JPH10273531A - ポリエステルアミド共重合体とその製造方法およびポリエステルアミドモノマーとその製造方法 - Google Patents

ポリエステルアミド共重合体とその製造方法およびポリエステルアミドモノマーとその製造方法

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JPH10273531A
JPH10273531A JP10913397A JP10913397A JPH10273531A JP H10273531 A JPH10273531 A JP H10273531A JP 10913397 A JP10913397 A JP 10913397A JP 10913397 A JP10913397 A JP 10913397A JP H10273531 A JPH10273531 A JP H10273531A
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polyesteramide
copolymer
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Application number
JP10913397A
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English (en)
Inventor
Koji Yamauchi
幸二 山内
Akinori Shikamata
昭紀 鹿又
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子量が高く、耐熱性、熱安定性、加工性およ
び結晶性に優れるため、エンジニアリングプラスチッ
ク、繊維、フィルムとして使用することができるポリエ
ステルアミド共重合体を提供する。 【解決手段】実質的に一般式(1)で表される繰り返し
構造を有し、かつポリマー中に存在する3種類のダイヤ
ッドシーケンス(2)、(3)、(4)のモル%をそれ
ぞれX、Y、Z(モル%)(X+Y+Z=100)とし
た場合、ポリマー中Xのモル%が、70≦X≦100
(モル%)を満たすことを特徴とするポリエステルアミ
ド共重合体。 【化1】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エステル単位とア
ミド単位からなる構造を有する高分子量ポリエステルア
ミド共重合体に関するものであり、かつ熱安定性、耐熱
性、加工性および結晶性に優れ、エンジニアリングプラ
スチック、繊維およびフィルムとして有用なポリエステ
ルアミド共重合体とその製造方法、エステルアミドモノ
マーとその製造方法、ポリエステルアミド共重合体を含
有してなる樹脂組成物およびポリエステルアミド共重合
体またはその樹脂組成物からなる繊維またはフィルムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂の両
者の優れた特性を生かすため、エステル単位とアミド単
位を共重合する方法が提案されている。
【0003】例えば、1,4−ブタンジオール、1,4
−ブタンジアミンとテレフタル酸単位からなるポリエス
テルアミド樹脂を合成する方法が欧州特許公開第445
548号明細書に開示されている。また脂肪族ジアミ
ン、脂肪族ジオールとテレフタル酸からなるポリエステ
ルアミド樹脂を合成する方法が、J.Polym.Sci.,61,353
(1962) 、米国特許第2,851,443号明細書に報
告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記、欧
州特許公開第445548号明細書、J.Polym.Sci.,61,
353(1962) および米国特許第2851443号明細書に
記載されている方法により得られるポリエステルアミド
共重合体はポリマー分子量が低く、結晶性、熱安定性、
耐熱性に極めて劣るため、樹脂成形品のみならず、フィ
ルム、繊維への加工が困難であった。特にフィルム、繊
維においては加工時の滞留によりポリマー分解が進行
し、発泡するため、フィルム、繊維加工品を得ることは
極めて困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、以
上の状況を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の方法に
より、純度の高いエステルアミドモノマーが合成でき、
さらに該エステルアミドモノマーから得られるポリエス
テルアミド共重合体は、分子量が高く、かつポリエステ
ルアミド共重合体中、エステル単位とアミド単位のシー
ケンスが交互に制御することができるため、耐熱性、熱
安定性、加工性および結晶性に優れることを見出し、さ
らに樹脂のみならず、繊維、フィルムへの加工が可能に
なることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、 1.実質的に一般式(1)で表される繰り返し構造を有
し、かつポリマー中に存在する3種類のダイヤッドシー
ケンス(2)、(3)、(4)のモル%をそれぞれX、
Y、Z(モル%)(X+Y+Z=100)とした場合、
ポリマー中Xのモル%が、70≦X≦100(モル%)
を満たすことを特徴とするポリエステルアミド共重合
体、
【化14】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表す。) 2.実質的に一般式(1)で表される繰り返し構造を有
し、13C−NMRスペクトルにおいて観察されるダイア
ッドシーケンス(2)、(3)、(4)に基づくピーク
強度α、β、γが下記式を満たすことを特徴とするポリ
エステルアミド共重合体、 70≦α/(α+β+γ)×100≦100
【化15】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表す。) 3.一般式(1)、(2)、(3)、(4)中、R1
2、R3が下記一般式(5)から選ばれる一種または二
種以上の基であることを特徴とする上記1または2記載
のポリエステルアミド共重合体、
【化16】 ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロゲ
ンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結合、
O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを表
し、Phはフェニル基を表す。) 4.一般式(1)、(2)、(3)、(4)が一般式
(6)、(7)、(8)、(9)で表されることを特徴
とする上記1または2記載のポリエステルアミド共重合
体、
【化17】 (上記式中m、nは2以上の整数を表す。) 5.ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測
定し、ポリメタクリル酸メチルより換算した数平均分子
量が1万以上であることを特徴とする上記1〜4のいず
れかに記載のポリエステルアミド共重合体、 6.5重量%減量温度が370℃以上であることを特徴
とする上記1〜5のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体、 7.m=n=6であり、融解熱量が50J/g以上であ
ることを特徴とする上記4記載のポリエステルアミド共
重合体、 8.m=6、n=4であり、融解熱量が40J/g以上
であることを特徴とする上記4記載のポリエステルアミ
ド共重合体、 9.m=6、n=2であり、融解熱量が30J/g以上
であることを特徴とする上記4記載のポリエステルアミ
ド共重合体、 10.一般式(10)で表されるエステルアミドモノマ
ーと一般式(11)で表されるグリコールを、触媒存在
下、150〜350℃の重合温度で加熱後、さらに減圧
度0.01〜100mmHg、150℃〜350℃の重
合温度で加熱することを特徴とするポリエステルアミド
共重合体の製造方法、
【化18】 (R4、R5、R7は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素
数1〜5のアルキル基を表す。) 12.般式(10)で表されるエステルアミドモノマー
と一般式(11)で表されるグリコール中、R4、R5
7が一般式(5)から選ばれる一種または二種以上の
基であることを特徴とする上記10記載のポリエステル
アミド共重合体の製造方法、
【化19】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。またR6は水素または
炭素数1〜5のアルキル基を表す。) 12.般式(10)で表されるエステルアミドモノマー
と一般式(11)で表されるグリコールが、一般式(1
2)、(13)で表されることを特徴とする上記10記
載のポリエステルアミド共重合体の製造方法、
【化20】 (上記式中m、nは2以上の整数を表し、R6は水素ま
たは炭素数1〜5のアルキル基を表す。) 13.一般式(10)で表されるエステルアミドモノマ
ーであってかつその純度が90重量%以上であるエステ
ルアミドモノマー、
【化21】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素数1〜
5のアルキル基を表す。) 14.一般式(10)で表されるエステルアミドモノマ
ーであって、かつその純度が95重量%以上であるエス
テルアミドモノマー、 15.一般式(10)で表されるエステルアミドモノマ
ー中、R4、R5が、一般式(5)から選ばれる一種また
は二種以上の基であることを特徴とする上記13または
14記載のエステルアミドモノマー、
【化22】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。) 16.一般式(10)で表されるエステルアミドモノマ
ーが一般式(12)で表されることを特徴とする上記1
3または14記載のエステルアミドモノマー、
【化23】 (上記式中mは2以上の整数を表し、R6は水素または
炭素数1〜5のアルキル基を表す。) 17.一般式(14)で表されるジエステル化合物およ
び一般式(15)で表されるジアミン化合物を、有機溶
媒の存在下、または不存在下で加熱することを特徴とす
るエステルアミドモノマーの製造方法、
【化24】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素数1〜
5のアルキル基を表す。) 18.一般式(14)で表されるジエステル化合物およ
び一般式(15)で表されるジアミン化合物中、R4
5が一般式(5)から選ばれる一種または二種以上の
基であることを特徴とする上記17記載のエステルアミ
ドモノマーの製造方法、
【化25】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHP
hを表し、Phはフェニル基を表す。) 19.一般式(14)で表されるジエステル化合物およ
び一般式(15)で表されるジアミン化合物が、一般式
(16)で表されるジエステル化合物および一般式(1
7)で表されるジアミン化合物であることを特徴とする
上記17記載のエステルアミドモノマーの製造方法、
【化26】 (mは2以上の整数を表し、R6は炭素数1〜5のアル
キル基を表す。) 20.有機溶媒が、一般式(14)で表されるジエステ
ル化合物および一般式(15)で表されるジアミン化合
物を溶解させ、かつエステルアミドモノマーを溶解しな
い性質を有することを特徴とする上記17記載のエステ
ルアミドモノマーの製造方法、 21.有機溶媒が、一般式(14)で表されるジエステ
ル化合物および一般式(15)で表されるジアミン化合
物中、R4、R5が一般式(5)から選ばれる一種または
二種以上の基であるジエステル化合物およびジアミン化
合物を溶解させ、かつエステルアミドモノマーを溶解し
ない性質を有することを特徴とする上記18記載のエス
テルアミドモノマーの製造方法、 22.有機溶媒が一般式(16)で表されるジエステル
化合物および一般式(17)で表されるジアミン化合物
を溶解させ、かつエステルアミドモノマーを溶解しない
性質を有することを特徴とする上記19記載のエステル
アミドモノマーの製造方法、 23.一般式(14)で表されるジエステル化合物およ
び一般式(15)で表されるジアミン化合物を、有機溶
媒不存在下、ジエステル化合物の融点以上、エステルア
ミドモノマーの融点以下の温度で、加熱することを特徴
とする上記17記載のエステルアミドモノマーの製造方
法、 24.ジエステル化合物に対するジアミン化合物のモル
比が0.01倍モル以上0.3倍モル以下であることを
特徴とする上記17〜23のいずれか記載のエステルア
ミドモノマーの製造方法、 25.反応触媒として、モノブチルヒドロキシチンオキ
シド、チタンテトラブトキシド、フッ化セシウム、フッ
化アンチモン、酸化アンチモン、金属アルコキシド、ア
ンモニウム塩、酢酸金属塩、金属水素化物、有機金属化
合物、アルカリ無機物から選ばれる一種または二種以上
の混合物を使用することを特徴とする上記17〜24い
ずれか記載のエステルアミドモノマーの製造方法、 26.エステルアミドモノマーが上記17〜25のいず
れか記載の方法により得られるエステルアミドモノマー
であることを特徴とする上記11記載のポリエステルア
ミド共重合体の製造方法、 27.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体に、ガラス転移温度が20℃以下のエラスト
マーを、ポリエステルアミド共重合体100重量部に対
して1〜100重量部、さらに配合してなるポリエステ
ルアミド樹脂組成物、 28.ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーがオ
レフィン系エラストマーである上記27記載のポリエス
テルアミド樹脂組成物、 29.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記27または28いずれかに記載の
ポリエステルアミド樹脂組成物に、結晶核剤を、ポリエ
ステルアミド共重合体100重量部に対して0.01〜
20重量部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹
脂組成物、 30.結晶核剤がタルク、マイカ、カリオン、シリカ、
クレー、無機カルボン酸塩、無機スルホン酸塩、金属酸
化物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スルホン酸塩か
ら選ばれる一種または2種以上の混合物である上記29
記載のポリエステルアミド樹脂組成物、 31.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記27〜30のいずれか記載のポリ
エステルアミド樹脂組成物に、耐熱性安定剤を、ポリエ
ステルアミド共重合体100重量部に対して0.01〜
30重量部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹
脂組成物、 32.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記27〜31のいずれか記載のポリ
エステルアミド樹脂組成物に、耐候性安定剤を、ポリエ
ステルアミド共重合体100重量部に対して0.01〜
30重量部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹
脂組成物、 33.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記27〜32のいずれか記載のポリ
エステルアミド樹脂組成物に、離型剤を、ポリエステル
アミド共重合体100重量部に対して0.01〜30重
量部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹脂組成
物、 34.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記27〜33のいずれか記載のポリ
エステルアミド樹脂組成物に、滑剤を、ポリエステルア
ミド共重合体100重量部に対して0.01〜30重量
部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹脂組成
物、 35.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記26〜34のいずれか記載のポリ
エステルアミド樹脂組成物に、エポキシ化合物を、ポリ
エステルアミド共重合体100重量部に対して0.01
〜30重量部、さらに配合してなるポリエステルアミド
樹脂組成物、 36.上記1〜9のいずれかに記載のポリエステルアミ
ド共重合体または上記26〜35いずれか記載のポリエ
ステルアミド樹脂組成物に、ガラス転移温度が20℃以
下のエラストマー以外の熱可塑性樹脂を、ポリエステル
アミド共重合体100重量部に対して0.1〜1000
重量部、さらに配合してなるポリエステルアミド樹脂組
成物、 37.上記1〜9のいずれか記載のポリエステルアミド
共重合体または上記26〜36のいずれか記載のポリエ
ステルアミド樹脂組成物を成形してなる成形品、 38.上記1〜9のいずれか記載のポリエステルアミド
共重合体または上記26〜37のいずれか記載のポリエ
ステルアミド樹脂組成物を成形してなる繊維、 39.上記1〜9のいずれか記載のポリエステルアミド
共重合体または上記26〜38のいずれか記載のポリエ
ステルアミド樹脂組成物を成形してなるフィルムであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明のポリエステルアミド
共重合について具体的に説明する。本発明のポリエステ
ルアミド共重合体は上記のごとく実質的に一般式(1)
で表される繰り返し単位からなる。
【0008】
【化27】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表す。) 一般式(1)の構造中、R1、R2、R3は2価の置換ま
たは非置換の脂肪族基、脂環族基、芳香族基を表し、同
一であっても、相異なっていてもよい。
【0009】また上記一般式(1)で表されるエステル
アミド共重合体の中で、R1、R2、R3が下記一般式
(5)の構造から選ばれる一種または二種以上の基を有
するものが好ましい。
【0010】
【化28】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHP
hを表し、Phはフェニル基を表す。) 一般式(5)の構造中、lは2以上の整数を表すが、な
かでも2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ましく、
さらに好ましくは2、6である。またRは水素、ハロゲ
ンあるいは1価の有機残基を表す。
【0011】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0012】また一般式(5)の構造中、Qは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。
【0013】また上記一般式(1)で表されるポリエス
テルアミド共重合体の中で、特に一般式(6)で表させ
るものが、機械特性、結晶性、耐熱性および成形加工性
の面から特に好ましい。
【0014】
【化29】 (ただし式中m、nは2以上の整数を表す。) 上記一般式(6)の構造中、mは2以上の整数を表す
が、なかでも2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ま
しく、さらに好ましくは6である。またnは2以上の整
数を表すが、なかでも2〜6が好ましく、特に2、4、
6が好ましく、さらに好ましくは2である。
【0015】また本発明のポリエステルアミド共重合体
は上記一般式(1)の他に、下記一般式(18)、(1
9)で表される繰り返し単位を含有していてもよい。
【0016】
【化30】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表す。) 上記一般式(18)、(19)の構造中、R1、R2、R
3は2価の置換または非置換の脂肪族基、脂環族基、芳
香族基を表し、同一であっても、相異なっていてもよ
い。
【0017】また上記一般式(18)、(19)の構造
中、R1、R2、R3は、ポリエステルアミド共重合体の
構造により、下記一般式(5)から選ばれる一種または
二種以上の基を有する。
【0018】
【化31】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPなか
でも2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ましく、さ
らに好ましくは2、6である。またRは水素、ハロゲン
あるいは1価の有機残基を表す。
【0019】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0020】また上記一般式(5)の構造中、Qは直接
結合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CH
Phを表し、Phはフェニル基を表す。
【0021】また上記一般式(18)、(19)で表さ
れる繰り返し単位は、ポリエステルアミド共重合体の構
造により、下記一般式(20)、(21)で表される繰
り返し単位を有する。
【0022】
【化32】 (式中m、nは2以上の整数を表す。) ここで上記一般式(1)、(18)、(19)で表され
る繰り返し単位のモル%はダイアッドシーケンス
(2)、(3)、(4)で表されるダイアッドシーケン
スより算出することができる。
【0023】すなわち(2)、(3)、(4)で表され
るダイヤッドシーケンスモル%から算出することができ
る。
【0024】
【化33】 (R1は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂環族
基、芳香族基を表す。) 上記一般式(2)、(3)、(4)の構造中、R1は2
価の置換または非置換の脂肪族基、脂環族基、芳香族基
を表し、同一であっても、相異なっていてもよい。
【0025】また上記一般式(2)、(3)、(4)の
構造中、R1は、ポリエステルアミド共重合体の構造に
より、下記一般式(5)から選ばれる一種または二種以
上の基を有する。
【0026】
【化34】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。) 上記一般式(5)中lは2以上の整数を表すが、なかで
も2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ましく、さら
に好ましくは2、6である。またRは水素、ハロゲンあ
るいは1価の有機残基を表す。
【0027】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0028】また一般式(2)、(3)、(4)の構造
中、Qは直接結合、O、S、SO2、C(CH32、C
2、CHPhを表し、Phはフェニル基を表す。
【0029】さらに上記一般式(2)、(3)、(4)
で表されるダイヤッドシーケンスは、ポリエステルアミ
ド共重合体の構造により、下記一般式(7)、(8)、
(9)で表されるダイアッドシーケンスを有する。
【0030】
【化35】 本発明のポリエステルアミド共重合体は、ポリエステル
アミド共重合体中ダイヤッドシーケンス(2)のモル%
(X)が70≦X≦100、好ましくは、80≦X≦1
00であり、さらに好ましくは90≦X≦100であ
る。
【0031】このXが大きくなるほど、ポリエステルア
ミド共重合体中、一般式(1)で表される繰り返し単位
のモル%が高く、一般式(18)、(19)で表される
繰り返し単位モル%低い、すなわちポリエステルアミド
共重合体の交互性が高いことを意味し、交互性の高いポ
リエステルアミド共重合体は結晶性、耐熱性、機械特性
および成形加工性の点で好ましい性質を示す。
【0032】尚、上記一般式(2)で表されるダイヤッ
ドシーケンスは、ポリエステルアミド共重合体の構造に
より、R1が上記一般式(5)から選ばれる一種または
二種以上の基を有するダイヤッドシーケンスでもよい
し、あるいは、一般式(2)で表されるダイヤッドシー
ケンスが上記一般式(7)で表されるダイアッドシーケ
ンスを有していてもよい。
【0033】なお、上記(2)、(3)、(4)のダイ
アッドシーケンスのモル%(X、Y、Z)の測定方法は
特に制限はないが、13C−NMRスペクトルにおいて観
察されるダイアッドシーケンス(2)、(3)、(4)
に基づくピーク強度α、β、γから算出することができ
る。
【0034】本発明のポリエステルアミド共重合体の
(2)、(3)、(4)に基づくピーク強度α、β、γ
は下記一般式を満足するものであり、70≦α/(α+
β+γ)×100≦100、好ましくは、80≦α/
(α+β+γ)≦100であり、さらに好ましくは90
≦a/(a+b+c)≦100である。
【0035】この比率が大きくなるほど交互性が高いこ
とを意味し、交互性の高いポリエステルアミド共重合体
は結晶性、耐熱性、機械特性および成形加工性の点で好
ましい性質を示す。
【0036】ここで、α、β、γの算出方法および一般
式(1)で表されるエステルアミド共重合体中、ダイヤ
ッドシーケンス(2)、(3)、(4)のモル%(X、
Y、Z)の関係について説明する。
【0037】一例として、前記一般式(6)で表される
ポリエステルアミド共重合体中、ダイヤッドシーケンス
(7)、(8)、(9)を例に挙げて詳しく説明する。
【0038】前記一般式(7)、(8)、(9)で表さ
れるダイヤッドシーケンスの内、α、β、γは13C−N
MRスペクトルにおいて、一般式(7)、(8)、
(9)の芳香族炭素の内、カルボニル基に連結した芳香
族炭素に由来するシグナル強度比より算出することがで
きる。すなわち13C−NMRスペクトルにおいて、一般
式(7)で表されるダイアッドシーケンスに由来するシ
グナルは、重水素化ヘキサフロロイソプロパノール中で
測定した場合、138ppmと133ppmに観察され
る。この2つのシグナル強度の和をαとする。
【0039】また一般式(8)で表されるダイアッドシ
ーケンスに由来するシグナルは137ppmに観察され
る。このシグナル強度をβとする。
【0040】さらに一般式(9)で表される繰り返し単
位に由来するシグナルは134ppmに観察される。こ
のシグナル強度をγとする。
【0041】いずれも芳香族炭素中カルボニル基に連結
した芳香族炭素であるため、緩和時間は同一とみなすこ
とができ、シグナル強度はカルボニル基に連結した芳香
族炭素モル数と相関関係にあると判断できるためα、
β、γは、一般式(7)、(8)、(9)で表されるダ
イヤッドシーケンスのモル%(X、Y、Z)を表してい
る。すなわち、X= α/(α+β+γ)×100、Y=
β/(α+β+γ)×100、Z= γ/(α+β+γ)
×100より一般式(7)、(8)、(9)で表される
ダイヤッドシーケンスのモル%(X、Y、Z)を算出す
ることができる。
【0042】また本発明のポリエステルアミド共重合体
のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
により測定し、標準ポリメタクリル酸メチルで換算した
数平均分子量は、1万以上であり、好ましくは1万5千
以上、さらに好ましくは2万以上である。数平均分子量
が1万未満のものは機械特性、加工性に劣るため好まし
くない。上限に特に制限はないが、溶融成形可能な範囲
であることが好ましい。
【0043】また本発明のポリエステルアミド共重合体
の5重量%減量する時の温度(5%重量減量温度)は3
70℃以上であり、好ましくは380℃以上、さらに好
ましくは390℃以上である。
【0044】ここで5%重量減量温度は、サンプル量1
0mgで、TGA(熱重量分析計)を用い、窒素雰囲気
下100℃〜850℃まで20℃/分で昇温し、重量減
量が5%に到達した時の温度を表す。
【0045】さらに本発明のポリエステルアミド共重合
体の内、上記一般式(6)で表される構造式中mが6の
ポリエステルアミド共重合体は、示差走査熱量計(DS
C)により測定した融解熱(ΔH)が一定の値以上のも
のが耐熱性、結晶性、機械特性および成形加工性の面で
好ましい。この場合、融解熱量は、nの値により異な
る。
【0046】m=n=6の場合、融解熱は50J/g以
上のものが耐熱性、結晶性、機械特性および成形加工性
の面で好ましく、さらに好ましくは55J/g以上であ
る。
【0047】m=6、n=4の場合、融解熱は40J/
g以上のものが耐熱性、結晶性、機械特性および成形加
工性の面で好ましく、さらに好ましくは45J/g以上
である。
【0048】またm=6、n=2の場合、融解熱は30
J/g以上のものが耐熱性、結晶性、機械特性および成
形加工性の面で好ましく、さらに好ましくは35J/g
以上である。
【0049】ここで、融解熱量とは示差熱量計による測
定において、ポリマを−100℃から20℃/分の昇温
条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm
1)の観測後、Tm1+20℃の温度で10分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で−100℃まで一旦冷却
し、15分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で
測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)のピ
ークより求められる吸熱ピークの熱量を指す。
【0050】この様なポリエステルアミド共重合体は以
下に示す方法により製造することができる。すなわち、
下記一般式(10)で表されるエステルアミドモノマー
と一般式(11)で表されるグリコールを、触媒存在
下、150〜350℃の重合温度で加熱後、さらに減圧
度0.01〜100mmHg、150℃〜350℃の重
合温度で加熱することにより製造することができる。
【0051】
【化36】 (R4、R5、R7は、二価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素
数1〜5のアルキル基を表す。) 本発明で使用されるエステルアミドモノマーおよびグリ
コールは前記一般式(10)および一般式(11)で表
されるものである。
【0052】前記一般式(10)および(11)の構造
中、R4、R5、R7は2価の置換または非置換の脂肪族
基、脂環族基、芳香族基を表し、同一であっても、相異
なっていてもよい。またR6は水素または炭素数1〜5
のアルキル基を表す。
【0053】ここで炭素数1〜5のアルキル基として
は、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、メ
チル基、エチル基が好ましく、とりわけメチル基が好ま
しい。
【0054】また上記一般式(10)で表されるエステ
ルアミドモノマーおよび前記一般式(11)で表される
グリコールの中で、R4、R5、R7が下記一般式(5)
の構造から選ばれる一種または二種以上の基を有するも
のが好ましく使用することができる。
【0055】
【化37】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。) 上記一般式(5)の構造中、lは2以上の整数を表す
が、なかでも2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ま
しく、さらに好ましくは2、6である。またRは水素、
ハロゲンあるいは1価の有機残基を表す。
【0056】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0057】また一般式(5)中、Qは直接結合、O、
S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、P
hはフェニル基を表す。
【0058】また前記一般式(10)で表されるエステ
ルアミドモノマーの中で、特に一般式(12)で表させ
るものが、得られるポリエステルアミド共重合体の機械
特性、結晶性、耐熱性および成形加工性の面から好まし
い。
【0059】
【化38】 (mは2以上の整数を表し、R6は水素または炭素数1
〜5のアルキル基を表す。) 一般式(12)の構造中、mは2以上の整数を表すが、
なかでも2〜6であることが好ましく、特に4または6
が好ましく、さらに好ましくは6である。またR6は水
素または炭素数1〜5のアルキル基を表す。ここで炭素
数1〜5のアルキル基の具体例としてはメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペン
チル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチ
ル基などが挙げられるが、水素、メチル基、エチル基が
好ましく、とりわけメチル、水素が好ましい。
【0060】また前記一般式(11)で表されるグリコ
ールの中で、特に一般式(13)で表されるものが、得
られるエステルアミド共重合体の機械特性、結晶性、耐
熱性、成形加工性の面から好ましい。
【0061】
【化39】 (nは2以上の整数を表す。) 前記一般式(13)の構造中、nは2以上の整数を表す
が、なかでも2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ま
しく、さらに好ましくは2である。
【0062】また本発明において、エステルアミドモノ
マーに対するグリコールのモル比は、得られるポリマー
の分子量、ポリマーの熱安定性および結晶性の面から通
常、1倍モル以上20倍モル以下、好ましくは1倍モル
以上15倍モル以下、さらに好ましくは1倍モル以上1
0倍モル以下、特に好ましくは2倍モル以上5倍モル以
下である。
【0063】本発明においてポリエステルアミド共重合
体を重合する際には、まず前記一般式(10)で表され
るエステルアミドモノマーと前記一般式(11)で表さ
れるグリコールを、触媒存在下、150℃〜350℃の
重合温度で加熱することが好ましい。
【0064】この段階における重合時間は0時間以上1
0時間以下であり、好ましくは0.5時間以上から5時
間以下、さらに好ましくは1時間以上4時間以下であ
る。
【0065】さらに本発明では、150℃〜350℃の
重合温度で加熱後、さらに減圧度0.01〜100mm
Hg、150℃〜350℃の重合温度で加熱することが
好ましい。
【0066】この時の減圧度は得られるポリマーの分子
量の点から通常0.01mmHg以上100mmHg以
下であり、好ましくは0.1mmHg以上50mmHg
以下、さらに好ましくは0.1mmHg以上10mmH
g以下である。
【0067】この段階における重合温度は150℃以上
350℃以下が好ましく、さらに好ましくは200℃以
上300℃以下である。
【0068】また本発明のポリエステルアミド共重合体
の製造において使用される重合触媒としては、通常ポリ
エステルの重合触媒として公知のものを使用することが
できるが、例えばモノブチルヒドロキシチンオキシド、
チタンテトラブトキシド、フッ化セシウム、フッ化アン
チモン、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸マ
ンガン、酢酸コバルト、酢酸カリウム、酢酸リチウムか
ら選ばれる1種または2種以上の混合物などを使用する
ことができるが、好ましくはモノブチルヒドロキシチン
オキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモン、酢酸マンガンから選ばれる1種
または2種以上の混合物、さらに好ましくはチタンテト
ラブトキシド、三酸化アンチモン、酢酸マンガンから選
ばれる1種または2種以上の混合物である。
【0069】重合触媒の使用量は特に制限はないが、通
常エステルアミドモノマーとグリコールの総重量に対す
る重合触媒の重量%は0.001〜1.0重量%が好ま
しく、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。
【0070】本発明で使用される重合触媒は、そのまま
使用してもよいし、あるいは重合において使用するグリ
コールで希釈した形で使用してもよい。
【0071】また重合時間は触媒量、反応温度および減
圧度などにより著しく異なる。通常は0.1〜20時
間、好ましくは0.2〜10時間、さらに好ましくは
0.5〜8時間である。
【0072】このようにして得られたポリエステルアミ
ド共重合体は、このまま重合装置から吐出してそのまま
使用してもよいし、吐出後、溶媒で洗浄あるいは再沈殿
精製してから使用してもよい。あるいは重合により得ら
れたポリエステルアミド共重合体を減圧下、ポリエステ
ルアミド共重合体のガラス転移温度以上、融点以下の温
度で固相重合することもできる。
【0073】続いて本発明の前記一般式(10)で表さ
れるエステルアミドモノマーおよび特に純度の高いエス
テルアミドモノマーの製造方法について具体的に説明す
る。
【0074】かかる方法により製造される前記一般式
(10)で表されるエステルアミドモノマーの純度は、
多くの場合90重量%以上のものを製造することがで
き、好ましい場合、92重量%以上、さらには95%以
上のものも製造し得る。かかる純度の高いエステルアミ
ドモノマーを用いて得られるポリエステルアミド共重合
体は分子量や熱安定性、耐熱性、滞留安定性、ポリマー
の非着色性、結晶性および成形加工性の面から好まし
い。
【0075】なおここで、エステルアミドモノマーの純
度測定方法に特に制限はなく、液体クロマトグラフィ
ー、ガスクロマトグラフィー、1H−NMR等の通常公
知の分析方法で測定することができるし、あるいは溶媒
分離法によりエステルアミドモノマーを分離回収するこ
とにより測定することができる。
【0076】溶媒分離法としては、一般に下記方法によ
り測定することができる。すなわち前記一般式(10)
で表されるエステルアミドモノマー中には不純物として
上記一般式(14)、(15)で表される化合物の他
に、下記一般式(22)、(23)、(24)で表され
る化合物等が含まれる。
【0077】
【化40】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
環族基、芳香族基を表す。R6は水素または炭素数1〜
5のアルキル基を表し、またqは2以上の整数を表
す。) 上記一般式(14)、(15)、(22)、(23)、
(24)中、R4、R5は、2価の置換または非置換の脂
肪族基、脂環族基、芳香族基を表し、同一であっても、
相異なっていてもよい。
【0078】またR6は水素または炭素数1〜5のアル
キル基を表す。
【0079】ここで炭素数1〜5のアルキル基として
は、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、メ
チル基、エチル基が好ましく、とりわけメチル基が好ま
しい。
【0080】また上記式中qは2以上の整数を表す。
【0081】また上記一般式(14)、(15)、(2
2)、(23)、(24)の構造中、R4、R5は、対
応するエステルアミドモノマーの構造により、下記一般
式(5)から選ばれる一種または二種以上の基を有す
る。
【0082】
【化41】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。) 上記一般式(5)中lは2以上の整数を表すが、なかで
も2〜6が好ましく、特に2、4、6が好ましく、さら
に好ましくは2、6である。またRは水素、ハロゲンあ
るいは1価の有機残基を表す。
【0083】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0084】また一般式(5)の構造中、Qは直接結
合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
表し、Phはフェニル基を表す。
【0085】さらに上記一般式(14)、(15)、
(22)、(23)、(24)で表される化合物は、対
応するエステルアミドモノマーの構造により、下記一般
式(16)、(17)、(25)、(26)、(27)
で表される構造を有する。
【0086】
【化42】 (式中mは2以上の整数を表し、R6は水素または炭素
数1〜5のアルキル基を表す。またqは2以上の整数を
表す。) 従って、前記一般式(10)で表されるエステルアミド
モノマーと上記一般式(14)、(15)、(22)、
(23)、(24)で表される化合物等の溶媒に対する
溶解性の違い、あるいは一般式(12)で表されるエス
テルアミドモノマーと上記一般式(16)、(17)、
(25)、(26)、(27)で表される化合物の、溶
媒に対する溶解性の違いを用いることにより、エステル
アミドモノマーのみを溶媒で分離し、分離されたエステ
ルアミドモノマーの重量からエステルアミドモノマーの
純度を測定することができる。
【0087】一例として前記一般式(12)で表される
エステルアミドモノマーの溶媒分離法による純度測定の
フローチャートを図1に示す。
【0088】すなわちサンプル500.0gを正確に計
量し、1LのDMFを加え20℃、5時間撹拌する。D
MF不溶部をろ過あるいは遠心分離により回収し、回収
物をさらにヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)
1Lに溶解させ、20℃、5時間撹拌する。その後、H
FIP不溶部をろ過あるいは遠心分離により取り除き、
HFIP溶液をエバポレーションし、HFIP可溶部の
重量(W)を測定する。
【0089】このHFIP可溶部は前記一般式(12)
で表されるエステルアミドモノマーであり、DMF可溶
部は、不純物成分であり、例えば前記一般式(16)、
(17)で表される化合物の他に、前記一般式(2
5)、(26)、(27)で表される化合物等が含まれ
る。
【0090】上記方法により、ポリエステルアミドモノ
マーの純度はW/500×100(重量%)で算出する
ことができる。
【0091】以上のような、本発明の純度の高いエステ
ルアミドモノマーは一般式(14)で表されるジエステ
ル化合物および一般式(15)で表されるジアミン化合
物より製造することができる。
【0092】
【化43】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素数1〜
5のアルキル基を表す。) すなわち本発明において、前記一般式(10)で表され
るエステルアミドモノマーは前記式(14)で表される
ジエステル化合物と前記一般式(15)で表されるジア
ミン化合物を有機溶媒中、あるいは有機溶媒を用いずに
加熱することによりエステルアミドモノマーを合成する
ことができる。
【0093】前記一般式(14)で表されるジエステル
化合物および(15)で表されるジアミン化合物の構造
式中、R4、R5は2価の置換または非置換の脂肪族基、
脂環族基、芳香族基を表し、同一であっても、相異なっ
ていてもよい。
【0094】またR6は水素または炭素数1〜5のアル
キル基を表す。
【0095】ここで炭素数1〜5のアルキル基として
は、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3
−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられるが、メ
チル基、エチル基が好ましく、とりわけメチル基が好ま
しい。
【0096】また前記一般式(14)で表されるジエス
テル化合物および一般式(15)で表されるジアミン化
合物の構造中、R4、R5が下記一般式(5)から選ばれ
る一種または二種以上の基を有するものが好ましく使用
することができる。
【0097】
【化44】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
合、O、S、SO2、C(CH3)2、CH2、CHP
hを表し、Phはフェニル基を表す。) 一般式(5)中lは2以上の整数を表すが、なかでも2
〜6が好ましく、特に2、4、6が好ましく、さらに好
ましくは2、6である。またRは水素、ハロゲンあるい
は1価の有機残基を表す。
【0098】ここで一価の有機残基としては、具体的に
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル
基、ネオペンチル基、フェニル基、キシリル基、クメニ
ル基、ナフチル基などが挙げられるが、メチル基、エチ
ル基、フェニル基が好ましく、とりわけメチル基、フェ
ニル基が好ましい。
【0099】また一般式(5)中、Qは直接結合、O、
S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、P
hはフェニル基を表す。
【0100】さらに上記一般式(14)で表されるジエ
ステル化合物と上記一般式(15)で表されるジアミン
化合物の中で、一般式(16)で表されるジエステル化
合物と一般式(17)で表されるジアミン化合物が特に
好ましく使用することができる。
【0101】
【化45】 (mは2以上の整数を表し、R6は炭素数1〜5のアル
キル基を表す。) 前記一般式(16)中、R6は水素または炭素数1〜5
のアルキル基を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基
の具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチ
ル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ
るが、水素、メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ
メチル、水素が好ましい。
【0102】また上記一般式(17)の構造中、mは2
以上の整数を表すが、なかでも2〜6であることが好ま
しく、特に4または6が好ましく、さらに好ましくは6
である。
【0103】また本発明のジエステル化合物に対するジ
アミン化合物のモル比は、得られるエステルアミドモノ
マーの純度の点から0.01倍モル以上0.3倍モル以
下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05倍
モル以上0.2倍モル以下である。
【0104】また該反応は反応を促進する点から触媒を
用いることが好ましい。このような触媒としては、通常
公知のものを使用することができる。例えばモノブチル
ヒドロキシチンオキシド、チタンテトラブトキシド、フ
ッ化セシウム、フッ化アンチモン、酸化アンチモン、金
属アルコキシド、アンモニウム塩、酢酸金属塩、金属水
素化物、有機金属化合物、アルカリ無機物から選ばれる
1種または2種以上の混合物などを使用することができ
るが、好ましくはモノブチルヒドロキシチンオキシド、
チタンテトラブトキシド、酸化アンチモン、金属アルコ
キシド、酢酸金属塩、アルカリ無機物から選ばれる1種
または2種以上の混合物、さらに好ましくはチタンテト
ラブトキシド、金属アルコキシド、酢酸金属塩、アルカ
リ無機物から選ばれる1種または2種以上の混合物であ
る。
【0105】金属アルコキシドとしては具体的に、リチ
ウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメト
キシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムエトキシド、リチウムブトキシド、ナトリウム
ブトキシド、カリウムブトキシドなどが挙げられるが、
好ましくはリチウムメトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウムエトキシドであり、さらに好
ましくは、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシドである。
【0106】アンモニウム塩としては具体的に、塩化ア
ンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、燐
酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる
が、好ましくは塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウムであり、さらに好
ましくは塩化アンモニウム、臭化アンモニウムである。
【0107】酢酸金属塩としては具体的に、酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸コバルト、酢
酸マンガン、酢酸アルミニウムなどが挙げられるが、好
ましくは酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸コバル
ト、酢酸マンガンであり、さらに好ましくは酢酸リチウ
ム、酢酸マンガンである。
【0108】金属水素化物としては具体的に、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム、水素化リチウムなどが挙げ
られるが、好ましくは水素化ナトリウム、水素化カリウ
ムであり、さらに好ましくは水素化ナトリウムである。
【0109】有機金属化合物としては、炭素−金属から
なるイオン結合、共有結合を有する化合物であれば特に
制限はないが、具体的には、トリエチルアルミニウム、
トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物、n−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、メチルマ
グネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エ
チルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミ
ド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシ
ウムブロミドなどのグリニア試薬が挙げられる。
【0110】アルカリ無機物としては具体的に、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど
が挙げられるが、好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムであり、さらに好ましくは水
酸化ナトリウムである。
【0111】反応触媒の使用量は特に制限はないが、通
常ジエステル化合物とジアミン化合物の総重量に対する
触媒の重量%は0.001〜1.0重量%が好ましく、
さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0112】該反応を溶媒中で行う場合、使用する有機
溶媒としては、得られるエステルアミドモノマーの純度
の面からジエステルとジアミン化合物を溶解させ、かつ
エステルアミドモノマーを溶解しない溶媒が好ましい。
このような有機溶媒は、使用するジエステル化合物、ジ
アミン化合物および得られるエステルアミドモノマーの
構造により異なるが、メタノール、エタノール、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、シクロヘキサン、テトラリン、デカリン、石油、灯
油、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジク
ロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,4−ト
リクロロベンゼン、エチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ピリジン、ピロリジン、N−メチルピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
から選ばれる一種または2種以上の混合物などが好まし
く、さらに好ましくはメタノール、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンから選ばれる一種または二種以上の混合物
である。
【0113】また溶媒の使用量は特に制限はないが、反
応の急激な発熱を抑制する点および得られるエステルア
ミドモノマーの純度の点から、ジエステル化合物とジア
ミン化合物の総モル数から換算した1モル当たりの溶媒
量は、通常0.1lL〜100Lであり、好ましくは
0.2L〜50L、さらに好ましくは0.3L〜30L
である。
【0114】また有機溶媒を用いる場合の加熱温度は特
に制限はないが、通常、使用する溶媒の沸点付近で行う
ことができる。
【0115】また使用する薬品の添加順序は特に制限は
ないが、薬品を一括して添加してもよいし、各薬品成分
を逐次添加してもよい。
【0116】反応時間は反応温度および使用する溶媒の
量により著しく異なるが、通常0.1〜50時間、好ま
しくは0.2〜20時間、さらに好ましくは0.5〜1
0時間である。
【0117】また該反応は有機溶媒を用いずに行うこと
ができる。この場合の加熱温度は、得られるエステルア
ミドモノマーの純度の点から、ジエステル化合物の融点
以上、エステルアミドモノマーの融点以下であることが
好ましい。
【0118】またこの場合、使用する薬品の添加順序は
特に制限はないが、薬品を一括して添加してもよいし、
各薬品成分を逐次添加してもよい。
【0119】このようにして得られたエステルアミドモ
ノマーは、反応溶液あるいは反応融液をろ過した回収物
を、溶媒で洗浄して使用することもできるし、あるいは
溶媒で洗浄した後、真空乾燥して使用してもよい。洗浄
に使用する溶媒は、得られるエステルアミドモノマーの
構造により異なるが、例えばメタノール、エタノール、
プロパノール、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、ト
ルエン、水などを使用することができる。また反応溶液
からろ過し、溶媒で洗浄したものをさらに適当な溶媒に
より再結晶精製してから使用することができる。再結晶
溶媒としては加熱時にエステルアミドモノマーを溶解
し、冷却によりエステルアミドモノマーを析出させるこ
とができる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ジメチルスルホ
キシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、クロロホルム、フェノールから選ばれる一種
または二種以上の混合物などを使用することができ、好
ましくは、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、フェノール、エタ
ノールからあ選ばれる一種または二種以上の混合物、さ
らに好ましくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、フェノール、エタノールから選ばれる
一種または二種以上の混合物である。
【0120】本発明のポリエステルアミド共重合体は他
の成分を配合して組成物とすることができる。
【0121】本発明のポリエステルアミド共重合体は、
ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーと特異的に
相溶性がよく、該エラストマーをさらに添加すると衝撃
特性が特異的に向上し、靭性を付与することができる。
【0122】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
ーとしては、オレフィン系エラストマー、ナイロン系エ
ラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリエステ
ルポリエーテル系エラストマー、ポリエステルポリエス
テル系エラストマー、本発明以外のポリエステルポリア
ミド系エラストマーなどが好ましく、さらに好ましくは
オレフィン系エラストマーである。このようなオレフィ
ン系エラストマーの具体例としては、エチレン/プロピ
レン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、エチレ
ン/プロピレン/共役ジエン共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合
体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチ
レン/酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重
合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレ
イミド共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N
−フェニルマレイミド共重合体、エチレン/プロピレン
−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1
−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン
/1,4−ヘキサジエン−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/
2,5−ノルボルナジエン−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/プロピレン−g−N−フェニルマレイミ
ド共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチ
レン/ブタジエン/スチレン−g−無水マレイン酸ブロ
ック共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロッ
ク共重合体を水素添加した後、無水マレイン酸をグラフ
ト化して得られるスチレン・エチレン/ブチレン・スチ
レン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、スチレン
/イソプレン−g−無水マレイン酸ブロック共重合体、
エチレン/アクリル酸アイオノマー、エチレン/メタク
リル酸アイオノマー、エチレン/イタコン酸アイオノマ
ー、などを挙げることができ、これらは各々単独あるい
は混合物の形で用いることができる。
【0123】ガラス転移温度が20℃以下のエラストマ
ーの添加量は、ポリエステルアミド共重合体100重量
部に対して、1〜100重量部であることが好ましく、
特に好ましくは3〜90重量部、さらに好ましくは5〜
80重量部である。
【0124】なかでもエラストマーを比較的少量使用す
る場合、例えば50重量部以下、好ましくは30重量部
以下、特に好ましくは20重量部以下の場合には、樹脂
組成物中のエラストマーは、マトリックスとしてのポリ
エステルアミド樹脂中に分散相として存在する。本発明
の組成物によって得られた成形品がより優れた衝撃強度
を保有するには、微分散していることが望ましい。樹脂
組成物中の混合状態を評価する方法の一つとして分散相
の粒径を評価尺度とする方法があるが、本発明のポリエ
ステルアミド樹脂組成物にエラストマーを配合する場
合、エラストマー部分の分散平均は15ミクロン以下が
好ましく、さらに好ましくは10ミクロン以下である。
【0125】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物は、結晶核剤
の添加により結晶化速度を自在にコントロールすること
ができ、また、熱安定性、非着色性、機械特性、成形加
工性が向上する。
【0126】結晶核剤としてはポリエステルアミド共重
合体の結晶化を促進する化合物であれば特に制限はない
が、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、クレーや、金
属酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機カルボン酸塩、有機ス
ルホン酸塩などが好ましく使用される。
【0127】金属酸化物としては、周期律表II〜V族
の金属を中心原子とする金属酸化物を使用することがで
き、具体的には酸化マグネシウム、酸化カリウム、酸化
バリウム、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜
鉛、酸化アンチモン、酸化アルミニウムなどが使用する
ことができる。
【0128】また炭酸塩としては、周期律表I、II族
の金属塩からなる炭酸塩を使用することができ、具体的
には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸銅などが使用するこ
とができる。
【0129】また硫酸塩としては、周期律表I、II族
の金属塩からなる硫酸塩を使用することができ、具体的
には硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅などを使用することが
できる。
【0130】有機カルボン酸塩としては、周期律表I、
II族の金属塩からなるカルボン酸塩を使用することが
できる。具体的にはカプロン酸リチウム、カプロン酸ナ
トリウム、カプロン酸カリウム、カプロン酸カルシウ
ム、カプロン酸マグネシウム、カプロン酸バリウム、カ
プロン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸亜鉛、モンタン酸リチウム、モンタン
酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸カルシ
ウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸バリウム、
モンタン酸亜鉛、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウ
ム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸
マグネシウム、安息香酸バリウム、安息香酸亜鉛、テレ
フタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタ
ル酸カリウム、テレフタル酸カルシウム、テレフタル酸
マグネシウム、テレフタル酸バリウム、テレフタル酸亜
鉛などを使用することができる。
【0131】また有機スルホン酸塩としては周期律表
I、II族の金属塩からなる有機スルホン酸塩を使用す
ることができる。例えば、ベンゼンスルホン酸リチウ
ム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン
酸カリウム、p−リチウムスルホ安息香酸、p−ナトリ
ウムスルホ安息香酸、p−カリウムスルホ安息香酸、
2,5−あるいは3,5−ジカルボキシベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、2,5−あるいは3,5−ジカルボキ
シベンゼンスルホン酸リチウム、3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸カリウムなどを使用することができ
る。
【0132】このような結晶核剤の添加量は通常ポリエ
ステルアミド共重合体100重量部に対し0.01〜2
0重量部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好
ましくは0.03〜10重量部である。
【0133】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物は、所望によ
り耐熱安定剤をさらに添加すると耐熱性および熱安定性
を向上させることができ、樹脂、フィルムおよび繊維へ
の加工性が著しく向上し、さらに加工品の非着色性のみ
ならず、加工時の臭気を抑制することができる。
【0134】本発明の耐熱安定剤としては、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤またはジ亜リン酸金属塩から選
ばれる一種または二種以上の混合物が好ましく使用する
ことができる。特にジ亜リン酸金属塩を添加する場合に
は得られる組成物の色調を極めて著しく改善することが
できる。
【0135】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、具体的にはトリエチレングリコール−ビス[3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチ
レンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホネート ジエチルエステル、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビ
スもしくはトリス(3−t−ブチル−6−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−ヘキサメチ
レンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
ヒドロシンナマミド)、N,N’−トリメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチ
ル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−
メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス[2−{3
−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンなどを使用することができる。
【0136】またジ亜リン酸金属塩の具体例としては、
ジ亜リン酸ナトリウム、ジ亜リン酸カリウム、ジ亜リン
酸カルシウム、ジ亜リン酸マンガンなどを使用すること
ができる。
【0137】本発明の耐熱安定剤の添加量はポリエステ
ルアミド共重合体100重量に対して通常、0.01〜
30重量部であり、好ましくは0.02〜25重量部、
さらに好ましくは0.03〜20重量部である。
【0138】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物は、耐候性安
定剤をさらに添加すると耐熱性、熱安定性を向上させる
ことができ、長期屋外使用時の加工品の非着色性をも向
上させることができる。
【0139】本発明の耐候性安定剤としては、ヒンダー
ドアミン系化合物が好ましく使用することができる。
【0140】このようなヒンダードアミン系化合物とし
ては、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジニル)セバケート、コハク酸ジメ
チル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
N,N’−ビス(3−アミドプロピル)エチレンジアミ
ン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ]−
6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ
[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミ
ノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ)}]、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどを
使用することができる。
【0141】このような耐候性安定剤の添加量は通常ポ
リエステルアミド共重合体100重量部に対して0.0
1〜30重量部、好ましくは0.02〜25重量部、さ
らに好ましくは0.03〜20重量部である。
【0142】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物は所望により
エポキシ化合物を添加すると熱安定性、衝撃特性を向上
させることができるのみならず、加工時の臭気抑制およ
び樹脂、フィルム加工時の流動性を向上せしめることが
できる。
【0143】本発明のエポキシ化合物はエポキシ基を分
子中含有するエポキシ化合物であれば特に制限はない
が、モノエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、トリエポ
キシ化合物が好ましく、特にジエポキシ化合物を好まし
く使用することができる。このようなジエポキシ化合物
としては、具体的に下記一般式(28)、(29)、
(30)、(31)、(32)、(33)、(34)、
(35)で表されるジエポキシ化合物を使用することが
できる。
【0144】
【化46】 (nは1以上の整数を表す。) このようなエポキシ化合物の添加量はポリエステルアミ
ド共重合体100重量部に対して、通常、0.01〜3
0重量部、好ましくは0.02〜25重量部、さらに好
ましくは0.03〜20重量部である。
【0145】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物は、これまで
公知の樹脂とは異なり、各種樹脂との相溶性に極めて優
れているため、本発明のポリエステルアミド共重合体ま
たは上記ポリエステルアミド樹脂組成物に対して、ガラ
ス転移温度が20℃以下のエラストマー以外の熱可塑性
樹脂を一種以上添加することができる。このような熱可
塑性樹脂としては、ガラス転移温度が20℃以下のエラ
ストマー以外で、加熱すると流動性を示し、これを利用
して成形加工できる合成樹脂であれば特に制限はない
が、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニルなど
のオレフィン系重合体およびその共重合体、ポリエステ
ル、全芳香族ポリエステル、液晶ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、フェノ
キシ樹脂、ポリケトン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルケトン、フェノール樹脂、フェノール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ポリアリルエーテル、ポリアミド
イミド、ポリアリルスルホン、ポリスルホン、ABS樹
脂、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリアセタールから選ばれる1種または2種以上
の混合物などが挙げられる。
【0146】このような熱可塑性樹脂の添加量は通常ポ
リエステルアミド共重合体100重量部に対して0.1
〜1000重量%であり、好ましくは1〜800重量
部、さらに好ましくは10〜500重量部である。
【0147】また本発明のポリエステルアミド共重合体
または上記ポリエステルアミド樹脂組成物に対して本発
明の目的を損なわない範囲で他の熱安定剤、ベンゾフェ
ノン系などの紫外線吸収剤、アミン系などの帯電防止
剤、脂肪族アルコールのエステル、アミドなどの滑剤、
ブロム系またはリン系難燃剤、離型剤、滑剤、多価アル
コールのエーテルなどの改質剤および染料・顔料を含む
着色剤、イソシアネート系などのカップリング剤などの
通常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0148】このような化合物を配合する場合の添加量
はそれぞれ、ポリエステルアミド共重合体100重量部
に対して、通常0.01〜30重量部であり、好ましく
は0.02〜25重量部、さらに好ましくは0.03〜
20重量部である。
【0149】また本発明のポリエステルアミド共重合体
は分子量が高く、耐熱性、熱安定性および結晶性に優
れ、溶融成形可能であるため押出成形、射出成形、プレ
ス成形などが可能である。したがってフィルム、管、ロ
ッド及び繊維や希望する任意の形状と大きさを持った成
形品に加工し使用することができ、特に加工時の滞留時
間の長い繊維やフィルムの加工において本発明のポリエ
ステルアミド共重合体は好適である。
【0150】
【実施例】以下実施例により本発明の効果を更に詳細に
説明する。ただし本発明はこれらの例になんら限定され
るものではない。
【0151】実施例および比較例で述べられている各測
定項目は以下の方法に従った。
【0152】以下実施例により本発明の効果を更に詳細
に説明する。ここで部とはすべて重量部をあらわす。各
特性の測定方法は以下の通りである。
【0153】(1)数平均分子量(Mn)およびエステ
ルアミドモノマーの純度 測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)を用いた。検出器にWATERS社示差屈折計W
ATERS410を用い、MODEL510高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて測定した。測定条件は、ヘキ
サフロロイソプロパノールを溶離液とし、カラム温度2
5℃、試料濃度1〜2mg/mlの溶液を0.1ml注
入した。カラムはWATERS社のポリスチレン多孔性
膨潤ゲルが充填されたウルトラスタイラジェルリニアー
1本、500Å2本を直列に接続し、溶離液0.5ml
/min、カラム圧力500psiとした。ポリマー分
子量は、標準ポリメタクリル酸メチルによる校正曲線と
対比して換算した。またエステルアミドモノマーの純度
は得られたピークの面積比から算出した。
【0154】(2)融点、融解熱(ΔH) PERKIN−ELMER DSC−7を用い、窒素雰
囲気下、サンプル量10mg、−100から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度
(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で10分間
保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に
観測される吸熱ピーク温度(Tm2)のピークより求め
られる吸熱ピークの面積より融解熱(ΔH)を算出し
た。また融点は融点ピークのピークトップより決定し
た。
【0155】(3)エステルアミドモノマーの構造、純
度およびポリエステルアミド共重合体の構造 エステルアミドモノマーの構造は500MHz 1 H
−NMRスペクトルを用い、重水素化ヘキサフロロイソ
プロパノールを用い、30℃、積算回数1万回で測定し
た。またエステルアミドモノマーの純度は上記した様
に、図1に示すフローチャートに従い、サンプル50
0.0gを正確に計量し、1LのDMFを加え、20℃
で5時間撹拌する。DMF不溶部をろ過あるいは遠心分
離により回収し、さらにヘキサフロロイソプロパノール
(HFIP)1Lに溶解させ、20℃で5時間撹拌す
る。その後、HFIP不溶部をろ過により取り除き、H
FIP溶液をエバポレーションし、HFIP可溶部の重
量(W)を測定し、純度=W/500×100(重量
%)で算出した。以上の方法により得られる純度を、以
後、溶媒分離法による純度と呼ぶ。
【0156】またエステルアミドモノマーの純度は1
H−NMRによる積分強度比からも算出することができ
るが、より正確に純度を測定するためには溶媒分離法に
よる測定が好ましい。
【0157】またポリエステルアミド共重合体の構造は
13C−NMRスペクトルを用い、重水素化ヘキサフロ
ロイソプロパノールを用い、30℃、積算回数5万回で
測定した。
【0158】前記一般式(6)で表されるエステルアミ
ド共重合体の場合、13C−NMRスペクトルにおいて
観察される138ppm、133ppmに観察される2
つのシグナル強度の和をα(前記一般式(7)で表され
るシーケンスに対応)、137ppmに観察されるシグ
ナル強度をβ(前記一般式(8)で表されるシーケンス
に対応)、134ppmに観察されるシグナル強度をγ
とする(前記一般式(9)で表されるシーケンスに対
応)。
【0159】このように算出されるα、β、γはそれぞ
れ前記一般式(7)、(8)、(9)で表されるダイヤ
ッドシーケンスのモル%(X、Y、Z)に対応し、X=
α/(α+β+γ)×100、Y= β/(α+β+γ)
×100、Z= γ/(α+β+γ)×100より一般式
(7)、(8)、(9)で表される繰り返し単位のモル
%を算出することができる。これらの式の内、X= α/
(α+β+γ)は×100は交互シーケンスモル%を表
しており、Xをポリエステルアミド共重合体の交互性を
評価した。
【0160】(4)熱分解温度(Td5%:5%重量減
量温度) セイコー電子社TG/TDAを用い、サンプル量10m
g、測定温度領域100〜850℃、昇温速度20℃/
分、窒素雰囲気下で測定し、得られた重量減量曲線よ
り、重量が5%減量した温度をTd5%とした。
【0161】(5)成形性 手動式小型成形機を用いて、シリンダ温度をポリエステ
ルアミド共重合体の融点+30℃とし、金型温度60℃
で1/2号ダンベル試験片を成形し、成形性を評価し
た。成形によりダンベルが得られた場合を○、きわめて
脆くダンベルが得られなかった場合を×とし評価した。
【0162】(6)フィルム成形性 ポリエステルアミド共重合体の融点+30℃で溶融プレ
スすることによりフィルム形成能を評価した。溶融プレ
スによりポリマがフィルム状に得られた場合を○、極め
て脆くフィルム状にならない場合を×とし評価した。
【0163】(7)紡糸性 シリンダ温度をポリエステルアミド共重合体の融点+3
0℃とし、口金径φ1mm〜1.2mmの口金を利用
し、400〜500dのモノフィラメントとし、倍率8
〜10倍で延伸した。ポリマが繊維状に得られた場合を
○、きわめて脆く繊維状に紡糸できなかった場合を×と
した。
【0164】「エステルアミドモノマーの製造」 実施例1〜3、比較例1 エステルアミドモノマーの製
造 実施例1 エステルアミドモノマー(A−1)の製造
(溶液法) 環流管と温度計を取り付けた三口フラスコにジメチルテ
レフタレート2220g(12mol)と0.1倍モル
のヘキサメチレンジアミン140g(1.2mol)を
5Lのトルエン溶液とし、触媒としてチタンテトラブト
キシチタネート140g(5.9重量%)を加え、環流
下6時間反応させた。反応の進行に伴い反応物が析出し
た。反応後、反応溶液を熱ろ過し、沈殿物を回収した。
得られた沈殿物をN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)より再結晶精製した。収率:ヘキサメチレンジアミ
ンに対し、98%。DSCにより測定した融点:238
℃。
【0165】1 H−NMRスペクトル、7.6ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、8.0ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、6.6ppm
(2H:ブロード、NH)、3.9ppm(6H:シン
グレット、メトキシプロトン)、3.2〜3.6ppm
(4H:ブロード、−CH2 NH−)、1.2〜1.
8ppm(8H:ブロード、メチレン) IRスペクトル3200〜3600cm-1(NH伸
縮)、2800〜3000cm-1(C−H伸縮)、17
20cm-1(C−O伸縮)、1640cm-1(CO伸
縮、NH変角)、1440cm-1(C−N伸縮)。
【0166】以上の1 H−NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルから下記一般式(36)で表されるエステ
ルアミドモノマー(A−1)が得られたことがわかる。
また上記一般式で表される構造以外の化合物に由来する
ピークは検出されない。
【0167】得られた化合物の溶媒分離法による純度は
99.8%であった。
【0168】
【化47】 図2、図3は、得られた純度99.8%のエステルアミ
ドモノマーの1 H−NMRスペクトル、IRスペクト
ルを示す図である。
【0169】実施例2 エステルアミドモノマー(A−
2)の製造(バルク法) 環流管と温度計を取り付けた三口フラスコにジメチルテ
レフタレート2220g(12mol)と0.1倍モル
のヘキサメチレンジアミン140g(1.2mol)を
ジメチルテレフタレートの融点以上およびエステルアミ
ドモノマーの融点以下の温度である150℃で融解さ
せ、チタンテトラブトキシチタネート140g(5.9
重量%)6時間反応させた。反応の進行に伴い反応物が
析出した。反応後、反応融液を熱ろ過し、沈殿物を回収
した。得られた沈殿物をDMFより再結晶精製した。収
率:ヘキサメチレンジアミンに対し、90%。DSCに
より測定した融点:238℃。
【0170】1 H−NMRスペクトル、7.6ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、8.0ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、6.6ppm
(2H:ブロード、NH)、3.9ppm(6H:シン
グレット、メトキシプロトン)、3.2〜3.6ppm
(4H:ブロード、−CH2 NH−)、1.2〜1.
8ppm(8H:ブロード、メチレン) IRスペクトル3200〜3600cm-1(NH伸
縮)、2800〜3000cm-1(C−H伸縮)、17
20cm-1(C−O伸縮)、1640cm-1(CO伸
縮、NH変角)、1440cm-1(C−N伸縮)。
【0171】以上の1 H−NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルより上記一般式(36)で表されるエステ
ルアミドモノマー(A−2)が得られたことがわかる。
また上記一般式で表される構造以外の化合物に由来する
ピークは検出さなかった。
【0172】また溶媒分離法による純度は99.7%で
あった。
【0173】実施例3 触媒として塩化アンモニウム140g(5.9重量%)
を使用した以外は実施例1と同様の方法により反応を行
った。反応の進行に伴い反応物が析出した。反応後、反
応溶液を熱ろ過し、沈殿物を回収し、水で5時間還流洗
浄した。得られた沈殿物をDMFより再結晶精製した。
収率:ヘキサメチレンジアミンに対し、98%。DSC
により測定した融点:238℃。
【0174】1 H−NMRスペクトル、7.6ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、8.0ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、6.6ppm
(2H:ブロード、NH)、3.9ppm(6H:シン
グレット、メトキシプロトン)、3.2〜3.6ppm
(4H:ブロード、−CH2 NH−)、1.2〜1.
8ppm(8H:ブロード、メチレン) IRスペクトル3200〜3600cm-1(NH伸
縮)、2800〜3000cm-1(C−H伸縮)、17
20cm-1(C−O伸縮)、1640cm-1(CO伸
縮、NH変角)、1440cm-1(C−N伸縮)。
【0175】以上の1 H−NMRスペクトルおよびI
Rスペクトルから上記一般式(36)で表されるエステ
ルアミドモノマー(A−1)が得られたことがわかる。
また上記一般式で表される構造以外の化合物に由来する
ピークは検出されない。
【0176】得られた化合物の溶媒分離法による純度は
99.9%であった。
【0177】比較例1 エステルアミドモノマー(B−
1)の製造 J.L.R.WILLIAMS,J.Polym.Sci.,61,353(1962)に採用され
ているエステルアミドモノマーの合成方法(J.L.R.WILL
IAMS,J.Org.Chem.,25,817(1960))によりエステルアミド
モノマーの合成を行った。
【0178】環流管と温度計を取り付けた三口フラスコ
にヘキサメチレンジアミン348g(3mol)のピリ
ジン5L溶液にモノメチルテレフタル酸クロリド119
2g(6mol)を撹拌下で添加した。添加を終了した
ら15分間撹拌し、氷−水浴に反応溶液を投下した。粗
回収物をろ過し、DMFから再結晶した。得られた針状
結晶を回収し、真空乾燥した。収率:63.0%、DS
Cにより測定した融点:232℃。
【0179】1 H−NMRスペクトル:7.6ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、8.0ppm
(4H:ダブレット、芳香族プロトン)、6.6ppm
(2H:ブロード、NH)、3.9ppm(6H:シン
グレット、メトキシプロトン)、3.2〜3.6ppm
(4H:ブロード、−CH2 NH−)、1.2〜1.
8ppm(8H:ブロード、メチレン) 不純物ピーク:7.1ppm(シングレット、NH2
) IRスペクトル:3200〜3600cm-1(NH伸
縮)、2800〜3000cm-1(C−H伸縮)、17
20cm-1(C−O伸縮)、1640cm-1(CO伸
縮、NH変角)、1440cm-1(C−N伸縮)。
【0180】不純物ピーク:1700cm-1(C−O伸
縮) 以上の1 H−NMRスペクトルおよびIRスペクトル
より上記一般式(36)で表されるエステルアミドモノ
マー(A−1)の他に、下記一般式(37)、(38)
で表される不純物が含まれていることがわかる。溶媒分
離法による純度は84.3%であった。また実施例1、
2、3の方法により得られたエステルアミドモノマーに
比べ、融点が低いことからも不純物が含まれていること
がわかる。
【0181】
【化48】 尚、J.L.R.WILLIAMS,J.Polym.Sci.,61,353(1962)に採用
されているエステルアミドモノマーの合成方法(J.L.R.W
ILLIAMS,J.Org.Chem.,25,817(1960))では、再結晶溶媒
としてメタノール、エタノールなどのアルコールが用い
られているが、合成したエステルアミドモノマー(B−
1)はこれらの溶媒には溶解せず、再結晶することはで
きなかった。したがって、再結晶溶媒としてDMFを用
いた。DMFにより再結晶する前のモノマー純度を溶媒
分離法により算出したところは70%と極めて純度が低
く、したがって該酸クロリドを用いた反応では、不純物
量が多く、さらに再結晶しても不純物の溶媒に対する溶
解性の悪さから高純度品を合成することは困難であっ
た。
【0182】以上の結果から本発明の方法により純度の
高いエステルアミドモノマーが得られることは明らかで
ある。一方、J.L.R.WILLIAMS,J.Polym.Sci.,61,353(196
2)が採用されている合成方法により得られるエステルア
ミドモノマーは再結晶精製しても純度が低いことがわか
る。
【0183】「ポリエステルアミド共重合体の製造」 実施例4、5、比較例2 実施例1、2および比較例1の方法により製造したエス
テルアミドモノマー(A−1、A−2、B−1)とグリ
コール成分としてヘキサメチレングリコールを用いポリ
エステルアミド共重合体の重合を行った。
【0184】実施例1で合成したエステルアミドモノマ
ー(A−1)を用い、エステルアミドモノマー(300
g:681mmol)とグリコール成分としてヘキサメ
チレングリコール(320g:2.73mol)を重縮
合用試験管に秤量し、触媒として6mmolのテトラ
(n−ブチル)チタネートを添加し、常圧、窒素雰囲気
下、260℃で30分撹拌し、その後、1時間かけて減
圧度を0.3mmHgにした。さらに1時間かけて28
0℃に昇温した。3時間後、ポリマーを試験管から取り
出し、水中で洗浄し、減圧乾燥し、下記一般式(39)
で表されるポリエステルアミド共重合体を得た。
【0185】
【化49】 同様の方法により実施例5では実施例2で合成したエス
テルアミドモノマー(A−2)および比較例2では比較
例1で合成したエステルアミドモノマー(B−1)を用
い重合を行った。
【0186】一連の結果を表1に示す。
【0187】
【表1】 図4は実施例4で得られたポリエステルアミド共重合体
の13C−NMRスペクトルを示す図である。
【0188】カルボニルに連結した芳香族炭素のシグナ
ル領域には138ppmと133ppmのシグナルのみ
が観察さた。X=100モル%。すなわち、前記一般式
(7)で表される交互ダイヤッドシーケンスのみからな
るポリエステルアミド共重合体であることがわかる。
【0189】実施例5で得られたポリエステルアミド共
重合体の13C−NMRスペクトルも実施例3で得られた
ポリエステルアミド共重合体と同様のスペクトルであ
り、X=100モル%であった。
【0190】図5は比較例2で得られたポリエステルア
ミド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図であ
る。
【0191】カルボニルに連結した芳香族炭素のシグナ
ル領域には138ppm、133ppm、137pp
m、134ppmの4本のシグナルが観察される。すな
わち、上記一般式(7)のほかに(8)、(9)で表さ
れるダイヤッドシーケンスを含有しており、X=60モ
ル%であった。
【0192】実施例4、5および比較例2の比較から、
本発明の方法により合成した高純度のエステルアミドモ
ノマーから合成したポリエステルアミド共重合体は高分
子量体であり、熱安定性に優れ、交互性が高く、融解熱
量が高いことから結晶性が高いことがわかる。一方比較
例2に示したように比較例1で合成した純度の低いエス
テルアミドモノマーを用いると、得られるポリマーの分
子量は低く、熱安定性に劣り、交互性に劣り、さらに明
確な融点を示さず(融点ピークがブロードになる)、さ
らに融解熱が低く結晶性が低いことがわかる。
【0193】実施例6、7、比較例3 実施例6では実施例1で合成したエステルアミドモノマ
ー(A−1)を用い、エステルアミドモノマー(300
g:681mmol)とグリコール成分としてエチレン
グリコール(100g:1.6mol)を重縮合試験管
に秤量し、触媒として4mmolの三酸化アンチモンを
添加し、常圧、窒素雰囲気下、260℃で1時間撹拌
し、その後、1時間かけて減圧度を0.3mmHgにし
た。さらに1時間かけて300℃に昇温した。2時間
後、ポリマーを試験管から取り出し、水中で洗浄し、減
圧乾燥し下記一般式(40)で表されるポリエステルア
ミド共重合体を得た。X=100モル% また実施例7では触媒として2mmolの酢酸マンガン
を添加し、常圧、窒素雰囲気下、260℃で1時間撹拌
した。その後、4mmolの三酸化アンチモンを添加し、1
時間撹拌した後、1時間かけて減圧度を0.3mmHg
にした。さらに1時間かけて280℃に昇温した。2時
間後、ポリマーを試験管から取り出し、水中で洗浄し、
減圧乾燥し下記一般式(40)で表されるポリエステル
アミド共重合体を得た。X=100モル%
【化50】 比較例3では比較例1で合成したエステルアミドモノマ
ー(B−1)を用い、実施例6と同様の方法により重合
を行った。重合時にポリマー融液は黒茶色に分解した。
結果を表2に示す。
【0194】
【表2】 実施例6および比較例3の比較から、グリコール成分と
してエチレングリコールと本発明の方法により合成した
高純度のエステルアミドモノマーより得られるポリエス
テルアミド共重合体は高分子量体であり、熱安定性に優
れ、交互性が高く、融解熱量が高いことがわかる。一方
比較例3に示したように比較例1で合成した純度の低い
エステルアミドモノマーを用いると、得られるポリマー
の分子量は低く、熱安定性に劣り、交互性が低く、明確
な結晶ピークを示さないポリマーとなることがわかる。
【0195】図6は実施例6で得られたポリエステルア
ミド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図であ
る。
【0196】カルボニルに連結した芳香族炭素のシグナ
ル領域には138ppmと133ppmのシグナルのみ
が観察さた。X=100モル%。すなわち、上記一般式
(7)で表される交互ダイヤッドシーケンスのみからな
るポリエステルアミド共重合体であることがわかる。
【0197】実施例7で得られたポリエステルアミド共
重合体の13C−NMRスペクトルも実施例6で得られた
ポリエステルアミド共重合体と同様のスペクトルであ
り、X=100モル%であった。
【0198】図7は比較例3で得られたポリエステルア
ミド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図であ
る。
【0199】カルボニルに連結した芳香族炭素のシグナ
ル領域には138ppm、133ppm、137pp
m、134ppmの4本のシグナルが観察される。すな
わち、上記一般式(7)のほかに(8)、(9)で表さ
れるダイヤッドシーケンスを含有しており、X=50モ
ル%であった。
【0200】実施例8、比較例4 実施例8では実施例1で合成した高純度エステルアミド
モノマー(A−1)を用い、エステルアミドモノマー
(300g:681mmol)とグリコール成分として
1,4−ブタンジオール(180g:2.0mol)を
重縮合試験管に秤量し、触媒として4mmolのテトラ
(n−ブチル)チタネートを添加し、常圧、窒素雰囲気
下、260℃で1時間撹拌し、その後、1時間かけて減
圧度を0.3mmHgにした。さらに1時間かけて29
0℃に昇温した。2時間後、ポリマーを試験管から取り
出し、水中で洗浄し、減圧乾燥し、下記一般式(21)
で表されるポリエステルアミド共重合体を得た。X=1
00モル%。結果を表3に示す。
【0201】
【化51】 比較例4では比較例1で合成したエステルアミドモノマ
ー(B−1)を用い、実施例8と同様の方法により重合
を行った。X=60モル%。
【0202】
【表3】 実施例8および比較例4の比較から、グリコール成分と
して1,4−ブタンジオールと本発明の方法により合成
した高純度のエステルアミドモノマーより得られるポリ
エステルアミド共重合体は高分子量体であり、熱安定性
に優れ、交互性が高く、融解熱量が大きく、結晶性に優
れることがわかる。一方比較例4に示したように比較例
1で合成した純度の低いエステルアミドモノマーを用い
ると、得られるポリマーの分子量は低く、熱安定性に劣
り、交互性が低く、融解熱量は小さく、結晶性に劣る材
料であることがわかる。
【0203】実施例9、10、11、12 実施例4、7で合成したポリエステルアミド共重合体
に、ガラス転移温度が20℃以下のエラストマーとして
エチレン/プロピレンゴム(三井石油化学社製変性EP
R(MP0610)、タルク、エポキシ化合物として下
記一般式(28)で表されるジエポキシ化合物、耐熱安
定剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤(トリエ
チレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(チバガイギー”イルガノックス”245)およびジ亜
リン酸金属塩としてジアリン酸ナトリウム、耐候性安定
剤としてヒンダードアミン系化合物(ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート(三共”サノール”LS765))、離型剤かつ滑
剤としてステアリン酸アミドを表4の処方で配合した。
結果を表4に示す。
【0204】
【化52】
【表4】 本発明のポリエステルアミド共重合体にこれらの化合物
をさらに添加することにより結晶性または熱安定性が向
上することがわかる。
【0205】
【発明の効果】本発明のポリエステルアミド共重合体あ
るいはそれを含有する組成物は、分子量が高く、耐熱
性、熱安定性、加工性および結晶性に優れるため、エン
ジニアリングプラスチックとして使用することができ、
種々の成形品とすることができる。また、繊維、フィル
ムとして使用することができる。また本発明により純度
の高いエステルアミドモノマーが得られ、それにより上
述のような優れた特性を有するポリエステルアミド共重
合体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はエステルアミドモノマーの純度を測定す
る際の溶媒分離法のフローチャートである。
【図2】図2は、実施例1で得られたエステルアミドモ
ノマーの1 H−NMRスペクトルを示す図である。
【図3】図3は、実施例1で得られたエステルアミドモ
ノマーのIRスペクトルを示す図である。
【図4】図4は、実施例4で得られたポリエステルアミ
ド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図5】図5は、比較例2で得られたポリエステルアミ
ド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図6】図6は、実施例6で得られたポリエステルアミ
ド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図である。
【図7】図7は、比較例3で得られたポリエステルアミ
ド共重合体の13C−NMRスペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/00 C08K 3/00 3/22 3/22 3/26 3/26 3/34 3/34 3/36 3/36 5/00 5/00 5/098 5/098 5/42 5/42 C08L 21/00 C08L 21/00 23/00 23/00 77/12 77/12 101/00 101/00 D01F 6/82 D01F 6/82

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に一般式(1)で表される繰り返し
    構造を有し、かつポリマー中に存在する3種類のダイヤ
    ッドシーケンス(2)、(3)、(4)のモル%をそれ
    ぞれX、Y、Z(モル%)(X+Y+Z=100)とし
    た場合、ポリマー中Xのモル%が、70≦X≦100
    (モル%)を満たすことを特徴とするポリエステルアミ
    ド共重合体。 【化1】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
    基、脂環族基、芳香族基を表す。)
  2. 【請求項2】実質的に一般式(1)で表される繰り返し
    構造を有し、13C−NMRスペクトルにおいて観察され
    るダイアッドシーケンス(2)、(3)、(4)に基づ
    くピーク強度α、β、γが下記式を満たすことを特徴と
    するポリエステルアミド共重合体。 70≦α/(α+β+γ)×100≦100 【化2】 (R1、R2、R3は、二価の置換または非置換の脂肪族
    基、脂環族基、芳香族基を表す。)
  3. 【請求項3】一般式(1)、(2)、(3)、(4)
    中、R1、R2、R3が下記一般式(5)から選ばれる一
    種または二種以上の基であることを特徴とする請求項1
    または2記載のポリエステルアミド共重合体。 【化3】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
    ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
    合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
    表し、Phはフェニル基を表す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)、(2)、(3)、(4)が
    一般式(6)、(7)、(8)、(9)で表されること
    を特徴とする請求項1または2記載のポリエステルアミ
    ド共重合体。 【化4】 (上記式中m、nは2以上の整数を表す。)
  5. 【請求項5】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
    により測定し、ポリメタクリル酸メチルより換算した数
    平均分子量が1万以上であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載のポリエステルアミド共重合体。
  6. 【請求項6】5重量%減量温度が370℃以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体。
  7. 【請求項7】m=n=6であり、融解熱量が50J/g
    以上であることを特徴とする請求項4記載のポリエステ
    ルアミド共重合体。
  8. 【請求項8】m=6、n=4であり、融解熱量が40J
    /g以上であることを特徴とする請求項4記載のポリエ
    ステルアミド共重合体。
  9. 【請求項9】m=6、n=2であり、融解熱量が30J
    /g以上であることを特徴とする請求項4記載のポリエ
    ステルアミド共重合体。
  10. 【請求項10】一般式(10)で表されるエステルアミ
    ドモノマーと一般式(11)で表されるグリコールを、
    触媒存在下、150〜350℃の重合温度で加熱後、さ
    らに減圧度0.01〜100mmHg、150℃〜35
    0℃の重合温度で加熱することを特徴とするポリエステ
    ルアミド共重合体の製造方法。 【化5】 (R4、R5、R7は、二価の置換または非置換の脂肪族
    基、脂環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素
    数1〜5のアルキル基を表す。)
  11. 【請求項11】般式(10)で表されるエステルアミド
    モノマーと一般式(11)で表されるグリコール中、R
    4、R5、R7が一般式(5)から選ばれる一種または二
    種以上の基であることを特徴とする請求項10記載のポ
    リエステルアミド共重合体の製造方法。 【化6】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
    ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
    合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
    表し、Phはフェニル基を表す。またR6は水素または
    炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  12. 【請求項12】般式(10)で表されるエステルアミド
    モノマーと一般式(11)で表されるグリコールが、一
    般式(12)、(13)で表されることを特徴とする請
    求項10記載のポリエステルアミド共重合体の製造方
    法。 【化7】 (上記式中m、nは2以上の整数を表し、R6は水素ま
    たは炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  13. 【請求項13】一般式(10)で表されるエステルアミ
    ドモノマーであってかつその純度が90重量%以上であ
    るエステルアミドモノマー。 【化8】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
    環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素数1〜
    5のアルキル基を表す。)
  14. 【請求項14】一般式(10)で表されるエステルアミ
    ドモノマーであって、かつその純度が95重量%以上で
    あるエステルアミドモノマー。
  15. 【請求項15】一般式(10)で表されるエステルアミ
    ドモノマー中、R4、R5が、一般式(5)から選ばれる
    一種または二種以上の基であることを特徴とする請求項
    13または14記載のエステルアミドモノマー。 【化9】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
    ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
    合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
    表し、Phはフェニル基を表す。)
  16. 【請求項16】一般式(10)で表されるエステルアミ
    ドモノマーが一般式(12)で表されることを特徴とす
    る請求項13または14記載のエステルアミドモノマ
    ー。 【化10】 (上記式中mは2以上の整数を表し、R6は水素または
    炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
  17. 【請求項17】一般式(14)で表されるジエステル化
    合物および一般式(15)で表されるジアミン化合物
    を、有機溶媒の存在下、または不存在下で加熱すること
    を特徴とするエステルアミドモノマーの製造方法。 【化11】 (R4、R5は、二価の置換または非置換の脂肪族基、脂
    環族基、芳香族基を表し、R6は水素または炭素数1〜
    5のアルキル基を表す。)
  18. 【請求項18】一般式(14)で表されるジエステル化
    合物および一般式(15)で表されるジアミン化合物
    中、R4、R5が一般式(5)から選ばれる一種または二
    種以上の基であることを特徴とする請求項17記載のエ
    ステルアミドモノマーの製造方法。 【化12】 (ただし式中lは2以上の整数を表し、Rは水素、ハロ
    ゲンあるいは1価の有機残基を表す。またQは直接結
    合、O、S、SO2、C(CH32、CH2、CHPhを
    表し、Phはフェニル基を表す。)
  19. 【請求項19】一般式(14)で表されるジエステル化
    合物および一般式(15)で表されるジアミン化合物
    が、一般式(16)で表されるジエステル化合物および
    一般式(17)で表されるジアミン化合物であることを
    特徴とする請求項17記載のエステルアミドモノマーの
    製造方法。 【化13】 (mは2以上の整数を表し、R6は炭素数1〜5のアル
    キル基を表す。)
  20. 【請求項20】有機溶媒が、一般式(14)で表される
    ジエステル化合物および一般式(15)で表されるジア
    ミン化合物を溶解させ、かつエステルアミドモノマーを
    溶解しない性質を有することを特徴とする請求項17記
    載のエステルアミドモノマーの製造方法。
  21. 【請求項21】有機溶媒が、一般式(14)で表される
    ジエステル化合物および一般式(15)で表されるジア
    ミン化合物中、R4、R5が一般式(5)から選ばれる一
    種または二種以上の基であるジエステル化合物およびジ
    アミン化合物を溶解させ、かつエステルアミドモノマー
    を溶解しない性質を有することを特徴とする請求項18
    記載のエステルアミドモノマーの製造方法。
  22. 【請求項22】有機溶媒が一般式(16)で表されるジ
    エステル化合物および一般式(17)で表されるジアミ
    ン化合物を溶解させ、かつエステルアミドモノマーを溶
    解しない性質を有することを特徴とする請求項19記載
    のエステルアミドモノマーの製造方法。
  23. 【請求項23】一般式(14)で表されるジエステル化
    合物および一般式(15)で表されるジアミン化合物
    を、有機溶媒不存在下、ジエステル化合物の融点以上、
    エステルアミドモノマーの融点以下の温度で、加熱する
    ことを特徴とする請求項17記載のエステルアミドモノ
    マーの製造方法。
  24. 【請求項24】ジエステル化合物に対するジアミン化合
    物のモル比が0.01倍モル以上0.3倍モル以下であ
    ることを特徴とする請求項17〜23のいずれか記載の
    エステルアミドモノマーの製造方法。
  25. 【請求項25】反応触媒として、モノブチルヒドロキシ
    チンオキシド、チタンテトラブトキシド、フッ化セシウ
    ム、フッ化アンチモン、酸化アンチモン、金属アルコキ
    シド、アンモニウム塩、酢酸金属塩、金属水素化物、有
    機金属化合物、アルカリ無機物から選ばれる一種または
    二種以上の混合物を使用することを特徴とする請求項1
    7〜24いずれか記載のエステルアミドモノマーの製造
    方法。
  26. 【請求項26】エステルアミドモノマーが請求項17〜
    25のいずれか記載の方法により得られるエステルアミ
    ドモノマーであることを特徴とする請求項11記載のポ
    リエステルアミド共重合体の製造方法。
  27. 【請求項27】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体に、ガラス転移温度が20℃以下
    のエラストマーを、ポリエステルアミド共重合体100
    重量部に対して1〜100重量部、さらに配合してなる
    ポリエステルアミド樹脂組成物。
  28. 【請求項28】ガラス転移温度が20℃以下のエラスト
    マーがオレフィン系エラストマーである請求項27記載
    のポリエステルアミド樹脂組成物。
  29. 【請求項29】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項27または28いず
    れかに記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、結晶核
    剤を、ポリエステルアミド共重合体100重量部に対し
    て0.01〜20重量部、さらに配合してなるポリエス
    テルアミド樹脂組成物。
  30. 【請求項30】結晶核剤がタルク、マイカ、カリオン、
    シリカ、クレー、無機カルボン酸塩、無機スルホン酸
    塩、金属酸化物、炭酸塩、有機カルボン酸塩、有機スル
    ホン酸塩から選ばれる一種または2種以上の混合物であ
    る請求項29記載のポリエステルアミド樹脂組成物。
  31. 【請求項31】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項27〜30のいずれ
    か記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、耐熱性安定
    剤を、ポリエステルアミド共重合体100重量部に対し
    て0.01〜30重量部、さらに配合してなるポリエス
    テルアミド樹脂組成物。
  32. 【請求項32】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項27〜31のいずれ
    か記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、耐候性安定
    剤を、ポリエステルアミド共重合体100重量部に対し
    て0.01〜30重量部、さらに配合してなるポリエス
    テルアミド樹脂組成物。
  33. 【請求項33】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項27〜32のいずれ
    か記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、離型剤を、
    ポリエステルアミド共重合体100重量部に対して0.
    01〜30重量部、さらに配合してなるポリエステルア
    ミド樹脂組成物。
  34. 【請求項34】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項27〜33のいずれ
    か記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、滑剤を、ポ
    リエステルアミド共重合体100重量部に対して0.0
    1〜30重量部、さらに配合してなるポリエステルアミ
    ド樹脂組成物。
  35. 【請求項35】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項26〜34のいずれ
    か記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、エポキシ化
    合物を、ポリエステルアミド共重合体100重量部に対
    して0.01〜30重量部、さらに配合してなるポリエ
    ステルアミド樹脂組成物。
  36. 【請求項36】請求項1〜9のいずれかに記載のポリエ
    ステルアミド共重合体または請求項26〜35いずれか
    記載のポリエステルアミド樹脂組成物に、ガラス転移温
    度が20℃以下のエラストマー以外の熱可塑性樹脂を、
    ポリエステルアミド共重合体100重量部に対して0.
    1〜1000重量部、さらに配合してなるポリエステル
    アミド樹脂組成物。
  37. 【請求項37】請求項1〜9のいずれか記載のポリエス
    テルアミド共重合体または請求項26〜36のいずれか
    記載のポリエステルアミド樹脂組成物を成形してなる成
    形品。
  38. 【請求項38】請求項1〜9のいずれか記載のポリエス
    テルアミド共重合体または請求項26〜37のいずれか
    記載のポリエステルアミド樹脂組成物を成形してなる繊
    維。
  39. 【請求項39】請求項1〜9のいずれか記載のポリエス
    テルアミド共重合体または請求項26〜38のいずれか
    記載のポリエステルアミド樹脂組成物を成形してなるフ
    ィルム。
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