JPH10282251A - 降雨水試料の自動定量採取装置 - Google Patents

降雨水試料の自動定量採取装置

Info

Publication number
JPH10282251A
JPH10282251A JP9448797A JP9448797A JPH10282251A JP H10282251 A JPH10282251 A JP H10282251A JP 9448797 A JP9448797 A JP 9448797A JP 9448797 A JP9448797 A JP 9448797A JP H10282251 A JPH10282251 A JP H10282251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rainwater
sample
water
stored
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9448797A
Other languages
English (en)
Inventor
Daido Ishii
大道 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP9448797A priority Critical patent/JPH10282251A/ja
Publication of JPH10282251A publication Critical patent/JPH10282251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部分のない可及的簡単な構成により、降
雨水を時間経過に対応して一定量毎に高精度で順次に分
割採取し得るようにした取り扱い容易な降雨水試料の自
動定量採取装置を安価に提供する。 【解決手段】 降雨水aを受け入れる所定開口面積の受
水部漏斗11、及び受水部漏斗11の下部に連接され
て、少なくとも上部に曲管部12bをもつ貯留部12a
側が所定の内部容積に設定され、且つ曲管部12bを経
た放出部12c側が下方に開口されるサイフォン管形状
の分割引出し管12を設けた降雨水試料分割部装置10
と、分割引出し管12の下方に配される中間部漏斗2
1、中間部漏斗21の下部に縮小内径の毛細管形状のま
ま連接されて気泡発生部を兼ねる導入部細管22、及び
導入部細管22の下部に一端部23aが連接され、且つ
導入部細管22の高さ位置に他端部23bが開口される
拡大内径の試料貯留管23を設けた降雨水試料貯留部装
置20とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雨水試料の自動
定量採取装置に関し、さらに詳しくは、降雨水の時間経
過に伴う試料水質の変化、例えば、そのH+ 濃度変化等
を連続的にモニタリングする必要上、該降雨水を一定量
毎に順次分割採取するのに適用して効果的な降雨水試料
の自動定量採取装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、降雨水に対する種々の解析研究
を行なうのに際しては、先ず最初に問題となるのが必要
とする対象降雨水試料をどのようにして採取するかとい
う点である。即ち、この種の解析対象の降雨水試料を採
取するため、従来から行なわれている手法は、通常の場
合、その採取容器として、例えば、プラスチック等から
なる所要容量の受水容器を用い、気象情報の降雨予想に
基づき、予め降雨の直前に本受水容器を屋外の選択され
た該当場所に設置し、降雨に伴う該受水容器内への適量
の降雨水試料の受水後、これを速やかに回収することで
所期通りに採取している。
【0003】また、対象降雨水の時間経過に伴う試料水
質等の変化、例えば、そのH+ 濃度変化等を連続的にモ
ニタリングするためには、該対象降雨水を一定量毎に分
割採取して試料とする必要がある。そして、このような
降雨水の一定量毎の分割による試料採取の手法として
は、研究者の間でよく知られているように、市販の図5
に装置構成の概要を示すメリーゴーランド形式による降
雨水分割採取器、即ち、(株)堀場製作所製・商品名
「レインゴーランドII」と呼ばれる降雨水分割採取器
がある。
【0004】ここで、前記既存の降雨水分割採取器は、
図5から明らかなように、一組の回転円板51間に等角
間隔で複数個、この場合は、7個の受水容器52を揺動
自在に順次懸架支持させると共に、予め設定された所定
角度での受水位置にある受水容器52に対して、所定開
口面積の受水漏斗53に受け入れた降雨水を流入受容可
能とし、且つ該受水位置の受水容器52内への所定量毎
の降雨水試料の受水流入に伴った荷重変動による回転円
板51の自動的な一定方向への回動作動、ひいては、個
々の各受水容器52の該当受水位置への順次移動によっ
て、1個目の受水容器52から次の受水容器52へ順次
に降雨水試料を採取するように構成したものであり、こ
の降雨水分割採取器の場合には、例えば、降雨量1mm
毎に、ほぼ所要量づつの7種類の降雨水試料を何らの動
力をも必要とせずに自動的に採取でき、併せて、各受水
容器52への降雨水試料の流入作用が自動的に切換えら
れることから、誰でもが簡単且つ容易に取り扱い得ると
いう利便がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記前
者の受水容器を用いる一般的な降雨水試料の採取方法の
場合には、その受水容器による試料採取時の取り扱い面
において、先ず、降雨時の雨滴による土を含んだ泥水の
跳ね返り混入を避けるために、該受水容器を地上よりも
幾分か高い位置に選択して設置する配慮が必要とされて
おり、また、降雨水試料を一旦、採取した後の受水容器
についても、例えば、該採取した降雨水試料の放置によ
る蒸発、日光、乾性沈殿物等の各影響を完全に排除する
手段を講じなければならず、さらに、ここでの単なる受
水容器を用いるのみの試料採取方法では、これを前記後
者の意図する降雨水の一定量毎の分割採取には転用し難
いものであった。
【0006】一方、前記後者の構成による従来の降雨水
分割採取器の場合においては、装置自体の機構構成に可
動部分が存在し、装置管理、保守の如何によっては、降
雨水試料の受水作動に円滑さを欠く惧れがあり、この結
果、分割採取される降雨水試料の受容量が必ずしも一定
ではなくて精度的に難点を有し、併せて、機構構成が煩
雑である結果、比較的高価であるという実用上好ましく
ない課題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解消
するためになされたもので、その目的とするところは、
可動部分のない可及的簡単な構成により、降雨水を時間
経過に対応して一定量毎に高精度で順次に分割採取し得
るようにした取り扱い容易な降雨水試料の自動定量採取
装置を安価に提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは、鋭意に開発努力を続けた結果、降雨
時の時間経過に伴って分割採取される降雨水試料の各採
取量が比較的少量づつで済む点に着目し、サイフォン効
果と毛細管効果との組み合せ活用により、解析対象の降
雨水を時間経過に対応して自動的に一定量づつ順次に分
割採取し得ることを見出して本発明を完成するに至っ
た。
【0009】ここで、本発明の作用原理の概要について
述べる。図1は、本発明に係る降雨水試料の自動定量採
取装置の作用を降雨時間の経過に対応してそれぞれ順次
模式的に示す原理説明図である。
【0010】即ち、図1に示す原理説明において、本発
明による降雨水試料の自動定量採取装置は、所定の開口
面積に設定された受水部漏斗11、及び該受水部漏斗1
1の下部に連接されて、少なくとも上部側に曲管部12
bを配した貯留部12a側が所定の内部容積に設定され
ると共に、該曲管部12bを経た放出部12c側が下方
に開口されたサイフォン管形状の分割引出し管12を備
える降雨水試料分割部装置10と、それに、前記分割引
出し管12の下方に配された導入部漏斗21、該導入部
漏斗21の下部に対して縮小内径idの毛細管形状のま
まで連接された気泡発生部を兼ねる導入部細管22、及
び該導入部細管22の下部に一端部23aが連接され、
且つ該導入部細管22の高さ位置に他端部23bが開口
されて、毛細管の有効径よりも拡径した拡大内径id+
Δidで、且つ所要数の降雨水試料を内包可能な長さl
とした試料貯留管23を備える降雨水試料貯留部装置2
0とで構成されている。
【0011】本発明の上記構成を備えた降雨水試料の自
動定量採取装置によれば、次のように解析対象の降雨水
を時間経過に対応して自動的に一定量づつ順次に分割採
取し得る。
【0012】先ず、降雨水試料分割部装置10側では、
この場合、〔図1に示したA状態〕において、設定受水
範囲の開口部から受水部漏斗11内に降雨水aを受け入
れると共に、該降雨水aを分割引出し管12の貯留部1
2a側内に次第に貯留(図1のB状態)させてゆき、該
貯留部12a側内の貯留降雨水bが曲管部12bの位置
まで貯留されて所定量に達した時点(図1のC状態)
で、前記分割引出し管12に働くサイフォン作用によ
り、該貯留部12a側内を満たした貯留降雨水bの全
量、これを換言すると、所定の内部容積に設定された貯
留部12a側の内部一杯に一旦、貯留されることで高精
度に計量された必要とする所要量の貯留降雨水bが、こ
こでは、該必要量のそのものが比較的少量であることと
も相俟って、放出部12c側から瞬時に下方へ引き出さ
れ、且つ急速に流下し(図1のD状態)て放出される。
【0013】ここで、上記作用は、それまでに受水した
高精度計量による所要量の貯留降雨水bの降雨水aから
の分割を意味しており、また同時に、該一旦、貯留され
た貯留降雨水bの排出によって貯留部12a側内を含む
分割引出し管12内が再び空にされることをも意味する
もので、この降雨水試料分割部装置10においては、以
上の作用を経た後に、引き続いてなされる次ぎの同様な
高精度分割作動に備えられる。
【0014】つまり、以上の操作が順次自動的に繰り返
されて、ここでは、降雨時における時間経過に対応した
高精度による一定量毎の降雨水試料の分割作用が順次間
欠的に果されるのである。
【0015】次いで、降雨水試料貯留部装置20側で
は、予め、始動段階で試料貯留管23内を適当な充填水
eによって満水状態(図1のA状態)にしておく。この
〔図1に示すA状態〕において、前記分割引出し管12
内から引き出される所要量の貯留降雨水bは、その全量
が一旦、導入部漏斗21内に受け入れられると共に、毛
細管作用を果す縮小内径の導入部細管22内を流下して
試料貯留管23内に送入されるが、このとき、該導入部
細管22内には、前記導入部漏斗21内への貯留降雨水
bの受け入れに際して幾分かの残留空気が存在するた
め、該残留空気が試料貯留管23内に満たされている充
填水eの受け入れ端部側に気泡部分dを形成(図1のE
状態)しており、このために該試料貯留管23内に送入
される所要量の貯留降雨水bは、該気泡部分dを介し満
たされた充填水eを押し退けて送入され、且つ該貯留降
雨水bの送入によって余剰となった充填水eが送入位置
と同一高さに開口された他端部23bから滴下排出され
た上で、該送入される所要量の貯留降雨水bが、このま
まの状態で該試料貯留管23内に所要量の降雨水試料c
として独立的に貯留(図1のF状態)される。
【0016】ここでも、上記作用は、それまでに導入部
漏斗21及び導入部細管22を経て導入した所要量の貯
留降雨水bが、所要量の降雨水試料cとして試料貯留管
23内へ個別に貯留されることを意味し、また併せて、
該導入部漏斗21内に一旦、受け入れられた貯留降雨水
bの導入部細管22内を通した試料貯留管23内への降
雨水試料cとしての送り込み、換言すると、この一度の
送入操作終了に基づいて導入部細管22内が再び空にさ
れた上で、導入部漏斗21側からの埋め合わせによる空
気の介在を許容しており、この降雨水試料貯留部装置2
0においても、以上の作用を経た後に、引き続いてなさ
れる次ぎの同様な高精度分割作動に備えられる。
【0017】つまり、ここでもまた、以上の操作が順次
自動的に繰り返されることにより、結果的には、先に述
べたように降雨水試料分割部装置10から高精度で分割
されて順次間欠的に放出される所要量の貯留降雨水b
が、降雨水試料貯留部装置20の試料貯留管23内にあ
って、両端をそれぞれ気泡部分dで閉じ込めた態様のま
ま所要量の降雨水試料cとして順次個別且つ段階的に貯
留されるのである。このため、本装置構成では、あらた
めて貯留試料毎に各別の受水容器等を準備する必要がな
く、該各気泡部分dの介在で個々に区分して貯留された
所要量の降雨水試料cは、その後、適当な手段、例え
ば、前記導入部細管22の部分に三方切換え弁等を設け
ることで、貯留時とは逆の手順で順次に取り出して研究
対象にすればよい。
【0018】従って、上記原理説明によっても明らかな
如く、本発明に係る請求項1に記載の降雨水試料の自動
定量採取装置は、降雨水を時間経過に対応して一定量毎
に順次分割採取するために適用する降雨水試料の自動定
量採取装置において、前記降雨水を受け入れる所定開口
面積の受水部漏斗、及び該受水部漏斗の下部に連接され
て、少なくとも上部に曲管部をもつ貯留部側が所定の内
部容積に設定され、且つ該曲管部を経た放出部側が下方
に開口されるサイフォン管形状の分割引出し管を設けた
降雨水試料分割部装置と、前記分割引出し管の下方に配
される導入部漏斗、該導入部漏斗の下部に縮小内径の毛
細管形状のまま連接されて気泡発生部を兼ねる導入部細
管、及び該導入部細管の下部に一端部が連接され、且つ
該導入部細管の高さ位置に他端部が開口される拡大内径
の試料貯留管を設けた降雨水試料貯留部装置とを備える
ことを特徴とするものである。
【0019】本請求項1に記載の降雨水試料の自動定量
採取装置の場合には、先に述べた原理説明からも明らか
な如く、次ぎのようなそれぞれの作用がなされる。
【0020】第1段階の降雨水試料分割部装置において
は、受水漏斗内に降雨水を受け入れて分割引出し管の貯
留部側内に一旦貯留し、該貯留降雨水が曲管部の位置ま
で貯留されて高精度に計量された時点で、分割引出し管
のサイフォン作用によって貯留降雨水の全量、ひいて
は、所要量の貯留降雨水を放出部側から瞬時に下方へ引
き出すことで、時間経過に対応した一定量の降雨水試料
の分割が自動的に果される。
【0021】一方、第2段階の降雨水試料貯留部装置に
おいては、予め、試料貯留管内を充填水で満水状態にし
た状態で、前記分割引出し管内から引き出される所要量
の貯留降雨水を一旦、導入部漏斗内に受け入れると共
に、該受け入れた所要量の貯留降雨水が縮小内径の導入
部細管内を流下し、この時点で、残存空気による気泡部
分を介して試料貯留管内に送入され、該試料貯留管内に
降雨水試料として個別独立的に貯留される。
【0022】そして、以上の各作用が順次自動的に繰り
返されることで、結果的には、前記降雨水試料分割部装
置から高精度で分割されて順次間欠的に放出される所要
量の貯留降雨水が、前記降雨水試料貯留部装置の試料貯
留管内に降雨水試料として順次個別且つ一連に貯留され
るのである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る降雨水試料の
自動定量採取装置の実施の形態につき、図2ないし図4
を参照して詳細に説明する。
【0024】図2は、本発明の一実施形態例を適用した
降雨水試料の自動定量採取装置の概要を模式的に示す断
面構成図であり、また、図3は、同上実施形態例装置に
おける降雨水試料分割部装置の作用を順次段階的に示す
作用説明図、図4は、同上実施形態例装置における降雨
水試料貯留部装置の要部構成を拡大して示す断面模式図
である。なお、これらの図2ないし図4の各図におい
て、前記図1に示す符号と同一符号は、同一または相当
部分を表わしている。
【0025】即ち、これらの図2ないし図4に示す実施
形態例において、本降雨水試料の自動定量採取装置は、
主要な構成各部としての降雨水試料分割部装置10と降
雨水試料貯留部装置20とを降雨水aのいたずらな浸入
を避ける外装筺体30内に所定の配置態様で装備させて
あり、且つ前記降雨水試料分割部装置10での受水部漏
斗11の開口部を外装筺体30の上面に対し、降雨水a
を効果的に受け入れるべく外部に露出状態で臨ませるよ
うに装着してある。このため、降雨水aの雨滴による泥
水等の跳ね返りが前記受水部漏斗11内に混入する惧れ
はない。
【0026】前記降雨水試料分割部装置10に設けられ
る受水部漏斗(この場合、有効開口径を114mmφに
設定)11の下部には、分割引出し管12での貯留部1
2a側の一部を形成する受水槽13が、上端側部に内部
空気の流通穴14aを開穿した懸架支持管14によって
吊持されており、前記受水槽13内に対しては、前記受
水部漏斗11の下部に連接した流入管11a(上端部及
び円筒状の一部を残して欠截するのが、流下を促進する
ために一層、効果的である)が前記懸架支持管14内を
通して延長開口され、また、前記分割引出し管12は、
貯留部12aの下部開口を該受水槽13の可及的内底部
付近に近付けて臨ませると共に、その上部の曲管部12
bを前記外装筺体30の内部側に取り出した上で前記流
入管11aの途中位置相当部に配置させ、さらに、放出
部12cを下方の所定位置まで延長開口させてある。
【0027】このため、上記のような分割引出し管12
の配置構成によって、貯留部12a側には、曲管部12
bの配置位置に対応する相当位置までの流入管11a及
び懸架支持管14の各容積を含めた受水槽13の該当容
積と、該貯留部12aの該当容積とを加算した全内部容
積(この場合、有効内部容積を8.20mm3 に設定)
により、最終的に必要とする降雨水試料cの全量(所要
量、つまり8.20ml)が設定されることになる。
【0028】従って、上記構成による降雨水試料分割部
装置10の場合、図2に作用の段階を順次に示した如
く、外部に臨ませた開口部から受水部漏斗11内に受け
入れる降雨水a(図2のA状態、図1のA状態に対応)
は、先ず、流入管11aを通して貯留槽13内、ひいて
は、分割引出し管12の貯留部12a側内に対し、内部
空気を流通穴14aから排気(初期段階では、分割引出
し管12からも排気)しながら一旦、貯留(図2のB状
態、図1のB状態に対応)されてゆき、引続き、該内部
容積設定の各部11a、14、13側を含む貯留部12
a側内の貯留降雨水bが曲管部12bの位置まで貯留さ
れて所定量に達した時点(図2のC状態、図1のC状態
に対応)において、前記分割引出し管12に働くサイフ
ォン作用により、該各部11a、14、13側及び貯留
部12a側内を満たしている設定所要量の貯留降雨水b
の全量が放出部12c側から瞬時に下方へ引き出されて
流下する(図2のD状態、図1のD状態に対応)こと
で、該各部11a、14、13側及び分割引出し管12
の貯留部12a側内が再び空にされ、以上の操作が順次
自動的に繰り返されて、ここでは、降雨時における時間
経過に対応した一定量毎の降雨水試料の分割作用が順次
間欠的且つ自動的に果される。
【0029】ここで、上記構成の降雨水試料分割部装置
10を用いた1つの検定実験を行なった。即ち、受水部
漏斗11内に仮想的な降雨水としての水を一滴づつ継続
して滴下させたとき、分割引出し管12からサイフォン
作用で1回毎に放出される水量を計量したところ、該1
回毎の各採取量が設定値通りにほぼ8.20mlであっ
た。この実験結果から類推して、この場合には、降雨量
0.8mm毎に降雨水aを貯留降雨水bとして分割でき
ることが判明した。
【0030】一方、前記降雨水試料貯留部装置20は、
前記降雨水試料分割部装置10に設けた分割引出し管1
2の放出部12cから放出される所定量の貯留降雨水b
を受け入れる導入部漏斗(この場合、開口径を80mm
φに設定)21を有し、該導入部漏斗21には、下端開
口に設けられて下方へ延長される導入管(この場合、有
効内径を5mmφに設定)21aと、上部一側に設けら
れてオーバーフロー槽25に臨ませるオーバーフロー管
21bとがそれぞれに配されており、前記オーバーフロ
ー管21bは、操作時にあって前記導入部漏斗21から
オーバーフローする惧れのある降雨水aないしは充填水
eをオーバーフロー槽25に受け入れるようになってい
る。
【0031】そして、前記導入部漏斗21の導入管21
aには、図4にも拡大して示し、且つそれぞれ以下に詳
細を述べる如く、毛細管形状の導入部細管22を介して
試料貯留管23を連接させ、さらに、該試料貯留管23
の端部に端末緩衝槽24を配設してある。
【0032】前記導入部漏斗21の導入管21aに接続
される毛細管形状の導入部細管22は、先に述べた導入
部漏斗21に対する計量分割された所定量の貯留降雨水
bの受け入れに際し、該導入部漏斗21、ひいては、導
入管21a内に残留する空気成分が、貯留降雨水bに働
く重力作用による下方への流動で閉じ込めらて発生する
気泡(後述の気泡部分dに該当)を先行に伴って該所定
量の貯留降雨水bを計量分割の度毎に順次送入するため
のものであり、該毛細管形状の導入部細管(この場合、
前記発生気泡を先行させた貯留降雨水bの全量に毛細管
作用を効果的に働かせて、これらの気泡部分d→所定量
の貯留降雨水bの全体を良好に保持したままで独立的に
送入する必要上、前記導入管21aの設定内径5mmφ
対応に、有効内径idを3mmφに設定)22について
は、本実施形態例の場合、例えば、実質的には同図に示
す仕切り弁26の態様(あるいは、先にも述べた作用を
得るためには三方切換え弁の態様)に構成されている。
【0033】また、前記導入部細管22を介して連接さ
れる試料貯留管23は、操作に先立って内部に充填水e
を満水させて用い、該導入部細管22を経て計量分割の
度毎に導入される前記気泡部分d→所定量の貯留降雨水
bの組み合わせによる全量を既存充填水eの介在のもと
に重力作用も加えられることで、該既存充填水eを押し
退けながら端部側から順次に貯留して保持するためのも
のであり、該試料貯留管(この場合、該導入部細管22
から独立的に送入される気泡部分d→所定量の貯留降雨
水bの全量を容易且つ迅速に取り入れ、且つ該取り入れ
態様が崩壊しないように保持するため、該導入部細管2
2の設定内径3mmφ対応に拡径させて、有効内径id
+Δidを5mmφ、且つ後述の充填水eの充填のもと
で降雨水試料cの順次押し込み送入による複数貯留を考
慮して、有効長さl を比較的長い10000mm程度に
それぞれ設定)23については、その長さが比較的長い
関係上、上部側から蛇管状に巻き降ろすと共に、末端を
再度、上方に立ち上げてある。
【0034】さらに、前記試料貯留管23の上方に立ち
上げた末端に配設される端末緩衝槽24は、該比較的小
さく縮径された試料貯留管23内への気泡部分dを介し
た降雨水試料cの押し込み送入に伴って押し退けられる
充填水eの排水量を緩衝的に受け入れると共に、その液
面に加えられる重力によって降雨水試料cの貯留数をあ
る程度までに抑制するためのものであり、端末緩衝槽2
4には、前記抑制作用を働かせる目的で、上端開口が前
記導入部漏斗21の高さ位置に達する気抜き管27を立
ち上げて構成したものである。
【0035】ここでもまた、上記各構成による降雨水の
自動定量採取装置装置を用いた1つの検定実験を行なっ
た。即ち、先に述べたのと同様に受水部漏斗11内に仮
想的な降雨水としての水を一滴づつ継続して滴下させた
ときに、試料貯留管23内に保持される降雨水試料cの
貯留数を確認したところ、この場合、降雨水試料cの1
0個までを確実に採取できることが判明した。
【0036】
【発明の効果】以上、作用原理の説明、及び実施の形態
例によってそれぞれ詳述したように、本発明によれば、
降雨水の自動定量採取装置降雨水を時間経過に対応して
一定量毎に順次分割採取するために適用する降雨水試料
の自動定量採取装置において、降雨水試料の分割部装置
と貯留部装置とを設け、降雨水試料分割部装置によって
は、所定開口面積の受水部漏斗に受け入れる降雨水を所
定の有効内部容積に設定されたサイフォン管形状の分割
引出し管内に一旦、貯留させ、所定量の降雨水の貯留を
待って、サイフォン作用で該所定量の貯留降雨水を瞬時
に放出させるようにしたから、所定量の貯留降雨水を高
精度で極めて容易且つ自動的に分割することができ、ま
た、降雨水試料貯留部装置によっては、分割放出される
所定量の貯留降雨水を毛細管作用で降雨水試料として試
料貯留管内へ、気泡部分の介在のもとに充填水を押し退
けながら独立的且つ自動的に貯留させるようにしたの
で、所期通りに降雨水を時間経過に対応して一定量毎に
高精度で順次に分割採取できるのであり、さらに加え
て、全体装置についても、可動部分のない比較的簡単な
構成であるために、保守が容易で安価に提供可能である
等の実用上優れた種々の特長を発揮し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る降雨水試料の自動定量採取装置の
作用を降雨時間の経過に対応してそれぞれ順次模式的に
示す原理説明図である。
【図2】本発明の一実施形態例を適用した降雨水の自動
定量採取装置の概要を模式的に示す断面構成図である。
【図3】同上装置の実施形態例における降雨水試料分割
部装置の作用を順次段階的に示す作用説明図である。
【図4】同上装置の実施形態例における降雨水試料貯留
部装置の要部構成を拡大して示す断面模式図である。
【図5】従来例による降雨水試料の自動定量採取装置の
概要を一部欠截して模式的に示す全体斜視図である。
【符号の説明】
10 降雨水試料分割部装置 11 受水部漏斗 11a 受水部漏斗の流入管 11b 受水部漏斗のオーバーフロー管 12 サイフォン管形状の分割引出し管 12a 分割引出し管の貯留部 12b 分割引出し管の曲管部 12c 分割引出し管の放出部 13 受水槽 14 懸架用支持管 14a 懸架用支持管の内部空気流通穴 20 降雨水試料貯留部装置 21 導入部漏斗 22 毛細管形状の気泡発生部を兼ねる導入部細管 23 試料貯留管 23a 試料貯留管の一端部 23b 試料貯留管の他端部 24 端末緩衝槽 25 オーバーフロー槽 26 仕切り弁 27 気抜き管 30 外装筺体 a 降雨水 b 貯留降雨水 c 降雨水試料 d 気泡部分 e 充填水 id 導入部細管の縮小内径 id+Δid 試料貯留管の拡大内径 l 試料貯留管の長さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 降雨水を時間経過に対応して一定量毎に
    順次分割採取するための降雨水試料の自動定量採取装置
    であって、 前記降雨水を受け入れる所定開口面積の受水部漏斗、及
    び該受水部漏斗の下部に連接されて、少なくとも上部に
    曲管部をもつ貯留部側が所定の内部容積に設定され、且
    つ該曲管部を経た放出部側が下方に開口されるサイフォ
    ン管形状の分割引出し管を設けた降雨水試料分割部装置
    と、 前記分割引出し管の下方に配される導入部漏斗、該導入
    部漏斗の下部に縮小内径の毛細管形状で連接されて気泡
    発生部を兼ねる導入部細管、及び該導入部細管の下部に
    一端部が連接され、且つ該導入部細管の高さ位置に他端
    部が開口される拡大内径の試料貯留管を設けた降雨水試
    料貯留部装置とを備えることを特徴とする降雨水試料の
    自動定量採取装置。
JP9448797A 1997-03-31 1997-03-31 降雨水試料の自動定量採取装置 Pending JPH10282251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9448797A JPH10282251A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 降雨水試料の自動定量採取装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9448797A JPH10282251A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 降雨水試料の自動定量採取装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10282251A true JPH10282251A (ja) 1998-10-23

Family

ID=14111660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9448797A Pending JPH10282251A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 降雨水試料の自動定量採取装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10282251A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249556A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology 自動降水採取装置
JP2009287972A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Nagaoka Univ Of Technology 自動採水装置
JP2012088254A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Arkray Inc 計量装置、計量方法、及びプログラム
ES2436693R1 (es) * 2012-06-29 2014-02-10 Geonica, S.A. Pluviómetro con sifón de cebado automático
KR20150080813A (ko) * 2014-01-02 2015-07-10 에스케이플래닛 주식회사 티핑 버킷형 강수량계 및 이를 이용하여 강수량 정보를 제공하는 시스템
CN111836656A (zh) * 2018-03-06 2020-10-27 美德乐控股公司 吸乳护罩单元

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249556A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Japan Agengy For Marine-Earth Science & Technology 自動降水採取装置
JP2009287972A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Nagaoka Univ Of Technology 自動採水装置
JP2012088254A (ja) * 2010-10-22 2012-05-10 Arkray Inc 計量装置、計量方法、及びプログラム
ES2436693R1 (es) * 2012-06-29 2014-02-10 Geonica, S.A. Pluviómetro con sifón de cebado automático
KR20150080813A (ko) * 2014-01-02 2015-07-10 에스케이플래닛 주식회사 티핑 버킷형 강수량계 및 이를 이용하여 강수량 정보를 제공하는 시스템
CN111836656A (zh) * 2018-03-06 2020-10-27 美德乐控股公司 吸乳护罩单元

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8302464B2 (en) Automatic sequential sampler for roof-top runoff of rainwater
US3896673A (en) Continuous automatic liquid sampler
US20020020215A1 (en) Apparatus and method to obtain representative samples of oil well production
EP0520415B1 (en) First stage rainfall sampler
US4665743A (en) Automatic rain gauge
JPH10282251A (ja) 降雨水試料の自動定量採取装置
JP4224543B2 (ja) 自動降水採取装置
CN108760390A (zh) 一种粮食定量扦样器
CN110006693A (zh) 一种非点源阶梯式雨水自动收集装置
CN105181923B (zh) 一种洞穴滴水的水文水化学自动监测以及取样装置
JP5024630B2 (ja) 自動採水装置
US7222519B2 (en) Soil moisture content measurement system and method
KR102471554B1 (ko) 비점 오염원 모니터링 자동 채수기
CN109799063B (zh) 一种全方位自动集沙仪
LU100486B1 (en) Automatic water sampler apparatus
Klik et al. Automated erosion wheel: A new measuring device for field erosion plots
CN205049559U (zh) 一种洞穴滴水的水文水化学自动监测以及取样装置
US4708023A (en) Sample handling apparatus
CN210774964U (zh) 一种医学检验用标本制备装置
CN208092265U (zh) 一种自动收集与测定森林穿透水装置
CN102918398A (zh) 分析装置、分析系统及分析方法
JPH03102243A (ja) 分析器具,これを用いた流体流れシステム及び粒子分析法
CN206906077U (zh) 一种虹吸式酸雨采集设备
JPH08122227A (ja) 降水サンプリング装置
EP1445611A2 (en) Apparatus and method for measuring the quality of water