JPH10271875A - ブラシレスモータ駆動回路 - Google Patents
ブラシレスモータ駆動回路Info
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- JPH10271875A JPH10271875A JP10007455A JP745598A JPH10271875A JP H10271875 A JPH10271875 A JP H10271875A JP 10007455 A JP10007455 A JP 10007455A JP 745598 A JP745598 A JP 745598A JP H10271875 A JPH10271875 A JP H10271875A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チョッパ制御の影響を受けることなく、セン
サレスでブラシレスモータを可変速運転することができ
るブラシレスモータ駆動回路を提供すること。 【解決手段】 ブラシレスモータ51の回転による電機
子電流の変化は、電流検出回路4によって検出され、高
調波除去回路13へ出力される。この回路13では、チ
ョッパ制御に同期して、下アームトランジスタがオンさ
れている間の電圧のみを記憶し、その電圧を5.7倍に
増幅して、転流指令回路9とサンプリング回路5へ出力
する。サンプリング回路5では、転流指令オフ直前のタ
イミングでその出力電圧が記憶され、記憶された電圧は
増幅回路6によって1.4倍に増幅された後に、転流指
令回路9へ出力される。高調波除去回路13の出力が増
幅回路6の出力以上となると、転流指令回路9から転流
指令が計数回路11へ出力され、分配回路12を介し
て、ブラシレスモータ51の転流動作が行われる。
サレスでブラシレスモータを可変速運転することができ
るブラシレスモータ駆動回路を提供すること。 【解決手段】 ブラシレスモータ51の回転による電機
子電流の変化は、電流検出回路4によって検出され、高
調波除去回路13へ出力される。この回路13では、チ
ョッパ制御に同期して、下アームトランジスタがオンさ
れている間の電圧のみを記憶し、その電圧を5.7倍に
増幅して、転流指令回路9とサンプリング回路5へ出力
する。サンプリング回路5では、転流指令オフ直前のタ
イミングでその出力電圧が記憶され、記憶された電圧は
増幅回路6によって1.4倍に増幅された後に、転流指
令回路9へ出力される。高調波除去回路13の出力が増
幅回路6の出力以上となると、転流指令回路9から転流
指令が計数回路11へ出力され、分配回路12を介し
て、ブラシレスモータ51の転流動作が行われる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、永久磁石界磁形
のブラシレスモータ駆動回路に関し、特に、界磁の磁極
位置センサを用いることなく、センサレスで可変速運転
することが可能なブラシレスモータ駆動回路に関するも
のである。
のブラシレスモータ駆動回路に関し、特に、界磁の磁極
位置センサを用いることなく、センサレスで可変速運転
することが可能なブラシレスモータ駆動回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】 従来、この種のブラシレスDCモータ
のセンサレス駆動回路は、回転駆動中のモータの電機子
巻線に生じる速度起電力と界磁の位置の相関に着目し
て、該速度起電力によりモータの転流タイミングを決定
していた。また、モータの始動時においては、同期モー
タあるいはステッピングモータとして、予め設定された
周波数と電圧とで強制転流し、界磁位置検出に充分な速
度起電力が発生する回転域まで負荷とのバランスを保ち
ながら徐々に加速するようにしていた。
のセンサレス駆動回路は、回転駆動中のモータの電機子
巻線に生じる速度起電力と界磁の位置の相関に着目し
て、該速度起電力によりモータの転流タイミングを決定
していた。また、モータの始動時においては、同期モー
タあるいはステッピングモータとして、予め設定された
周波数と電圧とで強制転流し、界磁位置検出に充分な速
度起電力が発生する回転域まで負荷とのバランスを保ち
ながら徐々に加速するようにしていた。
【0003】しかしながら、かかるモータ駆動回路にお
いては、モータ始動後の加速時間が必然的に長くなり、
しかも、低回転高トルクでの始動や運転が困難であっ
た。即ち、速度トルク特性の不安定さ故に急速な加速制
御が困難であるので、強制転流モード(いわゆる他制運
転)と、推定した位置情報のフィードバックによる同期
インバータ運転モード(いわゆる自制運転)との2モー
ドを有し、モータを含む動力系イナーシャや負荷トルク
とのバランスを維持しながら緩やかに加速せざるを得な
かった。また、転流タイミングは速度起電力によって決
定されるが、この速度起電力はモータの電機子巻線電圧
を利用して検出せざるを得ず、高負荷トルク時には、通
電切替に伴う電機子電流の還流作用による転流スパイク
電圧が増大するので、検出できる速度起電力情報に大き
な誤差が生じてしまう。その結果、界磁磁極位置の推定
結果に大きなエラーが生じて、適切な転流タイミングを
決定することができなかった。
いては、モータ始動後の加速時間が必然的に長くなり、
しかも、低回転高トルクでの始動や運転が困難であっ
た。即ち、速度トルク特性の不安定さ故に急速な加速制
御が困難であるので、強制転流モード(いわゆる他制運
転)と、推定した位置情報のフィードバックによる同期
インバータ運転モード(いわゆる自制運転)との2モー
ドを有し、モータを含む動力系イナーシャや負荷トルク
とのバランスを維持しながら緩やかに加速せざるを得な
かった。また、転流タイミングは速度起電力によって決
定されるが、この速度起電力はモータの電機子巻線電圧
を利用して検出せざるを得ず、高負荷トルク時には、通
電切替に伴う電機子電流の還流作用による転流スパイク
電圧が増大するので、検出できる速度起電力情報に大き
な誤差が生じてしまう。その結果、界磁磁極位置の推定
結果に大きなエラーが生じて、適切な転流タイミングを
決定することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 そこで、本願出願人
は、特願平7−207665号(未公知)に記載するブ
ラシレスモータのセンサレス駆動回路を発明した。かか
るモータ駆動回路は、図1(a)に示すようなモータ各
相の電機子電流波形を構成する4つの波形ブロックの各
ブロックに共通する波形的特徴に着目して、各相の通電
領域の各ブロックにあらわれる2つの顕著な電流増加領
域41,42のうち(図1(b))、第2の電流増加領
域42を検出して、これを転流時期の到来(転流タイミ
ング)と決定し、転流制御を行うものである。この第2
の電流増加領域42の検出は、モータの電機子電流が、
その電機子電流の平均値の所定倍(例えば1.2倍)と
なったことを目安として検出するようにしている。
は、特願平7−207665号(未公知)に記載するブ
ラシレスモータのセンサレス駆動回路を発明した。かか
るモータ駆動回路は、図1(a)に示すようなモータ各
相の電機子電流波形を構成する4つの波形ブロックの各
ブロックに共通する波形的特徴に着目して、各相の通電
領域の各ブロックにあらわれる2つの顕著な電流増加領
域41,42のうち(図1(b))、第2の電流増加領
域42を検出して、これを転流時期の到来(転流タイミ
ング)と決定し、転流制御を行うものである。この第2
の電流増加領域42の検出は、モータの電機子電流が、
その電機子電流の平均値の所定倍(例えば1.2倍)と
なったことを目安として検出するようにしている。
【0005】ところで、ブラシレスモータの可変速運転
は、PWM(パルス幅変調)チョッパ制御により、イン
バータ回路のオンオフデューティ比を変更することによ
って行われる。チョッパ制御により、ブラシレスモータ
にはチョッパ状の電圧が印加されるが、かかるチョッパ
状の電圧は、電機子巻線のLR直列インピーダンスによ
って積分されるので、電機子電流はほぼ連続的に流され
る。しかし、キャリア成分の完全な除去までは行われな
いので、電機子電流は高調波成分を多く含む電流波形と
なってしまう。よって、この電流波形に基づいて転流タ
イミングを決定すると、高調波成分の影響により、転流
時期を誤ってしまうという問題点があった。
は、PWM(パルス幅変調)チョッパ制御により、イン
バータ回路のオンオフデューティ比を変更することによ
って行われる。チョッパ制御により、ブラシレスモータ
にはチョッパ状の電圧が印加されるが、かかるチョッパ
状の電圧は、電機子巻線のLR直列インピーダンスによ
って積分されるので、電機子電流はほぼ連続的に流され
る。しかし、キャリア成分の完全な除去までは行われな
いので、電機子電流は高調波成分を多く含む電流波形と
なってしまう。よって、この電流波形に基づいて転流タ
イミングを決定すると、高調波成分の影響により、転流
時期を誤ってしまうという問題点があった。
【0006】そこで、本願出願人は、上記の特願平7−
207665号の図2に図示されるように、コンデンサ
とリアクタンスで形成されたローパスフィルタ回路5f
により電機子電流の高調波成分を除去し、その高調波成
分の除去された電機子電流と、電機子電流の平均値とに
基づいて、転流タイミングを決定するブラシレスモータ
駆動回路を発明した。
207665号の図2に図示されるように、コンデンサ
とリアクタンスで形成されたローパスフィルタ回路5f
により電機子電流の高調波成分を除去し、その高調波成
分の除去された電機子電流と、電機子電流の平均値とに
基づいて、転流タイミングを決定するブラシレスモータ
駆動回路を発明した。
【0007】しかしながら、かかるローパスフィルタを
使用した駆動回路では、高調波成分の除去とともに、電
機子電流の値がローパスフィルタにより平均化されてし
まうので、チョッパ制御のデューティ比が小さい場合に
は、検出される電機子電流の値も小さな値となってしま
う。よって、かかる場合には、電機子電流のわずかな変
化により第2の電流増加領域42を検出しなければなら
ないので、その検出誤差が大きくなってしまうという問
題点があった。即ち、チョッパ制御のデューティ比が小
さい場合には、わずかなノイズによっても、転流時期を
誤ってしまうという問題点があった。
使用した駆動回路では、高調波成分の除去とともに、電
機子電流の値がローパスフィルタにより平均化されてし
まうので、チョッパ制御のデューティ比が小さい場合に
は、検出される電機子電流の値も小さな値となってしま
う。よって、かかる場合には、電機子電流のわずかな変
化により第2の電流増加領域42を検出しなければなら
ないので、その検出誤差が大きくなってしまうという問
題点があった。即ち、チョッパ制御のデューティ比が小
さい場合には、わずかなノイズによっても、転流時期を
誤ってしまうという問題点があった。
【0008】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、チョッパ制御の影響を受けること
なく、センサレスでブラシレスモータを可変速運転する
ことができるブラシレスモータ駆動回路を提供すること
を目的としている。
なされたものであり、チョッパ制御の影響を受けること
なく、センサレスでブラシレスモータを可変速運転する
ことができるブラシレスモータ駆動回路を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、ブラ
シレスモータの複数相の電機子巻線に直流電圧を順次通
電するための複数のスイッチング素子を有するインバー
タ回路と、そのインバータ回路の複数のスイッチング素
子をオンオフさせて転流を行う通電制御回路と、その通
電制御回路によりオンされている前記インバータ回路の
スイッチング素子をチョッパ制御によってオンオフさせ
るチョッパ制御回路とを備え、前記チョッパ制御回路に
よるオンオフのデューティ比を変化させることにより前
記ブラシレスモータをセンサレスで可変速運転すること
が可能なものであり、更に、前記ブラシレスモータの電
機子巻線に流れる電流を電圧に変換して検出する電流検
出回路と、その電流検出回路の検出電圧を前記チョッパ
制御回路による前記インバータ回路のスイッチング素子
のオン動作に同期して記憶する第1サンプル回路と、そ
の第1サンプル回路の出力電圧の瞬時値を所定のタイミ
ングで記憶する第2サンプル回路と、前記第1サンプル
回路の出力電圧が前記第2サンプル回路の記憶電圧の所
定倍となった場合に、前記通電制御回路へ転流指令を出
力する転流指令回路とを備えている。
めに請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、ブラ
シレスモータの複数相の電機子巻線に直流電圧を順次通
電するための複数のスイッチング素子を有するインバー
タ回路と、そのインバータ回路の複数のスイッチング素
子をオンオフさせて転流を行う通電制御回路と、その通
電制御回路によりオンされている前記インバータ回路の
スイッチング素子をチョッパ制御によってオンオフさせ
るチョッパ制御回路とを備え、前記チョッパ制御回路に
よるオンオフのデューティ比を変化させることにより前
記ブラシレスモータをセンサレスで可変速運転すること
が可能なものであり、更に、前記ブラシレスモータの電
機子巻線に流れる電流を電圧に変換して検出する電流検
出回路と、その電流検出回路の検出電圧を前記チョッパ
制御回路による前記インバータ回路のスイッチング素子
のオン動作に同期して記憶する第1サンプル回路と、そ
の第1サンプル回路の出力電圧の瞬時値を所定のタイミ
ングで記憶する第2サンプル回路と、前記第1サンプル
回路の出力電圧が前記第2サンプル回路の記憶電圧の所
定倍となった場合に、前記通電制御回路へ転流指令を出
力する転流指令回路とを備えている。
【0010】ブラシレスモータが回転すると、モータの
界磁と通電中の電機子巻線との位置関係が変化する。こ
の変化にともなって、該電機子巻線に流れる電流値も変
化する。請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、
かかる電機子電流の変化に着目して転流タイミングを決
定することにより、ブラシレスモータのセンサレス駆動
を可能にしている。具体的には、図1に示すように、ブ
ラシレスモータの駆動中に電機子巻線に通電を行うと、
その電機子巻線に流れる電流値は、2度にわたって顕著
な増加を見せる(41,42)。よって、この2度目の
顕著な電流増加領域42を検出して転流タイミングを決
定するのである。
界磁と通電中の電機子巻線との位置関係が変化する。こ
の変化にともなって、該電機子巻線に流れる電流値も変
化する。請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路は、
かかる電機子電流の変化に着目して転流タイミングを決
定することにより、ブラシレスモータのセンサレス駆動
を可能にしている。具体的には、図1に示すように、ブ
ラシレスモータの駆動中に電機子巻線に通電を行うと、
その電機子巻線に流れる電流値は、2度にわたって顕著
な増加を見せる(41,42)。よって、この2度目の
顕著な電流増加領域42を検出して転流タイミングを決
定するのである。
【0011】即ち、この請求項1記載のブラシレスモー
タ駆動回路によれば、通電制御回路によりオンされてい
るインバータ回路のスイッチング素子は、チョッパ制御
回路によってチョッパ制御され、そのチョッパ制御によ
るオンの間、ブラシレスモータの電機子巻線に電流が流
される。この電機子電流は、電流検出回路により、電圧
変換されて検出され、第1サンプル回路へ出力される。
第1サンプル回路では、チョッパ制御回路によるインバ
ータ回路のスイッチング素子のオン動作に同期して電流
検出回路の出力電圧が記憶され、その記憶電圧あるいは
記憶電圧の所定倍の電圧が、第1サンプル回路から第2
サンプル回路及び転流指令回路へ出力される。第2サン
プル回路では、かかる第1サンプル回路の出力電圧の瞬
時値が記憶され、その記憶電圧が転流指令回路へ出力さ
れる。転流指令回路では、第1サンプル回路の出力電圧
と第2サンプル回路の記憶電圧とが比較される。比較の
結果、第1サンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路
の記憶電圧の所定倍となった場合には、ブラシレスモー
タの電機子巻線に流れる電流の2度目の顕著な電流増加
領域42の到来と判断して、転流指令回路から通電制御
回路へ転流指令が出力される。この転流指令に基づい
て、通電制御回路により、インバータ回路のスイッチン
グ素子がオン又はオフされ、ブラシレスモータへの転流
が行われる。以上の動作が繰り返されることにより、い
わゆるセンサレスでブラシレスモータが駆動される。
タ駆動回路によれば、通電制御回路によりオンされてい
るインバータ回路のスイッチング素子は、チョッパ制御
回路によってチョッパ制御され、そのチョッパ制御によ
るオンの間、ブラシレスモータの電機子巻線に電流が流
される。この電機子電流は、電流検出回路により、電圧
変換されて検出され、第1サンプル回路へ出力される。
第1サンプル回路では、チョッパ制御回路によるインバ
ータ回路のスイッチング素子のオン動作に同期して電流
検出回路の出力電圧が記憶され、その記憶電圧あるいは
記憶電圧の所定倍の電圧が、第1サンプル回路から第2
サンプル回路及び転流指令回路へ出力される。第2サン
プル回路では、かかる第1サンプル回路の出力電圧の瞬
時値が記憶され、その記憶電圧が転流指令回路へ出力さ
れる。転流指令回路では、第1サンプル回路の出力電圧
と第2サンプル回路の記憶電圧とが比較される。比較の
結果、第1サンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路
の記憶電圧の所定倍となった場合には、ブラシレスモー
タの電機子巻線に流れる電流の2度目の顕著な電流増加
領域42の到来と判断して、転流指令回路から通電制御
回路へ転流指令が出力される。この転流指令に基づい
て、通電制御回路により、インバータ回路のスイッチン
グ素子がオン又はオフされ、ブラシレスモータへの転流
が行われる。以上の動作が繰り返されることにより、い
わゆるセンサレスでブラシレスモータが駆動される。
【0012】請求項2記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路におい
て、前記第1サンプル回路による前記電流検出回路の検
出電圧の記憶は、前記チョッパ制御回路により前記イン
バータ回路のスイッチング素子がオフされる直前のタイ
ミングで行われるものである。
は、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路におい
て、前記第1サンプル回路による前記電流検出回路の検
出電圧の記憶は、前記チョッパ制御回路により前記イン
バータ回路のスイッチング素子がオフされる直前のタイ
ミングで行われるものである。
【0013】請求項3記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1または2に記載のブラシレスモータ駆動回
路において、前記第2サンプル回路による前記第1サン
プル回路の瞬時値の記憶は、前記通電制御回路による転
流動作毎に行われるものである。
は、請求項1または2に記載のブラシレスモータ駆動回
路において、前記第2サンプル回路による前記第1サン
プル回路の瞬時値の記憶は、前記通電制御回路による転
流動作毎に行われるものである。
【0014】請求項4記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1から3のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記第2サンプル回路による前記
第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、1の転流動作にお
ける電機子電流の第1の増加領域後であって第2の増加
領域前に行われるものである。
は、請求項1から3のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記第2サンプル回路による前記
第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、1の転流動作にお
ける電機子電流の第1の増加領域後であって第2の増加
領域前に行われるものである。
【0015】請求項5記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記チョッパ制御回路による前記
インバータ回路のスイッチング素子のオンのデューティ
比が大きくなるに従って前記転流指令回路から出力され
る転流指令のパルス幅を短くし、一方、前記オンのデュ
ーティ比が小さくなるに従って前記転流指令回路から出
力される転流指令のパルス幅を長くするパルス幅変更回
路を備え、前記第2サンプル回路による前記第1サンプ
ル回路の瞬時値の記憶は、前記転流指令回路から出力さ
れる転流指令のパルス終了時に行われる。
は、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記チョッパ制御回路による前記
インバータ回路のスイッチング素子のオンのデューティ
比が大きくなるに従って前記転流指令回路から出力され
る転流指令のパルス幅を短くし、一方、前記オンのデュ
ーティ比が小さくなるに従って前記転流指令回路から出
力される転流指令のパルス幅を長くするパルス幅変更回
路を備え、前記第2サンプル回路による前記第1サンプ
ル回路の瞬時値の記憶は、前記転流指令回路から出力さ
れる転流指令のパルス終了時に行われる。
【0016】チョッパ制御回路によるインバータ回路の
スイッチング素子のオンのデューティ比が大きくなる
と、ブラシレスモータへ印加される実効電圧が大きくな
って、モータの回転速度が速くなる。すると、電機子電
流の第2の増加領域42の到来も速くなるので、第2サ
ンプル回路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイ
ミングも、同様に速くする必要がある。一方、チョッパ
制御回路によるオンのデューティ比が小さくなると、ブ
ラシレスモータへ印加される実効電圧が小さくなって、
モータの回転速度が遅くなる。すると、電機子電流の第
2の増加領域42の到来も遅くなるので、第2サンプル
回路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイミング
も、同様に遅くする必要がある。
スイッチング素子のオンのデューティ比が大きくなる
と、ブラシレスモータへ印加される実効電圧が大きくな
って、モータの回転速度が速くなる。すると、電機子電
流の第2の増加領域42の到来も速くなるので、第2サ
ンプル回路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイ
ミングも、同様に速くする必要がある。一方、チョッパ
制御回路によるオンのデューティ比が小さくなると、ブ
ラシレスモータへ印加される実効電圧が小さくなって、
モータの回転速度が遅くなる。すると、電機子電流の第
2の増加領域42の到来も遅くなるので、第2サンプル
回路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイミング
も、同様に遅くする必要がある。
【0017】請求項5記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路と同様に作用する上、転流指令のパル
ス幅は、パルス幅変更回路によって、チョッパ制御回路
によるオンのデューティ比が大きくなるに従って短くさ
れ、逆に、チョッパ制御回路によるオンのデューティ比
が小さくなるに従って長くされる。このパルス幅変更回
路によりパルス幅が変更された転流指令のパルス終了時
に、第2サンプル回路によって、第1サンプル回路の瞬
時値が記憶される。よって、チョッパ制御回路によるオ
ンのデューティ比の変化に応じて、第2サンプル回路に
よる第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイミングが適切
なタイミングに変更される。
によれば、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路と同様に作用する上、転流指令のパル
ス幅は、パルス幅変更回路によって、チョッパ制御回路
によるオンのデューティ比が大きくなるに従って短くさ
れ、逆に、チョッパ制御回路によるオンのデューティ比
が小さくなるに従って長くされる。このパルス幅変更回
路によりパルス幅が変更された転流指令のパルス終了時
に、第2サンプル回路によって、第1サンプル回路の瞬
時値が記憶される。よって、チョッパ制御回路によるオ
ンのデューティ比の変化に応じて、第2サンプル回路に
よる第1サンプル回路の瞬時値の記憶タイミングが適切
なタイミングに変更される。
【0018】請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1から5のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記ブラシレスモータの始動時
に、そのブラシレスモータの始動トルクを発生させるた
めに充分な値から時間の経過とともに逓減する電圧を前
記転流指令回路へ出力する始動補償回路を備え、前記転
流指令回路は、前記第1サンプル回路の出力電圧が前記
始動補償回路の出力電圧の所定倍となった場合に、前記
通電制御回路へ転流指令を出力するものである。
は、請求項1から5のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記ブラシレスモータの始動時
に、そのブラシレスモータの始動トルクを発生させるた
めに充分な値から時間の経過とともに逓減する電圧を前
記転流指令回路へ出力する始動補償回路を備え、前記転
流指令回路は、前記第1サンプル回路の出力電圧が前記
始動補償回路の出力電圧の所定倍となった場合に、前記
通電制御回路へ転流指令を出力するものである。
【0019】請求項7記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路におい
て、前記始動補償回路は、前記チョッパ制御回路による
前記インバータ回路のスイッチング素子のオンのデュー
ティ比が所定値未満から所定値以上になる毎に、前記転
流指令回路へ始動トルクを発生させるために充分な電圧
を出力するものである。
は、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路におい
て、前記始動補償回路は、前記チョッパ制御回路による
前記インバータ回路のスイッチング素子のオンのデュー
ティ比が所定値未満から所定値以上になる毎に、前記転
流指令回路へ始動トルクを発生させるために充分な電圧
を出力するものである。
【0020】この請求項7記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回
路と同様に作用する上、チョッパ制御回路によるオンの
デューティ比が所定値未満に下げられて、ブラシレスモ
ータが停止または低速回転となった場合にも、その後、
かかるオンのデューティ比が所定値以上に上げられる
と、始動補償回路から転流指令回路へ始動トルクを発生
させるために充分な電圧が転流目標電圧として出力され
る。よって、一旦、停止または低速回転にされたブラシ
レスモータの再始動が的確に行われる。
回路によれば、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回
路と同様に作用する上、チョッパ制御回路によるオンの
デューティ比が所定値未満に下げられて、ブラシレスモ
ータが停止または低速回転となった場合にも、その後、
かかるオンのデューティ比が所定値以上に上げられる
と、始動補償回路から転流指令回路へ始動トルクを発生
させるために充分な電圧が転流目標電圧として出力され
る。よって、一旦、停止または低速回転にされたブラシ
レスモータの再始動が的確に行われる。
【0021】請求項8記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項6または7に記載のブラシレスモータ駆動回
路において、前記第2サンプル回路から前記転流指令回
路へ出力される出力電圧と、前記始動補償回路から前記
転流指令回路へ出力される出力電圧とのうち、大きい方
の出力電圧を前記転流指令回路へ優先して出力する優先
回路を備えている。
は、請求項6または7に記載のブラシレスモータ駆動回
路において、前記第2サンプル回路から前記転流指令回
路へ出力される出力電圧と、前記始動補償回路から前記
転流指令回路へ出力される出力電圧とのうち、大きい方
の出力電圧を前記転流指令回路へ優先して出力する優先
回路を備えている。
【0022】この請求項8記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、請求項6または7に記載のブラシレスモ
ータ駆動回路と同様に作用する上、優先回路によって、
第2サンプル回路からの出力電圧と始動補償回路からの
出力電圧とのうち、大きい方の出力電圧が転流目標電圧
として転流指令回路へ出力される。即ち、ブラシレスモ
ータの始動時には始動補償回路からの出力電圧が、定常
運転時には第2サンプル回路からの出力電圧が、転流目
標電圧として転流指令回路へ出力される。従って、転流
目標電圧はブラシレスモータの始動時と定常運転時とで
自動的に切り替えられるので、始動から定常運転へブラ
シレスモータを円滑に駆動させることができる。
回路によれば、請求項6または7に記載のブラシレスモ
ータ駆動回路と同様に作用する上、優先回路によって、
第2サンプル回路からの出力電圧と始動補償回路からの
出力電圧とのうち、大きい方の出力電圧が転流目標電圧
として転流指令回路へ出力される。即ち、ブラシレスモ
ータの始動時には始動補償回路からの出力電圧が、定常
運転時には第2サンプル回路からの出力電圧が、転流目
標電圧として転流指令回路へ出力される。従って、転流
目標電圧はブラシレスモータの始動時と定常運転時とで
自動的に切り替えられるので、始動から定常運転へブラ
シレスモータを円滑に駆動させることができる。
【0023】請求項9記載のブラシレスモータ駆動回路
は、請求項1から8のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記転流指令回路による転流指令
毎に、その転流指令回路へ出力される前記第1サンプル
回路の出力電圧をゼロリセットするゼロリセット回路を
備えている。
は、請求項1から8のいずれかに記載のブラシレスモー
タ駆動回路において、前記転流指令回路による転流指令
毎に、その転流指令回路へ出力される前記第1サンプル
回路の出力電圧をゼロリセットするゼロリセット回路を
備えている。
【0024】この請求項9記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、請求項1から8のいずれかに記載のブラ
シレスモータ駆動回路と同様に作用する上、第1サンプ
ル回路の出力電圧が第2サンプル回路(又は、始動補償
回路、優先回路)の出力電圧より大となると、転流指令
回路から転流指令が出力される。かかる転流指令がゼロ
リセット回路に入力されると、そのゼロリセット回路に
よって、第1サンプル回路の出力が擬制ゼロリセットさ
れる。よって、転流指令毎に、第1サンプル回路の出力
電圧が第2サンプル回路(又は、始動補償回路、優先回
路)の出力電圧より確実に小とされるので、転流指令が
確実にリセットされる。
回路によれば、請求項1から8のいずれかに記載のブラ
シレスモータ駆動回路と同様に作用する上、第1サンプ
ル回路の出力電圧が第2サンプル回路(又は、始動補償
回路、優先回路)の出力電圧より大となると、転流指令
回路から転流指令が出力される。かかる転流指令がゼロ
リセット回路に入力されると、そのゼロリセット回路に
よって、第1サンプル回路の出力が擬制ゼロリセットさ
れる。よって、転流指令毎に、第1サンプル回路の出力
電圧が第2サンプル回路(又は、始動補償回路、優先回
路)の出力電圧より確実に小とされるので、転流指令が
確実にリセットされる。
【0025】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施
例におけるブラシレスモータ駆動回路の動作原理につい
ては、特願平7−207665号に記載されているの
で、その説明は省略する。
について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施
例におけるブラシレスモータ駆動回路の動作原理につい
ては、特願平7−207665号に記載されているの
で、その説明は省略する。
【0026】図2は、本実施例のセンサレスDCブラシ
レスモータ駆動回路1の回路図である。このモータ駆動
回路1は、室内ファン用の小型PMブラシレスモータの
他、負荷トルクの急変し得る搬送装置や、突風などによ
る外乱を受けるエアコンの室外ファン等のブラシレスモ
ータの可変速運転可能なセンサレス駆動回路として使用
される。駆動対象のブラシレスモータ51は、永久磁石
の界磁を回転子とし、3相の電機子巻線を固定子とし
た、表面磁石形のブラシレスモータである。なお、界磁
を固定子に電機子巻線を回転子にしたスリップリング付
きモータや、埋め込み磁石形のブラシレスモータに、こ
のモータ駆動回路1を用いることも可能である。
レスモータ駆動回路1の回路図である。このモータ駆動
回路1は、室内ファン用の小型PMブラシレスモータの
他、負荷トルクの急変し得る搬送装置や、突風などによ
る外乱を受けるエアコンの室外ファン等のブラシレスモ
ータの可変速運転可能なセンサレス駆動回路として使用
される。駆動対象のブラシレスモータ51は、永久磁石
の界磁を回転子とし、3相の電機子巻線を固定子とし
た、表面磁石形のブラシレスモータである。なお、界磁
を固定子に電機子巻線を回転子にしたスリップリング付
きモータや、埋め込み磁石形のブラシレスモータに、こ
のモータ駆動回路1を用いることも可能である。
【0027】モータ駆動回路1は、補助電源回路2と、
インバータ回路3と、電流検出回路4と、サンプリング
回路5と、増幅回路6と、始動補償回路7と、優先回路
8と、転流指令回路9と、ゼロリセット回路10と、計
数回路11と、分配回路12と、高調波除去回路13
と、PWM(パルス幅変調)チョッパ制御回路14とを
備えている。
インバータ回路3と、電流検出回路4と、サンプリング
回路5と、増幅回路6と、始動補償回路7と、優先回路
8と、転流指令回路9と、ゼロリセット回路10と、計
数回路11と、分配回路12と、高調波除去回路13
と、PWM(パルス幅変調)チョッパ制御回路14とを
備えている。
【0028】補助電源回路2は、30ボルトの直流電源
50から安定した10ボルトの電圧を生成し出力する回
路である。補助電源回路2で生成された10ボルトの電
圧は、始動補償回路7や転流指令回路9、PWMチョッ
パ制御回路14などの各回路へ、駆動電圧として供給さ
れる。
50から安定した10ボルトの電圧を生成し出力する回
路である。補助電源回路2で生成された10ボルトの電
圧は、始動補償回路7や転流指令回路9、PWMチョッ
パ制御回路14などの各回路へ、駆動電圧として供給さ
れる。
【0029】インバータ回路3は、ブラシレスモータ5
1の3相(U相、V相、W相)の電機子巻線に、30ボ
ルトの直流電圧を順次通電切替するための回路である。
インバータ回路3の直流電源50のプラス側入力端Pに
は、上アームトランジスタとしての3つのP−MOS電
界効果トランジスタQu,Qv,Qwのソース端子が接
続され、直流電源50のグランド側入力端Nには、下ア
ームトランジスタとしての3つのN−MOS電界効果ト
ランジスタQx,Qy,Qzのソース端子が接続され
て、これらにより3相の電機子巻線に対応した3つのア
ームが形成されている。
1の3相(U相、V相、W相)の電機子巻線に、30ボ
ルトの直流電圧を順次通電切替するための回路である。
インバータ回路3の直流電源50のプラス側入力端Pに
は、上アームトランジスタとしての3つのP−MOS電
界効果トランジスタQu,Qv,Qwのソース端子が接
続され、直流電源50のグランド側入力端Nには、下ア
ームトランジスタとしての3つのN−MOS電界効果ト
ランジスタQx,Qy,Qzのソース端子が接続され
て、これらにより3相の電機子巻線に対応した3つのア
ームが形成されている。
【0030】上アームトランジスタQu〜Qwは、ゲー
ト端子が10kΩの抵抗Ru1〜Rw1を介して分配回
路12の各出力u〜wとそれぞれ接続されており、分配
回路12の出力u〜wに応じてオンオフされるように構
成されている(図3(b)参照)。また、上アームトラ
ンジスタQu〜Qwのゲート・ソース間には、保護及び
ゲート電圧のフローティング防止用の47kΩの抵抗R
u2〜Rw2と、下アームトランジスタQx〜Qzのチ
ョッパ制御によるオン時に、その下アームトランジスタ
Qu〜Qwに対応する上アームトランジスタQu〜Qw
が、下アームトランジスタQu〜Qwと同時にオンする
ことを防止するための短絡防止用のコンデンサ(100
0pF)Cu〜Cwとが、それぞれ接続されている。
ト端子が10kΩの抵抗Ru1〜Rw1を介して分配回
路12の各出力u〜wとそれぞれ接続されており、分配
回路12の出力u〜wに応じてオンオフされるように構
成されている(図3(b)参照)。また、上アームトラ
ンジスタQu〜Qwのゲート・ソース間には、保護及び
ゲート電圧のフローティング防止用の47kΩの抵抗R
u2〜Rw2と、下アームトランジスタQx〜Qzのチ
ョッパ制御によるオン時に、その下アームトランジスタ
Qu〜Qwに対応する上アームトランジスタQu〜Qw
が、下アームトランジスタQu〜Qwと同時にオンする
ことを防止するための短絡防止用のコンデンサ(100
0pF)Cu〜Cwとが、それぞれ接続されている。
【0031】一方、下アームトランジスタQx〜Qzの
ゲート端子は、1kΩの抵抗Rx1〜Rz1を介して分
配回路12の各出力x〜zとそれぞれ接続されるととも
に、チョッパドライバとしてのインバータIx〜Izを
介してPWMチョッパ制御回路14の出力端に接続され
ている。インバータIx〜Izは、エミッタ端子を直流
電源50のグランド側入力端Nに接続した(即ち、回路
接地した)オープンコレクタ形のNPN形デジタルトラ
ンジスタで構成されている。このため各下アームトラン
ジスタQx〜Qzは、分配回路12の出力x〜zと、P
WMチョッパ制御回路14の出力とに応じて、オンオフ
される。具体的には、分配回路12の出力x〜zからハ
イ信号が出力され、かつ、PWMチョッパ制御回路14
からロウ信号が出力されることによりインバータIx〜
Izからハイ信号が出力された場合に、下アームトラン
ジスタQx〜Qzはオンされる。即ち、図3(b)に図
示するように、下アームトランジスタQx〜Qzが、P
WMチョッパ制御回路14の出力に応じて、チョッパ制
御されるのである。
ゲート端子は、1kΩの抵抗Rx1〜Rz1を介して分
配回路12の各出力x〜zとそれぞれ接続されるととも
に、チョッパドライバとしてのインバータIx〜Izを
介してPWMチョッパ制御回路14の出力端に接続され
ている。インバータIx〜Izは、エミッタ端子を直流
電源50のグランド側入力端Nに接続した(即ち、回路
接地した)オープンコレクタ形のNPN形デジタルトラ
ンジスタで構成されている。このため各下アームトラン
ジスタQx〜Qzは、分配回路12の出力x〜zと、P
WMチョッパ制御回路14の出力とに応じて、オンオフ
される。具体的には、分配回路12の出力x〜zからハ
イ信号が出力され、かつ、PWMチョッパ制御回路14
からロウ信号が出力されることによりインバータIx〜
Izからハイ信号が出力された場合に、下アームトラン
ジスタQx〜Qzはオンされる。即ち、図3(b)に図
示するように、下アームトランジスタQx〜Qzが、P
WMチョッパ制御回路14の出力に応じて、チョッパ制
御されるのである。
【0032】なお、下アームトランジスタQx〜Qzの
ゲート・ソース間には、保護及びゲート電圧のフローテ
ィング防止用の5.6kΩの抵抗Rx2〜Rz2がそれ
ぞれ接続されている。また、各アームトランジスタQu
〜Qzのソース・ドレイン間には、各アームトランジス
タQu〜Qzのオンオフ時に、ブラシレスモータ51の
電機子巻線に生じる逆起電力作用に起因する電流を還流
させるためのフリーホイールダイオードDu〜Dzが、
それぞれ逆並列に接続されている。
ゲート・ソース間には、保護及びゲート電圧のフローテ
ィング防止用の5.6kΩの抵抗Rx2〜Rz2がそれ
ぞれ接続されている。また、各アームトランジスタQu
〜Qzのソース・ドレイン間には、各アームトランジス
タQu〜Qzのオンオフ時に、ブラシレスモータ51の
電機子巻線に生じる逆起電力作用に起因する電流を還流
させるためのフリーホイールダイオードDu〜Dzが、
それぞれ逆並列に接続されている。
【0033】電流検出回路4は、ブラシレスモータ51
の電機子巻線に流れる電流を電圧に変換して、高調波除
去回路13へ出力するための回路である。この電流検出
回路4は、直流電源50のグランド側入力端Nとインバ
ータ回路2との間に挿入された0.1Ω(2W)のシャ
ント抵抗Rsから構成されている。ブラシレスモータ5
1の3相の電機子電流は、フリーホイールダイオードD
u〜Dzへの還流電流を除いて、全てこのシャント抵抗
Rsにより電圧変換される。なお、図3(c)には、ブ
ラシレスモータ51の通常運転時における電流検出回路
4の出力電圧波形が図示されている。
の電機子巻線に流れる電流を電圧に変換して、高調波除
去回路13へ出力するための回路である。この電流検出
回路4は、直流電源50のグランド側入力端Nとインバ
ータ回路2との間に挿入された0.1Ω(2W)のシャ
ント抵抗Rsから構成されている。ブラシレスモータ5
1の3相の電機子電流は、フリーホイールダイオードD
u〜Dzへの還流電流を除いて、全てこのシャント抵抗
Rsにより電圧変換される。なお、図3(c)には、ブ
ラシレスモータ51の通常運転時における電流検出回路
4の出力電圧波形が図示されている。
【0034】高調波除去回路13は、PWMチョッパ制
御回路14によるチョッパ制御に同期して、インバータ
回路3の下アームトランジスタQx〜Qzがオンされて
いる間の電流検出回路4の出力電圧を記憶し、サンプリ
ング回路5及び転流指令回路9へ出力するための回路で
ある。即ち、チョッパ制御による高調波成分を除去し
て、電流検出回路4の出力電圧をサンプリング回路5及
び転流指令回路9へ出力するのである。高調波除去回路
13は、アナログスイッチAS1と、コンデンサC1
と、そのコンデンサC1と共にRCローパスフィルタと
して機能する抵抗R3と、抵抗R4,R5及びオペアン
プOP1で構成された非反転増幅器とを備えている。
御回路14によるチョッパ制御に同期して、インバータ
回路3の下アームトランジスタQx〜Qzがオンされて
いる間の電流検出回路4の出力電圧を記憶し、サンプリ
ング回路5及び転流指令回路9へ出力するための回路で
ある。即ち、チョッパ制御による高調波成分を除去し
て、電流検出回路4の出力電圧をサンプリング回路5及
び転流指令回路9へ出力するのである。高調波除去回路
13は、アナログスイッチAS1と、コンデンサC1
と、そのコンデンサC1と共にRCローパスフィルタと
して機能する抵抗R3と、抵抗R4,R5及びオペアン
プOP1で構成された非反転増幅器とを備えている。
【0035】アナログスイッチAS1の一方のチャネル
端子は、560Ωの抵抗R3を介して、電流検出回路4
の出力端に接続され、他方のチャネル端子は、一端が回
路接地された0.1μFのコンデンサC1に接続されて
いる。また、アナログスイッチAS1のゲートは、イン
バータIaを介してPWMチョッパ制御回路14の出力
端に接続されており、PWMチョッパ制御回路14から
ロウ信号が出力されている間(チョッパ制御によりイン
バータ回路3の下アームトランジスタQx〜Qzがオン
されている間)、アナログスイッチAS1がオンされる
ように構成されている。よって、電流検出回路4の出力
電圧は、PWMチョッパ制御回路14による下アームト
ランジスタQx〜Qzのオン動作に同期して、コンデン
サC1に記憶される。従って、抵抗R3及びコンデンサ
C1により構成されるRCローパスフィルタと相まっ
て、チョッパ制御による高調波成分の除去された電流検
出回路4の出力電圧が、コンデンサC1に記憶されるの
である。
端子は、560Ωの抵抗R3を介して、電流検出回路4
の出力端に接続され、他方のチャネル端子は、一端が回
路接地された0.1μFのコンデンサC1に接続されて
いる。また、アナログスイッチAS1のゲートは、イン
バータIaを介してPWMチョッパ制御回路14の出力
端に接続されており、PWMチョッパ制御回路14から
ロウ信号が出力されている間(チョッパ制御によりイン
バータ回路3の下アームトランジスタQx〜Qzがオン
されている間)、アナログスイッチAS1がオンされる
ように構成されている。よって、電流検出回路4の出力
電圧は、PWMチョッパ制御回路14による下アームト
ランジスタQx〜Qzのオン動作に同期して、コンデン
サC1に記憶される。従って、抵抗R3及びコンデンサ
C1により構成されるRCローパスフィルタと相まっ
て、チョッパ制御による高調波成分の除去された電流検
出回路4の出力電圧が、コンデンサC1に記憶されるの
である。
【0036】なお、インバータIaは、エミッタ接地さ
れたオープンコレクタ形のNPN形デジタルトランジス
タで構成されており、1kΩのプルアップ抵抗R6を介
して、補助電源回路2の10ボルト出力に接続されてい
る。
れたオープンコレクタ形のNPN形デジタルトランジス
タで構成されており、1kΩのプルアップ抵抗R6を介
して、補助電源回路2の10ボルト出力に接続されてい
る。
【0037】コンデンサC1の非接地端は、オペアンプ
OP1の非反転入力端に接続されている。このオペアン
プOP1は、抵抗R4,R5と共に、非反転増幅器を構
成している。抵抗R4の抵抗値は47kΩであり、抵抗
R5の抵抗値は10kΩであるので、コンデンサC1の
出力は、非反転増幅器OP1,R4,R5により、略
5.7倍に増幅されて、その出力端に接続されたサンプ
リング回路5及び転流指令回路9へ出力される。即ち、
電流検出回路4の出力電圧は、高調波除去回路13によ
り、高調波成分を除去された後、略5.7倍に増幅され
て、サンプリング回路5及び転流指令回路9へ出力され
る。図3(d)に、この高調波除去回路13の出力電圧
が図示されている。
OP1の非反転入力端に接続されている。このオペアン
プOP1は、抵抗R4,R5と共に、非反転増幅器を構
成している。抵抗R4の抵抗値は47kΩであり、抵抗
R5の抵抗値は10kΩであるので、コンデンサC1の
出力は、非反転増幅器OP1,R4,R5により、略
5.7倍に増幅されて、その出力端に接続されたサンプ
リング回路5及び転流指令回路9へ出力される。即ち、
電流検出回路4の出力電圧は、高調波除去回路13によ
り、高調波成分を除去された後、略5.7倍に増幅され
て、サンプリング回路5及び転流指令回路9へ出力され
る。図3(d)に、この高調波除去回路13の出力電圧
が図示されている。
【0038】なお、非反転増幅器OP1,R4,R5
は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsの抵抗値を大き
くすることにより、削除することができる。例えば、シ
ャント抵抗Rsの抵抗値を、現状の0.1Ωから1Ωに
10倍にすると、電流検出回路4の出力電圧も10倍に
される。よって、かかる場合には、非反転増幅器OP
1,R4,R5を介すことなく、コンデンサC1の出力
をサンプリング回路5及び転流指令回路9へ出力しても
良い。本実施例では、シャント抵抗Rsの温度上昇を抑
えるために、抵抗値の小さい抵抗Rsを使用している。
は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsの抵抗値を大き
くすることにより、削除することができる。例えば、シ
ャント抵抗Rsの抵抗値を、現状の0.1Ωから1Ωに
10倍にすると、電流検出回路4の出力電圧も10倍に
される。よって、かかる場合には、非反転増幅器OP
1,R4,R5を介すことなく、コンデンサC1の出力
をサンプリング回路5及び転流指令回路9へ出力しても
良い。本実施例では、シャント抵抗Rsの温度上昇を抑
えるために、抵抗値の小さい抵抗Rsを使用している。
【0039】サンプリング回路5は、高調波除去回路1
3の出力電圧の瞬時値を記憶して、その瞬時値を増幅回
路6へ出力するための回路である。サンプリング回路5
は、アナログスイッチAS2と、コンデンサC2と、抵
抗R7,R8とを備えている。アナログスイッチAS2
の一方のチャネル端子は、高調波除去回路13の出力端
に接続され、他方のチャネル端子は、1kΩの抵抗R7
を介して、共に一端が回路接地された0.1μFのコン
デンサC2及び2MΩの抵抗R8に接続されている。ア
ナログスイッチAS2のゲートは、転流指令回路9の出
力端に接続されており、転流指令回路9からハイの転流
指令56が出力されている間、アナログスイッチAS2
がオンされる。
3の出力電圧の瞬時値を記憶して、その瞬時値を増幅回
路6へ出力するための回路である。サンプリング回路5
は、アナログスイッチAS2と、コンデンサC2と、抵
抗R7,R8とを備えている。アナログスイッチAS2
の一方のチャネル端子は、高調波除去回路13の出力端
に接続され、他方のチャネル端子は、1kΩの抵抗R7
を介して、共に一端が回路接地された0.1μFのコン
デンサC2及び2MΩの抵抗R8に接続されている。ア
ナログスイッチAS2のゲートは、転流指令回路9の出
力端に接続されており、転流指令回路9からハイの転流
指令56が出力されている間、アナログスイッチAS2
がオンされる。
【0040】コンデンサC2は、アナログスイッチAS
2のオン中に、抵抗R7を介して高調波除去回路13の
出力端と接続される。このコンデンサC2は、抵抗R7
とともにRCローパスフィルタを構成して、高調波除去
回路13で除去しきれない高調波成分を除去すると共
に、高調波除去回路13の出力電圧を記憶する。このコ
ンデンサC2の非接地端子には、抵抗R7を介したアナ
ログスイッチAS2、抵抗R8、及び、増幅回路6のオ
ペアンプOP2の非反転入力端が接続されるだけであ
り、しかも、抵抗R8の抵抗値は2MΩと非常に大きい
ので、コンデンサC2の電圧値はアナログスイッチAS
2のオフ後も所定時間保持される。よって、コンデンサ
C2には、アナログスイッチAS2のオフ直前における
高調波除去回路13の電圧値(瞬時出力)が記憶される
のである。
2のオン中に、抵抗R7を介して高調波除去回路13の
出力端と接続される。このコンデンサC2は、抵抗R7
とともにRCローパスフィルタを構成して、高調波除去
回路13で除去しきれない高調波成分を除去すると共
に、高調波除去回路13の出力電圧を記憶する。このコ
ンデンサC2の非接地端子には、抵抗R7を介したアナ
ログスイッチAS2、抵抗R8、及び、増幅回路6のオ
ペアンプOP2の非反転入力端が接続されるだけであ
り、しかも、抵抗R8の抵抗値は2MΩと非常に大きい
ので、コンデンサC2の電圧値はアナログスイッチAS
2のオフ後も所定時間保持される。よって、コンデンサ
C2には、アナログスイッチAS2のオフ直前における
高調波除去回路13の電圧値(瞬時出力)が記憶される
のである。
【0041】なお、転流指令56は、後述するように、
高調波除去回路13の出力電圧が、増幅回路6により増
幅されたサンプリング回路5の出力電圧よりも大きくな
った場合に、転流指令回路9から出力される。このため
何らかの原因によって、サンプリング回路5のコンデン
サC2に大きな電圧値が保持されると、高調波除去回路
13の出力電圧が、増幅されたサンプリング回路5の出
力電圧より大きくなり得ず、転流指令56が発生不能と
なって、ブラシレスモータ51が停止してしまう。
高調波除去回路13の出力電圧が、増幅回路6により増
幅されたサンプリング回路5の出力電圧よりも大きくな
った場合に、転流指令回路9から出力される。このため
何らかの原因によって、サンプリング回路5のコンデン
サC2に大きな電圧値が保持されると、高調波除去回路
13の出力電圧が、増幅されたサンプリング回路5の出
力電圧より大きくなり得ず、転流指令56が発生不能と
なって、ブラシレスモータ51が停止してしまう。
【0042】しかし、サンプリング回路5のコンデンサ
C2には、抵抗R8が並列接続されているので、コンデ
ンサC2に蓄積された電荷は、わずかずつではあるが抵
抗R8によって徐々に放電され、その結果、コンデンサ
C2の電圧値も徐々に低下していく。よって、抵抗R8
をコンデンサC2に並列接続することにより、コンデン
サC2に大きな電圧値が保持されてしまった場合にも、
必ず、転流指令56を再発生させることができ、ブラシ
レスモータ51を停止させてしまうことがない。
C2には、抵抗R8が並列接続されているので、コンデ
ンサC2に蓄積された電荷は、わずかずつではあるが抵
抗R8によって徐々に放電され、その結果、コンデンサ
C2の電圧値も徐々に低下していく。よって、抵抗R8
をコンデンサC2に並列接続することにより、コンデン
サC2に大きな電圧値が保持されてしまった場合にも、
必ず、転流指令56を再発生させることができ、ブラシ
レスモータ51を停止させてしまうことがない。
【0043】この抵抗R8の抵抗値は、コンデンサC2
の容量と、始動時におけるインバータ回路3の転流周波
数の下限値との関係で決定される。即ち、始動時におけ
る転流周波数の下限値を1Hz前後とする場合は、その
6倍の6Hzの周期より若干大きめの時定数を設定し、
略0.2秒前後の範囲となるように、抵抗R8の抵抗値
とコンデンサC2の容量とが決定される。本実施例で
は、コンデンサC2の容量は0.1μFであるので、抵
抗R8の抵抗値は2MΩとされている。
の容量と、始動時におけるインバータ回路3の転流周波
数の下限値との関係で決定される。即ち、始動時におけ
る転流周波数の下限値を1Hz前後とする場合は、その
6倍の6Hzの周期より若干大きめの時定数を設定し、
略0.2秒前後の範囲となるように、抵抗R8の抵抗値
とコンデンサC2の容量とが決定される。本実施例で
は、コンデンサC2の容量は0.1μFであるので、抵
抗R8の抵抗値は2MΩとされている。
【0044】なお、増幅回路6のオペアンプOP2の品
種によっては、非反転入力端からグランドへ漏れ電流
(入力バイアス電流)が流れることがある。かかる場合
には、その漏れ電流により、コンデンサC2の電圧値が
上昇してしまうので、即ち、記憶された高調波除去回路
13の電圧値である転流目標電圧が上昇方向に変化して
しまうので、正常な転流動作を行わせることができなく
なってしまう。しかし、抵抗R8をコンデンサC2に並
列接続することにより、かかる漏れ電流を抵抗R8に流
すことができるので、コンデンサC2の電圧値の上昇を
防ぐことができ、かつ、コンデンサC2の電圧値は必ず
低下する方向に作用するので、コンデンサC2に高調波
除去回路13の出力電圧を維持させることができる。
種によっては、非反転入力端からグランドへ漏れ電流
(入力バイアス電流)が流れることがある。かかる場合
には、その漏れ電流により、コンデンサC2の電圧値が
上昇してしまうので、即ち、記憶された高調波除去回路
13の電圧値である転流目標電圧が上昇方向に変化して
しまうので、正常な転流動作を行わせることができなく
なってしまう。しかし、抵抗R8をコンデンサC2に並
列接続することにより、かかる漏れ電流を抵抗R8に流
すことができるので、コンデンサC2の電圧値の上昇を
防ぐことができ、かつ、コンデンサC2の電圧値は必ず
低下する方向に作用するので、コンデンサC2に高調波
除去回路13の出力電圧を維持させることができる。
【0045】増幅回路6は、サンプリング回路5によっ
て記憶された電圧値を増幅して、優先回路8へ出力する
回路である。増幅回路6は、オペアンプOP2と2つの
抵抗R9,R10とにより構成された非反転増幅器と、
その非反転増幅器の出力を1倍以下に低減する100k
Ωの可変抵抗VR1とを備えており、この可変抵抗VR
1の摺動子端から定常運転時の転流目標電圧が出力され
る。
て記憶された電圧値を増幅して、優先回路8へ出力する
回路である。増幅回路6は、オペアンプOP2と2つの
抵抗R9,R10とにより構成された非反転増幅器と、
その非反転増幅器の出力を1倍以下に低減する100k
Ωの可変抵抗VR1とを備えており、この可変抵抗VR
1の摺動子端から定常運転時の転流目標電圧が出力され
る。
【0046】非反転増幅器のオペアンプOP2は、その
非反転入力端にサンプリング回路5の出力端であるコン
デンサC2が接続され、オペアンプOP2の出力端に
は、抵抗R9及び一端が回路接地された可変抵抗VR1
が接続されている。抵抗R9の他端は、オペアンプOP
2の反転入力端と抵抗R10の一端とに接続され、抵抗
R10の他端は回路接地されている。
非反転入力端にサンプリング回路5の出力端であるコン
デンサC2が接続され、オペアンプOP2の出力端に
は、抵抗R9及び一端が回路接地された可変抵抗VR1
が接続されている。抵抗R9の他端は、オペアンプOP
2の反転入力端と抵抗R10の一端とに接続され、抵抗
R10の他端は回路接地されている。
【0047】非反転増幅器の2つの抵抗R9,R10の
抵抗値は、いずれも同一の10kΩである。よって、サ
ンプリング回路5の出力は、この非反転増幅器OP2,
R9,R10により略2倍に増幅される。2倍に増幅さ
れたサンプリング回路5の出力は、可変抵抗VR1へ出
力され、可変抵抗VR1により1倍以下に低減されて、
優先回路8へ出力される。本実施例では、非反転増幅器
OP2,R9,R10により2倍に増幅されたサンプリ
ング回路5の出力は、可変抵抗VR1によって0.7倍
に低減される。よって、増幅回路6全体としてサンプリ
ング回路5の出力は、1.4倍に増幅されるのである。
図3(e)には、増幅回路6の出力電圧波形が図示され
ている。
抵抗値は、いずれも同一の10kΩである。よって、サ
ンプリング回路5の出力は、この非反転増幅器OP2,
R9,R10により略2倍に増幅される。2倍に増幅さ
れたサンプリング回路5の出力は、可変抵抗VR1へ出
力され、可変抵抗VR1により1倍以下に低減されて、
優先回路8へ出力される。本実施例では、非反転増幅器
OP2,R9,R10により2倍に増幅されたサンプリ
ング回路5の出力は、可変抵抗VR1によって0.7倍
に低減される。よって、増幅回路6全体としてサンプリ
ング回路5の出力は、1.4倍に増幅されるのである。
図3(e)には、増幅回路6の出力電圧波形が図示され
ている。
【0048】なお、当然のことながら、可変抵抗VR1
の摺動子位置を調整することにより、増幅回路6全体の
増幅率も変更できるので、使用状況に合わせて、その増
幅率を変化させることができる。即ち、ブラシレスモー
タ51の常用運転領域で最もモータ効率が向上するよう
にチューニングすることができるのである。
の摺動子位置を調整することにより、増幅回路6全体の
増幅率も変更できるので、使用状況に合わせて、その増
幅率を変化させることができる。即ち、ブラシレスモー
タ51の常用運転領域で最もモータ効率が向上するよう
にチューニングすることができるのである。
【0049】始動補償回路7は、ブラシレスモータ51
の始動時に、ブラシレスモータ51が充分な始動トルク
を発生できるようにするため、増幅されたサンプリング
回路5の出力に代わって、転流目標電圧を転流指令回路
9へ出力するための回路である。この始動補償回路7
は、PWMチョッパ制御回路14と連動して動作する。
即ち、PWMチョッパ制御回路14によるチョッパ制御
のデューティ比が、所定値未満の小さい値から所定値以
上に上げられた場合に、例えば、デューティ比が3%未
満から3%以上にされた場合に、転流目標電圧を優先回
路8を介して転流指令回路9へ出力するのである。
の始動時に、ブラシレスモータ51が充分な始動トルク
を発生できるようにするため、増幅されたサンプリング
回路5の出力に代わって、転流目標電圧を転流指令回路
9へ出力するための回路である。この始動補償回路7
は、PWMチョッパ制御回路14と連動して動作する。
即ち、PWMチョッパ制御回路14によるチョッパ制御
のデューティ比が、所定値未満の小さい値から所定値以
上に上げられた場合に、例えば、デューティ比が3%未
満から3%以上にされた場合に、転流目標電圧を優先回
路8を介して転流指令回路9へ出力するのである。
【0050】始動補償回路7は、PWMチョッパ制御回
路14の出力端にカソード接続されたダイオードD1を
備えており、そのダイオードD1のアノードは、9ボル
トのツェナーダイオードZDのアノードに接続されてい
る。ツェナーダイオードZDのカソードは、0.1μF
のコンデンサC3、及び、56kΩの抵抗R11の一端
と、トランジスタQ1のベース端子とに接続されてい
る。トランジスタQ1のエミッタ端子は、コンデンサC
3及び抵抗R11の他端と、補助電源回路2の10ボル
ト出力とに接続されている。また、トランジスタQ1の
コレクタ端子は、回路接地された1kΩの抵抗R12
と、10μFの電解コンデンサC4のプラス側端子に接
続されており、その電解コンデンサC4のマイナス側端
子は、回路接地された100kΩの抵抗R13と、アノ
ード接地されたダイオードD2のカソード、及び、50
0kΩの可変抵抗VR2の一端に接続されている。可変
抵抗VR2の他端は150kΩの抵抗R14の一端に接
続され、その抵抗R14の他端は、始動補償回路7の出
力端として、優先回路8の入力端であるダイオードD3
のアノードに接続されている。
路14の出力端にカソード接続されたダイオードD1を
備えており、そのダイオードD1のアノードは、9ボル
トのツェナーダイオードZDのアノードに接続されてい
る。ツェナーダイオードZDのカソードは、0.1μF
のコンデンサC3、及び、56kΩの抵抗R11の一端
と、トランジスタQ1のベース端子とに接続されてい
る。トランジスタQ1のエミッタ端子は、コンデンサC
3及び抵抗R11の他端と、補助電源回路2の10ボル
ト出力とに接続されている。また、トランジスタQ1の
コレクタ端子は、回路接地された1kΩの抵抗R12
と、10μFの電解コンデンサC4のプラス側端子に接
続されており、その電解コンデンサC4のマイナス側端
子は、回路接地された100kΩの抵抗R13と、アノ
ード接地されたダイオードD2のカソード、及び、50
0kΩの可変抵抗VR2の一端に接続されている。可変
抵抗VR2の他端は150kΩの抵抗R14の一端に接
続され、その抵抗R14の他端は、始動補償回路7の出
力端として、優先回路8の入力端であるダイオードD3
のアノードに接続されている。
【0051】ここで、図4及び図5を参照して、始動補
償回路7の動作を説明する。PWMチョッパ制御回路1
4の可変抵抗VR4の分圧比が、例えば、3%未満にさ
れている場合には(図4(a)A)、そのPWMチョッ
パ制御回路14のロウ出力のデューティ比も3%未満に
なっている(図4(b)A)。デューティ比が3%未満
のチョッパパルスは、始動補償回路7に入力されても、
ローパスフィルタを構成するコンデンサC3により吸収
され、トランジスタQ1のベース電圧を9.4ボルト以
下に下げることができない(図4(c)A)。よって、
トランジスタQ1をオンさせることができないので(図
4(d)A)、PWMチョッパ制御回路14のロウ出力
のデューティ比が3%未満の状態では、始動補償回路7
からの出力電圧は0ボルトとなっている(図4(e)
A)。
償回路7の動作を説明する。PWMチョッパ制御回路1
4の可変抵抗VR4の分圧比が、例えば、3%未満にさ
れている場合には(図4(a)A)、そのPWMチョッ
パ制御回路14のロウ出力のデューティ比も3%未満に
なっている(図4(b)A)。デューティ比が3%未満
のチョッパパルスは、始動補償回路7に入力されても、
ローパスフィルタを構成するコンデンサC3により吸収
され、トランジスタQ1のベース電圧を9.4ボルト以
下に下げることができない(図4(c)A)。よって、
トランジスタQ1をオンさせることができないので(図
4(d)A)、PWMチョッパ制御回路14のロウ出力
のデューティ比が3%未満の状態では、始動補償回路7
からの出力電圧は0ボルトとなっている(図4(e)
A)。
【0052】かかる状態からPWMチョッパ制御回路1
4の可変抵抗VR4の分圧比が、例えば、3%以上に上
げられると(図4(a)B)、PWMチョッパ制御回路
14のロウ出力のデューティ比も3%以上に上昇する
(図4(b)B)。すると、始動補償回路7のコンデン
サC3の放電が充電に追従できなくなって、トランジス
タQ1のベース電圧が9.4ボルト以下に下げられ(図
4(c)B)、トランジスタQ1がオンされる(図4
(d)B)。
4の可変抵抗VR4の分圧比が、例えば、3%以上に上
げられると(図4(a)B)、PWMチョッパ制御回路
14のロウ出力のデューティ比も3%以上に上昇する
(図4(b)B)。すると、始動補償回路7のコンデン
サC3の放電が充電に追従できなくなって、トランジス
タQ1のベース電圧が9.4ボルト以下に下げられ(図
4(c)B)、トランジスタQ1がオンされる(図4
(d)B)。
【0053】トランジスタQ1がオンされると、コンデ
ンサC4及び抵抗R13で構成される微分回路に10ボ
ルトの電圧が印加されるので、始動補償回路7からは、
可変抵抗VR2及び抵抗R14を介して、その電圧降下
分を差し引いた10ボルト弱の電圧値から時間の経過と
ともに徐々に逓減する微分パルス状の電圧波が優先回路
8へ出力される(図4(e)B)。なお、この電圧波の
出力時間は、コンデンサC4の容量が10μF、抵抗R
13の抵抗値が100kΩであるので、1秒後(10μ
F×100kΩ=1s)には、尖頭値の約37%にまで
低減する。
ンサC4及び抵抗R13で構成される微分回路に10ボ
ルトの電圧が印加されるので、始動補償回路7からは、
可変抵抗VR2及び抵抗R14を介して、その電圧降下
分を差し引いた10ボルト弱の電圧値から時間の経過と
ともに徐々に逓減する微分パルス状の電圧波が優先回路
8へ出力される(図4(e)B)。なお、この電圧波の
出力時間は、コンデンサC4の容量が10μF、抵抗R
13の抵抗値が100kΩであるので、1秒後(10μ
F×100kΩ=1s)には、尖頭値の約37%にまで
低減する。
【0054】優先回路8へ出力された始動補償回路7の
出力電圧は、転流目標電圧として転流指令回路9へ出力
される。よって、ブラシレスモータ51始動時の転流目
標電圧が高く設定されるので、ブラシレスモータ51の
始動時に、始動トルクを発生させるために充分な電機子
電流が流され(図4(f)B)、ブラシレスモータ51
が的確に始動される。
出力電圧は、転流目標電圧として転流指令回路9へ出力
される。よって、ブラシレスモータ51始動時の転流目
標電圧が高く設定されるので、ブラシレスモータ51の
始動時に、始動トルクを発生させるために充分な電機子
電流が流され(図4(f)B)、ブラシレスモータ51
が的確に始動される。
【0055】一方、PWMチョッパ制御回路14の可変
抵抗VR4の分圧比が下げられると、PWMチョッパ制
御回路14のロウ出力のデューティ比の下降とともに、
ブラシレスモータ51へ印加される電圧の実効値も下降
し、ブラシレスモータ51の回転速度が減速されてい
く。そして、可変抵抗VR4の分圧比が3%未満に下げ
られると(図5(a))、PWMチョッパ制御回路14
のロウ出力のデューティ比も3%未満に下降し(図5
(b))、始動補償回路7のコンデンサC3の充電が放
電に追従できなくなって、トランジスタQ1のベース電
圧が9.4ボルト以上に上昇して(図5(c))、トラ
ンジスタQ1がオフされる(図5(d))。トランジス
タQ1がオフされると、コンデンサC4に充電された電
荷は、ダイオードD2及び抵抗R12(1kΩ)を介し
て急速に放電され、初期状態に復帰する。
抵抗VR4の分圧比が下げられると、PWMチョッパ制
御回路14のロウ出力のデューティ比の下降とともに、
ブラシレスモータ51へ印加される電圧の実効値も下降
し、ブラシレスモータ51の回転速度が減速されてい
く。そして、可変抵抗VR4の分圧比が3%未満に下げ
られると(図5(a))、PWMチョッパ制御回路14
のロウ出力のデューティ比も3%未満に下降し(図5
(b))、始動補償回路7のコンデンサC3の充電が放
電に追従できなくなって、トランジスタQ1のベース電
圧が9.4ボルト以上に上昇して(図5(c))、トラ
ンジスタQ1がオフされる(図5(d))。トランジス
タQ1がオフされると、コンデンサC4に充電された電
荷は、ダイオードD2及び抵抗R12(1kΩ)を介し
て急速に放電され、初期状態に復帰する。
【0056】この状態から、再度、PWMチョッパ制御
回路14の可変抵抗VR4の分圧比が3%以上に上げら
れると(図5(a))、PWMチョッパ制御回路14の
ロウ出力のデューティ比も3%以上に上昇し(図5
(b))、トランジスタQ1のベース電圧が9.4ボル
ト以下に下げられ(図5(c))、トランジスタQ1が
オンされる(図5(d))。このトランジスタQ1のオ
ンにより、放電されたコンデンサC4が再度充電される
までの略3秒間、始動補償回路7から微分パルス状の電
圧波が再び出力される(図5(e))。
回路14の可変抵抗VR4の分圧比が3%以上に上げら
れると(図5(a))、PWMチョッパ制御回路14の
ロウ出力のデューティ比も3%以上に上昇し(図5
(b))、トランジスタQ1のベース電圧が9.4ボル
ト以下に下げられ(図5(c))、トランジスタQ1が
オンされる(図5(d))。このトランジスタQ1のオ
ンにより、放電されたコンデンサC4が再度充電される
までの略3秒間、始動補償回路7から微分パルス状の電
圧波が再び出力される(図5(e))。
【0057】このように本始動補償回路7では、PWM
チョッパ制御回路14の可変抵抗VR4の分圧比が所定
値未満(例えば、3%未満)に下げられて、駆動されて
いたブラシレスモータ51が、一旦停止したり、若しく
は、低速回転になったとしても、その後、再度、可変抵
抗VR4の分圧比が所定値以上(例えば、3%以上)に
上げられると、始動補償回路7からブラシレスモーら5
1の始動に充分な転流目標電圧が出力されるので、ブラ
シレスモータ51が的確に始動されるのである。このよ
うに、本始動補償回路7は、PWMチョッパ制御回路1
4に連動して動作するのである。
チョッパ制御回路14の可変抵抗VR4の分圧比が所定
値未満(例えば、3%未満)に下げられて、駆動されて
いたブラシレスモータ51が、一旦停止したり、若しく
は、低速回転になったとしても、その後、再度、可変抵
抗VR4の分圧比が所定値以上(例えば、3%以上)に
上げられると、始動補償回路7からブラシレスモーら5
1の始動に充分な転流目標電圧が出力されるので、ブラ
シレスモータ51が的確に始動されるのである。このよ
うに、本始動補償回路7は、PWMチョッパ制御回路1
4に連動して動作するのである。
【0058】優先回路8は、増幅回路6によって増幅さ
れたサンプリング回路5の出力、即ち、定常運転時にお
ける転流目標電圧と、始動補償回路7の出力、即ち、始
動時における転流目標電圧とのうち、大きい方の出力電
圧を転流指令回路9へ出力するための回路であり、ダイ
オードD3により構成されている。このダイオードD3
は、そのアノードが始動補償回路7の出力端と接続さ
れ、カソードが増幅回路6の出力端、及び、転流指令回
路9の1つの入力端であるコンパレータCP1の反転入
力端に接続されている。よって、優先回路8により、増
幅回路6と始動補償回路7とのうち大きい方の出力電圧
が、転流目標電圧として転流指令回路9へ出力される。
れたサンプリング回路5の出力、即ち、定常運転時にお
ける転流目標電圧と、始動補償回路7の出力、即ち、始
動時における転流目標電圧とのうち、大きい方の出力電
圧を転流指令回路9へ出力するための回路であり、ダイ
オードD3により構成されている。このダイオードD3
は、そのアノードが始動補償回路7の出力端と接続さ
れ、カソードが増幅回路6の出力端、及び、転流指令回
路9の1つの入力端であるコンパレータCP1の反転入
力端に接続されている。よって、優先回路8により、増
幅回路6と始動補償回路7とのうち大きい方の出力電圧
が、転流目標電圧として転流指令回路9へ出力される。
【0059】転流指令回路9は、ブラシレスモータ51
の転流指令を計数回路11、サンプリング回路5、及
び、ゼロリセット回路10へ出力するための回路であ
り、主に、コンパレータCP1と、単安定マルチバイブ
レータMMとから構成されている。コンパレータCP1
の反転入力端は優先回路8の出力端と接続され、一方、
非反転入力端は抵抗R16を介して高調波除去回路13
の出力端と接続されている。また、コンパレータCP1
の出力端は、単安定マルチバイブレータMMの入力端A
に接続され、転流指令を発する単安定マルチバイブレー
タMMの出力端Qは、計数回路11の入力端CK、サン
プリング回路5及びゼロリセット回路10の両アナログ
スイッチAS2,AS3のゲートに接続されている。
の転流指令を計数回路11、サンプリング回路5、及
び、ゼロリセット回路10へ出力するための回路であ
り、主に、コンパレータCP1と、単安定マルチバイブ
レータMMとから構成されている。コンパレータCP1
の反転入力端は優先回路8の出力端と接続され、一方、
非反転入力端は抵抗R16を介して高調波除去回路13
の出力端と接続されている。また、コンパレータCP1
の出力端は、単安定マルチバイブレータMMの入力端A
に接続され、転流指令を発する単安定マルチバイブレー
タMMの出力端Qは、計数回路11の入力端CK、サン
プリング回路5及びゼロリセット回路10の両アナログ
スイッチAS2,AS3のゲートに接続されている。
【0060】また、転流指令回路9はダイオードD4を
備えており、そのダイオードD4のアノードはインバー
タIaの出力端に接続され、そのカソードは100kΩ
の可変抵抗VR3の一端に接続されている。可変抵抗V
R3の他端は、10kΩの抵抗R15の一端に接続さ
れ、抵抗R15の他端は、0.1μFのコンデンサC5
の一端と単安定マルチバイブレータMMとに接続されて
いる。また、コンデンサC5の他端も、単安定マルチバ
イブレータMMに接続されている。
備えており、そのダイオードD4のアノードはインバー
タIaの出力端に接続され、そのカソードは100kΩ
の可変抵抗VR3の一端に接続されている。可変抵抗V
R3の他端は、10kΩの抵抗R15の一端に接続さ
れ、抵抗R15の他端は、0.1μFのコンデンサC5
の一端と単安定マルチバイブレータMMとに接続されて
いる。また、コンデンサC5の他端も、単安定マルチバ
イブレータMMに接続されている。
【0061】転流指令回路9では、コンパレータCP1
によって、高調波除去回路13の出力電圧と優先回路8
の出力電圧との大小が比較される。比較の結果、高調波
除去回路13の出力電圧が優先回路8の出力電圧より大
きくなると、図3(f)に図示するように、コンパレー
タCP1の出力端からハイ信号55が単安定マルチバイ
ブレータMMの入力端Aへ出力される。この結果、図3
(g)に図示するように、単安定マルチバイブレータM
Mの出力端Qから計数回路11へ、ワンショットのハイ
信号(転流指令56)が出力される。なお、この転流指
令56は、サンプリング回路5及びゼロリセット回路1
0のアナログスイッチAS2,AS3のゲートへも同時
に出力され、ハイの間、両スイッチAS2,AS3をオ
ン状態にする。
によって、高調波除去回路13の出力電圧と優先回路8
の出力電圧との大小が比較される。比較の結果、高調波
除去回路13の出力電圧が優先回路8の出力電圧より大
きくなると、図3(f)に図示するように、コンパレー
タCP1の出力端からハイ信号55が単安定マルチバイ
ブレータMMの入力端Aへ出力される。この結果、図3
(g)に図示するように、単安定マルチバイブレータM
Mの出力端Qから計数回路11へ、ワンショットのハイ
信号(転流指令56)が出力される。なお、この転流指
令56は、サンプリング回路5及びゼロリセット回路1
0のアナログスイッチAS2,AS3のゲートへも同時
に出力され、ハイの間、両スイッチAS2,AS3をオ
ン状態にする。
【0062】サンプリング回路5には、アナログスイッ
チAS2のオフ直前における高調波除去回路13の瞬時
出力が保持される。このアナログスイッチAS2は、ハ
イの転流指令56が出力されている間オンされるので、
サンプリング回路5には、転流指令56の立ち下がり時
のタイミングで高調波除去回路13の瞬時出力が保持さ
れることになる。よって、サンプリング回路5による瞬
時出力の抽出タイミングは、転流指令56のパルス幅に
よって決定されるのである。
チAS2のオフ直前における高調波除去回路13の瞬時
出力が保持される。このアナログスイッチAS2は、ハ
イの転流指令56が出力されている間オンされるので、
サンプリング回路5には、転流指令56の立ち下がり時
のタイミングで高調波除去回路13の瞬時出力が保持さ
れることになる。よって、サンプリング回路5による瞬
時出力の抽出タイミングは、転流指令56のパルス幅に
よって決定されるのである。
【0063】このため転流指令56のパルス幅は、その
パルスの終了位置が、図1(b)に図示される第1の電
流増加領域41と第2の電流増加領域42との中間に位
置するように設定される。即ち、第1及び第2の電流増
加領域41,42以外の領域で、サンプリング回路5に
よる抽出が行われるように転流指令56のパルス幅が設
定されるのである。
パルスの終了位置が、図1(b)に図示される第1の電
流増加領域41と第2の電流増加領域42との中間に位
置するように設定される。即ち、第1及び第2の電流増
加領域41,42以外の領域で、サンプリング回路5に
よる抽出が行われるように転流指令56のパルス幅が設
定されるのである。
【0064】この理由は、第1の電流増加領域41の電
流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線への印加電
圧とモータの回転による速度起電力との差、及び、電機
子インピーダンスとにより定まり、特に、電流上昇率は
電機子インピーダンスの時定数により一義的に定まるも
のであって、モータの発生トルクにより定まる電流値及
び上昇率ではないからである。また、第2の電流増加領
域42の電流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線
への印加電圧とモータの回転による速度起電力との差、
及び、電機子インピーダンス中の抵抗成分とによりおお
むね定まり、モータの発生トルクに殆ど寄与しない電流
値だからである。
流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線への印加電
圧とモータの回転による速度起電力との差、及び、電機
子インピーダンスとにより定まり、特に、電流上昇率は
電機子インピーダンスの時定数により一義的に定まるも
のであって、モータの発生トルクにより定まる電流値及
び上昇率ではないからである。また、第2の電流増加領
域42の電流値は、ブラシレスモータ51の電機子巻線
への印加電圧とモータの回転による速度起電力との差、
及び、電機子インピーダンス中の抵抗成分とによりおお
むね定まり、モータの発生トルクに殆ど寄与しない電流
値だからである。
【0065】よって、第1及び第2の電流増加領域4
1,42の電流値を基準にしては、負荷に応じた発生ト
ルクを維持するための適切な転流タイミングを決定する
ことはできない。言い換えれば、第1及び第2の電流増
加領域41,42以外の領域における電流値を基準にす
れば、適切な転流タイミングを決定することができるの
である。従って、かかる第1及び第2の電流増加領域4
1,42以外の領域で、サンプリング回路5による抽出
が行われるように転流指令56のパルス幅が設定され
る。
1,42の電流値を基準にしては、負荷に応じた発生ト
ルクを維持するための適切な転流タイミングを決定する
ことはできない。言い換えれば、第1及び第2の電流増
加領域41,42以外の領域における電流値を基準にす
れば、適切な転流タイミングを決定することができるの
である。従って、かかる第1及び第2の電流増加領域4
1,42以外の領域で、サンプリング回路5による抽出
が行われるように転流指令56のパルス幅が設定され
る。
【0066】具体的には、転流指令56のパルスが第1
及び第2の電流増加領域41,42以外の領域で終了す
るように、転流指令56の最短パルス幅は、ブラシレス
モータ51の電機子インピーダンスにより定まるLR時
定数(τ)の3乃至10倍以上の時間(3τ〜10τ
秒)とされる。サンプリング回路5のサンプル保持動作
時において、高調波除去回路13の瞬時出力が大略飽和
傾向を示し、終値の95%以上となる時間的余裕を考慮
したものである。また、転流指令56の最長パルス幅
は、ブラシレスモータ51の最速回転時における転流周
期(T)の2/3倍の時間(2/3×T秒)とされる。
これは、実験により、最速回転時における第2の電流増
加領域42の幅を1/3×Tと設定したからである
((1−1/3)×T=2/3×T)。
及び第2の電流増加領域41,42以外の領域で終了す
るように、転流指令56の最短パルス幅は、ブラシレス
モータ51の電機子インピーダンスにより定まるLR時
定数(τ)の3乃至10倍以上の時間(3τ〜10τ
秒)とされる。サンプリング回路5のサンプル保持動作
時において、高調波除去回路13の瞬時出力が大略飽和
傾向を示し、終値の95%以上となる時間的余裕を考慮
したものである。また、転流指令56の最長パルス幅
は、ブラシレスモータ51の最速回転時における転流周
期(T)の2/3倍の時間(2/3×T秒)とされる。
これは、実験により、最速回転時における第2の電流増
加領域42の幅を1/3×Tと設定したからである
((1−1/3)×T=2/3×T)。
【0067】ところで、前記したように、可変抵抗VR
3及び抵抗R15には、ダイオードD4を介して、PW
Mチョッパ制御回路14の出力電圧がインバータIaに
より反転されて印加される。よって、チョッパ制御のデ
ューティ比の変化に応じて、その印加電圧の実効値も変
化する。単安定マルチバイブレータMMから出力される
転流指令56のパルス幅は、可変抵抗VR3及び抵抗R
15に印加される電圧値が大きくなると短くなり、逆
に、印加される電圧値が小さくなると長くなる。このた
め、PWMチョッパ制御回路14から出力されるパルス
のデューティ比が大きくなって、ブラシレスモータ51
及び可変抵抗VR3に印加される電圧の実効値が大きく
なると、ブラシレスモータ51の回転速度が速くなると
ともに、転流指令56のパルス幅も短くなる。逆に、P
WMチョッパ制御回路14から出力されるパルスのデュ
ーティ比が小さくなって、ブラシレスモータ51及び可
変抵抗VR3に印加される電圧の実効値が小さくなる
と、ブラシレスモータ51の回転速度が遅くなるととも
に、転流指令56のパルス幅も長くなる。即ち、本転流
指令回路9では、チョッパ制御による可変速運転に追従
して、転流指令56のパルス幅が(サンプリング回路5
による瞬時出力の抽出タイミングが)、適切な位置に自
動修正されるのである。
3及び抵抗R15には、ダイオードD4を介して、PW
Mチョッパ制御回路14の出力電圧がインバータIaに
より反転されて印加される。よって、チョッパ制御のデ
ューティ比の変化に応じて、その印加電圧の実効値も変
化する。単安定マルチバイブレータMMから出力される
転流指令56のパルス幅は、可変抵抗VR3及び抵抗R
15に印加される電圧値が大きくなると短くなり、逆
に、印加される電圧値が小さくなると長くなる。このた
め、PWMチョッパ制御回路14から出力されるパルス
のデューティ比が大きくなって、ブラシレスモータ51
及び可変抵抗VR3に印加される電圧の実効値が大きく
なると、ブラシレスモータ51の回転速度が速くなると
ともに、転流指令56のパルス幅も短くなる。逆に、P
WMチョッパ制御回路14から出力されるパルスのデュ
ーティ比が小さくなって、ブラシレスモータ51及び可
変抵抗VR3に印加される電圧の実効値が小さくなる
と、ブラシレスモータ51の回転速度が遅くなるととも
に、転流指令56のパルス幅も長くなる。即ち、本転流
指令回路9では、チョッパ制御による可変速運転に追従
して、転流指令56のパルス幅が(サンプリング回路5
による瞬時出力の抽出タイミングが)、適切な位置に自
動修正されるのである。
【0068】このように、チョッパ制御による可変速運
転に追従して転流指令56のパルス幅が変化する転流指
令回路9においては、転流指令56のパルス幅の設定範
囲の自由度が増すので、その設定を容易に行うことがで
きる。なお、転流指令56のパルス幅は、ブラシレスモ
ータ51の最速回転時において、その転流周期(T)の
1/2倍(1/2T)となるように設定することが最も
好ましい。
転に追従して転流指令56のパルス幅が変化する転流指
令回路9においては、転流指令56のパルス幅の設定範
囲の自由度が増すので、その設定を容易に行うことがで
きる。なお、転流指令56のパルス幅は、ブラシレスモ
ータ51の最速回転時において、その転流周期(T)の
1/2倍(1/2T)となるように設定することが最も
好ましい。
【0069】ゼロリセット回路10は、転流指令回路9
から出力される転流指令56毎に、高調波除去回路13
の出力電圧を0ボルトに擬制リセットするための回路で
あり、10kΩの抵抗R16と、180pFのコンデン
サC6と、アナログスイッチAS3とから構成されてい
る。抵抗R16の一端は高調波除去回路13の出力端に
接続され、その抵抗R16の他端は、回路接地されたコ
ンデンサC6の一端に接続されており、RCローパスフ
ィルタを構成している。このRCローパスフィルタによ
り、チョッパ制御に伴って発生する静電移行(誘導)ノ
イズや電磁ノイズの他、高調波除去回路13で除去しき
れなかった高調波成分が除去される。
から出力される転流指令56毎に、高調波除去回路13
の出力電圧を0ボルトに擬制リセットするための回路で
あり、10kΩの抵抗R16と、180pFのコンデン
サC6と、アナログスイッチAS3とから構成されてい
る。抵抗R16の一端は高調波除去回路13の出力端に
接続され、その抵抗R16の他端は、回路接地されたコ
ンデンサC6の一端に接続されており、RCローパスフ
ィルタを構成している。このRCローパスフィルタによ
り、チョッパ制御に伴って発生する静電移行(誘導)ノ
イズや電磁ノイズの他、高調波除去回路13で除去しき
れなかった高調波成分が除去される。
【0070】また、抵抗R16の他端、即ち、前記した
RCローパスフィルタの出力端は、アナログスイッチA
S3の一方のチャネル端子と、転流指令回路9の1つの
入力端であるコンパレータCP1の非反転入力端とに接
続されている。アナログスイッチAS3の他方のチャネ
ル端子は回路接地されており、また、アナログスイッチ
AS3のゲートは転流指令回路9の出力端と接続されて
いる。このため転流指令回路9からハイの転流指令56
が出力されると、その転流指令56によって、アナログ
スイッチAS3がオンされて、転流指令回路9のコンパ
レータCP1の非反転入力端が回路接地される。即ち、
0ボルトに擬制リセットされるのである。
RCローパスフィルタの出力端は、アナログスイッチA
S3の一方のチャネル端子と、転流指令回路9の1つの
入力端であるコンパレータCP1の非反転入力端とに接
続されている。アナログスイッチAS3の他方のチャネ
ル端子は回路接地されており、また、アナログスイッチ
AS3のゲートは転流指令回路9の出力端と接続されて
いる。このため転流指令回路9からハイの転流指令56
が出力されると、その転流指令56によって、アナログ
スイッチAS3がオンされて、転流指令回路9のコンパ
レータCP1の非反転入力端が回路接地される。即ち、
0ボルトに擬制リセットされるのである。
【0071】計数回路11は、転流指令回路9から出力
される転流指令56の立ち上がり毎にカウントされる6
進カウンタCT(TC4017とクリア回路)により構
成されている。カウンタCTの入力端CKには、転流指
令回路9の出力端が接続されており、カウンタCTの出
力端0〜5は、分配回路12の各オアゲートORu〜O
Rzに、カウンタCTの出力端6〜9は、ダイオードD
5〜D8を介してクリア端子CLRに、それぞれ接続さ
れている。なお、クリア端子CLRには、他端が回路接
地されたノイズ防止用のコンデンサC7およびプルダウ
ン抵抗R17が接続されている。転流指令回路9からカ
ウンタCTの入力端CKへ立ち上がり信号が入力される
と、かかる信号の入力毎に、出力端0、出力端1、・・
・、出力端5、出力端0の順に、カウンタCTからハイ
信号が出力される。
される転流指令56の立ち上がり毎にカウントされる6
進カウンタCT(TC4017とクリア回路)により構
成されている。カウンタCTの入力端CKには、転流指
令回路9の出力端が接続されており、カウンタCTの出
力端0〜5は、分配回路12の各オアゲートORu〜O
Rzに、カウンタCTの出力端6〜9は、ダイオードD
5〜D8を介してクリア端子CLRに、それぞれ接続さ
れている。なお、クリア端子CLRには、他端が回路接
地されたノイズ防止用のコンデンサC7およびプルダウ
ン抵抗R17が接続されている。転流指令回路9からカ
ウンタCTの入力端CKへ立ち上がり信号が入力される
と、かかる信号の入力毎に、出力端0、出力端1、・・
・、出力端5、出力端0の順に、カウンタCTからハイ
信号が出力される。
【0072】分配回路12は、計数回路11からの出力
をインバータ回路3へ分配して出力するための回路であ
り、6個のオアゲートORu〜ORzと、3個のインバ
ータIu〜Iwとを備えている。各インバータIu〜I
wは、エミッタ端子を回路接地したオープンコレクタ形
のNPN形デジタルトランジスタで構成され、高耐圧と
されている。なお、各インバータIu〜Iwを、デジタ
ルトランジスタに代えて、ソース端子を回路接地したN
−MOS電界効果トランジスタで構成するようにしても
良い。また、必要に応じてフォトカプラなどを用いて構
成しても良い。
をインバータ回路3へ分配して出力するための回路であ
り、6個のオアゲートORu〜ORzと、3個のインバ
ータIu〜Iwとを備えている。各インバータIu〜I
wは、エミッタ端子を回路接地したオープンコレクタ形
のNPN形デジタルトランジスタで構成され、高耐圧と
されている。なお、各インバータIu〜Iwを、デジタ
ルトランジスタに代えて、ソース端子を回路接地したN
−MOS電界効果トランジスタで構成するようにしても
良い。また、必要に応じてフォトカプラなどを用いて構
成しても良い。
【0073】分配回路12のオアゲートORuの入力端
は、カウンタCTの出力端0,1と接続され、その出力
端はインバータIuの入力端に接続されている。オアゲ
ートORvの入力端は、カウンタCTの出力端2,3と
接続され、その出力端はインバータIvの入力端に接続
されている。オアゲートORwの入力端は、カウンタC
Tの出力端4,5と接続され、その出力端はインバータ
Iwの入力端に接続されている。オアゲートORxの入
力端はカウンタCTの出力端3,4と接続され、オアゲ
ートORyの入力端はカウンタCTの出力端5,0と接
続され、更に、オアゲートORzの入力端はカウンタC
Tの出力端1,2と接続されている。インバータIu〜
IwおよびオアゲートORx〜ORzの出力端は、イン
バータ回路3の各電界効果トランジスタQu〜Qzのゲ
ート端子に接続された抵抗R1u〜R1zに接続されて
いる。図6は、かかる分配回路12の入出力の関係と、
その関係に対応したブラシレスモータ51の3相(U
相、V相、Z相)の電機子巻線に流れる電流方向を示し
ている。
は、カウンタCTの出力端0,1と接続され、その出力
端はインバータIuの入力端に接続されている。オアゲ
ートORvの入力端は、カウンタCTの出力端2,3と
接続され、その出力端はインバータIvの入力端に接続
されている。オアゲートORwの入力端は、カウンタC
Tの出力端4,5と接続され、その出力端はインバータ
Iwの入力端に接続されている。オアゲートORxの入
力端はカウンタCTの出力端3,4と接続され、オアゲ
ートORyの入力端はカウンタCTの出力端5,0と接
続され、更に、オアゲートORzの入力端はカウンタC
Tの出力端1,2と接続されている。インバータIu〜
IwおよびオアゲートORx〜ORzの出力端は、イン
バータ回路3の各電界効果トランジスタQu〜Qzのゲ
ート端子に接続された抵抗R1u〜R1zに接続されて
いる。図6は、かかる分配回路12の入出力の関係と、
その関係に対応したブラシレスモータ51の3相(U
相、V相、Z相)の電機子巻線に流れる電流方向を示し
ている。
【0074】PWMチョッパ制御回路14は、チョッパ
状の矩形波をインバータ回路3の下アームトランジスタ
Qx〜Qzへ出力して、ブラシレスモータ51をチョッ
パ制御するための回路である。PWMチョッパ制御回路
14から出力される矩形波のデューティ比を制御するこ
とにより、ブラシレスモータ51に印加される実効電圧
が制御され、ブラシレスモータ51の可変速運転が行わ
れるのである。
状の矩形波をインバータ回路3の下アームトランジスタ
Qx〜Qzへ出力して、ブラシレスモータ51をチョッ
パ制御するための回路である。PWMチョッパ制御回路
14から出力される矩形波のデューティ比を制御するこ
とにより、ブラシレスモータ51に印加される実効電圧
が制御され、ブラシレスモータ51の可変速運転が行わ
れるのである。
【0075】このPWMチョッパ制御回路14は、コン
パレータCP2を備えており、そのコンパレータCP2
の非反転入力端には、100kΩの抵抗R19と、22
0kΩの抵抗R20と、ダイオードD9のアノードとが
接続されている。抵抗R20の他端は回路接地され、抵
抗R19の他端は、補助電源回路2の10ボルト出力に
接続されている。また、ダイオードD9のカソードは、
他端が補助電源回路2の10ボルト出力に接続された1
kΩの抵抗R18と、コンパレータCP2の出力端と、
82kΩの抵抗R21と、ダイオードD10のカソード
とに接続されている。抵抗R21の他端及びダイオード
D10のアノードは、回路接地された180pFのコン
デンサC8、及び、コンパレータCP2の反転入力端に
接続されている。
パレータCP2を備えており、そのコンパレータCP2
の非反転入力端には、100kΩの抵抗R19と、22
0kΩの抵抗R20と、ダイオードD9のアノードとが
接続されている。抵抗R20の他端は回路接地され、抵
抗R19の他端は、補助電源回路2の10ボルト出力に
接続されている。また、ダイオードD9のカソードは、
他端が補助電源回路2の10ボルト出力に接続された1
kΩの抵抗R18と、コンパレータCP2の出力端と、
82kΩの抵抗R21と、ダイオードD10のカソード
とに接続されている。抵抗R21の他端及びダイオード
D10のアノードは、回路接地された180pFのコン
デンサC8、及び、コンパレータCP2の反転入力端に
接続されている。
【0076】コンパレータCP2の反転入力端は、この
他に、コンパレータCP3の非反転入力端に接続されて
いる。一方、コンパレータCP3の反転入力端は、マイ
ナス側端子が回路接地された10μFの電解コンデンサ
C9のプラス側端子と、10kΩの抵抗R22に接続さ
れている。抵抗R22の他端は、5kΩの可変抵抗VR
4の摺動子に接続され、可変抵抗VR4の一端は、他端
が補助電源回路2の10ボルト出力に接続された2.2
kΩの抵抗R23に接続され、その他端は、回路接地さ
れた560Ωの抵抗R24に接続されている。
他に、コンパレータCP3の非反転入力端に接続されて
いる。一方、コンパレータCP3の反転入力端は、マイ
ナス側端子が回路接地された10μFの電解コンデンサ
C9のプラス側端子と、10kΩの抵抗R22に接続さ
れている。抵抗R22の他端は、5kΩの可変抵抗VR
4の摺動子に接続され、可変抵抗VR4の一端は、他端
が補助電源回路2の10ボルト出力に接続された2.2
kΩの抵抗R23に接続され、その他端は、回路接地さ
れた560Ωの抵抗R24に接続されている。
【0077】更に、コンパレータCP3の出力端は、1
kΩのプルアップ抵抗R25を介して補助電源回路2の
10ボルト出力に接続されるとともに、PWMチョッパ
制御回路14の出力端として、インバータIa,Ix〜
Izの入力端と、始動補償回路7の入力端とに接続され
ている。
kΩのプルアップ抵抗R25を介して補助電源回路2の
10ボルト出力に接続されるとともに、PWMチョッパ
制御回路14の出力端として、インバータIa,Ix〜
Izの入力端と、始動補償回路7の入力端とに接続され
ている。
【0078】このPWMチョッパ制御回路14からは、
約20kHzの矩形波が出力される。その矩形波のデュ
ーティ比は、可変抵抗VR4の摺動子位置を変更するこ
とにより、変更される。なお、可変抵抗VR4の摺動子
位置が急変された場合、コンデンサC9の作用によっ
て、PWMチョッパ制御回路14から出力される矩形波
のデューティ比は、急変することなく、徐々に変更され
ていく。従って、かかる摺動子位置の急変時において
も、ブラシレスモータ51の回転速度は徐々に変更さ
れ、円滑に駆動される。
約20kHzの矩形波が出力される。その矩形波のデュ
ーティ比は、可変抵抗VR4の摺動子位置を変更するこ
とにより、変更される。なお、可変抵抗VR4の摺動子
位置が急変された場合、コンデンサC9の作用によっ
て、PWMチョッパ制御回路14から出力される矩形波
のデューティ比は、急変することなく、徐々に変更され
ていく。従って、かかる摺動子位置の急変時において
も、ブラシレスモータ51の回転速度は徐々に変更さ
れ、円滑に駆動される。
【0079】次に、上記のように構成されたブラシレス
モータ駆動回路1の動作を説明する。直流電源50から
30ボルトの直流電圧が印加されると、補助電源回路2
から各回路へ10ボルトの安定化した電圧が供給され
る。補助電源回路2から10ボルトの駆動電圧をうけた
計数回路11は、出力端0〜5から例えば「10000
0」の信号を、分配回路12に対して出力する。これを
うけた分配回路12は、「uvwxyz」の出力として
「011010」をインバータ回路3へ出力する(図6
参照)。インバータ回路3では、かかる信号により、上
アームトランジスタQuがオンされるとともに、下アー
ムトランジスタQyがPWMチョッパ制御回路14から
出力されるチョッパ状の矩形波に基づいてオンオフされ
る。この結果、ブラシレスモータ51の電機子巻線のU
相からV相へ電機子電流が流れ、ブラシレスモータ51
の駆動が開始される。なお、この電機子電流は、下アー
ムトランジスタQyがオンの時に増加し、オフの時に減
少する略三角波状の脈動(高調波成分)を伴ったものと
なる。
モータ駆動回路1の動作を説明する。直流電源50から
30ボルトの直流電圧が印加されると、補助電源回路2
から各回路へ10ボルトの安定化した電圧が供給され
る。補助電源回路2から10ボルトの駆動電圧をうけた
計数回路11は、出力端0〜5から例えば「10000
0」の信号を、分配回路12に対して出力する。これを
うけた分配回路12は、「uvwxyz」の出力として
「011010」をインバータ回路3へ出力する(図6
参照)。インバータ回路3では、かかる信号により、上
アームトランジスタQuがオンされるとともに、下アー
ムトランジスタQyがPWMチョッパ制御回路14から
出力されるチョッパ状の矩形波に基づいてオンオフされ
る。この結果、ブラシレスモータ51の電機子巻線のU
相からV相へ電機子電流が流れ、ブラシレスモータ51
の駆動が開始される。なお、この電機子電流は、下アー
ムトランジスタQyがオンの時に増加し、オフの時に減
少する略三角波状の脈動(高調波成分)を伴ったものと
なる。
【0080】ブラシレスモータ51に流された電機子電
流は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、電圧変換されて、高調波除去回路13へ出力され
る。この電流検出回路4の出力電圧は、高調波除去回路
13によって、PWMチョッパ制御回路14の出力に同
期して、インバータ回路3の下アームトランジスタQy
がオンされている間に、コンデンサC1に記憶される。
このようにチョッパ制御に同期して電流検出回路4の出
力電圧を記憶することにより、チョッパ制御による高調
波成分が除去される。コンデンサC1に記憶された電流
検出回路4の出力電圧は、略5.7倍に増幅されて、抵
抗R16及びコンデンサC6で構成されるRCローパス
フィルタを介して、転流指令回路9のコンパレータCP
1の非反転入力端へ出力される。
流は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、電圧変換されて、高調波除去回路13へ出力され
る。この電流検出回路4の出力電圧は、高調波除去回路
13によって、PWMチョッパ制御回路14の出力に同
期して、インバータ回路3の下アームトランジスタQy
がオンされている間に、コンデンサC1に記憶される。
このようにチョッパ制御に同期して電流検出回路4の出
力電圧を記憶することにより、チョッパ制御による高調
波成分が除去される。コンデンサC1に記憶された電流
検出回路4の出力電圧は、略5.7倍に増幅されて、抵
抗R16及びコンデンサC6で構成されるRCローパス
フィルタを介して、転流指令回路9のコンパレータCP
1の非反転入力端へ出力される。
【0081】一方、始動補償回路7では、PWMチョッ
パ制御回路14から出力される矩形波のロウのデューテ
ィ比が所定値以上(例えば、3%以上)に達すると(図
4(b)B)、トランジスタQ1がオンされる(図4
(d)B)。このトランジスタQ1のオンにより、コン
デンサC4及び抵抗R13より構成される微分回路が作
動し、10ボルト弱の電圧値から徐々に下降する微分パ
ルス状の電圧が優先回路8へ出力される(図4(e)
B)。
パ制御回路14から出力される矩形波のロウのデューテ
ィ比が所定値以上(例えば、3%以上)に達すると(図
4(b)B)、トランジスタQ1がオンされる(図4
(d)B)。このトランジスタQ1のオンにより、コン
デンサC4及び抵抗R13より構成される微分回路が作
動し、10ボルト弱の電圧値から徐々に下降する微分パ
ルス状の電圧が優先回路8へ出力される(図4(e)
B)。
【0082】優先回路8へは、始動補償回路7の出力の
他に、増幅回路6により増幅されたサンプリング回路5
の電圧も出力される。しかし、転流指令が未だ1度も発
せられていない状態では、サンプリング回路5のサンプ
ル動作は行われておらず、出力電圧は0ボルトであるの
で、優先回路8によって、始動補償回路7の出力が、サ
ンプリング回路5の出力より優先され、転流指令回路9
のコンパレータCP1の反転入力端へ出力される。
他に、増幅回路6により増幅されたサンプリング回路5
の電圧も出力される。しかし、転流指令が未だ1度も発
せられていない状態では、サンプリング回路5のサンプ
ル動作は行われておらず、出力電圧は0ボルトであるの
で、優先回路8によって、始動補償回路7の出力が、サ
ンプリング回路5の出力より優先され、転流指令回路9
のコンパレータCP1の反転入力端へ出力される。
【0083】転流指令回路9では、コンパレータCP1
により、高調波除去回路13の出力電圧と、優先回路8
を介して出力された始動補償回路7の出力電圧とが比較
される。比較の結果、高調波除去回路13の出力電圧が
始動補償回路7の出力電圧より大きくなるまで、転流指
令56の出力が待機される。この転流指令56の出力が
待機される間、電機子巻線の同じ相(例えば、U相から
V相)への通電が継続されるので、ブラシレスモータ5
1へ始動トルクを発生させるために充分な電機子電流が
供給され、ブラシレスモータ51の界磁回転子が徐々に
回転を開始する。
により、高調波除去回路13の出力電圧と、優先回路8
を介して出力された始動補償回路7の出力電圧とが比較
される。比較の結果、高調波除去回路13の出力電圧が
始動補償回路7の出力電圧より大きくなるまで、転流指
令56の出力が待機される。この転流指令56の出力が
待機される間、電機子巻線の同じ相(例えば、U相から
V相)への通電が継続されるので、ブラシレスモータ5
1へ始動トルクを発生させるために充分な電機子電流が
供給され、ブラシレスモータ51の界磁回転子が徐々に
回転を開始する。
【0084】界磁の回転にともなって、ブラシレスモー
タ51の電機子電流の値は変化する。電機子電流値の変
化は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、PWMチョッパ制御回路14の出力に同期して、
高調波除去回路13に記憶される。記憶された電流検出
回路4の出力電圧は、高調波除去回路13内にて略5.
7倍に増幅され、ゼロリセット回路10を介して転流指
令回路9のコンパレータCP1の非反転入力端へ出力さ
れる。この結果、高調波除去回路13の出力電圧が始動
補償回路7の出力電圧より大となると、転流指令回路9
のコンパレータCP1からハイ信号55が出力され、単
安定マルチバイブレータMMからワンショットの転流指
令56が計数回路11へ出力される。
タ51の電機子電流の値は変化する。電機子電流値の変
化は、電流検出回路4のシャント抵抗Rsによって検出
され、PWMチョッパ制御回路14の出力に同期して、
高調波除去回路13に記憶される。記憶された電流検出
回路4の出力電圧は、高調波除去回路13内にて略5.
7倍に増幅され、ゼロリセット回路10を介して転流指
令回路9のコンパレータCP1の非反転入力端へ出力さ
れる。この結果、高調波除去回路13の出力電圧が始動
補償回路7の出力電圧より大となると、転流指令回路9
のコンパレータCP1からハイ信号55が出力され、単
安定マルチバイブレータMMからワンショットの転流指
令56が計数回路11へ出力される。
【0085】転流指令56を入力した計数回路11のカ
ウンタCTは、転流指令56のパルスの立ち上がりに応
動して出力端0〜5の出力状態を更新し、分配回路12
へ出力する。例えば、転流指令前の出力端0〜5の出力
状態が「100000」であれば、転流指令56によっ
て、「010000」に更新される(図6参照)。この
結果、分配回路12の「uvwxyz」の各出力は「0
11001」となり、インバータ回路3のオンされてい
た電界効果トランジスタQu,Qyに代わって、電界効
果トランジスタQu,Qzがオンされ、U相からV相へ
流されていたブラシレスモータ51の電機子電流がU相
からW相へ転流される。
ウンタCTは、転流指令56のパルスの立ち上がりに応
動して出力端0〜5の出力状態を更新し、分配回路12
へ出力する。例えば、転流指令前の出力端0〜5の出力
状態が「100000」であれば、転流指令56によっ
て、「010000」に更新される(図6参照)。この
結果、分配回路12の「uvwxyz」の各出力は「0
11001」となり、インバータ回路3のオンされてい
た電界効果トランジスタQu,Qyに代わって、電界効
果トランジスタQu,Qzがオンされ、U相からV相へ
流されていたブラシレスモータ51の電機子電流がU相
からW相へ転流される。
【0086】一方、転流指令回路9から出力される転流
指令56は、計数回路11のみならず、サンプリング回
路5及びゼロリセット回路10へも出力され、両回路
5,10のアナログスイッチAS2,AS3をオンさせ
る。
指令56は、計数回路11のみならず、サンプリング回
路5及びゼロリセット回路10へも出力され、両回路
5,10のアナログスイッチAS2,AS3をオンさせ
る。
【0087】ゼロリセット回路10のアナログスイッチ
AS3がオンされると、高調波除去回路13の出力電圧
が0ボルトに擬制リセットされる。これによりコンパレ
ータCP1の非反転入力端への出力電圧が、その反転入
力端への出力電圧より確実に低くされるので、転流指令
回路9のコンパレータCP1の出力がハイからロウに切
り替えられ、単一パルス55を生じる(図3(f))。
よって、前記単一パルス55に応動した転流指令回路9
の単安定マルチバイブレータMMは、PWMチョッパ制
御回路14のロウ出力のデューティ比と、可変抵抗VR
3、抵抗R15及びコンデンサC5で定まる所定時間が
経過すると、その出力をハイからロウへ切り替えて、次
の転流指令56の発生待機状態へ移行する。
AS3がオンされると、高調波除去回路13の出力電圧
が0ボルトに擬制リセットされる。これによりコンパレ
ータCP1の非反転入力端への出力電圧が、その反転入
力端への出力電圧より確実に低くされるので、転流指令
回路9のコンパレータCP1の出力がハイからロウに切
り替えられ、単一パルス55を生じる(図3(f))。
よって、前記単一パルス55に応動した転流指令回路9
の単安定マルチバイブレータMMは、PWMチョッパ制
御回路14のロウ出力のデューティ比と、可変抵抗VR
3、抵抗R15及びコンデンサC5で定まる所定時間が
経過すると、その出力をハイからロウへ切り替えて、次
の転流指令56の発生待機状態へ移行する。
【0088】一方、サンプリング回路5は、転流指令5
6によりアナログスイッチAS2がオンされると、高調
波除去回路13の出力端と接続され、その高調波除去回
路13の出力電圧が、抵抗R7及びコンデンサC2で構
成されるRCローパスフィルタを介して、コンデンサC
2に入力される。この状態から転流指令56がハイから
ロウへ切り替わると、アナログスイッチAS2がオフさ
れるが、このオフ直前における高調波除去回路13の電
圧値(瞬時出力)が、コンデンサC2に記憶される。記
憶された電圧値(瞬時出力)は、増幅回路6により略
1.4倍に増幅され、優先回路8へ出力される。なお、
前記したように、転流指令56は、第1及び第2の電流
増加領域41,42の中間領域でハイからロウへ切り替
わるので、その中間領域における電流検出回路4の瞬時
出力が、高調波除去回路13を介して、サンプリング回
路5により抽出されるのである。
6によりアナログスイッチAS2がオンされると、高調
波除去回路13の出力端と接続され、その高調波除去回
路13の出力電圧が、抵抗R7及びコンデンサC2で構
成されるRCローパスフィルタを介して、コンデンサC
2に入力される。この状態から転流指令56がハイから
ロウへ切り替わると、アナログスイッチAS2がオフさ
れるが、このオフ直前における高調波除去回路13の電
圧値(瞬時出力)が、コンデンサC2に記憶される。記
憶された電圧値(瞬時出力)は、増幅回路6により略
1.4倍に増幅され、優先回路8へ出力される。なお、
前記したように、転流指令56は、第1及び第2の電流
増加領域41,42の中間領域でハイからロウへ切り替
わるので、その中間領域における電流検出回路4の瞬時
出力が、高調波除去回路13を介して、サンプリング回
路5により抽出されるのである。
【0089】ところで、図4(e)Bに図示するよう
に、始動補償回路7の出力電圧は、10ボルト弱の電圧
値から時間の経過とともに負の勾配を有して徐々に逓減
する。一方、サンプリング回路5の出力電圧は、電流検
出回路4によって検出された電機子電流の瞬時値である
ので、ブラシレスモータ51の始動後徐々に(段階的
に)上昇していく。このため増幅されたサンプリング回
路5の出力電圧は、電機子電流の通電開始後、時間の経
過とともに徐々に離散的に上昇する。
に、始動補償回路7の出力電圧は、10ボルト弱の電圧
値から時間の経過とともに負の勾配を有して徐々に逓減
する。一方、サンプリング回路5の出力電圧は、電流検
出回路4によって検出された電機子電流の瞬時値である
ので、ブラシレスモータ51の始動後徐々に(段階的
に)上昇していく。このため増幅されたサンプリング回
路5の出力電圧は、電機子電流の通電開始後、時間の経
過とともに徐々に離散的に上昇する。
【0090】優先回路8は、この増幅されたサンプリン
グ回路5の出力電圧と、始動補償回路7の出力電圧との
うち、大きい方の出力電圧を転流指令回路9へ出力する
ので、優先回路8の出力は、ある時点を境にして、始動
補償回路7の出力電圧から、増幅されたサンプリング回
路5の出力電圧へと切り替わる。そして、この切替以降
は、増幅されたサンプリング回路5の出力電圧が、優先
回路8の出力電圧(即ち、転流目標電圧)として、継続
して転流指令回路9へ出力されるのである。
グ回路5の出力電圧と、始動補償回路7の出力電圧との
うち、大きい方の出力電圧を転流指令回路9へ出力する
ので、優先回路8の出力は、ある時点を境にして、始動
補償回路7の出力電圧から、増幅されたサンプリング回
路5の出力電圧へと切り替わる。そして、この切替以降
は、増幅されたサンプリング回路5の出力電圧が、優先
回路8の出力電圧(即ち、転流目標電圧)として、継続
して転流指令回路9へ出力されるのである。
【0091】転流指令回路9のコンパレータCP1は、
高調波除去回路13の出力電圧がサンプリング回路5の
出力電圧の1.4倍以上となると、単安定マルチバイブ
レータMMへハイ信号55を出力する(図3(f))。
その結果、転流指令回路9からワンショットの転流指令
56が計数回路11(及び、サンプリング回路5、ゼロ
リセット回路10)へ出力され(図3(g))、計数回
路11、分配回路12及びインバータ回路3によって、
ブラシレスモータ51の転流が行われる。
高調波除去回路13の出力電圧がサンプリング回路5の
出力電圧の1.4倍以上となると、単安定マルチバイブ
レータMMへハイ信号55を出力する(図3(f))。
その結果、転流指令回路9からワンショットの転流指令
56が計数回路11(及び、サンプリング回路5、ゼロ
リセット回路10)へ出力され(図3(g))、計数回
路11、分配回路12及びインバータ回路3によって、
ブラシレスモータ51の転流が行われる。
【0092】以上説明したように、ブラシレスモータ5
1の電機子電流が、サンプリング回路5により保持され
た瞬時値の1.4倍以上となると、転流指令56が出力
される。サンプリング回路5による抽出は、第1及び第
2の電流増加領域41,42の中間の領域で行われるの
で、転流指令56は第2の電流増加領域42において出
力され、この領域42でブラシレスモータ51の転流が
行われる。よって、このブラシレスモータ駆動回路1に
より、ホール素子やシャフトエンコーダなどの回転子磁
極位置センサを用いることなく、ブラシレスモータ51
を円滑に駆動することができる。
1の電機子電流が、サンプリング回路5により保持され
た瞬時値の1.4倍以上となると、転流指令56が出力
される。サンプリング回路5による抽出は、第1及び第
2の電流増加領域41,42の中間の領域で行われるの
で、転流指令56は第2の電流増加領域42において出
力され、この領域42でブラシレスモータ51の転流が
行われる。よって、このブラシレスモータ駆動回路1に
より、ホール素子やシャフトエンコーダなどの回転子磁
極位置センサを用いることなく、ブラシレスモータ51
を円滑に駆動することができる。
【0093】特に、本実施例のモータ駆動回路1では、
チョッパ制御に伴う高調波成分は、ローパスフィルタに
より平均化して除去するのではなく、高調波除去回路1
3をチョッパ制御に同期して動作させることにより除去
している。よって、チョッパ制御のデューティ比が小さ
い場合にも、電機子電流を通常の大きさに保ったまま検
出することができる。従って、デューティ比の小さい低
速運転時においても、適切なタイミングで転流動作を行
わせることができるので、デューティ比が3%〜100
%の全域において、ブラシレスモータ51を可変速運転
させることができる。
チョッパ制御に伴う高調波成分は、ローパスフィルタに
より平均化して除去するのではなく、高調波除去回路1
3をチョッパ制御に同期して動作させることにより除去
している。よって、チョッパ制御のデューティ比が小さ
い場合にも、電機子電流を通常の大きさに保ったまま検
出することができる。従って、デューティ比の小さい低
速運転時においても、適切なタイミングで転流動作を行
わせることができるので、デューティ比が3%〜100
%の全域において、ブラシレスモータ51を可変速運転
させることができる。
【0094】また、電流検出回路4の瞬時出力をサンプ
リング回路5により抽出し、その瞬時値に基づいて転流
動作を行うようにしているので、負荷トルクの急変時に
も、転流タイミングが迅速に調節され、適切な転流動作
を行うことができる。
リング回路5により抽出し、その瞬時値に基づいて転流
動作を行うようにしているので、負荷トルクの急変時に
も、転流タイミングが迅速に調節され、適切な転流動作
を行うことができる。
【0095】更に、本モータ駆動回路1では、負荷トル
クの変動によるブラシレスモータ51の加減速現象に対
しても、転流タイミングの自己修復作用を備えているの
で、モータ51の回転とインバータ回路3による出力周
波数の同期状態が、自己修復されるのである。
クの変動によるブラシレスモータ51の加減速現象に対
しても、転流タイミングの自己修復作用を備えているの
で、モータ51の回転とインバータ回路3による出力周
波数の同期状態が、自己修復されるのである。
【0096】例えば、負荷トルクが大きくなると、ブラ
シレスモータ51の回転速度は遅くなるが、この回転速
度の遅れに伴って、サンプリング回路5の抽出時期が、
電機子電流波形に対して通常よりも速くなる。すると、
サンプリング回路5は、第1の電流増加領域41に近い
領域の電機子電流値を抽出する。図1(b)に示すよう
に、電機子電流の波形は中央部で最小となり、その前後
では増加傾向を示すため、通常の抽出値より大きな値が
抽出される。このため転流指令が発生されるべき電機子
電流値が上昇し、転流指令の発生タイミングが通常より
も遅くなる。転流指令56の発生タイミングが、第2の
電流増加領域42の終端側へ移行するからである。ま
た、モータの回転速度の低下に伴う速度起電力の低下に
より電機子巻線に印加される実効の電圧が増加するた
め、電機子電流も増加して、この現象が電流検出回路4
(高調波除去回路13)及びサンプリング回路5を介し
てフィードバックされるため、転流指令56の発生タイ
ミングはモータの回転速度に追従して、常に適正な位置
に修復される。よって、1ブロックの通電時間が長くな
り、ブラシレスモータ51へ供給される電流が増加し、
トルクが増加するので、ブラシレスモータ51の減速傾
向が抑制され、モータの回転とインバータ回路3による
出力周波数の同期関係が適正に自己修復されるのであ
る。
シレスモータ51の回転速度は遅くなるが、この回転速
度の遅れに伴って、サンプリング回路5の抽出時期が、
電機子電流波形に対して通常よりも速くなる。すると、
サンプリング回路5は、第1の電流増加領域41に近い
領域の電機子電流値を抽出する。図1(b)に示すよう
に、電機子電流の波形は中央部で最小となり、その前後
では増加傾向を示すため、通常の抽出値より大きな値が
抽出される。このため転流指令が発生されるべき電機子
電流値が上昇し、転流指令の発生タイミングが通常より
も遅くなる。転流指令56の発生タイミングが、第2の
電流増加領域42の終端側へ移行するからである。ま
た、モータの回転速度の低下に伴う速度起電力の低下に
より電機子巻線に印加される実効の電圧が増加するた
め、電機子電流も増加して、この現象が電流検出回路4
(高調波除去回路13)及びサンプリング回路5を介し
てフィードバックされるため、転流指令56の発生タイ
ミングはモータの回転速度に追従して、常に適正な位置
に修復される。よって、1ブロックの通電時間が長くな
り、ブラシレスモータ51へ供給される電流が増加し、
トルクが増加するので、ブラシレスモータ51の減速傾
向が抑制され、モータの回転とインバータ回路3による
出力周波数の同期関係が適正に自己修復されるのであ
る。
【0097】一方、負荷トルクが小さくなると、ブラシ
レスモータ51の回転速度が速くなるので、サンプリン
グ回路5の抽出時期が、電機子電流波形に対して通常よ
りも遅くなる。すると、サンプリング回路5は、第2の
電流増加領域42に近い領域の電機子電流値を抽出する
ので、通常の抽出値より大きな値が抽出される。このた
め転流指令56が発生される電機子電流値が上昇し、転
流指令56の発生タイミングが通常よりも遅くなる。す
ると、負荷トルクの減少により速く回転しようとするブ
ラシレスモータ51に対して、転流動作が遅れ気味に推
移し、結果的に、ブラシレスモータ51の回転にブレー
キがかけられることになり、モータ51の回転上昇が抑
制されて、モータの回転とインバータ回路3による出力
周波数の同期関係が適正に自己修復されるのである。そ
の後、回転速度の増加に伴う速度起電力の増加により、
電機子巻線に印加される実効の電圧が減少するため、電
機子電流も減少傾向をたどり、この現象が電流検出回路
4(高調波除去回路13)及びサンプリング回路5を介
してフィードバックされ、転流タイミングは適正な位置
に修復される。
レスモータ51の回転速度が速くなるので、サンプリン
グ回路5の抽出時期が、電機子電流波形に対して通常よ
りも遅くなる。すると、サンプリング回路5は、第2の
電流増加領域42に近い領域の電機子電流値を抽出する
ので、通常の抽出値より大きな値が抽出される。このた
め転流指令56が発生される電機子電流値が上昇し、転
流指令56の発生タイミングが通常よりも遅くなる。す
ると、負荷トルクの減少により速く回転しようとするブ
ラシレスモータ51に対して、転流動作が遅れ気味に推
移し、結果的に、ブラシレスモータ51の回転にブレー
キがかけられることになり、モータ51の回転上昇が抑
制されて、モータの回転とインバータ回路3による出力
周波数の同期関係が適正に自己修復されるのである。そ
の後、回転速度の増加に伴う速度起電力の増加により、
電機子巻線に印加される実効の電圧が減少するため、電
機子電流も減少傾向をたどり、この現象が電流検出回路
4(高調波除去回路13)及びサンプリング回路5を介
してフィードバックされ、転流タイミングは適正な位置
に修復される。
【0098】次に、図面を参照して、前記した実施例の
変形例を説明する。なお、前記した実施例と同一の部分
には同一の番号を付し、その説明は省略する。
変形例を説明する。なお、前記した実施例と同一の部分
には同一の番号を付し、その説明は省略する。
【0099】まず、図7を参照して、インバータIx〜
Izで構成されるチョッパドライバの変形例を説明す
る。図7に図示するチョッパドライバは、3つのインバ
ータIx〜Izに代えて、1つのインバータ(NPN形
デジタルトランジスタ)Ibと、3つのダイオードD1
5,D16,D17とで構成されており、回路の低コス
ト化が図られている。インバータIbの出力端は、3つ
のダイオードD15〜D17のカソードに接続されてお
り、各ダイオードD15〜D17のアノードは、それぞ
れ下アームトランジスタQx〜Qzのゲート端子に接続
されている。インバータIbの入力端は、PWMチョッ
パ制御回路14の出力端に接続されているので、PWM
チョッパ制御回路14からチョッパパルスが出力される
と、その出力に同期して、分配回路12によりオンされ
ている下アームトランジスタQx〜Qzがチョッパ制御
されるのである。
Izで構成されるチョッパドライバの変形例を説明す
る。図7に図示するチョッパドライバは、3つのインバ
ータIx〜Izに代えて、1つのインバータ(NPN形
デジタルトランジスタ)Ibと、3つのダイオードD1
5,D16,D17とで構成されており、回路の低コス
ト化が図られている。インバータIbの出力端は、3つ
のダイオードD15〜D17のカソードに接続されてお
り、各ダイオードD15〜D17のアノードは、それぞ
れ下アームトランジスタQx〜Qzのゲート端子に接続
されている。インバータIbの入力端は、PWMチョッ
パ制御回路14の出力端に接続されているので、PWM
チョッパ制御回路14からチョッパパルスが出力される
と、その出力に同期して、分配回路12によりオンされ
ている下アームトランジスタQx〜Qzがチョッパ制御
されるのである。
【0100】図8及び図9に、分配回路の変形例を図示
する。従来は、従来技術の欄で説明したように、回転中
のモータの電機子巻線に生じる速度起電力と界磁の位置
の相関に着目して、該速度起電力によりモータの転流タ
イミングを決定していたので、ブラシレスモータ51の
3相の電機子巻線を180度通電することはできなかっ
た。しかし、本実施例のブラシレスモータ駆動回路1
は、電機子電流の変化に着目して、ブラシレスモータ5
1をセンサレス駆動しているので、180度通電するこ
とが可能である。前記した実施例の120度通電に代え
て、180度通電を行うことにより、モータの回転速度
及び出力を向上することができる。
する。従来は、従来技術の欄で説明したように、回転中
のモータの電機子巻線に生じる速度起電力と界磁の位置
の相関に着目して、該速度起電力によりモータの転流タ
イミングを決定していたので、ブラシレスモータ51の
3相の電機子巻線を180度通電することはできなかっ
た。しかし、本実施例のブラシレスモータ駆動回路1
は、電機子電流の変化に着目して、ブラシレスモータ5
1をセンサレス駆動しているので、180度通電するこ
とが可能である。前記した実施例の120度通電に代え
て、180度通電を行うことにより、モータの回転速度
及び出力を向上することができる。
【0101】そこで、図8に、180度通電を行う場合
の分配回路30の回路図を示すとともに、図9に、その
分配回路30の各出力時におけるブラシレスモータ51
の電機子巻線に流れる電流方向の関係を示す。なお、図
8の分配回路30における各抵抗の抵抗値は、いずれも
10kΩであり、各コンデンサの容量は、いずれも10
00pFである。また、分配回路は、120度通電、若
しくは、180度通電に固定されるのではなく、ブラシ
レスモータ51の駆動状況に合わせて、分配回路の出力
を120度通電と180度通電とで切り替えられるよう
にしても良い。
の分配回路30の回路図を示すとともに、図9に、その
分配回路30の各出力時におけるブラシレスモータ51
の電機子巻線に流れる電流方向の関係を示す。なお、図
8の分配回路30における各抵抗の抵抗値は、いずれも
10kΩであり、各コンデンサの容量は、いずれも10
00pFである。また、分配回路は、120度通電、若
しくは、180度通電に固定されるのではなく、ブラシ
レスモータ51の駆動状況に合わせて、分配回路の出力
を120度通電と180度通電とで切り替えられるよう
にしても良い。
【0102】更に、図10から図13に、ブラシレスモ
ータ駆動回路の変形例を図示する。なお、各図中、図2
のブラシレスモータ駆動回路1と異なる部分のみについ
て抵抗値及びコンデンサ容量等を記載している。
ータ駆動回路の変形例を図示する。なお、各図中、図2
のブラシレスモータ駆動回路1と異なる部分のみについ
て抵抗値及びコンデンサ容量等を記載している。
【0103】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
が、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
【0104】例えば、本実施例のブラシレスモータ駆動
回路1では、電流検出回路4を構成するシャント抵抗R
sは、DCリンクのグランド側ラインに挿入され、1個
のシャント抵抗Rsにより3相全ての電機子電流を検出
するようにしている。しかし、電機子電流を検出できる
電流検出回路であれば、DCリンクのグランド側ライン
以外の他の位置に設けるようにしても良い。また、3相
の電機子電流を個別に検出するように、3個の電流検出
回路をそれぞれ別個に設けるようにしても良い。
回路1では、電流検出回路4を構成するシャント抵抗R
sは、DCリンクのグランド側ラインに挿入され、1個
のシャント抵抗Rsにより3相全ての電機子電流を検出
するようにしている。しかし、電機子電流を検出できる
電流検出回路であれば、DCリンクのグランド側ライン
以外の他の位置に設けるようにしても良い。また、3相
の電機子電流を個別に検出するように、3個の電流検出
回路をそれぞれ別個に設けるようにしても良い。
【0105】また、サンプリング回路5による高調波除
去回路13の瞬時出力の検出は、負荷トルクの急変に迅
速に対応するため、各転流指令毎に行われた。しかし、
必ずしもこれに限られるものではなく、複数回の転流指
令毎に1回ずつ、高調波除去回路13の瞬時出力の検出
を行うようにしても良い。本実施例のように、3相の電
機子巻線を備えたブラシレスモータ51では、3回また
は6回の転流指令毎に1回ずつ、かかる検出を行うよう
にしても良い。
去回路13の瞬時出力の検出は、負荷トルクの急変に迅
速に対応するため、各転流指令毎に行われた。しかし、
必ずしもこれに限られるものではなく、複数回の転流指
令毎に1回ずつ、高調波除去回路13の瞬時出力の検出
を行うようにしても良い。本実施例のように、3相の電
機子巻線を備えたブラシレスモータ51では、3回また
は6回の転流指令毎に1回ずつ、かかる検出を行うよう
にしても良い。
【0106】更に、サンプリング回路5の出力は、増幅
回路6によって略1.4倍に増幅されたが、この増幅倍
率は、電機子電流のサンプル位置に応じて、当然に変更
されるものである。よって、増幅回路6の増幅率は、必
ずしも1.4倍に限られるものではなく、1倍以上でも
1倍以下であっても良い。また、始動補償回路7の出力
は、何ら増幅されずに、そのまま優先回路8から転流指
令回路9へ出力されたが、この始動補償回路7の出力に
ついても、1倍以上(あるいは1倍以下)に、増幅(あ
るいは低減)して、転流指令回路9へ出力するようにし
ても良い。
回路6によって略1.4倍に増幅されたが、この増幅倍
率は、電機子電流のサンプル位置に応じて、当然に変更
されるものである。よって、増幅回路6の増幅率は、必
ずしも1.4倍に限られるものではなく、1倍以上でも
1倍以下であっても良い。また、始動補償回路7の出力
は、何ら増幅されずに、そのまま優先回路8から転流指
令回路9へ出力されたが、この始動補償回路7の出力に
ついても、1倍以上(あるいは1倍以下)に、増幅(あ
るいは低減)して、転流指令回路9へ出力するようにし
ても良い。
【0107】本実施例では、消費電力の低減のために、
チョッパ制御の行われる下アームトランジスタQx〜Q
zのみならず、上アームトランジスタQu〜Qwについ
ても、電界効果トランジスタが使用された。しかし、チ
ョッパ制御の行われない上アームトランジスタについて
は、高速動作が要求されないので、回路1のコストダウ
ンと部品の入手容易性を向上させるために、電界効果ト
ランジスタに代えて、接合形PNPトランジスタを使用
するようにしても良い。
チョッパ制御の行われる下アームトランジスタQx〜Q
zのみならず、上アームトランジスタQu〜Qwについ
ても、電界効果トランジスタが使用された。しかし、チ
ョッパ制御の行われない上アームトランジスタについて
は、高速動作が要求されないので、回路1のコストダウ
ンと部品の入手容易性を向上させるために、電界効果ト
ランジスタに代えて、接合形PNPトランジスタを使用
するようにしても良い。
【0108】
【発明の効果】 請求項1記載のブラシレスモータ駆動
回路によれば、第1サンプル回路は、チョッパ制御回路
によるインバータ回路のスイッチング素子のオン動作に
同期して電流検出回路の出力電圧を記憶するので、チョ
ッパ制御による高調波成分を除去して、電圧に変換され
た電機子電流を検出することができる。転流指令は、こ
の高調波成分の除去された第1サンプル回路の検出電圧
に基づいて出力されるので、チョッパ制御の影響を受け
ることなく、適切なタイミングで転流動作を行うことが
できる。従って、センサレスでブラシレスモータを可変
速駆動することができるという効果がある。
回路によれば、第1サンプル回路は、チョッパ制御回路
によるインバータ回路のスイッチング素子のオン動作に
同期して電流検出回路の出力電圧を記憶するので、チョ
ッパ制御による高調波成分を除去して、電圧に変換され
た電機子電流を検出することができる。転流指令は、こ
の高調波成分の除去された第1サンプル回路の検出電圧
に基づいて出力されるので、チョッパ制御の影響を受け
ることなく、適切なタイミングで転流動作を行うことが
できる。従って、センサレスでブラシレスモータを可変
速駆動することができるという効果がある。
【0109】また、第2サンプル回路は、第1サンプル
回路の出力電圧の瞬時値を記憶し、転流指令は、第1サ
ンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路の記憶電圧の
所定倍となった場合に出力される。即ち、転流指令は、
第2サンプル回路で記憶された第1サンプル回路の出力
電圧の瞬時値に基づいて出力される。よって、ブラシレ
スモータの負荷トルクが急変する場合にも、その急変は
第2サンプル回路により瞬時に記憶されるので、転流指
令の発生タイミングが迅速に調節される。従って、負荷
トルクが急変する場合にも、適切な転流動作を行うこと
ができ、センサレスでブラシレスモータを安定して駆動
することができるという効果がある。
回路の出力電圧の瞬時値を記憶し、転流指令は、第1サ
ンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路の記憶電圧の
所定倍となった場合に出力される。即ち、転流指令は、
第2サンプル回路で記憶された第1サンプル回路の出力
電圧の瞬時値に基づいて出力される。よって、ブラシレ
スモータの負荷トルクが急変する場合にも、その急変は
第2サンプル回路により瞬時に記憶されるので、転流指
令の発生タイミングが迅速に調節される。従って、負荷
トルクが急変する場合にも、適切な転流動作を行うこと
ができ、センサレスでブラシレスモータを安定して駆動
することができるという効果がある。
【0110】請求項2記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路の
奏する効果に加え、第1サンプル回路による電流検出回
路の検出電圧の記憶は、常に、チョッパ制御回路により
インバータ回路のスイッチング素子がオフされる直前の
タイミングで行われる。即ち、チョッパ制御時における
電機子電流値の最も上昇したタイミングで、電流検出回
路の出力電圧が第1サンプル回路に記憶される。よっ
て、第1サンプル回路の検出タイミングが一定にされる
ので、その第1サンプル回路の出力電圧に基づいて出力
される転流指令の発生タイミングを、より安定させるこ
とができるという効果がある。
によれば、請求項1記載のブラシレスモータ駆動回路の
奏する効果に加え、第1サンプル回路による電流検出回
路の検出電圧の記憶は、常に、チョッパ制御回路により
インバータ回路のスイッチング素子がオフされる直前の
タイミングで行われる。即ち、チョッパ制御時における
電機子電流値の最も上昇したタイミングで、電流検出回
路の出力電圧が第1サンプル回路に記憶される。よっ
て、第1サンプル回路の検出タイミングが一定にされる
ので、その第1サンプル回路の出力電圧に基づいて出力
される転流指令の発生タイミングを、より安定させるこ
とができるという効果がある。
【0111】請求項3記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1または2に記載のブラシレスモータ
駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回路による
第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、転流動作毎に行わ
れるので、負荷トルクの急変時に、一層迅速に転流指令
の発生タイミングを調節することができるという効果が
ある。
によれば、請求項1または2に記載のブラシレスモータ
駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回路による
第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、転流動作毎に行わ
れるので、負荷トルクの急変時に、一層迅速に転流指令
の発生タイミングを調節することができるという効果が
ある。
【0112】請求項4記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1から3のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回
路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、1の転流
動作における電機子電流の第1の増加領域後であって第
2の増加領域前に行われるので、第2サンプル回路によ
って、ブラシレスモータの発生トルクに直接寄与する電
機子電流の瞬時値を記憶することができる。よって、こ
の瞬時値に基づいて転流指令を発生することにより、適
切なタイミングで転流動作を行うことができ、ブラシレ
スモータを安定して駆動することができるという効果が
ある。
によれば、請求項1から3のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回
路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶は、1の転流
動作における電機子電流の第1の増加領域後であって第
2の増加領域前に行われるので、第2サンプル回路によ
って、ブラシレスモータの発生トルクに直接寄与する電
機子電流の瞬時値を記憶することができる。よって、こ
の瞬時値に基づいて転流指令を発生することにより、適
切なタイミングで転流動作を行うことができ、ブラシレ
スモータを安定して駆動することができるという効果が
ある。
【0113】請求項5記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回
路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶は転流指令の
パルス終了時に行われるが、その転流指令のパルス幅
は、チョッパ制御回路によるオンのデューティ比が大き
くなると短くされ、逆に、該デューティ比が小さくなる
と長くされる。よって、第2サンプル回路による瞬時値
の記憶タイミングは、チョッパ制御回路によるオンのデ
ューティ比の変化に応じて、適切なタイミングに変更さ
れる。従って、第2サンプル回路によって、ブラシレス
モータの発生トルクに直接寄与する電機子電流の瞬時値
を記憶することができるので、この瞬時値に基づいて転
流指令を発生することにより、適切なタイミングで転流
動作を行うことができ、ブラシレスモータを安定して駆
動することができるという効果がある。
によれば、請求項1から4のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、第2サンプル回
路による第1サンプル回路の瞬時値の記憶は転流指令の
パルス終了時に行われるが、その転流指令のパルス幅
は、チョッパ制御回路によるオンのデューティ比が大き
くなると短くされ、逆に、該デューティ比が小さくなる
と長くされる。よって、第2サンプル回路による瞬時値
の記憶タイミングは、チョッパ制御回路によるオンのデ
ューティ比の変化に応じて、適切なタイミングに変更さ
れる。従って、第2サンプル回路によって、ブラシレス
モータの発生トルクに直接寄与する電機子電流の瞬時値
を記憶することができるので、この瞬時値に基づいて転
流指令を発生することにより、適切なタイミングで転流
動作を行うことができ、ブラシレスモータを安定して駆
動することができるという効果がある。
【0114】請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1から5のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、ブラシレスモー
タの始動時には、ブラシレスモータの始動トルクを発生
させるために充分な電圧が、転流目標電圧として、始動
補償回路から転流指令回路へ出力される。よって、ブラ
シレスモータの始動時においても、始動トルクを発生さ
せるために充分な電機子電流を流すことができるので、
ブラシレスモータを的確に始動することができるという
効果がある。
によれば、請求項1から5のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、ブラシレスモー
タの始動時には、ブラシレスモータの始動トルクを発生
させるために充分な電圧が、転流目標電圧として、始動
補償回路から転流指令回路へ出力される。よって、ブラ
シレスモータの始動時においても、始動トルクを発生さ
せるために充分な電機子電流を流すことができるので、
ブラシレスモータを的確に始動することができるという
効果がある。
【0115】請求項7記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路の
奏する効果に加え、チョッパ制御回路によるオンのデュ
ーティ比が所定値未満に下げられて、ブラシレスモータ
が停止または低速回転となった場合にも、その後、かか
るオンのデューティ比が所定値以上に上げられると、始
動補償回路から転流指令回路へ始動トルクを発生させる
ために充分な電圧が転流目標電圧として出力される。よ
って、チョッパ制御のオンのデューティ比が所定値未満
に下げられた後のブラシレスモータの再始動時において
も、始動トルクを発生させるために充分な電機子電流を
流すことができるので、ブラシレスモータを的確に再始
動することができるという効果がある。
によれば、請求項6記載のブラシレスモータ駆動回路の
奏する効果に加え、チョッパ制御回路によるオンのデュ
ーティ比が所定値未満に下げられて、ブラシレスモータ
が停止または低速回転となった場合にも、その後、かか
るオンのデューティ比が所定値以上に上げられると、始
動補償回路から転流指令回路へ始動トルクを発生させる
ために充分な電圧が転流目標電圧として出力される。よ
って、チョッパ制御のオンのデューティ比が所定値未満
に下げられた後のブラシレスモータの再始動時において
も、始動トルクを発生させるために充分な電機子電流を
流すことができるので、ブラシレスモータを的確に再始
動することができるという効果がある。
【0116】請求項8記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項6または7に記載のブラシレスモータ
駆動回路の奏する効果に加え、優先回路により、転流目
標電圧がブラシレスモータの始動時と定常運転時とで切
り替えられるので、始動から定常運転へブラシレスモー
タを円滑に駆動させることができるという効果がある。
によれば、請求項6または7に記載のブラシレスモータ
駆動回路の奏する効果に加え、優先回路により、転流目
標電圧がブラシレスモータの始動時と定常運転時とで切
り替えられるので、始動から定常運転へブラシレスモー
タを円滑に駆動させることができるという効果がある。
【0117】請求項9記載のブラシレスモータ駆動回路
によれば、請求項1から8のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、転流指令は第1
サンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路(又は、始
動補償回路、優先回路)の出力電圧より大となることに
より出力されるが、ゼロリセット回路によって、その転
流指令毎に第1サンプル回路の出力電圧が第2サンプル
回路(又は、始動補償回路、優先回路)の出力電圧より
小とされるので、電機子電流の微小な無負荷時等におい
ても、ゼロ点が明確となり転流指令を確実にリセットす
ることができる。よって、転流指令の多重発生や異常な
ほどの長時間の出力が防止され、常に安定したセンサレ
ス運転を実現することができるという効果がある。
によれば、請求項1から8のいずれかに記載のブラシレ
スモータ駆動回路の奏する効果に加え、転流指令は第1
サンプル回路の出力電圧が第2サンプル回路(又は、始
動補償回路、優先回路)の出力電圧より大となることに
より出力されるが、ゼロリセット回路によって、その転
流指令毎に第1サンプル回路の出力電圧が第2サンプル
回路(又は、始動補償回路、優先回路)の出力電圧より
小とされるので、電機子電流の微小な無負荷時等におい
ても、ゼロ点が明確となり転流指令を確実にリセットす
ることができる。よって、転流指令の多重発生や異常な
ほどの長時間の出力が防止され、常に安定したセンサレ
ス運転を実現することができるという効果がある。
【図1】 (a)は、ブラシレスモータの電機子巻線の
1相に流れる電流波形を示した図であり、(b)は、
(a)の電流波形の1ブロックを拡大して示した図であ
る。
1相に流れる電流波形を示した図であり、(b)は、
(a)の電流波形の1ブロックを拡大して示した図であ
る。
【図2】 本発明の実施例であるブラシレスモータ駆動
回路の回路図である。
回路の回路図である。
【図3】 ブラシレスモータの定常運転時における各回
路の出力電圧波形の関係を示した図である。(a)は、
PWMチョッパ制御回路の出力電圧波形を示した図であ
り、(b)は、インバータ回路のトランジスタのオン動
作を示した図であり、(c)は、電流検出回路の出力電
圧波形を示した図であり、(d)は、高調波除去回路の
出力電圧波形を示した図であり、(e)は、増幅回路の
出力電圧波形を示した図であり、(f)は、転流指令回
路のコンパレータの出力電圧波形を示した図であり、
(g)は、転流指令回路の出力電圧波形を示した図であ
る。
路の出力電圧波形の関係を示した図である。(a)は、
PWMチョッパ制御回路の出力電圧波形を示した図であ
り、(b)は、インバータ回路のトランジスタのオン動
作を示した図であり、(c)は、電流検出回路の出力電
圧波形を示した図であり、(d)は、高調波除去回路の
出力電圧波形を示した図であり、(e)は、増幅回路の
出力電圧波形を示した図であり、(f)は、転流指令回
路のコンパレータの出力電圧波形を示した図であり、
(g)は、転流指令回路の出力電圧波形を示した図であ
る。
【図4】 ブラシレスモータの始動時におけるPWMチ
ョッパ制御回路の可変抵抗の分圧比と、各回路の出力電
圧波形との関係を示した図である。(a)は、PWMチ
ョッパ制御回路の可変抵抗の分圧比の変化の様子を示し
た図であり、(b)は、PWMチョッパ制御回路の出力
電圧波形を部分的に拡大して示した図であり、(c)
は、始動補償回路のトランジスタのベース端子に印加さ
れる電圧波形を示した図であり、(d)は、始動補償回
路のトランジスタのコレクタ端子の電圧波形を示した図
であり、(e)は、始動補償回路の出力電圧波形を示し
た図であり、(f)は、電流検出回路の出力電圧波形を
示した図である。
ョッパ制御回路の可変抵抗の分圧比と、各回路の出力電
圧波形との関係を示した図である。(a)は、PWMチ
ョッパ制御回路の可変抵抗の分圧比の変化の様子を示し
た図であり、(b)は、PWMチョッパ制御回路の出力
電圧波形を部分的に拡大して示した図であり、(c)
は、始動補償回路のトランジスタのベース端子に印加さ
れる電圧波形を示した図であり、(d)は、始動補償回
路のトランジスタのコレクタ端子の電圧波形を示した図
であり、(e)は、始動補償回路の出力電圧波形を示し
た図であり、(f)は、電流検出回路の出力電圧波形を
示した図である。
【図5】 ブラシレスモータの駆動時から停止時、及
び、停止時から始動時におけるPWMチョッパ制御回路
の可変抵抗の分圧比と、各回路の出力電圧波形との関係
を示した図である。(a)は、PWMチョッパ制御回路
の可変抵抗の分圧比の変化の様子を示した図であり、
(b)は、PWMチョッパ制御回路の出力電圧波形を部
分的に拡大して示した図であり、(c)は、始動補償回
路のトランジスタのベース端子に印加される電圧波形を
示した図であり、(d)は、始動補償回路のトランジス
タのコレクタ端子の電圧波形を示した図であり、(e)
は、始動補償回路の出力電圧波形を示した図であり、
(f)は、電流検出回路の出力電圧波形を示した図であ
る。
び、停止時から始動時におけるPWMチョッパ制御回路
の可変抵抗の分圧比と、各回路の出力電圧波形との関係
を示した図である。(a)は、PWMチョッパ制御回路
の可変抵抗の分圧比の変化の様子を示した図であり、
(b)は、PWMチョッパ制御回路の出力電圧波形を部
分的に拡大して示した図であり、(c)は、始動補償回
路のトランジスタのベース端子に印加される電圧波形を
示した図であり、(d)は、始動補償回路のトランジス
タのコレクタ端子の電圧波形を示した図であり、(e)
は、始動補償回路の出力電圧波形を示した図であり、
(f)は、電流検出回路の出力電圧波形を示した図であ
る。
【図6】 計数回路の出力と分配回路の出力との関係、
及び、そのときのブラシレスモータの電機子巻線に流れ
る電流方向の関係を表した図である。
及び、そのときのブラシレスモータの電機子巻線に流れ
る電流方向の関係を表した図である。
【図7】 チョッパドライバの変形例を示した回路図で
ある。
ある。
【図8】 分配回路の変形例を示した180度通電を行
う分配回路の回路図である。
う分配回路の回路図である。
【図9】 計数回路の出力と180度通電を行う分配回
路の出力との関係、及び、そのときのブラシレスモータ
の電機子巻線に流れる電流方向の関係を表した図であ
る。
路の出力との関係、及び、そのときのブラシレスモータ
の電機子巻線に流れる電流方向の関係を表した図であ
る。
【図10】 ブラシレスモータ駆動回路の変形例を図示
した回路図である。
した回路図である。
【図11】 ブラシレスモータ駆動回路の変形例を図示
した回路図である。
した回路図である。
【図12】 ブラシレスモータ駆動回路の変形例を図示
した回路図である。
した回路図である。
【図13】 ブラシレスモータ駆動回路の変形例を図示
した回路図である。
した回路図である。
1 ブラシレスモータ駆動回路 2 補助電源回路 3 インバータ回路 4 電流検出回路 5 サンプリング回路(第2サンプル回
路) 6 増幅回路 7 始動補償回路 8 優先回路 9 転流指令回路(パルス幅変更回路の一
部) 10 ゼロリセット回路 11 計数回路(通電制御回路の一部) 12 分配回路(通電制御回路の一部) 13 高調波除去回路(第1サンプル回路) 14 PWM(パルス幅変調)チョッパ制御
回路(チョッパ制御回路 )41 電機子電流の第1の増加領域 42 電機子電流の第2の増加領域 50 直流電源 51 ブラシレスモータ 56 転流指令 Ia インバータ(パルス幅変更回路の一
部) Ix〜Iz インバータ(チョッパドライバ)
路) 6 増幅回路 7 始動補償回路 8 優先回路 9 転流指令回路(パルス幅変更回路の一
部) 10 ゼロリセット回路 11 計数回路(通電制御回路の一部) 12 分配回路(通電制御回路の一部) 13 高調波除去回路(第1サンプル回路) 14 PWM(パルス幅変調)チョッパ制御
回路(チョッパ制御回路 )41 電機子電流の第1の増加領域 42 電機子電流の第2の増加領域 50 直流電源 51 ブラシレスモータ 56 転流指令 Ia インバータ(パルス幅変更回路の一
部) Ix〜Iz インバータ(チョッパドライバ)
Claims (9)
- 【請求項1】 ブラシレスモータの複数相の電機子巻線
に直流電圧を順次通電するための複数のスイッチング素
子を有するインバータ回路と、そのインバータ回路の複
数のスイッチング素子をオンオフさせて転流を行う通電
制御回路と、その通電制御回路によりオンされている前
記インバータ回路のスイッチング素子をチョッパ制御に
よってオンオフさせるチョッパ制御回路とを備え、前記
チョッパ制御回路によるオンオフのデューティ比を変化
させることにより前記ブラシレスモータをセンサレスで
可変速運転可能なブラシレスモータ駆動回路において、 前記ブラシレスモータの電機子巻線に流れる電流を電圧
に変換して検出する電流検出回路と、 その電流検出回路の検出電圧を前記チョッパ制御回路に
よる前記インバータ回路のスイッチング素子のオン動作
に同期して記憶する第1サンプル回路と、 その第1サンプル回路の出力電圧の瞬時値を所定のタイ
ミングで記憶する第2サンプル回路と、 前記第1サンプル回路の出力電圧が前記第2サンプル回
路の記憶電圧の所定倍となった場合に、前記通電制御回
路へ転流指令を出力する転流指令回路とを備えたことを
特徴とするブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項2】 前記第1サンプル回路による前記電流検
出回路の検出電圧の記憶は、前記チョッパ制御回路によ
り前記インバータ回路のスイッチング素子がオフされる
直前のタイミングで行われることを特徴とする請求項1
記載のブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項3】 前記第2サンプル回路による前記第1サ
ンプル回路の瞬時値の記憶は、前記通電制御回路による
転流動作毎に行われることを特徴とする請求項1または
2に記載のブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項4】 前記第2サンプル回路による前記第1サ
ンプル回路の瞬時値の記憶は、1の転流動作における電
機子電流の第1の増加領域後であって第2の増加領域前
に行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか
に記載のブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項5】 前記チョッパ制御回路による前記インバ
ータ回路のスイッチング素子のオンのデューティ比が大
きくなるに従って前記転流指令回路から出力される転流
指令のパルス幅を短くし、一方、前記オンのデューティ
比が小さくなるに従って前記転流指令回路から出力され
る転流指令のパルス幅を長くするパルス幅変更回路を備
え、 前記第2サンプル回路による前記第1サンプル回路の瞬
時値の記憶は、前記転流指令回路から出力される転流指
令のパルス終了時に行われることを特徴とする請求項1
から4のいずれかに記載のブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項6】 前記ブラシレスモータの始動時に、その
ブラシレスモータの始動トルクを発生させるために充分
な値から時間の経過とともに逓減する電圧を前記転流指
令回路へ出力する始動補償回路を備え、 前記転流指令回路は、前記第1サンプル回路の出力電圧
が前記始動補償回路の出力電圧の所定倍となった場合
に、前記通電制御回路へ転流指令を出力することを特徴
とする請求項1から5のいずれかに記載のブラシレスモ
ータ駆動回路。 - 【請求項7】 前記始動補償回路は、前記チョッパ制御
回路による前記インバータ回路のスイッチング素子のオ
ンのデューティ比が所定値未満から所定値以上になる毎
に、前記転流指令回路へ始動トルクを発生させるために
充分な電圧を出力することを特徴とする請求項6記載の
ブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項8】 前記第2サンプル回路から前記転流指令
回路へ出力される出力電圧と、前記始動補償回路から前
記転流指令回路へ出力される出力電圧とのうち、大きい
方の出力電圧を前記転流指令回路へ優先して出力する優
先回路を備えたことを特徴とする請求項6または7に記
載のブラシレスモータ駆動回路。 - 【請求項9】 前記転流指令回路による転流指令毎に、
その転流指令回路へ出力される前記第1サンプル回路の
出力電圧をゼロリセットするゼロリセット回路を備えた
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のブ
ラシレスモータ駆動回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00745598A JP3305641B2 (ja) | 1997-01-24 | 1998-01-19 | ブラシレスモータ駆動回路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-11067 | 1997-01-24 | ||
JP1106797 | 1997-01-24 | ||
JP00745598A JP3305641B2 (ja) | 1997-01-24 | 1998-01-19 | ブラシレスモータ駆動回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10271875A true JPH10271875A (ja) | 1998-10-09 |
JP3305641B2 JP3305641B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=26341754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013191183A1 (ja) * | 2012-06-19 | 2013-12-27 | サンデン株式会社 | モータ制御装置 |
CN109495024A (zh) * | 2018-12-11 | 2019-03-19 | 沈阳兴华航空电器有限责任公司 | 一种无位置传感器电机控制器 |
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