JPH10281303A - 気密運動伝達装置およびその製造方法 - Google Patents
気密運動伝達装置およびその製造方法Info
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- JPH10281303A JPH10281303A JP8505297A JP8505297A JPH10281303A JP H10281303 A JPH10281303 A JP H10281303A JP 8505297 A JP8505297 A JP 8505297A JP 8505297 A JP8505297 A JP 8505297A JP H10281303 A JPH10281303 A JP H10281303A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で耐久性が大きく、回転運動と直
線運動の双方を伝達することができ、駆動に伴って発生
する塵埃が少なく、半導体装置等の電子部品の製造装置
に用いて好適な気密運動伝達装置を提供する。 【解決手段】 装置全体をチャンバーに固定するための
軸受12と、この軸受12の中心孔12aに挿通され、
これに対して摺動しつつ自身が回転および前後進運動す
るシャフト13を有し、これら軸受、シャフトがともに
アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化珪素、
炭化珪素等のいずれかを主成分とするセラミックス材料
で形成されている。また、軸受とシャフトの摺動面の表
面粗さはともにRa=1.5μm以下、より好ましくは
Ra=0.5μm以下とし、軸受とシャフトの間のギャ
ップは30μm以下、より好ましくは20μm以下とす
る。
線運動の双方を伝達することができ、駆動に伴って発生
する塵埃が少なく、半導体装置等の電子部品の製造装置
に用いて好適な気密運動伝達装置を提供する。 【解決手段】 装置全体をチャンバーに固定するための
軸受12と、この軸受12の中心孔12aに挿通され、
これに対して摺動しつつ自身が回転および前後進運動す
るシャフト13を有し、これら軸受、シャフトがともに
アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化珪素、
炭化珪素等のいずれかを主成分とするセラミックス材料
で形成されている。また、軸受とシャフトの摺動面の表
面粗さはともにRa=1.5μm以下、より好ましくは
Ra=0.5μm以下とし、軸受とシャフトの間のギャ
ップは30μm以下、より好ましくは20μm以下とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば差圧容器の
内部に容器外部から回転運動および直線運動(前後進運
動)を伝達するための気密運動伝達装置およびその製造
方法に関するものである。
内部に容器外部から回転運動および直線運動(前後進運
動)を伝達するための気密運動伝達装置およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、チャンバー内を真空状態または
減圧状態とし、各種ガスを用いて半導体ウェハ等を処理
する半導体製造装置において、チャンバー内の真空また
は減圧状態を維持しつつチャンバー外部の動力をチャン
バー内部に伝達するには、次に示すような運動伝達装置
が従来から用いられていた。
減圧状態とし、各種ガスを用いて半導体ウェハ等を処理
する半導体製造装置において、チャンバー内の真空また
は減圧状態を維持しつつチャンバー外部の動力をチャン
バー内部に伝達するには、次に示すような運動伝達装置
が従来から用いられていた。
【0003】この種の運動伝達装置の第1の例は、図9
に示すように、固定壁1の孔に対して回転および直線運
動をなす可動軸2が挿通され、固定壁1と可動軸2の間
に弾性を持つパッキング、例えば合成樹脂製のOリング
3が介装されたものである。運動伝達装置の第2の例
は、図10に示すように、固定壁4と可動軸5との間隙
に給気孔6を設け、部分的に高圧の気体を流入させるこ
とで可動軸5を固定壁4から浮かし、一方で複数の排気
孔7a〜7dから数段の差圧吸引を行ってチャンバー内
の圧力を維持する、いわゆるエアシリンダ方式である。
運動伝達装置の第3の例は、図11に示すように、可動
軸8と固定壁9の間に磁性流体10を介在させて数段の
差圧を作り、これによってチャンバー内外の圧力差を維
持するというものである。
に示すように、固定壁1の孔に対して回転および直線運
動をなす可動軸2が挿通され、固定壁1と可動軸2の間
に弾性を持つパッキング、例えば合成樹脂製のOリング
3が介装されたものである。運動伝達装置の第2の例
は、図10に示すように、固定壁4と可動軸5との間隙
に給気孔6を設け、部分的に高圧の気体を流入させるこ
とで可動軸5を固定壁4から浮かし、一方で複数の排気
孔7a〜7dから数段の差圧吸引を行ってチャンバー内
の圧力を維持する、いわゆるエアシリンダ方式である。
運動伝達装置の第3の例は、図11に示すように、可動
軸8と固定壁9の間に磁性流体10を介在させて数段の
差圧を作り、これによってチャンバー内外の圧力差を維
持するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の運動伝達装置には、以下のような問題点があった。
図9に示した第1の例の場合、構造が比較的簡単である
が、チャンバー内の圧力を維持するには固定壁1と可動
軸2の間にOリング3が堅固に挿入されて大きく変形
し、チャンバー内外の気体の流通を遮断する必要があ
る。したがって、可動軸を動かすために大きな力を要
し、しかも可動軸を高速駆動させることが困難である。
また、駆動に伴って半導体製造装置では最も問題となる
塵埃の発生も大きい。さらに、Oリングの劣化が激しい
という問題もある。
来の運動伝達装置には、以下のような問題点があった。
図9に示した第1の例の場合、構造が比較的簡単である
が、チャンバー内の圧力を維持するには固定壁1と可動
軸2の間にOリング3が堅固に挿入されて大きく変形
し、チャンバー内外の気体の流通を遮断する必要があ
る。したがって、可動軸を動かすために大きな力を要
し、しかも可動軸を高速駆動させることが困難である。
また、駆動に伴って半導体製造装置では最も問題となる
塵埃の発生も大きい。さらに、Oリングの劣化が激しい
という問題もある。
【0005】次に、図10、図11に示した第2、第3
の例の場合、装置が複雑な構造となり、コスト高になる
という問題がある。特に、第2の装置においては、多量
の高圧気体を給気孔6から導入し、排気孔7a〜7dか
ら差圧的に排気する必要があるため、給気装置および排
気装置をも備える必要があり、この設備コストが極めて
大きくなるばかりでなく、給排気のための運転コストも
大きくなる。
の例の場合、装置が複雑な構造となり、コスト高になる
という問題がある。特に、第2の装置においては、多量
の高圧気体を給気孔6から導入し、排気孔7a〜7dか
ら差圧的に排気する必要があるため、給気装置および排
気装置をも備える必要があり、この設備コストが極めて
大きくなるばかりでなく、給排気のための運転コストも
大きくなる。
【0006】また、第3の装置では、回転運動の伝達は
可能であるが、直線運動伝達用として使用することがで
きない。また、回転運動の伝達においても、力の損失が
比較的大きいという問題がある。
可能であるが、直線運動伝達用として使用することがで
きない。また、回転運動の伝達においても、力の損失が
比較的大きいという問題がある。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、簡単な構造で耐久性が大きく、し
かも、回転運動と直線運動の双方を小さい駆動力で差圧
容器内に無駄なく伝達することができ、さらに、駆動に
伴って発生する塵埃が少なく、半導体装置等の電子部品
の製造装置に用いて好適な気密運動伝達装置、およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
されたものであって、簡単な構造で耐久性が大きく、し
かも、回転運動と直線運動の双方を小さい駆動力で差圧
容器内に無駄なく伝達することができ、さらに、駆動に
伴って発生する塵埃が少なく、半導体装置等の電子部品
の製造装置に用いて好適な気密運動伝達装置、およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の気密運動伝達装置は、壁部によって隔て
られた圧力の異なる領域間で気密状態を維持しつつ回転
および前後進運動を伝達する気密運動伝達装置であっ
て、装置全体を壁部に固定するための固定部と、この固
定部に対して摺動しつつ自身が回転および前後進運動す
る可動部を有し、これら固定部および可動部の少なくと
も摺動面がともにセラミックス材料で形成されたことを
特徴とするものである。
めに、本発明の気密運動伝達装置は、壁部によって隔て
られた圧力の異なる領域間で気密状態を維持しつつ回転
および前後進運動を伝達する気密運動伝達装置であっ
て、装置全体を壁部に固定するための固定部と、この固
定部に対して摺動しつつ自身が回転および前後進運動す
る可動部を有し、これら固定部および可動部の少なくと
も摺動面がともにセラミックス材料で形成されたことを
特徴とするものである。
【0009】具体的には、上記の気密運動伝達装置を、
固定部に孔を設けるとともに、可動部を固定部の孔に微
小な間隙をもって挿通する構成とした上で、好ましくは
これら固定部、可動部の摺動面の表面粗さをともにRa
=1.5μm以下とし、固定部と可動部の間のギャップ
を30μm以下とするのがよい。さらに好ましくは、前
記表面粗さをともにRa=0.5μm以下とし、前記ギ
ャップを20μm以下とするのがよい。なお、Raと
は、ISO(国際標準化機構)規格/R468-1966によっ
て規定された表面粗さの表示方法であり、中心線平均粗
さのことである。
固定部に孔を設けるとともに、可動部を固定部の孔に微
小な間隙をもって挿通する構成とした上で、好ましくは
これら固定部、可動部の摺動面の表面粗さをともにRa
=1.5μm以下とし、固定部と可動部の間のギャップ
を30μm以下とするのがよい。さらに好ましくは、前
記表面粗さをともにRa=0.5μm以下とし、前記ギ
ャップを20μm以下とするのがよい。なお、Raと
は、ISO(国際標準化機構)規格/R468-1966によっ
て規定された表面粗さの表示方法であり、中心線平均粗
さのことである。
【0010】また、固定部に、前記間隙に通じる差圧排
気または差圧給気のための開口部を少なくとも1箇所設
ける構成としてもよい。さらに、固定部と可動部の間に
前記間隙より大きいギャップを有する排気用間隙を設
け、この排気用間隙に通じる排気孔から差圧排気をなす
構成としてもよい。そして、前記セラミックス材料とし
ては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化
珪素、炭化珪素のいずれかを主成分とした材料が用いら
れ、固定部、可動部に各々同種のセラミックス材料また
は異種のセラミックス材料を用いることができる。
気または差圧給気のための開口部を少なくとも1箇所設
ける構成としてもよい。さらに、固定部と可動部の間に
前記間隙より大きいギャップを有する排気用間隙を設
け、この排気用間隙に通じる排気孔から差圧排気をなす
構成としてもよい。そして、前記セラミックス材料とし
ては、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化
珪素、炭化珪素のいずれかを主成分とした材料が用いら
れ、固定部、可動部に各々同種のセラミックス材料また
は異種のセラミックス材料を用いることができる。
【0011】また、本発明の気密運動伝達装置の製造方
法は、円形の孔を有する固定部と、この固定部の孔に挿
通され摺動しながら自身が回転および前後進運動する円
柱状の可動部を有し、壁部によって隔てられた圧力の異
なる領域間で気密状態を維持しつつ回転および前後進運
動を伝達する気密運動伝達装置の製造方法であって、可
動部を作成する際に、固定部の孔の径より大きい径を有
するセラミックス材料からなる円柱体を作成し、その
後、このセラミックス材料と同等の硬度、またはセラミ
ックス材料より大きな硬度を有する微粒子粉を含む砥粒
材を収容した円筒状の容器の中に円柱体を入れ、その状
態で容器を回転させることによって円柱体の表面を研削
し、可動部とすることを特徴とするものである。
法は、円形の孔を有する固定部と、この固定部の孔に挿
通され摺動しながら自身が回転および前後進運動する円
柱状の可動部を有し、壁部によって隔てられた圧力の異
なる領域間で気密状態を維持しつつ回転および前後進運
動を伝達する気密運動伝達装置の製造方法であって、可
動部を作成する際に、固定部の孔の径より大きい径を有
するセラミックス材料からなる円柱体を作成し、その
後、このセラミックス材料と同等の硬度、またはセラミ
ックス材料より大きな硬度を有する微粒子粉を含む砥粒
材を収容した円筒状の容器の中に円柱体を入れ、その状
態で容器を回転させることによって円柱体の表面を研削
し、可動部とすることを特徴とするものである。
【0012】すなわち、本発明の特徴点は、固定部およ
びそれに摺動しつつ動作する可動部の材料にセラミック
スを使用することにある。近年注目されている、いわゆ
るファインセラミックスが摺動性、耐磨耗性に優れてい
ることは周知のことであり、一部の特殊、高級な機械装
置に使用され始めている。そこで、特に精密、高精度に
加工されたファインセラミックスを用いて実験的に気密
運動伝達装置を試作し、差圧容器内に外部から回転運動
や直線運動を伝達させたところ、上記の解決しようとす
る課題が極めて効果的に解決できることが判り、本発明
に至った。また、軸受(固定部)とこれに所望の精度で
嵌合するシャフト(可動部)を効率良く製造する方法を
見い出したことによって、上記の気密運動伝達装置を工
業的に製造することが可能になった。
びそれに摺動しつつ動作する可動部の材料にセラミック
スを使用することにある。近年注目されている、いわゆ
るファインセラミックスが摺動性、耐磨耗性に優れてい
ることは周知のことであり、一部の特殊、高級な機械装
置に使用され始めている。そこで、特に精密、高精度に
加工されたファインセラミックスを用いて実験的に気密
運動伝達装置を試作し、差圧容器内に外部から回転運動
や直線運動を伝達させたところ、上記の解決しようとす
る課題が極めて効果的に解決できることが判り、本発明
に至った。また、軸受(固定部)とこれに所望の精度で
嵌合するシャフト(可動部)を効率良く製造する方法を
見い出したことによって、上記の気密運動伝達装置を工
業的に製造することが可能になった。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1を参照して説明する。図1は本実施の形態の気密運動
伝達装置を示す図であり、この気密運動伝達装置11
は、例えば半導体製造装置等のチャンバーに取り付けら
れ、チャンバー内の所望の部材を駆動するためにチャン
バー外部の回転運動および直線運動をチャンバー内部に
伝達するためのものである。図中符号12は軸受(固定
部)、13はシャフト(可動部)、である。
1を参照して説明する。図1は本実施の形態の気密運動
伝達装置を示す図であり、この気密運動伝達装置11
は、例えば半導体製造装置等のチャンバーに取り付けら
れ、チャンバー内の所望の部材を駆動するためにチャン
バー外部の回転運動および直線運動をチャンバー内部に
伝達するためのものである。図中符号12は軸受(固定
部)、13はシャフト(可動部)、である。
【0014】図1に示すように、本実施の形態の気密運
動伝達装置11は、円筒状の軸受12の中心孔12aの
内部にごく僅かな間隙をもって断面円状のシャフト13
が挿通されており、軸受12の周囲には装置11全体を
チャンバーに取り付けるための金属製のケーシング14
が設けられている。そして、例えばフランジ部(図示せ
ず)をネジ止めする等の任意の方法によってケーシング
14がチャンバーに固定されるとともに、シャフト13
の一端はチャンバー外部で回転および直線運動する任意
の部材に、シャフト13の他端は前記回転および直線運
動を伝達すべきチャンバー内の任意の部材に連結され
る。したがって、チャンバーに固定された軸受12の中
心孔12aの内面(摺動面)に対してシャフト13の外
面(摺動面)が摺動しつつシャフト13が回転、前後進
運動することで運動が伝達されるようになっている。
動伝達装置11は、円筒状の軸受12の中心孔12aの
内部にごく僅かな間隙をもって断面円状のシャフト13
が挿通されており、軸受12の周囲には装置11全体を
チャンバーに取り付けるための金属製のケーシング14
が設けられている。そして、例えばフランジ部(図示せ
ず)をネジ止めする等の任意の方法によってケーシング
14がチャンバーに固定されるとともに、シャフト13
の一端はチャンバー外部で回転および直線運動する任意
の部材に、シャフト13の他端は前記回転および直線運
動を伝達すべきチャンバー内の任意の部材に連結され
る。したがって、チャンバーに固定された軸受12の中
心孔12aの内面(摺動面)に対してシャフト13の外
面(摺動面)が摺動しつつシャフト13が回転、前後進
運動することで運動が伝達されるようになっている。
【0015】これら軸受12とシャフト13はともにセ
ラミックス材料で形成されている。ここで用いるセラミ
ックス材料とは、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニ
ウム、窒化珪素、炭化珪素等のいずれかを主成分とした
ものである。軸受12、シャフト13には、これらの中
から各々同種のセラミックス材料を用いてもよいし、異
種のセラミックス材料を用いてもよい。そして、軸受1
2、シャフト13の表面粗さをともに、Ra=1.5μ
m以下、より好ましくは0.5μm以下とし、軸受1
2、シャフト13間の間隙(ギャップ)を30μm以
下、より好ましくは20μm以下とする。
ラミックス材料で形成されている。ここで用いるセラミ
ックス材料とは、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニ
ウム、窒化珪素、炭化珪素等のいずれかを主成分とした
ものである。軸受12、シャフト13には、これらの中
から各々同種のセラミックス材料を用いてもよいし、異
種のセラミックス材料を用いてもよい。そして、軸受1
2、シャフト13の表面粗さをともに、Ra=1.5μ
m以下、より好ましくは0.5μm以下とし、軸受1
2、シャフト13間の間隙(ギャップ)を30μm以
下、より好ましくは20μm以下とする。
【0016】上記構成の気密運動伝達装置11によれ
ば、軸受12とシャフト13にセラミックス材料を用
い、これらの表面粗さやギャップの値を最適化したこと
で、軸受12にシャフト13を挿通しただけの簡単な構
造でありながら、チャンバー内圧力を充分に維持しつつ
回転運動と直線運動の双方をチャンバー内に無駄なく伝
達することができ、耐久性が大きく、さらに、駆動の際
にほとんど塵埃が発生することのない気密運動伝達装置
を実現することができる。
ば、軸受12とシャフト13にセラミックス材料を用
い、これらの表面粗さやギャップの値を最適化したこと
で、軸受12にシャフト13を挿通しただけの簡単な構
造でありながら、チャンバー内圧力を充分に維持しつつ
回転運動と直線運動の双方をチャンバー内に無駄なく伝
達することができ、耐久性が大きく、さらに、駆動の際
にほとんど塵埃が発生することのない気密運動伝達装置
を実現することができる。
【0017】なお、軸受12に、軸受12とシャフト1
3の間の間隙に通じる差圧排気または差圧給気のための
孔(開口部)を少なくとも1箇所設ける構成としてもよ
い。さらに、軸受12とシャフト13の間にその間隙よ
り大きいギャップを有する排気用間隙を設けておき、こ
の排気用間隙に通じる排気孔から差圧排気をなす構成と
してもよい。これらの構成とした場合には、チャンバー
内の到達真空度をより高める効果や、軸受とシャフトの
摺動部から塵埃を除去する効果を得ることができる。
3の間の間隙に通じる差圧排気または差圧給気のための
孔(開口部)を少なくとも1箇所設ける構成としてもよ
い。さらに、軸受12とシャフト13の間にその間隙よ
り大きいギャップを有する排気用間隙を設けておき、こ
の排気用間隙に通じる排気孔から差圧排気をなす構成と
してもよい。これらの構成とした場合には、チャンバー
内の到達真空度をより高める効果や、軸受とシャフトの
摺動部から塵埃を除去する効果を得ることができる。
【0018】次に、本実施の形態の気密運動伝達装置の
製造方法について説明する。まず、軸受12の中心孔1
2aに関しては、従来のセラミックス焼結加工技術を用
いることにより、極めて真円度が高く、表面粗さが制御
されたものが得られる。例えば、粗いダイヤモンドドリ
ルで孔を形成し、順次、ダイヤモンドの粉径の小さなも
ので仕上げていくことにより、所望の中心孔を有する軸
受が得られる。また、静水圧で形成したグリーン体に孔
を形成して焼結し、その後、機械仕上げを行うことによ
ってより短い作業時間で所望の孔を有する軸受を容易に
作成することができる。
製造方法について説明する。まず、軸受12の中心孔1
2aに関しては、従来のセラミックス焼結加工技術を用
いることにより、極めて真円度が高く、表面粗さが制御
されたものが得られる。例えば、粗いダイヤモンドドリ
ルで孔を形成し、順次、ダイヤモンドの粉径の小さなも
ので仕上げていくことにより、所望の中心孔を有する軸
受が得られる。また、静水圧で形成したグリーン体に孔
を形成して焼結し、その後、機械仕上げを行うことによ
ってより短い作業時間で所望の孔を有する軸受を容易に
作成することができる。
【0019】ここでは、特にシャフト13の製造方法に
関して詳細に説明する。図2に示すように、目的の径よ
りわずかに大きな径としたセラミックス材料からなるシ
ャフト構成体13a(円柱体)を一般的な機械加工を用
いて作成するとともに、複数個のシャフト構成体13a
を収納し得る大きさの樹脂筒15(円筒状容器)を準備
する。そして、上で作成したシャフト構成体13aと極
めて微細な砥粒のペースト16の双方を樹脂筒15の中
に入れ、その両端を閉じる。次に、この樹脂筒15を一
般のボールミルを回転させるような装置17を用いて数
時間〜数日間回転させ、シャフト構成体13aの表面を
砥粒によって研削する。この場合、砥粒は、セラミック
ス材料と同等か、あるいはセラミックス材料より大きな
硬度を有する微粒子粉、例えばダイヤモンド粉等を含む
ものである。そして、その粒度を選ぶことによってシャ
フト構成体13a周囲の研削量と表面粗さ(Ra)を自
由に制御することができる。
関して詳細に説明する。図2に示すように、目的の径よ
りわずかに大きな径としたセラミックス材料からなるシ
ャフト構成体13a(円柱体)を一般的な機械加工を用
いて作成するとともに、複数個のシャフト構成体13a
を収納し得る大きさの樹脂筒15(円筒状容器)を準備
する。そして、上で作成したシャフト構成体13aと極
めて微細な砥粒のペースト16の双方を樹脂筒15の中
に入れ、その両端を閉じる。次に、この樹脂筒15を一
般のボールミルを回転させるような装置17を用いて数
時間〜数日間回転させ、シャフト構成体13aの表面を
砥粒によって研削する。この場合、砥粒は、セラミック
ス材料と同等か、あるいはセラミックス材料より大きな
硬度を有する微粒子粉、例えばダイヤモンド粉等を含む
ものである。そして、その粒度を選ぶことによってシャ
フト構成体13a周囲の研削量と表面粗さ(Ra)を自
由に制御することができる。
【0020】本発明のシャフトに求められる要件の第一
は、軸受との合致性である。つまり、従来一般のセラミ
ックスの円筒加工に使用されているようなセンターレス
砥石による同筒研削を用いて軸受を作成し、この軸受と
シャフトを従来一般の合わせ作業によって組み合わせた
のでは、本発明のような気密運動伝達装置を得ることは
困難であった。
は、軸受との合致性である。つまり、従来一般のセラミ
ックスの円筒加工に使用されているようなセンターレス
砥石による同筒研削を用いて軸受を作成し、この軸受と
シャフトを従来一般の合わせ作業によって組み合わせた
のでは、本発明のような気密運動伝達装置を得ることは
困難であった。
【0021】そこで、本実施の形態の場合、シャフト構
成体13aを収納した樹脂筒15を回転させ、研削を行
っている間、数時間毎に樹脂筒15からシャフト構成体
13aを取り出し、そのシャフト構成体13a(シャフ
ト13)を複数の軸受12に挿入してその嵌合性を調
べ、最適なシャフト13と軸受12の組み合わせを選別
使用する。そして、最適な軸受12がなかった残りのシ
ャフト13は、再度樹脂筒15内に戻して研削を行い、
以下、同様の作業を繰り返す。
成体13aを収納した樹脂筒15を回転させ、研削を行
っている間、数時間毎に樹脂筒15からシャフト構成体
13aを取り出し、そのシャフト構成体13a(シャフ
ト13)を複数の軸受12に挿入してその嵌合性を調
べ、最適なシャフト13と軸受12の組み合わせを選別
使用する。そして、最適な軸受12がなかった残りのシ
ャフト13は、再度樹脂筒15内に戻して研削を行い、
以下、同様の作業を繰り返す。
【0022】このような方法を採ることにより、軸受に
合致したシャフトを歩留り良く製造することが可能にな
り、本実施の形態の気密運動伝達装置を工業的に生産す
ることが可能になる。
合致したシャフトを歩留り良く製造することが可能にな
り、本実施の形態の気密運動伝達装置を工業的に生産す
ることが可能になる。
【0023】
【実施例】以下、上述したような本発明の気密運動伝達
装置の効果を実証した実験結果について報告する。 [第1実施例]本実施例は、請求項2に記載の気密運動
伝達装置に対応するものである。図3に示すような軸受
32とシャフト33を有する気密運動伝達装置31を試
作し、図4に示すような実験装置18を準備した上で、
以下の評価を行った。ここでは、軸受32とシャフト3
3の材料として、最も一般的に使用されている96%ア
ルミナセラミックスを用いた。また、図3中、摺動部の
径Rが10mm、摺動部の長さlが10mm、50m
m、100mmの3種のものを準備した。図4に示すチ
ャンバー19の内容積は約5リットルであり、排気ポン
プ20は、排気速度が15ml/分、到達真空度が約1
Paという小さな油回転ポンプである。そして、軸受3
2とシャフト33の表面粗さをともにRa=0.2μm
とし、軸受32とシャフト33のギャップを変えた試料
を図4の実験装置18に取り付けて排気ポンプ20を作
動させ、平衡状態になった時のチャンバー内圧力を圧力
測定孔19aから測定した。その結果を図5に示す。
装置の効果を実証した実験結果について報告する。 [第1実施例]本実施例は、請求項2に記載の気密運動
伝達装置に対応するものである。図3に示すような軸受
32とシャフト33を有する気密運動伝達装置31を試
作し、図4に示すような実験装置18を準備した上で、
以下の評価を行った。ここでは、軸受32とシャフト3
3の材料として、最も一般的に使用されている96%ア
ルミナセラミックスを用いた。また、図3中、摺動部の
径Rが10mm、摺動部の長さlが10mm、50m
m、100mmの3種のものを準備した。図4に示すチ
ャンバー19の内容積は約5リットルであり、排気ポン
プ20は、排気速度が15ml/分、到達真空度が約1
Paという小さな油回転ポンプである。そして、軸受3
2とシャフト33の表面粗さをともにRa=0.2μm
とし、軸受32とシャフト33のギャップを変えた試料
を図4の実験装置18に取り付けて排気ポンプ20を作
動させ、平衡状態になった時のチャンバー内圧力を圧力
測定孔19aから測定した。その結果を図5に示す。
【0024】図5から明らかなように、軸受とシャフト
の表面粗さをRa=0.2μmとした場合、ギャップを
20μm、30μmと大きくするとチャンバー内の気密
性が悪化し、30μm以上ではもはや気密状態の維持は
不可能になる。これに対して、ギャップを20μm以
下、特に10μm以下に抑えた場合、摺動部の長さlに
かかわらず良い気密性を示すことが判った。
の表面粗さをRa=0.2μmとした場合、ギャップを
20μm、30μmと大きくするとチャンバー内の気密
性が悪化し、30μm以上ではもはや気密状態の維持は
不可能になる。これに対して、ギャップを20μm以
下、特に10μm以下に抑えた場合、摺動部の長さlに
かかわらず良い気密性を示すことが判った。
【0025】次に、摺動部の径Rを10mm、摺動部の
長さlを50mm、軸受32とシャフト33のギャップ
を10μmで固定し、軸受32とシャフト33の摺動面
の表面粗さRaを変えた試料を図4の実験装置18に取
り付けてシャフト33を実際に動作させ、回転方向(回
転運動)および軸方向(直線運動)における静摩擦価を
測定した。その結果を図6に示す。
長さlを50mm、軸受32とシャフト33のギャップ
を10μmで固定し、軸受32とシャフト33の摺動面
の表面粗さRaを変えた試料を図4の実験装置18に取
り付けてシャフト33を実際に動作させ、回転方向(回
転運動)および軸方向(直線運動)における静摩擦価を
測定した。その結果を図6に示す。
【0026】図6から明らかなように、摺動面の表面粗
さがRa=1.4μm以上になると回転方向、軸方向の
静摩擦価がともに急激に増加する傾向にあるが、それ以
下では静摩擦価が小さく、特にRa=0.5μm以下の
場合、充分にスムーズなシャフトの動作が得られること
が判った。
さがRa=1.4μm以上になると回転方向、軸方向の
静摩擦価がともに急激に増加する傾向にあるが、それ以
下では静摩擦価が小さく、特にRa=0.5μm以下の
場合、充分にスムーズなシャフトの動作が得られること
が判った。
【0027】[第2実施例]本実施例は、請求項4に記
載の気密運動伝達装置に対応する、すなわち、軸受とシ
ャフトの間の間隙に通じる差圧排気または差圧給気のた
めの孔(開口部)を設けたものである。
載の気密運動伝達装置に対応する、すなわち、軸受とシ
ャフトの間の間隙に通じる差圧排気または差圧給気のた
めの孔(開口部)を設けたものである。
【0028】図7に示すような軸受42とシャフト43
を有する気密運動伝達装置41を試作し、既に図4に示
した実験装置18を用いて以下の評価を行った。ここで
も第1実施例と同様、軸受42とシャフト43に96%
アルミナセラミックスを用い、軸受42とシャフト43
のギャップを5μm、摺動面の表面粗さRaを0.2μ
m、摺動部の径Rを10mm、摺動部の長さl1、l2を
それぞれ10mm、50mm、とした。
を有する気密運動伝達装置41を試作し、既に図4に示
した実験装置18を用いて以下の評価を行った。ここで
も第1実施例と同様、軸受42とシャフト43に96%
アルミナセラミックスを用い、軸受42とシャフト43
のギャップを5μm、摺動面の表面粗さRaを0.2μ
m、摺動部の径Rを10mm、摺動部の長さl1、l2を
それぞれ10mm、50mm、とした。
【0029】まず、図4に示す実験装置18の排気ポン
プ20として油の逆流をコールドトラップで防いだ油拡
散ポンプを使用した場合、図7の気密運動伝達装置41
を実験装置18に設置せずにその設置個所を封止する
と、チャンバー19内が1×10-5Paの真空度にまで
到達することを確認した。次に、本実施例の気密運動伝
達装置41をチャンバー19に設置し、気密運動伝達装
置41の排気孔42aを閉じた状態で、チャンバー19
の排気孔より排気を行った。この際、平衡状態に達した
ときのチャンバー内圧力は0.2Paであった。その
後、チャンバー内を排気するための排気ラインから分岐
した配管(図示せず)を気密運動伝達装置41の排気孔
42aに接続し、排気を行ったところ、5×10-5Pa
に達した。
プ20として油の逆流をコールドトラップで防いだ油拡
散ポンプを使用した場合、図7の気密運動伝達装置41
を実験装置18に設置せずにその設置個所を封止する
と、チャンバー19内が1×10-5Paの真空度にまで
到達することを確認した。次に、本実施例の気密運動伝
達装置41をチャンバー19に設置し、気密運動伝達装
置41の排気孔42aを閉じた状態で、チャンバー19
の排気孔より排気を行った。この際、平衡状態に達した
ときのチャンバー内圧力は0.2Paであった。その
後、チャンバー内を排気するための排気ラインから分岐
した配管(図示せず)を気密運動伝達装置41の排気孔
42aに接続し、排気を行ったところ、5×10-5Pa
に達した。
【0030】このように、軸受42とシャフト43のギ
ャップに通じる排気孔42aを設け、ここから排気を行
った本実施例の場合、軸受とシャフト間に間隙があるこ
とによって低下するチャンバー内の真空度を気密運動伝
達装置がない場合に近いレベルの真空度にまで高め、チ
ャンバー内の真空、低圧状態を充分に維持できることが
実証された。
ャップに通じる排気孔42aを設け、ここから排気を行
った本実施例の場合、軸受とシャフト間に間隙があるこ
とによって低下するチャンバー内の真空度を気密運動伝
達装置がない場合に近いレベルの真空度にまで高め、チ
ャンバー内の真空、低圧状態を充分に維持できることが
実証された。
【0031】以上、気密運動伝達装置の排気孔からの排
気圧がチャンバー内圧と同等の場合について述べたが、
さらに、気密運動伝達装置の排気孔からの排気圧をチャ
ンバー内圧よりも低圧に保つ手段を講じた場合、チャン
バー内の低圧状態が維持されるのと同時に、シャフトの
駆動によって僅かに発生する塵埃がチャンバー内に侵入
することなく、気密運動伝達装置の排気孔から除去でき
ることが判った。したがって、このような構成とするこ
とによって、半導体製造装置のような塵埃の存在を問題
とする装置に使用するのに好適なものとなる。
気圧がチャンバー内圧と同等の場合について述べたが、
さらに、気密運動伝達装置の排気孔からの排気圧をチャ
ンバー内圧よりも低圧に保つ手段を講じた場合、チャン
バー内の低圧状態が維持されるのと同時に、シャフトの
駆動によって僅かに発生する塵埃がチャンバー内に侵入
することなく、気密運動伝達装置の排気孔から除去でき
ることが判った。したがって、このような構成とするこ
とによって、半導体製造装置のような塵埃の存在を問題
とする装置に使用するのに好適なものとなる。
【0032】[第3実施例]本実施例は、請求項4に記
載の気密運動伝達装置に対応する、すなわち、軸受とシ
ャフトの間にその間隙より大きいギャップを有する排気
用間隙を設け、この排気用間隙に通じる排気孔から差圧
排気をなす構成としたものである。
載の気密運動伝達装置に対応する、すなわち、軸受とシ
ャフトの間にその間隙より大きいギャップを有する排気
用間隙を設け、この排気用間隙に通じる排気孔から差圧
排気をなす構成としたものである。
【0033】図8に示すような軸受52とシャフト53
を有する気密運動伝達装置51を試作し、図4に示した
実験装置18を用いて以下の評価を行った。ここでも前
の実施例と同様、軸受52とシャフト53に96%アル
ミナセラミックスを用い、軸受52とシャフト53のギ
ャップを5μm、摺動面の表面粗さRaを0.2μm、
摺動部の径Rを10mm、とした。
を有する気密運動伝達装置51を試作し、図4に示した
実験装置18を用いて以下の評価を行った。ここでも前
の実施例と同様、軸受52とシャフト53に96%アル
ミナセラミックスを用い、軸受52とシャフト53のギ
ャップを5μm、摺動面の表面粗さRaを0.2μm、
摺動部の径Rを10mm、とした。
【0034】そして、チャンバー19の排気孔と図8に
示す気密運動伝達装置51の第1の排気孔52aの双方
から、1×10-5Paの真空到達圧を有する第1のポン
プ(図示せず)を用いて排気を行い、同様の真空到達圧
を有する排気量の小さい第2のポンプ(図示せず)を用
いて気密運動伝達装置51の第2の排気孔52bから排
気を行った。
示す気密運動伝達装置51の第1の排気孔52aの双方
から、1×10-5Paの真空到達圧を有する第1のポン
プ(図示せず)を用いて排気を行い、同様の真空到達圧
を有する排気量の小さい第2のポンプ(図示せず)を用
いて気密運動伝達装置51の第2の排気孔52bから排
気を行った。
【0035】その結果、チャンバー内の圧力は1×10
-5〜2×10-5Paを示し、シャフトの回転運動および
直線運動を試みても、チャンバー内の圧力変化はほとん
ど見られず、チャンバー内の塵埃の増加も見られなかっ
た。
-5〜2×10-5Paを示し、シャフトの回転運動および
直線運動を試みても、チャンバー内の圧力変化はほとん
ど見られず、チャンバー内の塵埃の増加も見られなかっ
た。
【0036】このように、気密運動伝達装置51の2つ
の排気孔52a、52bから2段で排気を行った本実施
例の場合、1段の排気を行った第2実施例と比べてチャ
ンバー内の真空度をより高めることができ、チャンバー
内への塵埃の侵入も抑えることができた。
の排気孔52a、52bから2段で排気を行った本実施
例の場合、1段の排気を行った第2実施例と比べてチャ
ンバー内の真空度をより高めることができ、チャンバー
内への塵埃の侵入も抑えることができた。
【0037】なお、本発明の技術範囲は、上記実施の形
態や実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能
である。例えば上記実施例においては、軸受とシャフト
の間の間隙に通じる排気孔を設けた例を説明したが、こ
の排気孔に加えて給気孔を設ける構成としてもよい。そ
の場合、軸受とシャフトの間の間隙に対して給排気を行
うことにより、チャンバー内の真空度の維持と塵埃の侵
入防止に加えて、シャフトのより円滑な動作を実現する
ことができる。また、実施例においては、軸受やシャフ
トの材料として一般的によく用いられる96%アルミナ
セラミックスの例を挙げたが、この他、ジルコニア、窒
化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等の各種セラミッ
クスを用いても上記実施例と全く同様の効果を奏するこ
とができる。
態や実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能
である。例えば上記実施例においては、軸受とシャフト
の間の間隙に通じる排気孔を設けた例を説明したが、こ
の排気孔に加えて給気孔を設ける構成としてもよい。そ
の場合、軸受とシャフトの間の間隙に対して給排気を行
うことにより、チャンバー内の真空度の維持と塵埃の侵
入防止に加えて、シャフトのより円滑な動作を実現する
ことができる。また、実施例においては、軸受やシャフ
トの材料として一般的によく用いられる96%アルミナ
セラミックスの例を挙げたが、この他、ジルコニア、窒
化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素等の各種セラミッ
クスを用いても上記実施例と全く同様の効果を奏するこ
とができる。
【0038】また、上記実施の形態や実施例に係わる記
載、図面等は、本発明の本質的な事項を説明するための
ものである。例えば、軸受をチャンバーに固定するため
の手段、シャフトの回転、直線運動のために気密用のO
リング、Oリングを設置するための溝等を有する金属構
造物等が実際には必要である。しかしながら、これらの
点については従来からの技術で既に確立されているた
め、具体的な説明を省略した。また、軸受に設ける排気
孔の数や位置等についても、適宜設計することができ
る。
載、図面等は、本発明の本質的な事項を説明するための
ものである。例えば、軸受をチャンバーに固定するため
の手段、シャフトの回転、直線運動のために気密用のO
リング、Oリングを設置するための溝等を有する金属構
造物等が実際には必要である。しかしながら、これらの
点については従来からの技術で既に確立されているた
め、具体的な説明を省略した。また、軸受に設ける排気
孔の数や位置等についても、適宜設計することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、差圧部に対して回転運動、直線運動の双方を伝
達することができる軽量、小型で耐久性の大きい気密運
動伝達装置を実現することができる。そして、半導体デ
バイス等の電子部品の製造装置に適用するにあたって
は、いわゆるファインセラミックスを使用していること
により極めて発塵性が少なく、チャンバー内の塵埃を低
減することができる。また、可動部を固定部から浮かす
ための給気装置や差圧のための排気装置も根本的には必
要としない。仮に高真空状態を維持するために差圧排気
が必要であっても、わずかな差圧排気で充分な効果が得
られるため、給排気装置が不要、または従来装置に比べ
て小さなもので充分となり、装置全体が小型化できると
ともに運転コスト、維持コストを低減することができ
る。さらに、従来の流体磁気シール等と比較した場合、
構造が極めて簡単であると同時に、シャフトの直線運動
も可能であり、上記のような電子部品製造装置の他に
も、化学反応装置、生化学関連装置、スペース関連装置
等に適用して産業的に多大な効果を得ることができる。
よれば、差圧部に対して回転運動、直線運動の双方を伝
達することができる軽量、小型で耐久性の大きい気密運
動伝達装置を実現することができる。そして、半導体デ
バイス等の電子部品の製造装置に適用するにあたって
は、いわゆるファインセラミックスを使用していること
により極めて発塵性が少なく、チャンバー内の塵埃を低
減することができる。また、可動部を固定部から浮かす
ための給気装置や差圧のための排気装置も根本的には必
要としない。仮に高真空状態を維持するために差圧排気
が必要であっても、わずかな差圧排気で充分な効果が得
られるため、給排気装置が不要、または従来装置に比べ
て小さなもので充分となり、装置全体が小型化できると
ともに運転コスト、維持コストを低減することができ
る。さらに、従来の流体磁気シール等と比較した場合、
構造が極めて簡単であると同時に、シャフトの直線運動
も可能であり、上記のような電子部品製造装置の他に
も、化学反応装置、生化学関連装置、スペース関連装置
等に適用して産業的に多大な効果を得ることができる。
【図1】 本発明の一実施の形態である気密運動伝達装
置の概略構成を示す斜視図である。
置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同、気密運動伝達装置のシャフトを製造する
方法を説明するための図である。
方法を説明するための図である。
【図3】 本発明の第1実施例の気密運動伝達装置を示
す図である。
す図である。
【図4】 同、気密運動伝達装置を設置する実験装置を
示す図である。
示す図である。
【図5】 同、実施例の気密運動伝達装置において、軸
受とシャフトの間のギャップとチャンバー内圧力の関係
を調査した結果を示すグラフである。
受とシャフトの間のギャップとチャンバー内圧力の関係
を調査した結果を示すグラフである。
【図6】 同、実施例の気密運動伝達装置において、摺
動面の表面粗さと回転方向および軸方向の静摩擦価の関
係を調査した結果を示すグラフである。
動面の表面粗さと回転方向および軸方向の静摩擦価の関
係を調査した結果を示すグラフである。
【図7】 本発明の第2実施例の気密運動伝達装置を示
す図である。
す図である。
【図8】 本発明の第3実施例の気密運動伝達装置を示
す図である。
す図である。
【図9】 従来の気密運動伝達装置の第1の例を示す図
である。
である。
【図10】 従来の気密運動伝達装置の第2の例を示す
図である。
図である。
【図11】 従来の気密運動伝達装置の第3の例を示す
図である。
図である。
11,31,41,51 気密運動伝達装置 12,32,42,52 軸受(固定部) 12a (軸受の)中心孔 13,33,43,53 シャフト(可動部) 13a シャフト構成体(円柱体) 14 ケーシング 15 樹脂筒(円筒状容器) 16 砥粒入りペースト 17 樹脂筒回転装置 18 実験装置 19 チャンバー 19a 圧力測定孔 20 排気ポンプ 42a,52a,52b 排気孔
Claims (7)
- 【請求項1】 壁部によって隔てられた圧力の異なる領
域間で気密状態を維持しつつ回転および前後進運動を伝
達する気密運動伝達装置であって、 装置全体を前記壁部に固定するための固定部と、この固
定部に対して摺動しながら自身が回転および前後進運動
する可動部を有し、 これら固定部および可動部の少なくとも摺動面がともに
セラミックス材料で形成されたことを特徴とする気密運
動伝達装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の気密運動伝達装置にお
いて、 前記固定部に孔が設けられるとともに、前記可動部が前
記固定部の孔に微小な間隙をもって挿通され、 これら固定部および可動部の摺動面の表面粗さがともに
Ra=1.5μm以下であり、固定部と可動部の間のギ
ャップが30μm以下であることを特徴とする気密運動
伝達装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の気密運動伝達装置にお
いて、 前記固定部に孔が設けられるとともに、前記可動部が前
記固定部の孔に微小な間隙をもって挿通され、 これら固定部および可動部の摺動面の表面粗さがともに
Ra=0.5μm以下であり、固定部と可動部の間のギ
ャップが20μm以下であることを特徴とする気密運動
伝達装置。 - 【請求項4】 請求項2または3に記載の気密運動伝達
装置において、 前記固定部に、前記間隙に通じる差圧排気または差圧給
気のための開口部が少なくとも1箇所設けられたことを
特徴とする気密運動伝達装置。 - 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載の気
密運動伝達装置において、 前記固定部と可動部の間に前記間隙より大きいギャップ
を有する排気用間隙が設けられ、この排気用間隙に通じ
る排気孔から差圧排気がなされる構成とされたことを特
徴とする気密運動伝達装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の気
密運動伝達装置において、 前記セラミックス材料は、アルミナ、ジルコニア、窒化
アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素のいずれかを主成分
とするものであり、前記固定部および可動部に各々同種
のセラミックス材料または異種のセラミックス材料が用
いられたことを特徴とする気密運動伝達装置。 - 【請求項7】 円形の孔を有する固定部と、この固定部
の孔に挿通され摺動しながら自身が回転および前後進運
動する円柱状の可動部を有し、壁部によって隔てられた
圧力の異なる領域間で気密状態を維持しつつ回転および
前後進運動を伝達する気密運動伝達装置の製造方法であ
って、 前記可動部を作成する際に、前記固定部の孔の径より大
きい径を有するセラミックス材料からなる円柱体を作成
し、その後、このセラミックス材料と同等の硬度、また
はセラミックス材料より大きな硬度を有する微粒子粉を
含む砥粒材を収容した円筒状の容器の中に前記円柱体を
入れ、その状態で前記容器を回転させることによって前
記円柱体の表面を研削し、可動部とすることを特徴とす
る気密運動伝達装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8505297A JPH10281303A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 気密運動伝達装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8505297A JPH10281303A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 気密運動伝達装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10281303A true JPH10281303A (ja) | 1998-10-23 |
Family
ID=13847897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8505297A Withdrawn JPH10281303A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 気密運動伝達装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10281303A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004183672A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Koyo Seiko Co Ltd | 転がり摺動部品およびその製造方法、並びにそれを用いたローラカムフォロア |
JP2008025437A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-07 | Mitsubishi Materials Corp | 摺動装置 |
-
1997
- 1997-04-03 JP JP8505297A patent/JPH10281303A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004183672A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Koyo Seiko Co Ltd | 転がり摺動部品およびその製造方法、並びにそれを用いたローラカムフォロア |
JP2008025437A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-07 | Mitsubishi Materials Corp | 摺動装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040706 |