JPH10281591A - 空気調和機および熱交換器 - Google Patents

空気調和機および熱交換器

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JPH10281591A
JPH10281591A JP16248697A JP16248697A JPH10281591A JP H10281591 A JPH10281591 A JP H10281591A JP 16248697 A JP16248697 A JP 16248697A JP 16248697 A JP16248697 A JP 16248697A JP H10281591 A JPH10281591 A JP H10281591A
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JP
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tube
heat exchanger
port
pipe
refrigerant
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JP16248697A
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English (en)
Inventor
Takeo Ueno
武夫 植野
Masaki Yamamoto
政樹 山本
Masaaki Takegami
雅章 竹上
Hideki Tsujii
英樹 辻井
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの部品だけで過冷却を行うことができる
空気調和機を提供する。 【解決手段】 この空気調和機は、四路切換弁5を実線
の冷房位置にしたときには、凝縮器として働く室外熱交
換器1からの冷媒のサブ流を三重管式熱交換器8の中管
17で冷やし、この冷えた冷媒で外管16と内管18を
流れるメイン流の冷媒を冷やした上で、蒸発器として働
く室内熱交換器2に導入する。三重管式熱交換器8が過
冷却膨張機構をなす中管17を内蔵しているから、1つ
の部品だけで過冷却を行うことができ、空気調和機が簡
単になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、過冷却方式を採
用した空気調和機および過冷却を行うために用いられる
熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の空気調和機としては、図
9に示すものがある(特開平6−331223号公報)。
この空気調和機は、主回路と過冷却回路からなる。上記
主回路は、圧縮機101と凝縮器102と熱交換器内蔵
高圧レシーバ103とメイン膨張弁105と蒸発器10
6とアキュムレータ107とが順に接続された回路で構
成されている。また、上記過冷却回路は、上記高圧レシ
ーバ103の出口から過冷却用膨張弁108を経由して
レシーバ103が内蔵する過冷却用コイル110に接続
され、このコイル110から上記アキュムレータ107
の入口に接続された回路で構成されている。
【0003】この空気調和機は、上記凝縮器102から
の高温冷媒を、高圧レシーバ103を経て過冷却用膨張
弁108を通過させて低温にし、この低温にした冷媒を
過冷却用コイル110に通して、凝縮器102から高圧
レシーバ103に入った高温冷媒を冷やす。これによ
り、蒸発器106における冷凍効果を増大させることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の空
気調和機では、過冷却を行うために、過冷却用膨張弁1
08と高圧レシーバ103という2つの別部品が必要
で、それらを連結する配管が必要であるから空気調和機
の冷媒回路が複雑になり、また、効率低下を招くという
問題がある。
【0005】そこで、この発明の目的は、1つの部品だ
けで過冷却を行うことができる空気調和機および熱交換
器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の空気調和機は、凝縮器と、蒸発器
と、吐出口が上記凝縮器の一端に接続され、吸入口が上
記蒸発器の一端に接続された圧縮機と、上記蒸発器の他
端に接続されたメイン膨張機構と、一端にポートを有す
ると共に、他端が開放された内管と、上記内管の一端と
他端との間の部分を包み、一端側がポートを有すると共
に、他端側の端部にオリフィスが形成された中管と、上
記内管および中管を包み、ポートを有する外管とで構成
された三重管式熱交換器とを備え、上記中管のポートを
圧縮機の吸込口に接続し、上記内管または外管のうちの
一方のポートをメイン膨張機構に接続し、上記内管また
は外管のうちの他方のポートを凝縮器に接続したことを
特徴としている。
【0007】この請求項1の発明によれば、凝縮器から
外管の一端のポート(または、内管の一端のポート)に
流入した冷媒は、外管(または内管)内を他端に向かって
流れ、メイン流となる分が上記内管の開放他端から内管
(または外管)内に流入する。この内管(または外管)内に
流入したメイン流は、内管(または外管)の一端に向かっ
て流れ、この一端からメイン膨張機構に流れる。一方、
上記外管(または内管)から上記中管のオリフィスに流入
した冷媒は急激に膨張して冷える。この急激に膨張して
冷えた冷媒が過冷却用サブ流である。この冷えたサブ流
は、上記外管内を一端側から他端側(または他端側から
一端側)に流れるメイン流を冷やし、同時に、内管の他
端から一端(または一端から他端)に向かうメイン流を冷
やす。
【0008】このように、この空気調和機によれば、三
重管式熱交換器が過冷却膨張機構をなす中管を内蔵して
いるから、1つの部品(三重管式熱交換器)だけで過冷却
を行うことができる。したがって、空気調和機の冷媒回
路を簡単にできる。
【0009】また、過冷却膨張機構をなす中管の内側と
外側とに、冷媒のメイン流が流れる外管と内管とを配し
ているから、従来に比べて、熱交換効率を向上させるこ
とができる。
【0010】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の空気調和機において、上記三重管式熱交換器の中管は
外周面もしくは内周面にフィンが形成されていることを
特徴としている。
【0011】この請求項2の発明によれば、上記フィン
によって、中管内のサブ流と外管内のメイン流との熱交
換効率を向上させることができるから、過冷却の増大を
図れ、能力,効率の一層の向上を図れる。
【0012】また、請求項3の発明は、一端にポートを
有すると共に、他端が開放された内管と、上記内管の一
端と他端との間の部分を包み、一端側がポートを有する
と共に、他端側の端部にオリフィスが形成された中管
と、上記内管および中管を包み、ポートを有する外管と
を備えたことを特徴としている。
【0013】上記したように、この請求項3の発明の三
重管式熱交換器によれば、過冷却用膨張機構をなす中管
を内蔵しているから、熱交換効率が良くてコンパクトな
過冷却機構を実現できる。
【0014】また、請求項4の発明の四重管式の熱交換
器は、一端にポートを有すると共に、他端が開放された
内管と、上記内管の一端と他端との間の部分を包み、一
端側がポートを有すると共に、他端側の端部にオリフィ
スが形成された中管と、上記内管および中管を包み、一
端側にポートを有する第1外管と、上記第1外管の周囲
を取り巻き、他端側にポ−トを有し、上記第1外管のポ
−トで第1外管に連通している第2外管とを備えたこと
を特徴としている。
【0015】この請求項4の発明によれば、たとえば、
上記中管のポ−トを圧縮機の吸込口に接続し、上記内管
のポ−トをメイン膨張機構に接続し、上記第2外管のポ
−トを凝縮器に接続すれば、凝縮器から第2外管の他端
のポ−トに流入した冷媒は、第2外管内を一端に向かっ
て流れ、第1外管の一端側のポ−トから第1外管に流入
する。
【0016】この第1外管に流入した冷媒は、第1外管
の一端から他端に向かって流れ、メイン流となる分が内
管の他端から内管に流入し、サブ流となる分が中管の他
端のオリフィスに流入する。このサブ流は上記オリフィ
スから中管に流入するときに急激に膨張して冷える。こ
の急激に膨張して冷えた冷媒が過冷却用サブ流である。
この冷えたサブ流は、上記第1外管内を一端側から他端
側に流れるメイン流を冷やし、同時に、内管の他端から
一端に向かうメイン流を冷やす。さらには、上記第1外
管内を一端から他端に向かって流れる冷やされたメイン
流は、その外側の第2外管内を他端から一端に向かって
流れるメイン流を冷やす。
【0017】このように、この四重管式の熱交換器は、
外管を第1外管と第2外管とで構成したから、メイン流
れは第1外管の内側と第2外管の内側を流れて、前述の
三重管式の熱交換器の1つの外管の内側を流れる場合に
比べてより長い距離を流れる。したがって、中管内のサ
ブ流で外管内のメイン流をより効率良く冷やすことがで
きる。したがって、この四重管式の熱交換器によれば、
レシーバレスを図れる上に、より一層効率が良くてコン
パクトな過冷却機構を実現できる。
【0018】また、請求項5の発明の空気調和機は、凝
縮器と、蒸発器と、吐出口が上記凝縮器の一端に接続さ
れ、吸入口が上記蒸発器の一端に接続された圧縮機と、
上記蒸発器の他端に接続されたメイン膨張機構と、一端
にポートを有すると共に、他端が開放された内管と、上
記内管の一端と他端との間の部分を包み、一端側がポー
トを有すると共に、他端側の端部にオリフィスが形成さ
れた中管と、上記内管および中管を包み、一端側にポー
トを有する第1外管と、上記第1外管の周囲を取り巻
き、他端側にポ−トを有し、上記第1外管のポ−トで第
1外管に連通している第2外管とで構成された四重管式
熱交換器とを備え、上記中管のポートを圧縮機の中間圧
の箇所に接続し、上記内管または第2外管のうちの一方
のポートをメイン膨張機構に接続し、上記内管または第
2外管のうちの他方のポートを凝縮器に接続したことを
特徴としている。
【0019】この請求項5の発明の空気調和機によれ
ば、凝縮器から蒸発器に向かって流れる冷媒のメイン流
を1つの部品(四重管式熱交換器)だけで過冷却を行な
うことができる。したがって、空気調和機の冷媒回路を
簡単にできる。
【0020】また、過冷却膨張機構をなす中管の内側と
外側とに、冷媒のメイン流が流れる第1,第2外管と内
管とを配しているから、従来に比べて、熱交換効率を向
上させることができる。
【0021】また、上記中管のポートを圧縮機の中間圧
の箇所に接続したから、比体積が小さな冷媒の存在する
圧縮機の中間圧の箇所に中管のポ−トからの冷媒を導入
して、能力を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。
【0023】〔第1の実施の形態〕図1に、この発明の
空気調和機の第1の実施の形態を示す。この第1の実施
形態は、室外熱交換器1と、室内熱交換器2と、圧縮機
3と、四路切換弁5と、ブリッジ整流回路6と、メイン
膨張弁7と、三重管式熱交換器8と、受液器10とを備
えている。
【0024】上記圧縮機3の吐出口3aは四路切換弁5
の吸入口5aに接続され、圧縮機3の吸込口3bは四路
切換弁5の吐出口5bに接続されている。そして、上記
四路切換弁5の第1中継口5cは上記室外熱交換器1の
一端1aに接続されており、四路切換弁5の第2中継口
5dは室内熱交換器2の一端2aに接続されている。そ
して、上記室外熱交換器1の他端1bは、ブリッジ整流
回路6の第1端6aに接続されている。このブリッジ整
流回路6は、第1端6aと第2端6bとの間に接続され
た第1逆止弁11と、第2端6bと第3端6cとの間に
接続された第2逆止弁12と、第3端6cと第4端6d
との間に接続された第3逆止弁13と、第4端6dと第
1端6aとの間に接続された第4逆止弁14とからな
る。
【0025】上記ブリッジ整流回路6の第2端6bは受
液器10の入口に接続されており、この受液器10の出
口は上記三重管式熱交換器8の外管16の一端のポート
16aに接続されている。図4にも示すように、この三
重管式熱交換器8は、上記外管16と中管17と内管1
8とで構成されている。この内管18の一端18aのポ
ート18cがメイン膨張弁7に接続され、他端18bが
開放されている。また、上記中管17は、上記内管18
の一端18aと他端18bとの間の部分を包むように上
記内管18に固定されている。この中管17の一端側1
7aのポート17cが電磁弁20を介して上記圧縮機3
の吸入口3bに接続され、他端側端部17bにオリフィ
ス21が形成されている。このオリフィス21が過冷却
膨張機構を構成している。また、上記外管16は、上記
内管18および中管17を包むように中管17に固定さ
れている。
【0026】上記中管17の外周面にはこの外周面を周
方向に取り巻いている複数のフィン22が形成されてい
る。また、上記内管18の開放他端18bは、上記外管
16の一端16aから他端に向かって流れて来た冷媒に
対する開口面積が大きくなるように、斜めに開口してい
る。そして、上記オリフィス21は、上記開放他端18
bの背後下流側に配されている。したがって、冷媒のメ
イン流は上記内管18の開放他端18bから流入し、冷
媒の過冷却用サブ流は上記中管17のオリフィス21か
ら流入することになる。
【0027】そして、上記メイン膨張弁7は上記ブリッ
ジ整流回路6の第4端6dに接続されており、第3端6
cは室内熱交換器2の他端2bに接続されている。ま
た、この室内熱交換器2の一端2aは上記四路切換弁5
の第2中継口5dに接続されている。
【0028】そして、この実施の形態では、非共沸混合
冷媒を採用した。
【0029】なお、上記図1に符号〜で示した各部
分での冷媒の状態を、図3のモリエル線図に符号〜
で示した。
【0030】上記構成の空気調和機では、まず、上記四
路切換弁5を図1に実線で示したような冷房位置にすれ
ば、冷媒は、順に、室内熱交換器2、圧縮機3(図3の
→)、室外熱交換器1、ブリッジ整流回路6と流
れ、室外熱交換器1は凝縮器として働き、室内熱交換器
2は蒸発器として働く。
【0031】上記凝縮器としての室外熱交換器1からの
冷媒は、上記ブリッジ整流回路6の第1端6aに入り、
第1逆止弁11を通過し第2端6bから出た冷媒は、受
液器10を経て(図3の)、三重管式熱交換器8の外管
16の一端16aから流入する(図3の)。ここで、
上記流入冷媒の内、内管18の開放他端18bに流入
し、この内管18を経て(図3の)、メイン膨張弁7に
至る流れがメイン流である。そして、上記メイン流は、
さらに、メイン膨張弁7を通過して、上記ブリッジ整流
回路6の第4端6dに入り、第3逆止弁13を通って
(図3の)、蒸発器として働く室内熱交換器2に達す
る。
【0032】一方、上記第1逆止弁11を通過し第2端
6bから出て、外管16の一端16aに流入した冷媒の
内、上記中管17のオリフィス21に流入する流れ(図
3の→)が過冷却のためのサブ流である。このサブ
流は全体の約10%である。このサブ流は、過冷却膨張
機構としての上記オリフィス21を通過することで冷や
されてから、中管17の一端側17aに向かって流れ
る。この中管17中を流れる冷えた冷媒は、外管16お
よび内管18を流れるメイン流を図3の→のように
冷やしてから、飽和ガス状態(図3の)になって、電磁
弁20を通って圧縮機3の吸入口3bに達する。
【0033】また、上記四路切換弁5を図1に破線で示
したような暖房位置にすれば、冷媒は、順に、圧縮機3
(図3の→)、室内熱交換器2、ブリッジ整流回路
6、室外熱交換器1と流れ、室内熱交換器2は凝縮器と
して働き、室外熱交換器1は蒸発器として働く。
【0034】上記凝縮器としての室内熱交換器2からの
冷媒は、上記ブリッジ整流回路6の第3端6cに入り、
第2逆止弁12を通過し第2端6bから出た冷媒は、受
液器10を経て(図3の)、メイン流が、外管16(図
3の)、内管18を通過して(図3の)、メイン膨張
弁7を通過して(図3の)、上記ブリッジ整流回路6の
第4端6dに入り、第4逆止弁14を通って蒸発器とし
て働く室外熱交換器1に達する。
【0035】一方、上記第2逆止弁12を通過し第2端
6bから出て、受液器10を通過した冷媒は、サブ流が
外管16から中管17のオリフィス21を通過すること
(図3の→)で冷やされてから、中管17中を流れる
ことによって、外管16および内管18を流れるメイン
流を、図3の→のように、冷やしてから、圧縮機3
の吸入口3bに達する(図3の)。
【0036】このように、この実施形態によれば、四路
切換弁5を冷房位置(実線)にしたときには、凝縮器とし
て働く室外熱交換器1からの冷媒のサブ流を三重管式熱
交換器8内で冷やし、この冷えたサブ流の冷媒でメイン
流の冷媒を冷やした上で、メイン流を蒸発器として働く
室内熱交換器2に導入する。したがって、蒸発器として
の室内熱交換器2の能力と効率の向上を図れる。したが
って、冷房能力の向上を図れ、かつ、冷房効率の向上を
図れる。
【0037】そして、この空気調和機によれば、三重管
式熱交換器8が、過冷却膨張機構をなす中管17を内蔵
しているから、1つの部品(三重管式熱交換器8)だけで
過冷却を行うことができ、空気調和機の冷媒回路が簡単
になる。また、過冷却膨張機構をなす中管17の内側と
外側とに、冷媒のメイン流が流れる外管16と内管18
とを配しているから、従来に比べて、熱交換効率を向上
させることができる。
【0038】また、四路切換弁5を暖房位置にしたとき
には、凝縮器として働く室内熱交換器2からの冷媒のサ
ブ流を三重管式熱交換器8で冷やし、この冷えた冷媒で
メイン流の冷媒を冷やした上で、メイン流を蒸発器とし
て働く室外熱交換器1に導入する。したがって、蒸発器
としての室外熱交換器1の能力と効率の向上を図れる。
したがって、暖房能力の向上を図れ、かつ、暖房効率の
向上を図れる。
【0039】したがって、この実施形態によれば、冷媒
流れ方向を切り換えても、変わりなく過冷却の効果を得
ることができる。
【0040】ここで、上記過冷却によって能力が向上す
る理由を説明する。蒸発器(冷房時の室内熱交換器2,暖
房時の室外熱交換器1)の能力Qは、 Q=K・A・Δtm ……………(1) で表される。この式(1)において、Kは熱通過率であ
り、Aは熱交換面積であり、Δtmは周囲の空気温度と内
部の冷媒温度との温度差である。上記空気温度を一定と
すると、冷媒温度が低い程、能力Qが増大する。
【0041】ここで、仮に、上記三重管式熱交換器8が
無い場合には、蒸発器内の冷媒温度は、図3のモリエル
線図では、に示す受液器10での冷媒温度T0と、
で示す圧縮機3の入口での冷媒温度T1との平均温度に
なる。上記実施形態では、上記T0=約3.5℃であり、
1=約7.5℃であるので、平均温度は、約5.5℃に
なる。
【0042】これに対し、上記三重管式熱交換器8が有
る場合には、蒸発器内の冷媒温度は、図3のモリエル線
図で、に示す箇所での冷媒温度T6=約2.5℃と、T
1=約7.5℃との平均温度=約5.0℃になる。
【0043】したがって、今、上記周囲空気の温度の平
均が13℃(WB(湿球温度))であるとすると、三重管式
熱交換器8が無い場合の能力Q0に対して、三重管式熱
交換器8が有る場合の能力Q1の割合は、 (Q1/Q0)×100%={(13−5)/(13−5.5)}×100% ≒107% となる。したがって、上記三重管式熱交換器8を設ける
ことによって、同じ動力で約7%の能力およびCOPの
向上が図れる。
【0044】また、一般に、過負荷運転では、メイン膨
張弁7の前で(の箇所で)、冷媒が液とガスの混在状態
になって、蒸発器への冷媒供給不足をきたすことがある
が、上記実施形態によれば、メイン膨張弁7の前(の
箇所)での過冷却温度が約10℃あるので、広い範囲の
負荷に対して、上記のような蒸発器への冷媒供給不足を
発生させることなく正常に運転できる。
【0045】また、この空気調和機は、冷媒として非共
沸混合冷媒を用いたから、液体から気体への遷移時に温
度差が生じることになって、蒸発開始時の温度が一層低
くなって、蒸発器の内外の温度差が大きくなって、能
力,効率を一層増大させることができる。
【0046】また、この空気調和機は、三重管式熱交換
器8が過冷却熱交換器と過冷却膨張機構とを構成してい
る。この三重管式熱交換器8によれば、ブリッジ整流回
路6の第2端6bから外管16の一端側に流入した冷媒
は、外管16の他端側に至り、サブ流が中管17の他端
側端部17bのオリフィス21から中管17内に膨張し
ながら流入する。この膨張によりサブ流入冷媒が冷え、
この冷えたサブ流入冷媒は、外管16の他端側から内管
18の開放他端18bに流入してメイン膨張弁7に向か
うメイン流入冷媒を冷やし、同時に、外管16の他端側
から一端側に向かう冷媒(メイン流+サブ流)を冷やす。
このように、この三重管式熱交換器8は、冷えたサブ流
入冷媒が流れる中管17の内側と外側とに、冷媒のメイ
ン流が流れる外管16と内管18とを配しているから、
冷えたサブ流入冷媒とメイン流との熱交換効率が良い。
したがって、過冷却の増大を図れ、能力,効率を一層増
大させることができる。
【0047】また、この三重管式熱交換器8によって、
過冷却用熱交換器と過冷却用膨張機構とが一体化される
から、配管が簡単になり、全体がコンパクトになる。
【0048】また、図1に示すように、上記三重管式熱
交換器8は、外管16,中管17,内管18の上部の一端
16a,17a,18aを受液器10への配管,圧縮機3
への配管,メイン膨張弁7への配管に接続している。し
たがって、配管接続はすべて上部で行う構造であるから
製作作業が容易である。
【0049】また、この実施形態では、上記三重管式熱
交換器8の中管17の外周面に複数のフィン22を有し
ているから、上記中管17内のサブ流入冷媒と上記外管
16内の冷媒との熱交換効率を向上させることができ
る。したがって、過冷却の増大を図れ、能力,効率の一
層の増大を図れる。外管16内では冷媒液の流速が遅い
(約0.9m/秒)から、上記中管17外周のフィン22
で熱交換面積を大きくして熱伝達を良くしているのであ
る。図8に示すように、流速が高いほど熱通過率も大き
くなる。そして、中管17内では冷媒は2相流であり流
速も速く(約12m/秒)、また、内管18内でも冷媒の
流速が速い(約5m/秒)から、中管17の外周に比べて
フィンの必要性は小さい。
【0050】また、この空気調和機は、上記ブリッジ整
流回路6の第2端6bと三重管式熱交換器8の外管16
との間に接続された受液器10を有しているから、ブリ
ッジ整流回路6の第2端6bから出た冷媒が液体と気体
の混合状態であっても、この冷媒を液体と気体とに確実
に分離して、下方の液体のみを外管16に導くことがで
きる。したがって、冷媒を三重管式熱交換器8で効率よ
く冷却でき、過冷却の増大を図れ、能力,効率の一層の
増大を図れる。
【0051】なお、上記電磁弁20を閉じれば、上記三
重管式熱交換器8の中管17に冷媒が流入しなくなり、
中管17内のサブ流によるメイン流の過冷却はなくな
る。したがって、運転を停止するとき、能力制御を止め
るとき、入力オーバーのとき、圧縮機3の吐出圧力が上
昇し冷媒供給量を減らしたいときには、電磁弁20を閉
じればよい。一方、通常運転中は、電磁弁20を開い
て、能力,COPを向上させる。また、デフロスト中に
は、電磁弁20を開いて、デフロスト時間を短縮させ
る。また、冷凍機をオフにする前の一定時間には、電磁
弁20を開いて、中管17内の液を抜いて、液封を防止
する。また、起動前に、電磁弁20を開いて、高圧,低
圧をバランスさせ、起動を容易にする。また、吐出管温
度が上昇したときに、電磁弁20を開いて、圧縮機3に
幾分湿りのガスを吸入させて、吐出ガス温度上昇による
油の劣化を防ぐ。
【0052】尚、上記実施形態では、中管17の外周面
にフィン22を形成したが、中管17の内周面にフィン
22を形成してもよい。また、上記実施の形態では、冷
媒として非共沸混合冷媒を用いたが、冷媒として共沸混
合冷媒を用いてもよい。さらには、冷媒として単一成分
の冷媒を用いてもよい。
【0053】また、上記実施の形態では、三重管式熱交
換器8の外管16の一端のポート16aを上流の受液器
10に接続する一方、内管18の一端18aのポート1
8cを下流のメイン膨張弁7に接続したが、外管16の
ポート16aをメイン膨張弁7に接続し、内管18のポ
ート18cを受液器10に接続してもよい。
【0054】〔第2の実施の形態〕次に、図4に、請求
項4の発明の四重管式熱交換器51を備えた空気調和機
の冷媒回路を示す。この冷媒回路は、圧縮機50と、室
外熱交換器52と、室内熱交換器53と、四路切換弁5
5と、ブリッジ整流回路56と、メイン膨張弁57と、
四重管式熱交換器51とを備えている。
【0055】上記圧縮機50の吐出口50aは四路切換
弁55の吸入口55aに接続され、圧縮機50の吸込口
50bは四路切換弁55の吐出口55bに接続されてい
る。そして、上記四路切換弁55の第1中継口55cは
上記室外熱交換器52の一端52aに接続されており、
四路切換弁55の第2中継口55dは室内熱交換器53
の一端53aに接続されている。
【0056】そして、上記室外熱交換器52の他端52
bは、ブリッジ整流回路56の第1端56aに接続され
ている。このブリッジ整流回路56は、第1端56aと
第2端56bとの間に接続された第1逆止弁61と、第
2端56bと第3端56cとの間に接続された第2逆止
弁62と、第3端56cと第4端56dとの間に接続さ
れた第3逆止弁63と、第4端56dと第1端56aと
の間に接続された第4逆止弁64とからなる。
【0057】上記ブリッジ整流回路56の第2端56b
は、キャピラリ71を介して上記四重管式熱交換器51
の第2外管66Aの他端のポート66Aaに接続されて
いる。図5にも示すように、第2外管66Aの一端66
Abは開口69で第1外管66Bの一端66Bbに連通
している。この開口69の大きさ設定でもって冷媒循環
量を設定できる。
【0058】この四重管式熱交換器51は、上記第2外
管66Aと第1外管66Bと中管67と内管68とで構
成されている。この内管68の一端68aのポート68
cがメイン膨張弁57に接続され、他端68bが開放さ
れている。また、上記中管67は、上記内管68の一端
68aと他端68bとの間の部分を包むように上記内管
68に固定されている。この中管67の一端側67aの
ポート67cが電磁弁80を介して上記圧縮機50の圧
縮工程の中間圧の箇所50cに接続され、他端側端部6
7bにオリフィス81が形成されている。このオリフィ
ス81が過冷却膨張機構を構成している。また、上記第
1外管66Bは、上記内管68および中管67を包むよ
うに中管67に固定されている。
【0059】また、上記内管68の開放他端68bは、
上記第1外管66Bの一端66Bbから他端に向かって
流れて来た冷媒に対する開口面積が大きくなるように、
斜めに開口している。そして、上記オリフィス81は、
上記開放他端68bの根元近傍に配されている。したが
って、冷媒のメイン流は上記内管68の開放他端68b
から流入し、冷媒の過冷却用サブ流は上記中管67のオ
リフィス81から流入することになる。
【0060】そして、上記メイン膨張弁57は上記ブリ
ッジ整流回路56の第4端56dに接続されており、第
3端56cは室内熱交換器53の他端53bに接続され
ている。また、この室内熱交換器53の一端53aは上
記四路切換弁55の第2中継口55dに接続されてい
る。
【0061】そして、この実施の形態では、非共沸混合
冷媒を採用した。
【0062】なお、上記図4に符号(1)〜(9)で示
した各部分での冷媒の状態を、図7のモリエル線図に符
号(1)〜(9)で示した。
【0063】上記構成の空気調和機では、まず、上記四
路切換弁55を図4に実線で示した冷房位置にすれば、
冷媒は順に、室内熱交換器53、圧縮機50(図7の
(1)→(2))、室外熱交換器52、ブリッジ整流回
路56と流れ、室外熱交換器52は凝縮器として働き、
室内熱交換器53は蒸発器として働く。
【0064】上記凝縮器としての室外熱交換器52から
の冷媒は、上記ブリッジ整流回路56の第1端56aに
入り、第1逆止弁61を通過し第2端56bから出た冷
媒(図7の(3))は、四重管式熱交換器51の第2外管
66Aの一端66Aaから流入する(図7の(4))。
ここで、上記流入冷媒の内、内管68の開放他端68b
に流入し、この内管68を経て(図7の(5))、メイン
膨張弁57に至る流れがメイン流である。そして、上記
メイン流は、さらに、メイン膨張弁57を通過して、上
記ブリッジ整流回路56の第4端56dに入り、第3逆
止弁63を通って(図7の(6))、蒸発器として働く室
内熱交換器53に達する。
【0065】一方、上記第1逆止弁61を通過し第2端
56bから出て、第2外管66Aの一端66Aaに流入
した冷媒の内、上記中管67のオリフィス81に流入す
る流れ(図7の(4)→(7))が過冷却のためのサブ流
である。このサブ流は全体の約10%である。このサブ
流は、過冷却膨張機構としての上記オリフィス81を通
過することで冷やされてから、中管67の一端側67a
に向かって流れる。この中管67中を流れる冷えた冷媒
は、第1外管66Bおよび内管68を流れるメイン流を
図7の(4)→(5)のように冷やしてから、飽和ガス
状態(図7の(8))になって、電磁弁80を通って圧縮
機50の中間圧の箇所50bに達する。したがって、中
管67から圧縮機50に液バックすることはない。
【0066】また、中管67のポ−ト67cを圧縮機5
0の中間圧の箇所50bに接続したから、比体積が小さ
な冷媒の存在する圧縮機50の中間圧の箇所50bに中
管67のポ−ト67cからの冷媒を導入して、能力を向
上させることができる。
【0067】ところで、この四重管式熱交換器51で
は、上記第1外管66B内を流れる冷やされた冷媒が第
2外管66Aを流れる冷媒を冷やす。したがって、この
四重管式熱交換器51によれば、メイン流が第2外管6
6Aの内側と第1外管66Bの内側を流れて、前述の第
1の実施の形態の三重管式熱交換器8の1つの外管16
の内側を流れる場合に比べてより長い距離を流れるか
ら、中管67内のサブ流で外管66A,66B内のメイ
ン流をより効率良く冷やすことができる。したがって、
この四重管式の熱交換器51によれば、より一層効率が
良くてコンパクトな過冷却機構を実現できる。
【0068】また、上記四路切換弁55を図4に破線で
示したような暖房位置にすれば、冷媒は、順に、圧縮機
50(図7の(1)→(2))、室内熱交換器53、ブリ
ッジ整流回路56、室外熱交換器52と流れ、室内熱交
換器53は凝縮器として働き、室外熱交換器52は蒸発
器として働く。
【0069】上記凝縮器としての室内熱交換器53から
の冷媒は、上記ブリッジ整流回路56の第3端56cに
入り、第2逆止弁62を通過し第2端56bから出た冷
媒(図7の(3))は、メイン流が、第2外管66(図7
の(4))、内管68を通過して(図7の(5))、メイ
ン膨張弁57を通過して(図7の(6))、上記ブリッジ
整流回路56の第4端56dに入り、第4逆止弁64を
通って蒸発器として働く室外熱交換器52に達する。
【0070】一方、上記第2逆止弁62を通過し第2端
56bから出た冷媒は、サブ流が第2外管66A,第1
外管66Bから中管67のオリフィス81を通過するこ
と(図7の(4)→(7))で冷やされてから、中管67
中を流れることによって、外管66A,66Bおよび内
管18を流れるメイン流を、図7の(4)→(5)のよ
うに、冷やしてから、圧縮機50の中間箇所50bに達
する。
【0071】このように、この空気調和機によれば、四
路切換弁55を冷房位置(実線)にしたときには、凝縮器
として働く室外熱交換器52からの冷媒のサブ流を四重
管式熱交換器51内で冷やし、この冷えたサブ流の冷媒
でメイン流の冷媒を冷やした上で、メイン流を蒸発器と
して働く室内熱交換器53に導入する。したがって、蒸
発器としての室内熱交換器53の能力と効率の向上を図
れる。したがって、冷房能力の向上を図れ、かつ、冷房
効率の向上を図れる。
【0072】そして、この空気調和機によれば、四重管
式熱交換器51が、過冷却膨張機構をなす中管67を内
蔵しているから、1つの部品(四重管式熱交換器51)だ
けで過冷却を行うことができ、空気調和機の冷媒回路が
簡単になる。また、過冷却膨張機構をなす中管67の内
側と外側とに、冷媒のメイン流が流れる第2外管66
A,第1外管66Bと内管18とを配しているから、メ
イン流れは第1外管66Bの内側と第2外管66Aの内
側を流れる。したがって、前述の三重管式熱交換器8の
1つの外管16の内側をメイン流が流れる場合に比べ
て、熱交換効率を向上させることができ、レシーバレス
も図れる。また、四重管式熱交換器51の第1外管66
B内を流れる冷やされた冷媒が第2外管66A内を流れ
る冷媒を冷やすから、三重管式熱交換器よりも過冷却能
力を向上できる。
【0073】また、四路切換弁55を暖房位置(破線)
にしたときには、凝縮器として働く室内熱交換器53か
らの冷媒のサブ流を四重管式熱交換器51で冷やし、こ
の冷えた冷媒でメイン流の冷媒を冷やした上で、メイン
流を蒸発器として働く室外熱交換器52に導入する。し
たがって、蒸発器としての室外熱交換器52の能力と効
率の向上を図れる。したがって、暖房能力の向上を図
れ、かつ、暖房効率の向上を図れる。
【0074】したがって、この空気調和機によれば、冷
媒流れ方向を切り換えても、変わりなく過冷却の効果を
得ることができる。
【0075】また、この空気調和機は、四重管式熱交換
器51が過冷却熱交換器と過冷却膨張機構とを構成して
いる。この四重管式熱交換器51によれば、ブリッジ整
流回路56の第2端56bから第2外管66Aの他端側
に流入した冷媒は、開口69を通って第1外管66Bの
一端側に至り、サブ流が中管67のオリフィス81から
中管67内に膨張しながら流入する。この膨張によりサ
ブ流入冷媒が冷え、この冷えたサブ流入冷媒は、第2外
管66A,第1外管66Bから内管68の開放他端68
bに流入してメイン膨張弁57に向かうメイン流入冷媒
を冷やし、同時に、第1外管66Bの一端側から他端側
に向かう冷媒(メイン流+サブ流)を冷やす。さらに、第
1外管66B内の冷やされた冷媒は第2外管66A内の
冷媒を冷やす。このように、この四重管式熱交換器51
は、冷えたサブ流入冷媒が流れる中管67の内側と外側
とに、冷媒のメイン流が流れる第2外管66A,第1外
管66Bと内管68とを配しているから、前述の三重管
式熱交換器8の1つの外管16の内側をメイン流が流れ
る場合に比べてより長い距離を流れるから、冷えたサブ
流入冷媒とメイン流との熱交換効率が良い。したがっ
て、過冷却の増大を図れ、能力,効率を一層増大させる
ことができる。
【0076】また、この四重管式熱交換器51によっ
て、過冷却用熱交換器と過冷却用膨張機構とが一体化さ
れるから、配管が簡単になり、全体がコンパクトにな
る。
【0077】なお、上記電磁弁80を閉じれば、上記四
重管式熱交換器51の中管67に冷媒が流入しなくな
り、中管67内のサブ流によるメイン流の過冷却はなく
なる。したがって、運転を停止するとき、能力制御を止
めるとき、入力オーバーのとき、圧縮機50の吐出圧力
が上昇し冷媒供給量を減らしたいときには、電磁弁80
を閉じればよい。一方、通常運転中は、電磁弁80を開
いて、能力,COPを向上させる。また、デフロスト中
には、電磁弁80を開いて、デフロスト時間を短縮させ
る。また、冷凍機をオフにする前の一定時間には、電磁
弁80を開いて、中管67内の液を抜いて、液封を防止
する。また、起動前に、電磁弁80を開いて、高圧,低
圧をバランスさせ、起動を容易にする。また、吐出管温
度が上昇したときに、電磁弁80を開いて、圧縮機50
に幾分湿りのガスを吸入させて、吐出ガス温度上昇によ
る油の劣化を防ぐ。
【0078】また、上記実施の形態では、四重管式熱交
換器51の第2外管66Aの他端のポート66Aaをブ
リッジ整流回路56の第2端56bに接続する一方、内
管68の一端68aのポート68cを下流のメイン膨張
弁57に接続したが、第2外管66Aのポート66Aa
をメイン膨張弁57に接続し、内管68のポート68c
をブリッジ整流回路56の第2端56bに接続してもよ
い。
【0079】また、上記実施の形態では、四重管式熱交
換器51の内管68の下方の一端68aをメイン膨張弁
57に接続して、他端68bを第1外管66B内に開口
させたが、内管68の一端68aを封鎖し、この封鎖し
た一端68aに向かって一端が開口するとともに他端が
第1外管66Bの天井を突き抜けてメイン膨張弁57に
接続したもう1つの管(図示せず)を内管68内に配置
してもよい。この場合には、内管68の封鎖した下方の
一端68aで確実に液相になった冷媒を上記もう1つの
管からメイン膨張弁57に供給できる。
【0080】次に、上記四重管熱交換器51の変形例
を、図6に示す。この変形例の四重管熱交換器91は、
内管68と中管67の構造は図5の四重管熱交換器51
と同じである。また、第1外管96Bの構造も図5の第
1外管66Bと実質的に同じである。一方、第2外管9
6Aが第1外管96Bの他端側の天井96B−1の外側
を覆う天井96A−1を備える点が図5の四重管熱交換
器51と異なる。この図6の第2外管96Aの構造によ
れば図5に示すような第2外管66Aの他端の天井66
A−1を第1外管66Bの他端66B−1に溶接する必
要がなくなるから、製造コストを節約できると同時に構
造が簡単になる。
【0081】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の空気調和機は、凝縮器と、蒸発器と、吐出口が上記
凝縮器の一端に接続され、吸入口が上記蒸発器の一端に
接続された圧縮機と、上記蒸発器の他端に接続されたメ
イン膨張機構と、一端にポートを有すると共に、他端が
開放された内管と、上記内管の一端と他端との間の部分
を包み、一端側がポートを有すると共に、他端側の端部
にオリフィスが形成された中管と、上記内管および中管
を包み、ポートを有する外管とで構成された三重管式熱
交換器とを備え、上記中管のポートを圧縮機の吸込口に
接続し、上記内管または外管のうちの一方のポートをメ
イン膨張機構に接続し、上記内管または外管のうちの他
方のポートを凝縮器に接続した。
【0082】この請求項1の発明によれば、凝縮器から
外管の一端のポート(または、内管の一端のポートに流
入した冷媒は、外管(または内管)内を他端に向かって流
れ、メイン流となる分が上記内管の開放他端から内管
(または外管)内に流入する。この内管(または外管)内に
流入したメイン流は、内管(または外管)の一端に向かっ
て流れ、この一端からメイン膨張機構に流れる。一方、
上記外管(または内管)から上記中管のオリフィスに流入
した冷媒は急激に膨張して冷える。この急激に膨張して
冷えた冷媒が過冷却用サブ流である。この冷えたサブ流
は、上記外管内を一端側から他端側(または他端側から
一端側)に流れるメイン流を冷やし、同時に、内管の他
端から一端(または一端から他端)に向かうメイン流を冷
やす。
【0083】このように、この空気調和機によれば、三
重管式熱交換器が過冷却膨張機構をなす中管を内蔵して
いるから、1つの部品(三重管式熱交換器)だけで過冷却
を行うことができる。したがって、空気調和機の冷媒回
路を簡単にできる。また、過冷却膨張機構をなす中管の
内側と外側とに、冷媒のメイン流が流れる外管と内管と
を配しているから、従来に比べて、熱交換効率を向上さ
せることができる。
【0084】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の空気調和機において、上記三重管式熱交換器の中管は
外周面もしくは内周面にフィンが形成されている。
【0085】この請求項2の発明によれば、上記フィン
によって、中管内のサブ流と外管内のメイン流との熱交
換効率を向上させることができるから、過冷却の増大を
図れ、能力,効率の一層の向上を図れる。
【0086】また、請求項3の発明は、一端にポートを
有すると共に、他端が開放された内管と、上記内管の一
端と他端との間の部分を包み、一端側がポートを有する
と共に、他端側の端部にオリフィスが形成された中管
と、上記内管および中管を包み、ポートを有する外管と
を備えた。
【0087】上記したように、この請求項3の発明の三
重管式熱交換器によれば、過冷却用膨張機構をなす中管
を内蔵しているから、熱交換効率が良くてコンパクトな
過冷却機構を実現できる。
【0088】また、請求項4の発明の四重管式の熱交換
器は、一端にポートを有すると共に、他端が開放された
内管と、上記内管の一端と他端との間の部分を包み、一
端側がポートを有すると共に、他端側の端部にオリフィ
スが形成された中管と、上記内管および中管を包み、一
端側にポートを有する第1外管と、上記第1外管の周囲
を取り巻き、他端側にポ−トを有し、上記第1外管のポ
−トで第1外管に連通している第2外管とを備えた。
【0089】この請求項4の四重管式の熱交換器は、外
管を内側の第1外管と外側の第2外管とで構成したか
ら、中管内の冷媒で冷やされた第1外管内の冷媒が第2
外管内の冷媒を冷やす。このことによって、この四重管
式の熱交換器によれば、前述の三重管式の熱交換器の1
つの外管の内側をメイン流が流れる場合に比べて、中管
内のサブ流で外管内のメイン流をより効率良く冷やすこ
とができる。したがって、この四重管式の熱交換器によ
れば、レシーバレスを図れる上に、より一層効率が良く
てコンパクトな過冷却機構を実現できる。
【0090】また、請求項5の発明の空気調和機は、凝
縮器と、蒸発器と、圧縮機と、メイン膨張機構と、上記
四重管式熱交換器とを備え、上記中管のポートを圧縮機
の中間圧の箇所に接続し、上記内管または第2外管のう
ちの一方のポートをメイン膨張機構に接続し、上記内管
または第2外管のうちの他方のポートを凝縮器に接続し
た。
【0091】この請求項5の発明の空気調和機によれ
ば、凝縮器から蒸発器に向かって流れる冷媒のメイン流
を1つの部品(四重管式熱交換器)だけで過冷却を行な
うことができる。したがって、空気調和機の冷媒回路を
簡単にできる。
【0092】また、過冷却膨張機構をなす中管の内側と
外側とに、冷媒のメイン流が流れる第1,第2外管と内
管とを配しているから、メイン流れは第1外管の内側と
第2外管の内側を流れて、前述の三重管式熱交換器の1
つの外管の内側を流れる場合に比べてより長い距離を流
れるから、熱交換効率を向上させることができる。
【0093】また、上記中管のポートを圧縮機の中間圧
の箇所に接続したから、比体積が小さな冷媒の存在する
圧縮機の中間圧の箇所に中管のポ−トからの冷媒を導入
して、能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空気調和機の第1の実施の形態を
示す回路図である。
【図2】 上記第1の実施形態の動作を説明するモリエ
ル線図である。
【図3】 上記第1の実施形態の三重管式熱交換器の構
造を示す断面図である。
【図4】 この発明の第2の実施の形態の四重管式熱交
換器を有する空気調和機の回路図である。
【図5】 上記四重管式熱交換器の構造を示す断面図で
ある。
【図6】 上記四重管式熱交換器の変形例の構造を示す
断面図である。
【図7】 上記空気調和機の動作を説明するモリエル線
図である。
【図8】 冷媒の流速vと熱通過率Kとの関係を示す特
性図である。
【図9】 従来の空気調和機を示す回路図である。
【符号の説明】
1,52…室外熱交換器、2,53…室内熱交換器、
3,50…圧縮機、3a,50a…吐出口、3b,50
b…吸込口、5,55…四路切換弁、6,56…ブリッ
ジ整流回路、7,57…メイン膨張弁、8…三重管熱交
換器、10…受液器、11,61…第1逆止弁、12,
62…第2逆止弁、13,63…第3逆止弁、14,6
4…第4逆止弁、16…外管、16a…ポート、17,
67…中管、17c…ポート、18,68…内管、18
c…ポート、21,81…オリフィス、22…フィン、
51,91…四重管式熱交換器、66A,96A…第2
外管、66B,96B…第1外管。
フロントページの続き (72)発明者 竹上 雅章 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 辻井 英樹 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝縮器(1)と、蒸発器(2)と、 吐出口(3a)が上記凝縮器(1)の一端(1a)に接続さ
    れ、吸入口(3b)が上記蒸発器(2)の一端(2a)に接続
    された圧縮機(3)と、 上記蒸発器(2)の他端(2b)に接続されたメイン膨張機
    構(7)と、 一端(18a)にポート(18c)を有すると共に、他端
    (18b)が開放された内管(18)と、上記内管(18)の
    一端(18a)と他端(18b)との間の部分を包み、一端
    側(17a)がポート(17c)を有すると共に、他端側の
    端部(17b)にオリフィス(21)が形成された中管(1
    7)と、上記内管(18)および中管(17)を包み、ポー
    ト(16a)を有する外管(16)とで構成された三重管式
    熱交換器(8)とを備え、 上記中管(17)のポート(17a)を圧縮機(3)の吸込口
    (3b)に接続し、上記内管(18)または外管(16)のう
    ちの一方のポート(16a,18c)をメイン膨張機構
    (7)に接続し、上記内管(18)または外管(16)のうち
    の他方のポート(18c,16a)を凝縮器(1)に接続し
    たことを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の空気調和機において、 上記三重管式熱交換器(8)の中管(17)は外周面もしく
    は内周面にフィン(22)が形成されていることを特徴と
    する空気調和機。
  3. 【請求項3】 一端(18a)にポート(18c)を有する
    と共に、他端(18b)が開放された内管(18)と、 上記内管(18)の一端(18a)と他端(18b)との間の
    部分を包み、一端側(17a)がポート(17c)を有する
    と共に、他端側の端部(17b)にオリフィス(21)が形
    成された中管(17)と、 上記内管(18)および中管(17)を包み、ポート(16
    a)を有する外管(16)とを備えたことを特徴とする三
    重管式熱交換器。
  4. 【請求項4】 一端にポート(68c)を有すると共
    に、他端が開放された内管(68)と、 上記内管(68)の一端と他端との間の部分を包み、一
    端側がポート(67c)を有すると共に、他端側の端部
    にオリフィス(81)が形成された中管(67)と、 上記内管(68)および中管(67)を包み、一端側に
    ポート(69)を有する第1外管(66B)と、 上記第1外管(66B)の周囲を取り巻き、他端側にポ
    −ト(66Aa)を有し、上記第1外管(66B)のポ
    −ト(69)で第1外管(66B)に連通している第2
    外管(66A)とを備えたことを特徴とする四重管式熱
    交換器。
  5. 【請求項5】 凝縮器(52)と、蒸発器(53)と、 吐出口(50a)が上記凝縮器(52)の一端(52a)に接
    続され、吸入口(50b)が上記蒸発器(53)の一端(5
    3a)に接続された圧縮機(50)と、 上記蒸発器(53)の他端(53b)に接続されたメイン膨
    張機構(53)と、 一端にポート(68c)を有すると共に、他端が開放さ
    れた内管(68)と、上記内管(68)の一端と他端と
    の間の部分を包み、一端側がポート(67c)を有する
    と共に、他端側の端部にオリフィス(81)が形成され
    た中管(67)と、上記内管(68)および中管(6
    7)を包み、一端側にポート(69)を有する第1外管
    (66B)と、上記第1外管(66B)の周囲を取り巻
    き、他端側にポ−ト(66Aa)を有し、上記第1外管
    (66B)のポ−ト(69)で第1外管(66B)に連
    通している第2外管(66A)とで構成された四重管式
    熱交換器(51)とを備え、 上記中管(67)のポート(67c)を圧縮機(50)の中間
    圧の箇所(50c)に接続し、上記内管(68)または第
    2外管(66A)のうちの一方のポート(68c,66A
    a)をメイン膨張機構(57)に接続し、上記内管(68)
    または第2外管(66A)のうちの他方のポート(68c,
    66Aa)を凝縮器(52)に接続したことを特徴とする
    空気調和機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009185959A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Showa Tansan Co Ltd 液化二酸化炭素の気化熱回収装置および気化熱回収方法
CN106642792A (zh) * 2017-01-20 2017-05-10 珠海格力电器股份有限公司 喷气增焓空调机组

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