JPH10273476A - エナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタジ酸ジエステルの製造方法、(R)−3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエステル、および(R)−(+)−および(S)−(−)−α−リポ酸の製造方法 - Google Patents

エナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタジ酸ジエステルの製造方法、(R)−3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエステル、および(R)−(+)−および(S)−(−)−α−リポ酸の製造方法

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JPH10273476A
JPH10273476A JP10053388A JP5338898A JPH10273476A JP H10273476 A JPH10273476 A JP H10273476A JP 10053388 A JP10053388 A JP 10053388A JP 5338898 A JP5338898 A JP 5338898A JP H10273476 A JPH10273476 A JP H10273476A
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acid
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lipoic acid
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JP10053388A
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Rainer Dr Gewald
ゲヴァルト ライナー
Gunter Dr Laban
ラバン グンター
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタ
ンジ酸ジエステルの製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式I: (RおよびRはそれぞれ同じかまたは異なり、C
〜C20−アルキル基、C〜C12−シクロアルキル
基、C〜C12−アラルキル基または単環式もしくは
2環式のアリール基を表す)の化合物を、一般式III
またはIX:

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式I:
【0002】
【化17】
【0003】(式中のR1およびR2は同じかまたは異な
り、C1〜C20−アルキル基、C3〜C12−シクロアルキ
ル基、C7〜C12−アラルキル基または単環式もしくは
2環式のアリール基を表す)で表されるエナンチオマー
純粋の3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエステルの新規製
造方法に関する。
【0004】
【従来の技術】化合物(R)−1は新規であり、これに
対して化合物(S)−1は公知である。両者とも主とし
て式IIのエナンチオマー純粋のα−リポ酸を合成する
ための中間生成物として用いられ、その誘導体α−リポ
酸は1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸(チオクト
酸)である。
【0005】
【化18】
【0006】α−リポ酸(R)−(+)−IIの(R)
−エナンチオマーはほとんどすべての動物および植物細
胞に少ない量で存在する天然物質である。α−ケトカル
ボン酸(例えばピルビン酸)を酸化により脱カルボキシ
ル化する際に補酵素としてα−リポ酸は基本的に重要な
ものである。α−リポ酸は薬理的に有効であり、消炎特
性、鎮痛特性(antinociceptive または analgetic)
および細胞保護(cytoprotective)特性を有する。重要
な医学的適用は糖尿病による多発神経症の治療である。
【0007】最近の研究成果(A.Baur等、Kli
n.Wochenschr.1991.69.722.J.
P.Merin等、FEBS Lett.1996.39
4.9)により、α−リポ酸がHIV−1ウィルスおよ
びHTLVIIIB−ウィルスに起因する疾患の予防に
おそらく重要であることがわかってきた。
【0008】α−リポ酸の純粋な光学異性体(R形およ
びS形、すなわち(R)−α−リポ酸および(S)−α
−リポ酸)においてラセミ化合物と異なり、(R)−エ
ナンチオマーは大部分が消炎性作用し、(S)−エナン
チオマーは大部分が鎮痛性作用する(欧州特許第042
7247号明細書、90年11月8日)。2つのエナン
チオマーの異なる薬物動態学特性が同様に確認された
(R.Hermann等、Eur.J.Pharmac
eut.Sci.1996.4.167)。従って純粋の
エナンチオマーの合成はきわめて重要である。
【0009】エナンチオマー純粋のα−リポ酸の公知製
造方法にはα−リポ酸またはその前駆物質のラセミ分
割、キラル助剤を使用した不斉合成、天然に存在する光
学活性出発化合物を使用した“キラルプール”合成およ
び微生物合成が含まれる(文献、J.S.Yadav等、
J.Sci.Ind.Res.1990.49.400.およ
びE.Walton等、J.Am.Chem.Soc.1
955.77.5144.D.S.Acker and W.
J.Wayne.J.Am.Chem.Soc.1957.7
9.6483.L.G.Chebotareva and
A.M.Yurkevich.Khim.−Farm.Zh.
1980.14.92.AS.Gopalan等、Tetr
ahedron Lett.1989.5705.A.G.
Tolstikov等、Bioorg.Khim.199
0.16.1670.L.Dasaradhi等、J.Ch
em.Soc.Chem.Commun.1990.729.
A.S.Gopalan等、J.Chem.Perkin
Trans.1 1990.1897.欧州特許第04
87986号明細書、91年11月14日、B.Adg
er等、J.Chem.Soc.Chem.Commun.
1995.1563.Y.R.Santosh Laxim
i.and D.S.Iyengar.Synthesi
s.1996.594)。
【0010】このうち光学活性のα−メチルベンジルア
ミンを用いるα−リポ酸のジアステレオマー塩の形成を
介したラセミ分割は従来の最も経済的な変法である(ド
イツ特許出願公開第4137773.7号明細書.91年
11月16日、およびドイツ特許出願公開第44270
79.8号明細書、94年7月30日)。しかしながら
ラセミ化合物の分離は連続する合成の最後の工程で行わ
れるので、高い収率が得られない。
【0011】エナンチオマー純粋のα−リポ酸を製造す
る唯一の公知の化学的触媒作用による不斉合成法(ドイ
ツ特許出願公開第3629116.1号明細書、86年
8月27日)は、アリルアルコールのシャープレスエポ
キシ化に基づき、これは出発化合物の高い費用のために
不経済である。
【0012】前記の生体触媒作用による合成法にはパン
酵母を用いる3−オキソ−オクタンジ酸ジエステルII
Iの不斉還元が存在する(欧州特許第0487986号
明細書、91年11月14日)。しかしながらこの方法
の欠点は、空時収率がきわめて低く、イソブチルエステ
ル(R1=iBu)を使用してのみ高いエナンチオマー
過剰率が達成され、常に(S)−エナンチオマー(S)
−1しか形成されないことである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、廉価な出発物質を使用して、高い化学的および光学
的な空時収率でα−リポ酸の両方のエナンチオマーを選
択的に製造することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
り、式III:
【0015】
【化19】
【0016】(式中のR1およびR2はそれぞれ互いに独
立に、C1〜C20−アルキル基、C3〜C12−シクロアル
キル基、C7〜C12−アラルキル基または単環式もしく
は2環式のアリール基を表す)で表される3−オキソ−
オクタンジ酸ジエステルを、ルテニウムおよび光学活性
ホスフィンからまたはラネーニッケルおよび光学活性酒
石酸からなる錯体の存在下に、不斉の化学的接触水素化
することにより解決される。
【0017】その際エステル基(R1、R2)の種類に独
立に、3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエステルIの一定
の高い光学的および化学的収率が達成される。生体触媒
作用による変法に比べてきわめて高い基質濃度で作動す
ることができる。
【0018】化合物IIIは公知であり、特にメルドラ
ム酸をアジピン酸モノアルキルエステルクロリドを用い
てアシル化し、引き続きアルコール分解することにより
得られる。(H.Thoma und G.Spite
ller.Liebigs Ann.Chem.1983.
1237.欧州特許第0487986号明細書、91年
11月14日)。所定の反応条件下で、本発明により、
有利にはアルコール分解の前に中間に形成され、単離可
能な、式IV:
【0019】
【化20】
【0020】(式中のR1はC1〜C20−アルキル基、C
3〜C12−シクロアルキル基、C7〜C12−アラルキル基
および/または単環式または2環式のアリール基を表
す)で表される6−(2,2−ジメチル−4,6−ジオキ
ソ−1,3−ジオキサン−5−イリデン)−6−ヒドロ
キシ−ヘキサン酸アルキルエステルを不斉水素化に使用
することができる。これは記載される方法(H.W.Sc
hmidt and M.Klade.Org.Pre
p.Proced.Int.1988.20.184)によ
りまたは同様の方法により製造することができる。
【0021】不斉水素化のための触媒としてルテニウム
−ジホスフィン錯体が特に重要である。以下の式V〜X
Iのルテニウム錯体が代表的なものとして挙げられる
が、これに制限されるものでない。
【0022】 [RuHal2D]1.2(L) V [RuHalAD] VI RuDOOCR3OOCR4 VII [RuHm+m− VIII [RuHal(PR5 26)D]2 Hal2 IX [RuHHalD2] X [DRu(acac)2] XI 式中のacacはアセチルアセトネートを表し、Dは以
下の一般式XIIのジホスフィンを表し、Halはハロ
ゲン原子、特にヨウ素原子、塩素原子または臭素原子を
表し、R3およびR4は同じかまたは異なり、9個までの
炭素原子、有利には4個までの炭素原子を有し、非置換
またはハロゲン原子、特にフッ素原子、塩素原子または
臭素原子により置換されたアルキル基を表すか、または
非置換または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基に
より置換されたフェニル基を表すか、または有利には4
個までの炭素原子を有するα−アミノアルキル酸を表す
か、または一緒になって4個までの炭素原子を有するア
ルキリデン基を形成し、R5およびR6はそれぞれ同じか
または異なり、非置換または有利には1〜4個までの炭
素原子を有するアルキル基またはハロゲン原子により置
換されたフェニル基を表し、YはCl、Br、I、Cl
4、BF4またはPF6を表し、Aは非置換またはp−
チモールのような置換されたベンゼン環を表し、Lはア
セトン、第三級アミンまたはジメチルホルムアミドのよ
うな中性の配位子を表し、nおよびmはそれぞれ1また
は2であり、xは0または1であり、xが0である場合
は、式VIIIのnは1であり、かつmは2であり、x
が1である場合は、式VIIIのnは2であり、かつm
は1である。
【0023】式:V〜XIの錯体は、自体公知方法によ
り製造することができる(VおよびX:欧州特許第17
4057号明細書およびJ.P.Genet等、Tetr
ahedron Asymmetry.1994.5.6
75.VI:欧州特許第366390号明細書、VI
I:欧州特許第245959号明細書および欧州特許第
272787号明細書、VIII:欧州特許第2566
34号明細書、IX:欧州特許第470756号明細
書、XI:P.Stahly等、Organometa
llics1993.1467)。
【0024】光学活性のジホスフィン配位子として一般
式XII:
【0025】
【化21】
【0026】(式中のQは、2〜24個の炭素原子を有
し、1〜4個のヘテロ原子、有利にはO、S、Nまたは
Siを有していてもよい、2個のP原子に架橋する基を
表し、その際2個以上の炭素原子を有し、1〜4個のヘ
テロ原子を有してもよい架橋を形成し、R7〜R10はそ
れぞれ同じかまたは異なり、1〜18個の炭素原子を有
するアルキル基、5〜7個の炭素原子を有するシクロア
ルキル基または6〜12個の炭素原子を有するアリール
基を表す)で表される化合物を使用することができる。
【0027】特に有利な、エナンチオマー純粋の形で使
用するキラルジホスフィンとして、以下の配位子を例と
して挙げることができる。
【0028】
【化22】
【0029】
【化23】
【0030】上記のラセミ構造として便宜上記載した配
位子は、そのエナンチオマー純粋の形で公知の化合物で
ある(BINAP:R.Noyori等、J.Am.C
hem.Soc.1980.102.7932,BIMO
P,FUPMOP、BIFUP;M.Murata等、
Synlett1991.827,BIBHEMP:R.
Schmid等、Helv.Chim.Acta.198
8.71.697,MeO−BIPHEP:R.Schm
idt等、Helv.Chim.Acta.1991、7
4.370、BICHEP:A.Miyashita等、
Chem.Lett.1989.1849:DuPHO
S:M.Burk等、Organometallics
1990.9.2653、BPE:M.Burk等、J.
Am.Chem.Soc.1995.117.4423,B
IBFUP:欧州特許第643065号明細書、CHI
RAPHOS:B.Bosnich等、J.Am.Ch
em.Soc.1977.99.6262,XII:WO9
6/01831)。
【0031】前記の式V〜XIの光学活性ルテニウム−
ジホスフィン錯体の存在下での式IIIの化合物の不斉
水素化は、適当な、反応条件下で不活性の有機溶剤中で
実施することができる。そのようなものとして、特にメ
タノールまたはエタノールのようなアルコール、塩化メ
チレンまたはジクロロエタンのような塩素化炭化水素、
テトラヒドロフランまたはジオキサンのような環式エー
テル、例えば酢酸エステルのようなエステル、ベンゼン
またはトルエンのような芳香族炭化水素、またはこれら
の混合物等が挙げられる。溶剤としてアルコール中で実
施する際の起こりうるケタール形成を抑制するために、
10容量%までの水を添加することができる。基質濃度
は有利には5〜50容量%、特に20〜40容量%であ
る。
【0032】反応は、有利には約10℃〜120℃、特
に約20℃〜70℃の温度および有利には約1〜100
バール、特に4〜50バールの水素圧下で実施すること
ができる。反応時間は一般に2〜48時間、たいていは
6〜24時間である。錯体V〜XI中のルテニウムの水
素化すべき化合物IIIに対するモル比は、有利には約
0.001〜約5モル%、特に約0.005〜約0.2モ
ル%である。
【0033】前記条件下で、本発明により、式IVの化
合物を、式V〜XIの光学活性のルテニウム−ジホスフ
ィン錯体の存在下で不斉に水素化することができ、その
際反応を、有利にはアルコールまたは前記有機溶剤と水
素化すべき化合物IVに対して少なくとも1モル、有利
には4〜10モルのアルコールからなる混合物中で、お
よび約40℃〜120℃、特に約50℃〜100℃の温
度で実施する。この場合に反応生成物I中で基R2は使
用される相当するアルコールにより決定される。
【0034】反応中に、適当な配置を有する式XIIの
光学活性ジホスフィン配位子の選択により式Iの所望の
エナンチオマーを取得することができる。従って例えば
(R)−(+)−BINAPを使用して式(R)−1の
生成物を生じ、(S)−(−)−BINAPを使用して
(S)−1の生成物を生じる。
【0035】本発明により、不斉水素化のための触媒と
して、キラルの変性されたラネーニッケル錯体を使用す
ることができる。これらの錯体は自体公知方法により製
造することができる(T.Harada等.Bull.C
hem.Soc.Jpn.1994.67、2473、A.
Tai等、J.Chem.Soc.Chem.Commu
n.1991.795.H.Brunner等.Tetra
hedron:Asymmetry1990.1.15
9.T.Harada等.Chem.Lett.1980.
1125;T.Harada and Y.Izum
i.Chem.Lett.1978.1195)。その際臭
化ナトリウムを添加してエナンチオマー純粋の酒石酸を
用いて処理したラネーニッケル錯体が特に適しているこ
とが判明し、その際有利には超音波処理したラネーニッ
ケルを触媒錯体形成に使用する。
【0036】前記の光学活性ニッケル−酒石酸錯体の存
在下での式IIIの化合物の不斉水素化は、適当な、反
応条件下で不活性の有機溶剤中で実施することができ
る。そのようなものとして、特にメタノールまたはエタ
ノールのようなアルコール、塩化メチレンまたはジクロ
ロエタンのような塩素化炭化水素、テトラヒドロフラン
またはジオキサンのような環式エーテル、例えば酢酸エ
ステルまたはプロピオン酸エステルのようなエステル、
ベンゼンまたはトルエンのような芳香族炭化水素または
これらの混合物等を挙げることができる。使用される溶
剤または溶剤混合物は10容量%まで、有利には0.0
5〜2容量%までのカルボン酸、特に酢酸を含有するこ
とができる。基質濃度は、有利には5〜60容量%、特
に30〜50容量%である。
【0037】反応は、有利には約20℃〜140℃、特
に約70℃〜100℃の温度でおよび約1〜100バー
ル、特に20〜80バールの水素圧下で実施することが
できる。反応時間は一般に2〜48時間、たいていは6
〜36時間である。錯体中のニッケルと水素化すべき化
合物IIIのモル比は、有利には約0.01〜約50モ
ル%、特に約1〜約20モル%である。
【0038】前記条件下で、本発明により、式IVの化
合物を、光学活性のニッケル−酒石酸錯体の存在下で不
斉に水素化することができ、その際反応を、有利にはア
ルコールまたは前記有機溶剤と水素化すべき化合物に対
して少なくとも1モル、有利には4〜10モルのアルコ
ールからなる混合物中で実施する。この場合に反応生成
物I中で、基R2が使用される相当するアルコールによ
り決定される。
【0039】反応中に、触媒錯体製造の際に、適当な配
置を有する光学活性の酒石酸の選択により所望の式Iの
エナンチオマーを取得することができる。従って(R,
R)−(+)−酒石酸を使用して式(R)−1の生成物
を生じ、(S,S)−(−)−酒石酸を使用して式
(S)−1の生成物を生じる。
【0040】化合物Iは、公知方法(欧州特許第048
7986号明細書、91年11月14日)により還元し
て式XIV:
【0041】
【化24】
【0042】(式中のR1はC1〜C20−アルキル基、C
3〜C12−シクロアルキル基、C7〜C12−アラルキル基
または単環式もしくは2環式のアリール基を表す)の化
合物を形成し、これを、(a)有機溶剤中でスルホン酸
クロリドおよび第三窒素塩基を用いて式XIVのビスス
ルホン酸エステルに変換し、(b)この化合物を極性溶
剤中で硫黄およびアルカリ金属スルフィドと反応させ、
α−リポ酸エステルを形成し、かつ(c)このエステル
を必要によりα−リポ酸のそれぞれの純粋のエナンチオ
マーに変換することにより、式IIのエナンチオマー純
粋のα−リポ酸を製造するために用いられる。
【0043】本発明の方法により製造される化合物
(R)−1、(S)−1、(R)−(+)−IIおよび
(S)−(−)−IIは、一般に光学的収率70〜99
%に相当する、高いエナンチオマー過剰率を有する。
【0044】エナンチオマー比は直接、光学活性カラム
でのキラルHPLCにより測定する。
【0045】本発明は、式IIのエナンチオマー純粋の
α−リポ酸を製造するための中間生成物として一般式I
(R1およびR2はC1〜C20−アルキル基、C3〜C12
シクロアルキル基、C7〜C12−アラルキル基および/
または単環式もしくは2環式のアリール基を表す)のエ
ナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエス
テルを経済的な方法で、高い化学的および光学的収率で
製造することを可能にする。
【0046】
【実施例】以下の例により本発明を説明するが、本発明
はこれに限定されない。
【0047】例1 20ml振動容器に、アルゴン下に[RuCl2(C6
6)]243.5mg(0.087ミリモル)、(R)−B
INAP113.7mg(0.183ミリモル)およびジ
メチルホルムアミド3mlを導入した。赤みがかった褐
色の懸濁液を10分間で100℃に加熱した。今や透明
の溶液を冷却し、真空下(1〜0.1mmHg)50℃
で、激しく撹拌して1時間にわたり濃縮した。残留する
オレンジ褐色の固形物をテトラヒドロフラン1mlに取
り、こうしてRu−(R)−BINAP触媒として不斉
水素化に使用した。
【0048】例2 20ml振動容器に、アルゴン下に[RuCl2(C6
6)]243.5mg(0.087ミリモル)、(S)−B
INAP113.7mg(0.183ミリモル)およびジ
メチルホルムアミド3mlを導入した。赤みがかった褐
色の懸濁液を10分間で100℃に加熱した。今や透明
の溶液を冷却し、真空下(1〜0.1mmHg)50℃
で、激しく撹拌して1時間にわたり濃縮した。残留する
オレンジ褐色の固形物をテトラヒドロフラン1mlに取
り、こうしてRu−(S)−BINAP触媒として不斉
水素化に使用した。
【0049】例3 20ml振動容器に、アルゴン下に[RuCl2(C6
6)]243.5mg(0.087ミリモル)、(R)−ト
リル−BINAP124.2mg(0.183ミリモル)
およびジメチルホルムアミド3mlを導入した。赤みが
かった褐色の懸濁液を10分間で100℃に加熱した。
今や透明の溶液を冷却し、真空下(1〜0.1mmH
g)50℃で、激しく撹拌して1時間にわたり濃縮し
た。残留するオレンジ褐色の固形物をテトラヒドロフラ
ン1mlに取り、こうしてRu−(R)−トリル−BI
NAP触媒として不斉水素化に使用した。
【0050】例4 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、3−オキ
ソ−オクタンジ酸ジメチルエステル21.6g(0.1モ
ル)、例1で製造したRu−(R)−BINAP触媒溶
液および酸素不含のメタノール40mlを装填した。6
0℃、純粋な水素40バールの一定の圧力でおよび激し
く撹拌して20時間、水素化を実施した。反応の終了
後、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰
率98%(キラルHPLC)を有する(R)−3−ヒド
ロキシオクタンジ酸ジメチルエステル21.2g(97
%)(含量96%)が得られた。
【0051】例5 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、3−オキ
ソ−オクタンジ酸ジメチルエステル21.6g(0.1モ
ル)、例2で製造したRu−(S)−BINAP触媒溶
液および酸素不含のメタノール40mlを装填した。6
5℃、純粋な水素35バールの一定の圧力でおよび激し
く撹拌して20時間、水素化を実施した。反応の終了
後、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰
率98%(キラルHPLC)を有する(S)−3−ヒド
ロキシオクタンジ酸ジメチルエステル21.3g(98
%)(含量97%)が得られた。
【0052】例6 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、3−オキ
ソ−オクタンジ酸ジメチルエステル21.6g(0.1モ
ル)、例3で製造したRu−(R)−トリル−BINA
P触媒溶液および酸素不含のメタノール40mlを装填
した。65℃、純粋な水素40バールの一定の圧力でお
よび激しく撹拌して20時間、水素化を実施した。反応
の終了後、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマ
ー過剰率97%(キラルHPLC)を有する(R)−3
−ヒドロキシオクタンジ酸ジメチルエステル21.2g
(97%)(含量97%)が得られた。
【0053】例7 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、6−
(2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−1,3−ジオキ
サン−5−イリデン)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチ
ルエステル14.3g(0.05モル)、例1で製造した
Ru−(R)−BINAP触媒溶液および酸素不含のメ
タノール40mlを装填した。70℃、純粋な水素50
バールの一定の圧力でおよび激しく撹拌して20時間、
水素化を実施した。反応の終了後、溶剤を回転蒸発機で
留去した。エナンチオマー過剰率97%(キラルHPL
C)を有する(R)−3−ヒドロキシオクタンジ酸ジメ
チルエステル10.4g(95%)(含量96%)が得
られた。
【0054】例8 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、6−
(2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−1,3−ジオキ
サン−5−イリデン)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチ
ルエステル14.3g(0.05モル)、例1で製造した
Ru−(R)−BINAP触媒溶液および酸素不含のエ
タノール40mlを装填した。70℃、純粋な水素50
バールの一定の圧力でおよび激しく撹拌して20時間、
水素化を実施した。反応の終了後、溶剤を回転蒸発機で
留去した。エナンチオマー過剰率98%(キラルHPL
C)を有する(R)−1−エチル−3−ヒドロキシ−8
−メチル−オクタンジオエート11.1g(96%)
(含量95%)が得られた。
【0055】例9 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、3−オキ
ソ−オクタンジ酸ジエチルエステル24.4g(0.1モ
ル)、例2で製造したRu−(S)−BINAP触媒溶
液および酸素不含のメタノール40mlを装填した。6
0℃、純粋な水素30バールの一定の圧力でおよび激し
く撹拌して24時間、水素化を実施した。反応の終了
後、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰
率98%(キラルHPLC)を有する(S)−3−ヒド
ロキシオクタンジ酸ジエチルエステル23.9g(97
%)(含量98%)が得られた。
【0056】例10 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、1−イソ
プロピル−8−メチル−3−オキソ−オクタンジオエー
ト24.4g(0.1モル)、例1で製造したRu−
(R)−BINAP触媒溶液および酸素不含のメタノー
ル40mlを装填した。55℃、純粋な水素60バール
の一定の圧力でおよび激しく撹拌して16時間、水素化
を実施した。反応の終了後、溶剤を回転蒸発機で留去し
た。エナンチオマー過剰率98%(キラルHPLC)を
有する(R)−3−ヒドロキシ−1−イソプロピル−8
−メチル−オクタンジオエート24.1g(98%)
(含量97%)が得られた。
【0057】例11 100mlオートクレーブに、アルゴン下に、1−イソ
ブチル−8−メチル−3−オキソ−オクタンジオエート
25.8g(0.1モル)、例1で製造したRu−(R)
−BINAP触媒溶液および酸素不含のメタノール40
mlを装填した。100℃、純粋な水素5バールの一定
の圧力でおよび激しく撹拌して6時間、水素化を実施し
た。反応の終了後、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナ
ンチオマー過剰率97%(キラルHPLC)を有する
(R)−3−ヒドロキシ−1−イソブチル−8−メチル
−オクタンジオエート25.5g(98%)(含量96
%)が得られた。
【0058】例12 Ni−Al合金(Ni/Al42/58)3.8gから
製造したラネーニッケル(W1型)を、ガラスフラスコ
内で水40mlを添加後、超音波浴(48kHz)内で
3分間処理した。常磁性のニッケルを磁石を用いて容器
の底部に固定することにより、上澄みの濁った溶液をデ
カントした。この工程を2回繰り返した。
【0059】(R,R)−(+)−酒石酸2.4gおよび
臭化ナトリウム24gを水240mlに溶かし、1モル
NaOHの添加により溶液のpH値をpH=3.2に調
整した。その後溶液を沸騰した水浴中で加熱した。
【0060】熱い溶液の半分を超音波で処理したラネー
ニッケルに供給し、30分間100℃に保った。引き続
き上澄みの溶液をデカントし、触媒錯体を水20mlで
洗浄した。引き続き触媒錯体を再び(R,R)−(+)
−酒石酸−臭化ナトリウム溶液のほかの半分に懸濁さ
せ、前記のように処理した。引き続き上澄みの溶液をデ
カントし、触媒錯体を水20ml、メタノール20m
l、テトラヒドロフラン20mlおよび水素化に使用さ
れる溶剤20mlでそれぞれ2回洗浄した。こうして得
られた(R,R)−(+)−酒石酸−ラネーニッケル触
媒錯体をそれぞれの溶剤中の懸濁液として不斉水素化に
使用した。
【0061】例13 Ni−Al合金(Ni/Al42/58)3.8gから
製造したラネーニッケル(W1型)をガラスフラスコ中
で水40mlを添加後、超音波浴(48kHz)内で3
分間処理した。常磁性のニッケルを磁石を用いて容器の
底部に固定することにより、上澄みの濁った溶液をデカ
ントした。この工程を2回繰り返した。
【0062】(S,S)−(−)−酒石酸2.4gおよ
び臭化ナトリウム24gを水240mlに溶かし、1モ
ルNaOHの添加により溶液のpH値をpH=3.2に
調整した。その後溶液を沸騰した水浴中で加熱した。
【0063】熱い溶液の半分を超音波浴で処理したラネ
ーニッケルに供給し、30分間100℃に保った。引き
続き上澄み溶液をデカントし、触媒錯体を水20mlで
洗浄した。更に触媒錯体を再び(S,S)−(−)−酒
石酸−臭化ナトリウム溶液のほかの半分中で懸濁させ、
前記のように処理した。引き続き上澄み溶液をデカント
し、触媒錯体を水20ml、メタノール20ml、テト
ラヒドロフラン20mlおよび水素化に使用される溶剤
20mlでそれぞれ2回洗浄した。こうして得られた
(S,S)−(−)−酒石酸−ラネーニッケル触媒錯体
をそれぞれの溶剤中の懸濁液として不斉水素化に使用し
た。
【0064】例14 100mlオートクレーブに、3−オキソ−オクタンジ
酸ジメチルエステル10.8g(0.05モル)、例1
2で製造した(R,R)−(+)−酒石酸−ラネーニッ
ケル触媒0.9g、プロピオン酸メチルエステル25m
lおよび酢酸0.25mlを装填した。80℃、純粋の
水素65バールの一定の圧力でおよび激しく撹拌して2
4時間水素化を実施した。反応の終了後、ジエチルエー
テル50mlを添加し、触媒錯体を濾過により分離し、
濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、溶剤を回転蒸発
機で留去した。エナンチオマー過剰率88%(キラルH
PLC)を有する(R)−3−ヒドロキシオクタンジ酸
ジメチルエステル10.6g(97%)(含量98%)
が得られた。
【0065】例15 100mlオートクレーブに、3−オキソ−オクタンジ
酸ジメチルエステル10.8g(0.05モル)、例1
3で製造した(S,S)−(−)−酒石酸−ラネーニッ
ケル触媒0.9g、プロピオン酸メチルエステル25m
lおよび酢酸0.25mlを装填した。90℃、純粋の
水素60バールの一定の圧力でおよび激しく撹拌して1
8時間水素化を実施した。反応の終了後、ジエチルエー
テル50mlを添加し、触媒錯体を濾過により分離し、
濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、溶剤を回転蒸発
機で留去した。エナンチオマー過剰率89%(キラルH
PLC)を有する(S)−3−ヒドロキシオクタンジ酸
ジメチルエステル10.7g(98%)(含量97%)
が得られた。
【0066】例16 100mlオートクレーブに、1−エチル−8−メチル
−3−オキソ−オクタンジオエート11.5g(0.0
5モル)、例12で製造した(R,R)−(+)−酒石
酸−ラネーニッケル触媒0.9g、プロピオン酸メチル
エステル25mlおよび酢酸0.25mlを装填した。
90℃、純粋の水素75バールの一定の圧力でおよび激
しく撹拌して18時間水素化を実施した。反応の終了
後、ジエチルエーテル50mlを添加し、触媒錯体を濾
過により分離し、濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄
し、溶剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰
率85%(キラルHPLC)を有する(R)−1−エチ
ル−3−ヒドロキシ−8−メチル−オクタンジオエート
11.2g(97%)(含量98%)が得られた。
【0067】例17 100mlオートクレーブに、3−オキソ−オクタンジ
酸ジエチルエステル12.2g(0.05モル)、例1
3で製造した(S,S)−(−)−酒石酸−ラネーニッ
ケル触媒0.9g、プロピオン酸メチルエステル25m
lおよび酢酸0.25mlを装填した。80℃、純粋の
水素50バールの一定の圧力でおよび激しく撹拌して2
4時間水素化を実施した。反応の終了後、ジエチルエー
テル50mlを添加し、触媒錯体を濾過により分離し、
濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、溶剤を回転蒸発
機で留去した。エナンチオマー過剰率86%(キラルH
PLC)を有する(S)−3−ヒドロキシオクタンジ酸
ジエチルエステル11.9g(97%)(含量97%)
が得られた。
【0068】例18 100mlオートクレーブに、6−(2,2−ジメチル
−4,6−ジオキソ−1,3−ジオキサン−5−イリデ
ン)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチルエステル14.
3g(0.05モル)、例12で製造した(R,R)−
(+)−酒石酸−ラネーニッケル触媒1.9g、酢酸エ
チル25mlおよびメタノール5mlを装填した。90
℃、純粋の水素80バールの一定の圧力でおよび激しく
撹拌して24時間水素化を実施した。反応の終了後、ジ
エチルエーテル50mlを添加し、触媒錯体を濾過によ
り分離し、濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、溶剤
を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰率82%
(キラルHPLC)を有する(R)−3−ヒドロキシオ
クタンジ酸ジメチルエステル10.4g(95%)(含
量95%)が得られた。
【0069】例19 100mlオートクレーブに、6−(2,2−ジメチル
−4,6−ジオキソ−1,3−ジオキサン−5−イリデ
ン)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチルエステル14.
3g(0.05モル)、例13で製造した(S,S)−
(−)−酒石酸−ラネーニッケル触媒1.9g、酢酸エ
チル25mlおよびメタノール5mlを装填した。10
0℃、純粋の水素80バールの一定の圧力でおよび激し
く撹拌して24時間水素化を実施した。反応の終了後、
ジエチルエーテル50mlを添加し、触媒錯体を濾過に
より分離し、濾液を炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、溶
剤を回転蒸発機で留去した。エナンチオマー過剰率84
%(キラルHPLC)を有する(S)−1−エチル−3
−ヒドロキシ−8−メチル−オクタンジオエート11.
1g(96%)(含量95%)が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 319/06 C07D 319/06 339/04 339/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00 (72)発明者 グンター ラバン ドイツ連邦共和国 ランゲブリュック ノ イルスハイマー シュトラーセ 41 (54)【発明の名称】 エナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタジ酸ジエステルの製造方法、(R)−3−ヒドロキ シオクタンジ酸ジエステル、および(R)−(+)−および(S)−(−)−α−リポ酸の製造 方法

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 (式中のR1およびR2はそれぞれ同じかまたは異なり、
    1〜C20−アルキル基、C3〜C12−シクロアルキル
    基、C7〜C12−アラルキル基または単環式もしくは2
    環式のアリール基を表す)で表される化合物の製造方法
    において、式III: 【化2】 (式中のR1およびR2は前記のものを表す)で表される
    ケトンを不斉に水素化することを特徴とする、一般式I
    の化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式I: 【化3】 (式中のR1およびR2はそれぞれ同じかまたは異なり、
    1〜C20−アルキル基、C3〜C12−シクロアルキル
    基、C7〜C12−アラルキル基および/または単環式も
    しくは2環式のアリール基を表す)で表される化合物の
    製造方法において、式IV: 【化4】 (式中のR1は前記のものを表す)で表されるケトン
    を、アルコールR2OH(この場合、R2は前記のものを
    表す)の存在下に不斉に水素化することを特徴とする、
    一般式Iの化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 不斉水素化を、式V〜XI: [RuHal2D]1.2(L) V [RuHalAD] VI RuDOOCR3OOCR4 VII [RuHm+m− VIII [RuHal(PR5 26)D]2 Hal2 IX [RuHHalD2] X [DRu(acac)2] XI (式中のacacはアセチルアセトネートを表し、Dは
    以下の一般式XIIのジホスフィンを表し、Halはハ
    ロゲン原子を表し、 R3およびR4は同じかまたは異なり、9個までの炭素原
    子を有し、非置換またはハロゲン原子により置換された
    アルキル基を表すか、非置換または1〜4個の炭素原子
    を有するアルキル基により置換されたフェニル基を表す
    か、またはα−アミノアルキル酸を表し、または一緒に
    なって4個までの炭素原子を有するアルキリデン基を形
    成し、 R5およびR6はそれぞれ同じかまたは異なり、非置換ま
    たは置換されたフェニル基を表し、 YはCl、Br、I、ClO4、BF4またはPF6を表
    し、 Aは非置換またはp−シモールのような置換されたベン
    ゼン環を表し、 Lはアセトン、第三アミンまたはジメチルホルムアミド
    のような中性の配位子を表し、 nおよびmはそれぞれ1または2であり、 xは0または1であり、 その際xが0である場合は、式VIIIのnは1であ
    り、かつmは2であり、 xが1である場合は、式VIIIのnは2であり、かつ
    mは1である)のルテニウム−ジホスフィン錯体の存在
    下に実施し、光学活性のジホスフィン配位子Dとして一
    般式XII: 【化5】 (式中のQは、2〜24個の炭素原子を有し、1〜4個
    のヘテロ原子を有していてもよい、2個のP原子に架橋
    する基を表し、その際2個以上の炭素原子を有し、1〜
    4個のヘテロ原子を有してもよい架橋を形成し、 R7〜R10はそれぞれ同じかまたは異なり、1〜18個
    の炭素原子を有するアルキル基、5〜7個の炭素原子を
    有するシクロアルキル基または6〜12個の炭素原子を
    有するアリール基を表す)で表される化合物を使用す
    る、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 不斉水素化をラネーニッケルおよび光学
    活性酒石酸からなる触媒錯体の存在下に実施する、請求
    項1または2記載の方法。
  5. 【請求項5】 不斉水素化を約20℃〜約140℃の温
    度で、約1〜100バールの圧力下に実施する、請求項
    1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 一般式(R)−1: 【化6】 (式中のR1およびR2は同じかまたは異なり、C1〜C
    20−アルキル基、C3〜C12−シクロアルキル基、C7
    12−アラルキル基または単環式もしくは2環式のアリ
    ール基を表す)で表される(R)−3−ヒドロキシオク
    タンジ酸ジエステル。
  7. 【請求項7】 式(R)−(+)−II: 【化7】 で表される(R)−(+)−α−リポ酸の製造方法にお
    いて、請求項1記載の化合物III: 【化8】 または請求項2記載の化合物IV: 【化9】 を不斉に水素化し、化合物(S)−1: 【化10】 を形成させ、これを引き続き自体公知方法により有機溶
    剤中で硼水素化ナトリウムを用いて還元し、化合物
    (S)−XIV: 【化11】 ( この場合、R1はC1〜C20−アルキル基、C3〜C12
    −シクロアルキル基、C7〜C12−アラルキル基または
    単環式もしくは2環式のアリール基を表す)を形成し、
    これを公知方法により、(a)有機溶液中でスルホン酸
    クロリドおよび第三窒素塩基を用いて(S)−XIVの
    ビススルホン酸エステルに変換し、(b)工程(a)で
    得られた化合物を極性溶剤中で硫黄およびアルカリ金属
    スルフィドと反応させ、(R)−(+)−α−リポ酸エ
    ステルを形成させ、(c)このエステルを必要により
    (R)−(+)−α−リポ酸に変換することを特徴とす
    る、式(R)−(+)−II の(R)−(+)−α−
    リポ酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 式(S)−(−)−II: 【化12】 で表される(S)−(−)−α−リポ酸の製造方法にお
    いて、請求項1記載の化合物III: 【化13】 または請求項2記載の化合物IV: 【化14】 を不斉に水素化し、化合物(R)−1: 【化15】 を形成させ、これを引き続き自体公知方法により有機溶
    剤中で硼水素化ナトリウムを用いて還元し、化合物
    (R)−XIV: 【化16】 (この場合、R1はC1〜C20−アルキル基、C3〜C12
    −シクロアルキル基、C7〜C12−アラルキル基または
    単環式もしくは2環式のアリール基を表す)を形成し、
    これを公知方法により、(a)有機溶剤中でスルホン酸
    クロリドおよび第三窒素塩基を用いて(R)−XIVの
    ビススルホン酸エステルに変換し、(b)工程(a)で
    得られた化合物を極性溶剤中で硫黄およびアルカリ金属
    スルフィドと反応させ、(S)−(−)−α−リポ酸エ
    ステルを形成させ、(c)このエステルを必要により
    (S)−(−)−α−リポ酸に変換することを特徴とす
    る、式(S)−(−)−IIの(S)−(−)−α−リ
    ポ酸の製造方法。
JP10053388A 1997-03-06 1998-03-05 エナンチオマー純粋の3−ヒドロキシオクタジ酸ジエステルの製造方法、(R)−3−ヒドロキシオクタンジ酸ジエステル、および(R)−(+)−および(S)−(−)−α−リポ酸の製造方法 Withdrawn JPH10273476A (ja)

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