JPH1027185A - 論理シミュレーション装置 - Google Patents

論理シミュレーション装置

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JPH1027185A
JPH1027185A JP8180642A JP18064296A JPH1027185A JP H1027185 A JPH1027185 A JP H1027185A JP 8180642 A JP8180642 A JP 8180642A JP 18064296 A JP18064296 A JP 18064296A JP H1027185 A JPH1027185 A JP H1027185A
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JP8180642A
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Inventor
Masaki Ito
雅樹 伊藤
Yoshio Takamine
美夫 高嶺
Hiroshi Tomita
広志 冨田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み合わせ論理部分の論理シミュレーション
を高速に実施することにより、組み合わせ論理だけから
なる論理回路、組み合わせ論理と記憶素子との組み合わ
せからなる論理回路、特に、クロック同期式回路の論理
シミュレーションを高速に行う。 【解決手段】 ハードウェア記述言語VHDLで記述さ
れた論理回路データを保持する記憶手段105と、前記
論理回路データ内の組み合わせ論理部分を限定する記憶
判定手段120と、前記組み合わせ論理内のプロセスの
前後関係を解析するレベル付け手段130と、前記組み
合わせ論理内のプロセスからの出力トランザクションに
ついては即座に信号値を計算する信号値更新手段155
と、前記組み合わせ論理内のプロセスについてはレベル
ごとに起動するプロセス実行制御手段170とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、論理回路の設計の
正しさを検証する論理検証を行う論理シミュレーション
装置に係り、特に、計算機のソフトウェアにより実現さ
れる論理シミュレーション装置、あるいは、専用のハー
ドウェアとソフトウェアとの組み合わせにより構成され
る論理シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シミュレーションのための論理
回路は、VHDLと呼ばれるハードウェア記述言語によ
り記述される。このVHDLは、IEEEの標準ハード
ウェア記述言語として採択されており、そのシミュレー
ション・モデルは、言語仕様の一部としてIEEE発行
の規格書IEEE Standard VHDL Language ReferenceM
anualに厳密に定義されている。その定義によれば、シ
ミュレーションは、次のようにして遂行される。
【0003】VHDLを用いるシミュレーションは、ア
ナライズ部がVHDL記述の解析を行い、エラボレート
部がその解析結果を用いて、シミュレーション・モデル
を構築し、さらに、カーネル部がシミュレーションを遂
行するという手順で行われる。本発明は、主としてカー
ネル部の実行制御方式に関するものであり、以下の説明
では、VHDL記述の解析からシミュレーション・モデ
ルの構築までの処理についての説明は省略する。
【0004】図7はVHDLのシミュレーション・モデ
ルを説明する図、図8はプロセスが出力するトランザク
ションについて説明する図、図9はVHDLのシミュレ
ーションの動作を説明するフローチャートであり、以
下、これらについて説明する。
【0005】シミュレーション・モデルは、その構成要
素として、図7に示すように信号とプロセスとを有す
る。信号とは、プロセス間を結ぶ通信路であり、プロセ
スの起動と値の保持とを行う役割を持つ。一方、プロセ
スは、信号が保持している値を読み込み、記述に従う計
算を行い、信号に対して値を出力する。この場合、プロ
セスによる値の出力には常に遅延時間を伴う。出力する
値が入力された信号に対して効果を現す時刻は、値を出
力した時刻に遅延時間を加えた時刻であり、スケジュー
ルされた時刻と呼ばれる。出力する値とスケジュールさ
れた時刻とを対にしたものをトランザクションと呼ぶ。
【0006】あるプロセスがある信号に対するトランザ
クションを出力するとき、このプロセスは、その信号に
対するドライバを持つという。プロセスが出力するトラ
ンザクションは、図8に示すように、ドライバに対して
スケジュールされ、信号に対しては直接的には影響しな
い。出力される信号は、複数のソースを持つことができ
る。ソースとは、ドライバまたは出力方向のポートであ
り、ポートとは、回路が階層的に記述されたときの階層
間の通信用の信号である。
【0007】前述の信号の値は、次のようにして決めら
れ、変化してゆく。なお、信号の値の変化をイベントと
言い、値が変化することをイベントが起こるという。
【0008】(1)初期値は、VHDL記述中に明記さ
れた値であり、明記されなかった場合、言語仕様で定め
られる値となる。すなわち、どの信号も何らかの初期値
を持つ。
【0009】(2)トランザクションがスケジュールさ
れた時刻になると、以下の手順で信号の値が決定され
る。
【0010】(2.1)まず、信号の全てのソースのド
ライブ値を求める。ドライブ値は、ソースがその時刻で
スケジュールされたトランザクションを持つ場合、その
トランザクションの値となり、トランザクションがない
場合、既に持っている値のままの値となる。
【0011】(2.2)信号の型にリゾリューション関
数が定義されているとき、各ソースの値からリゾリュー
ション関数を用いて値を決定する。リゾリューション関
数とは、各ソースのドライブ値から信号の値の決定する
ための関数である。リゾリューション関数が定義されて
いないとき、ソースは1つしかなく、信号の値は、その
ソースのドライブ値に決定する。
【0012】信号にイベントが起こると、その信号をセ
ンシティブ信号とするプロセスをリジュームする。リジ
ュームとは、プロセスを起動のためにスケジュールする
ことである。センシティブ信号とは、プロセス毎に、V
HDL記述で指定される特別な信号である。プロセスの
起動は、センシティブ信号のイベントをきっかけにする
ことも含め、次の3つの場合に行われる。
【0013】(1)シミュレーション開始時点。このと
き、全てのプロセスが1回起動される。 (2)プロセスの入力信号のうち、センシティブ信号に
イベントが起こったとき。この場合、信号の値の条件が
指定されることもある。 (3)プロセスが自身の起動をスケジュールした時刻に
なったとき。
【0014】次に、図9に示すフローチャートを参照し
て、言語仕様で定められた従来技術によるVHDLを用
いるシミュレーションの動作を説明する。このシミュレ
ーションは、作成されたシミュレーション・モデルに対
してカーネル部により実行される。
【0015】(1)まず、全信号の初期値を計算し、現
時刻を0時刻として全プロセスを起動する(ステップ4
1〜43)。
【0016】(2)スケジュールされた要素がなくなる
か、現時刻が指定された終了時刻になるまで、以下のス
テップ441〜445の処理を繰り返し実行する(ステ
ップ44)。
【0017】(3)現時刻を直近にスケジュールされた
要素の時刻とし、信号の値を更新して、変化があったと
き、その信号にセンシティブなプロセスをリジュームす
る(ステップ441、442)。
【0018】(4)信号に付随した付加情報である暗黙
信号の値を更新し、変化があったとき、その信号にセン
シティブなプロセスをリジュームする(ステップ44
3)。
【0019】(5)プロセス自身が、現時刻に起動をス
ケジュールしている場合、そのプロセスをリジュームす
る(ステップ444)。
【0020】(6)ステップ442〜444の処理でリ
ジュームされたプロセスを起動する(ステップ44
5)。
【0021】なお、前述処理のうち、(3)〜(6)に
よる一連の処理の一回の実行をシミュレーション・サイ
クルと呼ぶ。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術によ
る論理シミュレーションは、プロセスによる0時間の遅
延もデルタ遅延と呼ばれる機構によってスケジューリン
グの対象とされている。そして、前述したように、全て
のトランザクションは、ドライバに対して出力され、信
号には直接影響を与えない。このため、前述の従来技術
は、遅延時間がたとえ0であっても、トランザクション
が発生したのと同じシミュレーション・サイクル内で
は、信号の値を変化させることはない。この遅延時間が
0のトランザクションは、発生した時刻と同じ時刻とし
てドライバにスケジューリングされるが、効果を現すの
は次のシミュレーション・サイクルである。すなわち、
従来技術は、同じ時刻のシミュレーション・サイクルが
複数回存在することになる。この同じ時刻でありなが
ら、シミュレーション・サイクルが異なることをデルタ
遅延と呼んでいる。
【0023】前述した従来技術は、デルタ遅延のトラン
ザクションのスケジュールを行わなければならないた
め、組み合わせ論理の計算において、無駄を生じてしま
うという問題点を有している。この理由は、組み合わせ
論理が、出力値が入力値のみに依存する回路部分である
ため、出力値の計算にはデルタ遅延のトランザクション
のスケジュールを必要としないからである。
【0024】図10はデルタ遅延のトランザクションの
スケジュールを行っている回路例を示す図であり、以
下、図10を参照して、デルタ遅延のトランザクション
のスケジュールを行うと、余分なシミュレーション・サ
イクルを要することを説明する。
【0025】図10に示す回路において、A、Bをプロ
セス、I0、I1、A0、B0を信号とする。いま、信
号I0、I1の値がそれぞれ“1”、“0”であるとす
ると、信号A0、B0はいずれも“1”である。ある時
刻で、信号I0の値が“1”から“0”に変化したとす
る。そのシミュレーション・サイクルで、プロセスA、
Bが共にリジュームし起動される。その結果、信号A
0、B0に対して、いずれも値が“0”のトランザクシ
ョンが出力される。次のシミュレーション・サイクル
で、信号A0、B0が“0”となり、イベントが起こる
ため、再びプロセスBがリジュームされ起動される。プ
ロセスBは、再び値が“0”のトランザクションを信号
B0に対して出力する。この結果、信号B0の値が
“0”に確定するのは、さらに次のシミュレーション・
サイクルとなる。
【0026】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、組み合わせ論理だけからなる論理回路、組
み合わせ論理と記憶素子との組み合わせからなる論理回
路、特に、クロック同期式回路の論理シミュレーション
を高速に行うことを可能とし、論理回路の設計検証期間
を短縮することのできる論理シミュレーション装置を提
供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、ハードウェア記述言語VHDLで記述された論理回
路データの保持手段と、前記論理回路データを読み込
み、該論理回路中のプロセスが記憶を有するか否かを判
定する記憶判定手段を有するアナライズ部と、カーネル
部とを備えて構成され、前記カーネル部が、記憶を有す
ると判定されたプロセスからの出力信号へのトランザク
ションについて、トランザクションに指定された遅延時
間を経過した後にスケジュールするトランザクション・
スケジュール手段を有する順序論理プロセス起動部分
と、スケジュールされたトランザクションの対象信号の
信号値を更新し、信号値の変化があったとき、その信号
にセンシティブなプロセスをリジュームする第1のプロ
セス・リジューム手段を有する第1の信号値更新部分
と、記憶を有さないと判定したプロセスからの出力信号
へのトランザクションについて、即座にそのトランザク
ションの対象信号の信号値を更新し、信号値の変化があ
ったとき、その信号にセンシティブなプロセスをリジュ
ームする第2のプロセス・リジューム手段を有する第2
の信号値更新部分による組み合わせ論理プロセス起動部
分とを備えることにより達成される。
【0028】また、前記目的は、前記第2の信号値更新
部分が、第1の信号値更新部分が有するプロセス・リジ
ューム手段を共用するようにすることにより達成され
る。
【0029】さらに、前記目的は、前記アナライズ部が
出力するアナライズ結果を読み込み、記憶を有さないと
判定されたプロセスの評価順を信号の流れる順序に決定
するレベル付け手段を有するエラボレート部をさらに備
え、前記組み合わせ論理プロセス起動部分は、記憶を有
さないと判定したプロセスについて、前記レベル付け手
段によって指示されたレベル毎にプロセスの起動を行う
ことにより達成される。
【0030】本発明は、前述の手段を備えることによ
り、組み合わせ論理部分の出力値を計算するためのシミ
ュレーション・サイクル数を少なくすることができ、論
理シミュレーションを高速に行うことが可能となる。
【0031】このことを、図10に示す回路例により説
明する。図示回路例において、信号A0、B0につい
て、デルタ遅延のトランザクションのスケジュールを行
わない場合のシミュレーションは次のように行われる。
【0032】各信号の初期値は、I0、I1、A0、B
0の順に“1”、“0”、“1”、“1”である。い
ま、ある時刻で、信号I0の値が“0”に変化すると、
そのシミュレーション・サイクルで、プロセスA、Bが
共にリジュームされて起動される。その結果、信号A
0、B0に対して、値が“0”のトランザクションが出
力される。信号A0、B0のデルタ遅延のトランザクシ
ョンのスケジュールを行わず、即座に信号値を更新する
と両者ともその値が“0”に確定する。ここで、信号A
0が“1”から“0”に変化したため、再びプロセスB
がリジュームされて起動され、やはり値が“0”のトラ
ンザクションが信号B0に対して出力される。再び即座
に信号値を更新すると、信号B0の値が“0”に確定す
る。
【0033】前述したような本発明によると、デルタ遅
延のトランザクションをスケジュールする場合に比べ、
信号B0の値を得るシミュレーション・サイクルが2回
減っている。さらに、プロセスの前後関係をエラボレー
ト部で解析しておき、Bの起動をAの実行の後に遅らせ
ると、次のようになる。
【0034】信号I0の値が“0”に変化したとき、そ
のシミュレーション・サイクルで、プロセスA、B共に
リジュームするが、プロセスBはプロセスAの後段であ
るため起動はAのみとする。その結果、信号A0に対し
て値が“0”のトランザクションが出力され、信号A0
の信号値を更新すると、信号A0の信号値が即座に
“0”に確定する。信号A0の値が変化したため、次
に、プロセスBをリジュームしようとするが、プロセス
Bは、既にリジュームされているので、改めてリジュー
ムする必要はない。次に、プロセスBを起動すると、値
が“0”のトランザクションが信号B0に対して出力さ
れ、信号値を更新すると、信号B0の値が“0”に確定
する。
【0035】本発明によると、以上により、プロセスB
の起動の回数も1回に削減され、最終的に得られる信号
B0の値“0”とその時刻は、デルタ遅延のトランザク
ションのスケジュールを行った場合と同一となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明による論理シミュレ
ーション装置の一実施形態を図面により詳細に説明す
る。
【0037】図1は本発明の一実施形態による論理シミ
ュレーション装置の構成を説明する図、図2は論理回路
のVHDLによるの記述例を示す図、図3は図2に示す
VHDLによる記述例による変数val1、val2の値の変化
を説明する図、図4は本発明の一実施形態によるシミュ
レーション装置の動作を説明するフローチャート、図5
は組み合わせ論理プロセスの起動処理を説明するフロー
チャート、図6は本発明の一実施形態によるシミュレー
ションによる変数val1、val2の値の変化を説明する図で
ある。図1において、105は論理回路データ保持手
段、110はアナライズ部、115は記憶判定手段、1
20はアナライズ結果保持手段、130はエラボレート
部、135はレベル付け手段、140はシミュレーショ
ン・モデル保持手段、150はカーネル部、155は第
1の信号値更新部分、160、180はプロセス・リジ
ューム手段、170は組み合わせ論理プロセス起動部
分、175は第2の信号値更新部分、190は順序論理
プロセス起動部分、195はトランザクション・スケジ
ュール手段である。
【0038】本発明の一実施形態による論理シミュレー
ション装置は、論理回路データ保持手段105と、アナ
ライズ部110と、アナライズ結果保持手段120と、
エラボレート部130と、シミュレーション・モデル保
持手段140と、カーネル部150とを備えて構成され
ている。
【0039】論理回路データ保持手段105は、ハード
ウェア記述言語VHDLで記述された論理回路データを
保持する。VHDLで記述された論理回路データの記述
例を図2に示すが、論理回路のこのような記述は、周知
であり、ここでの説明は省略するが、図示例では、信号
sig1、sig2を受けるプロセスと、これらの信号による変
数val1、val2を受けるプロセスとの3つのプロセスを含
み、1つのプロセスが、信号sig1の否定信号を10ns
後に出力するものであることを記述している。この図2
に示すVHDLによる記述例では、言語仕様に従うと、
変数val1、val2の値は、それぞれ図3に示すように変化
する。
【0040】アナライズ部110は、まず、論理回路デ
ータ保持手段105内のハードウェア記述言語VHDL
で記述された論理回路データの同時実行文を等価なプロ
セスに変換する。次に、アナライズ部110は、各プロ
セスの記憶の有無を、記憶判定手段115により判定さ
せる。記憶判定手段115は、次のいずれかの条件が成
り立つとき、そのプロセスに記憶を持つと判定する。
【0041】(1)0時間以外の遅延時間を有する信号
代入文を1つ以上含む。 (2)2つ以上のwait文を含む。 (3)for節またはuntil節を持つwait文を
1つ以上含む。 (4)assertion文を含む。 (5)センシティビティ信号に含まれない信号の値を読
んでいる。 (6)読み込んでいる変数を書き込む前に読んでいる。 (7)条件により動作を変化させる文(IF文、cas
e文等)で、全ての条件が網羅されていない。
【0042】記憶判定手段115は、前述の(1)〜
(7)の条件が1つも成り立たないプロセスを、記憶を
持たないプロセスであると判定する。アナライズ部11
0は、各プロセスが記憶を持つか否かの判定結果を、プ
ロセスの計算内容と共にアナライズ結果保持手段120
に出力する。
【0043】エラボレート部130は、アナライズ結果
保持手段120からアナライズ結果を読み込み、言語仕
様に従ってシミュレーション・モデルを構築し、これを
シミュレーション・モデル保持手段140に格納する。
このとき、レベル付け手段135は、信号の流れに沿っ
て、記憶を持たないと判定されたプロセス、すなわち、
組み合わせ論理部分のプロセスに対してレベル付けを行
う。レベル付けとは、プロセスに、組み合わせ論理部分
の出力から何個の記憶を持たないプロセスを通過して当
該プロセスに行き着くかを表す個数に1を加えた数をレ
ベルとして付与することである。また、複数の経路が存
在する場合、最大の個数を用いる。例えば、図10に示
す回路例では、プロセスBはレベル1、プロセスAはレ
ベル2が付与される。
【0044】カーネル部150内のプロセス・リジュー
ム手段160を含む第1の信号値更新部155、及び、
トランザクション・スケジュール手段195を含む順序
論理プロセス起動部分190は、言語仕様で定義される
シミュレーションの遂行のために、従来技術によるシミ
ュレーション装置中に存在するプロセス起動部分と同等
のものである。
【0045】すなわち、本発明の一実施形態による論理
シミュレーション装置は、アナライズ部110の記憶判
定手段115において、前記の記憶の有無の判定基準に
よらず、全てのプロセスが記憶を有すると判定すること
により、言語仕様に定められた通りのシミュレーション
を遂行することができる。また、本発明の一実施形態に
よる論理シミュレーション装置は、組み合わせ論理プロ
セス起動部分170を有する点で従来技術と相違する。
この組み合わせ論理プロセス起動部分170は、記憶を
持たないと判定されたプロセスからのトランザクション
を処理する専用の第2の信号値更新部分175を有し、
さらに、プロセス・リジューム手段180を有する。プ
ロセス・リジューム手段180は、専用のものでもよ
く、また、第1の信号値更新部分155に含まれるプロ
セス・リジューム手段160を共用することもできる。
【0046】本発明の一実施形態によるシミュレーショ
ンの動作は、図4に示すフローに従って行われるが、こ
の処理動作は、基本的に図9により説明した従来技術の
場合と同一である。
【0047】言語仕様で定められたシミュレーションの
処理を示す図9との相違は、図9におけるステップ44
5の「リジュームしたプロセスを起動する」の処理が、
「組み合わせ論理プロセスを起動する」ステップ446
と「順序論理プロセスを起動する」ステップ447に分
かれている点である。そして、ステップ447の「順序
論理プロセスを起動する」の部分は、従来技術のプロセ
スの起動部分と同等のものである。但し、本発明の一実
施形態の場合に、ここで起動されるプロセスは記憶を持
つプロセスに限られる。
【0048】次に、図5に示すフローを参照して、組み
合わせ論理プロセスを起動する処理動作を説明する。
【0049】(1)すでにエラボレート部のレベル付け
手段135により、全ての記憶を有さないプロセスは、
いずれかのレベルに分類されている。記憶を有さないプ
ロセスの内、もっとも大きいレベルを持つプロセスか
ら、そのレベルごとに、レベルの降順に同一レベル内の
プロセスを順次起動を開始する(ステップ51)。
【0050】(2)該当レベルに属する全ての記憶を遊
佐内リジュームされたプロセスについて、そのプロセス
を起動する(ステップ52、53)。
【0051】(3)ステップ53によりプロセスを起動
すると、トランザクションを発生することがあるが、記
憶を有さないプロセスからのトランザクションは、記憶
の有無の判定条件から遅延時間が0のトランザクション
に限定される。このトランザクションは、即座に対象の
信号の値に反映する。従って、プロセスからトランザク
ションが発行された場合、そのトランザクションにより
信号にイベントが発生する否かを判定する。そして、リ
ゾリューション関数の計算が必要な場合、リゾリューシ
ョン関数を計算して信号の値を決定する。また、リゾリ
ューション関数が不要なとき、トランザクションの値に
信号の値を決定する。信号の値が変化し、イベントが生
じた場合、その信号にセンシティブなプロセスをリジュ
ームする(ステップ54、55)。
【0052】前述した本発明の実施形態によると、従来
技術による言語仕様に従ったシミュレーションとは、シ
ミュレーション結果が異なることがある。例えば、図2
により説明したように、VHDLの記述例では、言語仕
様に従うと、変数val1、val2の値はそれぞれ図3に示す
ように変化するが、本発明の実施形態によると、図6に
示すように変化し、val2の値はval1の値と同じ波形とな
る。但し、クロック同期式の回路の場合、クロックに駆
動される記憶素子の出力信号は、クロック時刻におい
て、言語仕様に従うシミュレーション結果と同じ結果と
なる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、組
み合わせ論理部分の論理シミュレーションを高速に実施
することができるため、組み合わせ論理だけからなる論
理回路、組み合わせ論理と記憶素子との組み合わせから
なる論理回路、特に、クロック同期式回路の論理シミュ
レーションを高速に行うことが可能となり、これによ
り、論理回路の設計検証期間の短縮を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による論理シミュレーショ
ン装置の構成を説明する図である。
【図2】論理回路のVHDLによるの記述例を示す図で
ある。
【図3】図2に示すVHDLによる記述例による変数va
l1、val2の値の変化を説明する図である。
【図4】本発明の一実施形態によるシミュレーション装
置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】組み合わせ論理プロセスの起動処理を説明する
フローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態によるシミュレーションに
よる変数val1、val2の値の変化を説明する図である。
【図7】VHDLのシミュレーション・モデルを説明す
る図である。
【図8】プロセスが出力するトランザクションについて
説明する図である。
【図9】VHDLのシミュレーションの動作を説明する
フローチャートである。
【図10】デルタ遅延のトランザクションのスケジュー
ルを行っている回路例を示す図である。
【符号の説明】
105 論理回路データ保持手段 110 アナライズ部 115 記憶判定手段 120 アナライズ結果保持手段 130 エラボレート部 135 レベル付け手段 140 シミュレーション・モデル保持手段 150 カーネル部 155 第1の信号値更新部分 160、180 プロセス・リジューム手段 170 組み合わせ論理プロセス起動部分 175 第2の信号値更新部分 190 順序論理プロセス起動部分 195 トランザクション・スケジュール手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードウェア記述言語VHDLで記述さ
    れた論理回路データのシミュレーションを行う論理シミ
    ュレーション装置において、前記ハードウェア記述言語
    VHDLで記述された論理回路データの保持手段と、前
    記論理回路データを読み込み、該論理回路中のプロセス
    が記憶を有するか否かを判定する記憶判定手段を有する
    アナライズ部と、カーネル部とを備えて構成され、前記
    カーネル部が、記憶を有すると判定されたプロセスから
    の出力信号へのトランザクションについて、トランザク
    ションに指定された遅延時間を経過した後にスケジュー
    ルするトランザクション・スケジュール手段を有する順
    序論理プロセス起動部分と、スケジュールされたトラン
    ザクションの対象信号の信号値を更新し、信号値の変化
    があったとき、その信号にセンシティブなプロセスをリ
    ジュームする第1のプロセス・リジューム手段を有する
    第1の信号値更新部分と、記憶を有さないと判定したプ
    ロセスからの出力信号へのトランザクションについて、
    即座にそのトランザクションの対象信号の信号値を更新
    し、信号値の変化があったとき、その信号にセンシティ
    ブなプロセスをリジュームする第2のプロセス・リジュ
    ーム手段を有する第2の信号値更新部分による組み合わ
    せ論理プロセス起動部分とを備えることを特徴とする論
    理シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 ハードウェア記述言語VHDLで記述さ
    れた論理回路データのシミュレーションを行う論理シミ
    ュレーション装置において、前記ハードウェア記述言語
    VHDLで記述された論理回路データの保持手段と、前
    記論理回路データを読み込み、該論理回路中のプロセス
    が記憶を有するか否かを判定する記憶判定手段を有する
    アナライズ部と、カーネル部とを備えて構成され、前記
    カーネル部が、記憶を有すると判定されたプロセスから
    の出力信号へのトランザクションについて、トランザク
    ションに指定された遅延時間を経過した後にスケジュー
    ルするトランザクション・スケジュール手段を有する順
    序論理プロセス起動部分と、スケジュールされたトラン
    ザクションの対象信号の信号値を更新し、信号値の変化
    があったとき、その信号にセンシティブなプロセスをリ
    ジュームするプロセス・リジューム手段を有する第1の
    信号値更新部分と、記憶を有さないと判定したプロセス
    からの出力信号へのトランザクションについて、即座に
    そのトランザクションの対象信号の信号値を更新する、
    前記プロセス・リジューム手段を共有する第2の信号値
    更新部分を有する組み合わせ論理プロセス起動部分とを
    備えることを特徴とする論理シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 前記アナライズ部が出力するアナライズ
    結果を読み込み、記憶を有さないと判定されたプロセス
    の評価順を信号の流れる順序に決定するレベル付け手段
    を有するエラボレート部をさらに備え、前記組み合わせ
    論理プロセス起動部分は、記憶を有さないと判定したプ
    ロセスについて、前記レベル付け手段によって指示され
    たレベル毎にプロセスの起動を行うことを特徴とする請
    求項1または2記載の論理シミュレーション装置。
JP8180642A 1996-07-10 1996-07-10 論理シミュレーション装置 Pending JPH1027185A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11068632B2 (en) 2019-03-08 2021-07-20 Fujitsu Limited Simulation apparatus, description conversion method and simulation method

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