JPH10278417A - 記録用シートおよびその製造方法 - Google Patents

記録用シートおよびその製造方法

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JPH10278417A
JPH10278417A JP9099801A JP9980197A JPH10278417A JP H10278417 A JPH10278417 A JP H10278417A JP 9099801 A JP9099801 A JP 9099801A JP 9980197 A JP9980197 A JP 9980197A JP H10278417 A JPH10278417 A JP H10278417A
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Japan
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ink
polymer
recording sheet
layer
porous layer
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JP9099801A
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Seiji Mizumoto
清治 水元
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐ブロッキング性等の実用性に優
れ、かつインクの吸収性、画像の解像度等の記録性にも
優れており、特にインクジェット記録用として、また、
オフセット印刷、フレキソ印刷などの記録用シートの提
供を目的とする。 【解決手段】基材の少なくとも片面にインク吸収層を設
け、該インク吸収層の上に、主として重合体からなる多
孔質層を設けたことを特徴とする記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は記録用シートに関す
るものであり、さらに詳しくはインクの吸収性、耐水
性、色再現性に優れた、インクジェット記録用OHPシ
ート等の透明性記録用シートおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易であり、低騒音で印字品質に優れていることか
ら、近年急速に普及しつつある。インクジェット記録に
おいては、ノズルの詰まりを防ぐために乾燥性の低いイ
ンクが用いられ、安全性、記録適性の点から水系のもの
が一般的である。インクはノズルから記録用シートにむ
けて小滴で射出され、記録用シートは、速やかにインク
を吸収することが要求される。インク吸収性の低い記録
用シートでは、記録終了後もインクが長時間表面に残
り、装置の一部や取扱い者に触れたり、重ね合わされた
りすると、記録部分が汚れ、実用上問題である。また、
高密度画像部では、多量に供給されたインクが吸収され
ず、混合して記録画像の解像度が低下したり、記録紙表
面で流れ出すなどの問題が生じて使用できない。
【0003】この問題を解決するために、従来からいく
つかの提案がなされてきた。例えば、特開昭59−17
4381号公報、特開昭60−224578号公報に
は、支持体上に澱粉、水溶性セルロース誘導体、ポリビ
ニルアルコールなどの水溶性高分子からなる受容層を設
けることが提案されているが、インク吸収性を満足して
いるにしても、耐水性が悪く、受容層や記録部が水に溶
けたり、表面がべとついてシートを積層した場合ブロッ
キングを生じたりする問題を有するものであった。
【0004】また、特公平3−72460号公報には、
液体透過性表面層と液体吸収性下層との組合わせからな
り、液体透過性表面層が液体や液体適用装置との接触時
にその原形を保持することができる液体吸収用複合媒質
が提案されている。インクの吸収性、耐ブロッキング性
は向上するが、液体吸収性下層の液体吸収性が液体透過
性表面層の液体吸収性より大きいと規定されており、イ
ンクが記録紙に深く浸透してインク濃度が出にくい欠点
を有する。
【0005】さらに、インク吸収層として多孔質層を設
け、毛細管作用によりインクを吸収させるものも提案さ
れており、特開昭58−110287号公報、特開平5
−51470号公報には、シリカなどの粒子を凝集し、
粒子同志の間隙により構成される空孔を有する多孔質層
を支持体上に設けた記録用シートが提案されている。こ
れらは、インクの吸収性は向上するが、粒子による光の
散乱のため透明性が低く、透明性が必要とされるオーバ
ーヘッドプロジェクター(OHP)シートなどには不適
である。
【0006】また、特開昭59−178288号公報に
は、多孔性インク吸収層を設け、インク吸収後、加熱処
理することにより透明化することを特徴とする記録材が
提案されているが、透明化には150℃での加熱処理が
必要であり、実用的ではない。
【0007】特開昭61−86251号公報には、液体
吸収性層に多孔性プラスチックシート薄膜層を積層する
記録シートが提案されているが、多孔性プラスチックシ
ート薄膜層は疎水性であるポリエチレンまたはポリプロ
ピレンフィルムで形成されているため水性インクの透過
性は低く、また、多孔性プラスチックシート薄膜層が熱
圧着で積層されるため、孔がつぶれたり、変形するとい
う問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
まで述べてきた問題点を解決し、インク吸収性、印字品
質が良好で耐水性、アンチブロッキング性に優れ、用途
に応じて透明性に優れた記録用シートを提供することに
ある。本発明者らは、鋭意検討した結果、基材の少なく
とも片面にインク吸収層を設け、該インク吸収層の上に
親水性重合体からなる多孔質層を設けることにより、上
で述べた課題を解決できることを見出だし、本発明を完
成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の少なく
とも片面にインク吸収層を設け、該インク吸収層の上
に、主として重合体からなる多孔質層を設けたことを特
徴とする記録用シートおよびその製造方法を提供するも
のである。上記構成とすることにより、インクが記録シ
ート表面に到達後、多孔質層によって速やかに吸収さ
れ、その後インク吸収層により確実に保持されることに
より、記録シート表面にインクが長時間残留せず、イン
クの流れ出しや混合が生じず良好な画像解像度を得るこ
とができる。また、多孔質層が保護層として作用するた
め、優れた耐水性、耐ブロッキング性も得ることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明における多孔質層を構成する重合体は、多孔
質層形成時に、層表面および孔の表面において、インク
に対する濡れ性が高いものであれば特に制限はなく、オ
レフィン系重合体、アクリル系重合体、ポリエステル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ビニル系重合体、アク
リル系重合体、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ
ドから誘導される重合体、セルロース誘導体等があげら
れ、対象となるインクの種類によって適宜選択すれば良
いが、一般的に使用されるインクは水性インクが多く、
上記重合体のうちでも特に親水性重合体が好ましい。な
お、本発明において親水性重合体とは、重合体表面にお
いて水に対する接触角が80度未満の物をさす。接触角
は、室温下で重合体面上に水滴をおいた時、水滴の広が
りが停止した時点で水滴の表面と重合体面との交点にお
いて、水滴に引いた接線と重合体面のなす角の水滴側の
角度を指す。
【0011】上記親水性重合体としては、酢酸セルロー
ス、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロ
ース誘導体、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポ
リN−メチルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコー
ル、ポリメチルビニルエーテル、ポリ酢酸ビニル及びそ
の部分ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びそ
の部分ケン化物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体などが
挙げられ、特に好ましくは酢酸セルロースが良い。ま
た、テフロン、ポリエチレン、ポリスチレンなど上記定
義においては疎水性である重合体であっても、界面活性
剤、湿潤剤などの添加や塗布、プラズマ処理等の方法に
より表面に親水性を付与させることにより、本発明の親
水性重合体に含まれる。
【0012】本発明におけるインク吸収層は、インクを
吸収し得る高分子化合物であれば、特に制限はなく、オ
レフィン系重合体、スチレン系重合体、ポリエステル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ビニル系重合体、アク
リル系重合体、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ
ドから誘導される重合体、セルロース誘導体等が挙げら
れるが、特に水溶性高分子あるいは水に不溶であっても
吸水性を有する高分子化合物であることが好ましい。
【0013】水溶性高分子あるいは吸水性を有する高分
子化合物としては、澱粉、コーンスターチ、アルギン酸
ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、デキ
ストリン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、セルローススルフ
ェート、シアノエチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、アクリル酸−ポリビニルアルコール共重合体、酢酸
ビニル−アクリル酸メチル共重合体、ポリビニルメチル
エーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルビニルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルスルホ
ン酸ナトリウム、ポリビニルベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウム
クロライド、ポリジメチルアミノエチルメタアクリレー
ト塩酸塩、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニル
ピロリドンなどが挙げられるが、ヒドロキシエチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
等が挙げられ、特に好ましくは、酢酸ビニル−アクリル
酸メチル共重合体などの酢酸ビニル系共重合体が良い。
【0014】上記酢酸ビニル系共重合体とは酢酸ビニル
と以下に記載するモノマーとの共重合体であり、その部
分ケン化物も含まれる。モノマーとしては、エチレン、
プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウムなどの(メ
タ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレートなどの
アルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ含有(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートなどのアミノ基含有アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有アクリレ
ート、(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノ
マー、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有
モノマー、スチレンスルホン酸およびそのナトリウム塩
などのスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、
クロトン酸およびそのナトリウム塩などのカルボキシル
基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸な
どの酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネー
ト、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレ
イン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化
ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。
【0015】本発明に用いられる基材としては、特に制
限はなく、紙、塗工紙、不織布またはプラスチックフィ
ルムもしくはシートが挙げられるが、透明性、強度、実
用上の点からプラスチックフィルムが好ましい。上記プ
ラスチックフィルムとしては、ポリエステル、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエー
テル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエ
ステルなどが挙げられ、さらに、透明性に問題がなけれ
ば、これらの共重合体、ブレンド物、架橋物も用いるこ
とができる。これらの内、機械的強度、作業性などの点
からポリエステルが好ましく、特にポリエチレンテレフ
タレートが好ましい。プラスチックフィルムには必要に
応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑材、顔料、紫外線吸
収剤などを添加してもよい。また、インク吸収層との接
着性を向上させる目的で、コロナ放電処理やアンダーコ
ート処理などを行うこともできる。
【0016】本発明において多孔質層は、良溶剤と貧溶
剤とを用いて高分子をミクロ相分離させる相分離法、高
分子を発泡させて孔を形成する発泡法、高分子フィルム
を延伸処理する延伸法、放射線を高分子フィルムに照射
して孔を形成する放射線照射法、溶剤に可溶な高分子ま
たは無機塩類と前記溶剤に不溶な高分子からなるフィル
ムから前記溶剤により可溶成分を抽出除去して孔を形成
する抽出法、高分子粒子を部分融着したりバインダーな
どで固めて粒子間の間隙を孔として利用する焼結法など
により形成することができる。これらの形成法の中で、
重合体、重合体の良溶剤および良溶剤より高沸点である
重合体の貧溶剤を含んでなる塗布液を塗布後、乾燥する
ことにより多孔質層が得られる乾式相転換法が量産性に
優れているので好ましい。
【0017】乾式相転換法による多孔質層の形成方法は
次のとおりである。重合体、該重合体の良溶剤及び該良
溶剤より高沸点である重合体の貧溶剤を含んでなる塗布
液を基材上に塗布し、乾燥を行うと沸点の低い良溶剤が
先に蒸発する。この良溶剤の蒸発の進行に伴い、重合体
の溶解性は低下し、重合体はミセルを形成し貧溶剤相と
相分離する。さらに貧溶剤の蒸発が進むと、ミセル同士
が接触して網目構造が形成され、貧溶剤の蒸発の完了に
より、多孔質層が形成される。
【0018】上記良溶剤は、特に制限はなく、使用する
重合体によって適宜選択すれば良いが、重合体として酢
酸セルロースを用いる場合、好ましくは、メチルエチル
ケトン、酢酸エチル、ジオキサン、ジメトキシエタン、
メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテートおよび
これらの混合物が好ましく、特にメチルセロソルブが好
ましい。
【0019】上記貧溶剤とは、使用する重合体に対する
溶解性が低い溶剤である。貧溶剤としては、上記良溶剤
よりも沸点が高ければ、特に制限はなく、使用する重合
体及び良溶剤によって適宜選択すれば良いが、重合体と
して酢酸セルロースを用いる場合、好ましくは、蟻酸ア
ミル、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノー
ル、安息香酸エチルおよびこれらの混合物が良く、特に
好ましくはシクロヘキサノールが良い。
【0020】上記重合体、良溶剤及び貧溶剤の混合割合
は、特に限定されず、重合体、良溶剤及び貧溶剤の種
類、目的とする多孔質層の空孔比率等によって適宜選択
すれば良い。
【0021】上記重合体、良溶剤及び貧溶剤の混合方法
は、常法により、重合体を良溶剤に添加溶解し、貧溶剤
を添加して攪拌混合する等の方法で行えば良い。
【0022】多孔質層の塗布方法は、特に限定されず、
ロールコーティング、エアナイフコーティング、ブレー
ドコーティング、ロッドコーティング、バーコーティン
グ、コンマコーティング法など公知の方法を適用するこ
とができる。
【0023】多孔層の乾燥方法は、特に限定されない
が、乾式相転換法を用いる場合においては、まず良溶剤
が蒸発して重合体がミセル化し、続いて該重合体のミセ
ル同士が接触して網目構造を形成するよう貧溶剤が蒸発
するように温度、蒸気圧等が制御される必要がある。
【0024】本発明において、インク吸収層の形成方法
は常法による。即ち、高分子化合物を溶媒に溶解・分散
した後、多孔層と同様の方法により基材上に塗布し、乾
燥する等の方法により形成される。インク吸収層を構成
する高分子化合物を溶解する溶媒は、使用する高分子化
合物を溶解・分散し、所定の膜厚になるよう塗布可能な
ものであれば、特に限定はされない。
【0025】多孔質層において形成される空孔の孔径は
好ましくは0.005〜10μmが良く、さらに好まし
くは、0.005〜1μmが良く、特に、0.005〜
0.1μmが最適である。0.005μm未満では、イ
ンクの吸収性が不十分なおそれがあり、10μmを越え
ると、耐水性や印字品質が低下しやすい。
【0026】インク吸収層および多孔質層の厚さは用途
によって適宜選択されるが、インク吸収層の厚さ5〜5
0μm、かつ、多孔質層の厚さ1〜100μmが好まし
く、特に好ましくは、インク吸収層の厚さ10〜30μ
m、かつ、多孔質層の厚さ3〜50μmとするのが好適
である。インク吸収層の厚さが5μm未満では、インク
が十分に吸収されないおそれがあり、50μmを越える
場合には、透明性が低下したり、記録用シートがカール
するおそれがある。多孔質層の厚さが1μm未満では、
耐水性が不十分であり、100μmを越える場合には、
透明性が低下したり、インクの吸収性が低下するおそれ
があるので好ましくない。
【0027】本発明の記録シートにおいて、インク吸収
層および多孔質層は基材の片面のみに形成されていて
も、両面に形成されていてもよい。
【0028】また、本発明の記録シートは、可視光に対
し透明であるのが好ましく、特に好ましくは波長400
nmの光線透過率が70%以上であるのが良い。
【0029】本発明において、インク吸収層および多孔
質層には、本発明の特性を損なわない範囲で、消泡剤、
塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑材、
顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング
剤等の添加剤を添加してもよい。
【0030】試験例 以下に、試験例により本発明の効果をさらに詳細に説明
する。 試験例1 光線透過率の測定 実施例1の記録シートについて、波長400nmの光線
透過率測定を分光光度計U−3300(株式会社 日立
製作所製)で行った結果、光線透過率は78%と良好な
透明性を示した。
【0031】試験例2 インク吸収性の評価 実施例1、2、比較例1の記録シートに対し、キャノン
製インクジェットプリンター(BJC−600J)によ
り、シアン、イエロー、マゼンダ、ブラックの色各々を
ベタで印字して記録画像を形成し、印字後、一定時間ご
とに印字部上にPPCコピー紙をのせ、その上から25
0g/cmの荷重を10秒間かけた後、PPCコピ
ー紙をめくってインクの裏移りを目視で判断し、裏移り
が認められなくなる時間を測定した。
【0032】試験例3 耐水性の評価 実施例1、2、比較例1の記録シートに対し、キャノン
製インクジェットプリンター(BJC−600J)によ
り、シアン、イエロー、マゼンダ、ブラックの色各々を
ベタで印字して記録画像を形成し、印字後、印字部分を
水を含ませた綿棒で3往復拭き、綿棒へのインクの付着
具合を、下記の評価基準に従い目視で判断した。 ◎ 綿棒への付着なし ○ 綿棒へインクが少し付着し、印字部分が薄くなる × 拭いた部分の被覆層が完全に剥離する
【0033】試験例4 画像の解像度評価 実施例1、2、比較例1の記録シートに対し、キャノン
製インクジェットプリンター(BJC−600J)によ
り、イエローベースのマゼンタライン(幅100μm)
を印字後、顕微鏡で50倍に拡大してドットの観察を行
い、下記の評価基準に従い判断した。。 ◎ ドットの周囲への滲みがほとんどない ○ ドットの周囲への滲みが少しあり、実測値が120μmを超える × ドットの周囲への滲みがあり、隣接するイエローとマゼンダのドット の境目が不明瞭である
【0034】試験例5 耐ブロッキング性の評価 記録用シートを2枚以上重ねて、40g/cmの荷重
をかけ、40℃、90%RH湿度下で1日保存し、下記
の評価基準に従い判断した。 ◎ マッティング、ブロッキングともになし ○ マッティングはあるが、ブロッキングなし × ブロッキングしている
【0035】試験例2〜5の結果を表1に示す。
【表1】 表1の結果より、実施例1、2の記録シートは、比較例
1の記録シートに比べ、インクの吸収性、耐水性、画像
解像度、耐ブロッキング性のそれぞれについて優れてい
ることが分かる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げるが、これら
の例に限定されるものではない。 実施例1 厚さ100μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタ
レートフィルム(ICIジャパン製、メリネックス70
5)上に変性酢酸ビニル(日本合成化学製、OKS−7
158G)の15%水溶液を塗布し、120℃で3分間
乾燥して厚さ15μmのインク吸収層を設けた。さらに
この上に、酢酸セルロース(酸化度:55、平均重合
度:170)のメチルセロソルブ8%溶液100重量部
にシクロヘキサノール23.8重量部を添加したドープ
を塗布し、35℃、90%RHの雰囲気下で5分間乾燥
したのち、120℃で3分間乾燥して、平均孔径が0.
08μmの孔が高密度に存在する厚さ5μmの多孔質膜
を形成した。
【0037】実施例2 厚さ100μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタ
レートフィルム(ICIジャパン製、メリネックス70
5)上に変性酢酸ビニル(日本合成化学製、OKS−7
158G)の15%水溶液を塗布し、120℃で3分間
乾燥して厚さ15μmのインク吸収層を設けた。さらに
この上に、酢酸セルロース(酸化度:55、平均重合
度:170)のメチルセロソルブ8%溶液100重量部
にシクロヘキサノール45重量部を添加したドープを塗
布し、35℃、90%RHの雰囲気下で5分間乾燥した
のち、120℃で3分間乾燥して、平均孔径が1.1μ
mの孔が高密度に存在する厚さ5μmの白色多孔質膜を
形成した。
【0038】比較例1 厚さ100μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタ
レートフィルム(ICIジャパン製、メリネックス70
5)上に変性酢酸ビニル(日本合成化学製、OKS−7
158G)の15%水溶液を塗布し、120℃で3分間
乾燥して厚さ15μmのインク吸収層を設けた。
【0039】
【発明の効果】本発明の記録用シートは、記録用シート
は、インク吸収層の上に主として重合体からなる多孔質
層を設けることにより、多孔質層が保護層として作用
し、耐水性、耐ブロッキング性等の実用性に優れ、かつ
インクの吸収性、画像の解像度等の記録性にも優れてお
り、特にインクジェット記録用として、また、オフセッ
ト印刷、フレキソ印刷などの記録用シートに適してい
る。また、本発明の記録用シートの製造法により、イン
ク吸収層を損なうことなく、容易に記録用シートを製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の一例を示す断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 インク吸収層 3 多孔質層 4 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41J 2/01 C08J 7/04 H // C08J 7/04 B41J 3/04 101Y

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面にインク吸収層を
    設け、該インク吸収層の上に、主として重合体からなる
    多孔質層を設けたことを特徴とする記録用シート。
  2. 【請求項2】 多孔質層が、主として親水性重合体から
    なることを特徴とする請求項1記載の記録用シート。
  3. 【請求項3】 多孔質層が主として酢酸セルロースから
    なることを特徴とする請求項2記載の記録用シート。
  4. 【請求項4】 多孔質層の平均孔径が、0.005〜1
    0μmである請求項1記載の記録用シート。
  5. 【請求項5】 インク吸収層の厚さが5〜50μmであ
    り、多孔質層の厚さが1〜100μmである請求項1記
    載の記録用シート。
  6. 【請求項6】 波長400nmの光線透過率が70%以
    上である請求項1記載の記録用シート。
  7. 【請求項7】 多孔質層が、重合体をインク吸収層の上
    に塗布後、多孔性構成を形成することによって形成され
    ることを特徴とする請求項1記載の記録用シートの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 多孔質層が、主として重合体、該重合体
    の良溶剤、及び該良溶剤より高沸点である重合体の貧溶
    剤からなる塗布液をインク吸収層の上に塗布し、乾燥に
    より良溶剤及び貧溶剤を順次除去することによって形成
    されることを特徴とする請求項1記載の記録用シートの
    製造方法。 【0001】
JP9099801A 1997-04-01 1997-04-01 記録用シートおよびその製造方法 Pending JPH10278417A (ja)

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