JPH10278832A - 作業車両の操向制御装置 - Google Patents

作業車両の操向制御装置

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JPH10278832A
JPH10278832A JP9086517A JP8651797A JPH10278832A JP H10278832 A JPH10278832 A JP H10278832A JP 9086517 A JP9086517 A JP 9086517A JP 8651797 A JP8651797 A JP 8651797A JP H10278832 A JPH10278832 A JP H10278832A
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Toshiji Shimamoto
利二 島本
Toshiyuki Hori
敏行 堀
Takeshi Tamada
武史 玉田
Tsutomu Watabe
勉 渡部
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、農業用トラクタ等の作業車両には、ス
テアリングハンドルの操向量に対して前輪の切れ角量を
大きくする操向装置を有するものが有った。しかしなが
ら、これらの作業車両は、各種作業を行なうために、車
速が高速であったり低速であってたりするので前輪の操
向量が一律に大きく変化するだけでは、作業の効率を損
なうことが有った。 【解決手段】 ステアリングハンドルの操作量に対する
前輪の操向量を変更可能なパワーステアリング装置を有
するトラクタに、車速を検出する対地式ドップラセンサ
を設け、この対地式ドップラセンサの検出に応じて前記
パワーステアリング装置による前輪の操向量を変化させ
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トラクタや田植
え機の農業用、或いはブルトーザ等の建設用、運搬用等
の作業車両の操向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術、及びその課題】従来、作業車両には、作
業中の旋回や操向を容易に行うために操向操作部の操作
量に対する操向輪の操向量を変更可能な操向装置を有す
るものがあった。例えば、特開平8−26126号公報
には圃場での旋回時に、ステアリングハンドルの操向量
に対して前輪の切れ角量を大きく変更する移動農機の旋
回装置が示されている。そして、前記公報に示されてい
る旋回装置は、変速レバーの操作位置を検出して、この
操作位置が高速側へされると旋回装置の作動を「切」と
する構成としている。
【0003】しかしながら、上記公報による技術では、
旋回装置が「入」の状態では常に前輪の切れ角量が一定
であるために、トラクタでの作業でも薬液散布作業のよ
うに低速(約0.2km/時)で作業を行うときには、
ステアリングハンドルの操作量に対して前輪の切れ角度
が小さすぎると、旋回操作が煩わしく、また逆に代掻き
作業のように高速(約8〜10km/時)で作業を行う
場合は、ステアリングハンドルの操作量に対して前輪の
切れ角度が大きすぎると車体が大きくふらついて、車体
の操向性が悪くなるという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、以上のよう
な課題を解消するために、次のような技術手段を講じ
た。即ち、操向操作部1の操作量に対する操向輪2,2
の操向量を変更可能な操向装置3を有する作業車両にお
いて、この車両に車速を検出する車速検出手段4を設
け、この車速検出手段4の検出に応じて前記操向装置3
による操向輪2,2の操向量を変化させる作業車両の操
向制御装置とした。
【0005】
【発明の作用効果】以上のように構成した作業車両の操
向制御装置は、車速検出手段4により車両の車速を検出
し、これに応じて操向操作部1の操作量に対する操向輪
2,2の操向量を変化する構成としたので、作業に適し
た操向輪2,2の操向量を得ることができる。従って、
作業車両の操作性が向上すると共に、高速作業時の車体
のふらつきが無くなり安全な作業をおこなうことができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】この発明の課題、及び解決手段は
以上の如くであり、作業車両の一例として農用トラクタ
(以下、トラクタ10)について説明する。トラクタ1
0は、機体前部のボンネット11内部にエンジン12を
載置し、このエンジン12からクラッチハウジング、ミ
ッションケース13等を一体的に連結して設けている。
そして、エンジン12の下方に前輪車軸ケース37を左
右方向に回動自在に支持し、これに左右一対の操向輪で
ある前輪2,2を設け、ミッションケース13の後部に
は左右一対の後輪15,15を設けている。前記車軸ケ
ース37の上部には前輪2,2にかかる荷重を検出する
手段である歪みセンサ7を設けている。そして、前記エ
ンジン12の回転動力を、クラッチハウジング内の主ク
ラッチ16で断続し、ミッションケース13内の前後進
切換装置17で正転、或いは逆転に切り替えて車体の進
行方向を変更し、さらに主変速装置18,副変速装置1
9で適宜減速し、後輪15,15へ伝達する構成となっ
ている。また副変速装置19から出力した回転動力は、
前輪駆動軸20へも伝達して、前輪駆動伝達装置21を
介して前輪2,2も伝達可能な構成となっている。車体
の下部には、車速検出手段である対地式ドップラセンサ
4を設け、トラクタ10の車速を検出する構成となって
いる。
【0007】前記ボンネット11の後方には、ステアリ
ングポスト22を設け、この上部に操向操作部であるス
テアリングハンドル1を突出して設けている。このステ
アリングハンドル1の回動操作は、後述する操向装置で
あるパワーステアリング装置3を経由して前記前輪2,
2を繰向する構成となっている。また、このステアリン
グハンドル1の下方には前後進切換レバー25を設け、
前記前後進切換装置17を切り替えて車体の進行方向を
前進後進に切り替える構成となっている。
【0008】トラクタ10の操縦席26の近傍について
説明すると、この操縦席26側方には、走行用変速レバ
ー27、作業機昇降用のポジションレバー24を設けて
いる。そして、変速レバー27の回動基部にはポテンシ
ョメータ27pを設け、オペレータの変速操作位置を検
出する構成となっている。そして、変速レバー27を前
方へ操作すると前記変速装置18,19を油圧シリンダ
や多板式油圧クラッチ等のアクチュエータを介して、低
速側へ切り替え、変速レバー27を後方へ操作するにし
たがい高速位置に変速する構成となっている。また、ポ
ジションレバー24の回動基部にもポテンショメータ2
4pを設け、この操作角度と後述するリフトアーム設定
角度が一致するように作業機33の昇降高さを変更する
構成となっている。また、変速レバー27の後方にはこ
の発明の操向制御装置の作動を入り切りする制御入切ス
イッチ34を設けている。そして、これらの検出装置2
4p,27pやスイッチ34は操縦席26下方に設けた
制御部であるコントローラ35に接続されている。
【0009】また、トラクタ10のミッションケース1
3後上部には、油圧シリンダ28を内装するシリンダー
ケース29を設け、油圧シリンダ28のピストンの伸縮
によりケース29側部に設けたリフトーアーム30,3
0を回動する構成となっている。また、このリフトアー
ム30の片側にはこの回動角度を検出するリフトアーム
角センサ30pを設けている。そして、ミッショッンケ
ース13の後部にはトップリンク31と左右ロアリンク
32,32とからなる3点リンク機構を設け、これに作
業機33を連結し、ミッションケース13の背面から突
出するPTO軸38の回転を作業機33の入力軸に伝達
して駆動する構成となっている。
【0010】前記パワーステアリング装置3について図
4に即して説明すると、油圧ポンプ40から送り出され
た圧油は、減圧弁41を介して操舵ユニット42へ入力
される。この操舵ユニット42は、ステアリングハンド
ル1の回転操作を伝達して回転されるジロータ43を備
え、この回転方向によって操舵弁44が切り替えられ、
油圧ポンプ40からの圧油を入力して操舵ユニット42
の左側、或いは右側へ通じる油路45L,45Rから出
力する構成となっている。この操舵ユニット42から出
力された左右油路45L,45Rの回路下手側には、油
量調整手段である比例圧力制御弁46,46設けてい
る。この比例圧力制御弁46は、油路45L,45Rの
一部を常時開放した構成となっており、前記コントロー
ラ35からの指令により油路45L,45Rを更に大き
く開放する構成となっている。このように、操舵ユニッ
ト42から出力した圧油の量を調整して前輪2,2の操
向量を操作する構成としたので、操舵ユニット42の入
力前の圧油の量を調整する構成と比較して、オペレータ
は、常に一定の力で前輪2,2を操向することができ
る。また、通常時に比例圧力制御弁46で調整された圧
油の一部は、分岐回路5により潤滑油としてクラッチ1
6やタンクTへ分流されている。
【0011】前記比例圧力制御弁45,45の更に回路
下手側には、チェックバルブ47,47を介して前輪操
向用の油圧シリンダ48を設けている。そして、この油
圧シリンダ48のピストンの左右夫々を前輪2,2のナ
ックルアーム49,49に接続している。また、片側の
ナックルアーム49には、旋回検出手段である前輪切角
センサ50を設け、この検出角度をコントローラ35へ
入力する構成となっている。これにより、コントローラ
35では、周期的に前輪切角度を検出して単位時間当た
りの前輪切角速度を演算する構成となっている。
【0012】前記コントローラ35は、演算処理部であ
るCPUと、操向制御装置の制御プログラムを格納する
ROMと、各種センサ値や制御状態を記憶するRAM等
を有する構成であり、この入力部には、制御入切スイッ
チ34、ドップラセンサ4、変速レバー27のポテンシ
ョメータ27p、前輪切角センサ50、歪みセンサ7を
接続して設けている。また、出力部には、前記前輪操向
用の2つの比例圧力制御弁46,46のソレノイド46
s,46s、作業機昇降用の油圧シリンダ28を作動す
る切替制御弁のソレノイド36,36を接続して設けて
いる。
【0013】以上のように構成したトラクタの操向装置
では、オペレータがステアリングハンドル1を回動する
と、前輪操向用の油圧シリンダ48に作動油が流入して
前輪2,2が操向されるのであるが、コントローラ35
が比例圧力制御弁46,46のソレノイド46s,46
sに通電する電流値を変更することにより油圧シリンダ
48に流入する作動油の量が制御されて、ステアリング
ハンドル1の操向量に対する前輪2,2の操向量を変更
することができるようになっている。
【0014】次に、このトラクタ10の操向制御装置の
作用について、図6に示したフローチャートに沿って説
明する。最初にトラクタ10の電源オンと共にコントロ
ーラ35は、各種スイッチやセンサの状態を読み込み
(STEP1)、前記ドップラセンサ4の検出結果から
トラクタ10の車速を演算する(STEP2)。次に前
輪切角センサ50の値から、操向速度を演算する(ST
EP3)。そして、この操向速度が小回り旋回と想定さ
れる一定速度以上かどうかを判定する(STEP4)。
この判定がYESであれば、制御入切スイッチ34が入
であるか、前記歪みセンサ7の値より前輪負担荷重が小
回り旋回をしたときに車体がふらつかない程度の設定値
以下かどうか、リフトアーム角度が一定以上上昇してい
るかどうか、更に旋回が継続している程度に前輪2,2
が切れている状態であるかどうかを判定し(STEP5
〜8)、これらの判定がすべてYESであれば、前記車
速値に応じて比例圧力制御弁46,46のソレノイド4
6s,46sに通電を開始する。即ち車速が低速である
ときには油路45L,45Rを大きく開放し、車速が高
速であるときには油路の開放度を狭くする。また、この
制御の作動は、STEP4〜STEP8までの判定がY
ESの間は継続され、このなかの判定が1つでもNOで
あれば、比例圧力制御弁46,46への通電が停止さ
れ、通常のステアリング操作に戻る。
【0015】以上のように構成した旋回制御装置は、横
軸にステアリングハンドルの操作角度を取り、縦軸に前
輪2,2の切角度を取ると図1のような軌跡を描く。こ
こでは、ステアリングハンドル1の略中立位置に前輪
2,2を操向しない不感帯の領域を設け、この領域内で
前記操向速度の演算と、トラクタ10の車速を検出して
いる。そして、トラクタ10の車速が低速のとき、例え
ば、0.2km/h程にはステアリングハンドル1を1
回転する間に前輪2,2をロック位置まで操向する状態
としている。これにより、小回り旋回が可能となり作業
の迅速化を図ることができる。そして、車速が速くなる
ほどこの前輪2,2の作動量を変化させて、車速が高
速、8km/h程になるとステアリングハンドル1を2
回転する間に前輪2,2の操向量をロック位置にまで作
動する構成となっている。これにより、旋回時にトラク
タ10を大きくふらつかせることが無くなる。
【0016】また、STEP5で、前輪2,2の負担過
重を検出してこの負担過重が大きいときには制御の作動
を牽制する構成としているので、トラクタ10にフロン
トローダを装着した時や、フロントウエイトを過剰に装
着したときに前輪2,2が急速に切れて車体をふらつか
せることが無くなる。尚、前記車速検出手段の別形態と
しては、前記変速レバー27のポテンショメータ27p
により変速レバー27の操作位置を検出してこれに対応
して前記比例圧力制御46,46の開放度を設定する構
成としても良い。また、車速は前輪2,2、或いは後輪
15,15を駆動する軸やギヤの回転数を検出すること
で、間接的に車速を検出する構成としてもよい。
【0017】また、操向装置の別形態としては、前述の
様な比例圧力制御弁を有さないパワーステアリング装置
を設け、このパワーステアリング装置へ入力するステア
リングハンドル1の回転数を増減速して前輪2,2の操
向量を変更しても良い。また、インテグラル式のパワー
ステリング装置を有するトラクタでは、図7のように、
この前輪2,2のピットマンアーム55と、前輪2,2
のナックルアーム56を連結するドラックロッド57と
ピットマンアーム55との支点をスライドする構成とし
てもよい。ここでは、ピットマンアーム55に、このア
ーム長手方向に長穴を設け、この長穴にドラックロッド
57の一端を連結し、この連結点を油圧シリンダ58の
ピストンの伸縮により変化する構成としている。即ち、
車速が早いときには、ピットマンアーム55の回動支点
と前記ドラックロッド57の連結支点の距離を近づけて
(図中一点鎖線)アーム比を小さくし、ステアリングハ
ンドル1の操作量に対し前輪2,2の操向量を小さくす
る。
【0018】また、車速が遅いときには、ピットマンア
ーム55の回動支点と前記ドラックロッド57の連結支
点の距離を長くし、アーム比を大きくして、ステアリン
グハンドル1の操作量に対し前輪2,2の操向量を大き
くする構成としている。これにより、作業に適した前輪
2,2の操向量を得ることができ、トラクタの操作性を
向上すると共に、安全な作業をおこなうことができる。
【0019】尚、特許請求の範囲に実施の形態の構成に
対応する部材の符号を付すが、この符号により、この発
明をこの実施の形態に限るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車速に応じた前輪の切れ角を示すグラフ。
【図2】トラクタの全体側面図。
【図3】トラクタの伝動機構線図。
【図4】パワーステアリング装置の油圧回路図。
【図5】コントローラの接続を示す図。
【図6】フローチャート図。
【図7】操向装置の別形態を示す図。
【符号の説明】
1 ステアリングハンドル 2 前輪 3 パワーステアリング装置 4 ドップラセンサ 10 トラクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 勉 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向操作部1の操作量に対する操向輪
    2,2の操向量を変更可能な操向装置3を有する作業車
    両において、この車両に車速を検出する車速検出手段4
    を設け、この車速検出手段4の検出に応じて前記操向装
    置3による操向輪2,2の操向量を変化させることを特
    徴とする作業車両の操向制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100379612C (zh) * 2001-08-23 2008-04-09 通用汽车公司 具有可对非机械控制信号作出响应的系统的车辆底盘
KR100918200B1 (ko) * 2002-12-03 2009-09-21 두산인프라코어 주식회사 릴리프 압력이 전환되는 지게차의 조향 시스템
JP2012245976A (ja) * 2012-08-16 2012-12-13 Kubota Corp 作業車

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JP2012245976A (ja) * 2012-08-16 2012-12-13 Kubota Corp 作業車

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