JPH10281071A - ダイヤフラムポンプおよびカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

ダイヤフラムポンプおよびカラーフィルターの製造方法

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JPH10281071A
JPH10281071A JP8366497A JP8366497A JPH10281071A JP H10281071 A JPH10281071 A JP H10281071A JP 8366497 A JP8366497 A JP 8366497A JP 8366497 A JP8366497 A JP 8366497A JP H10281071 A JPH10281071 A JP H10281071A
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liquid
side chamber
fluid
syringe
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JP8366497A
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English (en)
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Kiyoshi Minoura
潔 箕浦
Yoshiyuki Kitamura
義之 北村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作動流体のエアー排除を容易にしてポンプの吐
出精度を維持し、第二に、ガラス等の脆性材料からなる
シリンジを実用に供せるようにして吐出性能向上、耐久
性向上を可能にし、第三に、金属シリンジ使用時の耐久
性を向上させてエアー混入を起こりにくくし、第四に、
送液流体側チャンバー内の状態を観察可能にして不具合
を未然に防止して、高い品質の製品を高い生産性で製造
することのできるダイヤフラムポンプとこのポンプを用
いたカラーフィルターの製造方法を提供する。 【解決手段】可撓性膜を介して送液流体側チャンバーと
作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピストン
からなるポンプユニットから付加される作動流体の圧力
で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出するダ
イヤフラムポンプにおいて、作動流体に混入する気泡を
大気に排出する排気口を作動流体側チャンバーの作動流
体流入口より上方に設けたことを特徴とするダイヤフラ
ムポンプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送液流路におい
て無発塵で液体を送り出すことができ、特に、送液流路
内での送液流体の滞留が少ないことで、液の劣化や凝集
による塵埃が少ないことが要求される上記カラーフィル
ター、半導体、記録媒体、食品等の製造やフォトレジス
ト製造分野に好適に用いることができるダイヤフラムポ
ンプおよびこのポンプを用いたカラーフィルターの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フラットパネルディスプレ
イ、半導体、記録媒体、食品などのように、塵埃や異物
の混入を特に嫌う製品の製造工程には、送液路中で発塵
しないダイヤフラムポンプが使われている。このポンプ
は周知のように、送液流体と作動流体とが可撓性のダイ
ヤフラム膜で仕切られており、作動流体の圧力を上下さ
せることで、その圧力がダイヤフラム膜を介して送液流
体に伝わり、送液流体を押し出し、または吸引する原理
のポンプである。このポンプは、送液流体の接液部に回
転軸等の摺動部がなく、摺動部のあるポンプ、例えばピ
ストンポンプや遠心ポンプのように摩耗紛やオイル等が
送液流体に混入することがないという利点がある。
【0003】また、作動流体は米国特許第495013
4号明細書に記載されているように、作動流体側チャン
バー、シリンジ、シール材、およびピストンからなる駆
動ユニット間に密閉されており、モータでピストンを往
復し、密閉空間の容積を変化させて、作動流体に圧力変
化が発生するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】送液流体を精度よく流
入、流出させるためには、作動流体を完全に密閉し、作
動流体内に空気が混入することを防ぐ必要がある。しか
しながら、完全に密閉された状態を永久的に持続するこ
とは困難であり、作動流体を送液するピストンの往復運
動によるシール部の摩耗でシールが十分機能しなくなる
等によって、作動流体内に空気が混入するようになる。
また、作動流体を作動流体側チャンバー内やシリンジに
封入するときに、作動流体内の空気が十分排除されず、
残留することもある。従来のダイヤフラムポンプでは、
このような作動流体への気泡の混入に対して何ら配慮さ
れておらず、完全に気泡を排除することは構造上困難で
あった。
【0005】さらに、作動流体内の気泡混入の有無の点
検や、シリンジ内面と摺動する摺動用部材の寿命増大を
考慮すると、シリンジの材質にはガラス等の脆性材料が
望ましいが、作業中に破損する可能性が高く、それに対
して何ら構造上の配慮がされていないため実用に至って
いない。
【0006】そのため、シリンジには金属製のものが用
いられているが、シリンジ内面状態がガラス等の脆性材
料と比較して劣るため、シリンジ内面を摺動するシール
部材の摩擦が大きくなり、摩滅して、作動流体内に空気
が混入しやすい欠点があった。
【0007】一方、送液流体の状態を効率良く管理する
ためには、送液流体を被塗布物に吐出する以前の段階で
送液流体の状態を点検する必要がある。しかし、従来の
ダイヤフラムポンプでは送液流体側チャンバーが金属製
であるため、チャンバー内での気泡混入の有無や、滞留
の有無を点検することが不可能である。気泡混入や滞留
が起こっている場合、所望の精度や品質で送液流体が被
塗布物に吐出されないため、厚みむらや欠点不良が生
じ、著しく品質や生産性を阻害していた。
【0008】本発明は上述の事情に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、第一に、作動流体のエ
アー排除を容易にしてポンプの吐出精度を維持し、第二
に、ガラス等の脆性材料からなるシリンジを実用に供せ
るようにして吐出性能向上、耐久性向上を可能にし、第
三に、金属シリンジ使用時の耐久性を向上させてエアー
混入を起こりにくくし、第四に、送液流体側チャンバー
内の状態を観察可能にして不具合を未然に防止して、高
い品質の製品を高い生産性で製造することのできるダイ
ヤフラムポンプとこのポンプを用いたカラーフィルター
の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、下記の通りである。
【0010】(1)可撓性膜を介して送液流体側チャン
バーと作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピ
ストンからなるポンプユニットから付加される作動流体
の圧力で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出
するダイヤフラムポンプにおいて、作動流体に混入する
気泡を大気に排出する排気口を作動流体側チャンバーの
作動流体流入口より上方に設けたことを特徴とするダイ
ヤフラムポンプ。
【0011】(2)可撓性膜を介して送液流体側チャン
バーと作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピ
ストンからなるポンプユニットから付加される作動流体
の圧力で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出
するダイヤフラムポンプにおいて、前記ポンプユニット
のシリンジを脆性材料で構成するとともに、該ポンプユ
ニットに保護カバーを設けたことを特徴とするダイヤフ
ラムポンプ。
【0012】(3)脆性材料がガラスまたはセラミック
スからなるものであることを特徴とする前記(2)に記
載のダイヤフラムポンプ。
【0013】(4)可撓性膜を介して送液流体側チャン
バーと作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピ
ストンからなるポンプユニットから付加される作動流体
の圧力で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出
するダイヤフラムポンプにおいて、前記ポンプユニット
を構成するシリンジが平均表面粗さRa =0.01μm
〜1.0μmの内部表面を有することを特徴とするダイ
ヤフラムポンプ。
【0014】(5)可撓性膜を介して送液流体側チャン
バーと作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピ
ストンからなるポンプユニットから付加される作動流体
の圧力で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出
するダイヤフラムポンプにおいて、外部から送液流体の
流れが可視できるように送液流体側チャンバーが透明ま
たは半透明体の材料で構成されてなることを特徴とする
ダイヤフラムポンプ。 (6)口金から塗布液を基板上に押し出し、口金および
基板のうちの少なくとも一方を移動させて基板上に薄膜
を形成するカラーフィルターの製造方法において、口金
から塗布液を基板上に押し出す手段に前記(1)〜
(5)のいずれかのダイヤフラムポンプを用いることを
特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【0015】前記(1)のダイヤフラムポンプによれ
ば、作動流体内に混入した気泡を作動流体側チャンバー
に設けた排気口より容易に排出できるため、エアー抜き
の作業効率が向上するとともに、ポンプの吐出精度の維
持が容易となる。
【0016】前記(2)(3)のダイヤフラムポンプに
よれば、ガラス等の脆性材シリンジに保護カバーを設け
ることにより、取り扱い作業中に破損することがなくな
り、高性能なこれらの材料のシリンジを実用化すること
が可能となり、品質や生産性が向上する。
【0017】前記(4)のダイヤフラムポンプによれ
ば、シリンジ内部の表面粗さをある精度範囲内におさめ
ることにより、ピストンのシール部とシリンジとの摺動
による摩滅を大幅に減じることができ、長寿命化が図れ
るとともに、エアー混入による厚みむら、欠点不良等を
防止して品質向上に寄与できる。
【0018】前記(5)のダイヤフラムポンプによれ
ば、送液流体の状態を送液流体側チャンバーを通して常
に目視点検できるため、エアー混入や滞留等の不具合が
生じても、早い対応が可能となり、品質や生産性の低下
を防止できる。
【0019】前記(6)のカラーフィルター製造方法に
よれば、カラーフィルターの品質、生産性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施形
態を図面に基づいて説明する。図1は本発明のダイヤフ
ラムポンプを示す概略正面図である。このポンプはポン
プの心臓部であるポンプヘッド100、作動流体の送液
機構120、吸引と吐出を切り換える弁機構130、お
よびこれらに作動指令を与えるコントローラ140の4
つから構成されている。
【0021】ポンプヘッド100では、ダイヤフラム1
01を介して作動流体側チャンバー102と送液流体側
チャンバー103とを結合させて、作動流体側の空間1
05と送液流体側の空間106を構成している。作動流
体側チャンバー102の中央には作動流体出入口107
が設けられている。そして、作動流体出入口107より
上方側に排気口108が設けられている。さらに送液流
体の吸入口109(入口)および吐出口110(出口)
は、それぞれ送液流体側チャンバー103の両端に図1
のZ方向から30°傾けて設けられている。ダイヤフラ
ム101はシート状のものなら樹脂、金属等のいかなる
ものでもよいが、可撓性、耐薬品性および作動流体側空
間105を可視できることを考慮して、透明もしくは半
透明のフッ素樹脂製のものが好ましい。なお、ダイヤフ
ラム101はダイヤフラム押さえ104と作動流体側チ
ャンバー102によって固定されている。したがって、
送液流体側チャンバー103をポンプヘッド100から
取り外してもダイヤフラム101は作動流体側チャンバ
ー102に結合されたままであり、透視可能なダイヤフ
ラム101を通して作動流体のエアー混入状態等の状況
を観察できる。作動流体側チャンバー102、送液流体
側チャンバー103の材質は金属、樹脂などを用いる
が、耐薬品性、耐食性等を考慮してステンレスやテフロ
ン等の樹脂が好ましい。
【0022】図2は、図1の送液機構120を拡大した
断面図である。ここで、送液機構120は、ピストン1
21、シリンジ122、およびOリング123からな
り、Oリング123がシリンジ122の内面に接触する
ことによって、シール部を形成している。
【0023】図1に戻って、シール部によって密閉され
た作動流体は、継手124a、124b、配管125を
介して作動流体側空間105に流入もしくは作動流体側
空間105からシリンジ122に流出する。ピストン1
21は耐食性を考慮してステンレス製であることが好ま
しい。シリンジ122には耐食性に優れたステンレス等
の金属を用いても良いが、後述するように表面精度の優
れたガラス等の脆性材料を使用する場合は、保護カバー
をする。Oリング123はピストン121に設けた溝に
はめ込んでおり、シリンジ内面と摺動する時に進行方向
にずれないようにしている。Oリング123の材質は耐
薬品性、摺動面での耐摩耗性を考慮して選択され、ニト
リルゴム、シリコンゴム、ハイパロン、フッ素ゴム等の
弾性を持つものであることが好ましい。作動流体の種類
としては潤滑油などの油類、水、アルコール、エチレン
グリコール等を適用するのが好ましい。なお、Oリング
のかわりにVリング、さらにはテフロン、高密度ポリエ
チレン等の耐薬品性のある材質のソリッドをシールとし
て使用してもよい。
【0024】弁機構130は、ポンプヘッド100の吸
入口109および吐出口110の先にそれぞれ二方弁1
31aと131bを1つずつ設けて構成されている。送
液流体の吸引と吐出を切り換える機能を持つ二方弁13
1a、131bは、各々、継手132aと134a、1
32bと134b、配管133a、133bを介してポ
ンプヘッド100に接続されている。なお、二方弁13
1aの上流側は図示しないタンクに接続しており、この
タンクは送液流体の供給源となる。
【0025】吸引と吐出の切り換えは、コントローラ1
40からの指令によりなされる。この時、両方の二方弁
131a、131bの開閉作動タイミングが同時である
と送液流体の逆流が生じるため、例えば0.05〜5秒
程度の時間差がつくよう作動タイミングを制御する。
【0026】二方弁131a、131bとしては、スト
ップバルブ、ボールバルブ、ダイヤフラムで流体の流れ
を阻止するダイヤフラムバルブ等、二方弁として作動す
るものならいかなるものを使用してもよいが、送液流体
の巻き込みや摺動部のないダイヤフラムバルブを用いる
のが発塵を起こさない点で好ましい。
【0027】コントローラ140は、ピストン121の
ストローク、移動速度等の送液機構120の制御と、送
液流体の吸入口側の二方弁131aおよび吐出口側の二
方弁131bの開閉持続時間やそのタイミングの管理等
の弁機構130の制御を行うものであり、パーソナルコ
ンピューター、シーケンサ等の汎用コントローラを用い
るのが好ましい。
【0028】次に、このポンプの動作について図1を用
いて説明する。まず、送液流体吐出口110の二方弁1
31bを閉じ、その後、吸引口109の二方弁131a
を開いて、ピストン121を図の下方に、例えば位置b
から位置aまで押し下げる。これによって、作動流体は
作動流体側空間105からシリンジ122の方向に吸引
され、それに伴ってダイヤフラム101は図1の右方向
に移動し、送液流体側空間106に送液流体を吸引す
る。規定量を吸引した後、吸引口の二方弁131aを閉
じ、吐出口の二方弁131bを開く。その後、ピストン
121を位置aまで押し上げることで作動流体がダイヤ
フラム101を図1の左方向に押すことになり、送液流
体側空間106から送液流体を排出する。
【0029】次に、作動流体に混入した空気の排出方法
について説明する。作動流体への空気混入は、ピストン
が往復運動して作動流体が流入および流出する過程で、
シール部の不良により空気が作動流体内に浸入すること
により起こる。この気泡はピストンの往復運動によっ
て、上方に向かって移動し、作動流体側空間105の排
気口108付近まで運び込まれる。したがって、このと
きコック弁111を開けば気泡をチューブ112を通し
て外部へ容易に排気できる。すなわち、排気口108は
気泡の移動を考慮して、作動流体側チャンバーの作動流
体出入口107より上部に位置させる。
【0030】また、空気が特に混入しやすいのは作動流
体を封入するときである。これは、下記の手順で行う。
すなわち、まず、作動流体が充填されていない送液機構
120をポンプヘッド100に接続する。この時、ポン
プヘッド100の送液流体側チャンバー103を取り外
して、ダイヤフラム101を通して作動流体側チャンバ
ー102の内部状態を透視できるようにするとともに、
送液機構120のピストン121は往復運動の上限値と
下限値の間に停止させておく。次に、コック弁111を
開けて、チューブ112より作動流体を図示しない加圧
源によって、作動流体側チャンバー102内およびシリ
ンジ122内に充填する。この時、作動流体内に気泡が
残留しないようにゆっくりと流入する。また、チューブ
112は作動流体の液面位置および気泡の有無を確認で
きるように透明の樹脂製チューブであることが望まし
い。作動流体の液面がコック弁111より上部に位置し
た後、コック弁111を閉じる。その後、送液流体側チ
ャンバー103を取り外した状態のまま、ピストン12
1を10回以上往復運動させ、シリンジ122内、およ
び作動流体側チャンバー102内の気泡の有無を入念に
確認する。シリンジ122内に空気が混入している場合
は、気泡が作動流体側チャンバー102に運び込まれる
まで、さらにピストン121を往復運動させる。シリン
ジ122内にも作動流体側チャンバー102内にも気泡
が無い場合、送液流体側チャンバー103をポンプヘッ
ド100に取り付け、作動流体封入作業は完了となる。
作動流体側チャンバー102に集まった気泡はコック弁
111を解放して、排気口108からチューブ112を
通して大気に逃がす。上述の方法によって作動流体内の
気泡を完全に排除できるため、送液流体の吸引、吐出の
タイミングのずれ等を引き起こすことなく、高精度でダ
イヤフラムポンプを作動させることができる。
【0031】また、排気口108は作動流体側チャンバ
ー102の最上方にあるのが好ましい。さらに、作動流
体封入のための補給口を排気口108とは別に設けても
良い。この時、空気を容易に外部へ排出できるように補
給口は排気口108よりも下方に設けるようにする。
【0032】次に、本発明の別の実施態様について説明
する。図3は本発明の別の実施態様を示したもので、シ
リンジにガラス等の脆性材料を用いるとともに、シリン
ジに保護カバーを取り付けた状態を示す断面図である。
シリンジ300は保護カバー301で保護され、保護カ
バー下端止め具302で上下方向に固定されている。保
護カバー301および保護カバー下端止め具302は破
損することのないように、金属製あるいは強度の高い樹
脂、FRP、FRM等であることが好ましい。シリンジ
300は保護カバー301内で移動しないように、Oリ
ング303によって弾性支持されている。保護カバー3
01には、図示しない小さなスリットを設けており、シ
リンジ内の作動流体の状態を点検できるようにしてい
る。
【0033】ガラスやセラミックス等の脆性材料のシリ
ンジは内面の表面精度が高く、ピストンのシール材が摩
耗しにくく、空気が混入しにくいため、長期にわたって
高いポンプ吐出精度を維持することができる。さらに、
シリンジがガラスの場合は作動流体の状況がつぶさに観
察できるため、動作途中でのエアー混入、あるいは作動
流体封入時のエアー残留を容易に発見することができ、
未然に不具合を防止することができる。
【0034】これらの材料は取り扱い時の不注意によっ
て破損するという短所があるが、本発明による保護カバ
ーで保護することにより、破損等を防止しつつ、それら
の材料からなるシリンジの優れた特性を引き出すことが
可能となる。
【0035】また、エアー混入は上述のとおり、送液機
構120のピストン121のシール部の不良により生じ
るものである。これはシール材の摩滅を防止することに
よって防ぐことができる。作動流体に油等の潤滑性の高
いものを用いることも効果があるが、シリンジ内面をJ
ISB0601で規定する表面の中心線平均粗さ(R
a、以下表面平均粗さと呼ぶ)をRa=0.01μm〜
1.0μmにすると、さらにシール材の摩滅を防止で
き、その結果、エアー混入を防ぐことができる。Raを
0.01μmより小さくすることは加工上非常に困難
で、コストがかかるために実用化が難しく、1.0μm
以上の場合、シール材摩滅防止の効果がない。シリンジ
内面の表面平均粗さ(Ra)を上記条件に加工すること
に加えて、シール材であるOリングにグリースを塗布す
ると、さらにシール材の摩耗が生じにくくなり、エアー
混入をより容易に防止することができる。
【0036】作動流体側だけでなく、送液流体側でもポ
ンプヘッド100の送液流体側空間106内でエアー残
留や、送液流体側チャンバー103の形状によっては送
液流体の滞留が生じやすいため、送液流体側チャンバー
103は内部の状態が確認できるように、透明、または
半透明の材料で構成するのがよい。材料としてはガラス
の他、ポリカーボネード、ポリプロピレン、アクリル等
の耐薬品性から適当な樹脂を選択しても良い。
【0037】また、樹脂によっては透明度があまり良好
でないものもあるため、この場合、図1に示すように、
送液流体側チャンバー103の外側にくぼみをつけて、
外部と送液流体側空間106間の厚みを極力小さくして
透明度を向上させるのが望ましい。
【0038】本発明のダイヤフラムポンプはクリーンな
液供給が必要とされるなら、以下なる分野の製造行程に
も適用可能である。
【0039】特に、クリーン度が要求されるカラーフィ
ルター、フラットパネルディスプレイ、半導体、記録媒
体、食品などの分野には好適である。とりわけ、カラー
フィルターの製造工程では、R、G、B等の色づけを行
う画素塗布工程、フォトエッチングのためのレジスト塗
布工程、表面の凹凸を滑らかにする目的等で行うオーバ
ーコート塗布工程での液供給に用いて、発塵物起因のピ
ンホール、凝集等の不都合を取り除き、品質向上に寄与
することができる。
【0040】
【実施例】図1のダイヤフラムポンプで送液機構120
のシリンジ122に、内面の表面平均粗さRa=0.2
μm、内径φ14.6mmであるステンレス製のシリン
ダーを用いて、送液機構のシール部の耐久テストを実施
した。また、ピストンは同じくステンレス製で先端部に
溝を設けて、シール材として内径10.8mm、太さφ
2.4mmのニトリルゴム製Oリングをはめ込んだ。作
動流体にはエチレングリコールを用いた。また、ダイヤ
フラム101には厚さ0.1mmのテフロンシートを使
用した。ピストン往復動作中は送液流体側チャンバー1
03をはずしておき、ダイヤフラム101から作動流体
側空間105の状態を透視できるようにした。ダイヤフ
ラムポンプの作動条件はピストンのストロークが29.
9mm、移動速度が5.0mm/秒で1往復を1回と数
えて、何回目でシール部からエアーが混入して、作動流
体側空間105に現れるかを観察した。
【0041】本実施例では、7万回のピストン往復運動
後に作動流体へ空気の混入が生じることを確認した。
【0042】また、上記の実施条件に加えて、耐久テス
ト開始前にOリングにグリースを塗布することにより、
シール部の耐久性はさらに向上し、10万回のピストン
の往復運動では、作動流体への空気の混入は観察されな
かった。
【0043】ステンレス製シリンジの内部表面の平均粗
さがRa=1.6μmの他は、上記実施例と同じ条件で
ダイヤフラムポンプの耐久テストを実施した結果、3万
回のピストン往復運動で、気泡が作動流体に混入するこ
とを確認した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイヤフ
ラムポンプによれば、作動流体内に混入した気泡を作動
流体側チャンバーに設けた排気口より容易に排出できる
ため、エアー抜きの作業効率が向上するばかりでなく、
ポンプの吐出精度を容易に維持でき、品質や、生産性向
上に大いに寄与できる。
【0045】また、本発明のダイヤフラムポンプによれ
ば、ガラス等の脆性材シリンジに保護カバーを設けるこ
とにより、作業中に破損する可能性が飛躍的に軽減され
るため、高性能なこれらの材料のシリンジを実用に供す
ることができ、品質や生産性を向上できる。
【0046】また、本発明のダイヤフラムポンプによれ
ば、シリンジ内部の表面粗さを最適な精度範囲内でおさ
めることにより、ピストンとシリンジとの摺動部の摩滅
を大幅に減じることができ、その結果、空気のシリンジ
への流入が防止でき、ポンプの精度維持と長寿命化が達
成でき、品質向上と生産性向上に寄与する。
【0047】また、本発明のダイヤフラムポンプによれ
ば、送液流体の状態を送液流体側チャンバーを通して常
に点検できることにより、送液流体の状態の管理が可能
となり、品質や生産性の低下を防止できる。
【0048】また、本発明のカラーフィルター製造方法
によれば、高い生産性でカラーフィルターを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイヤフラムポンプの一例を示す
概略正面図である。
【図2】図1の作動流体送液機構を拡大した断面図であ
る。
【図3】脆性材シリンジに保護カバーを取り付けた状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
100:ダイヤフラムポンプのホンプヘッド 101:ダイヤフラム 102:作動流体側チャンバー 103:送液流体側チャンバー 104:ダイヤフラム押さえ 105:作動流体側空間 106:送液流体側空間 107:作動流体出入口 108:排気口 109:送液流体吸入口 110:送液流体吐出口 111:コック弁 112:チューブ 120:作動流体送液機構 121:ピストン 122:シリンジ 123:Oリング 124:継手 125:配管 130:弁機構 131a:吸入口側二方弁 131b:吐出口側二方弁 132a:継手 132b:継手 133a:配管 133b:配管 134a:継手 134b:継手 140:コントローラ 300:脆性材シリンジ 301:保護カバー 302:保護カバー下端止め具 303:Oリング

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性膜を介して送液流体側チャンバーと
    作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピストン
    からなるポンプユニットから付加される作動流体の圧力
    で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出するダ
    イヤフラムポンプにおいて、作動流体に混入する気泡を
    大気に排出する排気口を作動流体側チャンバーの作動流
    体流入口より上方に設けたことを特徴とするダイヤフラ
    ムポンプ。
  2. 【請求項2】可撓性膜を介して送液流体側チャンバーと
    作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピストン
    からなるポンプユニットから付加される作動流体の圧力
    で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出するダ
    イヤフラムポンプにおいて、前記ポンプユニットのシリ
    ンジを脆性材料で構成するとともに、該ポンプユニット
    に保護カバーを設けたことを特徴とするダイヤフラムポ
    ンプ。
  3. 【請求項3】脆性材料がガラスまたはセラミックスから
    なるものであることを特徴とする請求項2に記載のダイ
    ヤフラムポンプ。
  4. 【請求項4】可撓性膜を介して送液流体側チャンバーと
    作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピストン
    からなるポンプユニットから付加される作動流体の圧力
    で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出するダ
    イヤフラムポンプにおいて、前記ポンプユニットを構成
    するシリンジが平均表面粗さRa =0.01μm〜1.
    0μmの内部表面を有することを特徴とするダイヤフラ
    ムポンプ。
  5. 【請求項5】可撓性膜を介して送液流体側チャンバーと
    作動流体側チャンバーに分離され、シリンジとピストン
    からなるポンプユニットから付加される作動流体の圧力
    で可撓性膜を変形させて、送液流体を流入、流出するダ
    イヤフラムポンプにおいて、外部から送液流体の流れが
    可視できるように送液流体側チャンバーが透明または半
    透明体の材料で構成されてなることを特徴とするダイヤ
    フラムポンプ。
  6. 【請求項6】口金から塗布液を基板上に押し出し、口金
    および基板のうちの少なくとも一方を移動させて基板上
    に薄膜を形成するカラーフィルターの製造方法におい
    て、口金から塗布液を基板上に押し出す手段に前記請求
    項1〜5のいずれかのダイヤフラムポンプを用いること
    を特徴とするカラーフィルターの製造方法。
JP8366497A 1997-04-02 1997-04-02 ダイヤフラムポンプおよびカラーフィルターの製造方法 Pending JPH10281071A (ja)

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