JPH10274696A - 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置 - Google Patents

放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置

Info

Publication number
JPH10274696A
JPH10274696A JP7955097A JP7955097A JPH10274696A JP H10274696 A JPH10274696 A JP H10274696A JP 7955097 A JP7955097 A JP 7955097A JP 7955097 A JP7955097 A JP 7955097A JP H10274696 A JPH10274696 A JP H10274696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
kneading
material paste
pump
solidified material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7955097A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Matsuo
俊明 松尾
Takashi Nishi
高志 西
Kenji Noshita
健司 野下
Masami Matsuda
将省 松田
Kiyotaka Bushi
清隆 武士
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP7955097A priority Critical patent/JPH10274696A/ja
Publication of JPH10274696A publication Critical patent/JPH10274696A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブリージング水の発生を抑制でき、固化材ペー
ストの粘性増加を抑制する。 【解決手段】固体原料供給ポンプ10A,混練機7A及
びペースト排出ポンプ10Bを一体化したペースト供給
装置4Aを備える。固体原料供給ポンプ10A,混練機
7A及びペースト排出ポンプ10Bが一緒に回転するの
で、混練機7Aが位置する混練部15にセメント及び
砂,混練水のそれぞれを供給しながら混練により生成さ
れた固化材ペーストを連続して混練部15から排出され
る。このため、固化材ペーストの粘性をほぼ一定に保持
できる。この固化材ペーストは、放射性雑固体廃棄物1
3を収納したドラム缶12Aに注入される。ドラム缶1
2A内では、ブリージング水の発生量が著しく減少し、
空隙の発生も少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物の処
理方法及びその処理装置に係り、特に放射性物質を含む
雑固体廃棄物を処理するのに好適な放射性廃棄物の処理
方法及びその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所では、紙屑,使用済みイオ
ン交換樹脂,塩ビ管等の可燃性固体廃棄物及びその焼却
灰,放射性ペレット,金属廃棄物等の不燃性固体廃棄物
及びその溶融物といった放射性雑固体廃棄物が発生す
る。それらはドラム缶の中でセメント等の水硬性固化材
を用いて固化処理される。その際、様々な形状の放射性
雑固体廃棄物を充填したドラム缶内にセメントペースト
またはモルタル等の固化材ペーストを注入することにな
る。固化体均一性の観点から、放射性雑固体廃棄物を充
填したドラム缶内の隅々に固化材ペーストが入り込み、
内部に隙間ができないことが望ましい。
【0003】特開平3−45543号公報は、使用済みイオン
交換樹脂及び金属廃棄物等の多種の放射性雑固体廃棄物
を充填したドラム缶内にセメント等の水硬性固化材を注
入し、放射性雑固体廃棄物を固化処理する方法を記載し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に記載さ
れた方法は、混練槽内にセメントと水を供給してこれら
を混練することにより、一度にドラム缶複数本分のセメ
ントペーストを生成し、この分量のセメントペーストを
混練槽内に蓄えておいて、その分量のセメントペースト
を放射性雑固体廃棄物が収納された所定本数のドラム缶
内に順次注入するものである。このため、混練槽内のセ
メントペーストが最初のドラム缶に注入されてから所定
本数のドラム缶への注入が開始されるまでの間に、セメ
ントペーストにふくまれるセメントは水を吸収すること
によって硬化反応が進行するので、セメントペーストの
流動性が低下する。すなわち、セメントペーストの粘性
が増大する。セメントペーストの粘性の増大は、ドラム
缶内の放射性雑固体廃棄物間に形成された隙間、特に狭
い隙間へのセメントペーストの流入が阻害される。これ
は、ドラム缶内にセメントペーストが流入しない空隙が
形成されることになり、セメントが固まって得られる放
射性雑固体廃棄物の固化体内に空隙が生じることにな
る。これでは、固化体の強度が低下する。
【0005】セメントペーストに含まれる水分を増加す
れば、セメントペーストの流動性は増加し、セメントペ
ーストは放射性雑固体廃棄物間の狭い隙間にも流入しや
すくなる。しかしながら、ドラム缶はセメントペースト
注入後に密封されるが、その後、セメントの固化に伴っ
て固化後にドラム缶内にブリージング水が発生する。も
し、万が一、ドラム缶からブリージング水が漏れた場合
は、ブリージング水が発生しない場合に比べて放射性物
質による汚染が拡大する可能性が大きい。
【0006】本発明の目的は、ブリージング水の発生を
抑制でき、注入する固化材ペーストの粘性増加を抑制で
きる放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1の発明の特徴は、固化材ペーストの生成に用いられる
複数種類の原料を混練装置内に供給し、これらの原料を
前記混練装置内で混練して前記固化材ペーストを生成
し、この固化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納し
た容器内に充填する放射性廃棄物の処理方法において、
前記複数種類の原料を前記混練装置内に供給しながら、
前記混練にて得られた前記固化材ペーストを前記容器内
に充填することにある。
【0008】複数種類の原料を混練装置内に供給しなが
ら、混練にて得られた固化材ペーストを容器内に充填す
るので、混練装置内において固化材ペーストの粘性増加
が抑制される。このため、混練装置内から固化材ペース
トが排出されている間に固化材ペーストが注入された複
数の容器において、間隙への固化材ペーストの流入が容
易に行える。これらの容器内における空隙の発生が減少
する。また、原料の1つである水を多くする必要もない
ので、ブリージング水の発生を抑制できる。
【0009】上記の目的を達成する第2の発明の特徴
は、固化材ペーストの生成に用いられる複数種類の原料
を、非管理区域内に配置された前記混練装置内に供給
し、これらの原料を混練装置内で混練して前記固化材ペ
ーストを生成し、この固化材ペーストを、前記非管理区
域とは隔壁によって隔離された管理区域内で、放射性固
体廃棄物を収納した容器内に充填することにある。
【0010】非管理区域内に配置された混練装置内で生
成された固化材ペーストを管理区域内の容器内に充填す
るので、混練装置は放射性物質で汚染されることはな
い。このため、混練装置の保守点検の際に作業員の被ば
くの危険性がなくその保守点検を容易に行うことができ
る。
【0011】上記の目的を達成する第3の発明の特徴
は、複数種類の原料を用いて前記混練装置内で生成され
る前記固化材ペーストの量と実質的に等しい量の前記固
化材ペーストを、前記混練装置内から排出することにあ
る。
【0012】混練装置内で生成される固化材ペーストの
量と実質的に等しい量の固化材ペーストが混練装置内か
ら排出されるので、混練装置内から固化材ペーストが排
出されている間、固化材ペーストの粘性は実質的に所定
値に保持される。このため、混練装置内から固化材ペー
ストが排出されている間に固化材ペーストが注入された
複数の容器において、間隙への固化材ペーストの流入が
阻害されることによって形成される空隙の発生が著しく
減少する。
【0013】上記の目的を達成する第4の発明の特徴
は、混練装置から排出される固化材ペーストはペースト
供給管により放射性固体廃棄物を収納した容器内に注入
され、前記混練装置から排出される前記固化材ペースト
の水分の含有量が設定値よりも多いとき、この固化材ペ
ーストを、前記ペースト供給管から前記容器とは別のペ
ースト回収容器内に排出することにある。
【0014】固化材ペーストの水分の含有量が設定値よ
りも多くなるとブリージング水が発生し、この固化材ペ
ーストは放射性固体廃棄物の固化への利用に適さなくな
る。例えば、混練装置での混練開始直後に、固化材に対
する水の割合が通常より大きくなる。第4発明は、水分
の含有量が設定値よりも多い固化材ペーストを、放射性
固体廃棄物を収納した容器とは別のペースト回収容器内
に排出できるので、固化体におけるブリージング水の発
生を防止できる。
【0015】上記の目的を達成する第5の発明の特徴
は、混練装置から排出される前記固化材ペーストは、第
1ペースト供給管によって前記容器内に注入され、前記
第1ペースト供給管から分岐された第2ペースト供給管
に切り換えることによって別の前記容器内に注入される
ことにある。
【0016】第1ペースト供給管及び第2ペースト供給
管を切り換えて固化材ペーストを別々の容器に注入する
ことができる。このため、第1ペースト供給管及び第2
ペースト供給管の各ペースト排出口にそれぞれ容器を配
置できるので、固化材ペーストを容器の外にこぼすこと
なく混練装置から固化材ペーストを連続して排出でき
る。
【0017】上記の目的を達成する第6の発明の特徴
は、原料を第1ポンプの駆動によって前記混練装置内に
供給し、前記混練装置で得られた前記固化材ペースト
を、前記第1ポンプの駆動中に第2ポンプにより前記放
射性固体廃棄物を収納した容器内に供給することにあ
る。
【0018】第1ポンプによる原料の混練装置内への供
給、及び第2ポンプによる固化材ペーストの容器内への
供給を行うので、原料の混練装置内への供給及び混練装
置からの固化材ペーストの排出を容易に行うことができ
る。
【0019】上記の目的を達成する第7の発明の特徴
は、第1ポンプによって前記混練装置内に供給される前
記原料は水硬性固化材であり、他の前記原料である水は
前記第1ポンプを通らないで前記混練装置内に供給され
ることにある。
【0020】水が第1ポンプを通らないで混練装置内に
供給されるので、第1ポンプ内で水硬性固化材が水を吸
収して固まることを防止できる。第1ポンプ内で水硬性
固化材が固まると、第1ポンプの駆動に支障が生じる。
【0021】上記の目的を達成する第8の発明の特徴
は、非管理区域内に配置された混練装置から隔壁によっ
て隔離された管理区域内にある放射性固体廃棄物を収納
した容器内に固化材ペーストを導く管路の前記非管理区
域内の部分、及び前記混練装置を洗浄し、発生する洗浄
排水を前記非管理区域内の回収容器内に排出することに
ある。
【0022】固化材ペーストを導く管路の前記非管理区
域内の部分、及び前記混練装置の洗浄によって発生する
洗浄排水を前記非管理区域内の回収容器内に排出するの
で、管理区域内に流入する、非管理区域で発生する洗浄
排水の量が少なくなる。このため、二次放射性廃棄物と
なる洗浄排水の量が少なくなり、二次放射性廃棄物の発
生量も減少する。
【0023】上記の目的を達成する第9の発明の特徴
は、前記固化材ペーストを導く管路の前記非管理区域内
の部分、及び前記混練装置の洗浄後に、前記管路の前記
管理区域内の部分を洗浄することにある。
【0024】固化材ペーストを導く管路の管理区域内の
部分を洗浄することができ、二次放射性廃棄物となる洗
浄排水の量が少なくなる。これは、非管理区域で発生し
管理区域内に導かれる洗浄排水の量が少なくなるからで
ある。
【0025】上記の目的を達成する第10の発明の特徴
は、第1ポンプ,第2ポンプ、及び混練装置内に設けら
れた混練手段の各回転軸が連結されていることにある。
【0026】第1ポンプ,第2ポンプ及び混練手段の各
回転軸が連結されているので、いずれかの回転軸を回転
させることによって他の回転軸を回転させることができ
る。このため、回転力の伝達機構の構成を単純化でき
る。
【0027】上記の目的を達成する第11の発明の特徴
は、第1ポンプの第1ケーシング、混練装置のハウジン
グ及び第2ポンプの第2ケーシングはこの順序で一体に
結合され、前記第1ケーシング内に位置する、前記第1
ポンプの回転軸、前記ハウジング内に配置された混練手
段の回転軸、及び前記第2ケーシング内に位置する、前
記第2ポンプの回転軸を連結したことにある。
【0028】第1ケーシング,ハウジング及び第2ケー
シングが結合され、第1ポンプの回転軸,混練手段の回
転軸、及び第2ポンプの回転軸が連結されているので、
第1ポンプと混練装置とを接続する管路、及び混練装置
と第2ポンプとを接続する管路が不要となり、放射性廃
棄物処理装置の構成を単純化できる。
【0029】第8の発明及び第9の発明に、第3の発
明,第4の発明,第5の発明,第6の発明、及び第7の
発明のいずれかの構成を付加してもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の原理を図1に示す放射性
廃棄物処理装置の構成例に基づいて以下に説明する。本
例の放射性廃棄物処理装置は、ペースト供給装置4を有
する。ペースト供給装置4は、混練装置5及びペースト
排出ポンプ10を備える。混練装置5は、混練槽6内
に、回転軸9に混練翼8を設けた混練機7を設置してい
る。回転軸9はモーター32に連結される。ペースト輸
送管11は、混練槽6の底部に接続される。回転軸9に
連結されるペースト排出ポンプ10はペースト輸送管9
内に設置される。ペースト輸送管11の一部がペースト
排出ポンプ10のケーシングとして利用される。ペース
ト排出ポンプ10は、棒状部材の表面部分にねじを切っ
た回転体を有し、ねじの溝に固化材ペーストをはさんで
回転による摩擦により固化材ペーストを輸送するねじポ
ンプである。固化材容器1,骨材容器2及び混練水容器
3が別々の管路により混練槽6に連絡される。図示され
ていないが各々の管路には図1に示すように弁が設けら
れる。固化材容器1は、内部に水硬性固化材であるセメ
ントを貯蔵する。骨材容器2は、砂等の骨材を充填す
る。混練水容器3は、内部に水を充填する。
【0031】上記の各弁の開度を調節することにより固
化材容器1,骨材容器2及び混練水容器3から、セメン
ト,砂及び混練水が、それぞれ所定量、ペースト供給装
置4の混練槽6内に供給される。セメント及び砂を予め
混合した状態(プレミックス固化材)でペースト供給装
置4に供給してもよい。セメント及び砂の混合物に更に
固体状混和剤を混合してもよい。
【0032】モーター32の駆動により混練機7が回転
し、混練槽6内でセメント,砂及び混練水が混練され
る。混練により生成された固化材ペーストは、ペースト
排出ポンプ10の回転により混練槽6からペースト輸送
管11を通してドラム缶12内に注入される。ドラム缶
12は、内部に放射性雑固体廃棄物13が充填されてい
る。
【0033】本例では、混練装置5内にセメント,砂及
び混練水を供給しながら生成された固化材ペーストが混
練装置5から排出され、この固化材ペーストが内部に放
射性雑固体廃棄物13が充填された複数のドラム缶12
内に注入される。セメント,砂及び混練水が少なくとも
混練装置5内に供給される間は、混練機7による混練が
行われる。このように所定量のセメント,砂及び混練水
を混練装置5内に供給しながら、混練装置5から生成さ
れた固化材ペーストを排出し、ドラム缶12内に注入す
るので、混練装置5内での固化材ペーストの粘性増加が
抑制される。このため、固化材ペーストは、ドラム缶1
2内での放射性雑固体廃棄物13間の狭い隙間にも容易
に流入することができる。
【0034】特に、ペースト排出ポンプ10の回転速度
は、混練装置5からの固化材ペーストの単位時間当り排
出量が混練装置5への水硬性固化材,骨材及び混練水の
それぞれの単位時間当りの供給量の和にほぼ等しくなる
ように設定することが望ましい。このように、本例は、
水硬性固化材,骨材及び混練水の混練装置5への単位時
間当りの供給量と混練装置5からの固化材ペーストの単
位時間当り排出量とがバランスするように運転される。
このため、生成された固化材ペーストの混練装置5から
の排出を、水硬性固化材,骨材及び混練水の混練装置5
への供給、及びこれらの混練を行いながら、連続して行
うことができ、実質的に均一な流動性を保つ固化材ペー
スト(粘性が一様な固化材ペースト)を複数のドラム缶に
定常的に供給することができる。
【0035】混練装置5内での固化材ペーストの保持時
間tが長いと固化材ペーストの粘性が増加する。保持時
間tは混練槽6の高さhに依存する。保持時間t内に十
分な混練が行われるように混練機7の回転速度vを決定
するとよい。回転速度vは、単位時間に生成・排出され
る固化材ペーストの量に対して必要な混練回数をNとす
ると、次式で表される。この回転速度vで混練機7を回
転させるとよい。本例
【0036】
【数1】 v=(2gh)1/2/N …(数1) は、混練機7とペースト排出ポンプ10Bとが連結され
ているので、混練機7及びペースト排出ポンプ10Bの
回転速度は等しい。
【0037】混練水容器3内の混練水は放射性廃棄物処
理装置の洗浄水としても利用される。放射性廃棄物処理
装置を洗浄する場合は、混練水容器3内の水が混練槽6
内に供給される。混練機7が回転されて混練装置5の内
部が洗浄される。洗浄後の排水は、混練装置5から排出
され、ペースト輸送管11内を洗浄しながらペースト輸
送管11の吐出口に配置された空のドラム缶内に排出さ
れる。
【0038】本例は、前述した効果以外に以下の効果も
生じる。すなわち、作成した固化材ペーストを備蓄せず
にドラム缶12に注入できるため、余剰の固化材ペース
トの生成量を低減できる。更に、混練装置5の規模を低
減でき、固化材ペーストの備蓄用ホッパーを削除できる
ので、放射性廃棄物処理装置がコンパクトになる。この
ため、放射性廃棄物処理装置の洗浄部分が減少するので
洗浄廃液の発生量が低減すると共に、放射性廃棄物処理
装置の設置に要するスペースが低減する。
【0039】本発明の好適な一実施例である放射性廃棄
物処理装置を、図1を用いて以下に説明する。本実施例
の放射性廃棄物処理装置は、放射性廃棄物処理建屋内の
管理区域内に設置される。
【0040】本実施例は、固体原料供給ポンプ10A,
混練機7A,ペースト排出ポンプ10B及びケーシング
14を有するペースト供給装置4Aを備える。固体原料
供給ポンプ10A,混練機7A及びペースト排出ポンプ
10Bは、この順序で回転体が連結された状態でケーシ
ング14内に収納されている。混練機7Aは回転軸9A
に混練翼8Aを設けたものである。回転軸9Aが固体原
料供給ポンプ10A及びペースト排出ポンプ10Bの各
回転体に連結される。モーター32が、固体原料供給ポ
ンプ10Aの回転体に連結される。固体原料供給ポンプ
10A及びペースト排出ポンプ10Bは、ペースト排出
ポンプ10Bと同様な棒状部材の表面部分にねじを切っ
た回転体を有する。ケーシング14のA部は固体原料供
給ポンプ10Aのケーシングに該当する。ケーシング1
4のB部は混練機7Aを収納するハウジングに該当す
る。混練機7A及びケーシング14のB部によって、図
2の実施例における混練装置5に相当する混練装置の機
能を発揮する。ケーシング14のC部はペースト排出ポ
ンプ10Bのケーシングに該当する。ケーシング14
は、固体原料供給ポンプ10Aのケーシング、混練機7
Aを収納するハウジング及びペースト排出ポンプ10B
のケーシングを結合して一体化したものである。
【0041】セメントを充填する固化材容器1は、弁1
9を備えた配管16によってケーシング14のA部に接
続される。骨材である砂を充填する骨材容器2は、弁2
0を備えた配管17によってケーシング14のA部に接
続される。混練水を充填する混練水容器3は、流量調節
弁21を備えた配管18によって、ケーシング14のB
部の固体原料供給ポンプ10A側の部分に接続される。
【0042】ペースト輸送管16は、ケーシング14の
ペースト排出ポンプ10B側の一端に接続される。ポン
プ24を有する洗浄排水配管22がペースト輸送管16
に接続される。洗浄排水配管22は洗浄排水容器34に
連絡される。開閉弁27を有するスラッジ排出管26が
洗浄排水容器34の底部に取り付けられる。ポンプ25
を有する上澄水配管23が、洗浄排水容器34と混練水
容器3とを連絡する。ペースト輸送管16と洗浄排水配
管22との接続部に、三方弁19が設けられる。分岐配
管17及び18がペースト輸送管16に接続される。三
方弁20がペースト輸送管16,分岐配管17及び18
の交点に設けられる。
【0043】弁19及び20を開く。流量調節弁21も
開く。流量調節弁21の開度は、所定流量の混練水が回
転軸9Aとケーシング14のB部との間に形成される混
練部15に供給されるように調節される。モーター32
を駆動して固体原料供給ポンプ10A,混練機7A及び
ペースト排出ポンプ10Bを回転させる。これらは一緒
に回転する。固体原料供給ポンプ10Aの回転によって
セメント及び砂が固化材容器1及び骨材容器2から混練
部15に供給される。セメント,砂及び混練水が混練翼
8Aの回転によって混練される。混練によって得られた
固化材ペーストは、ペースト排出ポンプ10Bによって
ペースト輸送管16に排出される。図2に示す例と同様
に、セメント及び砂を予め混合した状態(プレミックス
固化材)でペースト供給装置4Aに供給してもよい。セ
メント及び砂の混合物に更に固体状混和剤を混合しても
よい。
【0044】ペースト供給装置4Aの運転開始時では、
混練部15に供給されるセメントと砂とを合計した量に
対する混練水の供給量の比率がその定常運転時における
その比率よりも大きくなる。このため、ペースト供給装
置4Aの運転開始時では、水分の含有量が設定値よりも
大きな固化材ペーストが、ペースト排出ポンプ10Bよ
り排出される。この水分の含有量の大きな固化材ペース
ト(以下、不適ペーストという)をドラム缶内に注入し
た場合には、多量のブリージング水が発生し、ドラム缶
内の所定レベルまで固化材ペーストで満たすことはでき
ない。
【0045】上記の不具合を防止するため、ペースト供
給装置4Aの運転開始後の所定時間の間、三方弁19を
操作してペースト輸送管16と洗浄排水配管22とを連
絡する。この状態では、不適ペーストが分岐配管17
(または分岐配管18)側に達することはない。不適ペ
ーストは洗浄排水配管22を通って洗浄排水容器34に
導かれる。
【0046】三方弁20はペースト輸送管16と分岐配
管17とを連絡する状態になっている。この状態ではペ
ースト輸送管16と分岐配管18とは連通していない。
上記所定時間経過後、三方弁19を操作によりペースト
輸送管16と洗浄排水配管22との連通状態を解消し、
ペースト供給装置4Aから排出された固化材ペーストは
三方弁20側に向かって流れる。固化材ペーストは、分
岐配管17を通って、分岐配管17の吐出口に配置され
たドラム缶12A内に注入される。ドラム缶12Aは内
部に放射性雑固体廃棄物13を収納している。上記所定
時間は、混練部15に供給されるセメントと砂との合計
量に対する混練部15に供給される混練水の量の比が定
常状態の適切な値になるまでの時間である。ドラム缶1
2A内に固化材ペーストを注入している間に、放射性雑
固体廃棄物13を収納するドラム缶12Bを分岐配管1
8の吐出口に配置する。ドラム缶12A内が固化材ペー
ストで満たされたとき、三方弁20を操作して固化材ペ
ーストが分岐配管18を通ってドラム缶12B内に導か
れる。固化材ペーストの注入が完了したドラム缶12A
は、分岐配管17の吐出口から移動されて、放射性雑固
体廃棄物13が収納されかつ固化材ペーストが注入され
ていない新たなドラム缶12Aが分岐配管17の吐出口
に配置される。
【0047】本実施例は、不適ペーストの生成がペース
ト供給装置4Aの運転開始後の所定時間の間に形成され
るので、ペースト供給装置4Aから排出された固化材ペ
ーストを三方弁20側に向かって流すための三方弁19
の切り換えをペースト供給装置4Aの運転開始後の経過
時間で行っている。しかし、この三方弁19の切り換え
は、ペースト排出ポンプ10Bより排出される固化材ペ
ーストの粘性または流動性の測定結果に基づいて行って
もよい。固化材ペーストの粘性または流動性の測定は、
例えば、洗浄排水配管22を流れる固化材ペーストをサ
ンプリングし、このサンプリングされた固化材ペースト
を用いて行う。また、固化材ペーストのサンプリング
は、ペースト輸送管16から行ってもよい。
【0048】混練部15からの固化材ペーストの単位時
間当り排出量が、混練部15への水硬性固化材,骨材及
び混練水のそれぞれの単位時間当りの供給量の和に等し
くなるように設定することが望ましい。これは、固体原
料供給ポンプ10A及びペースト排出ポンプ10Bに形
成される各々のねじ溝の幅を設定することによって可能
である。例えば、セメント及び砂の平均比重が1.3 、
固化材ペーストの比重が2.0 であれば、固体原料供給
ポンプ10Aのねじ溝の幅とペースト排出ポンプ10B
のねじ溝の幅との比は、1/1.3:1/2.0になる。
これにより、混練部15において実質的に一定の粘性を
有する固化材ペーストを生成でき、この固化材ペースト
をペースト排出ポンプ10Bから連続的に排出できる。
【0049】図2の例と同様に、本実施例も混練水容器
3内の混練水を洗浄水として用いることができる。本実
施例における放射性廃棄物処理装置の洗浄について説明
する。
【0050】例えば、所定日数の放射性廃棄物処理装置
の連続運転によって処理対象の放射性固体廃棄物の予定
の処理が完了したとき、放射性廃棄物処理装置の運転が
停止される。混練部15内に残っている固化材ペースト
及び管路の内面に付着している固化材ペーストを放置す
るとそのまま固化してしまい、放射性廃棄物処理装置の
運転再開に支障が生じる。これを避けるために、放射性
廃棄物処理装置は運転停止後に洗浄される。ペースト供
給装置4Aの運転停止時には、弁19及び20が閉じら
れ、流量調節弁21も閉じる。洗浄を行う際には、三方
弁19を操作してペースト輸送管16と洗浄排水配管2
2とを連通させる。この状態で、流量調節弁21を開
き、ペースト供給装置4Aを駆動する。混練水容器3内
の混練水は、洗浄水として混練部15内に流入する。混
練機5Aが回転しているので、混練機5A,ケーシング
14のB部の内面が洗浄される。この洗浄水は、ペース
ト排出ポンプ10Bによってペースト輸送管16に排出
される。その際に、ペースト排出ポンプ10B及びケー
シング14のC部の内面が洗浄水によって洗浄される。
洗浄水は、更に、ペースト輸送管16の一部の内面を洗
浄する。固化材ペーストを含んだ洗浄水は、洗浄排水配
管22を通って洗浄排水容器34内に導かれる。
【0051】その後、三方弁19を操作して洗浄水を三
方弁20側に流す。三方弁20がペースト輸送管16と
分岐配管17を連通している場合は、洗浄水は、分岐配
管17を通ってドラム缶12Aに排出される。三方弁2
0を操作してペースト輸送管16と分岐配管18とを連
通することによって洗浄水はドラム缶12に排出され
る。このようにして、分岐配管17及び18が洗浄され
る。洗浄完了後、流量調節弁21が閉じられ、ペースト
供給装置4Aの駆動が停止される。
【0052】洗浄排水容器34内の上澄水は、ポンプ2
5の駆動により、混練水としての再利用するために上澄
水配管23を通して混練水容器3に戻される。洗浄排水
容器34内のセメント及び砂を含むスラッジは、開閉弁
27を開くことによってスラッジ排出管26の吐出口に
配置されたドラム缶(図示せず)内に排出される。
【0053】本実施例は、図2のように、水硬性固化
材,骨材及び混練水の混練部15への単位時間当りの供
給量と混練部15からの固化材ペーストの単位時間当り
排出量とがバランスする。すなわち、生成された固化材
ペーストの混練部15からの排出を、水硬性固化材、骨
材及び混練水の混練部15への供給、及びこれらの混練
を行いながら、連続して行うことができ、固化材ペース
トの粘性の増加を抑制できる。混練部15で得られる固
化材ペーストの粘性は、ペースト供給装置4Aの運転開
始後の所定期間を除き、実質的に一定に保持できる。本
実施例は、複数のドラム缶の隅々まで、更には放射性雑
固体廃棄物13間の隙間にも良好に固化材ペーストを注
入することができる。従って、放射性雑固体廃棄物13
を収納したこれらのドラム缶内で、空隙の発生する確率
は著しく低下する。
【0054】本実施例は、固体原料供給ポンプ10A,
混練機5A及びペースト排出ポンプ10Bを一体に結合
したペースト供給装置4Aを用いているので、混練部1
5の容積が図2の例の混練層6内の容積に比べて小さく
なる。このため、本実施例は、図2の例に比べて余剰ペ
ーストの生成量が減少する。本実施例は、図2の例より
も装置構成をコンパクト化できる。これは、洗浄対象部
分の現象につながり、必要とする洗浄水量を低減でき
る。また、放射性廃棄物処理装置の設置スペースを更に
小さくできる。
【0055】本実施例は、三方弁19を切り換えて不適
ペーストを洗浄配水容器21に回収できるので、不適ペ
ーストの、放射性固体廃棄物13を収納したドラム缶内
への供給を防止できる。適正な粘性を有する固化材ペー
ストをドラム缶内に供給でき、不適ペーストのドラム缶
への供給によって生じるブリージング水の発生を防止で
きる。
【0056】本実施例は、分岐配管17及び18を備え
おり、これらの分岐配管への固化材ペーストの供給を三
方弁20の操作で切り換えてこれらの分岐配管の吐出口
に位置する各ドラム缶内に固化材ペーストを順次注入で
きる。ペースト供給装置4Aの運転を停止することな
く、所定期間の間、分岐配管17及び18を交互に用い
て複数のドラム缶に連続して固化材ペーストを注入でき
る。ペースト供給装置4Aの運転停止回数が減少するの
で、不適ペーストの発生量が低減される。また、分岐配
管17及び18を交互に切り換えて固化材ペーストの注
入を行うので、固化材ペーストをこぼすことなく複数の
ドラム缶に連続して注入することができる。
【0057】混練水が固体原料供給ポンプ10Aを通ら
ないで混練部15に供給されるので、固体原料供給ポン
プ10A内でセメントが混練水を吸収することを防止で
きる。これは、固体原料供給ポンプ10A内でセメント
が固まることを防止できることになる。従って、固体原
料供給ポンプ10Aを、更には、混練機5A及びペース
ト排出ポンプ10Bを支障なく回転できる。
【0058】本実施例では、固体原料供給ポンプ10
A,混練機5A及びペースト排出ポンプ10Bが回転可
能に結合され、モーター32で回転される。このため、
モーターは1つで済む。固体原料供給ポンプ10A,混
練機5A及びペースト排出ポンプ10Bに回転力を伝え
る伝達機構を別に設ける必要はない。本実施例に用いる
ペースト供給装置4Aは、極めてコンパクトになる。ケ
ーシング14内に固体原料供給ポンプ10A,混練機5
A及びペースト排出ポンプ10Bが配置されているの
で、これらの機器を連絡する配管が不要になる。
【0059】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処
理装置を図3に基づいて以下に説明する。本実施例の装
置は、放射性廃棄物処理建屋内に設置される。図1の実
施例と同じ構成は、同一の符号を付してある。本実施例
は、構成的には図1の実施例のそれと同じである。
【0060】本実施例は、図1の実施例の構成のうち、
固化材容器1,骨材容器2,混練水容器3,ペースト供
給装置4A,三方弁19,洗浄排水配管22,洗浄排水
容器34及び上澄水配管23が、放射性廃棄物処理建屋
内の非管理区域内に配置される。この非管理区域と放射
線遮へい壁28によって隔離された管理区域内には、分
岐配管17及び18、及び三方弁20が配置される。放
射性雑固体廃棄物13が収納されたドラム缶は、管理区
域内を移動する。ペースト輸送管16は、相互の領域の
気密性を保つようにして放射線遮へい壁28を貫通して
いる。本実施例における固化材ペーストの作成及びドラ
ム缶への注入は、図1の実施例と同様に行われる。
【0061】本実施例は、放射性雑固体廃棄物13を取
り扱う管理区域内の放射性物質が非管理区域内に入るこ
とはない。このため、非管理区域内の機器は放射性物質
で汚染されることはない。非管理区域内での作業員の被
爆の危険性はなく、非管理区域内での機器の保守点検を
容易に行うことができる。このように本実施例の放射性
廃棄物処理装置の一部の機器の保守点検は、非管理区域
内で容易にかつ安全に行うことができる。
【0062】本実施例における放射性廃棄物処理装置の
洗浄は以下のように行う。この洗浄方法は、図1の実施
例と同じである。放射性二次廃棄物の発生量を低減する
ために、放射性廃棄物処理装置内の洗浄対象箇所の洗浄
順序を規定する必要がある。最初、三方弁19によって
ペースト輸送管16と洗浄排水管22を連通させた状態
で、非管理区域内にある機器、すなわち、ペースト供給
装置4A,三方弁19、及びペースト供給装置4Aと三
方弁19との間のペースト輸送管16の部分を図1の実
施例と同様に洗浄する。その後、三方弁19を操作して
洗浄水を三方弁20側に流す。三方弁20は、ペースト
輸送管16と分岐配管17とを連通している。洗浄水
は、ペースト輸送管16及び分岐配管17を洗浄して分
岐配管17の吐出口に位置する空のドラム缶内に排出さ
れる。次に、三方弁20を分岐配管18側に切り換えて
分岐配管18内の洗浄を行う。この洗浄排水は、分岐配
管18の吐出口に配置された空のドラム缶内に排出され
る。管理区域内にあるこれらの空のドラム缶内に排出さ
れた洗浄水は、放射性二次廃棄物として取り扱われ、所
定の処理が行われる。
【0063】本実施例における上記の洗浄作業のうち、
非管理区域内に配置された前述の機器の洗浄によって発
生する洗浄排水は、放射性二次廃棄物にならない。特
に、スラッジ排出管26から排出されるスラッジも放射
性二次廃棄物ではない。このような本実施例における洗
浄を行うことによって放射性二次廃棄物の発生量を著し
く低減できる。
【0064】本実施例は、図1の実施例によって得られ
る効果も生じる。
【0065】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処
理装置を図4を用いて以下に説明する。本実施例は、図
1の実施例で用いている固化材容器1,骨材容器2,混
練水容器3,ペースト供給装置4A及びペースト輸送管
を有する。放射線遮へい壁28によって非管理区域と管
理区域が隔離されている。固化材容器1,骨材容器2,
混練水容器3及びペースト供給装置4Aは、非管理区域
に配置される。ペースト輸送管は、ペースト輸送管16
A,16B,16C及び16Dの3つの部分に別れてい
る。ペースト輸送管16Cは、放射線遮へい壁28に取
り付けられ、放射線遮へい壁28を貫通する。ペースト
輸送管16Dは、管理区域に配置され、ペースト輸送管
16C及び三方弁20に着脱自在に取り付けられてい
る。ペースト輸送管16Aは、ペースト供給装置4A及
び三方弁19に取り付けられる。ペースト輸送管16B
は、三方弁20及びペースト輸送管16Cに着脱自在に
取り付けられている。
【0066】ペースト供給装置4Aから排出された固化
材ペーストは、ペースト輸送管16A,16B,16C及
び16Dを順次経て、三方弁20による切り換え状態に
応じて分岐配管17または分岐配管18を通り放射性雑
固体廃棄物13を収納した該当するドラム缶12内に注
入される。
【0067】本実施例は、図1の実施例において生じる
効果を得ることができる。更に、本実施例は、ペースト
輸送管16B及び16Dが取り外せるので、放射線遮へ
い壁28を貫通する部分であるペースト輸送管16Cが
固化材ペーストで詰まった場合でも、その固化材ペース
トを容易に除去できる。
【0068】図5は、本発明の他の実施例である放射性
廃棄物処理装置を示す。本実施例は、図5に示す実施例
の構成のうち放射線遮へい壁28に設けられるペースト
輸送管16C内に逆流防止弁29を設けたものである。
逆流防止弁29の設置によって、固化材ペーストの逆
流、及び管理区域から非管理区域に配置されている本実
施例の機器及び配管内への放射性物質の拡散を防ぐこと
ができる。本実施例は、図1の実施例において生じる効
果を得ることができる。また、ペースト輸送管16B及
び16Dが取り外せるので、ペースト輸送管16Cの逆
流防止弁29付近に残る固化材ペーストを洗浄等により
除去しやすくなる。
【0069】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処
理装置を、図6を用いて説明する。本実施例は、図5に
示す実施例において、放射線遮へい壁28に設けられる
ペースト輸送管16Cに、ペースト輸送管16D及び分
岐配管17及び18の替りにフレキシブルホース30を
接続したものである。固化材ペーストはフレキシブルホ
ース30を用いて複数のドラム缶12内に、順次、注入
される。管理区域内で作業員がフレキシブルホース30
を持って固化材ペーストを注入するドラム缶にその出口
を向ける。本実施例によれば、図1の実施例で設けられ
る、分岐配管17及び18のそれぞれの吐出口にドラム
缶12A,12B別々に搬送する2系統のベルトコンベ
ア設備のうち1系統のベルトコンベア設備が不要にな
る。ただし、図1の実施例に比べて、1つのドラム缶へ
の固化材ペーストの注入が終了して次のドラム缶にフレ
キシブルホース30の吐出口を移動するとき少量の固化
材ペーストがドラム缶の外側にこぼれやすい。
【0070】本発明の他の実施例である放射性廃棄物処
理装置を、図7を用いて説明する。本実施例は、図5に
示す実施例の構成に装置洗浄器31を備えたものであ
る。装置洗浄器31は、管理区域内でのペースト輸送管
16D及び分岐配管17及び18の洗浄を行う。装置洗
浄器31を設けることにより、作業員が管理区域に出入
りする回数を低減できる。これは、放射能汚染の拡大防
止に貢献する。本実施例は、図1の実施例で得られる効
果も生じる。
【0071】
【発明の効果】第1の発明によれば、混練装置内におけ
る固化材ペーストの粘性増加が抑制できる。このため、
固化材ペーストが充填された容器内における空隙の発生
が減少する。また、ブリージング水の発生を抑制でき
る。
【0072】第2の発明によれば、混練装置の保守点検
の際に作業員の被ばくの危険性がなくその保守点検を容
易に行うことができる。
【0073】第3の発明によれば、混練装置内から固化
材ペーストが排出されている間に固化材ペーストが注入
された複数の容器において、間隙への固化材ペーストの
流入が阻害されることによって形成される空隙の発生が
著しく減少する。
【0074】第4の発明によれば、水分の含有量が設定
値よりも多い固化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収
納した容器とは別のペースト回収容器内に排出できるの
で、固化体におけるブリージング水の発生を防止でき
る。
【0075】第5の発明によれば、固化材ペーストを容
器の外にこぼすことなく混練装置から固化材ペーストを
連続して排出できる。
【0076】第6の発明によれば、原料の混練装置内へ
の供給及び混練装置からの固化材ペーストの排出を容易
に行うことができる。
【0077】第7の発明によれば、第1ポンプ内で水硬
性固化材が水を吸収して固まることを防止できる。
【0078】第8の発明によれば、二次放射性廃棄物と
なる洗浄排水の量が少なくなり、二次放射性廃棄物の発
生量も減少する。
【0079】第9の発明によれば、固化材ペーストを導
く管路の管理区域内の部分を洗浄することができ、二次
放射性廃棄物となる洗浄排水の量が少なくなる。
【0080】第10の発明によれば、いずれかの回転軸
を回転させることによって他の回転軸を回転させること
ができるので、回転力の伝達機構の構成を単純化でき
る。
【0081】第11の発明によれば、第1ポンプと混練
装置とを接続する管路、及び混練装置と第2ポンプとを
接続する管路が不要となり、放射性廃棄物処理装置の構
成を単純化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性廃棄物の
処理装置の構成図である。
【図2】本発明の好適な原理を説明するための構成例を
示す図である。
【図3】本発明の他の実施例である放射性廃棄物の処理
装置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施例である放射性廃棄物の処理
装置の構成図である。
【図5】本発明の他の実施例である放射性廃棄物の処理
装置の構成図である。
【図6】本発明の他の実施例である放射性廃棄物の処理
装置の構成図である。
【図7】本発明の他の実施例である放射性廃棄物の処理
装置の構成図である。
【符号の説明】
1…固化材容器、2…骨材容器、3…混練水容器、4,
4A…ペースト供給装置、5…混練装置、6…混練槽、
7,7A…混練機、10,10B…ペースト排出ポン
プ、10A…固体原料供給ポンプ、15…混練部、1
6,16A,16B,16C,16D…ペースト輸送
管、17,18…分岐配管、19,20…三方弁、34
…洗浄排水容器、22…洗浄排水配管、23…上澄水配
管、28…放射線遮へい壁、29…逆流防止弁、30…
フレキシブルホース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 将省 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 武士 清隆 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固化材ペーストの生成に用いられる複数種
    類の原料を混練装置内に供給し、これらの原料を前記混
    練装置内で混練して前記固化材ペーストを生成し、この
    固化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納した容器内
    に充填する放射性廃棄物の処理方法において、 前記複数種類の原料を前記混練装置内に供給しながら、
    前記混練にて得られた前記固化材ペーストを前記容器内
    に充填することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】固化材ペーストの生成に用いられる複数種
    類の原料を混練装置内に供給し、これらの原料を前記混
    練装置内で混練して前記固化材ペーストを生成し、この
    固化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納した容器内
    に充填する放射性廃棄物の処理方法において、 前記混練にて得られた前記固化材ペーストを前記混練装
    置から排出して前記容器に充填しながら、前記複数種類
    の原料を前記混練装置内に供給してこれらの原料を混練
    することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】固化材ペーストの生成に用いられる複数種
    類の原料を、非管理区域内に配置された前記混練装置内
    に供給し、これらの原料を混練装置内で混練して前記固
    化材ペーストを生成し、この固化材ペーストを、前記非
    管理区域とは隔壁によって隔離された管理区域内で、放
    射性固体廃棄物を収納した容器内に充填する放射性廃棄
    物の処理方法において、 前記複数種類の原料を前記混練装置内に供給しながら、
    前記混練にて得られた前記固化材ペーストを前記容器内
    に充填することを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】前記複数種類の原料を用いて前記混練装置
    内で生成される前記固化材ペーストの量と実質的に等し
    い量の前記固化材ペーストを、前記混練装置内から排出
    する請求項1,請求項2または請求項3の放射性廃棄物
    の処理方法。
  5. 【請求項5】前記混練装置から排出される前記固化材ペ
    ーストはペースト供給管により前記容器内に注入され、
    前記混練装置から排出される前記固化材ペーストの水分
    の含有量が設定値よりも多いとき、この固化材ペースト
    を、前記ペースト供給管から前記容器とは別のペースト
    回収容器内に排出する請求項1,請求項2,請求項3ま
    たは請求項4の放射性廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】固化材ペーストの生成に用いられる複数種
    類の原料を混練装置内に供給し、これらの原料を前記混
    練装置内で混練して前記固化材ペーストを生成し、この
    固化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納した容器内
    に充填する放射性廃棄物の処理方法において、 これらの原料の前記混練装置内への供給、前記混練装置
    内でのこれらの原料の混練、及び生成された前記固化材
    ペーストの前記混練装置内からの排出が、前記容器内へ
    の前記固化材ペーストの注入期間の少なくとも一部で、
    同時に行われることを特徴とする放射性廃棄物の処理方
    法。
  7. 【請求項7】前記混練装置から排出される前記固化材ペ
    ーストは、第1ペースト供給管によって前記容器内に注
    入され、前記第1ペースト供給管から分岐された第2ペ
    ースト供給管に切り換えることによって別の前記容器内
    に注入される請求項1乃至請求項6のいずれか1つの放
    射性廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】前記原料を第1ポンプの駆動によって前記
    混練装置内に供給し、前記混練装置で得られた前記固化
    材ペーストを、前記第1ポンプの駆動中に第2ポンプに
    より前記放射性固体廃棄物を収納した容器内に供給する
    請求項1乃至請求項7のいずれか1つの放射性廃棄物の
    処理方法。
  9. 【請求項9】前記第1ポンプによって前記混練装置内に
    供給される前記原料は水硬性固化材であり、他の前記原
    料である水は前記第1ポンプを通らないで前記混練装置
    内に供給される請求項8の放射性廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】固化材ペーストの生成に用いられる複数
    種類の原料を、非管理区域に配置された混練装置内に供
    給し、これらの原料を前記混練装置内で混練して前記固
    化材ペーストを生成し、この固化材ペーストを、管路を
    用いて、前記混練装置から、前記非管理区域とは隔壁に
    よって隔離された管理区域内に導き、前記管理区域内
    で、前記管路から放射性固体廃棄物を収納した容器内に
    前記固化材ペーストを充填する放射性廃棄物の処理方法
    において、 前記管路の前記非管理区域内の部分、及び前記混練装置
    を洗浄し、発生する洗浄排水を前記非管理区域内の回収
    容器内に排出することを特徴とする放射性廃棄物の処理
    方法。
  11. 【請求項11】前記管路の前記非管理区域内の部分、及
    び前記混練装置の洗浄後に、前記管路の前記管理区域内
    の部分を洗浄する請求項10の放射性廃棄物の処理方
    法。
  12. 【請求項12】前記複数種類の原料を前記混練装置内に
    供給しながら、前記混練にて得られた前記固化材ペース
    トを前記容器内に充填する請求項10または請求項11
    の放射性廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】固化材ペーストの生成に用いられる複数
    種類の原料が供給され、撹拌手段を有する混練装置と、
    これらの原料を前記撹拌手段で混練して得られた前記固
    化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納した容器内に
    注入する固化材ペースト注入手段とを備えた放射性廃棄
    物の処理装置において、 前記原料を前記混練装置内に供給する第1ポンプと、前
    記固化材ペースト注入手段に設けられて前記混練装置で
    生成された前記固化材ペーストを前記固化材ペースト注
    入手段に供給する第2ポンプとを備え、前記第1ポンプ
    及び前記第2ポンプは前記容器内への前記固化材ペース
    トの注入期間の少なくとも一部で同時に回転されること
    を特徴とする放射性廃棄物の処理装置。
  14. 【請求項14】前記混練装置内に設けられ、前記注入期
    間の少なくとも一部で前記第1ポンプ及び前記第2ポン
    プと同時に回転される混練手段を備えた請求項13の放
    射性廃棄物の処理装置。
  15. 【請求項15】前記第1ポンプ,前記第2ポンプ及び前
    記混練手段の各回転軸が連結されている請求項14の放
    射性廃棄物の処理装置。
  16. 【請求項16】ペースト回収容器と、前記固化材ペース
    ト注入手段であるペースト供給管と、前記ペースト供給
    管に接続され、前記混練装置から排出される前記固化材
    ペーストの水分の含有量が設定値よりも多いとき、この
    固化材ペーストを、前記ペースト供給管から前記ペース
    ト回収容器に導くペースト回収管を備えた請求項13ま
    たは請求項15の放射性廃棄物の処理装置。
  17. 【請求項17】前記混練装置、前記第1ポンプ及び前記
    第2ポンプが非管理区域に配置され、前記固化材ペース
    ト注入手段は、前記非管理区域から、隔壁を貫通して、
    前記非管理区域とは隔壁によって隔離されて前記容器内
    への前記固化材ペーストの充填を行う管理区域内に達す
    る請求項13の放射性廃棄物の処理装置。
  18. 【請求項18】固化材ペーストの生成に用いられる複数
    種類の原料が供給され、撹拌手段を有する混練装置と、
    これらの原料を前記撹拌手段で混練して得られた前記固
    化材ペーストを、放射性固体廃棄物を収納した容器内に
    注入する固化材ペースト注入手段とを備えた放射性廃棄
    物の処理装置において、 前記原料を前記混練装置内に供給する第1ポンプと、前
    記固化材ペースト注入手段に設けられて前記混練装置で
    生成された前記固化材ペーストを前記固化材ペースト注
    入手段に供給する第2ポンプとを備え、 前記第1ポンプの第1ケーシング、前記混練装置のハウ
    ジング及び前記第2ポンプの第2ケーシングはこの順序
    で一体に結合され、 前記第1ケーシング内に位置する、前記第1ポンプの回
    転軸、前記ハウジング内に配置された混練手段の回転
    軸、及び前記第2ケーシング内に位置する、前記第2ポ
    ンプの回転軸を連結したことを特徴とする放射性廃棄物
    の処理装置。
JP7955097A 1997-03-31 1997-03-31 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置 Pending JPH10274696A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7955097A JPH10274696A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7955097A JPH10274696A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003108535A Division JP2003270388A (ja) 2003-04-14 2003-04-14 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10274696A true JPH10274696A (ja) 1998-10-13

Family

ID=13693126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7955097A Pending JPH10274696A (ja) 1997-03-31 1997-03-31 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10274696A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000075097A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Hitachi Ltd 放射性廃棄物の処理装置及びその処理方法
JP2001174588A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Hitachi Ltd 放射性廃棄物処理設備
JP6235688B1 (ja) * 2016-12-08 2017-11-22 株式会社オートセット 放射性物質含有土壌処理装置およびシステム
CN109712740A (zh) * 2017-10-25 2019-05-03 株式会社奥特-塞特 污染土壤处理方法、处理装置以及处理系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000075097A (ja) * 1998-08-31 2000-03-14 Hitachi Ltd 放射性廃棄物の処理装置及びその処理方法
JP2001174588A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Hitachi Ltd 放射性廃棄物処理設備
JP6235688B1 (ja) * 2016-12-08 2017-11-22 株式会社オートセット 放射性物質含有土壌処理装置およびシステム
JP2018096697A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 株式会社オートセット 放射性物質含有土壌処理装置およびシステム
CN109712740A (zh) * 2017-10-25 2019-05-03 株式会社奥特-塞特 污染土壤处理方法、处理装置以及处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1203231A (en) Apparatus for treating liquid and semi-solid organic waste materials
EP3970843A2 (de) Anlage und verfahren zur erzeugung eines mineralschaumes
JPH10274696A (ja) 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置
US7022292B2 (en) Radioactive waste treatment facility
JP3048806B2 (ja) 放射性廃棄物の固化方法
JPH0679076B2 (ja) 混合装置
JP2003270388A (ja) 放射性廃棄物の処理方法及びその処理装置
JP2000075096A (ja) 放射性廃棄物処理装置
CN211104765U (zh) 混凝土配砂搅拌装置
RU2301468C1 (ru) Устройство для цементирования пропиткой мелкодисперсных радиоактивных и токсичных отходов
CN218404914U (zh) 一种再生沥青混合料计量系统
CN109731833B (zh) 一种混炼机清洗系统及其清洗方法
DE3202518A1 (de) Verfahren und einrichtung zur einzementierung radioaktiver oder toxischer abfaelle in faesser
JP2000075097A (ja) 放射性廃棄物の処理装置及びその処理方法
KR100848505B1 (ko) 방사성 폐기물 고화처리 장치
JPH0527091A (ja) 放射性廃棄物固型化装置
JP3501995B2 (ja) 放射性廃棄物固化用モルタル充填装置
RU2132095C1 (ru) Устройство для цементирования жидких радиоактивных отходов
CN212045330U (zh) 一种混凝土混合配料装置
KR20200069958A (ko) 방사성 펠렛의 폴리머 고화장치 및 고형화 방법
JPH075191B2 (ja) 土砂等の定量供給装置
JPS6059400B2 (ja) 早強性材料自動ライニング混合打設装置
CN217834143U (zh) 一种混凝土存储装置
CN220317501U (zh) 一种工业污水脱硝脱硫装置
CN216964324U (zh) 一种油漆线调色用混料装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040217