JPH10272081A - 清掃用不織布およびその製造方法 - Google Patents

清掃用不織布およびその製造方法

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JPH10272081A
JPH10272081A JP9080964A JP8096497A JPH10272081A JP H10272081 A JPH10272081 A JP H10272081A JP 9080964 A JP9080964 A JP 9080964A JP 8096497 A JP8096497 A JP 8096497A JP H10272081 A JPH10272081 A JP H10272081A
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JP
Japan
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heat
fiber
nonwoven fabric
fusion
start temperature
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Withdrawn
Application number
JP9080964A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Ueda
裕靖 上田
Shigeru Aida
滋 合田
Hirofumi Yashiro
弘文 矢代
Seiji Tanaka
晴士 田中
Shinji Ota
信次 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuron Kk
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Fukuron Kk
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fukuron Kk, Ube Nitto Kasei Co Ltd filed Critical Fukuron Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細なダストや大きなダストなど、種々のダ
スト類を効率よく捕集しうる安価な清掃用不織布を提供
する。 【解決手段】 両側の表層部が、(A)熱収縮率の異な
る2成分から構成され、かつ高熱収縮率成分がエチレン
・プロピレンランダム共重合体を主体とする熱分割繊維
30〜70重量%と、(B)融点の異なる2成分から構
成され、かつ低融点成分が高密度ポリエチレンを主体と
する熱接着性複合繊維70〜30重量%とから得られた
ウエッブを、熱接着性複合繊維の融着開始温度以上、熱
分割繊維の融着開始温度以下で熱融着させたものである
単層または二層以上からなる清掃用不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清掃用不織布および
その製造方法に関し、さらに詳しくは、種々のダスト類
を効率よく捕集しうる家庭用や業務用不織布、およびこ
のものを低コストで効率よく製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の清掃用器具の1つである乾式清掃
用の化学雑巾は、織布や不織布などに油状物質を含浸さ
せたものが一般的であって、被清掃面上の汚れを油状物
質の吸着作用により除去するというものである。しかし
ながら、この化学雑巾においては、含浸した油状物質の
吸着作用により、微細な汚れは除去しうるものの、綿ボ
コリ、糸屑、髪の毛などの大きなダストは捕集しにくい
という問題がある。
【0003】最近、清掃用器具として、乾式清掃用のフ
ロ−リング用ワイパ−不織布が開発され、実用化されて
いる。この不織布は、繊維の結合で形成されたものが一
般的であり、繊維の接着のみあるいは融着のみにより構
成された不織布よりも、構成繊維の自由度が大きいため
に、被清掃面上の綿ボコリ、糸屑、髪の毛などの大きな
ダストを該繊維との絡みにより除去することが可能であ
る。しかしながら、このような不織布は、繊維を絡合さ
せるために、不織布の製造において、水流交絡(ウオ−
タ−ニ−ドリング)などの手法を用いることが必要であ
り、製造コストが高くつくのを免れない。
【0004】ところで、本発明者らは、先に熱分割繊維
を使用した清掃用不織布およびその製造方法を提案した
(特願平9−4724号)。この場合、熱分割繊維をバ
インダ−繊維としても使用しているため、不織布加工温
度が熱分割繊維の融着開始温度以上で行われている。そ
のため、得られた不織布内の分割繊維が高熱収縮率成分
の熱融着により拘束されてしまい、結果的にダスト類の
捕集性に効果的な自由度の高い不織布構造が得られにく
く、充分に満足しうるダスト類の捕集性が発揮されない
上、融着温度が熱分割繊維の融着開始温度以上で行われ
ているため、地合が悪く、ダスト類の裏抜け性も不充分
なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、微細なダストはもとより、綿ボコリ、糸屑、
髪の毛などの大きなダストなど、種々のダスト類を効率
よく捕集しうる安価な清掃用不織布を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々のダ
スト類を効率よく捕集しうる安価な清掃用不織布を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、単層または二層以上の不
織布において、両側の表層部として、特定の割合のある
種の熱分割繊維とある種の熱接着性複合繊維とから得ら
れたウエッブを、熱接着性複合繊維の融着開始温度以
上、熱分割繊維の融着開始温度以下で熱融着させたもの
を用いることにより、その目的を達成しうることを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、単層または二層以上
からなる不織布において、両側の表層部が、(A)熱収
縮率の異なる2成分から構成され、かつ高熱収縮率成分
がエチレン・プロピレンランダム共重合体を主体とする
熱分割繊維30〜70重量%と、(B)融点の異なる2
成分から構成され、かつ低融点成分が高密度ポリエチレ
ンを主体とするとともに、前記熱分割繊維よりも融着開
始温度が低い熱接着性複合繊維70〜30重量%とから
得られたウエッブを、熱接着性複合繊維の融着開始温度
以上、熱分割繊維の融着開始温度以下で熱融着させたも
のからなることを特徴とする清掃用不織布を提供するも
のである。
【0008】また、本発明の方法に従えば、前記清掃用
不織布は、(A)熱収縮率の異なる2成分から構成さ
れ、かつ高熱収縮率成分がエチレン・プロピレンランダ
ム共重合体を主体とする熱分割繊維30〜70重量%
と、(B)融点の異なる2成分から構成され、かつ低融
点成分が高密度ポリエチレンを主体とするとともに、前
記熱分割繊維よりも融着開始温度が低い熱接着性複合繊
維70〜30重量%とから得られたウエッブを作成し、
次いでこのウエッブの単層体、またはウエッブを両側の
表層部に配置した二層以上の構造体を、熱接着性複合繊
維の融着開始温度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下
で熱融着処理することにより、製造することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の清掃用不織布において
は、両側の表層部は、(A)成分の熱分割繊維と(B)
成分の熱接着性複合繊維とから得られたウエッブを熱融
着させたものから構成されていることが必要である。
【0010】図1(a)〜(f)は、それぞれ前記
(A)熱分割繊維の断面形状の異なった例を示す図であ
る。この図1に示されるように、該熱分割繊維は熱収縮
率の異なる2成分からなり、高熱収縮率成分1と低熱収
縮率成分2とが相互に接合した断面形状を有している。
【0011】この熱分割繊維における高熱収縮率成分を
構成するポリマーとしては、本発明では、エチレン・プ
ロピレンランダム共重合体を主体とするものが用いられ
る。ここに「エチレン・プロピレンランダム共重合体」
とはエチレンとプロピレンとの共重合体以外にエチレン
およびプロピレンと共に第3コモノマー(例えばブテン
−1など)をランダム共重合して得たものを含むものと
する。すなわち、該高熱収縮率成分としては、狭義のエ
チレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロ
ピレン・ブテン−1ランダム共重合体などまたはこれら
の混合物が用いられる。一方、低熱収縮率成分を構成す
るポリマ−としては、高融点ポリマ−、例えばポリエチ
レンテレフタレ−トやポリアミドなどが好ましく挙げら
れる。
【0012】本発明の不織布において用いられる熱分割
繊維は、その断面形状について特に限定はなく、例えば
図1(a)〜(f)で示されるいずれの断面形状を有す
るものであってもよいが、高熱収縮率成分と低熱収縮率
成分とが合計4個以上接合した断面形状を有するもの
が、得られる不織布の性能の点から、好適である。ま
た、高熱収縮率成分と低熱収縮率成分との割合は、断面
積比で、通常3:7ないし7:3、好ましくは、4:6
ないし6:4、特に好ましくは5:5ないしその近傍で
ある。
【0013】このような熱分割繊維は、例えば複合溶融
紡糸装置に、前記低融点ポリマ−(高収縮率成分用)と
高融点ポリマ−(低熱収縮率成分用)とを供給し、図1
に示す断面形状に対応する複合溶融紡糸口金を用いて紡
糸し、得られた未延伸糸を延伸処理し、捲縮を付与する
ことにより得られる。
【0014】一方、(B)成分の熱接着性複合繊維は、
融点の異なる2成分から構成されており、かつ低融点成
分を構成するポリマーとしては、高密度ポリエチレン
(HDPE)を主体とするものが用いられる。また、前
記(A)成分の熱分割繊維よりも、融着開始温度が低い
ことが必要である。このような熱接着性複合繊維として
は、その融着開始温度が、前記熱分割繊維における高熱
収縮率成分の熱収縮開始温度よりも高くその融着開始温
度より低い温度範囲にあり、かつ上記性状を有するもの
であればよく、一般に用いられている公知の熱接着性複
合繊維を使用することができる。具体的には、鞘成分が
HDPEで、芯成分がポリプロピレンからなる同心型複
合繊維を挙げることができる。
【0015】本発明の不織布は単層構造のものであって
もよいし、二層以上の積層構造のものであってもよい
が、その両側の表層部が、(A)成分の熱分割繊維30
〜70重量%と(B)成分の熱接着性複合繊維70〜3
0重量%とから得られたウエッブを熱融着したものであ
ることが必要である。この(A)成分の量が30重量%
未満では捕集性の良い不織布が得られにくく、(B)成
分の量が30重量%未満では表層部の不織布摩擦耐久性
が不充分で、本発明の目的が達せられないおそれがあ
る。好ましくは、両側の表層部は前記割合を維持し、不
織布強力を向上させるために、中間層に(B)成分を単
独もしくは高比率で用いることが好ましい。
【0016】本発明の不織布は、両側の表層部が前記割
合の(A)成分の熱分割繊維と(B)成分の熱接着性複
合繊維とから得られたウエッブを、熱接着性複合繊維の
融着開始温度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下で熱
融着させたものであり、特に熱分割繊維の分割率が50
%以上であるものが好ましい。この分割率が50%未満
ではダスト類の捕集性が不充分となるおそれがある。ダ
スト類の捕集性などの点から、より好ましい分割率は6
0%以上である。なお、分割率の算出方法は、以下のと
おりである。
【0017】分割率(%)=[(Sd+B)/(Sd+
Su)]×100 Sd:完全に分割したセグメントの数(分割により生じ
た単一セグメントからなる繊維の数) B :熱分割により生じたブロックの数(分割により生
じた複数セグメントからなる繊維の数) Su:未分割セグメントの数(上記ブロックを構成する
セグメントの総数) なお、分割率を求める上記式中のSd、BおよびSu
は、不織布をポリウレタン製チュ−ブ中に密に挿入充填
してこれをチュ−ブ長手方向と垂直に切断し、その断面
を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して撮影面積が未
分割繊維50本分程度の断面を撮影して、この写真から
求めたものである。
【0018】なお、(A)成分の熱分割繊維と(B)成
分の熱接着性複合繊維との混綿に際して、第3成分とし
て、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、レーヨン等の
繊維を併用してもよい。
【0019】さらに、本発明の不織布においては、目付
が40〜60g/m2の範囲にあるものが好ましい。こ
の目付が40g/m2未満では、清掃用不織布として使
用する際、ダスト類が不織布の裏側に抜けやすくなり、
清掃時に手等が汚れるおそれがある。一方、目付が60
g/m2を越えると、清掃用不織布としては過剰であっ
て、むしろ経済的に不利となる上、目付の大きさの割に
ダスト捕集性の向上効果はあまり認められない。また、
この不織布には、表面物性を向上させてダスト類を吸着
する界面活性剤、油剤、或いは被清掃面に光沢を付与す
る油剤等、要求性能に応じて適宜付与してもよい。
【0020】次に、この清掃用不織布は、本発明の方法
に従えば、以下のようにして製造することができる。
【0021】まず、(A)成分の熱分割繊維30〜70
重量%と(B)成分の熱接着性複合繊維70〜30重量
%とから得られたウエッブの単層体または該ウエッブを
両側の表層部に配置した二層以上の構造体を作成する。
具体的には、(A)成分の熱分割繊維と(B)成分の熱
接着性繊維とを所定の割合で混綿したものを、通常使用
されるカ−ド機に通過させ、単層のウエッブを作成す
る。あるいは、この際、例えば両側の表層部として、
(A)成分の熱分割繊維と(B)成分の熱接着性繊維と
を所定の割合で混綿したもの、および中間層として、
(B)成分の熱接着性複合繊維のみ、または、高比率混
綿したものを用い、通常使用されるカ−ド機を3台使用
して三層構造のウエッブを作成する。次いで、このウエ
ッブを、通常の熱風融着機を用いて(B)成分の熱接着
性複合繊維の融着開始温度以上、(A)成分の熱分割繊
維の融着開始温度以下の温度で熱風融着処理し、(B)
成分の熱接着性複合繊維のみを熱融着させることによ
り、所望の不織布が得られる。
【0022】すなわち、熱風融着処理時の雰囲気温度
が、まず熱分割繊維の高熱収縮率成分(成分1)の収縮
開始温度に到達し、該成分1が収縮することによって、
熱分割繊維が分割する。次に、雰囲気温度が熱分割繊維
の融着開始温度以下で熱接着性複合繊維の融着開始温度
以上の温度に達し、隣接する熱接着性複合繊維のみが構
成繊維間の熱融着によって不織布化される。この際、不
織布内の熱分割繊維は、熱接着性複合繊維のみの熱融着
により形成された網目状の空間に、ダスト類の捕集性に
効果的で、更に拭き取り性能に優れた、細いデニールの
繊維に分割され保持される。このようにして得られた不
織布は、通常の巻き取り機により巻き取られる。これに
より、本発明の清掃用不織布は製造される。
【0023】しかしながら、熱分割繊維の融着開始温度
以上の温度で融着した場合は、熱風融着処理時の雰囲気
温度が、まず熱分割繊維の高熱収縮率成分(成分1)の
収縮開始温度に到達し、該成分1が収縮することによっ
て、熱分割繊維が分割するが、その後、雰囲気温度が熱
分割繊維の融着開始温度以上の温度に達してしまうと、
熱分割繊維の高熱収縮率成分(成分1)の熱収縮が大き
くなり、不織布地合が悪くなり、不織布の厚みも小さく
なり、熱分割繊維の高熱収縮率成分(成分1)が隣接す
る熱分割繊維同士で融着してしまうため、ダスト類の捕
集性に効果的な、本質的に分割した繊維として保持され
にくい。
【0024】したがって、熱風融着処理時の温度は、熱
分割繊維が効果的に分割し、熱分割繊維の高熱収縮率成
分の融着開始温度以下で、かつ熱接着性複合繊維が融着
機能を発揮し、上記両繊維の内、熱接着性複合繊維のみ
が融着し、熱分割繊維の高熱収縮率成分が融着機能を発
揮しないような温度が採用される。本発明においては、
この温度は、一般的には130〜140℃の範囲で選ば
れる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0026】なお、不織布は下記の方法に従って評価し
た。
【0027】(1)不織布融着開始温度 熱分割繊維と熱接着性複合繊維を、それぞれ単独で通常
のカ−ド機に通過させ、ウエッブを作成する。次いで、
このウエッブを通常の熱風融着機を用いて熱風融着処理
し、ウエッブが充分熱融着機能を発揮する、融着開始温
度を求める。
【0028】(2)不織布厚さ 不織布から5×5cmの大きさの試料を10枚切り出
し、これらを積層した上に5×5cmのアルミニウムプ
レ−ト(重量6.5g)と重り(20g)を当該プレ−
ト中央に載せ、30秒後に当該重りを外し、更に30秒
経過後に、前記積層物の厚さを測定し、当該測定結果か
ら、不織布1枚当たりの厚さを算出した。
【0029】(3)分割率 分割率(%)=[(Sd+B)/(Sd+Su)]×1
00 Sd:完全に分割したセグメントの数(分割により生じ
た単一セグメントからなる繊維の数) B :熱分割により生じたブロックの数(分割により生
じた複数セグメントからなる繊維の数) Su:未分割セグメントの数(上記ブロックを構成する
セグメントの総数) なお、分割率を求める上記式中のSd、BおよびSu
は、不織布をポリウレタン製チュ−ブ中に密に挿入充填
してこれをチュ−ブ長手方向と垂直に切断し、その断面
を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して撮影面積が未
分割繊維50本分程度の断面を撮影して、この写真から
求めたものである。
【0030】(4)不織布の破断強力 不織布の繊維配向と平行方向(以下MD方向)及び垂直
方向(以下CD方向)に幅25mmのサンプルを裁断
し、このサンプルを引張試験機(テンシロン“RTM−
250”オリエンテック(株)製)を用いて、MD方向
では100mm、CD方向では60mmのチャック間距
離で把持し、50mm/minの速度で引っ張り、不織
布が破断する際の荷重値を測定する。
【0031】(5)ダスト捕集性 モデルダストとして、髪の毛、粉末ゴミ(ココアパウダ
−)、粒状ゴミ(パン粉)を用い、20cm×30cm
に裁断した不織布サンプルを市販フロ−リングワイパ−
用モップのヘッド部に固定し、髪の毛に関しては、市販
のフロ−リング用木板40cm×50cmに髪の毛5本
を散布し、フロ−リング木板上を2回ふき取り、同じ操
作を10回繰り返し髪の毛捕集率を百分率(%)で求め
ダスト捕集性を評価する。粉末ゴミと粒状ゴミに関して
は、市販のフロ−リング用木板56cm×178cmに
0.2gを散布し、1分間ふき取る。この際の不織布サ
ンプルのふき取り方向は、不織布の構成繊維の配列方向
に垂直(CD方向)に行うものとする。粉末ゴミ、粒状
ゴミを拭き取った不織布を、そのまま10回振り落とす
操作を行い、一連の操作前後での不織布サンプルの重量
差から、ダスト捕集性を評価する。
【0032】(6)ダストの裏抜け性 前記、ダスト類の捕集性評価の際、粉末ゴミ捕集性評価
後の不織布の、ダストの裏側への抜け具合を下記の3段
階で評価した。
【0033】○:全く裏抜けしない。
【0034】△:やや裏抜けする。
【0035】×:かなり裏抜けする。
【0036】(7)摩擦耐久性 20cm×30cmに裁断した不織布サンプルを市販フ
ロ−リングワイパ−用モップのヘッド部に固定した状態
で、56cm×178cmの市販のフロ−リング木板に
対して100cm間隔×200往復ふき取り作業を繰り
返す。この際の不織布サンプルのふき取り方向は、不織
布の構成繊維の配列方向に垂直(CD方向)に行うもの
とする。作業終了後の不織布サンプルを目視観察して、
下記の3段階で評価を行った。
【0037】○:殆ど不織布の破断及び繊維の脱落がな
く問題ない。
【0038】△:不織布の破断はなく、やや繊維が脱落
するが使用可能。
【0039】×:不織布が破断もしくは、かなり繊維が
脱落し使用不可能。
【0040】(8)地合判定 不織布の地合を目視で、下記の3段階で評価を行った。
【0041】○:地合斑が少なく良好。
【0042】△:少し地合斑があるがほぼ良好。
【0043】×:地合斑が多く、繊維のない部分があり
不良。
【0044】実施例1 熱分割繊維として、高熱収縮率成分(成分1)がエチレ
ン・ランダムプロピレン共重合体からなり、かつ低熱収
縮率成分(成分2)がポリエチレンテレフタレ−トから
なる分割タイプのもの(BT−5F改3、3.5de×
44mm、宇部日東化成(株)製、熱収縮率の差69.
2%、融着開始温度140℃)を使用し、一方、熱接着
性複合繊維として、鞘成分がHDPEからなり、芯成分
がポリプロピレンからなる同心型複合繊維(HR−F、
2de×51mm、宇部日東化成(株)製、融着開始温
度131℃)を使用した。
【0045】上記繊維を用いて、両側の表層部として、
熱分割繊維70重量部と熱接着性複合繊維30重量部と
を混綿したもの、中間層として、熱接着性複合繊維のみ
を使用したものを用い、通常のカ−ド機を3台使用して
目付50g/m2(上層/中間層/下層目付=17/1
6/17g/m2)の三層構造ウエッブを作成したの
ち、この三層構造ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開
始温度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下の135℃
の温度、加工速度30m/分の条件で、通常の熱風融着
機により不織布化して、目的の清掃用不織布を作成し
た。
【0046】実施例2 実施例1と同様に作成した三層構造ウエッブを用い、こ
の三層構造ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開始温度
以上、熱分割繊維の融着開始温度以下の138℃の温
度、加工速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機に
より不織布化して、目的の清掃用不織布を作成した。
【0047】比較例1 実施例1と同様に作成した三層構造ウエッブを用い、こ
の三層構造ウエッブを、熱分割繊維の融着開始温度以上
の143℃の温度、加工速度30m/分の条件で、通常
の熱風融着機により不織布化して、不織布を作成した。
【0048】比較例2 実施例1と同じ繊維を用いて、両側の表層部として、熱
分割繊維90重量部と熱接着性複合繊維10重量部とを
混綿したもの、中間層として、熱接着性複合繊維のみを
使用したものを用い、通常のカ−ド機を3台使用して目
付50g/m2(上層/中間層/下層目付=17/16
/17g/m2)の三層構造ウエッブを作成したのち、
この三層構造ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開始温
度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下の138℃の温
度、加工速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機に
より不織布化して、不織布を作成した。
【0049】比較例3 比較例2と同様に作成した三層構造ウエッブを用い、こ
の三層構造ウエッブを、熱分割繊維の融着開始温度以上
の143℃の温度、加工速度30m/分の条件で、通常
の熱風融着機により不織布化して、不織布を作成した。
【0050】比較例4 熱分割繊維として、高熱収縮率成分(成分1)がエチレ
ン・プロピレン共重合体からなり、かつ低熱収縮率成分
(成分2)がポリエチレンテレフタレ−トからなる分割
タイプのもの(BT−5F改3、3.5de×44m
m、宇部日東化成(株)製、熱収縮率の差69.2%、
融着開始温度140℃)を使用し、一方、熱接着性複合
繊維として、鞘成分がエチレン・プロピレン共重合体か
らなり、芯成分がポリプロピレンからなる同心型複合繊
維(PR−UF、2de×51mm、宇部日東化成
(株)製、融着開始温度140℃)を用い、両側の表層
部として、熱分割繊維70重量部と熱接着性複合繊維3
0重量部とを混綿したもの、中間層として、熱接着性複
合繊維のみを使用したものを用い、通常のカ−ド機を3
台使用して目付50g/m2(上層/中間層/下層目付
=17/16/17g/m2)の三層構造ウエッブを作
成したが、この三層構造ウエッブは熱分割繊維の融着開
始温度以下の138℃の温度では不織布が作成できなか
った。
【0051】比較例5 比較例4と同様に作成した三層構造ウエッブを用い、こ
の三層構造ウエッブを、熱分割繊維の融着開始温度以上
の143℃の温度、加工速度30m/分の条件で、通常
の熱風融着機により不織布化して、不織布を作成した。
【0052】実施例3 実施例1と同じ繊維を用いて、両側の表層部として、熱
分割繊維70重量部と熱接着性複合繊維30重量部とを
混綿したもの、中間層として、熱接着性複合繊維のみを
使用したものを用い、通常のカ−ド機を3台使用して目
付30g/m2(上層/中間層/下層目付=10/10
/10g/m2)の三層構造ウエッブを作成したのち、
この三層構造ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開始温
度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下の138℃の温
度、加工速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機に
より不織布化して、目的の不織布を作成した。
【0053】実施例4 実施例1と同じ繊維を用いて、熱分割繊維30重量部と
熱接着性複合繊維70重量部とを混綿し、通常のカ−ド
機にて目付50g/m2のウエッブを作成した後、この
混綿ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開始温度以上、
熱分割繊維の融着開始温度以下の135℃の温度、加工
速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機により不織
布化して、目的の清掃用不織布を作成した。
【0054】実施例5 実施例1と同じ繊維を用いて、熱分割繊維70重量部と
熱接着性複合繊維30重量部とを混綿し、通常のカ−ド
機にて目付50g/m2のウエッブを作成した後、この
混綿ウエッブを熱接着性複合繊維の融着開始温度以上、
熱分割繊維の融着開始温度以下の138℃の温度、加工
速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機により不織
布化して、目的の清掃用不織布を作成した。
【0055】比較例6 熱接着性複合繊維として、鞘成分がHDPEからなり、
芯成分がポリプロピレンからなる同心型複合繊維(HR
−F、2de×51mm、宇部日東化成(株)製、融着
開始温度131℃)のみを使用して、ウエッブを作成
し、熱接着性複合繊維の融着開始温度以上の135℃の
温度、加工速度30m/分の条件で、通常の熱風融着機
により不織布化して、不織布を作成した。
【0056】実施例1〜5および比較例1〜6で得た不
織布の性状を表1、表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1、表2より明らかなように、比較例
1、3、5は、熱分割繊維の融着開始温度以上の温度で
融着しているため、不織布の厚みが小さく、地合も悪
く、さらに、得られた不織布内の分割繊維が高熱収縮率
成分の熱融着により拘束されてしまい、自由度の高い不
織布構造が得られにくく、髪の毛や、粒状ゴミなどの大
きなダスト類の捕集性やダストの裏抜け性に劣り、清掃
用不織布として適さない。
【0060】また、比較例2は、両側表層部の熱接着性
複合繊維の比率が10重量%と少なく、混率が請求範囲
外であるため、不織布全体の破断強力は中間層で維持さ
れているが、両側表層部の不織布耐久性が悪く、清掃用
不織布として適さない。
【0061】次に、比較例4は、使用した熱接着性複合
繊維の融着開始温度が高く、融着温度条件が請求範囲外
であるため、熱分割繊維の融着開始温度以下では、不織
布が作成出来なかった。
【0062】さらに、比較例6の不織布は熱分割繊維を
含んでおらず、不織布内の繊維に自由度がないため、ダ
スト捕集性に劣り、清掃用不織布として適さない。
【0063】それに対して、実施例1、2、3、4、5
の不織布は、熱接着性複合繊維の融着開始温度以上で、
熱分割繊維の融着開始温度以下の温度で融着しているた
め、不織布の厚みが大きく、地合も良く、さらに、得ら
れた不織布内の熱分割繊維は、熱接着性複合繊維のみの
熱融着により形成された網目状の空間に、ダスト類の捕
集性に効果的な、分割した自由度の高い繊維状物として
保持されているため、ダスト類の捕集性やダストの裏抜
け性に優れており、両側表層部の摩擦耐久性も使用可能
なレベルであり、清掃用不織布として適している。
【0064】したがって、本発明の清掃用不織布では、
両側の表層部が熱分割繊維30〜70重量%と、熱分割
繊維より融着開始温度が低い、熱接着性複合繊維70〜
30重量%から得られたウエッブを、熱接着性複合繊維
の融着開始温度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下で
熱融着させることにより、得られた不織布の両側の表層
部は、清掃時に必要な強度を保ちながら、不織布内の熱
分割繊維は、熱接着性複合繊維のみの熱融着により形成
された網目状の空間に、ダスト類の捕集性に効果的な、
分割した自由度の高い繊維状物として保持されているた
め、ダスト類の捕集性に優れており、しかも、安価であ
るため、家庭用や業務用の清掃用不織布として好適に用
いられる。
【0065】
【発明の効果】本発明の清掃用不織布では、清掃時にお
ける必要な強度と、ダスト類の捕集性能に必要な繊維自
由度とを共に満足させることができる。また、この清掃
用不織布は、本発明の方法によれば、従来の熱風融着法
によって、効率よくかつ低いコストで製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不織布に用いられる熱分割繊維の断面
形状の異なった例を示す図である。
【符号の説明】
1 高熱収縮率成分 2 低熱収縮率成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢代 弘文 岐阜県岐阜市藪田西2−1−1 宇部日東 化成株式会社繊維研究所内 (72)発明者 田中 晴士 岐阜県岐阜市藪田西2−1−1 宇部日東 化成株式会社繊維研究所内 (72)発明者 太田 信次 岐阜県岐阜市藪田西2−1−1 宇部日東 化成株式会社繊維研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単層または二層以上からなる不織布にお
    いて、両側の表層部が、(A)熱収縮率の異なる2成分
    から構成され、かつ高熱収縮率成分がエチレン・プロピ
    レンランダム共重合体を主体とする熱分割繊維30〜7
    0重量%と、(B)融点の異なる2成分から構成され、
    かつ低融点成分が高密度ポリエチレンを主体とするとと
    もに、前記熱分割繊維よりも融着開始温度が低い熱接着
    性複合繊維70〜30重量%とから得られたウエッブ
    を、熱接着性複合繊維の融着開始温度以上、熱分割繊維
    の融着開始温度以下で熱融着させたものからなることを
    特徴とする清掃用不織布。
  2. 【請求項2】 熱分割繊維の分割率か50%以上である
    請求項1に記載の清掃用不織布。
  3. 【請求項3】 目付けが40〜60g/m2である請求
    項1または2に記載の清掃用不織布。
  4. 【請求項4】 (A)熱収縮率の異なる2成分から構成
    され、かつ高熱収縮率成分がエチレン・プロピレンラン
    ダム共重合体を主体とする熱分割繊維30〜70重量%
    と、(B)融点の異なる2成分から構成され、かつ低融
    点成分が高密度ポリエチレンを主体とするとともに、前
    記熱分割繊維よりも融着開始温度が低い熱接着性複合繊
    維70〜30重量%とからウエッブを作成し、次いでこ
    のウエッブの単層体、またはウエッブを両側の表層部に
    配置した二層以上の構造体を、熱接着性複合繊維の融着
    開始温度以上、熱分割繊維の融着開始温度以下で熱融着
    処理することを特徴とする請求項1、2または3に記載
    の清掃用不織布の製造方法。
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WO2000060993A1 (fr) * 1999-04-13 2000-10-19 Uni-Charm Co., Ltd. Chiffon à poussière jetable et procédé de fabrication
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