JPH102821A - 半導体チップの接合構造及びその接合方法 - Google Patents

半導体チップの接合構造及びその接合方法

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JPH102821A
JPH102821A JP15364696A JP15364696A JPH102821A JP H102821 A JPH102821 A JP H102821A JP 15364696 A JP15364696 A JP 15364696A JP 15364696 A JP15364696 A JP 15364696A JP H102821 A JPH102821 A JP H102821A
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浩之 佐藤
Tokuo Shinpo
徳夫 新保
Yutaka Shimotori
裕 霜鳥
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料からなるベース板とガラス材料から
なる台座とを低融点ガラスや半田等の接合部材を用い接
合する場合に、前記台座にクラックを発生させない半導
体チップの接合構造及びその接合方法を提供する。 【解決手段】 ガラス台座3の側端面Aまたは底面Bの
少なくとも一方の表面をエッチングによりディンプル状
に形成する。前述ガラス台座3と金属ベース板1とを低
融点ガラス5により接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体,気体等の媒
体の圧力を検出する圧力センサや加速度センサや温度セ
ンサ等の半導体素子に関し、特にガラス材料からなる台
座と金属材料からなるベース板とを低融点ガラスまたは
半田を用いて接合する場合の接合構造及びその接合方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体チップを圧力センサを用い
て説明する。従来の圧力センサは、特開平6−7693
8号公報等に開示されるものがある。かかる圧力センサ
は、シリコン単結晶によって薄肉状の受圧起歪ダイアフ
ラムを多数有するシリコンウエハと、前記ダイアフラム
の位置に相当する孔があき、かつ熱膨張係数が略等しい
ガラス台座とが陽極接合法等によって接合させた後、前
記各ダイアフラム間を切削加工により切断し、個々のセ
ンサチップを得るものである。そして、前記センサチッ
プを前記媒体を導入する圧力導入部が形成された金属材
料からなる金属ベース板上に配設し、前記金属ベース板
と前記センサチップとを、低融点ガラスを用いて接合さ
せるものであるが、この接合方法において、前記低融点
ガラスをリング状の成形体とし、前記台座の側端面の下
端部に前記成形体が位置するように前記成形体を前記ベ
ース板上に配設し、前記低融点ガラスが前記側端面の下
端部にフィレット状になるようにして前記ベース板と前
記台座とを接合させたり、前記台座の底面に前記低融点
ガラスの成形体を配設し、前記台座の底面と前記ベース
板とを接合させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる圧力センサの接
合方法において、圧力センサは切削加工により所定のセ
ンサチップを得るため、前記ガラス台座の側端面の表面
状態がかなり粗く、このため前記金属ベース板と前記台
座とを前記低融点ガラスを用いて接合する際に、前記低
融点ガラスが固化することにより発生する応力が粗面に
加わりガラス材料からなる前記台座の側端面にクラック
が発生してしまい、製造工程における歩留まりが低下し
てしまうと言った問題点があった。
【0004】また、前記台座の底面を低融点ガラスを用
いて接合させる場合でも、表面状態が前記側端面に比べ
て粗くないものの、前述した側端面同様にクラックが発
生する恐れがあった。そこで、本発明は金属材料からな
るベース板とガラス材料からなる台座とを低融点ガラス
や半田等の接合部材を用いて接合する場合に、前記台座
にクラックを発生させない半導体チップの接合構造及び
その接合方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属材料から
なるベース板上にガラス材料からなる台座を有した半導
体チップを配設し、低融点ガラスや半田等の接合部材に
より前記ベース板と前記チップとを接合する半導体チッ
プの接合構造において、前記台座の側端面または底面の
少なくとも一方の表面を略ディンプル状に形成したもの
である。
【0006】また、金属材料からなるベース板上にガラ
ス材料からなる台座を有した半導体チップを配設し、低
融点ガラスや半田等の接合部材により前記ベース板と前
記チップとを接合する半導体チップの接合方法におい
て、前記台座の側端面または底面の少なくとも一方の表
面を略ディンプル状に形成した後、前記台座と前記ベー
ス板とを前記接合部材により接合するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】コバール金属(Fe-Ni-Co合金)等
の表面にニッケル(Ni)メッキを施した金属ベース板上
にパイレックス製のガラス台座を配設し、低融点ガラス
により前記金属ベース板と前記ガラス台座とを接合する
半導体チップの接合構造及び接合方法であって、前記ガ
ラス台座の切削面の表面をフッ酸系の薬液等を用いてエ
ッチングすることにより、前記表面をディンプル状にす
るものであり、前記金属ベース板と前記ガラス台座との
接合工程で発生する前記低融点ガラスによる応力がディ
ンプル状に形成された表面で緩和されるため、従来に比
べクラックの発生を減少させることが可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を従来例同様に添付図面に記載
した圧力センサを例に挙げ説明する。
【0009】図1において、1は、後述するダイアフラ
ムに連通し、媒体の圧力を導入するための圧力導入部1
aを形成し、コバール等の金属材料からなり、表面にニ
ッケルメッキが施された金属ベース基板(ベース板)、
2は、シリコン単結晶によって薄肉状の受圧起歪ダイア
フラムであり、このダイアフラム2にゲージ抵抗が拡散
によって形成されている。3は、パイレックス製のガラ
ス台座(台座)であり、このガラス台座3の略中央部に
は、媒体の圧力を導入する圧力導入孔3aが形成されて
おり、このガラス台座3は後述する製造方法でガラス台
座3の側端面(切削面)と底面の表面をエッチングによ
りディンプル状に形成している。前述したダイアフラム
2とガラス台座3とは陽極接合され圧力センサチップ4
を形成し、この圧力センサチップ4と金属ベース基板1
とはガラス台座3の下端部に低融点ガラス(接合部材)
5がフィレット状になるように、ガラス台座3の下端部
周縁を気密的に接合している。以上により圧力センサを
構成している。
【0010】次に実際に制作した具合例により本発明の
製造方法を説明する。
【0011】かかる圧力センサは、ダイアフラム2を多
数有するシリコンウエハと、ダイアフラム2の位置に相
当する圧力導入孔3aが形成されるガラス台座3とが陽
極接合法によって接合させた後、前記各ダイアフラム間
を切削加工により切断し、個々のセンサチップ4を得る
ものであるが、側端面Aが図2に示すように粗い。従っ
て、ダイアフラム2をガラス台座3に陽極接合した後、
この圧力センサチップ4のガラス台座3の側端面Aと底
面Bとをフッ酸系の薬液等を用いて略室温に応じて数十
秒程度にてエッチングを行うことで、図3に示すように
側端面A’及び底面B’がディンプル形状になる。
【0012】そして、側端面A’及び底面B’を所定時
間乾燥させた後、専用の治具を用いてセンサチップ4と
金属ベース板1との接合を行うが、鉛(Pb)を主成分と
する低融点ガラス5をリング状の成形体とし、ガラス台
座3の側端面の下端部に位置するように金属ベース板1
上に前記成形体を配設し、ガラス台座3の下端部が低融
点ガラス5によりフィレット状になるように、電気炉を
用い約400 ℃〜500 ℃,10分〜20分程度の接合条件にて
ガラス台座3の下端部周縁の接合を行った。接合終了時
に、光学顕微鏡でガラス台座3の側端面A’を観察した
結果、ディンプル形状の側端面A’に図2で示すような
低融点ガラス5の接合によるクラックaが生じていない
ことが認められた。
【0013】その結果、接合した圧力センサを冷熱試験
をかけ、終了時、光学顕微鏡でガラス台座3の側端面
A’を観察した結果、ディンプル形状の側端面A’にク
ラックaが生じていないことが認められた。
【0014】また、この対比目的で同時評価した従来の
エッチング無し圧力センサのガラス台座の側端面Aには
クラックaの発生が認められた。
【0015】本発明は、コバール金属等の表面にニッケ
ルメッキを施した金属ベース板1上にパイレックス製等
のガラス台座3を配設し、低融点ガラス5により金属ベ
ース板1とガラス台座3とを接合する半導体チップの接
合構造及び接合方法であって、ガラス台座3の側端面A
及び底面Bをフッ酸系の薬液等を用いてエッチング処理
することにより、側端面A及び底面Bの表面をディンプ
ル状にするものであり、金属ベース板1とガラス台座3
との接合工程で発生する低融点ガラス5による応力が、
従来の側端面Aに比べ緩和されることになることからク
ラックaの発生を減少させることができ、製造工程にお
ける歩留まりを向上させることができる。
【0016】尚、金属ベース板1とガラス台座3との接
合において、ダラス台座3のディンプル状に形成された
底面Bに蒸着あるいはスパッタリング法等により金等か
らなるメタライズ層を形成し、接合部材として半田を用
いて金属ベース板1とガラス台座3との接合を行っても
本発明と同様な効果が得られるものである。
【0017】また、本実施例では、ガラス台座3の側端
面Aと底面Bの表面をエッチングによりディンプル状と
したが、金属ベース板1とガラス台座3との接合箇所に
より、ガラス台座3の側端面Aまたは底面Bの少なくと
も一方の表面をディンプル状に形成すれば良い。
【0018】また、前記表面をディンプル状に処理する
場合は、必ずしも前記表面の全域をディンプル状に形成
しなくとも、低融点ガラス5や半田等の接合部材とガラ
ス台座3との接合箇所の表面だけをディンプル状に処理
しても良い。
【0019】また、本実施例では圧力センサを例に挙げ
本発明を説明したが、ガラス材料からなる台座と金属材
料からなるベース板とを接合させる例えば加速度センサ
や温度センサ等の半導体チップの接合構造及び接合方法
に適用しても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明は、金属材料からなるベース板上
にガラス材料からなる台座を有した半導体チップを配設
し、低融点ガラスや半田等の接合部材により前記ベース
板と前記チップとを接合する半導体チップの接合構造及
び製造方法であって、前記台座の側端面または底面の少
なくとも一方の表面をエッチングにより略ディンプル状
に形成するものであり、前記金属ベース板と前記ガラス
台座との接合工程で発生する前記低融点ガラスによる応
力を従来の側端面に比べ緩和させることができるため、
前記台座のクラックの発生を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図。
【図2】従来の半導体チップのガラス台座を示す要部拡
大断面図。
【図3】本発明の半導体チップのガラス台座を示す要部
拡大断面図。
【符号の説明】
1 金属ベース板(ベース板) 3 ガラス台座(台座) 5 低融点ガラス(接合部材) A,A’側端面 B,B’底面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料からなるベース板上にガラス材
    料からなる台座を有した半導体チップを配設し、低融点
    ガラスや半田等による接合部材により前記ベース板と前
    記チップとを接合する半導体チップの接合構造におい
    て、前記台座の側端面または底面の少なくとも一方の表
    面を略ディンプル状に形成したことを特徴とする半導体
    チップの接合構造。
  2. 【請求項2】 金属材料からなるベース板上にガラス材
    料からなる台座を有した半導体チップを配設し、低融点
    ガラスや半田等による接合部材により前記ベース板と前
    記チップとを接合する半導体チップの接合方法におい
    て、前記台座の側端面または底面の少なくとも一方の表
    面を略ディンプル状に形成した後、前記台座と前記ベー
    ス板とを前記接合部材により接合する半導体チップの接
    合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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