JPH10275572A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10275572A
JPH10275572A JP7978197A JP7978197A JPH10275572A JP H10275572 A JPH10275572 A JP H10275572A JP 7978197 A JP7978197 A JP 7978197A JP 7978197 A JP7978197 A JP 7978197A JP H10275572 A JPH10275572 A JP H10275572A
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electron
liquid crystal
polymer resin
crystal polymer
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JP7978197A
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Kazuya Miyazaki
和也 宮崎
Shinichi Kawate
信一 河手
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Canon Inc
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置における真空外囲器内のスペー
サの形成や真空外囲器の接合封止に、内部の構成部品の
変形・ひずみ等を伴わずに、製作工程的に高温を用いず
に製作できることを課題とする。 【解決手段】 真空容器内に、少なくとも複数の電子放
出素子を有する電子源が形成された基板と、該電子源よ
り放出する電子の照射によって発光する発光部が形成さ
れた基板と、該電子源が形成された基板と該発光部が形
成された基板間に配置されたスペーサを有する平面型の
画像形成装置であって、該スペーサが少なくとも液晶ポ
リマー樹脂を含む複数の材料から形成され、さらに該ス
ペーサの接着面が構造的に液晶ポリマー樹脂から形成さ
れることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子を用
いた電子源を用いた画像形成装置に関し、特に真空容器
内の大気圧に抗するスペーサに液晶ポリマー樹脂を用い
た画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子を利用した画像形成
装置として、冷陰極電子放出素子を多数形成した電子源
基板と、透明電極および蛍光体を具備した陽極基板とを
平行に対向させ、真空容器内を真空に排気した平面型の
電子線表示パネルが知られている。このような画像形成
装置において、電界放出型電子放出素子を用いたもの
は、例えば、I.Brodie,“"Advanced technology:flat c
old-cathode CRTs",Information Display,1/89,17(198
9)に開示されたものがある。また、表面伝導型電子放出
素子を用いたものは、例えば、USP5066883等
に開示されている。平面型の電子線表示パネルは、現在
広く用いられている陰極線管(cathode raytube:CR
T)表示装置に比べ、軽量化、大画面化を図ることがで
き、また、液晶を利用した平面型表示パネルやプラズマ
・ディスプレイ、エレクトロルミネッセント・ディスプ
レイ等の他の平面型表示パネルに比べて、より高輝度、
高品質な画像を提供することができる。図6、図7に従
来の電子線表示パネルの一例の概略構成図を示す。ここ
で、図7は、図6におけるA−A’断面図である。図
6、図7に示される電子線表示パネルの構成について詳
述すると、図中、1は電子源基板であるリアプレート、
2は陽極基板であるフェースプレート、3は図示上短縮
表示の外枠であり、これらにより真空外囲器を構成して
いる。また、4はリアプレートの基体であるガラス基
板、5は電子放出素子であり、6aおよび6bは、電子
放出素子5に電圧を印加するための電極である。本例で
は、1つの電子放出素子5に対して1つの蛍光体が対応
している。また、7a(走査電極)および7b(信号電
極)は配線電極であり、それぞれ、電極6a,6bに接
続されている。さらに、8はフェースプレートの基体で
あるガラス基板、9は透明電極、10は蛍光体である。
また、11はスペーサで、リアプレート1とフェースプ
レート2を所定間隔に保持するとともに、大気圧に対す
る支持部材として真空外囲器内部に配置されている。
尚、フェースプレート2、外枠3、リアプレート1、ス
ペーサ11の各接合部は低融点ガラスフリットにより封
着されている。
【0003】この電子線表示パネルにおいて画像を形成
するには、マトリックス状に配置された走査電極7aと
信号電極7bに所定の電圧を順次印加することで、マト
リックスの交点に位置する所定の電子放出素子5を選択
的に駆動し、放出された電子を蛍光体10に照射して所
定の位置に輝点を得る。なお、透明電極9は、放出電子
を加速してより高い輝度の輝点を得るために、電子放出
素子5に対して正電位となるように高電圧が印加され
る。ここで、印加される電圧は、蛍光体10の性能にも
よるが、数百Vから数十kV程度の電圧である。従っ
て、リアプレート1とフェースプレート2間の距離d
(正確には配線7bと透明電極9との距離)は、この印
加電圧によって真空の絶縁破壊(すなわち放電)が生じ
ないようにするため、数百μmから数mm程度に設定さ
れるのが一般的である。
【0004】この電子線表示パネルの表示面積が大きく
なるに従い、真空外囲器内部の真空と外部の大気圧差に
よるプレート基板の変形を抑えるためには、リアプレー
ト基板4およびフェースプレート基板8を厚くする必要
がでてきた。プレート基板を厚くすることは表示パネル
の重量を増加させるだけでなく、斜め方向から見た時に
歪みを生じ、視野角の縮小ともなる。そこで、スペーサ
11を配置することにより、プレート基板4、8の強度
負担を軽減でき、軽量化、低コスト化、大画面化が可能
となるので、平面型電子線表示パネルの利点を十分に発
揮することができる様になる。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
述したスペーサを使用した場合、以下に述べるような問
題がある。
【0006】外囲器内部の真空と外部との大気圧差によ
るプレート基板変形を抑えるために配置するスペーサ1
1は、表示パネルの大面積化に伴いパネル内に配置する
数を増やす必要がある。このスペーサ11に要求される
性能は以下の通りである。
【0007】(1)機械強度 ・耐大気圧強度(圧縮強度) (2)熱物性 ・耐熱性(製造工程における加熱工程に耐える) 封着(フリット)工程:酸化雰囲気中での熱処理 真空中ベーク(高真空形成)工程:真空中での熱処理 ・熱膨張率(表示パネルの基板、外枠等と同程度が望ま
しい) (3)電機物性 ・絶縁耐圧(高電圧印加に耐えうる) ・比抵抗(高電圧印加による発熱、リーク電流が小さ
い):絶縁体 ・帯電特性(沿面放電を起こさない、放出電子線の軌道
を曲げない:特にプレート基板間距離dが大きい場合) (4)放出ガス特性 ・低放出ガス(高真空を維持できる) (5)加工性 ・寸法精度、短時間・簡易工程による量産性(低コス
ト)。
【0008】上記スペーサ11に要求される性能を満足
するとしても、従来のフリットガラスでスペーサ11と
プレート基板4,8との接続をとる方法においては、 (1)フリットガラス塗布 (2)仮焼成 (3)治具へのスペーサ組み込み (4)治具と基板(フェースプレートあるいはリアプレ
ート)の位置合わせ (5)本焼成(接続) 以上の工程が必要であり、歩留まり等のコスト効率性の
点から、量産を踏まえて、上記工程の簡略化が求められ
ている。又、更に、上記本焼成に必要な加熱温度を下げ
ることで、電子放出素子等の組成変化等を防止すること
が望まれる。従って、本発明の課題は、画像形成装置に
おける真空外囲器内のスペーサの形成や真空外囲器の密
接封止に、内部の構成部品の変形・ひずみ等を伴わず
に、製作工程的に高温を用いずに製作できることであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために鋭意検討を行って為されたものであ
り、下述する構成のものである。
【0010】即ち、本発明の画像形成装置は、真空容器
内に、少なくとも複数の電子放出素子を有する電子源
と、該電子源より放出する電子の照射によって発光する
発光部と、該電子源と該発光部との間に配置されたスペ
ーサを有する平面型の画像形成装置であって、該スペー
サが少なくとも溶融液晶ポリマー樹脂を含む複数の材料
から形成され、さらに該スペーサの接着面が構造的に液
晶ポリマー樹脂から形成されることを特徴とする。
【0011】該液晶ポリマー樹脂の特性としては、 (1)低熱膨張率 (2)低成形収縮 (3)高耐熱性 (4)高流動性 等が挙げられ、上記[発明が解決しようとしている課
題]の欄で説明した要求特性を満足すると共に、物性的
にスペーサと基板との接着剤材料、またスペーサ材料と
しても、要求性能を満足するものである。
【0012】スペーサ組み立て工程数低減・簡略化は、
スペーサ自身に構造的に溶融液晶ポリマー樹脂から形成
される接着層を設けることにより達成される。フリット
ガラスの400℃以上を要する焼成温度に対して、低い
融点をもつ液晶ポリマー樹脂の接着は、ホットプレート
による焼成の他、レーザーによるスポット溶接も好まし
く適用できる。これにより、上記フリットガラスでプレ
ート基板との接続をとる場合の組み立て工程の内、塗布
および仮焼成工程を省略することが可能である。又、液
晶ポリマー樹脂を用いることで、封着及びスペーサの接
着に要する温度が下げられる。ここで、構造的に溶融液
晶ポリマー樹脂から形成される接着層とは、液晶ポリマ
ー樹脂が特有なスキン・コア構造を有しており、ポリマ
ーが剛直な棒状高分子であるので、溶融状態において高
度に配向して繊維強化の効果を有しているので、いわゆ
る自己繊維補強ポリマーであることから、接着層として
特有の構造的な溶融液晶ポリマー樹脂のスキン・コア構
造を形成する液晶ポリマー樹脂を特定したものである。
【0013】また、真空容器内の一部あるいは全てのス
ペーサの構造に関して、液晶ポリマー樹脂で連結した一
体構造を採用することによって、上記フリットガラスで
基板との接続をとる場合の組み立て工程の内、さらに治
具へのスペーサ組み込み工程をも省略することが可能で
ある。この自立・一体型スペーサは、治具を使用しない
ため、スペーサの倒れ角度に関しても改善される。即
ち、スペーサ組み立て時の基板に対する倒れ角度は、ス
ペーサ成形時の倒れ角度によって規定される。
【0014】本発明によれば、均一で鮮明な画像を表示
でき、大画面で平面型の画像形成装置を歩留まりよく、
低コストで作製できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の好ましい実施形態
を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】図1、図2は、本発明のスペーサを利用し
た画像形成装置の構成を示す模式図であり、図2は、図
1におけるA−A’断面図である。
【0017】図1において、1は電子源基板であるリア
プレート、2は陽極基板であるフェースプレート、3は
図示上短縮表示の外枠、4はリアプレート1の基体であ
る基板、5は電子放出素子、6aおよび6bは電子放出
素子5に電圧を印加するための電極、7a(走査電極)
および7b(信号電極)は、それぞれ電極6a,6bに
接続されている配線電極、8はフェースプレート2の基
体である基板、9は高圧端子Hvから高電圧Vaが供給
される透明電極、10は蛍光体、12は溶融液晶ポリマ
ー樹脂を適用したスペーサである。本実施形態では、リ
アプレート1と液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ1
2を接続する例を示しているが、フェースプレート2と
液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12を接続するこ
とも可能である。また、本実施形態では、1つの電子放
出素子5に対して1つの蛍光体10の例を示している
が、複数の電子放出素子5に対して1つの蛍光体10で
あってもよく、この場合には電子線の増加により高輝度
を得ることができる。
【0018】図2によれば、リアプレート1にガラス基
板4とその上に形成された電子放出素子5と電極6bと
信号電極7bと、不図示の電極6aと信号電極7aとが
構成されている。また、フェースプレート2は、基体8
と高電圧Vaが供給される透明電極9と蛍光体10とで
構成される。このリアプレート1とフェースプレート2
との間隔dを維持すべく液晶ポリマー樹脂のスペーサ1
2が配置されている。図示上、スペーサ12は信号電極
7bと透明電極9間にて接続され、具体的には溶融液晶
ポリマー樹脂で接着される。
【0019】ここで、本実施形態に用いる溶融液晶ポリ
マーについて説明する。
【0020】〈特徴と分子構造〉溶融液晶ポリマー(Th
ermotropic Liquid Crystal Polymer;LCP)は、溶
融状態で液晶性を示す高耐熱タイプの熱可塑性樹脂で、
射出成型が可能であり、流動性がきわめて良好である特
徴を持っている。
【0021】また、射出成型によって得られた製品は、
上述のようにスキン・コア構造という液晶ポリマーに特
有な構造を持ち、一方でポリマーが剛直な棒状高分子で
あるため、溶融状態において、高度に配向し、繊維強化
の効果を持っている。これが自己繊維補強ポリマーとい
われる由縁で、LCPが世の中で注目を浴びるようにな
った大きな要因の一つである。
【0022】LCPの特徴の一つである耐熱性は、便宜
上、樹脂荷重撓み温度(TDUL)を指標として3つの
タイプに分けられる。一般的にTDUL≧260℃の場
合、タイプI、TDUL≦220℃の場合、タイプIII
に分類され、中間の温度領域のLCPはタイプIIに分類
されている。
【0023】以上のようなLCPの持つ3つのタイプの
特性は、パラヒドロキシ安息香酸にどのようなモノマー
を使用して直線性の剛直鎖を共重合させるかによって決
まる。一般に使用されるモノマーとしてはテレフタル
酸、ビフェノール類、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ヒドロキシナフトエ酸、イソフタル酸等がある。そ
の外にも、アミド結合やエーテル結合を含むLCPもあ
る。本実施形態では上記TDUL≧260℃のタイプI
が好ましく用いられる。
【0024】また、LCPは他のエンジニアプラスチッ
クに比べて固化前の流動性に優れ、固化速度が速く、バ
リの発生が少ない。例えば、金型内にLCP樹脂を充填
する際には、適切な溶融樹脂温度と剪断応力速度によ
り、きわめて低粘度で流入するが金型内で冷却され、剪
断速度が低下すると、急激に粘土が上昇し、短時間で固
化する。また、スペーサとしてLCPを使用する場合、
リアプレート基板及び/又はフェースプレート基板の封
着工程やベーク工程等のため、タイプIが好ましく、次
にタイプIIも用いることも可能である。例えば、住友化
学工業(株)の「スミカススーパー」のE4000,E
5000シリーズ、日本石油化学(株)の「300
X」、東ソー(株)の「HAG−140」、デュポン
(株)の「ゼナイト」等が挙げられる。
【0025】つぎに、リアプレート1は、多数の電子放
出素子が基板4上に配列された電子源基板である。基板
4としては、石英ガラス、青板ガラス、Na等の不純物
含有量を軽減したガラス、青板ガラスにSiO2を積層
したガラス基板、アルミナ等のセラミックス、およびS
i基板等を用いることができるが、特に大画面表示パネ
ルを構成する場合、青板ガラス、カリウム置換ガラス、
青板ガラスに液相成長法、ゾル−ゲル法、スパッタ法等
によりSiO2を積層したガラス基板等が、比較的低コ
ストであり、好ましく用いることができる。
【0026】電子放出素子5として、ここでは、表面伝
導型電子放出素子を用いている。図5は、図1、図2の
画像形成装置中で用いられる表面伝導型電子放出素子を
拡大して示した概略図である。図5において、図1、図
2に示した部位と同じ部位には図1、図2に付した符号
と同一の符号を付している。図5において、31は導電
性薄膜、32は電子放出部である。導電性薄膜31に
は、たとえば、10オングストロームより500オング
ストロームの範囲の膜厚の導電性微粒子で構成された微
粒子膜が好ましく用いられる。導電性薄膜31を構成す
る材料として、種々の導電体、ないし半導体を用いるこ
とができるが、特にPd,Pt,Ag,Au等の貴金属
元素を含む有機化合物を加熱焼成して得られるPd,P
t,Ag,Au,PdO等が好ましく用いられる。電子
放出部32は、導電性薄膜31の一部に形成された高抵
抗の亀裂により構成され、素子電極6a,6b間に所定
のパルス波を印加して導電性薄膜31の一部に形成され
たもので、その内部には、導電性薄膜31を構成する材
料の元素、および炭素、炭素化合物を含有する数オング
ストロームから数百オングストロームの範囲の粒径の導
電性微粒子が存在する場合もある。
【0027】また、素子電極6a,6bとしては、一般
的は導体材料を用いることができる。これは例えばN
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,
Pd等の金属或は合金、およびPd,Ag,Au,Ru
2,Pd−Ag等の金属或は金蔵酸化物とガラス等か
ら構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導
電体およびポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜
選択することができる。
【0028】図5(e)に示すように、電子放出素子5
の配列については、種々のものを採用できる。ここで説
明しているのは単純マトリクス配置と称される配列で、
電子放出素子5をX方向およびY方向に行列状に複数個
配し、同じ行に配された複数の電子放出素子5の電極の
一方6aを、X方向の配線7aに共通に接続し、同じ列
に配された複数の電子放出素子5の電極の他方6bを、
Y方向の配線7bに共通に接続したものである。X方向
配線電極7a、Y方向配線電極7b共に真空蒸着法、印
刷法、スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で
構成することができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜
設計される。また、不図示の層間絶縁層は、ガラス、セ
ラミック等を真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等を用い
て形成された絶縁体層である。例えば、X方向配線7a
を形成した基板4の全面或は一部に所望の形状で形成さ
れ、特に、X方向配線7aとY方向配線7bの交差部の
電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が、適宜設
定される。X方向配線7aには、X方向に配列した電子
放出素子5の行を選択するための走査信号を印加する。
不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向
配線7bには、Y方向に配列した電子放出素子5の各列
を入力信号に応じて、変調するための不図示の変調信号
発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆
動電圧は、当該電子放出素子5に印加される走査信号と
変調信号の差電圧として供給される。
【0029】上記構成においては、単純マトリクス駆動
により、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とするこ
とができる。
【0030】このほかに、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制御電
極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電
子を制御駆動するはしご状配置のもの等があるが、本発
明は特にこれらの配置によって限定されるものではな
い。
【0031】つぎに、フェースプレート2は、基板8の
内面の表面に透明電極9と蛍光体膜10等を形成した陽
極基板である。基板8としては、透明であることは言う
までもないが、リアプレート用基板4と同様の機械強
度、熱物性を有するものが好ましく、大画面表示パネル
を構成する場合、青板ガラス、カリウムガラス、青板ガ
ラスに液相成長法や、ゾル−ゲル法、スパッタ法等によ
りSiO2を積層したガラス基板等が、好ましく用いる
ことができる。透明電極9には不図示の外部電源から高
圧端子Hvを介して正の高電圧Vaが印加される。これ
により、電子放出素子5より放出された電子はフェース
プレート2へ引きつけられ、加速されて蛍光体膜10に
照射される。このとき、入射電子が、蛍光体膜10を発
光させるのに十分なエネルギーをもっていれば、そこに
輝点を得ることができる。一般に、カラーTV用CRT
に用いられている蛍光体では、数kVから数十kVの加
速電圧で電子を加速して照射して良好な輝度と発色を得
ている。CRT用の蛍光体は、比較的安価でありながら
非常に高い性能を有するため、本発明においても好まし
く用いることができる。また、一般的な技術として、蛍
光体膜10の表面に、不図示のメタルバックとよばれる
薄いアルミニウム膜を形成することがある。メタルバッ
クを設ける目的は、蛍光体の発光のうちリアプレート1
側への光をフェースプレート2側へ鏡面反射させること
により輝度を向上させること、外囲器内で発生した負イ
オンの衝突によるダメージから蛍光体を保護すること等
であるが、電子線加速電圧を印加するための電極として
作用させることもでき、この場合、透明電極8は特に必
要とならない場合がある。本実施形態は、いずれの場合
でも用いることができる。
【0032】また、外枠3は、リアプレート1およびフ
ェースプレート2と接着されており、外囲器を形成して
いる。外枠3とリアプレート1およびフェースプレート
2との接着のための接着剤としては、リアプレート1、
フェースプレート2、外枠3を構成する材質にもよる
が、一例としてガラスを用いた場合、液晶ポリマー樹
脂、耐熱性有機ポリマーワニス等を好ましく適用するこ
とができる。
【0033】外枠3とリアプレート1およびフェースプ
レート2との接着を融点TMなる液晶ポリマー樹脂で行
った場合は、外囲器内部(スペーサ12とフェースプレ
ート2あるいはスペーサ12とリアプレート1との接続
部)に使用した液晶ポリマー樹脂の融点をTm 0,1,2,
として、 TM<Tm 0,1,2,… とする必要がある。また、外枠3とリアプレート1およ
びフェースプレート2との接続をキュア温度TCなる耐
熱性有機ポリマーワニスで行った場合も、 TC<Tm 0,1,2,… とする必要がある。
【0034】液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12
を真空容器内に形成する目的は、真空容器内の耐大気圧
支持とリアプレート1とフェースプレート2間の距離d
を保持することである。この距離dは、上述の高電圧V
aによる真空中の放電を起こさない程度に大きくしなけ
ればならない。一方、電子放出素子5からの放出電子は
有限の拡がり角をもっているため、あまり大きな距離を
とると、隣り合う画素との重なりを生じ、混色やコント
ラスト低下を生じる場合がある。したがって、上記数k
Vから数10kVの高電圧Vaに対して、数百μmから
数mm程度の距離d、すなわちスペーサ高さに設定され
るのが望ましい。また、スペーサ基体に求められる特性
は、十分な耐大気圧強度を有すること、大気中、および
真空中での熱工程に耐えられること、熱膨張率が、リア
プレート1、フェースプレート2、外枠3と同程度であ
ること、加工性、量産性に優れること等が挙げられる。
【0035】スペーサ組み立て工程数の低減・簡略化
は、スペーサ12自身に構造的に液晶ポリマー樹脂から
形成される接着層を設けることにより達成される。後述
の図3を参考として説明すると、従来のガラスフリット
に対して融点が低い液晶ポリマー樹脂の接着は、ホット
プレートによる加熱の他、CO2レーザー等のレーザー
によるスポット溶接も好ましく適用できる。これによ
り、上記フリットガラスで基板との接続をとる場合の組
み立て工程の内、塗布および仮焼成工程を省略すること
が可能である。
【0036】次に、スペーサの一体構造について、図3
を参照しつつ説明する。まず、図3(a)は、スペーサ
の主材料のガラス121に液晶ポリマー樹脂123を接
着剤とした概略図である。また、図3(b)は、スペー
サの主材料を融点TM 1の液晶ポリマー樹脂122とし
て、また接着剤として融点TM 2の液晶ポリマー樹脂12
3を用いた概略図を示している。この図3(a)と図3
(b)との各スペーサと接着剤とを組み合わせた例を図
3(c)に示す。このスペーサとしての一体構造は、ガ
ラス121と液晶ポリマー樹脂122を交互に組み合わ
せ、交互に接合される接続部分には融点TM 2の液晶ポリ
マー樹脂123を用いることができる。また、上記のよ
うにガラス121と液晶ポリマー樹脂122を交互に組
み合わせた場合ばかりでなく、融点TM 1の液晶ポリマー
樹脂122だけで一体的にスペーサを構成することも可
能である。このような一体構造のスペーサは、真空容器
内の一部あるいは全てのスペーサ構造に関して、液晶ポ
リマー樹脂で連結した一体構造を採用することによっ
て、上記フリットガラスで基板との接続をとる場合の組
み立て工程の内、さらに治具へのスペーサ組み込み工程
をも省略することが可能である(図3(c))。この自
立・一体型スペーサは、治具を使用しないため、スペー
サ12の倒れ角度に関しても改善される。即ち、スペー
サ組み立て時の基板に対する倒れ角度は、自立・一体型
スペーサ成形時の倒れ角度によって規定される。ここ
で、図3(c)に示すように、ガラス121の下部及び
/又は上部に構造的に液晶ポリマー樹脂を形成する接着
材料を用いたが、融点TM 1の液晶ポリマー樹脂122の
下部及び/又は上部にも構造的に液晶ポリマー樹脂を形
成するかぎり本発明に含まれる。
【0037】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0038】[実施例1]本発明にかかわる基本的な画
像形成装置の構成は、図1、図2と同様であり、全体の
概観図を図4に示した。図4中、図1、図2に示した部
位と同じ部位には同じ符号を付している。図中、41は
メタルバックである。
【0039】本発明に係わる画像形成装置の製造法は、
図5に示している。また、本実施例で使用した液晶ポリ
マー樹脂を適用したスペーサ12の模式図は図3(a)
に示してある。以下、図4、図5を用いて、本発明に関
わる画像形成装置の基本的な構成および製造法を説明す
る。図5は簡便のため、少数の電子放出素子近傍の製造
工程を拡大して示しているが、本実施例は、多数の表面
伝導電子放出素子を単純マトリクス配置した画像形成装
置の例である。図5を参照しつつ、表面伝導電子放出素
子の製造工程を説明する。
【0040】(工程−a)洗浄した青板ガラス基板に、
オフセット印刷法により素子電極6a,6bを形成す
る。ここで使用した厚膜ペースト材料は、MODペース
トで金属成分はPtである。印刷後70℃で10分乾燥
し、次に本焼成を行う。焼成温度は550℃で、ピーク
保持時間は約8分である。印刷・焼成後の膜厚は0.0
5μm〜0.3μmであった(図5(a))。
【0041】(工程−b)次に、厚膜スクリーン印刷法
により電極配線層(信号側)7aを形成する。ペースト
材料は、ノリタケカンパニー製Ag含有厚膜ペーストN
P−4035CAを使用した。焼成温度は400℃で、
ピーク保持時間は約13分である。印刷・焼成後の膜厚
は0.1μm〜7μmであった(図5(b))。なお、
上記工程中、まず基体内に信号側配線層7aを形成し
て、その後素子電極6a,6bを設けてもよい。
【0042】(工程−c)次に、厚膜スクリーン印刷法
により素子電極6b部分に切り込みをいれた層間絶縁層
13を形成する(図5(c))。ペースト材料は、Pb
Oを主成分としてガラスバインダーを混合したものであ
る。焼成温度は480℃で、ピーク保持時間は約13分
である。印刷・焼成後の膜厚は約36μmであった。ま
た、通常、層間絶縁層13は上下層間の絶縁性を確保す
るために、印刷・焼成を3回づつ行う。厚膜ペーストに
より形成される膜は通常ポーラスな膜であるため、複数
回印刷・焼成を繰り返すことで膜のポーラス状態を埋め
込み、絶縁性を確保するのである。
【0043】(工程−d)次に、厚膜スクリーン印刷法
により電極配線層(走査側)7bの走査側配線層を形成
する(図5(d))。ペースト材料は、ノリタケカンパ
ニー製Ag含有厚膜ペーストNP−4035CAを使用
した。焼成温度は400℃で、ピーク保持時間は約13
分である。印刷・焼成後の膜厚はおよそ11μmであっ
た。
【0044】以上の工程にてマトリクス配線が完成す
る。
【0045】(工程−e)本工程に関わる電子放出素子
の導電性薄膜31のマスクは、素子電極6a,6bにま
たがって開口を有するマスクであり、このマスクにより
膜厚100nmのCr膜を真空蒸着により堆積・パター
ニングし、そのうえに有機Pd(ccp4230奥野製
薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃
で10分間の加熱焼成処理をする(図5(e))。ま
た、こうして形成された主元素としてPdよりなる微粒
子からなる導電性薄膜31の膜厚は10nm、シート抵
抗値は5×104Ω/□であった。Cr膜および焼成後
の導電性薄膜31を酸エッチャントによりエッチングし
て所望のパターンを形成する。なお、後述の通電フォー
ミング処理により、電子放出部32を形成する。
【0046】(工程−f)次に不図示の治具を用いて図
3(a)に示した溶融液晶ポリマー樹脂を適用したスペ
ーサ12をリアプレート1の電極配線7b上に接続す
る。青板ガラス121と液晶ポリマー樹脂(ゼナイト
デュポン(株)社製)123から構成されるスペーサ1
2は金型成形によって形成され、0.2mm×1mm×
40mmに切削・研磨した青板ガラス平板に0.12m
m×0.05mm×40mmの液晶ポリマー樹脂接着層
を接続した形態をとっている。ここで使用した液晶ポリ
マー樹脂の融点は350℃である。
【0047】室温での位置合わせ後、アライメント治具
上のホットプレートで350℃で10分間加熱を行い、
その間スペーサ12には1kgf/cm2の圧力をかけ
て、完全にリアプレート1とスペーサ12を接続した。
【0048】(工程−g)以上のようにして、図4に示
すように、多数の液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ
12を固定したリアプレート1に、支持枠としての外枠
3を配置する。このとき、リアプレート1と外枠3の接
合部にはあらかじめ液晶ポリマー樹脂(ゼナイト デュ
ポン(株)社製)を配置してある。ここで使用した液晶
ポリマー樹脂の融点は300℃である。
【0049】フェースプレート2(ガラス基板8の内面
に蛍光膜10とメタルバック41が形成されて構成され
る)は、外枠3を介して配置するが、フェースプレート
2と外枠3の接合部には、あらかじめ同じ液晶ポリマー
樹脂(融点300℃)を配置しておく。リアプレート
1、外枠3、フェースプレート2を張り合わせたもの
を、1kgf/cm2の圧力をかけて、大気中で300
℃で10分間加熱することで封着する。
【0050】なお、蛍光膜10は、モノクロームの場合
は蛍光体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストラ
イプ形状を採用し、先にブラックストライプを形成し、
その間隙部に各色蛍光体を塗布したものを用いる。ブラ
ックストライプの材料としては通常良く用いられている
黒鉛を主成分とする材料を用いている。ガラス基板8に
蛍光体を塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0051】また、蛍光膜10の内面側のメタルバック
41は、蛍光膜の蛍光体10の作製後、蛍光膜の内面側
表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行
い、その後、メタルバック41を真空蒸着することで作
製している。
【0052】フェースプレート2には、更に蛍光膜10
の導電性を高めるため、蛍光膜10の外面側に透明電極
が設けられる場合もあるが、本実施例では、メタルバッ
クのみで十分な導電性が得られたので省略した。
【0053】前述の封着を行う際、カラー画像を得る場
合は、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行った。
【0054】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dxolない
しDoxmとDoylないしDoynを通じ、電子放出
素子5の素子電極6a,6b間に一定電圧の三角波パル
ス電圧を所定間隔で印加し、又は素子電極6a,6b間
に暫増する電圧の三角波パルス電圧を所定間隔で印加し
て、導電性薄膜31に電子放出部形成する通電フォーミ
ング処理することにより電子放出部32を形成する。さ
らに、パネルの排気管よりトルエンをスローリークバル
ブを通してパネル内に導入し、1.0×10-5torr
の雰囲気下で全ての電子放出素子5を駆動し、上記いず
れかの三角波パルス電圧を印加して、活性化処理を行
う。
【0055】次に、10-6torr程度の真空度まで排
気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱することで溶
着し外囲器の封止を行う。
【0056】最後に封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行う。
【0057】以上のように完成した本実施例の画像表示
装置において、各電子放出素子には、容器外端子Dxl
ないしDxm,DylないしDynを通じ、走査信号お
よび変調信号を不図示の信号発生手段よりそれぞれ印加
することにより導電性薄膜31内の電子放出部32から
電子放出させ、高圧端子Hvを通じてメタルバック41
に高電圧Vaを印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜1
0に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示する
ことができる。
【0058】本実施例の画像形成装置においては、スペ
ーサ組み立て工程数を低減・簡易化したことにより、大
画面で低コストな平面型の画像形成装置を歩留まりよく
作製できた。
【0059】[実施例2]本実施例では、工程−f、工
程−g以外は実施例1と同様の工程で行なった。本実施
例で使用した液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12
の模式図は図3(b)に示してある。工程−eで導電性
薄膜31を酸エッチャントによりエッチングして所望の
パターンを形成した後、以下に移行する。
【0060】(工程−f)次に不図示の治具を用いて、
液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12をリアプレー
ト1の電極配線7b上に接続する。異なる2種類の液晶
ポリマー樹脂122,123から構成されるスペーサ1
2は金型成形によって形成され、0.2mm×1mm×
40mmの液晶ポリマー樹脂(ザイダー日本石油化学
(株)社製。以下、LCP1と称する)122に、0.1
2mm×0.05mm×40mmの液晶ポリマー樹脂
(ゼナイト デュポン(株)社製。以下、LCP2と称
する)接着層123を接続した形態をとっている。LC
1およびLCP2の融点を各々T m 1、Tm 2とすると、T
m 1=400℃>Tm 2=350℃である。
【0061】室温での位置合わせ後、CO2レーザーを
使用してスポット的な溶接を行い、その間スペーサ12
には1kgf/cm2の圧力をかけて、完全にリアプレ
ート1とスペーサ12を接続した。
【0062】(工程−g)以上のようにして多数の液晶
ポリマー樹脂122,123を適用したスペーサ12を
固定したリアプレート1に、外枠3を配置する。このと
き、リアプレート1と外枠3の接合部には、あらかじめ
液晶ポリマー樹脂(ゼナイト デュポン(株)社製。以
下、LCP3)を配置してある。ここで使用した液晶ポ
リマー樹脂の融点をTm 3とすると、Tm 2=350℃>T
m 3=300℃である。フェースプレート2(ガラス基板
8の内面に蛍光膜10とメタルバック41が形成されて
構成される)は、外枠3を介して配置するが、フェース
プレート2と外枠3の接合部には、あらかじめ同じ融点
m 3の液晶ポリマー樹脂を配置しておく。リアプレート
1、外枠3、フェースプレート2を張り合わせたもの
を、1kgf/cm2の圧力をかけて、大気中で且つ3
00℃で10分間加熱することで封着する。
【0063】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、実施例1と同様の手法でフォーミング
処理、活性化処理を行う。
【0064】次に排気、封止した後、高周波加熱法でゲ
ッター処理を行う。
【0065】以上のように完成した本実施例の画像表示
装置において、実施例1と同様、電子ビームを蛍光膜に
衝突させ、励起・蛍光発光させることで画像を表示する
ことができる。
【0066】本実施例の画像形成装置においては、スペ
ーサ組み立て工程数を低減・簡易化したことにより、大
画面で低コストな平面型の画像形成装置を歩留まりよく
作製できた。
【0067】[実施例3]本実施例では、以下の工程−
f以外は、実施例1と同様の工程を行なった。本実施例
で使用した液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12の
模式図は、図3(c)に示してある。工程−eで導電性
薄膜31を酸エッチャントによりエッチングして所望の
パターンを形成した後、以下に移行する。
【0068】(工程−f)図3(c)に示す自立・一体
型スペーサをリアプレートの電極配線7b上に接続す
る。青板ガラス121および液晶ポリマー樹脂(ゼナイ
ト デュポン(株)社製)122から構成されるスペー
サ12は、金型成型によって形成され、0.12mm×
1mm×40mmのガラススペーサ121間を液晶ポリ
マー樹脂122で連結し、さらにガラススペーサ121
には液晶ポリマー樹脂接着層123を接続した形態をと
っている。ここで使用した液晶ポリマー樹脂122の融
点は350℃である。また、液晶ポリマー樹脂123の
融点は300℃である。
【0069】室温での位置合わせ後、CO2レーザーを
使用して液晶ポリマー樹脂接着層123のスポット的な
溶接を行い、次に液晶ポリマー樹脂122の連結部を吸
引しながら除去する。リアプレート1への接続時には、
スペーサ12に1kgf/cm2の圧力をかけて、完全
にリアプレート1とスペーサ12を接続した。以下、実
施例1で説明した工程−gが実行される。
【0070】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真
空度に達した後、実施例1と同様の手法でフォーミング
処理、活性化処理を行う。
【0071】次に排気、封止した後、高周波加熱法でゲ
ッター処理を行う。
【0072】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、実施例1と同様、各電子放出素子に各配線
7a,7bよって走査信号と画像入力信号を印加するこ
とにより、電子ビームを蛍光膜に衝突させ、励起・発光
させることで画像を表示することができる。
【0073】本実施例の画像形成装置においては、スペ
ーサ組み立て工程数を低減・簡易化したことにより、ま
た治具を使用しないために、スペーサ倒れ角度もすべて
5゜未満に抑制したことにより、沿面放電もなく、均一
で鮮明な画像を表示でき、大画面で低コストな平面型の
画像形成装置を歩留まりよく作製できた。
【0074】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の画像形成装
置によれば、均一良好な画像を長時間にわたり保持し得
る画像形成装置を提供でき、高品位な画像形成装置、例
えば、カラーフラットテレビが低コストで実現できる。
【0075】更に、封着及び、スペーサのフェースプレ
ートあるいはリアプレートとの接合時に必要な加熱温度
を下げることができ、その結果電子放出素子への影響を
抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図
である。
【図2】本発明の画像形成装置の1例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の画像形成装置で用いることのできる液
晶ポリマー樹脂を適用したスペーサの模式図である。
【図4】本発明の実施例に係わる画像形成装置の構成図
である。
【図5】本発明の実施例に係わる画像形成装置の電子源
の製法図である。
【図6】従来の平面型電子線表示パネルの概略構成図で
ある。
【図7】従来の平面型電子線表示パネルの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 リアプレート 2 フェースプレート 3 外枠 4 リアプレート基板 5 電子放出素子 6a,6b 電極 7a,7b 電極配線 8 フェースプレート基板 9 透明電極 10 蛍光膜 11 スペーサ 12 液晶ポリマー樹脂を適用したスペーサ12 13 絶縁層 31 導電性薄膜 32 電子放出部 41 メタルバック

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に、少なくとも複数の電子放
    出素子を有する電子源が形成された基板と、該電子源よ
    り放出する電子の照射によって発光する発光部が形成さ
    れた基板と、該電子源が形成された基板と該発光部が形
    成された基板間に配置されたスペーサを有する平面型の
    画像形成装置であって、 該スペーサが少なくとも液晶ポリマー樹脂を含む複数の
    材料から形成され、さらに該スペーサの接着面が構造的
    に液晶ポリマー樹脂から形成されることを特徴とする画
    像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記真空容器内の一部あるいは全てのス
    ペーサの構造に関して、液晶ポリマー樹脂で連結した一
    体構造であることを特徴とする請求項1に記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像形成装置におい
    て、前記スペーサはガラス材と前記液晶ポリマー樹脂と
    を連結した一体構造であり、前記スペーサと前記基板と
    の接着面は前記液晶ポリマー樹脂より低融点の液晶ポリ
    マー樹脂により接着されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    画像形成装置において、前記スペーサは前記電子放出素
    子の素子電極を接続する電極配線上に接合搭載されるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記電子放出素子は、冷陰極電子放出素
    子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1
    項に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子放
    出素子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 真空容器内に複数の電子放出素子を有す
    る電子源が形成されたリアプレートと、該電子源より放
    出する電子線の照射によって発光する蛍光体と高電圧を
    印加される透明電極とからなるフェースプレートと、前
    記リアプレートとこれに対向する前記フェースプレート
    間に大気圧に抗するスペーサと、前記リアプレートと前
    記フェースプレートと共に前記真空容器を形成する外枠
    とからなる画像形成装置であって、 前記スペーサは第1の液晶ポリマー樹脂を含む複数の材
    料から形成され、前記スペーサの接着面が前記外枠と前
    記リアプレート及び前記フェースプレートとの接着面と
    同様に第2の液晶ポリマー樹脂から形成されることを特
    徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006054143A (ja) * 2004-08-16 2006-02-23 Hitachi Displays Ltd 画像表示装置及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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