレク
トロポレーション法により COS-7細胞にトランスフェク
ションした。
【0096】すなわち、精製したプラスミド DNA 10 μ
g を 1 x 107細胞/mlで PBS中に懸濁した COS-7細胞液
0.8 ml に加え、1500 V,25μFDの容量にてパルスを与
えた。室温にて10分問の回復期間の後、エレクトロポレ
ーション処理された細胞は、10 %牛胎児血清(GIBCO-BR
L 製)を含むDMEM培養液(GIBCO-BRL 製)にて、37℃、
5 %CO2の条件下で3日間培養した。
【0097】2 )パンニングデイッシュの調製 マウス抗HM1.24抗体をコーティングしたパンニングデイ
ッシュを、B. Seed ら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
84, 3365-3369 (1987))の方法に従って調製した。すな
わち、マウス抗HM1.24抗体を10μg/mlになるように 50
mM Tris-HCl (pH9.5 )に加えた。このようにして調製
した抗体溶液3 mlを直径60 mm の細胞培養皿に加え、室
温にて2 時間インキユべー卜した。0.15 M NaCl 溶液に
て3 回洗浄した後、5%牛胎児血清、1 mM EDTA 、0.02 %
NaN3を含むPBS を加え、ブロッキングした後、下記クロ
ーニングに用いた。
【0098】3 )cDNAライブラリーのクローニング 前述のようにトランスフェク卜した COS-7細胞は、5 mM
EDTA を含むPBS にて剥がし、5%牛胎児血清を含むPBS
で一回洗浄した後、約 1 x 106細胞/mlとなるように5%
牛胎児血清及び0.02% NaN3を含むPBS に懸濁し、上記の
ように調製したパンニングデイシユに加え、室温にて約
2時間インキュべー卜した。5 % 牛胎児血清及び0.02 %
NaN3を含むPBS で3度緩やかに洗浄した後、0.6%SDS 及
び10 mMEDTAを含む溶液を用いてパンニングディシュに
結合した細胞からプラスミド DNAの回収を行った。
【0099】回収したプラスミド DNAを再び大腸菌DH5
αに形質導入し、前述のようにプラスミドDNA を増幅
後、アルカリ法にて回収した。回収したプラスミド DNA
を COS-7細胞にエレクトロポレーション法によりトラン
スフェク卜して前述と同様に結合した細胞よりプラスミ
ドDNA の回収を行った。同様の操作を更に1回繰り返
し、回収したプラスミドDNA を制限酵素EcoRI およびNo
tIで消化した結果、約 0.9kbpのサイズのインサー卜の
濃縮が確認された。さらに、回収したプラスミドDNA の
一部を形質導入した大腸菌を50μg/mlのアンピシリンを
含む2-YTアガープレー卜に接種し、一晩培養後、単一の
コロニーよりプラスミドDNA を回収した。制限酵素EcoR
I およびNotIにて消化し、インサー卜のサイズが約 0.9
kbpを示すクローンp3.19 を得た。
【0100】本クローンについては、PRISM, Dye Termi
nater Cycle Sequencingキッ卜(PerkinElmer 製)を用
いて、キッ卜添付の処方に従い反応を行い、ABI 373A D
NA Sequencer(Perkin Elmer製)にて塩基配列の決定を
行った。この塩基配列および対応するアミノ酸配列を配
列番号1 に示す。
【0101】
【発明の効果】FCM 解析の結果、抗HM1.24抗体はほとん
どのヒトリンパ球系腫瘍由来の細胞と強く反応した。こ
のことは、リンパ球系腫瘍の多くで、抗HM1.24抗体が認
識するエピトープを有するポリペプチドが強く発現して
いることを示す。また、抗HM1.24抗体と反応するヒトリ
ンパ球系腫瘍移植マウスにおいて、抗HM1.24抗体の投与
により腫瘍体積の増加が抑制され、さらに生存期間の延
長が認められた。これらのことから、抗H1.24 抗体ある
いは抗HM1.24抗体が認識するエピトープを有するポリペ
プチドを認識する抗体は多くのリンパ球系腫瘍に対し細
胞障害活性を示し、その結果リンパ球系腫瘍患者の治療
に対し非常に有用であることが示唆される。
【0102】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1013 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直線状 配列の種類:cDNA 配列 GAATTCGGCA CGAGGGATCT GG ATG GCA TCT ACT TCG TAT GAC TAT TGC 49 Met Ala Ser Thr Ser Tyr Asp Tyr Cys 1 5 AGA GTG CCC ATG GAA GAC GGG GAT AAG CGC TGT AAG CTT CTG CTG GGG 97 Arg Val Pro Met Glu Asp Gly Asp Lys Arg Cys Lys Leu Leu Leu Gly 10 15 20 25 ATA GGA ATT CTG GTG CTC CTG ATC ATC GTG ATT CTG GGG GTG CCC TTG 145 Ile Gly Ile Leu Val Leu Leu Ile Ile Val Ile Leu Gly Val Pro Leu 30 35 40 ATT ATC TTC ACC ATC AAG GCC AAC AGC GAG GCC TGC CGG GAC GGC CTT 193 Ile Ile Phe Thr Ile Lys Ala Asn Ser Glu Ala Cys Arg Asp Gly Leu 45 50 55 CGG GCA GTG ATG GAG TGT CGC AAT GTC ACC CAT CTC CTG CAA CAA GAG 241 Arg Ala Val Met Glu Cys Arg Asn Val Thr His Leu Leu Gln Gln Glu 60 65 70 CTG ACC GAG GCC CAG AAG GGC TTT CAG GAT GTG GAG GCC CAG GCC GCC 289 Leu Thr Glu Ala Gln Lys Gly Phe Gln Asp Val Glu Ala Gln Ala Ala 75 80 85 ACC TGC AAC CAC ACT GTG ATG GCC CTA ATG GCT TCC CTG GAT GCA GAG 337 Thr Cys Asn His Thr Val Met Ala Leu Met Ala Ser Leu Asp Ala Glu 90 95 100 105 AAG GCC CAA GGA CAA AAG AAA GTG GAG GAG CTT GAG GGA GAG ATC ACT 385 Lys Ala Gln Gly Gln Lys Lys Val Glu Glu Leu Glu Gly Glu Ile Thr 110 115 120 ACA TTA AAC CAT AAG CTT CAG GAC GCG TCT GCA GAG GTG GAG CGA CTG 433 Thr Leu Asn His Lys Leu Gln Asp Ala Ser Ala Glu Val Glu Arg Leu 125 130 135 AGA AGA GAA AAC CAG GTC TTA AGC GTG AGA ATC GCG GAC AAG AAG TAC 481 Arg Arg Glu Asn Gln Val Leu Ser Val Arg Ile Ala Asp Lys Lys Tyr 140 145 150 TAC CCC AGC TCC CAG GAC TCC AGC TCC GCT GCG GCG CCC CAG CTG CTG 529 Tyr Pro Ser Ser Gln Asp Ser Ser Ser Ala Ala Ala Pro Gln Leu Leu 155 160 165 ATT GTG CTG CTG GGC CTC AGC GCT CTG CTG CAG TGA GATCCCAGGA 575 Ile Val Leu Leu Gly Leu Ser Ala Leu Leu Gln *** 170 175 180 AGCTGGCACA TCTTGGAAGG TCCGTCCTGC TCGGCTTTTC GCTTGAACAT TCCCTTGATC 635 TCATCAGTTC TGAGCGGGTC ATGGGGCAAC ACGGTTAGCG GGGAGAGCAC GGGGTAGCCG 695 GAGAAGGGCC TCTGGAGCAG GTCTGGAGGG GCCATGGGGC AGTCCTGGGT GTGGGGACAC 755 AGTCGGGTTG ACCCAGGGCT GTCTCCCTCC AGAGCCTCCC TCCGGACAAT GAGTCCCCCC 815 TCTTGTCTCC CACCCTGAGA TTGGGCATGG GGTGCGGTGT GGGGGGCATG TGCTGCCTGT 875 TGTTATGGGT TTTTTTTGCG GGGGGGGTTG CTTTTTTCTG GGGTCTTTGA GCTCCAAAAA 935 AATAAACACT TCCTTTGAGG GAGAGCACAC CTTAAAAAAA AAAAAAAAAA AAAAAAAAAA 995 AAAATTCGGG CGGCCGCC 1013
【0103】配列番号:2 配列の長さ:379 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATG GGA TGG AGC TGT ATC ATC CTC TCC TTG GTA GCA ACA GCT ACA GGT 48 Met Gly Trp Ser Cys Ile Ile Leu Ser Leu Val Ala Thr Ala Thr Gly -15 -10 -5 GTC CAC TCC GAC ATC CAG ATG ACC CAG AGC CCA AGC AGC CTG AGC GCC 96 Val His Ser Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala -1 1 5 10 AGC GTG GGT GAC AGA GTG ACC ATC ACC TGT AAG GCT AGT CAG GAT GTG 144 Ser Val Gly Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Lys Ala Ser Gln Asp Val 15 20 25 AAT ACT GCT GTA GCC TGG TAC CAG CAG AAG CCA GGA AAG GCT CCA AAG 192 Asn Thr Ala Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys 30 35 40 45 CTG CTG ATC TAC TCG GCA TCC AAC CGG TAC ACT GGT GTG CCA AGC AGA 240 Leu Leu Ile Tyr Ser Ala Ser Asn Arg Tyr Thr Gly Val Pro Ser Arg 50 55 60 TTC AGC GGT AGC GGT AGC GGT ACC GAC TTC ACC TTC ACC ATC AGC AGC 288 Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Phe Thr Ile Ser Ser 65 70 75 CTC CAG CCA GAG GAC ATC GCT ACC TAC TAC TGC CAG CAA CAT TAT AGT 336 Leu Gln Pro Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln His Tyr Ser 80 85 90 ACT CCA TTC ACG TTC GGC CAA GGG ACC AAG GTG GAA ATC AAA C 379 Thr Pro Phe Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys 95 100 105
【0104】配列番号:3 配列の長さ:418 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATG GAC TGG ACC TGG AGG GTC TTC TTC TTG CTG GCT GTA GCT CCA GGT 48 Met Asp Trp Thr Trp Arg Val Phe Phe Leu Leu Ala Val Ala Pro Gly -15 -10 -5 GCT CAC TCC CAG GTG CAG CTG GTG CAG TCT GGG GCT GAG GTG AAG AAG 96 Ala His Ser Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys -1 1 5 10 CCT GGG GCC TCA GTG AAG GTT TCC TGC AAG GCA TCT GGA TAC ACC TTC 144 Pro Gly Ala Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe 15 20 25 ACT CCC TAC TGG ATG CAG TGG GTG CGA CAG GCC CCT GGA CAA GGG CTT 192 Thr Pro Tyr Trp Met Gln Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu 30 35 40 45 GAG TGG ATG GGA TCT ATT TTT CCT GGA GAT GGT GAT ACT AGG TAC AGT 240 Glu Trp Met Gly Ser Ile Phe Pro Gly Asp Gly Asp Thr Arg Tyr Ser 50 55 60 CAG AAG TTC AAG GGC AGA GTC ACC ATG ACC GCA GAC AAG TCC ACG AGC 288 Gln Lys Phe Lys Gly Arg Val Thr Met Thr Ala Asp Lys Ser Thr Ser 65 70 75 ACA GCC TAC ATG GAG CTG AGC AGC CTG AGA TCT GAG GAC ACG GCC GTG 336 Thr Ala Tyr Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val 80 85 90 TAT TAC TGT GCG AGA GGA TTA CGA CGA GGG GGG TAC TAC TTT GAC TAC 384 Tyr Tyr Cys Ala Arg Gly Leu Arg Arg Gly Gly Tyr Tyr Phe Asp Tyr 95 100 105 TGG GGG CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC TCC TCA G 418 Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser 110 115 120
【0105】配列番号:4 配列の長さ:418 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 ATG GAC TGG ACC TGG AGG GTC TTC TTC TTG CTG GCT GTA GCT CCA GGT 48 Met Asp Trp Thr Trp Arg Val Phe Phe Leu Leu Ala Val Ala Pro Gly -15 -10 -5 GCT CAC TCC CAG GTG CAG CTG GTG CAG TCT GGG GCT GAG GTG AAG AAG 96 Ala His Ser Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys -1 1 5 10 CCT GGG GCC TCA GTG AAG GTT TCC TGC AAG GCA TCT GGA TAC ACC TTC 144 Pro Gly Ala Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe 15 20 25 ACT CCC TAC TGG ATG CAG TGG GTG CGA CAG GCC CCT GGA CAA GGG CTT 192 Thr Pro Tyr Trp Met Gln Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu 30 35 40 45 GAG TGG ATG GGA TCT ATT TTT CCT GGA GAT GGT GAT ACT AGG TAC AGT 240 Glu Trp Met Gly Ser Ile Phe Pro Gly Asp Gly Asp Thr Arg Tyr Ser 50 55 60 CAG AAG TTC AAG GGC AGA GTC ACC ATC ACC GCA GAC AAG TCC ACG AGC 288 Gln Lys Phe Lys Gly Arg Val Thr Ile Thr Ala Asp Lys Ser Thr Ser 65 70 75 ACA GCC TAC ATG GAG CTG AGC AGC CTG AGA TCT GAG GAC ACG GCC GTG 336 Thr Ala Tyr Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val 80 85 90 TAT TAC TGT GCG AGA GGA TTA CGA CGA GGG GGG TAC TAC TTT GAC TAC 384 Tyr Tyr Cys Ala Arg Gly Leu Arg Arg Gly Gly Tyr Tyr Phe Asp Tyr 95 100 105 TGG GGG CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC TCC TCA G 418 Trp Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser 110 115 120
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図2】図2は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図3】図3は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図4】図4は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図5】図5は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図6】図6は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図7】図7は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図8】図8は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図9】図9は、抗HM1.24抗体およびコントロールマウ
スIgG2a で、間接法により図に示すB細胞株をFCM 解析
したときのヒストグラムを示す。
【図10】図10は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図11】図11は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図12】図12は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図13】図13は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図14】図14は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図15】図15は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図16】図16は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図17】図17は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図18】図18は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図19】図19は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示すT細胞株をFCM
解析したときのヒストグラムを示す。
【図20】図20は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示す非T非B細胞株
をFCM 解析したときのヒストグラムを示す。
【図21】図21は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示す非T非B細胞株
をFCM 解析したときのヒストグラムを示す。
【図22】図22は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示す非T非B細胞株
をFCM 解析したときのヒストグラムを示す。
【図23】図23は、抗HM1.24抗体およびコントロール
マウスIgG2a で、間接法により図に示す非T非B細胞株
をFCM 解析したときのヒストグラムを示す。
【図24】図24は、抗HM1.24抗体がT細胞腫瘍株であ
るCCRF-CEM,CCRF-HSB-2およびHPB-MLT に対して、濃度
依存的に細胞障害を引き起こしていることを示すグラフ
である。
【図25】図25は、抗HM1.24抗体がB細胞腫瘍株であ
るEB-3,MC116 および CCRF-SBに対して、濃度依存的に
細胞障害を引き起こしていることを示すグラフである。
【図26】図26は、ヒトリンパ球系腫瘍移植マウスに
おいて、抗HM1.24抗体投与群は、コントロールマウスIg
G2a 投与群に比べ、腫瘍体積の増加が抑制されているこ
とを示すグラフである。
【図27】図27は、ヒトリンパ球系腫瘍移植マウスに
おいて、抗HM1.24抗体投与群は、コントロールマウスIg
G2a 投与群に比べ、生存期間が延長していることを示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 15/02 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12P 21/08 C12R 1:19)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるアミノ酸配列を有
    する蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有す
    る抗体を有効成分として含有する、リンパ球系腫瘍(骨
    髄腫を除く)治療剤。
  2. 【請求項2】 リンパ球系腫瘍がT細胞腫瘍である、請
    求項1に記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 リンパ球系腫瘍がB細胞腫瘍(骨髄腫を
    除く)である、請求項1に記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 抗体がモノクローナル抗体である、請求
    項1に記載の治療剤。
  5. 【請求項5】 細胞障害活性がADCC活性である、請
    求項1に記載の治療剤。
  6. 【請求項6】 細胞障害活性がCDC活性である、請求
    項1に記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 抗体がヒト抗体定常領域Cγを有する、
    請求項4に記載の治療剤。
  8. 【請求項8】 ヒト抗体定常領域CγがCγ1またはC
    γ3である、請求項7に記載の治療剤。
  9. 【請求項9】 抗体が抗HM1.24抗体である、請求項4に
    記載の治療剤。
  10. 【請求項10】 抗体がキメラ抗体またはヒト型化抗体
    である、請求項4に記載の治療剤。
  11. 【請求項11】 抗体がキメラ抗HM1.24抗体である、請
    求項9に記載の治療剤。
  12. 【請求項12】 抗体がヒト型化抗HM1.24抗体である、
    請求項9に記載の治療剤。
  13. 【請求項13】 抗体が抗HM1.24抗体が認識するエピト
    ープと特異的に結合する、請求項1に記載の治療剤。
  14. 【請求項14】 配列番号1に示されるアミノ酸配列を
    有する蛋白質に特異的に結合し、かつ細胞障害活性を有
    する抗体。
  15. 【請求項15】 細胞障害活性がADCC活性である、
    請求項13に記載の抗体。
  16. 【請求項16】 細胞障害活性がCDC活性である、請
    求項13に記載の抗体。
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JP2003500015A (ja) * 1999-03-31 2003-01-07 モア−リサーチ・アプリケーシヨンズ・リミテツド モノクローナル抗体、抗原ならびに悪性疾患の診断および治療
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JPWO2005014651A1 (ja) * 2003-08-11 2006-11-24 中外製薬株式会社 糖鎖改変抗hm1.24抗体

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