JPH10284290A - X線管用回転陽極を釣合わせる方法 - Google Patents

X線管用回転陽極を釣合わせる方法

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JPH10284290A
JPH10284290A JP9347398A JP34739897A JPH10284290A JP H10284290 A JPH10284290 A JP H10284290A JP 9347398 A JP9347398 A JP 9347398A JP 34739897 A JP34739897 A JP 34739897A JP H10284290 A JPH10284290 A JP H10284290A
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高度に且つより広範囲の動作速度にわたって釣
合わされる釣合いX線用回転陽極を提供する。 【解決手段】陽極回転子を陽極ターゲットとは別に動釣
合わせする。陽極ターゲットを陽極回転子に取付けて組
立てた陽極を用意する。組立てた陽極を動釣合わせす
る。従って、陽極の動釣合わせを、最初に陽極回転子内
で、次いで、全陽極内で、と段階的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線陽極を精密に製
造する方法に関し、特に、そのような陽極をその回転軸
の周りで動釣合わせする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線機械及びそれに関連する装置(例え
ば、計算機断層撮影スキャナ)では、陰極から回転陽
極、具体的には、陽極のターゲット領域、へ焦点合わせ
された電子ビームを向けることによってX線光子を発生
させる。医療診断用イメージを発生するために用いられ
るX線焦点は、陽極上の電子ビームが衝突する領域であ
るターゲットの焦点軌道で定義される。X線管構造及び
動作の一般的な技術の現状に関しては、米国特許第3,
851,204号、第4,052,640号、第4,1
32,916号、第4,953,190号、及び第5,
422,527号に良く記載されている。
【0003】アーチファクト及び不要な動きのないイメ
ージを作るために、安定な焦点が重要である。焦点の安
定性は、主に陽極がその回転軸の周りでどの程度良く釣
合いが取れているかによる。陽極が不釣合いであると、
遠心力が回転中に陽極を歪め、陽極回転軸に垂直な平面
の周りに陽極ターゲットを傾斜させ、焦点を不規則に変
動させるであろう。不釣合いな遠心力(従って、傾斜の
振幅)が速度の二乗で変わるので、この不規則変動は高
速になるほど増加する。速度が陽極危険速度、即ち、陽
極集成体中の固有振動数、に向って更に増加すると、不
規則変動は特に顕著になるであろう。
【0004】陽極の不釣合いはX線管集成体の寿命にと
っても重要である、それは、陽極回転子を支持する軸受
の摩耗に影響を与えるからである。軸受摩耗は、数ある
問題の中でも、陽極の過加熱及び熱クリープ(焦点の漂
動をもたらす)、軸受/回転子の剥離及び陰極へ向う粒
子の漂動(アークをもたらす)、軸受のガタツキ(余分
な雑音と更に焦点の変動を生じる)のような様々な問題
を引起こす。これらの問題及び関連した問題は、米国特
許第4,187,442号、第4,272,696号、
第4,276,493号、第4,393,511号、第
4,481,655号、第4,569,070号、第
4,573,185号、第4,914,684号、第
4,928,296号、及び第5,461,659号に
良く記載されている。
【0005】前述の問題のため、陽極を一般に高精度
に、典型的には0.25グラム−センチメータ未満の残
留不釣合いに動釣合わせする。動釣合わせは、陽極を危
険速度よりかなり下の速度で回転し、二つの修正面を用
いて不釣合いを除去することによって行われる。この動
釣合わせ方法は周知であり、簡明な説明が、例えば、機
械技術者のためのマークス・スタンダード・ハンドブッ
ク(Marks' Standard Handboo
k for Mechanical Engineer
s)(編集者、アヴァロネ(Avallone)他、9
版、1987年)の5−70乃至5−74頁にある。こ
の方法を実行する広く変化に富んだ装置が当業界に知ら
れていて、これらの装置は一般に不釣合いの大きさを検
出する手段(例えば、力変換器、或は、ストロボ・フラ
ッシュ)と結合して、ターゲットの角位置を検出する手
段(例えば、軸エンコーダ、又は、電気的ピックアッ
プ)を用いる。都合のよいことに、使用者が選ぶ任意の
修正面でこれらのパラメータ出力が急速に且つ正確に得
られる、シェネック・トレベル・コーポレーション(S
chenck Trebel Corporatio
n、米国ニューヨーク州、デア・パーク(Deer P
ark、New York 、USA)所在)の製作に
なるような商業的に入手可能な動釣合い機械がある。こ
れらのパラメータが一旦修正面で分かると、不釣合いを
なくすために修正面で適当な量の材料を追加或は除去す
ることができる。
【0006】前記した動釣合わせ方法は、過去には陽極
釣合わせに対して大体良好に働いた。しかし、現在の使
用に対しては、いくつかの要因がこの方法を不適当なも
のにしている。まず第一に、近年のX線出力要件の増加
のために、X線管の陽極ターゲットはますます大きく且
つ重くなってきて、それらの陽極の危険速度が従って低
下してきている。陽極は技術的に異なる形式の数個の危
険速度を有する点で更に複雑な問題が生じている。これ
らの危険速度は:剛性危険速度、即ち、陽極全体が比較
的剛性な軸のように振舞ったときの基本振動数;回転中
に陽極の構成部材(例えば、回転子、ターゲット、等)
の変形(及び、それらの構成部材の相互干渉)が活動し
はじめたときのこれらの構成部材の基本振動数と記述し
てもよいたわみ危険速度;並びに、剛性及びたわみ危険
速度の高調波である。陽極の構成部材の構造及び材料の
特性によるが、最低たわみ危険速度は実際には最低剛性
危険速度より低い可能性がある。
【0007】第二に、ますます新しい多くのX線の用途
では、陽極の動作速度を増加することを要求している。
その結果、陽極の動作速度と危険速度との隔たりが多く
の場合になくなった。第三にそして最も重要なことであ
るが、公知の動釣合わせ方法は、低速動作速度で釣合わ
される陽極を提供するにはうまく働くが、一次危険速度
を越えて釣合わせる理由にはならない。その結果、現在
製造されているほとんどの陽極は一次たわみ危険速度或
はその近くの速度で不安定である。一次たわみ危険速度
を越えて釣合わせを更に良くするには、普通は、最高速
度は陽極動作速度に近い、各種の速度で動釣りあわせを
繰り返し行うことによって得られる。しかし、この方法
は時間がかかるし、行うのが難しく、且つ、潜在的に破
壊的である。この事は特に、従来の陽極を支持する乾式
潤滑軸受は、急速な酸化及び剥離なしには空気中で動作
速度で回転できないという事実からすると、本当であ
る。使用状態に置かれる陽極が動作する真空中というよ
り、空気中で一般に公知の動釣合わせ装置は動作させら
れるので、陽極を破壊することなく陽極の実際の動作速
度近くで公知の動釣合わせ方法を使用することは事実上
不可能になる。
【0008】従って、標準の雰囲気条件で(即ち、酸化
環境で)、低速度でX線陽極を動釣合わせる方法が当技
術に必要である。ここで、得られる釣合い陽極はたわみ
危険速度に至り且つそれを包含する範囲の動作速度に亙
り動釣合わせし続ける。
【0009】
【発明の概要】本願発明は特許請求の範囲に記載されて
いるように、X線陽極を釣合わせる方法に関する。要約
すると、好適な方法は、次の各工程を含む。第一に、陽
極回転子を第一組の修正面で陽極ターゲットとは別に動
釣合わせする。第二に、陽極ターゲットを回転子に取付
けて陽極を組立てる。最後に、組立てた陽極を、ターゲ
ット内の第二組の修正面内で、動釣合わせする。従っ
て、陽極の動釣合わせが、最初に回転子内で、そして、
全陽極内で、と段階的に行われる。これは、一般にター
ゲット内で一つの修正面が選択され、且つ、回転子内で
一つの修正面が選択されて、陽極全体のみが動釣合わさ
れる従来技術の動釣合わせ方法とは異なるものである。
本願発明は従来技術に対していくつかの利点が下記のよ
うに有する。
【0010】(1)本願発明の方法によって釣合わされ
た陽極は、従来技術の方法によって釣合わされた陽極よ
り更に高度に且つより広範囲の動作速度にわたって釣合
わされる。本願発明の方法による動釣合わせ工程は、陽
極の一次たわみ危険速度よりかなり低い速度で行うこと
ができるが、得られる陽極はそれにも拘わらず一次たわ
み危険速度に達し、且つ、それを越える動作速度範囲を
通して釣合わされる。
【0011】(2)本願発明の方法の動釣合わせ工程
は、一次たわみ危険速度よりかなり低い速度で行う為、
この方法は標準の雰囲気条件で(即ち、空気中で)行う
ことができるし、且つ、特に真空で動作するように設計
された釣合わせ装置は必要ない。 本発明の他の目的や効果は、図面と共に以下の説明や図
面から明らかになるであろう。
【0012】
【具体的な構成】本願発明に対する理解を強めるための
図1を参照すると、当技術に公知の普通のX線管集成体
を表す陽極が符号10で示されている。陽極10は基部
末端14及びターゲット18が取付けられた遠心端16
を有する回転子12を含む。ターゲット18は、その上
に回転子12が取付けられる基部近接面20とターゲッ
ト・リム24によってくくられた対抗する遠心面22と
を含んでいる。回転子12を軸受26によって支持し
て、陽極10をX線管内に装着する。回転子12が電気
機械的手段により回転可能に駆動される間、電子ビーム
はターゲット18を衝撃して焦点からX線光子を放出す
る。
【0013】本開示に関係する本願発明は、最初に、好
ましくは、既に軸受26内に装着された回転子12を取
り、公知の動釣合わせ方法を用いて回転子12を動釣合
わせする。具体的には、これは、回転子12を軸受26
内でその回転軸の周りを回転させて、使用者が定めた二
つの修正面で回転子不釣合いの大きさ及び角位置を検出
することにより行われる。これらのパラメータは、公知
の動釣合わせ装置、例えば、シェネック トレベル モ
デル(Schenck Trebel Model)H
1/10B硬軸受釣合わせ機械(米国ニューヨーク州、
デア・パーク(Deer Park、New York
、USA)所在のシェネック・トレベル・コーポレー
ション(Schenck Trebel Corpor
ation)製)によって決定することができる。その
決定は、軸受の損傷を避けるために、回転子12が後に
その一部分となる陽極10の一次危険速度よりかなり低
い速度で行うことが好ましい。更に、修正面をかなり離
して選択すると、普通に用いられる釣合わせ装置は比較
的精確な不釣合い測定を与えるから、修正面は回転子1
2上できるだけ離して、例えば、図1に示す例示の修正
面28及び30の所で回転子12の両端近くに間隔を置
くのが好ましい。不釣合いの大きさ及び角位置が各修正
面28及び30の所で検出されると、回転子不釣合いを
補正するために必要な量の材料が、当業界に公知の適当
な手段(例えば、フライス削り、及び/または電子ビー
ム加工)によって、各修正面28及び30の所で回転子
12から除去することができる。逆に、その代りに必要
な量の材料を付加して回転子不釣合いを補正することが
できる。最大限可能な範囲で、回転子釣合いの完全性を
保持するために、材料の除去或は付加の間、回転子12
は軸受26から除いたり或は軸受内で移動させないこと
が必要である。
【0014】次いで、ターゲット18が回転子12の遠
心端16に取付けられて組立てた陽極10が得られる。
(ここで又、これをなすとき、回転子12は軸受26に
対する位置から除いたり或はその位置内で移動させない
ことが必要である。)全陽極10の回転軸は回転子12
の回転軸と同じである。次いで、陽極10は軸受26内
で回転され、動釣合わせ装置を用いて、陽極10内に使
用者が定義した二つの修正面内での不釣合いの大きさ及
び角位置を検出する。好ましくは、これらの修正面をタ
ーゲット18の上にのみ配置し、できる限り離して選ば
れる。例として、修正面をターゲット18の対抗する基
部近接面20及び遠心面22上に取ることができるが、
しかし、検出した不釣合いを補うために材料を除去或は
付加することをかなり容易にするために、修正面は一般
に遠心面22、即ち、修正面32の所に選ばれ、更に、
ターゲット・リム24上の位置、即ち、修正面34の所
に選ばれる。又、軸受26に対する過度の振動或は摩耗
の可能性を押えるために、動釣合わせは全陽極10の一
次危険速度よりかなり低い速度で行うことが好ましい。
ここでターゲット18を付加することによって回転子1
2の実効質量は増加いているので、釣合わせ中に望まな
い振動及び/又は軸受損傷がないことを確実にするため
に、回転子12だけで釣合わせたときの速度よりも低い
速度で組立てた陽極10を釣合わせるのが好ましい。一
方、組立てた陽極10の質量が十分に小さくて軸受摩耗
及び過度な振動を避けることができることが明らかなら
ば、その代わりに、全陽極10をより高速で釣合わせる
のが好ましい。それはより精密な釣合わせをもたらす可
能性があるからである。
【0015】ある場合には、ターゲット・リム24は非
常に細いので、共にターゲット18と交差する二つの修
正面を選ぶことができないかもしれない、というのは、
それらの面の間隔が近接すぎて釣合わせ機械で精密に分
解できないかもしれないからである。その場合、二つの
代替の方法が提案される。第一は、一つの修正面をター
ゲット18上(例えば、面32)に置き、一つの修正面
を回転子12上(例えば、面30)に配置するのが望ま
しい。第二は、大抵の工業用釣合わせ装置は三つの面で
同時に不釣合いを解決しないけれども、三つ以上の修正
面、例えば、面28、30、及び32、を用いることが
できる。何れの方法によっても、この釣合わせは、公知
の従来技術の方法による釣合わせに対して、特に、一次
たわみ危険速度を越える速度に於いて、依然優るもので
ある。
【0016】前記した方法で作られた釣合い陽極は、従
来技術の方法によって釣合わされた陽極よりも、広範囲
の動作速度で、かなり高度に釣合わされる。前記した方
法で作られた釣合い陽極は、一般に容易に見分けること
ができる、というのは、不釣合いを修正するために材料
が付加或は除去された四つの面、例えば、回転子上に二
個所及びターゲット上に二個所あるからである。
【0017】この発明をどのように実施し且つこの発明
を用いてどのように釣合い陽極を得るかを、この発明の
好ましい実施例で説明したことが明らかであろう。この
発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲内に文言上或は等価的入る全ての他の実施例
を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線管陽極の立面図である。
【符号の説明】
10 陽極 12 回転子 14 基部末端 16 遠心端 18 ターゲット 20 基部近接面 22 遠心面 28、30、32、34 修正面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス・ジェラルド・エベン アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、サリ ヴァン、リバティー・ストリート、エヌ 3809(番地なし) (72)発明者 ダグラス・ジェイ・スナイダー アメリカ合衆国、ウィスコンシン州、ブル クフィールド、エル・ランチョ・ドライ ブ、2685番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.第一の速度で第一組の修正面内で回転
    子を動釣合わせし、 b.前記回転子にターゲットを取付けて陽極を設け、 c.第二の速度で第二組の修正面内で前記陽極を動釣合
    わせする、 工程を含む、回転陽極を釣合わせる方法。
  2. 【請求項2】前記回転子を動釣合わせする工程aが、前
    記回転子を回転軸の周りで回転し、前記回転子の不釣合
    いを前記第一組の修正面内で検出し、各面内で不釣合い
    を実質的に減少するに十分な量の材料を前記第一組の修
    正面の各面内で前記回転子から除去或は付加する工程を
    含む、請求項1に記載の回転陽極を釣合わせる方法。
  3. 【請求項3】a.陽極を限定するために取付け可能な回
    転子と別個のターゲットを用意し、 b.第一の速度で前記回転子を回転軸の周りで回転し、 c.前記回転子と交差する第一対の修正面で前記回転子
    の不釣合いを検出し、 d.動釣合わせするために前記第一対の修正面で前記回
    転子から材料を除去し、 e.前記ターゲットを前記回転子に取付けて前記陽極を
    設ける、 工程を含む、回転陽極を釣合わせる方法。
  4. 【請求項4】a.陽極を限定するために取付け可能な回
    転子と別個のターゲットを用意し、 b.前記陽極の一次危険速度より低い第一の速度で前記
    回転子を回転軸の周りで回転し、同時に、前記回転子と
    交差する第一対の修正面で前記回転子の不釣合いを検出
    し、 c.前記回転子を動釣合わせするために前記第一対の修
    正面内で前記回転子から材料を付加或は除去し、 d.前記ターゲットを前記回転子に取付けて前記陽極を
    設け、 e.前記陽極の一次危険速度より低い第二の速度で前記
    陽極を回転軸の周りで回転し、同時に、前記ターゲット
    と交差する第二対の修正面で前記陽極の不釣合いを検出
    し、 f.前記陽極を動釣合わせするために前記第二対の修正
    面で前記ターゲットから材料を付加或は除去する、 工程を含む、回転陽極を釣合わせる方法。
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