JPH10277276A - 往復動式切断手工具の内刃とその製造方法 - Google Patents

往復動式切断手工具の内刃とその製造方法

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JPH10277276A
JPH10277276A JP9187297A JP9187297A JPH10277276A JP H10277276 A JPH10277276 A JP H10277276A JP 9187297 A JP9187297 A JP 9187297A JP 9187297 A JP9187297 A JP 9187297A JP H10277276 A JPH10277276 A JP H10277276A
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width
plate
holes
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JP9187297A
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Toshiyuki Yoshida
敏之 吉田
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TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】切断性能を向上できひげ等を素早く切断できる
と共に、切断ヘッドを幅方向に小形にする場合に有利な
往復動式電気かみそりの内刃を得ることにある。 【解決手段】多数の刃孔を有して湾曲された内刃板53
の両固定端部53bを内刃台52の幅方向両側面にかし
め突起55をかしめ潰して夫々固定してなり、多数の刃
孔を有して湾曲された外刃35の内面に内刃板を摺動さ
せて各刃孔に通されたひげを切断する往復動式電気かみ
そりの内刃51を前提とする。内刃台52に固定される
両固定端部53b間の幅よりも、多数の刃孔を有する内
刃板主部53aの幅を大きく形成する。外刃35の内面
を摺動する内刃板主部53aを湾曲させて、内刃板53
全体を頭でっかちの形状とする。それにより、外刃35
との間の有効切断可能幅W1を大きくすると共に、内刃
板35の最大幅内にかしめ突起55を位置させることを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の刃孔を有し
て湾曲された板状の外刃の内面を摺動して前記刃孔に通
されるひげや毛玉等を切断する往復動式電気かみそりや
毛玉取り等の往復動式切断手工具が備える内刃とその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】往復動式電気かみそりが備える内刃の中
には、多数の刃孔を有した金属板製の一枚の内刃板を、
内刃の往復動方向と直角に交差する方向に湾曲して、そ
の両固定端部を内刃台に固定した構成の内刃がある。こ
の種の内刃は、ホイール内刃又はネット内刃と通称され
ており、軽量であるとともに、製造コストの低減に役立
つという点で優れている。
【0003】従来のこの種の内刃を備えた往復動式電気
かみそりの切断ヘッドまわりの構成が図5の断面図に示
されている。この図中1は内刃取付け軸に着脱可能に挿
着された内刃ホルダである。このホルダ1は図示しない
本体ケースの幅方向(図5ではそれを描いた紙面の表裏
方向)に往復動される内刃駆動子の中央部から突出され
た駆動軸に取付けられている。前記本体ケースの上部に
は、このケースに対して上方に着脱可能な下部フレーム
2aと、このフレーム2aの上側に連結された上部フレ
ーム2bとで形成されるフレーム体2が取付けられてい
る。
【0004】上部フレーム2bには多数の刃孔を有して
湾曲された外刃3が取付けられている。図示の例では外
刃3は一対設けられ、これらは、一側部を上部フレーム
2bに掛合される中央縁部材3aに固定するとともに、
他端部に取付けた縁部材3bを上部フレーム2bの内面
の凹み部に引っ掛けて上方に凸となる湾曲状態に保持さ
れている。
【0005】前記内刃ホルダ1には各外刃3に個別に対
応する一対の内刃4が上下方向に移動可能に支持されて
いる。各内刃4は、図示しない前記本体ケースの幅方向
に延びる合成樹脂製の内刃台5と、多数の刃孔(図示し
ない)を有して前記外刃3の内面形状に応じて上方に凸
となるように湾曲された金属板製の内刃板6とを備えて
いる。内刃台5は、前記内刃ホルダ1が有する内刃支え
7に連結して支持されているとともに、内刃支え7の下
側に配置されたばね8で押し上げられている。それによ
り、内刃4の内刃板6の外周面が外刃3の内面に押付け
られるようになっている。
【0006】したがって、この電気かみそりにおいて、
本体ケース内の図示しないモータを運転して内刃駆動子
を介して内刃ホルダ1を往復移動させると、内刃4の内
刃板6が外刃3の内面を摺動するから、外刃3および内
刃板6の刃孔を通るひげを、これら両刃3、4間で切断
して、ひげそりをすることができる。
【0007】又、図5に示された前記構成の内刃4は次
の手順で製造される。この内刃4の製造は、内刃板6を
なす平板状の金属板製ブランクと、合成樹脂の成型品か
らなる内刃台5とを用意して行われる。前記ブランク
は、その両固定端部6aに予め複数の固定孔(図示しな
い)が夫々設けられているとともに、これら固定端部6
a間の内刃板主部6aに多数の刃孔(図示しない)が予
め設けられたものである。内刃台5の幅方向両側面には
夫々複数のかしめ突起5aが突設されている。
【0008】まず、内刃板6の一方の固定端部6bの各
固定孔を内刃台6の一側面の各かしめ突起5aに夫々嵌
合させてから、各かしめ突起5aをかしめ潰す。それに
より、内刃板6の前記一方の固定端部6bが内刃台5の
一側面に固定される。この状態は図6(A)に示されて
いる。次に、内刃板6をその弾性力に抗して上方に凸と
なるように内刃台5方向に湾曲させて、この内刃台5の
他側面の各かしめ突起5aに、内刃板6の他方の固定端
部6bの固定孔を夫々嵌合させる。そして、この状態
で、前記他端面の各かしめ突起5aを夫々かしめ潰し
て、内刃板6の前記他方の固定端部6bを内刃台5の他
側面に固定する。こうして組立てられた内刃4の状態は
図6(B)に示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の内刃4の製造方
法では、内刃板6をなす金属製ブランクがその自由状態
である平板状態から内刃台5に対する組み付けを始める
ので、前記のように内刃台5の片側ずつ前記ブランクを
かしめ付ける必要がある。すなわち、一つの内刃4を作
るのに2回のかしめ作業が必要であり、それに伴い、内
刃4の製造に時間が掛かって、製造コストが高いという
問題がある。
【0010】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、製造時間が短くて済み製造コストを低減で
きる往復動式切断手工具の内刃製造方法を得ることにあ
る。更に、従来の製造方法では、金属板製ブランクの一
方の固定端部6bを内刃台5にかしめ付けた後、このブ
ランクの他方の固定端部6bを内刃台5にかしめ付ける
際には、湾曲された前記ブランクがその弾性力により復
元しようとしているので、それに抗して固定孔がかしめ
突起5aから外れないようにする措置を特別に講じる必
要がある。そのため、2回目のかしめ付け作業は手間が
掛かり、この点も、内刃4の製造時間と製造コストとを
増やす要因の一つであった。
【0011】したがって、本発明が解決しようとする第
2の課題は、前記第1の課題を解決するにあたり、製造
時間をより短く、製造コストをより低減できる往復動式
切断手工具の内刃製造方法を得ることにある。
【0012】又、従来の製造方法により作られた内刃4
の内刃板6は、図6(B)に示されるように内刃台5に
固定される両固定端部6b間の幅C1と、湾曲された内
刃板主部6aの幅Cとが等しい構成となる。そのため、
図5に示すように内刃板6と外刃3との接触幅、言い換
えれば、ひげ等を有効に切断し得る有効切断可能幅W2
が狭く、したがって、切断性能が比較的低く、素早いひ
げ剃り等の切断を行うには不利であるという問題があ
る。
【0013】なお、従来の内刃4において内刃台5の幅
を大きくすれば前記有効切断可能幅W2を広くできる
が、このようにする場合には切断ヘッドの幅W4(図5
参照)が大きくなり、このヘッドの大きさに合わせて本
体ケースを形成する場合には、往復動電気かみそり等切
断手工具全体がの幅が増大してしまい、持ちづらくなっ
てしまうなど実際的な解決策とは言えない。
【0014】しかも、前記内刃4の構成では、図6
(B)に示すように内刃板6の最大の幅C1又はC2の
外側に潰されたかしめ突起5aが突出しているから、こ
れらの突起5aに外刃3の縁部材3bが当たらないよう
に設計しなければならない。そのため、図5に示す切断
ヘッドの幅W4が大きくなってしまうという問題もあ
る。したがって、本発明が解決しようとする第3の課題
は、切断性能を向上できてひげ等を素早く切断できると
ともに、切断手工具の切断ヘッドを幅方向に小形にする
場合に有利な往復動式切断手工具の内刃を得ることにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、請求項1の発明方法は、多数の刃孔を有して
湾曲された内刃板の両固定端部を内刃台の幅方向両側面
に夫々かしめ付けてなり、多数の刃孔を有して湾曲され
た外刃の内面に前記内刃板を摺動させて前記各刃孔に通
されたものを切断する往復動式切断手工具の内刃の製造
方法であって、固定孔を有する前記両固定端部間に前記
刃孔が設けられた平板状の金属製ブランクを、前記外刃
の内面形状に応じた湾曲形状を自ら保持できるように塑
性変形させて前記内刃板を得る曲げ工程と、前記固定孔
を前記内刃台の幅方向両側面に夫々突設されているかし
め突起に夫々嵌合させてから、前記内刃台の幅方向両側
から前記かしめ突起を同時にかしめ潰して、前記内刃台
に前記内刃板を固定する連結工程と、を具備したもので
ある。
【0016】この請求項1の発明方法においては、外刃
の内面形状に応じた湾曲形状に金属製ブランクを塑性変
形させる曲げ工程を経ることによって、内刃板を内刃台
に連結する以前に、この内刃板の形状を前記湾曲形状に
保持できるので、次の連結工程において、内刃板の両固
定端部に夫々形成された固定孔を内刃台両側面のかしめ
突起に嵌合させた後に、これらの突起を同時にかしめ潰
して、内刃板と内刃台とを組み立てることができる。す
なわち、内刃板と内刃台とを連結するに必要とされるか
しめ作業を一度に行うことができる。
【0017】前記第2の課題を解決するために、請求項
1に従属する請求項2の発明方法は、前記曲げ工程が、
前記内刃板の両端部間の幅を前記内刃台の幅よりも狭く
して前記内刃板を得ることを特徴とするものである。
【0018】この請求項2の発明方法は、前記第1の課
題を解決する上において、次の作用がある。すなわち、
前記連結工程において固定孔をかしめ突起に夫々嵌合し
た時に、内刃板の両固定端部は夫々内刃台の両側面に弾
性的に当接して内刃台を挟むから、前記嵌合が終わった
状態において内刃台に対して内刃板をその弾性力により
不用意にがたつかないように仮止めできる。それによ
り、かしめ突起から固定孔が外れないようにする手間を
不要にできる。
【0019】請求項3の発明は、内刃台のかしめ突起を
有する幅方向両側面に、多数の刃孔を有して湾曲された
内刃板の両固定端部を夫々前記かしめ突起をかしめ潰す
ことで固定してなり、多数の刃孔を有して湾曲された外
刃の内面に前記内刃板を摺動させて前記各刃孔に通され
たものを切断する往復動式切断手工具の内刃を前提とす
る。
【0020】そして、前記第3の課題を解決するため
に、前記内刃台に固定される前記両固定端部間の幅より
も、前記多数の刃孔を有する内刃板主部の幅を大きくす
るとともに、前記外刃の内面を摺動する前記内刃板主部
を湾曲形状としたことを特徴とするものである。
【0021】この請求項3の発明においては、内刃板が
有する内刃板主部の幅が内刃台に固定される内刃板の両
固定端部間の幅よりも大である。言い換えれば、内刃台
の幅に制約されることなくいわゆる頭でっかちの構成と
なっているから、ひげ等を有効に切断し得る内刃板と外
刃との接触幅を大きく、すなわち、有効切断可能幅を大
きく確保できる。その上、前記のように頭でっかちの構
造であることに基づき、その頭部に当たる内刃板主部の
幅内に内刃と内刃台とのかしめ突起が位置されるので、
外刃の側縁部を内刃台側に近づける設計とした場合にお
いてもかしめ突起と外刃との接触を回避できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明の第1の実施の形態を説明する。
【0023】図1及び図2は往復動式切断手工具として
の往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの構成を示
しており、これらの図中21は本体ケースで、この内部
にはモータ22の他、蓄電池、各種の電気部品を搭載し
た回路基板等が収容されている。本体ケース21の前面
(正面)には図2に示すスイッチつまみ23が設けら
れ、このつまみ23をオン・オフ操作することでモータ
22の運転が制御されるようになっている。更に、本体
ケース21はその上端部にねじ止めされたトップカバー
24を有している。
【0024】このカバー24と本体ケース21の上端壁
との間に空間には内刃駆動子25が収容されている。こ
の駆動子25は両側部に薄板状の可撓変形部を有してお
り、これら変形部間の硬質部分に形成された溝25aに
は駆動軸26が嵌合されている。駆動軸26は、モータ
22の回転軸22aに接続されて、この回転軸22aに
対してモータ22の動力で偏心回転されるものである。
この駆動軸26の偏心回転に伴い内刃駆動子25はその
可撓変形部の撓みを伴って本体ケース21の幅方向に往
復動されるようになっている。
【0025】内刃駆動子25の硬質部分の中央部にはト
ップカバー24外に突出する上向きの内刃取付け軸27
が突設され、この軸27には内刃ホルダ28が着脱可能
に挿着されている。なお、図1中29は、内刃駆動子2
5の往復動を許すとともに、切断されたひげ屑が本体ケ
ース21内に入り込むことを防止するためのゴム製のシ
ールパッキンである。
【0026】本体ケース21にはトップカバー24をそ
の周囲から覆ってフレーム体31が取外し可能に取付け
られている。フレーム体31は、トップカバー24に対
して左右一対の掛止解除ボタン32を介して上方に着脱
可能な下部フレーム31aと、このフレーム31aの上
側に連結された上部フレーム31bとで形成されてい
る。なお、図1中33はばねであって、そのばね力に抗
して前記ボタン32が押し込まれ、それによって、フレ
ーム体31を取り外し得るようになっている。
【0027】上部フレーム31bには金属薄板製の外刃
34が取付けられている。図示の外刃34は、多数の刃
孔(図示しない)を有して上向きに凸となるアーチ状に
湾曲された一対の外刃板35の一側部に合成樹脂製の共
通縁部材36を夫々かしめて固定するとともに、他側部
に合成樹脂製の端部縁部材37を夫々かしめて固定して
形成されている。この外刃34は、共通縁部材36の長
手方向両端を夫々上部フレーム31bの内側に引っ掛け
るとともに、左右の端部縁部材37を上部フレーム31
bの内面の凹み部38に夫々引っ掛けて上方に凸となる
湾曲状態に保持されている。端部縁部材37は凹み部3
8内に上下方向の遊びをもって係合され、それによっ
て、外刃板35は多少上下方向に動くことができるよう
に設けられている。
【0028】前記内刃ホルダ28には上向きの軸41を
有した一対の内刃支えベース42が取付けられ、これら
のベース42上には軸41をガイドとして昇降可能な内
刃台支え43が組合わされている。内刃台支え43は、
軸41に巻装されたばね44で上方向に付勢されてお
り、後述の内刃が押されたときに、この内刃とともに内
刃支えベース42側に逃げることができるようになって
いる。各内刃台支え43の上部両側面には枢軸45が夫
々一体に突設されている。
【0029】これら一対の内刃台支え43上には夫々内
刃51が個々に支持されている。各内刃51は、ポリ汗
タールやABS等の合成樹脂又は軽金属からなる内刃台
52と、刃物用ステンレス等の焼き入れができる金属板
を後述のように加工して形成され内刃台52に連結され
た一枚構造の内刃板53とから形成されている。内刃台
52をポリアセタール製とすることは、強度上の信頼性
が台であり、後述のかしめ作業に十分適合し得る点で優
れている。
【0030】内刃台52は複数のブリッジ部52aを有
して略はしご状をなし、その長手方向中央部に設けた軸
受け孔54を枢軸45に嵌合させて取付けられている。
そのため、内刃51は枢軸45を中心として長手方向に
シーソー運動ができるように支持されているとともに、
前記ばね44の力に抗して上下方向にも移動し得るよう
に設けられている。更に、内刃台52の幅方向両側面の
夫々には長手方向に間隔的に位置される複数のかしめ突
起55が一体に突設されている。
【0031】内刃板53は、外刃34の内面を摺動する
方向、言い換えれば、本体ケース21の幅方向と直交す
る方向に湾曲されて上に凸となる頭でっかちのアーチ状
をなすとともに、その形状を自ら維持できる一枚の金属
板で形成されている。詳しくは、図2〜図4等に示され
るように外刃板35の内面に倣う湾曲部をなす内刃板主
部53aと、この主部53aの両端から夫々一体に延出
された平板状の固定端部53bとを具備している。
【0032】図3及び図4等に示されるように両固定端
部53b間の内刃板主部53aには、その全域にわたり
刃孔56が多数開けられている。これらの刃孔56は例
えば直方形状の角孔で形成されているが、その孔形状及
び配設パターンは種々の形状を選択できる。湾曲された
内刃板主部53aの幅A1は、内刃51全体の最大幅を
なすものであって、両固定端部53bの外面間の幅A2
より大きく設定されている。
【0033】内刃51の両固定端部53bは、内刃51
の自由状態では図4(B)に示されるように内刃51の
幅方向に対向するとともに、これら両固定端部53bの
内面間の幅B1は内刃台52の幅B2より狭くしてあ
る。したがって、前記各幅の相互関係は、A1>A2>
B2>B1となっている。更に、図4(A)に示される
ように両固定端部53bの夫々には複数の固定孔57が
穿たれている。これらの固定孔57は前記かしめ突起5
5に対応して内刃板53の長手方向に間隔的に設けられ
ている。
【0034】そして、前記構成の内刃板53は、その両
固定端部53bで内刃台52を幅方向両側から挟持した
状態で、かしめ突起55を夫々かしめ潰すことにより内
刃台52に連結されて、この内刃台52とともに、図3
に示される内刃51を形成している。
【0035】内刃51は、曲げ工程と、連結工程とを経
て製造される。次に詳しく説明する。曲げ工程では内刃
板53を平面状に展開した平板に相当する金属板製ブラ
ンクが用意される。このブランクは、その両端部に固定
孔57が夫々設けられているとともに、これらの孔57
を有した両固定端部53b間に多数の刃孔56を有した
内刃板主部53aを設けてなる。前記ブランクには外刃
34よりも肉厚であって塑性変形ができる金属板が使用
される。なお、刃孔56及び固定孔57は、プレス機械
や放電加工機等による孔開け加工で形成されたものであ
り、又、このブランクの表面(後述の湾曲の外側の面)
には前記外刃34とのなじみを良くするための研磨加工
が施されているものである。
【0036】曲げ工程では、前記ブランクにおける内刃
板主部53a相当部分を塑性変形させながら外刃34の
内面形状に応じた湾曲形状に曲げることによって、前記
湾曲形状を自ら保持できるようにするとともに、この湾
曲部、つまり湾曲された内刃板主部53aが頭部となる
ように固定端部53bを平板形状を維持したまま曲げ
る。これら固定端部53bと湾曲された内刃板主部53
aとは、その外面間を鈍角状にして連続される。
【0037】この工程により得た内刃板53の形状は図
4(B)に示されている。すなわち、湾曲された内刃板
主部53aの幅A1をもって内刃51の最大幅を規定
し、この主板部53aに対して多少内側に倒れ込むよう
に斜めに連なった両固定端部53bの内面間の幅B1は
内刃台52の幅A2より少し狭く形成されており、それ
により内刃板53を側面方向から見た全体形状はいわゆ
る頭でっかちをなしている。なお、こうして得た内刃板
53については、必要に応じて硬度を高めるための焼き
入れ処置が施される。
【0038】次の連結工程は、前記頭でっかちの内刃板
53と内刃台52とを用意して、これらを連結して内刃
51を組み立てる工程である。
【0039】詳しくは、まず、内刃板53を弾性変形さ
せて両固定端部53b間を開きながら、これらの端部5
3b間に内刃台52を導き入れて、この内刃台52の各
かしめ突起55に固定端部53bの固定孔57を夫々嵌
合する。この嵌合に伴って内刃板53の弾性力で両固定
端部53bが内刃台52の両側面に夫々圧接して、内刃
板53は内刃台52を幅方向両側から挟んだ状態で仮止
めされる。それにより、以上のように組合わされた内刃
台52と内刃板53とが不用意に分解する恐れがないと
ともに、格別な位置規制手段を要することなく、内刃板
53を幅方向にがたつくことなく内刃台52に保持させ
ることができる。
【0040】次に、前記組合わせ状態の内刃板53とと
もに内刃台52を図示しないかしめ装置にセットした
後、内刃台52の幅方向両側から同持に、この内刃台5
2に向って移動される前記かしめ装置のかしめ用ハンマ
ーで、前記固定孔57を貫通した各かしめ突起55をか
しめ潰す。なお、以上は常温下での機械的なかしめ作業
であるが、これに代えて内刃台52が熱可塑性の合成樹
脂製である場合には、かしめ突起55に熱を加えながら
軟化させつつ押し潰すかしめ作業、いわゆる熱かしめを
採用してもよい。
【0041】こうして組立てられた内刃51は図3に示
されており、固定端部53bより突出して潰されたかし
め突起55は、内刃板主部53aの最大の幅A1の内側
に位置されている。
【0042】以上説明した内刃51の製造方法によれ
ば、外刃34の内面形状に応じた湾曲形状に金属製ブラ
ンクを塑性変形により湾曲させる曲げ工程を経ることに
よって、内刃板53を内刃台52に連結する以前に、こ
の内刃板53の形状を前記湾曲形状に保持できる。その
ため、次の連結工程において、内刃板53の両固定端部
53bに夫々形成された固定孔57を内刃台52の両側
面のかしめ突起55に嵌合させた後、これらの突起55
を同時に内刃台52の幅方向両側からかしめ潰して、内
刃板53を内刃台52にかしめ付けて、内刃51を組み
立てることができる。
【0043】すなわち、内刃板53と内刃台52とを連
結するに必要とされるかしめ作業を一度に行うことがで
きるものであり、したがって、内刃51の製造時間が短
くて済み製造コストを低減できる。
【0044】しかも、前記連結工程において固定孔57
をかしめ突起55に夫々嵌合した時には、内刃板53の
両固定端部53bが夫々内刃台52の両側面に弾性的に
当接して内刃台52を挟むから、前記嵌合が終わった状
態において内刃台52に対して内刃板53をその弾性力
により不用意に外れたりがたつかないように仮止めでき
る。したがって、かしめ突起55から固定孔57が外れ
ないようにする手間を不要にできるから、製造時間をよ
り短くできて、製造コストもより低減できる。又、前記
のように内刃台支え43上に支持された内刃51は、そ
の下方からばね44で押し上げられるので、その内刃板
53の外周端面は外刃板35の内面に押付けられて密接
している。したがって、この往復動式電気かみそりにお
いて、モータ22を運転して内刃駆動子25を左右方向
に往復移動させると、内刃板53が外刃板35の内面を
摺動するから、外刃板35の刃孔を通るひげを、内刃5
1の内刃板53の刃孔56と外刃板35の刃孔との間で
切断して、ひげそりをすることができる。
【0045】こうしたひげそりにおいて、外刃34の内
面を摺動する内刃51の構造は、既述のように内刃板5
3が有する湾曲された内刃板主部53aの幅A1が内刃
台52に固定された両固定端部53b間の幅A2よりも
大であり、言い換えれば、内刃台52の幅B2に制約さ
れることなくいわゆる頭でっかちとなっている。そのた
め、ひげを有効に切断し得る内刃板53と外刃34との
接触幅からなる有効切断可能幅W1を、図1に示される
ように大きく確保できる。したがって、ひげの切断性能
が向上されるから、早剃り性能が向上してひげを素早く
切断することができる。
【0046】更に、内刃51が前記のように頭でっかち
の構造であることに基づき、その頭部に当たる内刃板主
部53aの幅A1内にかしめ突起55が位置されるの
で、外刃34の両側部を内刃台52側に近づける構成を
採用する場合にも、かしめ突起55と外刃34との接触
を回避できる。そのため、こうした干渉を回避するため
にスペースを大きく要することがなくなり、したがっ
て、切断ヘッドを幅方向に小形にする場合に有利である
とともに、切断ヘッドに合わせて本体ケースを形成して
も持ちずらくなる恐れがなくなるものである。
【0047】しかも、前記のようにして剃られたひげの
屑は刃孔56を通って下方へ落下される。この場合、内
刃51はその幅方向中央部に長手方向に連続して延びる
構造物を有していないから、ひげ屑は、はしご状の内刃
台52のブリッジ部52a(図1参照)に僅かに付着す
るだけである。したがって、ひげ屑の内刃台52への付
着を少なくできるとともに、付着したひげ屑を内刃台5
2の裏側から除去する掃除においても、掃除空間が多
く、しかも、内刃板53が邪魔になることが少ないか
ら、ひげ屑の掃除を内刃台52の裏側から容易に行うこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0049】請求項1に記載の発明方法によれば、内刃
板と内刃台とを連結するに必要とされるかしめ作業を一
度に行えるので、製造時間が短くて済み製造コストを低
減できる。
【0050】請求項1に従属する請求項2に記載の発明
方法によれば、請求項1の発明の効果の実現にあたり、
前記連結工程において固定孔をかしめ突起に夫々嵌合し
終わった状態で内刃台に対して内刃板をその弾性力によ
り不用意にがたつかないように仮止めして、かしめ突起
から固定孔が外れないようにする手間を不要にできるか
ら、製造時間をより短く、製造コストをより低減でき
る。
【0051】請求項3に記載の発明に係る内刃によれ
ば、ひげ等を有効に切断し得る内刃板と外刃との接触幅
からなる有効切断可能幅を大きく確保できるので、切断
性能を向上できてひげ等を素早く切断できるとともに、
内刃板主部の幅内に内刃と内刃台とのかしめ突起を位置
させて、これら突起と外刃との接触を回避できるから、
この接触回避のためにスペースを大きく要することがな
くなり、したがって、切断手工具の切断ヘッドを幅方向
に小形にする場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る内刃
を備えた往復動式電気かみそりの切断ヘッドまわりの構
成を示す縦断正面図。(B)は図1(A)に示された切
断ヘッドまわりの構成を示す縦断側面図。
【図2】第1の実施の形態に係る内刃を備えた往復動式
電気かみそりの切断ヘッドまわりの要部の構成を拡大し
て示す縦断側面図。
【図3】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の構成を
示す正面図。(B)は第1の実施の形態に係る内刃の構
成を拡大して示す側面図。
【図4】(A)は第1の実施の形態に係る内刃の構成を
分解して示す正面図。(B)は第1の実施の形態に係る
内刃の構成を分解し拡大して示す側面図。
【図5】従来例に係る内刃を備えた往復動式電気かみそ
りの切断ヘッドまわりの構成を示す縦断側面図。
【図6】(A)は従来例に係る内刃の製造方法を説明す
るための側面図。(B)は従来の製造方法によって製造
された内刃の構成を示す側面図。
【符号の説明】
34…外刃、 35…外刃板、 51…内刃、 52…内刃台、 53…内刃板、 53a…内刃板主部、 53b…固定端部、 55…固定孔、 57…かしめ突起、 56…刃孔、 A1…内刃板主部の幅、 A2…固定端部(の外面)間の幅、 B1…固定端部(の内面)間の幅、 B2…内刃台の幅。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の刃孔を有して湾曲された内刃板の両
    固定端部を内刃台の幅方向両側面に夫々かしめ付けてな
    り、多数の刃孔を有して湾曲された外刃の内面に前記内
    刃板を摺動させて前記各刃孔に通されたものを切断する
    往復動式切断手工具の内刃の製造方法であって、 固定孔を有する前記両固定端部間に前記刃孔が設けられ
    た平板状の金属製ブランクを、前記外刃の内面形状に応
    じた湾曲形状を自ら保持できるように塑性変形させて前
    記内刃板を得る曲げ工程と、 前記固定孔を前記内刃台の幅方向両側面に突設されてい
    るかしめ突起に夫々嵌合させてから、前記内刃台の幅方
    向両側から前記かしめ突起を同時にかしめ潰して、前記
    内刃台に前記内刃板を固定する連結工程と、を具備した
    往復動式切断手工具の内刃製造方法。
  2. 【請求項2】前記曲げ工程が、前記内刃板の両固定端部
    間の幅を前記内刃台の幅よりも狭くして前記内刃板を得
    ることを特徴とする請求項1記載の往復動式切断手工具
    の内刃製造方法。
  3. 【請求項3】内刃台のかしめ突起を有する幅方向両側面
    に、多数の刃孔を有して湾曲された内刃板の両固定端部
    を夫々前記かしめ突起をかしめ潰すことで固定してな
    り、多数の刃孔を有して湾曲された外刃の内面に前記内
    刃板を摺動させて前記各刃孔に通されたものを切断する
    往復動式切断手工具の内刃であって、 前記内刃台に固定される前記両固定端部間の幅よりも、
    前記多数の刃孔を有する内刃板主部の幅を大きくすると
    ともに、前記外刃の内面を摺動する前記内刃板主部を湾
    曲形状としたことを特徴とする往復動式切断手工具の内
    刃。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003022535A1 (fr) * 2001-09-10 2003-03-20 Matsushita Electric Works, Ltd. Prodede de fabrication de lame interieure de rasoir electrique

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