JPH10275776A - 半導体ウエハ製造装置 - Google Patents

半導体ウエハ製造装置

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Publication number
JPH10275776A
JPH10275776A JP9275697A JP9275697A JPH10275776A JP H10275776 A JPH10275776 A JP H10275776A JP 9275697 A JP9275697 A JP 9275697A JP 9275697 A JP9275697 A JP 9275697A JP H10275776 A JPH10275776 A JP H10275776A
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JP
Japan
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semiconductor wafer
epitaxial growth
wafer
gas
growth furnace
Prior art date
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Pending
Application number
JP9275697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Mayuzumi
雅典 黛
Masato Imai
正人 今井
Kazutoshi Inoue
和俊 井上
Shinji Nakahara
信司 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Original Assignee
Super Silicon Crystal Research Institute Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Super Silicon Crystal Research Institute Corp filed Critical Super Silicon Crystal Research Institute Corp
Priority to JP9275697A priority Critical patent/JPH10275776A/ja
Publication of JPH10275776A publication Critical patent/JPH10275776A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハに対する熱による悪影響の排
除、半導体ウエハへの金属不純物やパーティクル等の付
着の防止、半導体ウエハの裏面の薄膜形成の防止によ
り、高品質なエピタキシャルウエハを製造する。 【解決手段】 エピタキシャル成長炉を備えた半導体ウ
エハ製造装置において、半導体ウエハ基板の裏面に対し
て搬送ガスを噴射することにより、半導体ウエハ基板を
浮上させた状態でエピタキシャル成長炉内の基準位置ま
で半導体ウエハ基板を搬送する浮上搬送手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ基板
を浮上した状態でエピタキシャル成長炉に搬送し、エピ
タキシャル成長炉内部で半導体ウエハを浮上して保持し
た状態でエピタキシャル成長させる半導体ウエハ製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体単結晶から切り出された半導体ウ
エハに単結晶薄膜を成長させるエピタキシャル成長は、
一般的に次のように行われている。
【0003】先ず、単結晶引上げ法等により製造された
半導体単結晶、例えばシリコン単結晶から半導体ウエハ
を切り出し、この半導体ウエハの表面を研磨する。そし
て、研磨により仕上げられた半導体ウエハを、所定の余
熱温度(約600〜800℃)に加熱されたエピタキシ
ャル成長炉内に挿入する。このとき、半導体ウエハは、
エピタキシャル成長炉内のカーボン製のサセプタ等の基
板支持台上に載置する。
【0004】次に、エピタキシャル成長炉内に、予め定
められた基準ガス、例えば水素ガス(H2)を充填し、
半導体ウエハ基板を基板支持台で部分的に支持した状態
で、所定の温度(約100〜1200℃)まで加熱す
る。これにより、半導体ウエハ基板の表面に形成されて
いる酸化膜は、水素による還元作用で除去される。その
後、エピタキシャル成長炉内に、SiH4 、SiHCl
3 等のSiを含んだ反応ガスを注入し、所定の反応温度
(約1100℃)まで加熱する。このとき、反応ガスに
よる還元又は熱分解によって、半導体ウエハ上にシリコ
ンが析出して単結晶薄膜が成長し、エピタキシャル成長
した半導体ウエハ(以下、「エピタキシャルウエハ」と
いう。)が製造される。
【0005】従来の半導体ウエハ製造装置では、半導体
単結晶から切り出されたウエハを、エピタキシャル成長
炉への搬出入のためのロボットハンドにより直接ハンド
リングしていた。すなわち、ロボットハンドのアーム上
にウエハを直接載置して、半導体ウエハを支持しなが
ら、エピタキシャル成長炉内への搬出入を行っていた。
【0006】また、エピタキシャル成長炉内では、ロボ
ットハンドから半導体ウエハを取り外し、この半導体ウ
エハを基板支持台上に直接設置し、基板支持台により部
分的に支持しながら半導体ウエハの加熱を行い、エピタ
キシャル成長させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
半導体ウエハ製造装置は、次のような問題点がある。ま
ず、半導体ウエハは、直接ロボットハンドに接してエピ
タキシャル成長炉内に移動されるため、ロボットハンド
との接触によって、半導体ウエハの裏面に金属不純物や
パーティクル(微粒子物)等が付着しやすいという問題
がある。また、接触時にキズが生じ、このキズが転位等
の欠陥の発生原因となる場合がある。更に、エピタキシ
ャル成長炉内は、半導体ウエハ搬入時にも所定温度まで
予備加熱されているため、ロボットハンドとの接触部と
それ以外の部分では、搬入時に半導体ウエハの温度や加
熱状態に部分的なバラツキが生ずる。これにより、半導
体ウエハ内に熱分布等の不均一が生じ、歪や変形等が生
じる場合がある。
【0008】また、半導体ウエハは、直接基板支持台上
に載置されるため、半導体ウエハの裏面の基板支持台と
の接触部分で、金属不純物やパーティクル(微粒子物)
等が付着してしまう場合がある。このような付着物は、
デバイスパターン形成時の不良原因となったり、半導体
デバイスの電気的特性等に悪影響を及ぼすという問題が
ある。
【0009】また、エピタキシャル成長炉内は、半導体
ウエハは、高温に加熱されるため、基板支持台で部分的
に支持された半導体ウエハは、基板支持台との接触部分
から熱が伝導される。このため、半導体ウエハは、基板
支持台からの急激な熱伝導による温度変化の熱影響があ
る。例えば、ウエハ自体の急激な熱変化による変成や、
基板支持台との部分的接触部分とそれ以外の部分での熱
影響分布が一定でなくなるため、部分的な温度差によ
り、半導体ウエハ内に欠陥が生じたり、時にはウエハの
ひびや割れ等の問題が生ずる場合がある。
【0010】半導体ウエハは、基板支持台で部分的に支
持されているため、基板支持台との非接触部分では、エ
ピタキシャル成長時にエピタキシャル成長炉に供給され
る反応ガスが、半導体ウエハの裏面に回り込む場合があ
る。このため、半導体ウエハの表面のみならず裏面まで
が反応ガスと反応し、エピタキシャル成長あるいはポリ
シリコン成長して、いわゆる裏面デポが形成されてしま
うという問題がある。
【0011】更に、複数の半導体ウエハをエピタキシャ
ル成長させる場合には、半導体ウエハに対する急激な温
度変化による悪影響を回避するため、半導体ウエハをエ
ピタキシャル成長炉内部に搬入するたびに、エピタキシ
ャル成長炉内部を常温又は余熱温度から所定の反応温度
まで成長させて、エピタキシャル成長後、炉内の温度を
元の温度に下降させるような煩雑な処理を行わなければ
ならなかった。このため、複数の半導体ウエハを連続的
に処理することができず、効率的なエピタキシャル成長
を行うことができないという問題があった。
【0012】ところで、近年、直径400mm以上のい
わゆる大口径半導体ウエハを製造することが試みられて
いる。このような大口径半導体ウエハは、熱伝導なども
口径が大きい分だけ遅くなるので、小口径の半導体ウエ
ハより熱等による悪影響が大きくなり、加熱等により割
れや欠陥が生じやすいという性質がある。
【0013】さらに、半導体ウエハが大口径になると、
それだけ金属不純物やパーティクルなどが付着する面積
も大きくなるので、小口径の半導体ウエハでは問題とな
らなかったようなゴミや、汚れ、傷等が目立つようにな
り、新たな障害となってくる。このように、従来のエピ
タキシャル成長炉では、大口径のエピタキシャルウエハ
の製造が困難であるという問題もある。
【0014】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、半導体ウエハに対する熱による悪影響
を少なくした半導体ウエハ製造装置を提供することを主
な目的とする。また、本発明の別の目的は、半導体ウエ
ハへの金属不純物やパーティクル等の付着を防止するこ
とができる半導体ウエハ製造装置を提供することであ
る。本発明の別の目的は、半導体ウエハの裏面の薄膜形
成(裏面デポ)を防止することができる半導体ウエハ製
造装置を提供することである。本発明の別の目的は、半
導体ウエハにキズ等による転位等の欠陥の生じない高品
質なエピタキシャルウエハを製造できる半導体ウエハ製
造装置を提供することである。本発明の別の目的は、複
数の半導体ウエハを効率的に処理し、かつ高品質なエピ
タキシャルウエハを製造することができる半導体ウエハ
製造装置を提供することである。本発明の別の目的は、
大口径の半導体ウエハに適した半導体ウエハ製造装置を
提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、半導体単結晶から切り出さ
れた半導体ウエハ基板を予め定めた基準位置に設置して
所定の反応温度に加熱した状態で反応ガス雰囲気に保持
することによりエピタキシャル成長させるエピタキシャ
ル成長炉を備えた半導体ウエハ製造装置において、前記
半導体ウエハ基板の裏面に対して搬送ガスを噴射するこ
とにより、前記半導体ウエハ基板を浮上させた状態で前
記エピタキシャル成長炉内の基準位置まで前記半導体ウ
エハ基板を搬送する浮上搬送手段を備えたことを特徴と
する。
【0016】本発明は、浮上搬送手段により、半導体ウ
エハ基板(以下、「半導体ウエハ」という。)を浮上し
た状態でエピタキシャル成長炉内に搬送することによ
り、半導体ウエハの欠陥の発生や金属不純物やパーティ
クル等の付着を防止することができる半導体ウエハ製造
装置を提供するものである。「半導体ウエハ基板が浮上
した状態」とは、少なくとも半導体ウエハの裏面部が他
の部材と接触していない状態をいい、このため、本発明
では半導体ウエハの裏面部に搬送ガスを噴射させて、半
導体ウエハを浮上させている。
【0017】従って、半導体ウエハの裏面は、搬送中に
他の部材と直接接触することはないため、従来の半導体
ウエハ製造装置のように、搬送手段としてのロボットハ
ンド等との接触時におけるキズが発生することはない。
このため、半導体ウエハに転位等の欠陥の発生を防止す
ることができ、高品質のエピタキシャルウエハを製造す
ることができる。
【0018】また、半導体ウエハは、他の部材と直接接
触することはないため、他の部材からの金属不純物やパ
ーティクルが付着することはなく、半導体特性の優れた
エピタキシャルウエハを製造することができる。
【0019】尚、半導体ウエハを搬送した設置する基準
位置は、反応ガスを供給することにより、半導体ウエハ
をエピタキシャル成長させることができる位置であれ
ば、特に限定されるものではなく、エピタキシャル成長
炉内の任意の位置とすることができる。しかし、半導体
ウエハの表面に均一な薄膜形成をさせるため、所定濃度
の反応ガスが半導体ウエハ表面に対して層流となるよう
に流れる位置に基準位置を定めることが好ましい。
【0020】また、基準位置における半導体ウエハは、
エピタキシャル成長の間、基準位置で保持されていれば
よく、例えば、基準位置において、半導体ウエハをカー
ボン製のサセプタ等の基板支持台で保持することができ
る。また、基準位置において、半導体ウエハを浮上させ
て保持するように構成することができる。
【0021】浮上搬送手段として半導体ウエハの裏面に
噴射する搬送ガスは、エピタキシャル成長炉内のガス雰
囲気に影響を与えないものであれば、その構成は特に限
定されるものではない。例えば、搬送ガスとして、エピ
タキシャル成長炉内の基準雰囲気ガスとして一般的に使
用される水素(H2)ガスを用いることができる。エピ
タキシャル成長炉内の基準雰囲気を構成するガスと同じ
組成のガスを搬送ガスとして用いれば、炉内雰囲気を維
持できるためである。この場合には、エピタキシャル成
長炉内に反応ガスを供給する前に、水素ガスで半導体ウ
エハ表面に形成された酸化膜を還元させることにより、
酸化膜を除去することができるため、均一なエピタキシ
ャル成長を行うことができるという利点がある。
【0022】このような浮上搬送手段は、搬送ガスを半
導体ウエハの裏面に対して噴射し、半導体ウエハを浮上
した状態で基準位置まで搬送するものであればその構成
は特に限定されるものではない。例えば、浮上搬送手段
を、搬送路の底面に設けた第一のガス噴出口からの搬送
ガスによりウエハを浮上させ、浮上した状態の半導体ウ
エハに推進力を与えて基準位置に移動させる第二のガス
噴射口と、第一のガス噴出口及び第二のガス噴出口に対
し搬送ガスを供給するガスボンベ等とにより構成するこ
とができる。また、この場合に、第一のガス噴出口及び
第二の噴出口として、それぞれ複数の噴出口として設け
ることもできる。更に、搬送方向に沿うガイド等を半導
体ウエハの側方に設けてもよい。
【0023】更に浮上搬送手段として、搬送路内のガス
を排気する排気口を設けてもよい。例えば、排気口を浮
上搬送手段のエピタキシャル成長炉側に設け、搬送路内
のガスを該排気口から吸引して排気するように構成する
こともできる。この場合には、前記第二のガス噴出口か
ら噴射されるガス流は、エピタキシャル成長炉側に向か
うため、該ガス流による推進力で、浮上した状態の半導
体ウエハを円滑にエピタキシャル成長炉内に搬送するこ
とができる。
【0024】本発明に係る半導体ウエハ製造装置の加熱
手段は、少なくとも基準位置で保持される半導体ウエハ
を所定の反応温度に加熱できるものであれば、その構成
は特に限定されるものではない。基準位置の半導体ウエ
ハが所定の反応温度まで加熱されれば、反応ガスを供給
することでエピタキシャル成長が可能となるためであ
る。
【0025】本発明では、エピタキシャル成長炉内の基
準位置に搬送された半導体ウエハに対して反応ガスを供
給する反応ガス供給手段と、半導体ウエハが、エピタキ
シャル成長炉内で前記所定の反応温度まで加熱された状
態で、前記反応ガス供給手段から反応ガスを半導体ウエ
ハ上に供給する反応ガス制御手段を更に設けることがで
きる。
【0026】反応ガス供給手段は、例えばSiH4 、S
iHCl3 等のSiを含んだ反応ガスを半導体ウエハ表
面と接触させるように供給するもの、言い換えると、少
なくとも半導体ウエハの表面側の領域(空間)をエピタ
キシャル成長可能な反応ガス雰囲気で維持できるような
構成のものであれば、その構成は特に限定されるもので
はない。
【0027】例えば、反応ガス供給手段を、エピタキシ
ャル成長炉の任意の位置に設けた反応ガス噴射ノズル
と、エピタキシャル成長炉外に設けた反応ガス貯蔵用の
ガスボンベとにより構成することができる。また、反応
ガス供給手段は、半導体ウエハに均一な薄膜を形成する
ため、反応ガスが半導体ウエハに対し層流となるように
反応ガスを供給することが好ましい。
【0028】また、反応ガス制御手段は、半導体ウエハ
を所定温度まで加熱した状態で、反応ガス供給手段から
反応ガスを供給するものであれば、その構成は特に限定
されるものではない。例えば、反応ガス制御手段を、炉
内を加熱する赤外線ランプ若しくは高周波誘導コイル、
発熱抵抗体(ヒーター)等と、温度制御システムしての
熱電対や放射温度計と、反応ガス制御システムとしての
マスフローコントローラ等とで構成することができる。
【0029】例えば、基準位置に保持された半導体ウエ
ハが、加熱されて反応温度に達した状態で初めて反応ガ
スの供給を開始する構成のものが考えられる。
【0030】又、例えば、反応ガスが層流となるように
所定方向の流れをもつガス流で供給される場合には、反
応ガス供給部より前記ガス流の上流部分を基準ガス雰囲
気に維持しておく。そして、該上流部分に予め半導体ウ
エハを保持しておき、所定の反応温度まで加熱する。こ
の状態で、半導体ウエハを下流方向に移動させて反応ガ
ス供給部より下流の基準位置に搬入する。この場合に
は、半導体ウエハは、反応温度に達した状態で反応ガス
雰囲気中に導入されるので、結果として反応ガスが新た
に供給された状態と同様となる。
【0031】本発明の浮上搬送手段を備えた半導体ウエ
ハ製造装置は、例えば、毎葉型炉、横型炉、パンケーキ
型炉等に応用することができる。
【0032】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
半導体ウエハ製造装置において、前記浮上搬送手段は、
浮上した状態で搬送される半導体ウエハ基板を前記基準
位置で停止させるウエハ搬送停止手段を更に備えたこと
を特徴とする。
【0033】本発明では、ウエハ搬送停止手段により、
浮上した状態でエピタキシャル成長炉内に搬送されてき
た半導体ウエハを基準位置に正確に停止させることがで
きるため、半導体ウエハ基板のエピタキシャル成長を的
確に行うことができる。
【0034】ウエハ搬送停止手段は、エピタキシャル成
長炉内の基準位置に半導体ウエハ基板を停止させるもの
であれば、その構成は特に限定されるものではない。例
えば、ウエハ搬送停止手段として、基準位置に石英製の
ストッパー等を設けることができる。尚、この場合に
は、ウエハ停止の際にストッパー等との接触により、半
導体ウエハにキズ、破壊が生じないようにするため、浮
上搬送手段が、基準位置の近傍で、若しくは基準位置に
接近するに従い搬送速度を減少させるように構成するこ
とができる。例えば、基準位置の近傍で、浮上搬送手段
の搬送ガスの噴射方向が半導体ウエハの移動方向と反対
方向に傾斜させるように構成することができる。
【0035】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の半導体ウエハ製造装置において、前記浮上搬送手
段は、前記基準位置で前記半導体ウエハを保持するウエ
ハ保持手段を更に備えていることを特徴とする。
【0036】本発明では、浮上搬送手段のウエハ保持手
段により、基準位置で半導体ウエハを保持した状態でエ
ピタキシャル成長させることができる。本発明の保持手
段としては、半導体ウエハを基準位置で保持することが
できるものであれば、その構成は特に限定されるもので
はない。例えば、ウエハ保持手段を、基準位置に設けら
れたカーボン製のサセプタ等の基板支持台で構成するこ
とができる。
【0037】また、ウエハ保持手段として、基準位置で
半導体ウエハを浮上させて保持するように構成すること
ができる。言い換えれば、ウエハ保持手段を少なくとも
半導体ウエハの裏面を他の部材と接触させない状態で保
持するように構成することが好ましい。
【0038】この場合には、半導体ウエハは、浮上搬送
手段によって、エピタキシャル成長炉内部に搬入する場
合、半導体ウエハを基準位置に移動するだけでよいた
め、サセプタ等の基板支持台に載置する必要はない。こ
のため、従来の半導体ウエハ製造装置のように、基板支
持台への載置の際の衝撃を受けることはなく、半導体ウ
エハにキズによる転位等の欠陥が生じることを防止する
ことができる。
【0039】また、半導体ウエハの裏面は、ウエハ保持
手段によって、エピタキシャル成長炉内で基板支持台等
の部材と接触しないで保持されるため、従来の半導体ウ
エハ製造装置のように、加熱時に、半導体ウエハの基板
支持台等の支持部分から(部分的に)熱伝導されること
はない。このため、半導体ウエハは、熱伝導による温度
変化による熱影響分布を一定に保持することができ、熱
の悪影響による欠陥及びひび割れ等の生じないエピタキ
シャルウエハを製造することができる。
【0040】また、半導体ウエハは、他の部材と直接接
触することはないため、他の部材からの金属不純物やパ
ーティクルが付着することはなく、半導体特性の優れた
エピタキシャルウエハを製造することができる。
【0041】このような浮上型のウエハ保持手段として
は、基準位置で半導体ウエハを浮上した状態で保持する
ことができるものであれば、その構成は特に限定される
ものではない。例えば、ウエハ保持手段として、半導体
ウエハ裏面に保持ガスを噴射し、保持ガスの噴射流によ
って半導体ウエハを浮上した状態で保持するように構成
することができる。例えば、ウエハ保持手段を、前記基
準位置にエピタキシャル成長炉の底面に設けた一又は複
数のガス噴出口と、このガス噴出口に対し保持ガスを供
給して噴射させるガスボンベ等により構成することがで
きる。この場合には、エピタキシャル成長炉内に反応ガ
スが半導体ウエハに供給された場合でも、ウエハ保持手
段による保持ガスの噴射流が、半導体ウエハの裏面側に
回り込もうとする反応ガスを遮断する。このため、半導
体ウエハの裏面に反応ガスが回り込んで接触することは
ない。従って、半導体ウエハの裏面が反応ガスと反応す
ることはなく、裏面に薄膜(デポ)が形成されることを
防止することができる。
【0042】また、複数のガス噴出口から噴出させるガ
スの半導体ウエハ裏面に対する噴出角度を異ならせて、
半導体ウエハに回転力を作用させ、浮上状態の半導体ウ
エハをその場で回転させるように構成することもでき
る。この場合には、半導体ウエハの表面は回転しながら
反応ガスと反応することができるため、半導体ウエハの
表面により均一な薄膜を形成させることができる。
【0043】また、ウエハ保持手段を、半導体ウエハを
浮上した状態で保持するとともに、基準位置から移動し
ないように保持するように構成することができる。この
場合には、例えば、エピタキシャル成長炉内のガス流の
影響で半導体ウエハが基準位置から側方へ移動すること
を防止することができる。例えば、ウエハ保持手段とし
て、浮上状態の半導体ウエハの表裏面には接触せず側面
の一部または全部を包囲する、または側面の一部または
全部と接する保持部を設けることができる。特に、ウエ
ハ保持手段を半導体ウエハの側面の一部を包囲する保持
部とした場合には、この保持部を、前記搬送停止手段と
兼用して用いることができるという利点がある。
【0044】また、本発明では、ウエハ保持手段を、前
記保持ガスとしてエピタキシャル成長炉内に充填される
予め定められた基準ガスと同じ組成のガスを供給するよ
うに構成することができる。この場合には、保持ガス
が、エピタキシャル成長炉内に充填される予め定められ
た基準ガスと同じ組成で構成されているため、エピタキ
シャル成長炉内のガス雰囲気を一定に保持することがで
きる。
【0045】また、保持ガスによって、基準ガスを用い
て行う処理を効率的に行うことができる。ここで、「基
準ガス」の構成は特に限定されるものではない。例え
ば、反応ガスによるの薄膜形成の処理の前に、半導体ウ
エハ表面に形成されている酸化膜を除去するために、基
準ガスとして一般的に用いられる水素ガス(H2)を用
いることができる。この場合、噴射ガスとしても同じ水
素ガスを用いることにより、基準ガスと保持ガスとによ
り、半導体ウエハ表面のみならず、裏面に形成された酸
化膜を効果的に除去することができる。
【0046】ウエハ保持手段には、前記エピタキシャル
成長炉内へ噴射させる保持ガスを予め加熱する保持ガス
予備加熱手段を更に設けることができる。この場合に
は、保持ガス予備加熱手段により、半導体ウエハを均一
に加熱して、均一な薄膜形成を行うことができるエピタ
キシャル成長炉を提供することができる。半導体ウエハ
を所定の反応温度まで加熱する場合、半導体ウエハ裏面
には、保持ガスが噴射されているため、半導体ウエハの
表面と裏面とで温度変化が生じ、半導体ウエハを均一に
加熱することができない。
【0047】このため、保持ガス予備加熱手段により、
保持ガスを予め加熱することにより、加熱された保持ガ
スが半導体ウエハに噴射され、これにより半導体ウエハ
の裏面も加熱される。従って、炉内の温度を所定の反応
温度まで加熱した場合でも、保持ガス予備加熱手段によ
って、半導体ウエハを均一に加熱することができ、これ
により半導体ウエハに均一な薄膜を形成することができ
る。
【0048】また、炉内が反応温度まで加熱される前
に、半導体ウエハは、保持ガス予備加熱手段によって予
め加熱されるため、半導体ウエハに急激な温度変化が生
じ、変成が生じることはなく、半導体ウエハの均一な薄
膜形成を行うことができる。
【0049】保持ガス予備加熱手段は、保持ガスを予め
加熱することができるものであれば、その構成は特に限
定されるものではない。例えば、保持ガス予備加熱手段
を、エピタキシャル成長炉の上下に赤外線ランプ、高周
波誘導コイル、発熱抵抗体等で構成することができる。
この場合には、熱伝導性を良好にするため、エピタキシ
ャル成長炉を石英ガラス、高純度SiC等で構成するこ
とができる。
【0050】また、保持ガス予備加熱手段による保持ガ
スの加熱と、反応ガスの加熱とを同時に行うことがで
き、エピタキシャル成長を効率的に行うことができる。
また、例えば、ウエハ保持手段をエピタキシャル成長炉
外に設けたガスボンベ及び配管と、エピタキシャル成長
炉底面に設けた噴射口により構成した場合には、予備加
熱手段を、配管を加熱する赤外線ランプ、高周波誘導コ
イル、発熱抵抗体等で構成することができる。尚、この
場合には、保持ガスに対する熱伝導を良好にするため、
保持ガスの流路となる部分を石英ガラス、高純度SiC
等の部材で構成することもできる。
【0051】更に、本発明では、ウエハ保持手段によ
り、半導体ウエハ基板が基準位置で浮上した状態で、半
導体ウエハの裏面を反応ガスの雰囲気から遮断する反応
ガス遮断手段を設けることができる。この場合には、反
応ガス遮断手段により、半導体ウエハが浮上している状
態で、半導体ウエハの裏面は、反応ガスがら遮断され
る。このため、反応ガスは、半導体ウエハと接触するこ
とはなく、半導体ウエハ裏面に薄膜(デポ)が形成され
ることを防止することができる。
【0052】反応ガス遮断手段は、半導体ウエハが基準
位置で浮上している状態において、半導体ウエハの裏面
に回り込もうとする反応ガスを実質的に遮断するもので
あればその構成は特に限定されるものではない。例え
ば、反応ガス遮断手段として、エピタキシャル成長炉内
の空間の一部を上部と下部に仕切るとともに、基準位置
において半導体ウエハの面積とほぼ等しい面積の穴部を
有す隔壁を、基準位置と同じ高さの位置に水平に設け、
半導体ウエハが、基準位置まで浮上した状態で、半導体
ウエハが隔壁の一部をなすように、半導体ウエハの表面
と隔壁の表面が同一平面になるように構成することがで
きる。
【0053】この場合には、半導体ウエハが基準位置ま
で浮上した状態で、エピタキシャル成長炉内の空間が、
基準位置の高さで上部と下部に完全に仕切られるため、
反応ガス供給手段により上部の空間に反応ガスを供給し
た場合でも、エピタキシャル成長炉内の下部の空間に反
応ガスが流入することはない。従って、半導体ウエハ裏
面に反応ガスが接触することはなく、半導体ウエハ裏面
の薄膜形成(デポ)を防止することができる。
【0054】請求項4に係る発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の半導体ウエハ製造装置において、前
記浮上搬送手段は、前記半導体ウエハ基板の搬送経路中
に噴射させる前記搬送ガスを予め加熱する搬送ガス予備
加熱手段を更に備えたことを特徴とする。
【0055】本発明は、搬送ガス予備加熱手段により、
半導体ウエハを均一に加熱して、均一な薄膜形成を行う
ことができる半導体ウエハ製造装置を提供するものであ
る。
【0056】半導体ウエハがエピタキシャル成長炉内に
搬入された後、エピタキシャル成長炉内を反応温度まで
加熱した場合、半導体ウエハに急激な温度変化が生じす
る場合がある。
【0057】本発明では、搬送ガス予備加熱手段によ
り、搬送ガスを予め加熱しているため、加熱された搬送
ガスが搬送中の半導体ウエハに噴射され、これにより半
導体ウエハの裏面もエピタキシャル成長炉内に移動する
前に予め加熱される。このため、半導体ウエハに急激な
温度変化が生じることによる変成が生じることはなく、
半導体ウエハの均一な薄膜形成を行うことができる。
【0058】また、搬送ガス予備加熱手段により予備加
熱された半導体ウエハが、エピタキシャル成長炉内部に
搬送されるため、半導体ウエハのエピタキシャル成長炉
への搬送、エピタキシャル成長炉内での基準ガスによる
半導体ウエハの酸化膜除去処理及び半導体ウエハのエピ
タキシャル成長等の一連の処理を、複数の半導体ウエハ
に対して連続的に処理することが容易となる。言い換え
れば、半導体ウエハは、浮上搬送手段の搬送ガス予備加
熱手段によって搬送中に予備加熱された状態でエピタキ
シャル成長炉内部に搬入されるので、エピタキシャル成
長炉内部を常に高温に保持していても半導体ウエハは、
温度変化による悪影響は少ない。このため、半導体ウエ
ハをエピタキシャル成長炉内に搬入するごとに、エピタ
キシャル成長炉内部の温度を常温もしくは余熱温度から
エピタキシャル成長させるために適した温度まで上昇さ
せ、エピタキシャル成長後、半導体ウエハを搬出後エピ
タキシャル成長炉内部の温度を常温又は余熱温度に下降
させるという煩雑な処理を行う必要がなくなる。よっ
て、複数の半導体ウエハのエピタキシャル成長を連続的
にかつ高品質に行うことができるものである。
【0059】搬送ガス予備加熱手段は、搬送ガスを予め
加熱することができるものであれば、その構成は特に限
定されるものではない。例えば、搬送ガス予備加熱手段
を、搬送路の下部に設けた赤外線ランプ、高周波誘導コ
イル、発熱抵抗体等で構成することができる。この場合
には、熱伝導性を良好にするため、搬送路を石英ガラ
ス、高純度SiC等で構成することができる。
【0060】尚、エピタキシャル成長炉内に噴射される
搬送ガスを予め加熱しておくことにより、ガス導入によ
る温度低下を防止し、エピタキシャル成長炉内部の雰囲
気の温度を維持することができる。
【0061】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
半導体ウエハ製造装置において、前記浮上搬送手段は、
前記半導体ウエハ基板の裏面に対する前記搬送ガスの噴
射角度を変化させる噴射角度調整手段を更に備えている
ことを特徴とする。
【0062】本発明では、噴射角度調整手段によって、
搬送ガスの半導体ウエハ裏面に対する噴出角度を変化さ
せることができるため、噴出角度を異ならせて、半導体
ウエハに回転力を作用させ、浮上状態の半導体ウエハを
搬送中に回転させることができる。すなわち、搬送ガス
予備加熱手段は、回転状態の半導体ウエハを加熱するこ
とになり、半導体ウエハに対する加熱を均一とすること
ができる。これにより、エピタキシャル成長炉内には均
一に予備加熱された半導体ウエハが搬入されるため、温
度変化による悪影響を更に低減させることができ、より
一層高品質のエピタキシャルウエハを製造することがで
きる。
【0063】また、噴射角度調整手段によって、半導体
ウエハの裏面に対する搬送ガスの噴射角度を変えること
により、半導体ウエハの搬送方向を定めることができ
る。また、半導体ウエハの搬送方向を変更することもで
きる。更には、半導体ウエハの移動を停止させることも
できる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図示例とともに説明する。図1には、本発
明の一実施形態に係る半導体ウエハ製造装置の概略構成
図を示している。この実施形態における半導体ウエハ製
造装置は、毎葉式炉に応用したものであり、エピタキシ
ャル成長炉1、ウエハ搬送部3、ウエハカセット5等か
ら概略構成されている。
【0065】ウエハカセット5には、半導体シリコン単
結晶から切り出されたシリコンウエハが、多重構造で一
枚ごとに格納されている。
【0066】ウエハ搬送部3は、ウエハカセットに格納
されたシリコンウエハをエピタキシャル成長炉内に搬送
するものであり、従来のウエハ搬送部がロボットハンド
によりシリコンウエハをウエハカセットからエピタキシ
ャル成長炉内に搬送するのに対し、シリコンウエハを浮
上させて搬送するものである。
【0067】図2に本実施形態に係る半導体ウエハ製造
装置のウエハ搬送部3の平面図を示す。ウエハ搬送部3
は、搬送経路の底部に設けられた石英製のガードレール
25と、ガードレール25の底面に設けられた複数の搬
送用ノズル23と、ウエハ搬送部3のウエハカセット5
側上部からエピタキシャル成長炉の方向に水素ガスを噴
射する噴射口18と、噴射用ノズル23からガードレー
ル25の底面及びウエハ搬送部3の底面から配管16を
介して接続されるとともに、噴射口18から配管(図示
せず)を介して接続される水素ガスボンベ(図示せず)
から概略構成され、これらは浮上搬送手段を構成する。
【0068】ガードレール25は、シリコンウエハの搬
送路となり、ウエハカセット5からエピタキシャル成長
炉の基準位置10まで延在して設けられている。ガード
レール25の幅は、少なくとも搬送するシリコンウエハ
の直径より大きく、本実施形態では、大口径のシリコン
ウエハを搬送できるようにするため、400mm以上の
幅となっている。また、このガードレール25の側方に
は、搬送されるシリコンウエハを導くためのガードレー
ル25に沿ったガイド部26が上方に突設されている。
【0069】搬送用ノズル23は、搬送ガスとしての水
素ガスを上方に噴射するものであり、ガードレール25
の長さ方向に亙って複数設けられている。従って、搬送
用ノズル23から水素ガスを噴射することにより、ガー
ドレール25上のシリコンウエハを浮上させることがで
きるようになっている。
【0070】また、噴射口18は、浮上したシリコンウ
エハをエピタキシャル成長炉内に移動させるためのもの
であり、噴射口18から水素ガスを噴射することによ
り、水素ガスがウエハカセット5側からエピタキシャル
成長炉側に流れ、ガードレール25上で浮上したシリコ
ンウエハをエピタキシャル成長炉内に搬送することがで
きるようになっている。また、ウエハ搬送部3のエピタ
キシャル成長炉側の側面には、ガス排出口17が2箇所
に設けられており、シリコンウエハを搬送するために使
用した水素ガスを吸引排出することができるようになっ
ている。
【0071】尚、本実施形態とは異なり、搬送ガスの噴
射角度を搬送方向に向かう斜め方向とすることにより、
シリコンウエハを搬送させることもできる。
【0072】ウエハ搬送部3の底面には、搬送ガス予備
加熱手段としての複数の赤外線ランプ15が搬送路の長
さ方向に亙って設けられている。このため、ガードレー
ル25中を流れる水素ガスを加熱することができ、これ
によりエピタキシャル成長炉外部でシリコンウエハを予
備加熱することができる。尚、同時に浮上した状態で搬
送中のシリコンウエハも加熱することができる。
【0073】エピタキシャル成長炉の内部には、炉の底
部に保持ガスとしての水素ガスを噴射する複数の噴射ノ
ズル13が上方向に向けて設けられている。この噴射ノ
ズル13からはエピタキシャル成長炉外部に設けられた
ステンレス製のクリーン配管9によって図示しない水素
ガスボンベに接続されている。このため、噴射ノズル1
3から水素ガスをエピタキシャル成長炉内の上方向に噴
射することができ、これにより、噴射ノズル13上に搬
送されてきたシリコンウエハを浮上させることができる
ようになっている。
【0074】また、水素ガスボンベには、圧力計、ガス
流量調節のためのバルブが設けられており(図示せ
ず)、シリコンウエハを、従来のエピタキシャル成長炉
内のサセプタ上に載置されたウエハと実質的に同じ位置
関係となる基準位置10の高さまで浮上させるように、
ガス圧力、ガス流量を調整することができる。
【0075】また、噴射ノズル13には、浮上したシリ
コンウエハの裏面に対する噴射角度を変化させるための
角度調整機構を設けている。具体的には、予め噴射ノズ
ル13を設けたプレートを複数用意し、各プレートは、
互いに噴射ノズル13の噴出口の角度が異なるように構
成している。そして、該プレートを取り替えることによ
り、シリコンウエハの裏面に対する水素ガスの噴射角度
を変化させるものである。このため、噴射ノズル13よ
り噴射された水素ガスが、各プレートごとに互いに異な
る角度でシリコンウエハの裏面当たり、浮上したシリコ
ンウエハは、基準位置10で回転して保持される。
【0076】クリーン配管9の周囲には、複数の赤外線
ランプ11が設けられており、シリコンウエハの浮上状
態で、配管中を通過する水素ガスを約100〜400℃
まで加熱することができるようになっている。従って、
シリコンウエハの裏面には、加熱された水素ガスが噴射
され、シリコンウエハを加熱するものである。尚、本実
施形態では、予備加熱のため、赤外線ランプ11で水素
ガスを約100〜400℃まで加熱しているが、加熱温
度はこれに限定されるものではない。例えば、水素ガス
を400℃以上の温度に加熱できるように赤外線ランプ
11を構成してもよい。
【0077】また、エピタキシャル成長炉には、SiH
4 、SiHCl3 等のSiを含んだ反応ガスをエピタキ
シャル成長炉内部に供給する反応ガス注入口21が設け
られ、この反応ガス注入口21からエピタキシャル成長
炉外部に反応ガス用ボンベ(図示せず)が接続されてい
る。そして、この反応ガス注入口21と反応ガス用ボン
ベが反応ガス供給手段を構成している。
【0078】また、エピタキシャル成長炉内部には、複
数の赤外線ランプ8が設けられており、この赤外線ラン
プ8により、エピタキシャル成長炉内部を、使用するシ
リコンウエハのエピタキシャル成長に適した反応温度で
ある約1100℃まで加熱することができる。更に、エ
ピタキシャル成長炉外部には、反応ガスの温度が約11
00℃に達した時点で、自動的に反応ガス用ボンベが開
くように制御するガス制御システム(図示せず)が設け
られている。
【0079】このような半導体ウエハ製造装置を使用し
て、シリコンウエハをエピタキシャル成長させるには次
のように行う。
【0080】まず、ウエハカセット5の最下段に格納さ
れたシリコンウエハWを取り出し、ウエハ搬送部3のガ
ードレール25上に載置する。そして、水素ガスボンベ
のバルブを開け、搬送用ノズル23及び噴射口から水素
ガスを噴射させる。このとき、シリコンウエハは、搬送
用ノズル23からの下方向から噴射された水素ガスによ
り浮上するとともに、水素ガス噴射口18からガードレ
ール25内にエピタキシャル成長炉方向に噴射される水
素ガスにより、ガードレール25上を浮上した状態でエ
ピタキシャル成長炉内部に搬送される。ここで、搬送用
ノズル23から噴射される水素ガスは、赤外線ランプに
よって約100〜400℃に加熱されているため、加熱
した水素ガスで浮上したシリコンウエハも加熱されるこ
とになる。
【0081】一方、エピタキシャル成長炉の内部では、
水素ガス注入口19から注入された水素ガスが充填され
ており、更に赤外線ランプでエピタキシャル成長炉内を
加熱することにより、エピタキシャル成長炉内の水素ガ
スの雰囲気は、予め約300℃の状態となっている。こ
の状態のエピタキシャル成長炉内に、シリコンウエハが
搬送されてくるが、シリコンウエハはガードレール25
上を移動中に、予備加熱されているため、急激な温度変
化による変成、ひび割れ等が生じることはない。また、
シリコンウエハは、予め加熱されているため、急激な温
度変化が生じず、エピタキシャル成長炉内で均一に加熱
されることになる。
【0082】エピタキシャル成長炉の内部に搬送された
エピタキシャルウエハは、石英製の円弧状のストッパー
7により移動を停止する。ウエハの停止位置では噴射ノ
ズル13から上方に水素ガスが噴射されているため、シ
リコンウエハWは、水素ガスの噴射力により浮上した状
態を保持し、更に前述の基準位置10まで浮上する。従
って、ウエハ搬送部3からエピタキシャル成長炉内部に
シリコンウエハを設置する場合において、シリコンウエ
ハは、従来のエピタキシャル成長炉におけるサセプタ等
の基板支持台と直接接触することはないため、シリコン
ウエハにキズ等が生じることはない。
【0083】エピタキシャル成長炉内にシリコンウエハ
が搬送されると、エピタキシャル成長炉は密閉される。
エピタキシャル成長炉内部は、水素ガスで充填されてい
るため、水素ガスが浮上した状態のシリコンウエハの表
面に形成された酸化膜との還元作用により、酸化膜が除
去される。
【0084】シリコンウエハを基準位置10に浮上させ
た状態で、赤外線ランプ8によりエピタキシャル成長炉
内部を水素ガスを更に加熱する。エピタキシャル成長炉
内の温度が約1100℃になった時点で、加熱した状態
のまま、反応ガス注入口21からSiH4 、SiHCl
3 等の反応ガスが供給され、浮上状態のシリコンウエハ
W表面がエピタキシャル成長する。
【0085】従って、シリコンウエハの裏面は、従来の
エピタキシャル成長炉のように、基板支持台等の部材と
接触しないで保持されるため、熱伝導による温度変化に
よる熱影響分布を一定に保持することができ、熱の悪影
響による欠陥及びひび割れ等の生じないエピタキシャル
ウエハを製造することができる。
【0086】また、シリコンウエハを、他の部材と直接
接触することなくエピタキシャル成長させることができ
るため、シリコンウエハの裏面に金属不純物やパーティ
クルが付着することはない。
【0087】水素ガスがシリコンウエハの裏面に噴射さ
れているため、反応ガスがシリコンウエハに供給された
場合でも、水素ガスの噴射流が、反応ガスを遮断する。
このため、シリコンウエハの裏面に反応ガスが回り込む
ことはなく、シリコンウエハ裏面に薄膜が形成されるこ
とを防止することができる。
【0088】噴射ノズル13から噴射される水素ガス
は、赤外線ランプ11で予め加熱されているため、シリ
コンウエハの裏面も加熱される。このため、炉内が加熱
された状態の場合でも、シリコンウエハを均一に加熱す
ることができ、これにより半導体ウエハに均一な薄膜を
形成することができる。
【0089】また、炉内が反応温度まで加熱される前
に、半導体ウエハは、予備加熱手段によって予め加熱さ
れるため、半導体ウエハに急激な温度変化が生じ、変成
が生じることはなく、半導体ウエハの均一な薄膜形成を
行うことができる。
【0090】更に、プレートの交換により、シリコンウ
エハ裏面に対する水素ガスの噴射角度を変化させた場合
には、浮上した状態のシリコンウエハには、水素ガスの
噴射により、回転力が生じるため、浮上状態のまま回転
して保持される。従って、反応ガスを均一にシリコンウ
エハ表面に供給することができ、シリコンウエハの均一
な薄膜形成を行うことができる。
【0091】以上のように、エピタキシャル成長炉内部
で、シリコンウエハのエピタキシャル成長が終了した後
は、エピタキシャル成長炉の開状態とするとともに、排
気口17に水素ガスボンベ(図示せず)を取り付け、水
素ガスを噴出する。一方、ガス噴出口18からは水素ガ
スボンベを取り外し、搬送路内の水素ガスが吸引排気す
る。これにより、ガードレール25上には、エピタキシ
ャル成長炉側からウエハカセット5側への水素ガスのガ
ス流が生じる。このため、このガス流によって、エピタ
キシャル成長したシリコンウエハ、即ちエピタキシャル
ウエハを浮上した状態でエピタキシャル成長炉1からウ
エハカセット5に搬出することができる。
【0092】尚、本実施形態のエピタキシャル成長炉で
は、シリコンウエハを一枚ごとに搬送し、エピタキシャ
ル成長させているが、エピタキシャル成長炉に複数のシ
リコンウエハを搬送し、同時にエピタキシャル成長させ
るように構成してもよい。この場合には、噴射ノズル1
3を複数のシリコンウエハに対応した位置に設けること
ができる。
【0093】また、本実施形態のエピタキシャル成長炉
は、毎葉型炉に応用したが、これに限定されるものでは
なく、他の形式の炉、例えば、横形炉、縦形炉、パンケ
ーキ型炉等にも応用することができる。
【0094】次に、本発明の第二の実施形態に係る半導
体ウエハ製造装置について説明する。図3は、本発明の
第二の実施形態に係るエピタキシャル成長炉の概略構成
図である。このエピタキシャル成長炉において、図1と
同一符号の部分は、第一の実施形態に係るエピタキシャ
ル成長炉と実質的に同様であるので説明を省略する。ま
た、噴射ノズル13からは水素ガスがシリコンウエハの
裏面に対して噴射され、これにより基準位置10までシ
リコンウエハが浮上した状態となる点については、第一
の実施形態の半導体ウエハ製造装置と同様である。
【0095】本実施形態における半導体ウエハ製造装置
には、基準位置10の高さの位置に、エピタキシャル成
長炉内を上部と下部に仕切る遮断手段としての平板状の
隔壁27が設けられている。この隔壁は、基準位置10
でシリコンウエハの面積に等しい面積の穴部が設けられ
ており、シリコンウエハが基準位置10まで浮上した状
態では、シリコンウエハの表面が、隔壁の一部をなし、
かつシリコンウエハの表面が隔壁の表面と同一平面を構
成する。
【0096】従って、シリコンウエハが浮上している状
態では、シリコンウエハWの表面と隔壁27によりエピ
タキシャル成長炉の上部空間と下部空間と完全に仕切ら
れる。このため、反応ガス注入口21から上部空間に反
応ガスが注入されても、隔壁とシリコンウエハによっ
て、反応ガスが下部空間に流入することはないため、シ
リコンウエハの裏面は、反応ガスから遮断される。従っ
て、シリコンウエハの裏面に薄膜が形成されることを防
止することができる。
【0097】尚、本実施形態の半導体ウエハ製造装置で
は、シリコンウエハを一枚ごとにエピタキシャル成長炉
1内部に搬送し、エピタキシャル成長させているが、エ
ピタキシャル成長炉に複数のシリコンウエハを搬送し、
同時にエピタキシャル成長させるように構成してもよ
い。この場合には、隔壁に、複数のシリコンウエハが浮
上する複数の基準位置10にシリコンウエハの面積に等
しい面積の穴部を設けることができる。
【0098】また、本実施形態のエピタキシャル成長炉
も、横形炉、縦形炉、ディスク炉、パンケーキ型炉等に
応用することができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明では、半導
体ウエハを浮上した状態でエピタキシャル成長炉内部に
搬送し、エピタキシャル成長炉内部でも半導体ウエハを
浮上した状態で保持することができるため、エピタキシ
ャル成長炉外部から搬送されてきた半導体ウエハを基板
支持台等他の部材に載置する必要はなく、半導体ウエハ
にキズ等による転位等の欠陥の生じない高品質なエピタ
キシャルウエハを製造できるという効果がある。
【0100】また、本発明では、エピタキシャル成長炉
内で、半導体ウエハを浮上して保持し、他の部材と接触
させないでエピタキシャル成長することができるため、
半導体ウエハに対する熱による悪影響を防止することが
でき、高品質なエピタキシャルウエハを製造することが
できるという効果がある。
【0101】本発明では、半導体ウエハを浮上して保持
した状態でエピタキシャル成長炉内部に搬送し、エピタ
キシャル成長炉内部でも半導体ウエハを浮上した状態で
エピタキシャル成長することができるため、半導体ウエ
ハへの金属不純物やパーティクル等の付着を防止し、半
導体特性の優れたエピタキシャルウエハを製造すること
ができるという効果がある。
【0102】本発明では、半導体ウエハを浮上させた状
態でエピタキシャル成長させることができるため、半導
体ウエハの裏面の薄膜形成を防止することができる。
【0103】本発明では、半導体ウエハをエピタキシャ
ル成長炉内部への搬送中に予備加熱することができるた
め、複数の半導体ウエハをエピタキシャル成長させる場
合においても容易に連続処理を行い、かつ高品質のエピ
タキシャルウエハを製造することができるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る半導体ウエハ製
造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る半導体ウエハ製
造装置のウエハ搬送部の平面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態に係る半導体ウエハ製
造装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1:エピタキシャル成長炉 3:ウエハ搬送部 5:ウエハカセット 7:ストッパー 8、11、15:赤外線ランプ 9、16:配管 10:基準位置 13:噴射ノズル 17:ガス排出口 18:水素ガス噴射口 19:水素ガス注入口 21:反応ガス注入口 23:搬送用ノズル 25:ガードレール 26:ガイド部 27:隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/68 H01L 21/68 A (72)発明者 中原 信司 群馬県安中市中野谷555番地の1 株式会 社スーパーシリコン研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体単結晶から切り出された半導体ウ
    エハ基板を予め定めた基準位置に設置して所定の反応温
    度に加熱した状態で反応ガス雰囲気に保持することによ
    りエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長炉を備
    えた半導体ウエハ製造装置において、 前記半導体ウエハ基板の裏面に対して搬送ガスを噴射す
    ることにより、前記半導体ウエハ基板を浮上させた状態
    で前記エピタキシャル成長炉内の基準位置まで前記半導
    体ウエハ基板を搬送する浮上搬送手段を備えたことを特
    徴とする半導体ウエハ製造装置。
  2. 【請求項2】 前記浮上搬送手段は、浮上した状態で搬
    送される半導体ウエハ基板を前記基準位置で停止させる
    ウエハ搬送停止手段を更に備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の半導体ウエハ製造装置。
  3. 【請求項3】 前記浮上搬送手段は、前記基準位置で前
    記半導体ウエハを保持するウエハ保持手段を更に備えて
    いることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体ウ
    エハ製造装置。
  4. 【請求項4】 前記浮上搬送手段は、前記半導体ウエハ
    基板の搬送経路中に噴射させる前記搬送ガスを予め加熱
    する搬送ガス予備加熱手段を更に備えたことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ製
    造装置。
  5. 【請求項5】 前記浮上搬送手段は、前記半導体ウエハ
    基板の裏面に対する前記搬送ガスの噴射角度を変化させ
    る噴射角度調整手段を更に備えていることを特徴とする
    請求項4に記載の半導体ウエハ製造装置。
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