JPH10269880A - ヒューズフリー遮断器用電源クリップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、ねじの紛失を防止し、か
つ、本体ケースの本体側端子を電源コード側端子との接
続を簡単に行うことのできるヒューズフリー遮断器用電
源クリップ装置を提供することにある。 【解決手段】 上記目的は、本体ケース２の長溝３の内
底３ａに設けたねじ７の頭部７ａにソケット９を嵌合さ
せ、そのソケット９を絶縁部材１０、軸体１１及び圧縮
ばね１２からなる抜け止め部組１３とこの抜け止め部組
１３を押えるばね鋼板からなる保持部材１４とで長溝３
内に固定することにより達成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ヒューズフリー遮
断機用電源クリップ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ヒューズフリー遮断器は、屋内
配線の過電流あるいは短絡電流を完全に自動遮断して屋
内配線を確実に保護するものである。そのヒューズフリ
ー遮断器の構造は、図５に示すように、開閉機構１０
０、消弧装置１０１及び引き出し装置１０２を収納した
絶縁材料からなる箱形の本体ケース１０３と、この本体
ケース１０３の上面に設けられて前記開閉機構１００を
開閉させるハンドル１０４と、本体ケース１０３の一側
面に形成した長溝１０５の内底１０５ａに設けられ、か
つ、電源側コード端部に設けた端子を本体ケース１０３
内の電気回路と電気的接続を行うためのねじ１０６及び
端子押え１０７と、本体ケース１０３の他側面に形成し
た長溝１０８の内底１０８ａに設けられ、かつ、負荷側
コード端部に設けた端子を本体ケース１０３内の電気回
路と電気的接続を行うためのねじ１０９及び端子押え１
１０とからなっている。

【０００３】上記ヒューズフリー遮断器においては、電
源側コードの端部に設けた端子を本体ケース１０３の長
溝１０５の内底１０５ａに固定する場合、ねじ１０６を
ドライバーで長溝１０５の内底１０５ａからはずした
後、そのねじ１０６及び端子押え１０７を用いて本体ケ
ース１０３の長溝１０５の内底１０５ａに螺着するよう
にしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来では、電源側
コードの端部に設けた端子を本体ケースの長溝内底に固
定する場合、ねじを本体ケースの長溝内底からはずして
いたため、そのはずしたねじを誤って落下させ紛失して
しまうという問題点があった。また、電源側コードの端
部に設けた端子の外径が本体ケースの長溝の溝幅より大
きい場合には、その端子を本体ケースの長溝内底に取り
付けることができない及び電源側コードの端部に設けた
端子の取付穴径が本体ケースの長溝内底に取り付けてあ
るねじの外径より小さい場合には、その端子にねじを挿
入することができず、その端子を本体ケースの長溝内底
に取り付けることができないという問題点があった。さ
らに、本体ケースの長溝の溝幅が狭いため、ドライバー
によるねじの締結作業がやりにくいので、電源側コード
と本体ケースとの取付作業に時間がかかってしまうとい
う問題点があった。

【０００５】本発明の目的は、上記の問題点を解消する
ためになされたものであって、ねじの紛失を防止し、電
源側コードの端部に設けた端子の外径及びその端子の取
付穴径と、本体ケースの長溝の溝幅及びその長溝内底に
取り付けるねじの外径とが違っていても本体ケースの長
溝内底の端子部分との電気的接続作業を効率よく終了さ
せることのできるヒューズフリー遮断器用電源クリップ
装置を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本体ケース
側面に長溝を設け、この長溝内底に、電源側コードの端
部に設けた端子を固定するねじを設けたヒューズフリー
遮断器であって、前記長溝内に嵌合し、かつ、前記ねじ
の頭部に圧入され、しかも、前記端子を取り付けるため
に前記長溝より前記本体ケース側面外方に突出させてな
るところの取付体を一体に形成した導電性材料からなる
ソケットと、このソケット上部に嵌合した絶縁部材と、
この絶縁部材に上下動可能に嵌合した軸体と、この軸体
に設けたつば部と前記絶縁部材との間に設けられ、か
つ、前記絶縁部材を介して前記ソケットを前記ねじの頭
部に押し付ける圧縮ばねと、前記本体ケースに着脱可能
に取り付けられ、かつ、前記軸体を保持するばね鋼板か
らなる保持部材とからなることにより達成される。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づき説明する。

【０００８】図１〜図４において、ヒューズフリー遮断
器１は、絶縁材料からなる箱形の本体ケース２を有して
いる。本体ケース２内には、図５に示す従来例とほぼ同
一の構造になっている。本体ケース２の側面２ａには、
複数個の長溝３が形成されている。長溝３の内底３ａに
は、本体ケース２内の電気部品と電気的に接続されてい
る本体側端子４が固定されている。本体側端子４には、
電源コード５の端部に設けた端子６（以下、電源コード
側端子６と称す）を固定するためのねじ７及び端子押え
８が設けられている。

【０００９】ねじ７の頭部７ａには、銅などの導電材料
から形成されて受電部となるソケット９が着脱可能に圧
入されている。ソケット９上には、図３に示すように、
絶縁部材１０と、軸体１１と、圧縮ばね１２とからなる
抜け止め部組１３が載せられる。抜け止め部組１３は、
本体ケース２に着脱可能に取り付けられる保持部材１４
に当て部材１５を利用して取り付けられる。絶縁部材１
０は、合成樹脂製であり、ソケット９の上部に嵌合して
いる。絶縁部材１０の上部には、軸体１１が上下動可能
に嵌合する嵌合穴１０ａが設けられている。軸体１１の
上部には、つば１１ａが一体に形成されている。軸体１
１のつば部１１ａと絶縁部材１０の上面との間には、圧
縮ばね１２が設けられている。

【００１０】保持部材１４は、ばね鋼板からなり、断面
コ字状となっており、本体ケース２の上面と本体ケース
２の左右両側面をおおう状態で本体ケース２に取り付け
られる。保持部材１４は、ばね鋼板の反力で本体ケース
２に保持されるように設計されている。保持部材１４の
上部１４ａと本体ケース２の上面との間には、合成樹脂
製の当て部材１５が設けられている。保持部材１４の側
部１４ｂと本体ケースの左右側面との間には、ゴムから
なる弾性部材１６が設けられている。当て部材１５及び
弾性部材１６は、保持部材１４側に接着剤により固定さ
れている。

【００１１】ソケット９には、図３、図４に示すよう
に、長溝３より本体ケース２の外方に突出させてなる取
付体９ａが一体に形成されている。取付体９ａには、電
源コード５を取付ねじ１７によって固定するためのねじ
穴９ｂが形成されている。軸体１１の下端には、絶縁部
材１０から軸体１１が抜けるのを防止する止め輪１８が
設けられている。軸体１１の上端外周にねじ部１１ｂを
形成し、このねじ部１１ｂを当て部材１５に形成したね
じ穴部１５ａに螺着するようにしている。抜け止め部組
１３を長溝３に挿入した状態で保持部材１４を本体ケー
ス２に取り付けた際には、圧縮ばね１２で絶縁部材１０
が下方に押されてソケット９がねじ７の頭部７ａに圧着
されるようになっている。

【００１２】以上の構成において、電源コード側端子６
を本体ケース２の本体側端子４に接続する作業は、次の
ようにして行われる。

【００１３】（１）まず、第１に、絶縁部材１０、軸体
１１及び圧縮ばね１２からなる抜け止め部組１３を、軸
体１１のねじ部１１ｂを当て部材１５のねじ穴部１５ａ
に螺着することで、予め保持部材１４に取り付ける。

【００１４】（２）次に、長溝３の内底３ａに取り付け
られているねじ７の頭部７ａに、電源コード側端子６を
取り付けたソケット９を嵌合させる。

【００１５】（３）さらに、抜け止め部組１３を長溝３
内に挿入しつつ、保持部材１４を本体ケース２に固定す
れば、抜け止め部組１３の圧縮ばね１２のばね力によっ
てソケット９がねじ７の頭部７ａに圧着させられる。

【００１６】このように、本実施形態では、ドライバー
を使用することなく、保持部材１４を本体ケース２に装
着すると同時に、ソケット９を長溝３内に固定すること
ができる。また、電源コード側端子６をソケット９の取
付体９ａに、予め取り付けておき、そのソケット９を長
溝３の内底３ａに設けたねじ７の頭部７ａに嵌合するよ
うにすれば、ねじ７及び取付ねじ１７を電源コード側端
子６と本体側端子４との接続作業時に取り外すことがな
いので、そのねじ７及び取付ねじ１７の紛失を防止でき
る。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、本体ケ
ースの長溝内に取り付けた端子を取り付けるためのねじ
を取り外すことなく、そのねじにソケットを嵌合させる
とともに、そのソケットを絶縁部材、軸体及び圧縮ばね
からなる抜け止め部組とこの抜け止め部組を押える合成
樹脂製の保持部材とで長溝内に固定することが可能であ
るので、電源コード側端子と本体側端子との取付作業を
能率よく行うことができるヒューズフリー遮断機用電源
クリップ装置がえられた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すヒューズフリー遮断
器の上面図である。

【図２】本発明の一実施形態を示すヒューズフリー遮断
器の側面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ縦断面拡大図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ縦断面拡大図である。

【図５】従来例を示す要部概略説明図である。

【符号の説明】

１ ヒューズフリー遮断器 ２ 本体ケース ３ 長溝 ３ａ 内底 ４ 本体側端子 ５ 電源コード ６ 電源コード側端子 ７ ねじ ８ 端子押え ９ ソケット １０ 絶縁部材 １１ 軸体 １２ 圧縮ばね １３ 抜け止め部組 １４ 保持部材 １５ 当て部材 １６ 弾性部材 １７ 取付ねじ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース側面に長溝を設け、この長溝
   内底に、電源側コードの端部に設けた端子を固定するね
   じを設けたヒューズフリー遮断器であって、前記長溝内
   に嵌合し、かつ、前記ねじの頭部に圧入され、しかも、
   前記端子を取り付けるために前記長溝より前記本体ケー
   ス側面外方に突出させてなるところの取付体を一体に形
   成した導電性材料からなるソケットと、このソケット上
   部に嵌合した絶縁部材と、この絶縁部材に上下動可能に
   嵌合した軸体と、この軸体に設けたつば部と前記絶縁部
   材との間に設けられ、かつ、前記絶縁部材を介して前記
   ソケットを前記ねじの頭部に押し付ける圧縮ばねと、前
   記本体ケースに着脱可能に取り付けられ、かつ、前記軸
   体を保持するばね鋼板からなる保持部材とからなること
   を特徴とするヒューズフリー遮断機用電源クリップ装
   置。
2. 【請求項２】 前記保持部材に合成樹脂製の当て部材を
   設け、この当て部材に前記軸体の上端部を螺着させてな
   ることを特徴とする請求項１記載のヒューズフリー遮断
   機用電源クリップ装置。