JPH10280176A - 高潤滑防錆処理鋼板 - Google Patents

高潤滑防錆処理鋼板

Info

Publication number
JPH10280176A
JPH10280176A JP9086274A JP8627497A JPH10280176A JP H10280176 A JPH10280176 A JP H10280176A JP 9086274 A JP9086274 A JP 9086274A JP 8627497 A JP8627497 A JP 8627497A JP H10280176 A JPH10280176 A JP H10280176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
steel sheet
rust
oil
rust preventive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9086274A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3204155B2 (ja
Inventor
Kichiya Kashiwazaki
吉弥 柏崎
Toshiaki Urabe
俊明 占部
Yuji Yamazaki
雄司 山崎
Kenichi Masuda
健一 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP08627497A priority Critical patent/JP3204155B2/ja
Publication of JPH10280176A publication Critical patent/JPH10280176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3204155B2 publication Critical patent/JP3204155B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高潤滑性を有してプレス加工性に優れ、かつ防
錆性が良好である高潤滑防錆処理鋼板を提供する。 【解決手段】表面粗さRaが0.5ないし2.5μmの
酸洗鋼板の表面に、40℃における動粘度が10ないし
25cSt、全塩基価が2ないし15mgKOH/g、
鹸化価が20ないし80mgKOH/gに調整された高
潤滑防錆油を塗布してなる高潤滑防錆処理鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延鋼板のう
ち酸洗鋼板を対象とし、高潤滑性を有してプレス加工に
優れ、かつ防錆性が良好である高潤滑防錆処理鋼板に関
する。
【0002】
【従来の技術】通常の酸洗鋼板は、熱間圧延した鋼板を
酸洗(一般には、塩酸処理)してスケールを除去したも
のであり、鉄鋼メーカーにおいて、防錆油を塗布した
後、コイル状に巻かれるかスタック状に積み重ねて、自
動車メーカー等のユーザーに出荷される。
【0003】鉄鋼メーカーで塗布される防錆油は、一般
に長期保管の際にも充分な防錆性を有することはもちろ
ん、その他鋼板のハンドリング性が良いこと、さらには
脱脂性が良く鋼板の化成処理性・溶接性を阻害しないこ
と等の性能が要求される。これらの要求性能を満たすた
め、40℃での動粘度が25cSt以下の低粘度の防錆
油が通常用いられている。
【0004】鋼板は、ユーザーにおいて、打抜き、曲
げ、張出し、絞り等の各種プレス成型を組み合わせて加
工品となる。このプレス加工の際、出荷時に塗布された
防錆油の上に、40℃における動粘度が50ないし10
0cSt程度の中・高粘度のプレス加工油を塗布してプ
レス加工が行われる。また、プレス加工時にプレス加工
油を塗布することの煩雑さを回避するために、鋼板にロ
ールコータ等を用いて固体潤滑剤(例えばミルボンド)
を塗布後、その表面に防錆油を塗布して出荷し、ユーザ
ーではプレス加工油を未塗布であるいは極少量塗布して
プレス加工が行われている。
【0005】冷延鋼板に比べて板厚が厚い酸洗鋼板の場
合には、プレス成形時の面圧が高くなる結果、特に、か
じりを発生し易いという問題があり、プレス加工油ある
いは固形潤滑剤の塗布が必要であった。高強度鋼板の場
合には、特に、かじりが問題となり易い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車産業等の
ユーザーへの納入時に塗布される防錆油にプレス加工油
の潤滑性能を付与して、固体潤滑剤を省略することを目
的とした高潤滑防錆油の開発が重要な課題となってい
る。
【0007】しかし、防錆油の粘度をプレス加工油並の
高粘度にしてしまうと、脱脂性や鋼板のハンドリング性
等が悪化し適当でない。また、高粘度化するだけでは充
分な潤滑性を得ることはできない。さらに、潤滑性を強
化するために、防錆油には一般の極圧添加剤を添加する
という対応も考えられる。しかしこの種の極圧添加剤は
反応性が強いので、防錆性を著しく低下させる。例え
ば、空気中の水分と極圧添加剤が反応して酸性物質を生
成し、錆の発生やオイルステイン、板表面の変色を招く
結果となる。
【0008】一方、プレス加工油の粘度を防錆油並の低
粘度にすると、プレス加工時に油膜切れを生じ、加工表
面に割れ、かじり等の損傷によるトラプルが多発する。
板厚が1〜8mm程度と厚い酸洗鋼板の場合には、プレ
ス成形時の面圧が高くなる結果、特にかじりを発生し易
いという問題があり、とりわけ、高強度鋼板の場合には
かじりが問題となり易い。
【0009】このように、従来の防錆油またはプレス加
工油のどちらか一方により、防錆性およびプレス加工性
の両方を満足させることはできない。特に、加工時の面
圧が高く、かじりを発生し易い酸洗鋼板の場合には実用
上不可能であった。
【0010】例えば、特開昭51−87461号公報に
は、酸洗鋼板に特定成分の潤滑防錆油を塗布、乾燥させ
た防錆性、プレス加工性(Er値で評価)、洗浄性が良
好な防錆潤滑表面処理鋼板が、また特開昭58−136
98号公報には、特定成分の潤滑防錆油を特定量塗布し
た中間防錆性に優れる潤滑処理鋼板が開示されている。
しかし、これらの技術によっても固形潤滑剤の省略を可
能とするような高潤滑性能は達せられず、酸洗鋼板のプ
レス加工時にしばしばかじり不良を発生する等の問題が
あった。
【0011】したがって、本発明は、酸洗の能率・作業
性に支障を与えることなく、従来と同様の作業方法によ
る塗布により高潤滑性を有してプレス加工性に優れ、か
つ防錆性が良好である高潤滑防錆処理鋼板を提供するこ
とを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸洗鋼板の潤
滑防錆油の動粘度、全塩基価、鹸化価を適切な範囲に制
限することにより、防錆性能を損なうことなく、高い潤
滑性を付与することができること、さらには酸洗鋼板の
表面粗さを適正化することによりきわめて高い潤滑性能
をも付与できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち、本発明は、表面粗さRaが0.
5ないし2.5μmの酸洗鋼板の表面に、40℃におけ
る動粘度が10ないし25cStであり、全塩基価が2
ないし15mgKOH/gであり、鹸化価が20ないし
80mgKOH/gである高潤滑防錆油を塗布してなる
高潤滑防錆処理鋼板を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0015】本発明において、酸洗鋼板は、0.5〜
2.5μmの表面粗さRaを有するものである。表面粗
さが極端に小さい場合、プレス成形時にかじりを発生す
るようになるという問題がある。そのため、Raは0.
5μm以上であることが必要である。ただし、表面粗さ
が粗くなり過ぎると、摩擦係数(平面摺動試験で評価)
が上昇して潤滑不足による割れを発生するなどプレス成
形性を劣化させる。そのため、Raの上限は2.5μm
とするが、1.5μm以下の範囲とすることが望まし
い。
【0016】本発明において、上記酸洗鋼板に塗布され
る高潤滑防錆油は、好ましくは、鉱油および/または合
成油を基油とし、これに塩基性化合物を含む防錆成分お
よびエステル化合物を含む潤滑成分を配合してなるもの
である。
【0017】本発明において、高潤滑防錆油は、40℃
において10ないし25cStの動粘度を示すものであ
る。40℃における動粘度が10cStより低い場合、
プレス加工時に油膜切れを生じ、潤滑不足による割れや
かじりが発生するため好ましくなく、他方40℃におけ
る動粘度が25cStより高い場合には、鋼板のハンド
リング性が悪くなり、脱脂性も低下するため好ましくな
い。
【0018】また、上記高潤滑防錆油は、全塩基価が2
ないし15mgKOH/gの範囲に調整されている。全
塩基価が2mgKOH/gより低い場合、潤滑成分とし
て添加した極圧添加剤等が水分や鋼板と反応して生成す
る酸性物質を中和する能力が少ないため、充分な防錆力
が得られないので好ましくなく、他方全塩基価が15m
gKOH/gより高い場合には、脱脂性が劣り、さらに
防錆性において、その塩基性成分によるステインが発生
し易くなり好ましくない。
【0019】さらに、上記高潤滑防錆油は、その鹸化価
が20ないし80mgKOH/gの範囲内にある。鹸化
価が20mgKOH/gより低い場合、充分な潤滑性が
得られないので好ましくなく、80mgKOH/gより
高い場合には、脱脂性が低下するだけでなく、それ以上
高くしてもそれ程潤滑性は上がらないので好ましくな
い。
【0020】本発明における高潤滑防錆油の基油として
は、防錆油および金属加工油の基油として一般的に使用
されている鉱油および/または合成油の中から単独また
は2種以上を組み合わせて使用することができる。鉱油
としては、例えば、原油を蒸留して得られた留分を精製
したパラフィン系、ナフテン系等の精製鉱油を使用する
ことができる。
【0021】上記基油に添加される防錆成分は、少なく
とも塩基性化合物を含むものであり、この塩基性防錆成
分により全塩基価の大部分、好ましくは実質的にすべて
が提供される。
【0022】防錆成分としては、塩基性スルホネートお
よび/または防錆油用添加剤として一般的に使用されて
いる防錆添加剤の中から任意のものを選定し、1種また
は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】塩基性スルホネートとしては、例えば、石
油留出成分中の芳香族成分をスルホン化して得られる石
油スルホン酸または合成スルホン酸のアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アミン塩を挙げることができる。
【0024】合成スルホン酸の例を挙げると、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等
を挙げることができる。
【0025】また、その他の防錆成分としては、例え
ば、酸化ワックスおよびそのアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、エステル、高級脂肪酸およびそのアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、エステル等を
挙げることができる。高級脂肪酸の例を挙げると、カプ
リル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ウ
ンデシレン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン
酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、
ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール
酸、リノレン酸、ステアロール酸、ノナデカン酸、アラ
キン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン酸、エル
カ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘ
プタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、
ナフテン酸、アビエチン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニ
ルコハク酸等である。
【0026】防錆成分としてさらに好ましくは石油スル
ホン酸または合成スルホン酸のアルカリ土類金属塩、酸
化ワックスのアルカリ土類金属塩またはエステル、高級
脂肪酸のアルカリ土類金属塩またはエステル、特に好ま
しくは石油スルホン酸または合成スルホン酸のアルカリ
土類金属塩である。
【0027】本発明において防錆成分とともに基油に添
加される潤滑成分は、少なくともエステル化合物を含
み、このエステル化合物により上記鹸化価が提供され
る。潤滑成分としては、一価アルコールと脂肪酸とのエ
ステルおよび/または金属加工油用添加剤として一般的
に使用されている潤滑添加剤、例えば油性向上剤、極圧
添加剤等の中から任意のものを選定し、1種または2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】油性向上剤としては、例えば、高級脂肪酸
エステル、動植物性油脂、高級脂肪酸、高級アルコール
等を挙げることができ、好ましくは高級脂肪酸エステル
および動植物性油脂、特に好ましくは、一価アルコール
と脂肪酸とのエステルである。一価アルコールの例を挙
げると、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコ
ール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシ
ルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコ
ール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステ
アリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアル
コール、セリルアルコール、メリシルアルコール等であ
り、脂肪酸の例を挙げると、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ソルビン酸、エナント
酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシ
ル酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ドリデシル酸、ミ
リスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデ
シル酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、ノナデカン
酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、セトレイン
酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リグノセリン酸、セロチ
ン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラク
セル酸等である。
【0029】極圧添加剤としては、例えば、硫黄系極圧
添加剤、塩素系極圧添加剤、リン系極圧添加剤等を挙げ
ることができ、好ましくは不活性タイプの硫化油脂およ
び硫化エステル、亜リン酸エステルである。
【0030】なお、本発明において使用される高潤滑防
錆油は、上記成分のみに限定するものではなく、必要に
応じて、摩擦調整剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、水
置換剤、消泡剤等を添加することができる。
【0031】本発明における高潤滑防錆油において、基
油に添加する防錆成分、潤滑成分、およびその他の添加
剤の配合量については、最終高潤滑防錆油の性状が、4
0℃における動粘度が10ないし25cSt、全塩基価
が2ないし15mgKOH/g、鹸化価が20ないし8
0mgKOH/gの範囲を越えない限り特に限定するも
のではない。
【0032】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。下記表1に示す各添加剤を用いて、
下記表2に示す組成の油(油1ないし8は本発明の範囲
内の高潤滑防錆油であり、油9ないし20はそれ以外の
油である)を調製し、これを用いて本発明に係る高潤滑
防錆鋼板および比較例の鋼板を製造した。各鋼板につい
て下記の試験を行い性能を評価した。これらの結果を下
記表3および図1〜図6に示す。図1は、油2、4およ
び5、並びに油13および14を塗布した表面粗さRa
が1.2μmの酸洗鋼板の平面摺動試験結果による、油
の動粘度と摩擦係数の関係を示し、図2は、油2、4お
よび5、並びに油13および14を塗布した鋼板の脱脂
試験結果による、油の動粘度と脱脂性の関係を示し、図
3は、油2、6および7、並びに油11および12を塗
布した鋼板の防錆試験結果による、油の全塩基価と防錆
性の関係を示し、図4は、油2、6および7、並びに油
11および12を塗布した鋼板の脱脂試験結果による、
油の全塩基価と脱脂性の関係を示し、図5は、油1、2
および3、並びに油9および10を塗布した表面粗さR
aが1.2μmの酸洗鋼板の平面摺動試験結果による、
油の鹸化価と摩擦係数の関係を示し、図6は、油1、2
および3、並びに油9および10を塗布した鋼板の脱脂
試験結果による、油の鹸化価と脱脂性の関係を示すグラ
フである。
【0033】(1)防錆試験 板厚2.6mmの低炭素Alキルド鋼を塩酸酸洗処理し
た鋼板(SPHC、70×100mm、表面粗さRa=
1.2μm)の表面に試験油を1.5g/m2塗油し、
5枚重ねにして支持板に挟み、ボルト・ナットで締め付
けた。これを恒温恒湿箱(温度50℃、湿度95%)中
に入れ、240時間後の発錆状態錆発生面積(%)によ
り、下記水準で評価した。
【0034】(評価基準) 評点 錆発生面積(%) A : 0%(錆なし) B : 10%以下 C : 10%を超え、30%以下 D : 30%超え。
【0035】(2)脱脂試験 板厚2.6mmの低炭素Alキルド鋼を塩酸酸洗処理し
た鋼板(SPHC、70×100mm、表面粗さRa=
1.2μm)の表面に試験油を1.5g/m2塗油し、
5枚重ねにして支持板に挟み、ボルト・ナットで締め付
けた。これを恒温恒湿箱(温度50℃、湿度95%)中
に入れ、240時間放置後、下記条件で脱脂試験を行っ
た。脱脂後、試験片を流水中で30秒間水洗し、水中か
ら引き上げて15秒後の水濡れ面積(%)により、下記
水準で評価した。
【0036】(脱脂条件) 脱脂剤:ファインクリーナー4480[日本パーカライ
ジング(株)製];濃度:1.8%;温度:42℃;撹
拌:あり;脱脂方法:3分間浸漬。
【0037】(評価基準) 評点 水濡れ面積(%) A : 100%水濡れ B : 90%以上、100%未満 C : 70%以上、90%未満 D : 70%未満。
【0038】(3)平面摺動試験 板厚1.2〜3.2mmの低炭素Alキルド鋼を塩酸酸
洗処理した鋼板(SPHC、30×200mm、表面粗
さRa=0.4〜2.6μm)を用い、下記条件で試験
を行い、その摩擦係数により、下記水準で評価した。
【0039】(試験条件) 工具条件(幅10mm×長さ3mm);押し付け力:2
00kgf;摺動速度:1m/分;摺動距離:150m
m;塗油量:1.5g/m2
【0040】(評価基準) 評点 摩擦係数μ A : 0.130以下 B : 0.130超え、0.140以下 C : 0.140超え、0.150以下 D : 0.150超え。
【0041】(4)かじり試験 板厚1.2〜3.2mmの低炭素Alキルド鋼を塩酸酸
洗処理した鋼板(SPHC、30×250mm、表面粗
さRa=0.4〜2.6μm)を用い、下記条件で試験
を行い、そのかじり発生の限界押し付け荷重により、下
記水準で評価した。
【0042】(試験条件) 工具:平工具(幅50mm×長さ30mm);押し付け
ビード:三角ビード(先端R=0.5mm);押し付け
荷重:0.5〜1.5トン;摺動速度:200mm/
分;摺動距離150mm;塗油量:1.5g/m2
【0043】(評価基準) 評点 かじり発生の限界押し付け荷重(トン) A : 1.0トン以上 B : 0.8トン以上、1.0トン未満 C : 0.6トン以上、0.8トン未満 D : 0.6トン未満 (5)円筒深絞り試験 板厚2.9mmの低炭素Alキルド鋼を塩酸酸洗処理し
た鋼板(TS:55kg/mm、2級ハイテン、ブラン
ク径:75〜110mm、表面粗さRa=1.0μm)
を用い、下記条件で試験を行い、その限界絞り比によ
り、下記水準で評価した。
【0044】(試験条件) ポンチ:平頭ポンチ(40mmφ、R=4.0);ダイ
ス:58mmφ、R=8.0;絞り速度:240mm/
分;しわ押さえ荷重:1トン;塗油量1.5g/m2
【0045】(評価基準) 評点 限界絞り比 A : 2.10以上 B : 2.05以上、2.10未満 C : 2.00以上、2.05未満 D : 1.95未満
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】以上の結果からわかるように、本発明の高
潤滑防錆処理鋼板は、すべての試験項目について評点が
AまたはBであり、防錆性、脱脂性、潤滑性、耐かじり
性、プレス加工性などの特性が良好であるのに対し、比
較鋼板は試験項目のいずれかが評点CまたはDを示し、
問題がある。なお、本発明鋼板は、このほかに、化成処
理性や溶接性についても問題がなかった。
【0049】
【発明の効果】以上の実施例の結果からも明らかなよう
に、本発明の高潤滑防錆処理鋼板は、高潤滑性を有して
プレス加工性に優れると同時に防錆性が良好である。こ
のため、従来酸洗鋼板で使用されていた固形潤滑剤の省
略を可能にするものであり、産業上非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】油2、4および5、並びに油13および14を
塗布した表面粗さRaが1.2μmの酸洗鋼板の平面摺
動試験結果による、油の動粘度と摩擦係数の関係を示す
グラフ図。
【図2】油2、4および5、並びに油13および14を
塗布した鋼板の脱脂試験結果による、油の動粘度と脱脂
性の関係を示すグラフ図。
【図3】油2、6および7、並びに油11および12を
塗布した鋼板の防錆試験結果による、油の全塩基価と防
錆性の関係を示すグラフ図。
【図4】油2、6および7、並びに油11および12を
塗布した鋼板の脱脂試験結果による、油の全塩基価と脱
脂性の関係を示すグラフ図。
【図5】油1、2および3、並びに油9および10を塗
布した表面粗さRaが1.2μmの酸洗鋼板の平面摺動
試験結果による、油の鹸化価と摩擦係数の関係を示すグ
ラフ図。
【図6】油1、2および3、並びに油9および10を塗
布した鋼板の脱脂試験結果による、油の鹸化価と脱脂性
の関係を示すグラフ図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 健一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さRaが0.5ないし2.5μm
    の酸洗鋼板の表面に、40℃における動粘度が10ない
    し25cStであり、全塩基価が2ないし15mgKO
    H/gであり、鹸化価が20ないし80mgKOH/g
    である高潤滑防錆油を塗布してなる高潤滑防錆処理鋼
    板。
JP08627497A 1997-04-04 1997-04-04 高潤滑防錆処理鋼板 Expired - Fee Related JP3204155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08627497A JP3204155B2 (ja) 1997-04-04 1997-04-04 高潤滑防錆処理鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08627497A JP3204155B2 (ja) 1997-04-04 1997-04-04 高潤滑防錆処理鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10280176A true JPH10280176A (ja) 1998-10-20
JP3204155B2 JP3204155B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=13882256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08627497A Expired - Fee Related JP3204155B2 (ja) 1997-04-04 1997-04-04 高潤滑防錆処理鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3204155B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001016516A1 (fr) * 1999-08-27 2001-03-08 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Joint fileté pour conduit de puits de pétrole
JP2007084663A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼板用潤滑防錆油
WO2021251250A1 (ja) * 2020-06-09 2021-12-16 Nokクリューバー株式会社 潤滑剤組成物

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001016516A1 (fr) * 1999-08-27 2001-03-08 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Joint fileté pour conduit de puits de pétrole
EP1211451A1 (en) * 1999-08-27 2002-06-05 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Threaded joint for oil well pipe
US6679526B2 (en) 1999-08-27 2004-01-20 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Threaded joint for an oil well pipe
EP1211451A4 (en) * 1999-08-27 2006-12-06 Sumitomo Metal Ind SCREW CONNECTION FOR OIL PIPES
EP1882874A1 (en) * 1999-08-27 2008-01-30 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Threaded joint for oil well pipe
NO337618B1 (no) * 1999-08-27 2016-05-18 Vallourec Oil And Gas France Sas Gjenget forbindelse for oljebrønnrør
JP2007084663A (ja) * 2005-09-21 2007-04-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼板用潤滑防錆油
WO2021251250A1 (ja) * 2020-06-09 2021-12-16 Nokクリューバー株式会社 潤滑剤組成物
CN115698238A (zh) * 2020-06-09 2023-02-03 Nok克鲁勃株式会社 润滑剂组合物
CN115698238B (zh) * 2020-06-09 2024-04-26 Nok克鲁勃株式会社 润滑剂组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3204155B2 (ja) 2001-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4619266B2 (ja) 自動車用高張力鋼板のプレス加工用の潤滑油
US20110101280A1 (en) Rust preventive oil composition
KR101821822B1 (ko) 열간 압연유용 윤활유 및 열간 압연판의 제조방법
KR930010436B1 (ko) 방청성이 우수한 윤활처리 강철재 제조용 도료 조성물
US4113635A (en) Rust-proof lubricant compositions
JP2017534700A (ja) 硫酸塩の使用、および成形機における成形により鋼部品を製造するための方法
CN103695126B (zh) 拉拔波莫合金不锈钢板的润滑剂
US7727942B2 (en) Lubricant coated sheet metal with improved deformation properties
CN103725376A (zh) 一种拉拔钢管的润滑剂
JPH02270975A (ja) 表面処理鋼板用防錆油組成物
CN103710110A (zh) 拉拔高张力钢板的润滑剂
US4830768A (en) Metalworking lubricant composition containing propoxylated fatty alcohol
JP3204155B2 (ja) 高潤滑防錆処理鋼板
JPH10279977A (ja) 高潤滑防錆油組成物
JP4467024B2 (ja) 高潤滑防錆油組成物
JPH05339589A (ja) プレス加工兼用防錆油
JP3204156B2 (ja) 高潤滑防錆処理鋼板
JPH0221433B2 (ja)
JP4938276B2 (ja) 鋼板用潤滑防錆油
JPH08311476A (ja) 鋼板用防錆兼用プレス加工油
JP4270902B2 (ja) 純亜鉛メッキ鋼板用潤滑防錆油組成物
CZ231494A3 (en) Method of lubricating systems with metal-to-metal contact during machining with cyclohexyl esters
JP4120165B2 (ja) 防錆性に優れた潤滑処理鋼材とそのための被覆組成物
JP2580008B2 (ja) 潤滑油
JPH0730349B2 (ja) プレス加工兼用鋼板防錆油

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080629

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090629

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110629

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120629

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130629

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140629

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees