JPH10277577A - 生物活性炭ろ過装置 - Google Patents

生物活性炭ろ過装置

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JPH10277577A
JPH10277577A JP9099632A JP9963297A JPH10277577A JP H10277577 A JPH10277577 A JP H10277577A JP 9099632 A JP9099632 A JP 9099632A JP 9963297 A JP9963297 A JP 9963297A JP H10277577 A JPH10277577 A JP H10277577A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性炭の表面の微生物の活性を維持しつつ、
集水装置の閉塞をもたらす集水装置への微生物の付着を
少量の消毒薬で防止し、かつ集水室や処理水槽での微生
物の繁殖も抑制できる生物活性炭ろ過装置を提供するこ
と。 【解決手段】 粒状活性炭の表面に微生物を付着させた
生物活性炭２の堆積層を有する生物活性炭ろ過装置１に
おいて、ろ床板９上に複数の集水装置３を配設し、その
集水装置３の近傍に消毒薬噴出用配管４を配設したこと
を特徴とする生物活性炭ろ過装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水、下水などの
水処理の分野で使用される生物活性炭ろ過装置に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、浄水場では、図４に示した系統図
のように、原水をまず沈砂池２１に導入し、砂を沈殿除
去し、次いで順次、凝集池２２、沈殿池２３、急速ろ過
槽２４、活性炭ろ過池２５で処理され、浄水池２６から
使用場所に配水される。近年、湖沼や河川における水質
汚濁が増加し、浄水場で高度浄水処理を行うため、活性
炭ろ過池２５において、粒状活性炭の表面に微生物を付
着させた生物活性炭を用いて有機物の除去を行う処理方
式が提案された。生物活性炭の堆積層を用いた生物活性
炭ろ過装置を用いて水処理を行うと、時間の経過ととも
に生物活性炭の堆積層内で微生物が繁殖し、集水装置に
付着し、集水装置の閉塞を起こしたり、微生物が処理水
中に混入してしまうことがある。そのため、比較的短期
間に逆洗を行わなければならない。微生物による集水装
置の閉塞や微生物の流出を防ぐためには、消毒液により
逆洗をすることがしばしば行われるが、消毒薬によって
生物活性炭の生物膜、すなわち、有用な微生物を死滅さ
せてしまうという問題があった。
【０００３】この問題を解決するため、特開平３−２３
２５９１号公報には、生物活性炭層の下に砂ろ過層を設
け、この砂ろ過層の中に薬液噴出配管を配設した生物活
性炭処理装置が開示されている。この装置では、砂ろ過
層中に消毒薬を噴出させて薬液の充満した砂ろ過層を形
成し、この層内で生物活性炭側から流下する後生動物を
死滅させ、砂ろ過層より下方には後生動物が流下しない
ようにし、逆洗を行う場合には、薬液の噴出を停止し、
生物活性炭の活性を損なわないようにする。しかしなが
ら、この方法では砂ろ過層に薬液を充満させておくた
め、相当量の薬液を使用することになり、それだけ多量
の消毒薬が処理水に混入することになる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解消し、活性炭の表面の微生物の活性を維
持しつつ、集水装置の閉塞をもたらす集水装置への微生
物の付着を少量の消毒薬で防止し、かつ集水室や処理水
槽での微生物の繁殖も抑制することができる生物活性炭
ろ過装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、集水装置の近
傍に薬液を噴出しうる配管を配設することによって上記
課題を解決したものである。すなわち、本発明による生
物活性炭ろ過装置は、粒状活性炭の表面に微生物を付着
させた生物活性炭の堆積層を有する生物活性炭ろ過装置
において、ろ床板上に複数の集水装置を配設し、その集
水装置の近傍に消毒薬噴出用配管を配設したことを特徴
とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の生物活性炭ろ過装置にお
いて、ろ床板としては、生物活性炭の堆積層を支持でき
る強度を有し、かつ、集水装置と連通する通水路を有す
るものであれば、特に制限はない。また、集水装置とし
ては、集水孔を有するものであれば、特に制限はなく、
例えば、集水ノズル、有孔ブロック、ポーラス状の細孔
を数多く有するコンクリート製ろ床板などが挙げられ
る。さらに、消毒薬噴出用配管としては、下側及び水平
方向に複数のノズル孔を有する配管が用いられる。消毒
薬としては、特に制限はなく、塩素を水に溶解させたも
の、次亜塩素酸ナトリウム水溶液などを使用することが
できる。
【０００７】
【実施例】次に、図面を参照して本発明を実施例に基づ
いて詳細に説明する。図１は、本発明の第一の実施例を
示す生物活性炭ろ過装置の略示縦断面図であり、図２
は、図１に示したろ過装置の消毒薬噴出用配管を通る略
示横断面図である。図１及び２において、生物活性炭ろ
過装置１内には、生物活性炭２がろ床板９上に堆積され
ており、このろ床板９上には集水装置３が多数配設され
ている。集水装置３の上部近傍には、消毒薬噴出用配管
４が配管支持体５に支持されて配設されている。消毒薬
噴出用配管４には、装置外部に付設された消毒薬注入口
８から消毒薬が注入される。ろ床板９は、梁６で支持さ
れている。
【０００８】この装置を用いて水のろ過を行う場合に
は、定期的に消毒薬注入口８から消毒薬を注入し、ろ過
を行う。この方式では、消毒薬と接触する活性炭は、全
体の一部であり、ろ層全体としては微生物に対する薬品
の影響は少なく、集水装置３及び集水室７、さらにその
後段の処理水槽内での微生物の繁殖も抑制することがで
きる。この装置でろ過を行うと、処理水中に消毒薬が混
入するが、本発明においては消毒薬は集水装置の殺菌を
目的として用いられるため、集水装置付近で一定濃度で
あれば充分であり、極めて少量の消毒薬で充分である。
【０００９】図１及び２に示した装置で逆洗工程を行う
場合には、処理水に含まれる消毒薬の濃度は極めて低い
ので、消毒薬を含む処理水を用いて逆洗を行っても生物
活性炭の微生物に影響をほとんど及ぼさないが、まず、
消毒薬の供給を停止し、一定時間ろ過を行い、消毒薬が
残留しない状態で逆洗操作を行うのが好ましい。また、
複数の生物活性炭ろ過装置を有する設備である場合に
は、装置毎に異なる時期に消毒薬を供給し、同時に消毒
薬の供給を行わないようにし、処理水槽で消毒薬を含む
処理水が消毒薬を含まない処理水で希釈されるように調
整し、消毒薬濃度がよりいっそう希釈された処理水を用
いて逆洗を行うのが好ましい。
【００１０】図３は、本発明の第二の実施例を示す生物
活性炭ろ過装置のろ床板部分の略示断面図である。この
実施例では、ろ床板１０内に消毒薬噴出用配管１１が埋
め込まれている。消毒薬噴出用配管１１は、消毒薬噴出
ノズル１４を有し、消毒薬注入口１５から注入された消
毒薬を消毒薬噴出ノズル１４から矢印の方向に噴出して
近傍の集水装置１３に微生物が付着するのを防止する。
ろ床板１０には通水路１２に連通する位置に集水装置１
３が配設されており、ろ過水は、実線の矢印の方向に流
れ、逆洗水は点線で示した矢印の方向に流れる。
【００１１】第二の実施例の生物活性炭ろ過装置は、第
一の実施例に比べて生物活性炭の堆積層内に消毒薬噴出
配管及び配管支持体を配設する煩雑さを解消したもの点
で好適であり、また、ろ床板に消毒薬噴出ノズルを付設
するため、消毒薬の注入点を増加し、消毒薬の分配を一
様に行うことを可能にする。また、第一の実施例の装置
では、消毒薬噴出用配管及び配管支持体によって活性炭
の流動性が阻害されることがあるため、部分的に微生物
に対する消毒薬の影響が大きくなることがあるが、第二
の実施例では活性炭の流動性を阻害するものはなく、消
毒薬の影響を極めて少なくすることができる。
【００１２】
【発明の効果】本発明の生物活性炭ろ過装置によれば、
生物活性炭の機能低下を抑えながら、集水装置に付着す
る微生物を死滅させ、集水装置の閉塞を防止することが
できる。消毒薬の使用濃度及び使用量も少ないため、処
理水をそのまま逆洗水として用いても生物活性炭の活性
をほとんど阻害しないが、逆洗工程に先立って消毒薬の
供給を停止し、消毒薬がほとんどなくなるまでろ過を続
けた後に逆洗を行うか、あるいは消毒薬を含まない処理
水で希釈して逆洗を行うことにより、生物活性炭に対す
る消毒薬の影響を極めて少なくすることができる。さら
に、ろ床板に消毒薬噴出用配管を埋め込んだ構成とする
ことにより、生物活性炭の堆積層内に消毒薬噴出配管及
び配管支持体を配設する煩雑さを解消するとともに、消
毒薬噴出配管及び配管支持体による生物活性炭の流動性
の阻害を解消することができ、消毒薬を多数の消毒薬噴
出ノズルに一様に分配することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一の実施例を示す生物活性炭ろ過装
置の略示縦断面図である。
【図２】図１に示した装置の消毒薬噴出用配管を通る略
示横断面図である。
【図３】本発明の第二の実施例を示す生物活性炭ろ過装
置のろ床板部分の略示断面図である。
【図４】浄水場における水の処理系統図である。
【符号の説明】
１ 生物活性炭ろ過装置 ２ 生物活性炭 ３ 集水装置 ４ 消毒薬噴出用配管 ５ 配管支持体 ６ 梁 ７ 集水室 ８ 消毒薬注入口 ９ ろ床板 １０ ろ床板 １１ 消毒薬噴出用配管 １２ 通水路 １３ 集水装置 １４ 消毒薬噴出ノズル １５ 消毒薬注入口 ２５ 活性炭ろ過池

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 粒状活性炭の表面に微生物を付着させた
    生物活性炭の堆積層を有する生物活性炭ろ過装置におい
    て、ろ床板上に複数の集水装置を配設し、その集水装置
    の近傍に消毒薬噴出用配管を配設したことを特徴とする
    生物活性炭ろ過装置。
  2. 【請求項２】 消毒薬噴出用配管がろ床板内に埋め込ま
    れている請求項１記載の生物活性炭ろ過装置。
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