JPH10276031A - 指向性ビーム制御装置 - Google Patents

指向性ビーム制御装置

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JPH10276031A
JPH10276031A JP7825897A JP7825897A JPH10276031A JP H10276031 A JPH10276031 A JP H10276031A JP 7825897 A JP7825897 A JP 7825897A JP 7825897 A JP7825897 A JP 7825897A JP H10276031 A JPH10276031 A JP H10276031A
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JP
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antenna
angle
support
rotation
azimuth
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JP7825897A
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English (en)
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Kunitoshi Nishikawa
訓利 西川
Tomoyasu Harada
知育 原田
Toshiaki Watanabe
俊明 渡辺
Masaru Ogawa
勝 小川
Eiji Teramoto
英二 寺本
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱等に拘らずアンテナビームの仰角及び方
位角を所望の角度に確実に制御する。 【解決手段】 アンテナ支持台14は鉛直方向に沿った回
転軸(b−b'線)回りに回転可能に基台12に支持されてい
る。支持台14の上方に配置された円板状のアンテナ22
は、利得が所定値以上の範囲がビーム状に絞られ、アン
テナビームの方向が開口面22A の法線(a−a'線)から角
度θ2 だけ電子的に傾けられており、前記法線に沿った
回転軸回りに回転可能にアンテナ支持台14に支持されて
いる。制御部40は、モータ18を駆動してアンテナ22を回
転させることでアンテナビームを所望の仰角に制御する
と共に、モータ26を駆動しアンテナ22の回転に伴うアン
テナビームの方位角の変化を考慮した回転角だけ支持台
14を回転させることでアンテナビームを所望の方位角に
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は指向性ビーム制御装
置に係り、特に、衛星を利用した通信における移動地球
局用のアンテナに好適な指向性ビーム制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】衛星を
利用した通信において地球局が車両や船舶等の移動体で
ある場合、地球局用のアンテナとしては、小型軽量で、
移動体の位置や姿勢の変化の影響を受けずに良好に通信
を行えることが要求される。移動体の移動範囲が比較的
狭い場合には、移動体の位置が変化しても、移動体から
見た衛星の垂直面に沿った角度(以下、垂直面に沿った
角度を「仰角」、垂直面内における方向を「仰角方向」
と称する)の変化が小さいので、移動地球局用として、
水平面内において無指向性の低利得のアンテナを、垂直
面内におけるアンテナの利得が最大となる方向が衛星の
仰角に略一致するように固定的に配置した構成のアンテ
ナ装置が用いられている。
【0003】しかし、より良好な通信品質を得るために
は、利得が高く指向性の鋭い(アンテナビームの主ロー
ブのビーム半値幅が小さい指向特性の)指向性アンテナ
を用い、移動体の位置や姿勢の変化に伴って変化する衛
星の方向に応じて、アンテナビームの方向(アンテナの
ボアサイト(指向主軸)の方向)を変更制御することが
望ましい。
【0004】アンテナビームの方向を変更可能な移動地
球局用のアンテナ装置としては、例えば特開平6-283919
号公報に開示されているように、円形の平面アンテナ
を、端部の対向する2点で回転可能に支持し、前記2点
を結ぶ軸を中心として平面アンテナを回転させることに
よりアンテナビームの仰角を制御し、更にアンテナ全体
(平面アンテナ及び該平面アンテナを支持している部
材)を鉛直方向に沿った軸を中心として回転させること
によりアンテナビームの水平面内における方向(以下、
水平面に沿った角度を「方位角」、水平面内における方
向を「方位角方向」と称する)を制御するものが知られ
ている。
【0005】しかしながら、上記構成のアンテナ装置で
は、平面アンテナを支持している2点を結ぶ軸を中心と
して回転させた時の回転角の変化が、そのままアンテナ
ビームの仰角の変化となるため、アンテナビームの仰角
を精度良く制御するためには複雑な仰角制御機構が必要
になるという間題があった。また、上記のアンテナ装置
を車両等の移動体に搭載して使用した場合、移動体の振
動によってアンテナ自体が仰角方向に振動し、アンテナ
ビームの仰角が衛星の方向から偏倚することが頻繁に生
ずるので、実用化は困難であった。
【0006】また、特開平8-162833号公報には、鉛直方
向に沿った第1回転軸回りに回転可能にアンテナ支持体
が基台に支持され、平面アンテナが、該第1回転軸と非
直交で衛星の仰角と略等しい角度に傾けた第2回転軸回
りに回転可能に前記アンテナ支持体に支持され、アンテ
ナ支持体を第1回転軸回りに回転させる駆動機構が設け
られた構成の衛星通信用車載アンテナ装置が開示されて
いる。
【0007】上記のアンテナ装置における平面アンテナ
は、アンテナビームの方向が、アンテナの開口面に垂直
な軸方向、すなわち第2の回転軸方向とされている。ま
た、上記のアンテナ装置では、移動体の位置や向きの変
化に応じてアンテナ支持体の第1回転軸回りの回転のみ
を能動的に制御する。平面アンテナについては、アンテ
ナ支持体の回転によって生ずる捩れ力により第2の回転
軸回りに受動的に回転され、平面アンテナと基台との相
対回転に伴うケーブル等の捩れの発生が防止されるよう
になっている。
【0008】しかしながら、上記のアンテナ装置では、
平面アンテナの垂直面内における角度が前記第2の回転
軸に直交する角度に固定されており、平面アンテナのア
ンテナビームの仰角も固定されているので、移動体の仰
角方向の姿勢の変化(例えば移動体としての車両が勾配
のある道路を走行している場合等)に伴って移動体から
見た衛星の仰角が変化した場合や、移動体の移動範囲が
衛星の仰角の変化を無視できない程広い場合であって
も、アンテナビームの仰角を制御することができず、衛
星通信の通信品質が低下するという問題があった。
【0009】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、外乱等に拘らずアンテナビームの仰角及び方位角を
所望の角度に確実に制御することができる指向性ビーム
制御装置を得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る指向性ビーム制御装置は、鉛直方向に略
沿った第1の回転軸回りに回転可能に基台に支持された
アンテナ支持体と、アンテナ開口面と交差しかつ前記第
1の回転軸に対して第1の角度だけ傾いた第2の回転軸
回りに回転可能に前記アンテナ支持体に支持され、アン
テナビームの方向が前記第2の回転軸方向に対して第2
の角度だけ傾けられたアンテナ部と、前記アンテナ支持
体を前記基台に対して前記第1の回転軸回りに回転させ
る第1の駆動手段と、前記アンテナ部を前記アンテナ支
持体に対して前記第2の回転軸回りに回転させる第2の
駆動手段と、前記第2の駆動手段により前記アンテナ部
を前記アンテナ支持体に対して回転させることでアンテ
ナビームの仰角を目標値に制御し、前記第1の駆動手段
により前記アンテナ支持体を前記基台に対して回転させ
ることでアンテナビームの方位角を目標値に制御する制
御手段と、を有している。
【0011】本発明では、アンテナ支持体が鉛直方向に
略沿った第1の回転軸回りに回転可能に基台に支持され
ていると共に、アンテナ支持体を基台に対して第1の回
転軸回りに回転させる第1の駆動手段が設けられてお
り、アンテナ部がアンテナ支持体に支持されている。こ
のため、第1の駆動手段がアンテナ支持体を第1の回転
軸回りに回転させることにより、アンテナビームの方向
(アンテナ部の利得が最大となる方向)も第1の回転軸
回りに水平面内で回転し、アンテナビームの方位角のみ
を変化させることができる。
【0012】またアンテナ部は、アンテナ開口面と交差
しかつ第1の回転軸に対して第1の角度だけ傾いた第2
の回転軸回りに回転可能にアンテナ支持体に支持され、
アンテナビームの方向が第2の回転軸方向に対して第2
の角度だけ傾けられている。そして、アンテナ部をアン
テナ支持体に対して第2の回転軸回りに回転させる第2
の駆動手段が設けられている。このため、第2の駆動手
段がアンテナ部を第2の回転軸回りに回転させた場合、
アンテナビームの方向は、第2の回転軸方向に対して第
2の角度だけ傾いている状態を維持したまま第2の回転
軸の周囲を回転し、第2の回転軸に直交する仮想面とア
ンテナビームの方向との交点は、第2の回転軸と前記仮
想面の交点を中心とする円を描くことになる。
【0013】従って、第1の角度をθ1 、第2の角度を
θ2 としたときに、アンテナビームの仰角θは、アンテ
ナ部の回転に伴ってπ/2−(θ1 +θ2 )≦θ≦π/
2−(θ1 −θ2 )の範囲で変化するので、第2の駆動
手段がアンテナ部を第2の回転軸回りに回転させること
で、アンテナビームの方向を仰角方向に変化させること
ができる。そして、アンテナビームを指向させる対象
(例えば衛星)のアンテナ装置(本発明に係る基台、ア
ンテナ支持台、アンテナ部を含む装置部分)から見た仰
角及びその変動量を考慮して第1の角度θ1 及び第2の
角度θ2 を定めれば、アンテナビームの指向対象が、ア
ンテナビームの指向可能範囲から逸脱することを防止で
きる。
【0014】なお、アンテナ部の回転に伴って、アンテ
ナビームの方向は方位角方向にも変化するが、前述のよ
うに、アンテナ支持体を第1の回転軸回りに回転させた
場合のアンテナビームの方向の変化は方位角方向のみで
あり、制御手段は、第2の駆動手段によりアンテナ部を
アンテナ支持体に対して回転させることでアンテナビー
ムの仰角を目標値に制御し、第1の駆動手段によりアン
テナ支持体を基台に対して回転させることでアンテナビ
ームの方位角を目標値に制御する。
【0015】従って、制御手段が、アンテナ支持体を基
台に対して回転させ、アンテナビームの方位角を目標値
に制御することで、アンテナ部の回転に伴うアンテナビ
ームの方位角の変化も補正されることになり、アンテナ
ビームの仰角及び方位角を所望の角度(目標値)に制御
することができる。そして、アンテナビームの仰角及び
方位角の目標値として、アンテナ装置から見たアンテナ
ビーム指向対象の仰角及び方位角を用いれば、アンテナ
ビームが指向対象を向くようにアンテナビームの方位角
及び仰角を制御することができる。
【0016】また本発明では、仮にアンテナ部が第2の
回転軸回りに1回転したとしても、アンテナビームの仰
角θは、π/2−(θ1 +θ2 )≦θ≦π/2−(θ1
−θ 2 )の範囲(但し、θ2 <π/2) で変化するのみ
であるので、特開平6-283919号公報に記載のアンテナ装
置と比較して、アンテナ部の回転に対するアンテナビー
ムの仰角θの変化は明らかに小さい(特開平6-283919号
公報に記載のアンテナ装置では、アンテナ部が1回転す
るとアンテナビームの仰角も2π(= 360°)変化す
る)。
【0017】このように、本発明に係る指向性ビーム制
御装置は、アンテナ部が第2の回転軸回りに回転した角
度に対するアンテナビームの仰角の変化が小さいので、
アンテナビームの仰角を所望の角度に精度良く制御する
ことができる。
【0018】なお本発明において、制御手段によるアン
テナビームの仰角の制御は、具体的には、アンテナビー
ムの仰角を目標値に一致させるためのアンテナ部の回転
角を演算し、第2の駆動手段によりアンテナ部を前記演
算した回転角だけアンテナ支持体に対して回転させるこ
とで実現することができる。また、制御手段によるアン
テナビームの方位角の制御についても、アンテナビーム
の方位角を目標値に一致させるためのアンテナ支持体の
回転角を演算し、第1の駆動手段によりアンテナ支持体
を前記演算した回転角だけ基台に対して回転させること
で実現することができる。
【0019】また、上記の回転角の演算に際しては、制
御手段が、基台に対するアンテナ支持体の第1の回転軸
回りの現在の角度、アンテナ支持体に対するアンテナ部
の第2の回転軸回りの現在の角度を認識する必要があ
る。上記の回転角は、例えば基台に対するアンテナ支持
体の回転角を検出する第1の回転角検出手段、アンテナ
支持体に対するアンテナ部の回転角を検出する第2の回
転角検出手段を設け、回転角検出手段による検出結果に
基づいて認識することができる。
【0020】また、上記の回転角検出手段を設けること
により、回転角検出手段によって検出される回転角に基
づいてアンテナ支持体やアンテナ部が前記演算した回転
角だけ回転されたかを監視し、アンテナ支持体やアンテ
ナ部が演算した回転角だけ回転されるように第1の駆動
手段や第2の駆動手段を制御する、所謂フィードバック
制御を行うことも可能となり、アンテナビームの仰角及
び方位角を高精度に制御することができる。
【0021】また、例えば回転角検出手段に代えて、基
台に対するアンテナ支持体の第1の回転軸回りの角度、
アンテナ支持体に対するアンテナの第2の回転軸回りの
角度が特定の角度か否かを検出するタイプの検出手段
(例えばリミットスイッチ等)を用いることも可能であ
る。この場合、第1の駆動手段、第2の駆動手段として
は、制御手段からの指示に正確に対応する回転角だけ回
転対象を回転できる駆動手段(例えばステッピングモー
タ等)を用いれば、制御手段が前記特定の角度からのア
ンテナ支持体やアンテナ部の回転角(すなわち現在の角
度)を自動的に認識できる。
【0022】また本発明において、アンテナビームの方
位角を変化させることを目的として第1の駆動手段によ
りアンテナ支持体を回転させる場合、アンテナ部もアン
テナ支持体と一体的に回転することが望ましいが、アン
テナ部の回転支持の構造等によっては、第1の駆動手段
によりアンテナ支持体を回転させると、アンテナ支持体
に対してアンテナ部が相対的に回転することがある。こ
のような場合を考慮すると、制御手段は、アンテナ支持
体に対してアンテナ部が相対的に回転しないように第2
の駆動手段を制御することが好ましい。
【0023】上記制御は、例えば先に説明した第2の回
転角検出手段を設け、第1の駆動手段によりアンテナ支
持体を回転させたときに第2の回転角検出手段によって
検出されるアンテナ支持体に対するアンテナ部の回転角
に基づいて、アンテナ支持体に対するアンテナ部の第2
の回転軸回りの角度の変化を判断し、該変化した角度が
元に戻るように第2の駆動手段によってアンテナ部を回
転させることで実現できる。
【0024】また本発明において、アンテナビームが指
向対象を向くように、制御手段がアンテナビームの仰角
及び方位角を制御する態様では、アンテナ装置から見た
指向対象の仰角及び方位角が変動することが多々ある。
例えば、本発明に係る指向性ビーム制御装置を移動体に
搭載した場合には、移動体の位置や姿勢の変化に伴って
指向対象の仰角及び方位角が変動する。
【0025】このため、アンテナ装置から見たアンテナ
ビーム指向対象の仰角及び方位角の少なくとも一方が変
動する場合には、アンテナビーム指向対象の仰角及び方
位角の少なくとも一方の変化を検出する角度変化検出手
段を設け、制御手段は、角度変化検出手段によって検出
されたアンテナビーム指向対象の仰角及び方位角の少な
くとも一方の変化に基づいて、アンテナビームの仰角の
目標値及びアンテナビームの方位角の目標値の少なくと
も一方を変更設定することが好ましい。これにより、ア
ンテナ装置から見たアンテナビーム指向対象の仰角及び
方位角の少なくとも一方の変動に拘らず、アンテナビー
ムを常に指向対象に向けることができる。
【0026】なお、例えば本発明に係る指向性ビーム制
御装置を移動体に搭載する場合は、上記のアンテナビー
ム指向対象の仰角及び方位角の少なくとも一方の変化を
検出する角度変化検出手段を、例えば、移動体の位置及
び姿勢の変化を検出することでアンテナビーム指向対象
の仰角の変化を検出する仰角変化検出手段、及び移動体
の位置及び姿勢の変化を検出することでアンテナビーム
指向対象の方位角の変化を検出する方位角変化検出手段
の少なくとも一方で構成することができる。
【0027】また、指向対象から何らかの電波(例えば
衛星からのビーコン電波等)が送信される場合は、アン
テナビーム指向対象の仰角及び方位角の少なくとも一方
の変化を検出する角度変化検出手段を、指向対象から送
信されアンテナ部で受信した電波の受信信号強度等を検
出することで電波の到来方向の仰角及び方位角の少なく
とも一方を検出する到来方向検出手段で構成することが
できる。
【0028】また本発明において、アンテナ支持体は、
例えば円筒状で、軸線に沿った一方の端部側の面(又は
前記一方の端部を閉塞する仮想面)が軸線に垂直で、他
方の端部側の面(又は前記他方の端部を閉塞する仮想
面)が軸線に対して(π/2−第1の角度)に相当する
角度を成す形状、すなわち前記他方の端部側が第1の角
度だけ傾斜している形状とすることができる。この場
合、アンテナ支持体の前記一方の端部が基台側に位置す
るようにアンテナ支持体を基台上に配置し、アンテナ支
持体の前記他方の端部上に、該他方の端部の傾斜に沿っ
てアンテナ部を配置することができる。
【0029】上記構成では、アンテナ支持体のアンテナ
部側の端面が第1の角度だけ傾斜しており、このアンテ
ナ部側の端面上に前記傾斜に沿ってアンテナ部を配置し
ているので、アンテナ部の第2の回転軸回りの回転に拘
らず、アンテナ部が常に、アンテナ支持体のアンテナ部
側の端面に全周に亘って支持される(所謂面で支持され
る)ように構成することができる。これにより、外乱等
が加わった場合のアンテナビームの仰角の変動を更に抑
制することができる。
【0030】また、上記のようにアンテナ支持体やアン
テナ部を回転させることは、アンテナ支持体を基台上で
回転自在に支持する第1の回転支持部、アンテナ部をア
ンテナ支持体上で回転自在に支持する第2の回転支持部
を設けることで達成することができる。特に、第1の回
転支持部、第2の回転支持部として、ベアリング等のよ
うに回転による摩擦の小さい部材を用いれば、アンテナ
支持体を回転させるために第1の駆動手段に要求される
駆動力、アンテナ部を回転させるために第2の駆動手段
に要求される駆動力を低減することができる。
【0031】また本発明において、アンテナ部として
は、平板状のアンテナ(例えば、ラジアル導波管を用い
たスロットアレーアンテナやマイクロストリップアレー
アンテナ)を用いることが好ましい。これにより、本発
明に係る指向性ビーム制御装置のうちの、基台、アンテ
ナ支持体、アンテナ部を含むアンテナ装置部分を小型軽
量に構成することができる。
【0032】また本発明において、アンテナ部として
は、より具体的には、放射開口面の法線方向に対しアン
テナビームの方向が所定の角度だけ電子的に傾けられた
アンテナを用いることができる。また、放射開口面を傾
けるための部材を含んでアンテナ部を構成することによ
り、アンテナビームの方向を第2の回転軸に沿う方向に
対して第2の角度だけ機械的に傾けるようにしてもよ
い。
【0033】また本発明において、アンテナ支持体を回
転させる第1の駆動手段は、例えばアンテナ支持体側に
設けることも可能ではあるが、基台側に設けることが好
ましい。これにより、基台に対して回転されるアンテナ
支持体の重量の増加を抑制することができ、アンテナ支
持体を回転させるために第1の駆動手段に要求される駆
動力が小さくて済む。
【0034】また本発明において、アンテナ部を回転さ
せる第2の駆動手段についても、例えばアンテナ支持
体、或いはアンテナ部に設けることも可能ではあるが、
基台側に設けることが好ましい。これにより、上記と同
様の理由で、アンテナ部を回転させるために第2の駆動
手段に要求される駆動力が小さくて済む。
【0035】なお、基台側から見たアンテナ部の端部の
位置は、アンテナ支持体の回転に伴って鉛直方向及び水
平方向に略沿って移動する。従って、第2の駆動手段を
基台側に設け、アンテナ部に接触して回転させる構成と
する場合、第2の駆動手段は、アンテナ部の端部の位置
の変化に応じて基台上をスライドするように構成するこ
とが好ましい。これにより、回転される部分(アンテナ
部、アンテナ支持体)の重量を増加させることなく、ア
ンテナ部を確実に回転させることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。
【0037】〔第1実施形態〕図1には本第1実施形態
に係る指向性ビーム制御装置10が示されている。以下
では、まず指向性ビーム制御装置10の機械的部分(ア
ンテナ装置11と総称する)について説明する。図2に
も示すように、アンテナ装置11は、アンテナ装置11
全体を支持するための円板状の基台12を備えており、
基台12の上方には本発明のアンテナ支持体としてのア
ンテナ支持台14が配置されている。
【0038】アンテナ支持台14は、円筒を、前記円筒
の軸線に沿った一方側では前記軸線に垂直に切断すると
共に、前記円筒の軸線に沿った他方側では前記軸線に対
して(π/2−θ1)の角度で切断し、両端部を閉塞した
形状とされている。なおθ1は、本発明の第1の角度に
相当している。アンテナ支持台14は、前記円筒の軸線
に垂直な端面(以下では、この端面を「垂直面」、反対
側の端面を「傾斜面」という)が基台12側を向き、か
つ垂直面が基台12の上面と平行となるように(すなわ
ち、前記円筒の軸線(図1及び図2に示すb−b’線)
が基台12の面と垂直になるように)配置されている。
【0039】基台12とアンテナ支持台14との間に
は、第1の回転支持部としての第1のベアリング16が
配設されている。アンテナ支持台14は、第1のベアリ
ング16を介して、前記円筒の軸線を中心として前記軸
線回りに回転可能に基台12に支持されている。このよ
うに、アンテナ支持台14の円筒の軸線(b−b’線)
は本発明の第1の回転軸に対応しており、以下ではアン
テナ支持台14の円筒の軸線(b−b’線)を「第1の
回転軸」と称する。
【0040】基台12上には第1のモータ18が配設さ
れている。第1のモータ18の回転軸にはゴム等の摩擦
係数の高い材料から成るローラ20が取付けられてい
る。第1のモータ18は、ローラ20がアンテナ支持台
14の周面に接触するようにアンテナ支持台14の外周
側に配置されており、第1のモータ18が駆動される
と、第1のモータ18の駆動力がローラ20を介してア
ンテナ支持台14に伝達され、アンテナ支持台14は第
1の回転軸回りに回転される。第1のモータ18及びロ
ーラ20は、本発明の第1の駆動手段に対応している。
【0041】また、アンテナ支持台14の上方には、ア
ンテナ支持台14の傾斜面の傾斜に沿って円板状のアン
テナ22(本発明のアンテナ部に相当)が配置されてお
り、アンテナ22のアンテナ開口面22Aは基台12の
上面に対して角度θ1 だけ傾斜している。
【0042】図4(A)に示すように、アンテナ22
は、金属製で偏平な円筒状のラジアル導波管22Cを備
えており、ラジアル導波管22Cの上面(アンテナ開口
面22A側の面)に誘電体層22Dが形成され、更に誘
電体層22Dの上面に、円板状のアンテナ素子22Eが
多数形成されて構成されている。多数のアンテナ素子2
2Eは第1の回転軸を中心として同心円状に配置されて
おり、結合ピン22Fの一端が各々取付けられている。
結合ピン22Fの他端は誘電体層22Dを貫通してラジ
アル導波管22Cの内部まで延長されている。
【0043】アンテナ装置11に電磁波が到来すると、
到来した電磁波はアンテナ22の各アンテナ素子22E
で受信され、各アンテナ素子22Eで受信された電波は
ラジアル導波管22Cによって合成される。本実施形態
では、電磁波の到来方向が、アンテナ開口面22Aの中
心を通過するアンテナ開口面22Aの法線(図1及び図
2に示すa−a’線)に沿った方向から角度θ2 だけ傾
いた角度のときに、各アンテナ素子22Eで受信される
電磁波が同位相となり利得が最大となるように、各アン
テナ素子22Eの相対的な回転角度が調整されている。
【0044】従って、本実施形態に係るアンテナ22
は、利得が所定値以上の範囲がビーム状に絞られ、かつ
図1に示すように、アンテナビームの方向(利得が最大
となる方向:アンテナ22のボアサイト(指向主軸)の
方向)が、アンテナ開口面22Aの中心を通過するアン
テナ開口面22Aの法線(図1及び図2に示すa−a’
線)に沿った方向から角度θ2 だけ電子的に傾けられ
た、所謂ビームチルトアンテナとされている。なお、角
度θ2 は本発明の第2の角度に相当している。
【0045】アンテナ支持台14とアンテナ22との間
には、第2の回転支持部としての第2のベアリング24
が配設されている。アンテナ22は、第2のベアリング
24を介し、アンテナ開口面22Aの法線回りに回転可
能にアンテナ支持台14に支持されている。このよう
に、アンテナ22のアンテナ開口面22Aの中心を通過
するアンテナ開口面22Aの法線(a−a’線)は本発
明の第2の回転軸に対応しており、以下ではアンテナ開
口面22Aの中心を通過するアンテナ開口面22Aの法
線(a−a’線)を「第2の回転軸」と称する。
【0046】アンテナ支持台14の傾斜面上には第2の
モータ26が配設されている。第2のモータ26の回転
軸にはゴム等の摩擦係数の高い材料から成るローラ28
が取付けられている。第2のモータ26は、ローラ28
がアンテナ22の周面に接触するようにアンテナ支持台
14の外周側に配置されている。また、図1及び図3に
示すように、基台12とアンテナ支持台14との間に
は、第2のモータ26への電力の供給、回転角センサ4
8(後述)から出力された信号の伝達を行うためのスリ
ップリング30が配置されている。
【0047】スリップリング30を介して外部から第2
のモータ26に電力が供給されることによって第2のモ
ータ26が駆動されると、第2のモータ26の駆動力が
ローラ28を介してアンテナ22に伝達され、アンテナ
22は第2の回転軸回りに回転される。第2のモータ2
6及びローラ28は、本発明の第2の駆動手段に対応し
ている。
【0048】次に、指向性ビーム制御装置10の制御部
周辺の構成について説明する。図1に示すように、第1
のモータ18はドライバ36を介して制御部40の入出
力ポート40Dに接続されており、第2のモータ26は
スリップリング30、ドライバ38を介して制御部40
の入出力ポート40Dに接続されている。制御部40
は、CPU40A、ROM40B、RAM40C及び入
出力ポート40Dを備えており、これらがバスを介して
互いに接続されて構成されている。制御部40は本発明
の制御手段に対応している。第1のモータ18及び第2
のモータ26は、各々ドライバ36、38を介し、制御
部40によって駆動が制御される。
【0049】基台12上には、基台12に対するアンテ
ナ支持体14の回転角を検出する回転角センサ42が配
設されている。回転角センサ42としては、例えば基台
12に対するアンテナ支持体14の回転角を機械的又は
光学的又は磁気的に検出し、回転角に比例したパルス数
のパルス信号を出力するロータリーエンコーダ等を用い
ることができる。回転角センサ42は、増幅器44、A
/D変換器46を介して制御部40の入出力ポート40
Dに接続されており、回転角センサ42から出力された
アンテナ支持体14の回転角を表す信号は、増幅器44
で増幅され、A/D変換器46でデジタルデータに変換
されて制御部40に入力される。
【0050】また、アンテナ支持台14の傾斜面上に
は、アンテナ支持台14に対するアンテナ22の回転角
を検出する回転角センサ48が配設されている。回転角
センサ48としてもロータリーエンコーダ等を用いるこ
とができる。回転角センサ48は、スリップリング3
0、増幅器50、A/D変換器52を介して制御部40
の入出力ポート40Dに接続されており、回転角センサ
48から出力されたアンテナ22の回転角を表す信号
は、増幅器50で増幅され、A/D変換器52でデジタ
ルデータに変換されて制御部40に入力される。
【0051】また本実施形態では、前述のようにアンテ
ナ22としてラジアル導波管給電型のアンテナを用いて
おり、アンテナ22への給電は、例として図3及び図4
(B)に示すような構成で行っている。すなわち、図4
(B)に示すように、アンテナ22の下面(ラジアル導
波管22Cの下面)には中心部にアンテナ22に給電す
るための小孔22Bが穿設されており、小孔22Bには
同軸ケーブル等から成る給電線路32の先端部が挿入さ
れている。
【0052】図3に示すように、給電線路32は、基台
12に取付けられていると共に第1の回転軸に沿って配
設されており、その中間部が、アンテナ支持台14の垂
直面及び傾斜面上における小孔22Bの直下に相当する
位置(アンテナ支持台14の回転中心に相当する位置)
に各々穿設された孔(図示省略)を貫通し、同軸ケーブ
ルの中心導体が露出されて成るプローブ32Aが、小孔
22Bの内壁と接触しないように小孔22B内に挿入さ
れている。従って、プローブ32Aと結合ピン22Fは
ラジアル導波管22Cの内部空間を介して結合されてお
り、アンテナ22への給電は非接触で行われる。
【0053】次に本実施形態の作用として、まず、アン
テナ支持台14に対するアンテナ22の回転角、及び基
台12に対するアンテナ支持台14の回転角を変化させ
ることによるアンテナビームの方向の変化について説明
する。
【0054】本実施形態に係る指向性ビーム制御装置1
0のアンテナ装置11は、基台12の上面が略水平とな
るように配置される。このように配置されたアンテナ装
置11に対し、図5(A)、(B)及び図6に示すよう
に、座標原点Oをアンテナ22の中心に設定し、x y
平面を基台12と平行になるように設定し、z x平面
をアンテナ22の第2の回転軸a−Oを含むように設定
する。なお、点Pは利得が最大となる点を表しており、
座標原点Oから点Pに向かう方向がアンテナビームの方
向である。図5(A)及び(B)は、アンテナビームの
方位角ψがx軸の正の方向と一致しており、基台12に
対するアンテナビームの仰角が最も小さくなる状態(す
なわち、仰角がπ/2−θ1 −θ2 となる状態)を示し
ている。以下では、この状態を基準状態と称する。
【0055】図6は、基準状態から、アンテナ22を第
2の回転軸a−O回りに回転角φ’だけ回転させた時の
アンテナビームの方向を示している。図6より、アンテ
ナ22をアンテナ支持台14に対して回転させること
で、アンテナビームの仰角を変化させることができるこ
とがわかる。この時のアンテナビームの仰角θは、
【0056】
【数1】 となる。
【0057】図7は、基準状態からのアンテナ22の回
転角φ’の変化に対するアンテナビームの仰角θの変化
を示している。図7から明らかなように、基準状態から
の第2の回転軸a−O回りのアンテナ22の回転角φ’
を0〜πまで変化させることにより、アンテナビームの
仰角θをπ/2−(θ1 +θ2 )からπ/2−(θ1
θ2 )まで単調に変化させることができる。
【0058】従って、アンテナビームの仰角θを所望の
角度θM に制御するには、アンテナ22を、アンテナ支
持台14に対し、第2の回転軸a−O回りに、次の
(2)式で表わされる回転角φ’だけ基準状態から回転
させればよいことがわかる。
【0059】
【数2】 但し、アンテナ22をアンテナ支持台14に対して第2
の回転軸a−O回りに回転角φ’だけ回転させると、ア
ンテナビームの仰角θだけでなくアンテナビームの方位
角ψも変化する。その時のアンテナビームの方位角の変
化量Δψは、
【0060】
【数3】 となる。アンテナ22をアンテナ支持台14に対して基
準状態から回転角φ’だけ回転させた時のアンテナビー
ムの方位角の変化量Δψは、図8に示すように単調に変
化する。
【0061】従って、アンテナ支持台14に対し、アン
テナ22を第2のモータ26によって基準状態から
(2)式で表わされる回転角φ’だけ回転させた後、ア
ンテナ22の回転に伴って生ずるアンテナビームの方位
角ψの変化((3)式で表わされる方位角の変化量Δψ)
を打ち消すように、基台12に対し、アンテナ支持台1
4を第1のモータ18によって回転角−Δψだけ回転さ
せることにより、アンテナビームの方位角ψを変化させ
ずにアンテナビームの仰角θのみを所望の角度θMに変
更制御することができる。また、アンテナビームの方位
角ψは、アンテナ支持台14を第1のモータ18により
基台12に対して回転させることで、所望の方位角ψM
に変更制御できることは言うまでもない。
【0062】次に、電源投入やリセットがかかると、制
御部40のCPU40Aで実行が開始される、アンテナ
ビームの方向を所望の仰角(目標仰角θM )及び所望の
方位角(目標方位角ψM )に向けるためのビーム方向制
御処理について、図9のフローチャートを参照して説明
する。
【0063】ステップ100では、アンテナ22及びア
ンテナ支持台14が前述の基準状態となるように、まず
回転角センサ48によって検出されるアンテナ22の回
転角φ’を監視しながら、第2のモータ26によりアン
テナ22をアンテナ支持台14に対して回転させた後
に、回転角センサ42によって検出されるアンテナ支持
台14の回転角ψ’を監視しながら、第1のモータ18
によりアンテナ支持台14を基台12に対して回転させ
る。ステップ102では、アンテナ22の現在の角度φ
0 、アンテナ支持台14の現在の角度ψ0 、現在のアン
テナ22の角度でのアンテナビームの方位角の変化量Δ
ψ0 をリセット(0に)する。
【0064】次のステップ104では、先の(2)式に
基づき、アンテナビームの仰角θが予め定められた目標
仰角θM となるときのアンテナ22の目標角度φ
M ((2)式における基準状態からの回転角φ’)を演算
する。ステップ106ではアンテナ22の現在の角度φ
0 を目標角度φM とするためのアンテナ22の回転角
φ' Mを、次式に基づき演算する。
【0065】φ' M =φM −φ0 アンテナ22を上記で求まる回転角φ’M だけ回転させ
れば、アンテナビームの仰角θを目標仰角θM に一致さ
せることができるが、アンテナ22を回転させると、先
にも説明したようにアンテナビームの方位角ψも変化す
る。このため次のステップ108では、(3)式に基づ
いて、アンテナ22の角度φが目標角度φM のときのア
ンテナビームの方位角の変化量ΔψM ((3)式における
Δψ)を演算する。ステップ110では、アンテナ22
を現在の角度φ0 から目標角度φ M 迄回転させたときの
アンテナビームの方位角の変化量の差分Δψ’M を、次
式に基づき演算する。
【0066】Δψ’M =ΔψM −Δψ0 ステップ112では、アンテナ22の回転に伴うアンテ
ナビームの方位角の変化を考慮して、予め定められたア
ンテナビームの目標方位角ψM に基づき、アンテナビー
ムの方位角ψを目標方位角ψM にするためのアンテナ支
持台14の現在の角度ψ0 からの回転角ψ’M を次式に
基づき演算する。
【0067】ψ’M =ψM −ψ0 −Δψ’M ステップ114では、回転角センサ48によって検出さ
れるアンテナ22の回転角φ’を監視しながら、第2の
モータ26によりアンテナ22をアンテナ支持台14に
対して回転角φ' M だけ回転させる。次のステップ11
6では、回転角センサ42によって検出されるアンテナ
支持台14の回転角ψ’を監視しながら、第1のモータ
18によりアンテナ支持台14を基台12に対して回転
角ψ’Mだけ回転させる。これにより、アンテナビーム
の仰角θは目標仰角θM に一致し、かつアンテナビーム
の方位角ψは目標方位角ψM に一致することになる。
【0068】次のステップ118では、アンテナ22の
現在の角度φ0 にステップ104で求めたアンテナ22
の目標角度φM を代入し、アンテナ支持台14の現在の
角度ψ0 に、該現在の角度ψ0 にステップ112で求め
た回転角ψ’M を加算した値を代入し、現在のアンテナ
22の角度でのアンテナビームの方位角の変化量Δψ 0
にステップ108で求めた方位角の変化量ΔψM を代入
することにより、上記の各変数の値を更新する。
【0069】次のステップ120では上述したアンテナ
ビームの方向制御を続行するか否か判定する。判定が肯
定された場合にはステップ104に戻り、ステップ10
4以降の処理を繰り返す。これにより、アンテナビーム
の目標仰角θM 、目標方位角ψM が逐次変更される場合
にも、アンテナビームの仰角θが目標仰角θM に一致
し、アンテナビームの方位角ψが目標方位角ψM に一致
するように、アンテナ22、アンテナ支持台14の角度
が各々制御される。また、ステップ120の判定が否定
されると、ビーム方向制御処理を終了する。
【0070】上記のビーム方向制御処理により、アンテ
ナビームの仰角θ及び方位角ψを所望の角度(目標仰角
θM 及び目標方位角ψM )に変更制御することができ
る。また、本実施形態に係る指向性ビーム制御装置10
によれば、アンテナ22の角度φが0〜πまで変化した
ときのアンテナビームの仰角θの変化量は2θ2 であ
り、θ2 <π/2であるので、アンテナ22の角度φの
変化に対してアンテナビームの仰角θの変化が比較的小
さい。従って、アンテナビームの仰角θを所望の角度に
制御するためにアンテナ22を回転させる際の制御精度
が向上する。
【0071】また、上記の実施形態では、アンテナ支持
台14の傾斜面上に、傾斜面の傾斜に沿ってアンテナ2
2が配置されており、アンテナ22は第2のベアリング
24を介してアンテナ支持台14に支持されているの
で、アンテナ22のアンテナ開口面22Aの傾斜角度
は、その回転角に拘らず、常に角度θ1 に保持される。
従って、振動等の外乱が加わった場合のアンテナビーム
の仰角θの変動は確実に抑制される。
【0072】また、上記の実施形態では、第1のベアリ
ング16によってアンテナ支持台14の回転を支持し、
第2のベアリング24によってアンテナ22の回転を支
持する構成であるので、アンテナ支持台14及びアンテ
ナ22の回転に対し摩擦によって生ずる抵抗を小さくす
ることができる。従って、第1のモータ18及び第2の
モータ26として、発生トルクが比較的小さい小型軽量
のモータを用いることができるので、アンテナ装置11
の小型軽量化を実現できる。
【0073】また、上記の実施形態では、アンテナ支持
台14を回転させるための第1のモータ18及びローラ
20を基台12上に設けているので、第1のモータ18
によって回転される部分(アンテナ支持台14やアンテ
ナ22を含む部分)を軽量化することができ、従って、
第1のモータ18として、発生トルクが比較的小さい小
型軽量のモータを用いることができるので、アンテナ装
置11の更なる小型軽量化を実現できる。
【0074】また、上記の実施形態では、アンテナ22
への給電を、基台12に取付けられた給電線路32を用
いて非接触で行っているので、磨耗等による経時劣化が
生ずることはなく、指向性ビーム制御装置10の通信性
能が経時的に低下することを防止できる。
【0075】なお、回転角センサ42、48に代えて、
基台12に対するアンテナ支持体14の第1の回転軸回
りの角度、アンテナ支持体14に対するアンテナ22の
第2の回転軸回りの角度が、特定の角度(例えば基準状
態に対応する角度)か否かを検出するリミットスイッチ
等を設け、第1のモータ18及び第2のモータ26とし
て各々ステッピングモータを用いてもよい。
【0076】ステッピングモータは、入力された駆動パ
ルス信号のパルス数に比例した回転角だけ回転軸が回転
するモータであり、アンテナ支持体14やアンテナ22
の角度が基準状態に対応する特定の角度になったことが
リミットスイッチによって検出されてからステッピング
モータに供給した駆動パルス信号のパルス数を、ステッ
ピングモータの回転軸の回転方向に応じてカウント(カ
ウントアップ/カウントダウン)することで、制御部4
0は、基台12に対するアンテナ支持体14の第1の回
転軸回りの角度、アンテナ支持体14に対するアンテナ
22の第2の回転軸回りの角度を常に把握することがで
きる。
【0077】また、図9に示すビーム方向制御処理で
は、演算で求めた回転角φ’M だけアンテナ22をアン
テナ支持台14に対して回転させ、演算で求めた回転角
ψ’Mだけアンテナ支持台14を基台12に対して回転
させることで、アンテナビームを所望の方向に向けるよ
うにしていたが、アンテナ22の回転支持の構造等によ
っては、アンテナ支持台14を回転させるとアンテナ支
持台14に対してアンテナ22が相対的に回転し、アン
テナビームの仰角及び方位角が所望の角度から若干偏倚
することがある。
【0078】これを考慮し、図10に示すビーム方向制
御処理を行うようにしてもよい。なお図10において、
図9に示すビーム方向制御処理と重複している部分には
同一の符号を付し、説明を省略する。
【0079】図10に示すビーム方向制御処理では、ス
テップ116でアンテナ支持台14を回転角ψ’M だけ
回転させた後に、次のステップ124において、回転角
センサ48によって検出されるアンテナ22の回転角
φ’に基づき、アンテナ支持台14の回転に伴うアンテ
ナ22の角度の変化量(アンテナ支持台14に対する相
対回転角)Δξを演算する。そして、次のステップ12
6では、回転角センサ48によって検出されるアンテナ
22の回転角φ’を監視しながら、第2のモータ26に
よりアンテナ22をアンテナ支持台14に対して回転角
−Δξだけ回転させる。
【0080】これにより、基台12に対するアンテナ支
持台14の回転に伴って、アンテナ支持台14に対して
アンテナ22が相対的に回転したとしても、アンテナビ
ームの仰角及び方位角を所望の角度に確実に制御するこ
とができ、アンテナビームの仰角及び方位角の制御精度
が向上する。
【0081】なお第2のモータ26として超音波モータ
を用いてもよい。超音波モータは、一般に非駆動時の保
持トルクが高いので、基台12に対してアンテナ支持台
14が回転してもアンテナ支持台14に対してアンテナ
22が回転することを抑制することができ、上記のステ
ップ124、126の処理を行う必要がなくなる。
【0082】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分
には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0083】図11には本第2実施形態に係る指向性ビ
ーム制御装置60が示されている。この指向性ビーム制
御装置60は、車両等の移動体に搭載され衛星を利用し
た通信を行うことを前提としており、指向性ビーム制御
装置60が搭載される移動体の仰角方向の姿勢変化を検
出する仰角変化検出センサ62と、前記移動体の方位角
方向の姿勢変化を検出する方位角変化検出センサ64を
備えている。仰角変化検出センサ62及び方位角変化検
出センサ64は制御部40の入出力ポート40Dに接続
されており、各センサ62、64による検出結果は制御
部40に入力される。
【0084】また、制御部40の入出力ポート40Dに
は受信レベル検出部66が接続されている。図示は省略
するが、受信レベル検出部66は給電線路32(図3参
照)に接続されており、衛星から到来した電波(例えば
ビーコン電波等)がアンテナ22で受信されることによ
りアンテナ22から出力される電気信号の信号強度(受
信レベル)を検出し、検出結果を制御部40に出力す
る。
【0085】次に図12のフローチャートを参照し、本
第2実施形態に係る指向性ビーム制御装置60の制御部
40のCPU40Aで実行されるビーム方向制御処理に
ついて説明する。なお、ビーム方向制御処理のステップ
150からステップ166では、アンテナビームを指向
対象の衛星に向ける、初期捕捉動作が行われる。この初
期捕捉動作は、電源投入時やリセットがかかると直ちに
行われ、アンテナ装置11の基台12が略水平で第1の
回転軸が鉛直方向に略沿っている状態で行われることに
なる。
【0086】ステップ150では、アンテナ22及びア
ンテナ支持台14が前述の基準状態となるように、まず
回転角センサ48によって検出されるアンテナ22の回
転角φ’を監視しながら、第2のモータ26によりアン
テナ22をアンテナ支持台14に対して回転させた後
に、回転角センサ42によって検出されるアンテナ支持
台14の回転角ψ’を監視しながら、第1のモータ18
によりアンテナ支持台14を基台12に対して回転させ
る。ステップ152では、衛星の仰角が既知の場合には
その値をアンテナビームの目標仰角θM として設定し、
衛星の仰角が未知の場合には予めROM40C等に記憶
されている値をアンテナビームの目標仰角θM として設
定することにより、目標仰角θM を初期設定する。
【0087】ステップ154では、先の(2)式に基づ
き、アンテナビームの仰角θが目標仰角θM となるとき
のアンテナ22の目標角度φM を演算する。なお、この
ときには先のステップ150でアンテナ22(及びアン
テナ支持台14)が基準状態とされているので、上記で
演算した目標角度φM は、アンテナビームの仰角θを目
標仰角θM とするためのアンテナ22の回転角φ’M
一致する。そして、次のステップ156では、回転角セ
ンサ48によって検出されるアンテナ22の回転角φ’
を監視しながら、第2のモータ26によりアンテナ22
をアンテナ支持台14に対して回転角φ' M (=φM
だけ回転させる。これにより、アンテナビームの仰角θ
が目標仰角θM に一致する。
【0088】ステップ158では、第1のモータ18に
より基台12に対してアンテナ支持台18を一定速度で
回転させることにより、アンテナビームの方位角を逐次
変化させると共に、受信レベル検出部66で検出された
受信レベルを監視し、衛星の探索を開始する。次のステ
ップ160では、受信レベル検出部66で検出された受
信レベルが所定値を越えたか否か判定し、判定が肯定さ
れる迄待機する。
【0089】受信レベルが所定値を越えた場合には、そ
のときのアンテナビームの方位角がアンテナ装置11か
ら見た衛星の方位角に一致又は略一致していると判断で
きるので、ステップ160の判定が肯定されるとステッ
プ162へ移行し、第1のモータ18によるアンテナ支
持台14の回転を停止させる。これにより、アンテナビ
ームが衛星を向いた状態となる。なお、アンテナ支持台
14を1回転させても受信レベルが所定値を越えない場
合には、アンテナ22を若干回転させることでアンテナ
ビームの仰角θを僅かに変化させた後に、アンテナ支持
体14の回転及び受信レベルの監視を行うようにしても
よい。
【0090】次のステップ164では、(3)式に基づ
いて、現在のアンテナ22の角度φ M でのアンテナビー
ムの方位角の変化量ΔψM を演算する。そしてステップ
166では、アンテナ22の現在の角度φ0 に角度φM
を代入し、アンテナ支持台14の現在の角度ψ0 に、回
転角センサ42によって検出されたアンテナ支持台14
の現在の角度ψを代入し、現在のアンテナ22の角度で
のアンテナビームの方位角の変化量Δψ0 に、先のステ
ップ164で求めた方位角の変化量ΔψM を代入するこ
とにより、上記の各変数の値を初期設定する。
【0091】上記のようにして初期捕捉動作を行うと、
次のステップ168以降では衛星追尾動作を行う。すな
わち、ステップ168では衛星追尾動作実行用のタイマ
をスタートさせる。次のステップ170では前記タイマ
がタイムアウトしたか、すなわち衛星追尾動作の実行タ
イミングが到来したか否か判定し、判定が肯定される迄
待機する。ステップ170の判定が肯定されるとステッ
プ172へ移行し、仰角変化検出センサ62によって検
出された、先の初期捕捉動作を行ってから、又は衛星追
尾動作を前回行ってからの移動体の仰角変化(仰角方向
の姿勢変化)ΔΘを取込み、移動体の仰角変化ΔΘを補
正するためのアンテナビームの目標仰角θM を次式に基
づき演算する。
【0092】θM =θ0 −ΔΘ なお、ここでいうアンテナビームの目標仰角θM はx軸
(図5及び図6参照)を水平(仰角=0)とみなしたと
きのアンテナビームの仰角である。移動体に仰角変化Δ
Θがあると、x軸も水平に対して仰角方向にΔΘだけ傾
き、x軸を基準(仰角=0)としたときの衛星の仰角も
ΔΘだけ変化するので、x軸を基準としたときのアンテ
ナビームの仰角θが上記で求めた目標仰角θM に一致す
るようにアンテナ22を回転させれば、地平面を基準と
した実際のアンテナビームの仰角は先にステップ152
で初期設定した目標仰角θM に一致し、アンテナビーム
の仰角が衛星の仰角に一致することになる。
【0093】次のステップ174〜180では、図9の
フローチャートのステップ106〜110と同様に、ア
ンテナビームの仰角θがステップ172で求めた目標仰
角θ M となるときのアンテナ22の目標角度φM を演算
し(ステップ174)、アンテナ22の現在の角度φ0
を目標角度φM とするためのアンテナ22の回転角φ'
M を演算し(ステップ176)、アンテナ22の角度φ
が目標角度φM のときのアンテナビームの方位角の変化
量ΔψM を演算し(ステップ178)、アンテナ22を
現在の角度φ0 から目標角度φM 迄回転させたときのア
ンテナビームの方位角の変化量の差分Δψ’M を演算す
る(ステップ180)。
【0094】ステップ182では、方位角変化検出セン
サ64によって検出された、先の初期捕捉動作を行って
から、又は衛星追尾動作を前回行ってからの移動体の方
位角変化(方位角方向の姿勢変化)ΔΨを取込み、移動
体の方位角変化ΔΨを補正するためのアンテナビームの
目標方位角ψM を次式に基づき演算する。
【0095】ψM =ψ0 −ΔΨ なお、ここでいうアンテナビームの目標方位角ψM につ
いても、x軸方向(図5及び図6参照)を基準(方位角
=0)とみなしたときのアンテナビームの方位角であ
る。移動体に方位角変化ΔΨがあると、x軸方向も、初
期捕捉動作を行ってから、又は衛星追尾動作を前回行っ
たときのx軸方向に対して方位角方向にΔΘだけ傾き、
x軸を基準(方位角=0)としたときの衛星の方位角も
ΔΨだけ変化するので、x軸を基準としたときのアンテ
ナビームの方位角ψが上記で求めた目標方位角ψM に一
致するようにアンテナ支持体14を回転させれば、実際
のアンテナビームの方位角が衛星の方位角に一致するこ
とになる。
【0096】次のステップ182では、アンテナ22の
回転に伴うアンテナビームの方位角の変化を考慮し、ア
ンテナビームの方位角ψをステップ182で求めた目標
方位角ψM にするためのアンテナ支持台14の現在の角
度ψ0 からの回転角ψ’M を次式に基づき演算する。
【0097】ψ’M =ψM −ψ0 −Δψ’M そしてステップ186では、回転角センサ48によって
検出されるアンテナ22の回転角φ’を監視しながら、
第2のモータ26によりアンテナ22をアンテナ支持台
14に対して回転角φ' M だけ回転させ、次のステップ
188では、回転角センサ42によって検出されるアン
テナ支持台14の回転角ψ’を監視しながら、第1のモ
ータ18によりアンテナ支持台14を基台12に対して
回転角ψ’M だけ回転させる。これにより、アンテナビ
ームの仰角θは目標仰角θM に、アンテナビームの方位
角ψは目標方位角ψM に各々一致し、移動体の仰角変化
ΔΘ、方位角変化ΔΨに拘らず、アンテナビームが衛星
を指向するようにアンテナビームの仰角及び方位角が調
整されることになる。
【0098】次のステップ190では、アンテナ22の
現在の角度φ0 にステップ174で求めた目標角度φM
を代入し、アンテナ支持台14の現在の角度ψ0 に、該
現在の角度ψ0 にステップ184で求めた回転角ψ’M
を加算した値を代入し、現在のアンテナ22の角度での
アンテナビームの方位角の変化量Δψ0 にステップ17
8で求めた方位角の変化量ΔψM を代入することによ
り、上記の各変数の値を更新する。
【0099】次のステップ192では上述したアンテナ
ビームの方向制御を続行するか否か判定する。判定が肯
定された場合にはステップ168に戻ってタイマをスタ
ートさせ、所定時間後に上記処理を繰り返す。これによ
り、移動体の仰角方向や方位角方向の姿勢変化があった
としても、アンテナビームを常に衛星に向けることがで
き、移動体の姿勢変化に拘らず常に良好な通信品質で衛
星通信を行うことができる。
【0100】なお、上記では仰角変化検出センサ62に
よって検出された移動体の仰角方向の姿勢変化ΔΘ、方
位角変化検出センサ64によって検出された移動体の方
位角方向の姿勢変化ΔΨに基づいて衛星追尾動作を行う
場合を説明したが、これに限定されるものではなく、衛
星追尾動作として、受信レベル検出部66で検出された
受信レベルに基づき、受信レベルが最大となるようにア
ンテナビームの仰角及び方位角を制御する処理を行うよ
うにしてもよい。また、移動体の移動範囲が比較的狭
い、或いは移動体の仰角方向の姿勢変化が小さい等の場
合には、衛星追尾動作でアンテナビームの仰角を制御す
る必要は低い。このような場合には、図12におけるス
テップ172〜180を省略して(アンテナビームの方
位角の変化量の差分Δψ’M は0として)、アンテナビ
ームの方位角のみを制御するようにしてもよい。
【0101】また、本発明に係る指向性ビーム制御装置
のアンテナ装置は、図1乃至図3に示した構成に限定さ
れるものではない。図13には、アンテナ装置の他の実
施形態が示されている。図13に示すアンテナ装置70
は、アンテナ支持台14の上方に傾斜台72が配置され
ている。この傾斜台72は、アンテナ支持台14と同様
に、円筒を、前記円筒の軸線に沿った一方側では前記軸
線に垂直に切断すると共に、前記円筒の軸線に沿った他
方側では前記軸線に対して(π/2−θ2)の角度で切断
し、両端部を閉塞した形状とされている。
【0102】傾斜台72は、前記円筒の軸線に垂直な垂
直面がアンテナ支持台14の向き、かつアンテナ支持台
14の傾斜面と平行になるように配置されており、アン
テナ支持台14の傾斜面と傾斜台72の垂直面との間に
は、第2の回転支持部としての第2のベアリング24が
配設されている。傾斜台72は、第2のベアリング24
を介し、アンテナ支持台14の傾斜面に垂直な軸(a−
a’線:第1の回転軸(a−a’線)に対して第1の角
度θ1 だけ傾いた回転軸、すなわち第2の回転軸)回り
に回転可能とされている。
【0103】傾斜台72の傾斜面上には、傾斜台72の
傾斜面の傾斜に沿ってアンテナ74が取付けられてい
る。なお、傾斜台72及びアンテナ74は本発明のアン
テナ部に対応している。アンテナ装置70のアンテナ7
4は、利得が所定値以上の範囲がビーム状に絞られ、か
つ図13に示すように、アンテナビームの方向がアンテ
ナ開口面74Aに垂直な方向とされている。前述のよう
にアンテナ74は傾斜台72の傾斜面上に取付けられて
いるので、アンテナビームの方向は、傾斜台72によ
り、第2の回転軸に沿う方向に対して角度θ2 だけ機械
的に傾けられている。
【0104】従って、アンテナ装置11と同様に、第2
のモータ26(図示省略)が駆動されることによって、
傾斜台72及びアンテナ74が、アンテナ支持台14に
対して第2の回転軸回りを一体的に回転されると、アン
テナビームの仰角θ(及び方位角ψ)が変化する。ま
た、第1のモータ18が駆動され、アンテナ支持台14
が基台12に対して第1の回転軸(図13のb−b’
線)回りに回転されると、アンテナビームの方位角のみ
が変化する。
【0105】次に、図14を参照してアンテナ装置の他
の実施形態について説明する。図14に示すアンテナ装
置80は、アンテナ22の外周の端面が、アンテナ22
の全周に亘ってゴム等の摩擦係数の高い材料により一定
の厚みで被覆されて被覆部82が形成されている。一
方、基台12上のアンテナ支持台14の外周に相当する
位置には摺動台84が配置されている。摺動台84は基
台12上に形成されたレール(図示省略)に係合してお
り、前記レールによりアンテナ支持台14に対して接近
離間する方向(図14の矢印A方向)に摺動移動可能と
されている。
【0106】摺動台84には引張コイルばね86の一端
が係止されており、引張コイルばね86の他端は、基台
12上の摺動台84よりもアンテナ支持台14に近接し
た位置に設けられた係止部88に係止されており、摺動
台84は引張コイルばね86によってアンテナ支持台1
4に接近する方向に付勢されている。摺動台84上には
第2のモータ26が取付けられている。また、摺動台8
4上には、第2のモータ26のアンテナ支持台14と反
対側の側部を支持するための支持壁84Aが立設されて
いる。第2のモータ26の回転軸には、ゴム等の摩擦係
数の高い材料から成り、軸線方向の長さがD sinθ
1 (但し、Dは被覆部82を含むアンテナ22の直径)
よりも若干長くされたローラ90が取付けられている。
【0107】アンテナ22のアンテナ開口面22Aは、
基台12の上面(水平面)に対して角度θ1 だけ傾斜し
ているので、被覆部82を含むアンテナ22を水平面に
投影すると楕円状の外形になり、基台12に対してアン
テナ支持台14及びアンテナ22が回転すると、この回
転に伴って、アンテナ22の周方向に沿った各位置にお
いて、被覆部82を含むアンテナ22の直径方向端部の
水平方向に沿った位置が変化すると共に、被覆部82を
含むアンテナ22の直径方向端部の鉛直方向に沿った位
置(高さ)も、最大でD sinθ1 だけ変化する。
【0108】これに対し、第2のモータ26が取付けら
れている摺動台84は、アンテナ支持台14に対して接
近離間する方向に摺動移動可能で、引張コイルばね86
によりアンテナ支持台14に接近する方向に付勢されて
おり、またローラ90の軸線方向の長さもD sinθ1
り若干長くされているので、第1のモータ18が駆動さ
れ、基台12に対してアンテナ支持台14及びアンテナ
22が回転しても、その回転角に拘らず、ローラ90の
外周面は被覆部82に常に接触しかつ押圧されることに
なり、アンテナ22を第2のモータ26によりアンテナ
支持台14に対して回転させることができる。
【0109】上記では、アンテナ22を回転させるため
の第2のモータ26を基台12上に設けているので、第
1のモータ18によって回転される部分(アンテナ支持
台14やアンテナ22を含む部分)を軽量化することが
できる。従って、第1のモータ18として、発生トルク
が比較的小さい小型軽量のモータを用いることができる
ので、アンテナ装置を小型軽量化することができる。
【0110】また、本発明に係る指向性ビーム制御装置
は、車両等の移動体に搭載して移動地球局のアンテナと
して用いることに限定されるものではなく、固定地球局
のアンテナとして用いてもよいし、衛星を利用しない他
の通信形態の通信に用いることも可能である。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、鉛直方向
に略沿った第1の回転軸回りに回転可能に基台に支持さ
れたアンテナ支持体と、アンテナ開口面と交差しかつ第
1の回転軸に対して第1の角度だけ傾いた第2の回転軸
回りに回転可能に前記アンテナ支持体に支持され、アン
テナビームの方向が第2の回転軸方向に対して第2の角
度だけ傾けられたアンテナ部と、を設け、第2の駆動手
段によりアンテナ部をアンテナ支持体に対して回転させ
ることでアンテナビームの仰角を目標値に制御し、第1
の駆動手段によりアンテナ支持体を基台に対して回転さ
せることでアンテナビームの方位角を目標値に制御する
ようにしたので、外乱等に拘らずアンテナビームの仰角
及び方位角を所望の角度に確実に制御することができ
る、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る指向性ビーム制御装置の概
略構成図である。
【図2】アンテナ装置の斜視図である。
【図3】アンテナ装置の概略断面図である。
【図4】(A)はアンテナ装置のアンテナを一部破断し
て示す斜視図、(B)はアンテナの中心部付近の断面図
である。
【図5】アンテナ及びアンテナ支持台の回転によるアン
テナビームの仰角θの変化を説明するための、(A)は
アンテナ装置の正面図、(B)は側面図である。
【図6】アンテナ及びアンテナ支持台の回転によるアン
テナビームの仰角θの変化を説明するための、アンテナ
装置の斜視図である。
【図7】アンテナの回転角φ’の変化に対するアンテナ
ビームの仰角θの変化を示す線図である。
【図8】アンテナの回転角φ’の変化に対するアンテナ
ビームの方位角の変化量Δψを示す線図である。
【図9】第1実施形態に係るビーム方向制御処理を示す
フローチャートである。
【図10】ビーム方向制御処理の他の例を示すフローチ
ャートである。
【図11】第2実施形態に係る指向性ビーム制御装置の
概略構成図である。
【図12】第2実施形態に係るビーム方向制御処理を示
すフローチャートである。
【図13】アンテナ装置の他の実施形態の概略を示す側
面図である。
【図14】アンテナ装置の他の実施形態の概略を示す断
面図である。
【符号の説明】
10 指向性ビーム制御装置 12 基台 14 アンテナ支持台 18 第1のモータ 22 アンテナ 26 第2のモータ 40 制御部 42 回転角センサ 48 回転角センサ 60 指向性ビーム制御装置 62 仰角変化検出センサ 64 方位角変化検出センサ 66 受信レベル検出部
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 俊明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 小川 勝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 寺本 英二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直方向に略沿った第1の回転軸回りに
    回転可能に基台に支持されたアンテナ支持体と、 アンテナ開口面と交差しかつ前記第1の回転軸に対して
    第1の角度だけ傾いた第2の回転軸回りに回転可能に前
    記アンテナ支持体に支持され、アンテナビームの方向が
    前記第2の回転軸方向に対して第2の角度だけ傾けられ
    たアンテナ部と、 前記アンテナ支持体を前記基台に対して前記第1の回転
    軸回りに回転させる第1の駆動手段と、 前記アンテナ部を前記アンテナ支持体に対して前記第2
    の回転軸回りに回転させる第2の駆動手段と、 前記第2の駆動手段により前記アンテナ部を前記アンテ
    ナ支持体に対して回転させることでアンテナビームの仰
    角を目標値に制御し、前記第1の駆動手段により前記ア
    ンテナ支持体を前記基台に対して回転させることでアン
    テナビームの方位角を目標値に制御する制御手段と、 を有する指向性ビーム制御装置。
JP7825897A 1997-03-28 1997-03-28 指向性ビーム制御装置 Pending JPH10276031A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7825897A JPH10276031A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 指向性ビーム制御装置
US09/045,711 US6034643A (en) 1997-03-28 1998-03-23 Directional beam antenna device and directional beam controlling apparatus
DE69805899T DE69805899T2 (de) 1997-03-28 1998-03-24 Richtstrahlantenne und Richtstrahlsteuerungsgerät
EP98105320A EP0867969B1 (en) 1997-03-28 1998-03-24 Directional beam antenna device and directional beam controlling apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7825897A JPH10276031A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 指向性ビーム制御装置

Publications (1)

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JPH10276031A true JPH10276031A (ja) 1998-10-13

Family

ID=13656974

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7825897A Pending JPH10276031A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 指向性ビーム制御装置

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JP (1) JPH10276031A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007107051A1 (fr) * 2006-03-23 2007-09-27 Comba Telecom Technology (Guangzhou) Ltd. Dispositif de commande destiné à réguler les angles d'inclinaison du faisceau électrique d'une antenne de communication mobile
JP2008252803A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 National Institute Of Information & Communication Technology 機能アンテナ装置およびこれを用いた無線システム

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007107051A1 (fr) * 2006-03-23 2007-09-27 Comba Telecom Technology (Guangzhou) Ltd. Dispositif de commande destiné à réguler les angles d'inclinaison du faisceau électrique d'une antenne de communication mobile
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