JPH10268629A - 発泡導電性ポリウレタンロール - Google Patents
発泡導電性ポリウレタンロールInfo
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- JPH10268629A JPH10268629A JP7148697A JP7148697A JPH10268629A JP H10268629 A JPH10268629 A JP H10268629A JP 7148697 A JP7148697 A JP 7148697A JP 7148697 A JP7148697 A JP 7148697A JP H10268629 A JPH10268629 A JP H10268629A
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- JP
- Japan
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- roll
- foamed
- polyurethane
- weight
- foamed polyurethane
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- Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロール表面に特別な導電層を有しない発泡ポ
リウレタンの成形体のみからなり、所望の導電性がロー
ル全体に均一に付与されると共に、従来よりも低硬度の
発泡導電性ポリウレタンロールを提供する。 【解決手段】 シャフト10aとその周囲に設けられた
円柱状のロール本体10bとからなロールであり、ロー
ル本体10bが硬化触媒として第3級アミンと有機錫化
合物を用いたポリオールとポリイソシアネートを主原料
とし、カーボンブラックにより導電性を付与された発泡
ポリウレタンの成形体であって、アスカー硬度Fが10
°〜80°及び体積抵抗が104〜109Ωcmである。
リウレタンの成形体のみからなり、所望の導電性がロー
ル全体に均一に付与されると共に、従来よりも低硬度の
発泡導電性ポリウレタンロールを提供する。 【解決手段】 シャフト10aとその周囲に設けられた
円柱状のロール本体10bとからなロールであり、ロー
ル本体10bが硬化触媒として第3級アミンと有機錫化
合物を用いたポリオールとポリイソシアネートを主原料
とし、カーボンブラックにより導電性を付与された発泡
ポリウレタンの成形体であって、アスカー硬度Fが10
°〜80°及び体積抵抗が104〜109Ωcmである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法を利用
した複写機、プリンター、ファックス等の事務機器に用
いられる導電性ロール、特に発泡ポリウレタンからなる
発泡導電性ロールに関する。
した複写機、プリンター、ファックス等の事務機器に用
いられる導電性ロール、特に発泡ポリウレタンからなる
発泡導電性ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を利用した複写機等において
は、図2に示すように、帯電ロール2により均等に帯電
させた感光ドラム1に露光して静電潜像を形成し、トナ
ーボックス3からトナー搬送ロール5で供給された反対
電荷をもつトナー4を現像ロール6により感光ドラム1
に付着させてトナー画像を現像する。
は、図2に示すように、帯電ロール2により均等に帯電
させた感光ドラム1に露光して静電潜像を形成し、トナ
ーボックス3からトナー搬送ロール5で供給された反対
電荷をもつトナー4を現像ロール6により感光ドラム1
に付着させてトナー画像を現像する。
【0003】一方、用紙8は給紙ロール(図示せず)に
より感光ドラム1に供給され、感光ドラム1上のトナー
画像を転写ロール7で用紙8に転写した後、発熱体を備
えた定着ロール(図示せず)で加熱して画像を用紙8に
定着させる。尚、図2中の9は、感光ドラム1に残った
トナー4を除去するクリーニング部である。
より感光ドラム1に供給され、感光ドラム1上のトナー
画像を転写ロール7で用紙8に転写した後、発熱体を備
えた定着ロール(図示せず)で加熱して画像を用紙8に
定着させる。尚、図2中の9は、感光ドラム1に残った
トナー4を除去するクリーニング部である。
【0004】このような電子写真法を利用した装置に用
いられる各種導電性ロールは、装置の高速化や画質の向
上に応えるため、一層の低硬度化が要望されている。具
体的には、トナー搬送ロールはアスカー硬度Fが10°
〜40°程度で、体積抵抗が105Ωcm程度であるこ
と、転写ロールはアスカー硬度Fが40°〜80°程度
で、体積抵抗が108Ωcm程度であることが要望され
ている。
いられる各種導電性ロールは、装置の高速化や画質の向
上に応えるため、一層の低硬度化が要望されている。具
体的には、トナー搬送ロールはアスカー硬度Fが10°
〜40°程度で、体積抵抗が105Ωcm程度であるこ
と、転写ロールはアスカー硬度Fが40°〜80°程度
で、体積抵抗が108Ωcm程度であることが要望され
ている。
【0005】そこで、導電性ロールを低硬度化する方法
として、ポリウレタンの発泡体からなるロールが提案さ
れている。かかる発泡ポリウレタンのロールは、ポリオ
ールに導電性を付与するためのカーボンブラックを添加
し、更に発泡剤や触媒などを添加混合してプレミックス
ポリオールとした後、このプレミックスポリオールにポ
リイソシアネートを混合して金型に注入し、発泡と同時
に固化成形して製造される。
として、ポリウレタンの発泡体からなるロールが提案さ
れている。かかる発泡ポリウレタンのロールは、ポリオ
ールに導電性を付与するためのカーボンブラックを添加
し、更に発泡剤や触媒などを添加混合してプレミックス
ポリオールとした後、このプレミックスポリオールにポ
リイソシアネートを混合して金型に注入し、発泡と同時
に固化成形して製造される。
【0006】かかる発泡ポリウレタンからなる導電性ロ
ールの一例として、特開平5−188774号公報に
は、ポリオールとポリイソシアネートを主原料とし、ア
スカー硬度Cが10°〜70°で、体積抵抗が105〜
108Ωcmのポリウレタン発泡体の表面に、摩擦帯電
付与性能を有する導電性塗料をコートしてなる現像ロー
ルが開示されている。しかし、このような従来の発泡ポ
リウレタンロールでも、満足すべきレベルの低硬度を得
ることは困難であった。
ールの一例として、特開平5−188774号公報に
は、ポリオールとポリイソシアネートを主原料とし、ア
スカー硬度Cが10°〜70°で、体積抵抗が105〜
108Ωcmのポリウレタン発泡体の表面に、摩擦帯電
付与性能を有する導電性塗料をコートしてなる現像ロー
ルが開示されている。しかし、このような従来の発泡ポ
リウレタンロールでも、満足すべきレベルの低硬度を得
ることは困難であった。
【0007】しかも、導電性を付与するため通常はカー
ボンブラックを混合するが、発泡ポリウレタンロールで
は体積抵抗の制御が困難であった。即ち、カーボンブラ
ックを均一に分散させることが難しいため、1本のロー
ルの中でも場所により体積抵抗が変動しやすいという欠
点があった。例えば、通常は1本のロールの片方の端部
から他方の端部に向かって体積抵抗が徐々に増加し又は
減少しやすく、この変動が激しい場合には両端部で体積
抵抗に2桁程度の差異があった。
ボンブラックを混合するが、発泡ポリウレタンロールで
は体積抵抗の制御が困難であった。即ち、カーボンブラ
ックを均一に分散させることが難しいため、1本のロー
ルの中でも場所により体積抵抗が変動しやすいという欠
点があった。例えば、通常は1本のロールの片方の端部
から他方の端部に向かって体積抵抗が徐々に増加し又は
減少しやすく、この変動が激しい場合には両端部で体積
抵抗に2桁程度の差異があった。
【0008】また、カーボンブラックの配合量を増やす
と、上記特開平5−188774号公報にも記載されて
いるように、粘度が著しく上昇するため、一層カーボン
ブラックの均一な分散が困難となるうえ、成形用の金型
に注入できなかったり、発泡が困難になったり、更には
得られる発泡ポリウレタンロールの硬度が高くなってし
まうという欠点があった。
と、上記特開平5−188774号公報にも記載されて
いるように、粘度が著しく上昇するため、一層カーボン
ブラックの均一な分散が困難となるうえ、成形用の金型
に注入できなかったり、発泡が困難になったり、更には
得られる発泡ポリウレタンロールの硬度が高くなってし
まうという欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、発泡ポ
リウレタンからなる導電性ロールは、カーボンブラック
の添加により導電性を均一に付与すると同時に、その低
硬度化を図ることが極めて困難であった。このため前記
特開平5−188774号公報に記載の現像ロールも、
ロールの低硬度化と導電性付与という相反する要求を満
たすために、発泡ポリウレタンのロール表面に導電性塗
料をコートしているのである。
リウレタンからなる導電性ロールは、カーボンブラック
の添加により導電性を均一に付与すると同時に、その低
硬度化を図ることが極めて困難であった。このため前記
特開平5−188774号公報に記載の現像ロールも、
ロールの低硬度化と導電性付与という相反する要求を満
たすために、発泡ポリウレタンのロール表面に導電性塗
料をコートしているのである。
【0010】本発明は、このような従来の事情に鑑み、
ロール表面に特別な導電層を有しない発泡ポリウレタン
の成形体のみからなり、制御された均一な導電性を有す
ると共に、従来よりも低硬度で高速化や画質の向上に適
した発泡導電性ポリウレタンロールを提供すること、特
に複写機、プリンター、ファックス等に使用されるトナ
ー搬送ロール又は転写ロールを提供することを目的とす
る。
ロール表面に特別な導電層を有しない発泡ポリウレタン
の成形体のみからなり、制御された均一な導電性を有す
ると共に、従来よりも低硬度で高速化や画質の向上に適
した発泡導電性ポリウレタンロールを提供すること、特
に複写機、プリンター、ファックス等に使用されるトナ
ー搬送ロール又は転写ロールを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明が提供する発泡導電性ポリウレタンロール
は、シャフトと該シャフトの周囲に設けられた円柱状の
ロール本体とからなり、該ロール本体が硬化触媒として
第3級アミンと有機錫化合物を用いたポリオールとポリ
イソシアネートを主原料とし、前記硬化触媒の有機錫化
合物がポリオール100重量部に対して0.05〜0.3
重量部で、且つカーボンブラックにより導電性を付与さ
れた発泡ポリウレタンの成形体であって、そのアスカー
硬度Fが10°〜80°、及び体積抵抗が104〜109
Ωcmであることを特徴とする
め、本発明が提供する発泡導電性ポリウレタンロール
は、シャフトと該シャフトの周囲に設けられた円柱状の
ロール本体とからなり、該ロール本体が硬化触媒として
第3級アミンと有機錫化合物を用いたポリオールとポリ
イソシアネートを主原料とし、前記硬化触媒の有機錫化
合物がポリオール100重量部に対して0.05〜0.3
重量部で、且つカーボンブラックにより導電性を付与さ
れた発泡ポリウレタンの成形体であって、そのアスカー
硬度Fが10°〜80°、及び体積抵抗が104〜109
Ωcmであることを特徴とする
【0012】また、本発明の上記発泡導電性ポリウレタ
ンロールは、ロール本体を構成する発泡ポリウレタンの
密度が0.05〜0.20g/cm3であり、圧縮永久歪
みが20%以下であることを特徴とする。尚、圧縮永久
歪みはJIS K6301により、50℃×50%圧縮
×72hrの条件で測定した値である。
ンロールは、ロール本体を構成する発泡ポリウレタンの
密度が0.05〜0.20g/cm3であり、圧縮永久歪
みが20%以下であることを特徴とする。尚、圧縮永久
歪みはJIS K6301により、50℃×50%圧縮
×72hrの条件で測定した値である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の発泡導電性ポリウレタン
ロール10は、図1に示すように、金属棒からなるシャ
フト10aの周囲に円柱状のロール本体10bを設けた
ものであり、そのロール本体10bは導電性を有する発
泡ポリウレタン成形体のみからなっていて、その表面に
は導電性を付与するための特別な導電層又は導電コーテ
ィング等は何ら設けられていない。
ロール10は、図1に示すように、金属棒からなるシャ
フト10aの周囲に円柱状のロール本体10bを設けた
ものであり、そのロール本体10bは導電性を有する発
泡ポリウレタン成形体のみからなっていて、その表面に
は導電性を付与するための特別な導電層又は導電コーテ
ィング等は何ら設けられていない。
【0014】この発泡ポリウレタン成形体からなるロー
ル本体は、アスカー硬度Fが10°〜80°であり、体
積抵抗(又は体積抵抗率)が104〜109Ωcmであっ
て、極めて低硬度であると同時に、必要な導電性がロー
ル全体に均一に付与されている。従って、本発明の発泡
導電性ポリウレタンロールは、アスカー硬度F10°〜
40°及び体積抵抗104〜106Ωcmが要求されるト
ナー搬送ロールとして、またアスカー硬度F40°〜8
0°及び体積抵抗107〜109Ωcmが要求される転写
ロールとして特に有用である。
ル本体は、アスカー硬度Fが10°〜80°であり、体
積抵抗(又は体積抵抗率)が104〜109Ωcmであっ
て、極めて低硬度であると同時に、必要な導電性がロー
ル全体に均一に付与されている。従って、本発明の発泡
導電性ポリウレタンロールは、アスカー硬度F10°〜
40°及び体積抵抗104〜106Ωcmが要求されるト
ナー搬送ロールとして、またアスカー硬度F40°〜8
0°及び体積抵抗107〜109Ωcmが要求される転写
ロールとして特に有用である。
【0015】ロール本体を構成する発泡ポリウレタンの
アスカー硬度Fが10°未満では柔らか過ぎて使用に耐
えず、逆に80°を越えると感光ドラムを傷付けたり、
高速化や画質向上の要望に応じることが困難となるので
好ましくない。また、この範囲の硬度を得るためには、
発泡ポリウレタンの密度が0.05〜0.20g/cm3
であることが好ましい。更に、発泡ポリウレタンは、ロ
ール本体としての耐久性や必要な寸法精度を確保するた
めに、圧縮永久歪みが20%以下であることが好まし
い。
アスカー硬度Fが10°未満では柔らか過ぎて使用に耐
えず、逆に80°を越えると感光ドラムを傷付けたり、
高速化や画質向上の要望に応じることが困難となるので
好ましくない。また、この範囲の硬度を得るためには、
発泡ポリウレタンの密度が0.05〜0.20g/cm3
であることが好ましい。更に、発泡ポリウレタンは、ロ
ール本体としての耐久性や必要な寸法精度を確保するた
めに、圧縮永久歪みが20%以下であることが好まし
い。
【0016】本発明の発泡導電性ポリウレタンロール
が、必要な104〜109Ωcmの範囲で均一な体積抵抗
を維持しながら、同時に上記のごとくアスカー硬度Fが
10°〜80°という極めて低い硬度を達成できるの
は、発泡ポリウレタンの主原料であるポリオールとポリ
イソシアネートを適切に選択することによって、導電性
の付与に必要なカーボンブラックの添加量を低減するこ
とが可能となり、その結果プレミックスポリオールの粘
度低下による成形性の改善と、高発泡による発泡ポリウ
レタン成形体の著しい硬度の低下が得られるためであ
る。
が、必要な104〜109Ωcmの範囲で均一な体積抵抗
を維持しながら、同時に上記のごとくアスカー硬度Fが
10°〜80°という極めて低い硬度を達成できるの
は、発泡ポリウレタンの主原料であるポリオールとポリ
イソシアネートを適切に選択することによって、導電性
の付与に必要なカーボンブラックの添加量を低減するこ
とが可能となり、その結果プレミックスポリオールの粘
度低下による成形性の改善と、高発泡による発泡ポリウ
レタン成形体の著しい硬度の低下が得られるためであ
る。
【0017】即ち、本発明においては、発泡ポリウレタ
ンの主原料の1つであるポリオールとして、分子量30
00〜4000、官能基数2.5〜3.5、末端の1級ア
ルコール基濃度60〜70%のポリオキシプロピレンを
使用し、これにより所定の導電性を得るために必要なカ
ーボンブラックの添加量を低減できる。かかる品質のポ
リオキシプロピレンは、例えば、三井東圧化学(株)か
らEP550N、第一工業製薬(株)からHF445と
して市販されている。
ンの主原料の1つであるポリオールとして、分子量30
00〜4000、官能基数2.5〜3.5、末端の1級ア
ルコール基濃度60〜70%のポリオキシプロピレンを
使用し、これにより所定の導電性を得るために必要なカ
ーボンブラックの添加量を低減できる。かかる品質のポ
リオキシプロピレンは、例えば、三井東圧化学(株)か
らEP550N、第一工業製薬(株)からHF445と
して市販されている。
【0018】プレミックスポリオールと反応してポリウ
レタンを生成するポリイソシアネートとしては、トルエ
ンジイソシアネートが好ましい。トルエンジイソシアネ
ートには、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−
トルエンジイソシアネートの配合の違いによりTDI−
80/20やTDI−65/35など各種のものがある
が、特に低硬度の発泡ポリウレタンを得る場合には、
2,4−トルエンジイソシアネート100%のTDI−
100の使用が好ましい。また、プレミックスポリオー
ルに対するポリイソシアネートの当量比は、プレミック
スポリオール/ポリイソシアネートが100/100〜
100/120の範囲が好ましい。
レタンを生成するポリイソシアネートとしては、トルエ
ンジイソシアネートが好ましい。トルエンジイソシアネ
ートには、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−
トルエンジイソシアネートの配合の違いによりTDI−
80/20やTDI−65/35など各種のものがある
が、特に低硬度の発泡ポリウレタンを得る場合には、
2,4−トルエンジイソシアネート100%のTDI−
100の使用が好ましい。また、プレミックスポリオー
ルに対するポリイソシアネートの当量比は、プレミック
スポリオール/ポリイソシアネートが100/100〜
100/120の範囲が好ましい。
【0019】本発明では、上記プレミックスポリオール
とポリイソシアネートの硬化触媒として、第3級アミン
と有機錫化合物を併用する。この両者の併用により、得
られる発泡ポリウレタンロールの導電性を均一にするこ
とができ、例えば1本のロールの中でも両端部と中央部
の体積抵抗を殆ど等しくすることが可能であり、具体的
には体積抵抗のバラツキをΩcm単位で1桁以内に抑え
ることができる。
とポリイソシアネートの硬化触媒として、第3級アミン
と有機錫化合物を併用する。この両者の併用により、得
られる発泡ポリウレタンロールの導電性を均一にするこ
とができ、例えば1本のロールの中でも両端部と中央部
の体積抵抗を殆ど等しくすることが可能であり、具体的
には体積抵抗のバラツキをΩcm単位で1桁以内に抑え
ることができる。
【0020】第3級アミンとしては、トリエチルアミ
ン、トリエチレンジアミンのような各種の第3級アミン
類などを使用することができる。また、有機錫化合物と
しては、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエ
イト、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンチオカ
ルボキシエートなどが使用できる。これら硬化触媒の添
加量は、ポリオール100重量部に対して、第3級アミ
ンが0.1〜1.0重量部及び有機錫化合物が0.05〜
0.3重量部の範囲が好ましい。各硬化触媒の添加量が
上記範囲未満では導電性の均一化が達成できず、また上
記範囲を越えると硬化が速まるため成形性が極端に低下
する。
ン、トリエチレンジアミンのような各種の第3級アミン
類などを使用することができる。また、有機錫化合物と
しては、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエ
イト、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンチオカ
ルボキシエートなどが使用できる。これら硬化触媒の添
加量は、ポリオール100重量部に対して、第3級アミ
ンが0.1〜1.0重量部及び有機錫化合物が0.05〜
0.3重量部の範囲が好ましい。各硬化触媒の添加量が
上記範囲未満では導電性の均一化が達成できず、また上
記範囲を越えると硬化が速まるため成形性が極端に低下
する。
【0021】発泡ポリウレタン成形体の製法自体は従来
と同様であり、具体的には、まずポリオールであるポリ
オキシプロピレンに導電性付与剤のカーボンブラック、
発泡剤、整泡剤、硬化触媒、その他の助剤を添加し、混
合してプレミックスポリオールを得る。次に、このプレ
ミックスポリオールに、ポリイソシアネートとしてトル
エンジイソシアネートを添加混合し、金型に注入して発
泡硬化させる。
と同様であり、具体的には、まずポリオールであるポリ
オキシプロピレンに導電性付与剤のカーボンブラック、
発泡剤、整泡剤、硬化触媒、その他の助剤を添加し、混
合してプレミックスポリオールを得る。次に、このプレ
ミックスポリオールに、ポリイソシアネートとしてトル
エンジイソシアネートを添加混合し、金型に注入して発
泡硬化させる。
【0022】導電性付与剤であるカーボンブラックとし
ては、粒径20〜50nm、DBP吸油量が100〜5
00ml/100gの範囲にある導電性カーボンブラッ
クが好ましい。具体的には、ケッチェンブラックインタ
ーナショナル(株)製のケッチェンブラックEC(粒径
31nm、DBP吸油量350ml/100g)、電気
化学工業(株)製のアセチレンブラック(粒径45n
m、DBP吸油量165ml/100g)がある。ま
た、カーボンブラックの発泡ポリウレタン中の含有量は
0.5〜3.0重量%が好ましく、このように従来に比べ
て少量のカーボンブラックでも必要な体積抵抗が得られ
る。
ては、粒径20〜50nm、DBP吸油量が100〜5
00ml/100gの範囲にある導電性カーボンブラッ
クが好ましい。具体的には、ケッチェンブラックインタ
ーナショナル(株)製のケッチェンブラックEC(粒径
31nm、DBP吸油量350ml/100g)、電気
化学工業(株)製のアセチレンブラック(粒径45n
m、DBP吸油量165ml/100g)がある。ま
た、カーボンブラックの発泡ポリウレタン中の含有量は
0.5〜3.0重量%が好ましく、このように従来に比べ
て少量のカーボンブラックでも必要な体積抵抗が得られ
る。
【0023】その他の各種の添加剤としては、従来公知
のものを使用できる。例えば、整泡剤としてはシリコー
ンオイルや界面活性剤を使用できる。尚、本発明におい
ては、発泡剤として水を使用することが好ましい。発泡
剤としての水の添加量は、ポリオール100重量部に対
して1.0〜2.5重量部が好ましい。
のものを使用できる。例えば、整泡剤としてはシリコー
ンオイルや界面活性剤を使用できる。尚、本発明におい
ては、発泡剤として水を使用することが好ましい。発泡
剤としての水の添加量は、ポリオール100重量部に対
して1.0〜2.5重量部が好ましい。
【0024】
【実施例】実施例1 ポリオールとしてポリオキシプロピレンである第一工業
製薬(株)製のHF445を使用し、ポリイソシアネー
トとしてトルエンジイソシアネート100%からなるT
DI−100を使用して、下記のごとく発泡導電性ポリ
ウレタンロールを製造した。尚、ポリオキシプロピレン
であるHF445は、分子量が3700、官能基数が
3.0、末端の1級アルコール基濃度が60%である。
製薬(株)製のHF445を使用し、ポリイソシアネー
トとしてトルエンジイソシアネート100%からなるT
DI−100を使用して、下記のごとく発泡導電性ポリ
ウレタンロールを製造した。尚、ポリオキシプロピレン
であるHF445は、分子量が3700、官能基数が
3.0、末端の1級アルコール基濃度が60%である。
【0025】上記ポリオキシプロピレン100重量部に
対して、カーボンブラックとしてケッチェンブラックイ
ンターナショナル(株)製のケッチェンブラックECを
1.6重量部(最終製品中の含有量として1.3重量
%)、発泡剤として水を1.8重量部、整泡剤として日
本ユニカー(株)製の界面活性剤L5366を0.2重
量部、硬化触媒としてトリエチレンジアミン0.2重量
部及びジブチルチンジラウッレートを下記表1にように
変化させて添加し、混合してプレミックスポリオールを
得た。得られた各プレミックスポリオールの室温での粘
度はいずれも5100cpであった。
対して、カーボンブラックとしてケッチェンブラックイ
ンターナショナル(株)製のケッチェンブラックECを
1.6重量部(最終製品中の含有量として1.3重量
%)、発泡剤として水を1.8重量部、整泡剤として日
本ユニカー(株)製の界面活性剤L5366を0.2重
量部、硬化触媒としてトリエチレンジアミン0.2重量
部及びジブチルチンジラウッレートを下記表1にように
変化させて添加し、混合してプレミックスポリオールを
得た。得られた各プレミックスポリオールの室温での粘
度はいずれも5100cpであった。
【0026】次に、上記各プレミックスポリオールに、
ポリイソシアネートとしてTDI−100を、プレミッ
クスポリオール/TDI−100の当量比が100/1
10となるように添加混合し、シャフトを挿入した金型
に注入して、60℃のオーブン中で30分間加熱するこ
とにより発泡硬化させた。その後、脱型して、発泡導電
性ポリウレタンロールを得た。
ポリイソシアネートとしてTDI−100を、プレミッ
クスポリオール/TDI−100の当量比が100/1
10となるように添加混合し、シャフトを挿入した金型
に注入して、60℃のオーブン中で30分間加熱するこ
とにより発泡硬化させた。その後、脱型して、発泡導電
性ポリウレタンロールを得た。
【0027】得られた各発泡導電性ポリウレタンロール
について、ロール本体を構成する発泡ポリウレタン成形
体の密度、アスカー硬度F、ロール各部の体積抵抗、及
び圧縮永久歪みを測定し、その結果を成形性と共に下記
表1に示した。体積抵抗はDC500Vで、圧縮永久歪
みは50℃×50%圧縮×72時間の条件で測定した値
である。また、表中のDBTDLは硬化触媒のジブチル
チンジラウレートを意味し、その添加量をポリオール1
00重量部に対する重量部で示した。尚、硬化触媒のト
リエチレンジアミンの添加量は上記のごとくポリオール
100重量部に対して0.2重量部である。
について、ロール本体を構成する発泡ポリウレタン成形
体の密度、アスカー硬度F、ロール各部の体積抵抗、及
び圧縮永久歪みを測定し、その結果を成形性と共に下記
表1に示した。体積抵抗はDC500Vで、圧縮永久歪
みは50℃×50%圧縮×72時間の条件で測定した値
である。また、表中のDBTDLは硬化触媒のジブチル
チンジラウレートを意味し、その添加量をポリオール1
00重量部に対する重量部で示した。尚、硬化触媒のト
リエチレンジアミンの添加量は上記のごとくポリオール
100重量部に対して0.2重量部である。
【0028】
【表1】 DBTDL 密 度 アスカー ロール各部の体積抵抗(Ωcm) 圧縮永久試料 (phr) (g/cm3) 硬度F 左端部 中央部 右端部 歪み(%) 成形性 1 0.05 0.11 30° 2.0×105 2.5×105 4.3×105 15 ○ 2 0.10 0.11 30° 1.5×105 2.1×105 1.8×105 16 ○ 3 0.30 0.11 30° 1.7×105 2.0×105 1.9×105 15 ○ 4* 0 0.11 30° 2.3×105 2.2×106 2.5×107 15 ○ 5* 0.01 0.11 30° 1.5×105 1.8×106 7.6×106 15 ○ 6* 0.50 0.11 30° 1.6×105 1.8×105 1.7×105 12 × (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0029】上記の結果から分かるように、本発明の各
試料の発泡導電性ポリウレタンロールでは、アスカー硬
度Fが10°〜80°の範囲にあり、体積抵抗が104
〜109Ωcmの範囲内であって、且つロール各部での
体積抵抗の変化が殆どない均一な導電性が得られた。し
かし、比較例の試料4及び5では、ロール各部での体積
抵抗が1桁以上異なり、均一な導電性が得られないこと
が分かる。また、比較例の試料6は本発明例と同様の特
性が得られたが、硬化触媒であるジブチルチンジラウレ
ートの添加量が多すぎるため、硬化の進行が速く、成形
性が極めて悪かった。
試料の発泡導電性ポリウレタンロールでは、アスカー硬
度Fが10°〜80°の範囲にあり、体積抵抗が104
〜109Ωcmの範囲内であって、且つロール各部での
体積抵抗の変化が殆どない均一な導電性が得られた。し
かし、比較例の試料4及び5では、ロール各部での体積
抵抗が1桁以上異なり、均一な導電性が得られないこと
が分かる。また、比較例の試料6は本発明例と同様の特
性が得られたが、硬化触媒であるジブチルチンジラウレ
ートの添加量が多すぎるため、硬化の進行が速く、成形
性が極めて悪かった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、導電性付与剤としての
カーボンブラックの分散性が向上するため、少ない添加
量のカーボンブラックで所望の導電性をロール全体にわ
たって均一に得ることができ、同時に低粘度で成形性に
優れたプレミックスポリオールが得られるので、金型成
形により高発泡して、従来よりも低硬度の発泡導電性ポ
リウレタンロールを得ることができる。
カーボンブラックの分散性が向上するため、少ない添加
量のカーボンブラックで所望の導電性をロール全体にわ
たって均一に得ることができ、同時に低粘度で成形性に
優れたプレミックスポリオールが得られるので、金型成
形により高発泡して、従来よりも低硬度の発泡導電性ポ
リウレタンロールを得ることができる。
【0031】従って、ロール表面に特別な導電層を形成
しなくても、体積抵抗が所定の範囲にあり且つ全体に均
一で、従来よりも遥かに低硬度である発泡導電性ポリウ
レタンロールを提供することができ、この発泡導電性ポ
リウレタンロールは、複写機、プリンター、ファックス
等に使用されるトナー搬送ロール又は転写ロールとして
特に好適である。
しなくても、体積抵抗が所定の範囲にあり且つ全体に均
一で、従来よりも遥かに低硬度である発泡導電性ポリウ
レタンロールを提供することができ、この発泡導電性ポ
リウレタンロールは、複写機、プリンター、ファックス
等に使用されるトナー搬送ロール又は転写ロールとして
特に好適である。
【図1】本発明の発泡導電性ポリウレタンロールを示す
概略の斜視図である。
概略の斜視図である。
【図2】電子写真法による現像方式の説明図である。
1 感光ドラム 2 帯電ロール 3 トナーボックス 4 トナー 5 トナー搬送ロール 6 現像ロール 7 転写ロール 8 用紙 9 クリーニング部 10 発泡導電性ポリウレタンロール 10a シャフト 10b ロール本体
Claims (5)
- 【請求項1】 シャフトと該シャフトの周囲に設けられ
た円柱状のロール本体とからなり、該ロール本体が硬化
触媒として第3級アミンと有機錫化合物を用いたポリオ
ールとポリイソシアネートを主原料とし、前記硬化触媒
の有機錫化合物がポリオール100重量部に対して0.
05〜0.3重量部で、且つカーボンブラックにより導
電性を付与された発泡ポリウレタンの成形体であって、
そのアスカー硬度Fが10°〜80°、及び体積抵抗が
104〜109Ωcmであることを特徴とする発泡導電性
ポリウレタンロール。 - 【請求項2】 前記発泡ポリウレタンの密度が0.05
〜0.20g/cm3であり、圧縮永久歪みが20%以下
であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡導電性
ポリウレタンロール。 - 【請求項3】 前記発泡ポリウレタンが、分子量300
0〜4000、官能基数2.5〜3.5、末端の1級アル
コール基濃度60〜70%のポリオキシプロピレンと、
トルエンジイソシアネートとを主原料とするものである
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の発泡導電性
ポリウレタンロール。 - 【請求項4】 前記硬化触媒の第3級アミンがポリオー
ル100重量部に対して0.1〜1.0重量部であること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡導
電性ポリウレンタンロール。 - 【請求項5】 前記発泡ポリウレタンに含まれるカーボ
ンブラックの粒径が20〜50nm、DBP吸油量が1
00〜500ml/100gであって、その発泡ポリウ
レタン中の含有量が0.5〜3.0重量%であることを特
徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡導電性
ポリウレタンロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7148697A JPH10268629A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 発泡導電性ポリウレタンロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7148697A JPH10268629A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 発泡導電性ポリウレタンロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10268629A true JPH10268629A (ja) | 1998-10-09 |
Family
ID=13462041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7148697A Pending JPH10268629A (ja) | 1997-03-25 | 1997-03-25 | 発泡導電性ポリウレタンロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10268629A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005321764A (ja) * | 2004-04-08 | 2005-11-17 | Hokushin Ind Inc | 導電性ロール及びその製造方法 |
JP2007256299A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Swcc Showa Device Technology Co Ltd | 導電性ゴムローラ |
US20100284711A1 (en) * | 2008-01-10 | 2010-11-11 | Alexander Breitenbach | Toner roller with an insulation layer comprising polymer |
-
1997
- 1997-03-25 JP JP7148697A patent/JPH10268629A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005321764A (ja) * | 2004-04-08 | 2005-11-17 | Hokushin Ind Inc | 導電性ロール及びその製造方法 |
JP2007256299A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Swcc Showa Device Technology Co Ltd | 導電性ゴムローラ |
US20100284711A1 (en) * | 2008-01-10 | 2010-11-11 | Alexander Breitenbach | Toner roller with an insulation layer comprising polymer |
US8396403B2 (en) * | 2008-01-10 | 2013-03-12 | OcéSystems GmbH | Toner roller with an insulation layer comprising polymer |
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