JPH1028583A - 核酸運搬体 - Google Patents

核酸運搬体

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JPH1028583A
JPH1028583A JP8185923A JP18592396A JPH1028583A JP H1028583 A JPH1028583 A JP H1028583A JP 8185923 A JP8185923 A JP 8185923A JP 18592396 A JP18592396 A JP 18592396A JP H1028583 A JPH1028583 A JP H1028583A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、細胞に核酸を導入するための新規
核酸運搬体、並びに当該核酸運搬体および核酸を含む、
核酸の細胞内への導入を促進するための調節剤を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】本発明の核酸運搬体は、1つまたは複数の
塩基性アミノ酸残基、及び分子内に水酸基を有する1つ
または複数のアミノ酸残基を含むぺブチドからなる核酸
結合性領域、ならびに標的指向性付与領域を有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞に核酸を導入する
ための新規核酸運搬体に関する。より詳しくは、本発明
は核酸を細胞内に効率良く安全に導入するための核酸結
合性領域を有する核酸運搬体に関するものである。
【0002】本発明はまた、当該核酸運搬体および核酸
を含む、核酸の細胞内への導入を促進するための調節剤
に関する。
【0003】
【従来の技術】遺伝子治療とは、薬剤として作用する外
来遺伝子(以下、「薬物遺伝子」という)を体内に導入
し発現させることで疾患の治療を行おうとする全く新し
い治療方法である。遺伝子治療によって治療効果が期待
できる疾患は先天性、後天性を問わず遺伝子の異常が原
因で発症する疾患すべてが含まれるが、特に、致死的で
あり、かつ治療法が確立されていない癌やAIDSに対
しては非常に有用性の高い治療方法であると考えられて
いる。
【0004】遺伝子治療は、異常(原因)遺伝子をその
ままにして、新しい(正常)遺伝子を付け加える付加遺
伝子療法(Augumentation Gene T
herapy)と、異常遺伝子を正常遺伝子で置き換え
る置換遺伝子療法(Replacement Gene
Therapy)に大別される。
【0005】遺伝子治療の臨床応用としては、1989
年米国において初めて遺伝子治療の臨床試験が行われて
以来、すでにイタリア、オランダ、フランス、イギリ
ス、中国においても臨床試験が開始されている。しかし
ながら、遺伝子治療の臨床応用において、薬物遺伝子を
効率良く安全に標的細胞へ導入するための最適な遺伝子
の形態や方法の開発が大きな技術的課題の1つとなって
いる。
【0006】1980年代初期には、マイクロインジェ
クション等物理的手法の応用が試みられたが、疾患治療
のために必要な薬物遺伝子を安定かつ効率良く導入する
ことができず、臨床応用には至らなかった。その後、外
来遺伝子を効率良く細胞に導入するための担体となる組
み換えウイルス(ウイルスベクター)が開発され、初め
て遺伝子治療の臨床応用が可能となった(Miller,A.D.,
Hum. Gene Ther., 1:5-14、1990)。
【0007】現在最も注目されているウイルスベクター
は、マウス白血病ウイルス(Molony Murin
e Leukemia Virus:以下、MoML
V)由来のレトロウイルスベクタ一であり、本ウイルス
の生活環の利点を利用したものである。レトロウイルス
は宿主に感染後、白己の遺伝情報をゲノムDNAに組み
込ませるという性質を持つ(Miller D.G.,et al.,Mol.C
ell.Biol.,10,8,4239,1990)ことから、薬物遺伝子を持
続的に発現させるためには都合が良い。また、種々の細
胞種に感染可能であることから、これら多くの種類の細
胞がMoMLVべクターを用いた治療の対象となりう
る。一方、この性質はウイルスベクターの生体への投与
を不可能にしている。宿主範囲が広いということは、言
い換えれば生体に投与した際に標的細胞への集積性が乏
しいということであり、治療効果や副作用の点から静脈
内投与法などの全身性の投与法は行なうことができな
い。従って、現在の治療法は標的細胞を生体から一度分
離し、試験管内で遺伝子導入を行なった後、再び生体に
戻す治療法(米国特許第5,399,346号)が行われ
ている(ex vivo遺伝子導入法)。この方法は標
的細胞に対して確実に薬物遺伝子を導入でき、治療効果
も期待できるが、ウイルスベクターを取り扱うための特
殊な設備や、細胞を大量に培養する設備を必要とするこ
とからこのような治療を実施できる施設は限定されてし
まう。以上のような理由から、in vivoでも遺伝
子導入が可能なウイルスベクターの開発が望まれてい
る。
【0008】また、ウイルスベクターを生産するために
種々のウイルスベクター産生細胞が開発されている(Mi
ller A.D.and Buttlmore C., Mol.Cell.Biol., 6, 289
5, 1986)が、治療に必要な量のウイルスベクターを生
産するためには大量の細胞を培養する必要があり、一般
的な薬物の生産コストに比べて非常に高価になってしま
うという欠点もある。
【0009】このようなウイルベクターにかわる遺伝子
導入のための担体として、核醗が負電荷を有しているこ
とを利用し、これを正電荷を有する合成ポリアミノ酸へ
結合させ、生成された複合体(以下、ボリアミノ酸/遺
伝子複合体)を目的の細胞もしくは細胞内へ送達しよう
とする試みがなされている。Wuらは、ポリリジンを遺
伝子の担体としてポリアミノ酸/遺伝子複合体を調製
し、これを細胞に作用させることで遺伝子を導入して発
現させることに成功している(G.Y.Wu and C.H.Wu, Adv
anced Drug Delivery Revlews,12,159,1993)。
【0010】しかしながら、この複合体は濃度が増加と
共に沈殿を生じることが知られている。このような性質
は、実際に疾患の治療を行なう際に大きな問題となる。
特に、静脈内へポリアミノ酸/遺伝子複合体を投与する
ことは血管の塞栓や血栓等を引き起こす原因となりうる
ため不可能である。また、局所的に投与される場合で
も、注射針の詰まりの問題や、標的細胞に対して治療を
するために必要な量の遺伝子を導入できない等の問題が
あり、実際に治療で用いるためにはこれらの問題を解決
しなければならない。
【0011】一方、生体に投与された薬物遺伝子は、標
的細胞に特異的に作用し、その他の細胞には影響を及ぼ
さないことが必須である。これは特に副作用の点から極
めて重要な問題である。従来の薬物療法においても、薬
物等の体内挙動を厳密に制御し、標的器官の細胞に望ま
しいパターンで薬効を発現させることで薬物投与の最適
化を計ろうとする薬物送達システム(Drug Del
ivery System:DDS)が盛んに検討され
ている。
【0012】標的部位の細胞にのみ薬物等を集積させる
ための手段としては、従来より標的細胞の表面に存在す
る各種受容体によるエンドサイトーシス(Recept
orMediated Endocytosls:RM
E〉機構が多く用いられている。RMEは低濃度の高分
子ぺブチドやタンパク質等のリガンドを濃縮的に細胞内
に取り込むことが可能であり、肝臓、腎臓、小腸、肺、
筋肉、脂肪、胎盤などの組織細胞または上皮細胞の他、
各種分泌細胞、種々の組織の毛細血管内皮細胞、更には
赤血球、白血球、肥満細胞、貪食細胞、繊維芽細胞など
といった非常に多くの細胞に存在することが知られてい
る。
【0013】取り込むリガンドは細胞によって異なる
が、栄養物質輸送タンパク質、ペプチド ホルモン、成
長因子、免疫グロブリン、血漿中タンパク質、リソソー
ム酵素、細胞毒素など多数の高分子ペブチドやタンパク
質がRME機構によって取り込まれることが報告されて
いる。なかでも、糖鎖末端にガラクトース残基(Ga
l)やN−アセチルガラクトサミン残基(GalNA
c)を持つ物質を取り込む機構は肝実質細胞に特異的で
あり、高分子キャリアーとしてのアシアロ糖タンパク質
の利用のみならず、既に知られている生理活性ペプチド
に適切な糖鎖を結合したり、逆に糖鎖を切り離したりす
ることによって(ただし生理活性が低下しない場合)、
肝指向性を持たせたり持たせなかったりすることができ
る、このような糖鎖によるターゲティングは現在活発に
研究されている(M.Monslgny,et al., Advanced Drug D
elivery Revlews,14,1,1994)。
【0014】また、RME機構の中には、細胞が必要と
する栄養素を血漿中タンパク質と結合したまま受容体介
在的に取り込む場合がある。このようなタンパク質は特
に輸送タンパク質またはキャリアータンパク質と呼ば
れ、その受容体は輸送受容体(Transport R
eceptor)と呼ばれることがある。輸送タンパク
質は細胞内で分解される場合と、分解されずに再利用さ
れる場合とがある。これに対し、内在化された受容体は
多くの場合速やかに細胞膜表面にリサイクルして再利用
されるため、標的組織が比較的高濃度のリガンドにさら
されても表面受容体数が負に制御されにくく、リガンド
の取り込みが持続的で、DDSへの応用に好適である。
低密度リポタンバク質(LDL)、ビタミンB12の輸
送タンパク質であるトランスコバラミン11、鉄の輸送
タンパク質であるトランスフェリン、ブロテアーゼの輸
送タンパク質であるα2−マクログロブリンも受容体と
ともに内在化され、細胞内で結合リガンドを遊離するこ
とによって必須栄養物質の細胞内取り込みを担っている
ことが知られている。このような生体機能をDDSに利
用することができれば、特異性および効率性が高まるの
みならず、異物として認識されないために細網内皮系の
細胞群に捕捉されることがないなどの、生体適合性の面
からも極めて優れたシステムを構築することが可能とな
る。このシステムを用いれば、単に標的細胞に結合して
ゆっくりと薬物を放出するのではなく、RMEを利用し
て細胞内に薬物キャリアー複合体を速やかに取り込んだ
後にリソソーム内におけるキャリアータンバク質の分解
によって薬物を遊離し効果を現わすため、受容体を持つ
細胞に対して徴量で治療効果を期待でき、同時に副作用
を抑えることも可能となる。
【0015】以上述べたようなDDSの手法を遺伝子治
療の分野に応用しようとする試みもなされるようになっ
てきた。Wuらは、肝実質細胞に存在するアシアロ糖蛋
白レセブターに着目し、アシアロオロソムコイドを結合
させたポリ−L−リジンとプラスミドDNAの複合体を
調製し、これを肝実質細胞に作用させることでプラスミ
ドDNA由来の遺伝子を発現させることに成功している
(G.Y.Wu and C.H.Wu,Advanced Drug Delivery Revlew
s,12,159,1993)。
【0016】しかしながら、前述したようにポリ−L−
リジンとDNAの複合体は沈殿物を生じやすく、沈殿を
生じないように複合体を形成させるための諸条件には制
限がある。一方、沈殿を生じないように複合体を形成さ
せると、複合体における運搬体と核酸との比は遺伝子導
入効率に人きく影響するため(G.Y.Wu and C.H.Wu,Bioc
hem.,2 7,887,1988)、この比率が必ずしも遺伝子治療
をするための最適な比率にならない、という矛盾した問
題があった。
【0017】よって、遺伝子治療において薬物遺伝子を
標的細胞に導入するための特異的、且つ効率が高い運搬
体が必要とされていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞に核酸
を導入するための新規核酸運搬体を提供することを目的
とする。本発明の核酸運搬体は、核酸を細胞内に効率良
く安全に導入するための核酸結合性領域を有することを
特徴とする。
【0019】本発明はまた、当該核酸運搬体および核酸
を含む、核酸の細胞内への導入を促進するための調節剤
を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題解
決のため鋭意研究に努めた結果、遺伝子を運搬するため
の核酸運搬体中の核酸結合領域として、1つまたは複数
の塩基性アミノ酸残基、及び分子内に水酸基を有する1
つまたは複数のアミノ酸残基を含むぺブチドを用いれ
ば、核酸を細胞内に効率良く安全に導入できることを見
いだし、本願発明を完成した。即ち、本発明の核酸運搬
体は核酸結合領域として上記構成を採用することにより
核酸と可溶性の複合体を形成するため、ポリ−L−リジ
ンを用いた場合のように沈殿を生じるという問題を生じ
ることなく、核酸を効率よく細胞内に導入することを初
めて可能にしたものである。
【0021】さらに、本発明の核酸運搬体は、核酸を標
的細胞または細胞内の標的部位に特異的に運ぶための標
的指向性付与領域を有する。核酸と複合体を形成した本
発明の核酸運搬体は、この標的指向性領域の存在によ
り、生体に投与後分解されることなく核酸を標的細胞ま
たは標的部位に特異的に送達する。
【0022】以下、この発明の構成および好ましい態様
について詳説する。
【0023】核酸運搬体 本発明の核酸運搬体は、核酸結合領域、標的指向性付与
領域およびポリエチレングリコール領域を含む。
【0024】「核酸結合領域」とは核酸と親和性を有す
る領域である。この領域の存在により核酸運搬体は所望
の核酸と複合体を形成することが可能となる。本発明の
核酸結合領域は、1つまたは複数の塩基性アミノ酸残
基、及び分子内に水酸基を有する1つまたは複数のアミ
ノ酸残基を含むぺブチドであることを特徴とする。限定
するわけではないが、前記塩基性アミノ酸は、L−リジ
ン、D−リジン、L−アルギニン、D−アルギニン、L
−オルニチン、D−オルニチン、L−ヒスチジンおよび
D−ヒスチジンからなるグループから選択され、一つの
分子内に水酸基を有するアミノ酸はL−セリン、D−セ
リン、L一トレオニン、D−トレオニン、L−チロシン
およびD−チロシンからなるグループから選択されるの
が好ましい。塩基性アミノ酸残基と水酸基を有するアミ
ノ酸残基の組成比はモル比で50:1から1:50、好
ましくは20:1から1:20であり、より好ましくは
10:1から1:10である。
【0025】好ましい核酸結合領域は、限定するけでは
ないが、例えば、ポリ−L−リジン−L−セリン コポ
リマー、ポリ−Dーリジン−L−セリン コポリマー、
ポリ−L−リジン−D−セリン コポリマー、ポリ−D
−リジン−D−セリン コポリマー、ポリ−L−オルニ
チン−L−セリン コポリマー、ボリ−D−オルニチン
−L−セリン コポリマー、ポリ−L−オルニチン−D
−セリン コポリマー、ポリ−D−オルニチン−D−セ
リン コポリマー、ポリ−L−ヒスチジン−L−セリン
コポリマー、ポリ−D−ヒスチジン−L−セリン コ
ポリマー、ポリ−L−ヒスチジン−D−セリン コポリ
マー、ポリ−D−ヒスチジン−D−セリン コポリマ
ー、ポリ−L−リジン−L−セリン PEGブロックコ
ボリマー、ポリ−D−リジン−L−セリン PEGブロ
ックコポリマー、ポリ−L−リジン−D−セリン PE
Gブロックコボリマー、ポリ−D−リジン−D−セリン
PEGブロックコボリマー、ポリ−L−オルニチン−
L−セリン PEGブロックコボリマー、ポリ−D−オ
ルニチン−L−セリン PEGブロックコポリマー、ポ
リ−L−オルニチン−D−セリン PEGブロックコボ
リマー、ポリ−D−オルニチン−D−セリン PEGブ
ロックコボリマー、ポリ−L−ヒスチジン−L−セリン
PEGブロックコポリマー、ポリ−D−ヒスチジン−
L−セリン PEGブロックコポリマー、ポリ−L−ヒ
スチジン−D−セリン PEGブロックコポリマー、ポ
リ−D−ヒスチジン−D−セリン PEGブロックコポ
リマー等である。特に好ましい核酸結合領域は、ポリ−
L−リジン−L−セリン コポリマーである。
【0026】これらの核酸結合領域の分子量は、約20
0から約500,000であり、好ましくは1000以
上500,000以下であり、より好ましくは2,000
以上100,000以下である。
【0027】「標的指向性付与領域」は、遺伝子治療の
対象となる標的細胞の表面若しくは標的細胞内部位に存
在する各種受容体に対するリガンド、細胞が必要とする
栄養素を取り込むための輸送タンパク質に対するリガン
ド等、特に制限なく用いることができる。当業者は、核
酸を標的となる細胞等に特異的に運搬するのに必要なそ
のような領域を容易に選択することができるであろう。
例えば、ペブチドホルモン、成長因子、免疫グロブリ
ン、リソゾーム酵素、細胞毒素を用いることが可能であ
る。または、末端にガラクトース残基(Gal)、N−
アセチルガラクトサミン残基(GalNac)を用いる
ことにより、肝指向性を持たせることもせることもでき
る。あるいは、細胞膜との融合性を高めるために、例え
ば、インフルエンザ由来の膜融合性タンパク質やアデノ
ウイルス由来膜融合性タンパク質を遺伝子担体に付加す
ることも可能である。
【0028】ポリエチレングリコール(PEG)の分子
量は200から250,000以上まで用いることが可
能であるが、1,000以上100,000以下であるこ
とが好ましく、1,000以上50,000以下であるこ
とがより好ましい。
【0029】調節剤 本発明はさらに、前記核酸運搬体および核酸を含む調節
剤を提供する。本発明の核酸運搬体は核酸と複合体を形
成し、所望の核酸を標的細胞または細胞部位に送達す
る。
【0030】本発明の運搬体によって細胞内に導入でき
る核酸の大きさ、種類等は特に限定されない。核酸の種
類としては、例えば、線状二本鎖DNA、環状二本鎖D
NA、オリゴヌクレオチド、RNA等がある。例えば、
本発明の運搬体の利用により、細胞に有用なタンパク質
をコードする構造遺伝子を導入して、該遺伝子を発現さ
せることができる。構造遺伝子が導入された場合、後述
の実施例5に示すように非常に高い遺伝子発現を示す。
また、アンチセンスを導入して特定の遺伝子の発現の制
御を行うことができる。このほか、リボザイム、トリプ
レックス、アプタマー等の運搬体としても利用できる。
さらに、核酸には、ホスフェート結合をホスフォチオエ
ート結合に置換した、ホスフォチオエートヌクレオチド
等の誘導体も含む。
【0031】また、限定されるわけではないが、核酸1
μgに対して約0.1−1000μg、好ましくは1−
200μgの運搬体を使用する。
【0032】一例として、構造遺伝子及び当該遺伝子を
細胞内で発現させるための発現カセットを含む遺伝子発
現ベクターを、本発明の核酸運搬体を用いて細胞に導入
することができる。
【0033】遺伝子は例えば、疾患に対応する薬剤遺伝
子、即ち、疾患に対して拮抗的に作用する遺伝子が用い
られる。薬剤遺伝子には、例えば、酵素欠損症に対して
は止常な酵素をコードする遺伝子、ウイルス感染症に対
してはウイルス感染細胞を殺傷するためのチミジンキナ
ーゼ、ジフテリアトキシン等の毒素をコードする遺伝子
やウイルスの複製等を阻害するアンチセンス、トリブル
ヘリックス、リボザイム、デコイ、トランスドミナント
ミュータント等をコードする遺伝子、癌に対しては癌細
胞を殺傷するためのチミジンキナーゼ、ジフテリアトキ
シン等の毒素をコードする遺伝子や癌遺伝子を不活性化
するためのアンチセンス、リボザイム、トリブルヘリッ
クス等をコードする遺伝子や、癌細胞を正常化するため
のp53等の癌抑制遺伝子、抗癌剤に対する多剤耐性に
関与する遺伝子を不活性化するためのアンチセンス、ト
リブルヘリックス、リボザイム等をコードする遺伝子、
家族性高コレステロール血症に対してはLDLレセブタ
ーをコードする遺伝子が含まれる。
【0034】発現カセットは、標的細胞内で遺伝子を発
現させることができるものであれば、特に制限されるこ
となく何でも用いることができる。当業者はそのような
発現カセットを容易に選択することができる。好ましく
は、動物由来の細胞内で遺伝子発現が可能な発現カセッ
トであり、より好ましくは、哺乳類由来の細胞内で遺伝
子発現が可能な発現カセットであり、特に好ましくは、
ヒト由来の細胞内で遺伝子発現が可能な発現カセットで
ある。発現カセットに用いられる遣伝子プロモーター
は、例えばアデノウイルス、サイトメガロウイルス、ヒ
ト免疫不全ウイルス、シミアンウイルス40、ラウス肉
腫ウイルス、単純ヘルペスウイルス、マウス白血病ウイ
ルス、シンビスウイルス、センダイウイルス、A型肝炎
ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、バピ
ローマウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、インフル
エンザウイルス、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、バ
ルボウイルスBI9、ポリオウイルス等のウイルス由来
のプロモーター、アルブミンや熱ショック蛋白等の哺乳
類由来のプロモーター、CAGプロモーター等のキメラ
型プロモーター等を含む。
【0035】本発明の調節剤は、まず患者から標的細胞
を体外に取り出し、目的とする遺伝子を導入した後に再
びその細胞を患者の体内に戻すという自家移植による遺
伝子治療(ex vivo 遺伝子治療)にも、遺伝子を直接患
者に投与する遺伝子治療(invivo 遺伝子治療)にも使
用できる。また、遺伝子治療は、異常(原因)遺伝子を
そのままにして、新しい(正常)遺伝子を付け加える方
法(Augmentation Gene Therapy)と、異常遺伝子を正
常遺伝子で置き換える方法(Replacement GeneTherap
y)に大別できるが、どちらにも使用できる。
【0036】本発明の調製剤の投与は、限定するわけで
はないが、一般に非経口的に行われ、例えば注射投与す
ることにより好ましく実施できる。本発明の調節剤の使
用量は、その使用方法、使用目的等により異なるが、例
えば、注射投与して用いる場合には、1日量約0.1μ
g/kg−1000mg/kgを投与するのが好まし
く、より好ましくは、1日量約1μg/kg−100m
g/kgである。
【0037】さらに、本発明を利用することにより、温
度刺激により各種マーカー遺伝子および治療用遺伝子が
発現されるように設計されたベクターを導入した後、例
えば温熱療法等の温度刺激を与えることにより、遺伝子
刺激における部位特異的遺伝子発現が可能となる。
【0038】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらの例によって制限される
ものではない。
【0039】
【実施例】実施例1:ガラクトース修飾ポリーLーリジン−Lーセ
リン PEGブロックコポリマー(Gal−PLSP)
の調製 ε−カルボベンゾキシ−L−リジン−N−カルボン酸無
水物1.0g(シグマ社)及びペンジル−L−セリン−
N−カルボン酸無水物1.0g(シグマ社〉を、DMF
(和光純薬)30mlに溶解し、クロロホルム(和光純
薬)15mlを添加した。片末端メトキシ片末端アミノ
基のポリエチレンオキシド日本油脂)4.0gをクロロ
ホルム15mlに溶解した液を添加した。
【0040】26時間後、反応混合液を330mlのジ
エチルエーテル(和光純薬)に滴下することで生成した
ポリマーを沈殿させ、ろ過により回収した。さらにジエ
チルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し、臭化水素酢酸液
(和光純薬)で脱保護を行ないポリ−L−リジン−L−
セリン PEGブロックコポリマー(PLSP)4.6
gを得た。PLSPのガラクトース修飾はMonslg
nyらの方法(MonsignyM. et. al., Biol. Cell, 51,1
87,1984)に従った。
【0041】実施例2:ブラスミドpCAGGSLuc
の構築 図1に示したように、CMV−IEエンハンサー、ニワ
トリ3−アクチンブロモーター配列の下流にルシフェフ
ーゼをコードする遺伝子配列を挿入したプラスミドを遺
伝子組み換え法(J.Sambrook,et al., Molecular C1oni
ng)により構築した。
【0042】実施例3:Gal −PLSP/pCAG
GSLuc複合体及びポリ−L−リジン/pCAGGS
Luc複合体の調製 実施例1で得られたGal−PLSPあるいはポリ−L
−リジン(Sigma社)、及び実施例2の操作により
得られたブラスミドpCAGGSLucを各々0.15
MのNaClを含む20mMHEPES緩衝液、pH
7.3(以下、HBS)に溶解した。ブラスミドpCA
GGSLucは3μgを175μlのHBSに溶解し
た。Gal−PLSP及びポリ−L−リジンはブラスミ
ドpCAGGSLucに対して様々な重量比になるよう
に秤量し、75μlのHBSに溶解した。各々の溶液を
混合後、室温で30分放置してGal−PLSP/pC
AGGSLuc複合体、あるいはポリ−L−リジン/p
CAGGSLuc複合体を調製した。
【0043】実施例4:Gal −PLSP/pCAG
GSLuc複合体及びポリ−L−リジン/pCAGGS
Luc複合体のフィルターによるろ過 実施例3により調製したGal−PLSP/pCAGG
SLuc複合体及びポリ−L−リジン/pCAGGSL
uc複合体を膜孔径0.22μmのフィルター(ミリポ
ア社)で濾過した。ろ液を回収し、分光光度計(ベック
マン社 DU640型)により波長260nmでの吸光
度を測定した。
【0044】結果を図2に示す。ポリ−L−リジン/p
CAGGSLuc複合体では、ろ液中へのブラスミド遺
伝子の回収率が20%以下であったのに対し、Gal−
PLSP/pCAGGSLuc複合体では78%以上で
あった。この結果は、ポリ−L−リジン/pCAGGS
Luc複合体が不溶性の粒子状物質を形成しているのに
対し、Gal−PLSP/pCAGGSLuc複合体で
は、膜孔径0.22μmのフィルターを通過することが
可能な、より小さなサイズの複合体が形成されているこ
とを示すものである。
【0045】実施例5:Gal−PLSP/pCAGG
SLuc複合体によるHepG2細胞への遺伝子導入 HepG2細胞を10%のウシ胎児血清(FCS、BI
O WHITTAKER社)を含むDMEM(GIBC
O BRL社)中で50%コンフレントの状態になるま
で培養(12ウェルの細胞培養プレートを使用)した。
培養液を1%のFCSを含むDMEMに交換した後、実
施例3により調製したGal−PLSP/pCAGGS
Luc複合体、あるいは、ポリ−L−リジン/pCAG
GSLuc複合体の全量(250μl)を添加した。3
7℃のC02インキュベーター内に4時間放置し、培養
液を10%のFCSを含むDMEMに交換した後、さら
に72時間、37℃のC02インキュベーター内で培養
した。
【0046】実施例6:HepG2細胞におけるルシフ
ェフーゼ活性の測定 実施例5の操作後、各ウェル内の培養液を取り除き、P
BSで2回洗浄した。100μlのピッカジーン培養細
胞溶解剤LUC/PGC−50(東洋インキ社)を加え
室温で15分間放置後、溶解させた細胞をエッペンチュ
ーブに入れ、12000rpmで2分間遠心分離して上
清(細胞抽出液)を回収した。上記細胞抽出液10μl
とLUC 混合液(東洋インキ社)400μlを混合
し、ルミノメーター(Lumat LB95601,B
erthold社)でルシフェフーゼ活性を測定した。
基質溶液として100μlのlmMルシフェリンを用い
た。
【0047】結果を図3に示す。遺伝子発現の指標とな
るルシフェフーゼ活性は、Gal−PLSPの比が大き
くなるほど増加した。これと比較して、ポリ−L−リジ
ン/pCAGGSLuc複合体では、ポリ−L−リジン
の比に関係なくルシフェフーゼ活性はGal−PLSP
/pCAGGSLuc複合体よりも低かった。これらの
結果はGal−PLSPが遺伝子治療用の遺伝子担体と
して非常に有用性が高いことを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、ブラスミドpCAGGSLucの模
式図を示す。
【図2】 図2は、本発明の核酸運搬体Gal−PLS
P及び対照のポリ−L−リジンを用いた場合のブラスミ
ドpCAGGSLucの回収率を示す。
【図3】 図3は、本発明の核酸運搬体Gal−PLS
P及び対照のポリ−L−リジンを用いた場合のルシフェ
ラーゼ活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/09 C12R 1:91)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸結合領域、標的指向性付与領域およ
    びポリエチレングリコール領域を含む核酸運搬体であっ
    て、前記核酸領域が、1つまたは複数の塩基性アミノ酸
    残基、及び分子内に水酸基を有する1つまたは複数のア
    ミノ酸残基を含むぺブチドである、請求項1に記載の核
    酸運搬体。
  2. 【請求項2】 核酸結合領域中の塩基性アミノ酸残基
    が、L−リジン、D−リジン、L−アルギニン、D−ア
    ルギニン、L−オルニチン、D−オルニチン、L−ヒス
    チジンおよびD−ヒスチジンからなるグループから選択
    され、そして分子内に水酸基を有するアミノ酸残基がL
    −セリン、D−セリン、L一トレオニン、D−トレオニ
    ン、L−チロシンおよびD−チロシンからなるグループ
    から選択される、請求項1に記載の核酸運搬体。
  3. 【請求項3】 核酸結合領域に含まれる塩基性アミノ酸
    と水酸基を有するアミノ酸の組成比がモル比で、50:
    1から1:50であり、核酸結合領域の分子量が200
    から500,000であり、そしてポリエチレングリコ
    ール領域の分子量が200から250,000である、
    請求項2に記載の核酸運搬体。
  4. 【請求項4】 核酸結合領域がポリ−L−リジン−L−
    セリンである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の核酸運搬体。
  5. 【請求項5】 標的指向性付与領域が、細胞膜若しくは
    細胞内に存在する受容体、または物質輸送タンパク質に
    対応するリガンドである、請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載の核酸運搬体。
  6. 【請求項6】 標的指向性付与領域が、少なくとも1残
    基以上のガラクトース残基を含む、請求項5に記載の核
    酸運搬体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の核酸運搬体および核酸を含む、核酸の細胞内への導入
    を促進するための調節剤。
  8. 【請求項8】前記核酸が、細胞内で発現させる遺伝子配
    列を含む遺伝子発現ベクターである、請求項7に記載の
    調節剤。
  9. 【請求項9】 遺伝子発現ベクターが哺乳動物由来の細
    胞内で発現させるための遺伝子配列を含む、請求項8に
    記載の調節剤。
  10. 【請求項10】 遺伝子発現ベクターが遺伝子治療用の
    薬物遺伝子を含む、請求項8また9に記載の調節剤。
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