JPH10268364A - ガラスの着色方法 - Google Patents

ガラスの着色方法

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JPH10268364A
JPH10268364A JP11170197A JP11170197A JPH10268364A JP H10268364 A JPH10268364 A JP H10268364A JP 11170197 A JP11170197 A JP 11170197A JP 11170197 A JP11170197 A JP 11170197A JP H10268364 A JPH10268364 A JP H10268364A
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JP
Japan
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glass
coloring
photon absorption
colored
light
Prior art date
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Pending
Application number
JP11170197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Watanabe
裕一 渡邊
Shinichi Sakata
信一 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスの着色に縮退二光子吸収を利用する方
法を用いることにより、ガラスを効率よく内部まで均一
に着色することを課題とする。 【解決手段】 ガラスを光化学的に着色する際に、縮退
二光子吸収を利用するガラスの着色方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスを二光子吸
収を利用した光化学的手法によって着色する方法に関す
るものである。本発明の方法により得られる着色ガラス
を用いて、光シャッター、光メモリー等を構成すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】ガラスを紫外光を用いて、光化学的な方
法で着色することは、従来より知られている。この着色
は、ガラス材料が有するバンドギャップ以上のエネルギ
ーを有する光を照射することにより達成される。入射し
た光はガラスが着色する際のエネルギーとして吸収さ
れ、消費される。通常、このような光化学反応は一光子
吸収によって達成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一光子による光化学的
な反応の欠点は、入射した光が、バンドギャップに相当
する物質固有の吸収のため、急速に減衰し、結果とし
て、着色は極く表面でのみしか起こらないことである。
このことのために、光化学的な手法によって、光シャッ
ター、光メモリーを構成する際、利用できる領域が表面
のみしか利用できないという欠点がある。
【0004】例えば、通常ガラスを光化学的に着色しよ
うとすると、ガラス材料が有するバンドギャップ以上の
エネルギーを有する波長248−355nmの紫外光を
用いる必要があるが、その場合、100MW/cm
光を用いても、表面から10μm程度までの極く表面層
のみの着色しかできない。
【0005】近年、大容量の記録材料が求められてお
り、もしも記録層の内部まで使用して情報を積層的に構
成できれば、記録密度は飛躍的に向上すると考えられる
が、光化学を利用した、そのような方法はこれまで知ら
れていない。また、光化学反応を利用し、光の減衰装
置、例えば光シャッターを構成する場合においても、構
成材料の内部まで着色する方法があれば、非常に高性能
の光シャッターを構成することができると考えられる
が、それを実現する方法も提案されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上のよ
うな光化学反応が表面でしか起こらないという欠点を改
善するために鋭意検討の結果、本発明に至った。本発明
は、ガラスを光化学的に着色する際に、縮退二光子吸収
を利用することを特徴とするガラスの着色方法に関す
る。また本発明は、ガラスを光化学的に着色する際に、
縮退二光子吸収が誘起する光化学反応を利用して光入射
の深さ方向に均一に着色することを特徴とするガラスの
着色方法に関する。
【0007】本発明によると、ガラスの着色に縮退二光
子吸収を利用する方法を用いることにより、ガラスを効
率よく内部まで均一に着色することができる。本発明に
おいて、ガラスを構成する元素として、カドミウムまた
は鉛を含有することにより、容易に光化学反応を起こす
ことができ、しかも、熱処理によって光化学反応により
着色したガラスを無色に戻すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、ガラスを光化学
的に着色する際の縮退二光子吸収を利用するための光源
としてはレーザー光が用いられる。
【0009】本発明において、光化学的に着色する際に
使用される光源としては、波長が過度に短いと、一光子
吸収が起こり、表面付近での吸収が大きくなり、波長が
過度に長いと、二光子吸収が効率的に起こらなくなるの
で、光源の波長が400nmから700nmであるレー
ザー光が好適に使用される。また、光源の出力が、過度
に小さいと、一光子吸収が起こり、表面付近での吸収が
大きくなり、過度に大きいと、二光子吸収が効率的に起
こらなくなるので、光源の出力は10MW/cm〜5
000MW/cmが好ましい。
【0010】前記光化学的な着色方法における光照射の
方法としては、パルス法、連続照射法のいずれの方法を
採用することができる。
【0011】本発明に使用されるガラスとしては、カド
ミウム及び/または鉛を含有するホウケイ酸ガラス、ナ
トリウムガラスなどのガラスが好適に挙げられる。カド
ミウム及び/または鉛を含有するガラスは、容易に光化
学反応を起こし、黒褐色に着色する。しかも、約200
℃の加熱処理で容易に、脱色できるという特徴を持って
いる。ガラスの作製方法は一般的な溶融急冷法によって
作製できる。
【0012】本発明において、前記ガラスに含有される
カドミウムの含有量は、過度に少ない場合には効率的な
着色が起こらず、過度に多い場合にはガラスが得られな
いので、一酸化カドミウムに換算して30モル%〜65
モル%であることが好ましい。また、前記ガラスに含有
される鉛の含有量は、過度に少ない場合には効率的な着
色が起こらず、過度に多い場合には、ガラスが得られな
いので、一酸化鉛に換算して20モル%〜60モル%で
あることが好ましい。
【0013】本発明の方法によれば、例えば532n
m、870MW/cmのレーザー光を利用し、縮退二
光子吸収に伴う光化学反応を用いて、着色を行った場
合、表面から10000μm以上の深さにおいても光化
学反応を起こすことができる。このように、深さ方向に
着色できるので、メモリーとして利用した場合、表面で
の記録ばかりではなく、深さ方向にも記録が可能とな
る。また、入射光をガラス内で交差させ、交差部位での
み着色を起こさせる、すなわち3次元空間的な記録も可
能となる。また、前述したように記録された情報は、記
録媒体であるガラスを約200℃に加熱する、あるいは
吸収領域波長の低強度光を照射することにより消去でき
る。
【0014】縮退二光子吸収を用いるとガラスの内部ま
で着色できる理由は次の通りである。二光子吸収は、基
礎吸収端以下の波長の光の光量子エネルギーを二つ同時
に励起する3次非線形光学効果の一種であり、レーザー
光に代表される極く高強度光源を用いてることによって
観測可能である。このとき光の吸収率は光路長10mm
で10%程度に留まるが、励起された電子あるいは正孔
の数密度は、二光子吸収を誘起するレーザー光の高強度
を反映して、光入射端面で1019cmにも達する。
一方、出射端面でも吸収から1018cmの数密度が
達成される。これら励起素電荷の数密度は光化学反応を
起こすのに十分な値で、入射光路全体に均一な着色反応
が誘起されることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例及び比較例によ
り説明する。 実施例1 60CdO−15B−25SiO(数字はモル
%)となるように、CdO、B、SiOを秤量
した。試薬を、めのう乳鉢を用いて、エタノール中にて
よく混合した。この試料を乾燥し、白金るつぼにいれ、
箱形電気炉を用いて大気中、1200℃に加熱、溶融し
た。溶融を確認後、るつぼを速やかに、炉より取り出し
急冷した。このようにしてできたガラスは、無色透明で
あった。このガラスから、6mm×5mm×5mmの直
方体のガラスのブロックを切り出し、研磨して二光子吸
収による光化学的な着色を行った。直方体のガラスを円
筒の台にのせ、これに二光子吸収が起きるように、
d;YAGレーザーの第二高調波を利用して532n
m、870MW/cmの可視レーザーを照射した。図
1は、得られたセラミック材料(ガラス)の着色状態を
示す図であり、ガラスを光の入射方向に垂直な方向から
見たときの着色状態を示す図面に代わる写真図である。
レーザー光は紙面の右側より入射し、左側に抜けたこと
になる。黒色に見える部分は光が通過し、光化学的な着
色が起こった部分である。また図2は、図1を横側から
見た図であり、得られたセラミック材料(ガラス)の着
色状態を示す図であり、ガラスを光の入射方向から見た
ときの着色状態を示す図面に代わる写真図である。レー
ザー光は、紙面に対し、表側から、裏側に通過したこと
になる。細く絞られたレーザー光を4つの場所に照射し
た。光化学的な反応によって生じた4つの黒色のスポッ
トが見える。このスポットは、紙面の奥に向かって連続
している。これらの黒色に変化した部分を有するガラス
を、大気中、200℃、10分の加熱をしたところ、黒
色に変化した部分は無色となり、ガラスは無色透明に戻
った。
【0016】比較例1 実施例1と同様のガラスを用いて、355nm、900
MW/cmの光を照射した、この波長では一光子吸収
が起こるため光の当たった表面から、10μmのみ着色
が生じた。
【0017】実施例2 44PbO−54SiO−1NaO−1KO(数
字はモル%)となるように、PbO、SiOを秤量し
た。試薬を、めのう乳鉢を用いて、エタノール中にてよ
く混合した。この試料を乾燥し、白金るつぼにいれ、箱
形電気炉を用いて大気中、1400℃に加熱、溶融し
た。溶融を確認後、るつぼを速やかに、炉より取り出し
急冷した。このようにしてできたガラスは、無色透明で
あった。このガラスに二光子吸収が起きるように、53
2nm、870MW/cmの可視レーザーを照射し
た。レーザービームの通過した場所は、図1と同様に、
光化学反応によって、黒色に変化した。この黒色に変化
したサンプルを、大気中、200℃、10分の加熱をし
たところ、黒色に変化した部分は、無色となり、ガラス
は、無色透明に戻った。
【0018】比較例2 実施例2と同様のガラスを用いて、355nm、900
MW/cmの光を照射した、この波長では一光子吸収
が起こるため、光の当たった表面から、10μmのみ着
色が生じた。
【0019】
【発明の効果】本発明によると、ガラスの着色に縮退二
光子吸収を利用する方法を用いることにより、ガラスを
効率よく内部まで均一に着色することができ、これまで
にない空間的に利用可能な光シャッター、光メモリーを
提供することができる。また本発明において、ガラスを
構成する元素として、カドミウムまたは鉛を含有するこ
とにより、容易に光化学反応を起こすことができ、しか
も、熱処理によって光化学反応により着色したガラスを
無色に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック材料の組織を光の入射方向に垂直な
方向から見たときの着色状態を示す図面に代わる写真図
である。
【図2】セラミック材料の組織を光の入射方向から見た
ときの着色状態を示す図面に代わる写真図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスを光化学的に着色する際に、縮退
    二光子吸収を利用することを特徴とするガラスの着色方
    法。
  2. 【請求項2】 ガラスを光化学的に着色する際に、縮退
    二光子吸収が誘起する光化学反応を利用して光入射の深
    さ方向に均一に着色することを特徴とするガラスの着色
    方法。
  3. 【請求項3】 前記方法に使用されるガラスがカドミウ
    ム及び/または鉛を含有するガラスである請求項1また
    は請求項2記載のガラスの着色方法。
  4. 【請求項4】 前記ガラスに含有されるカドミウムの含
    有量が、一酸化カドミウムに換算して30モル%〜65
    モル%であることを特徴とする請求項3記載のガラスの
    着色方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラスに含有される鉛の含有量が、
    一酸化鉛に換算して20モル%〜60モル%であること
    を特徴とする請求項3記載のガラスの着色方法。
JP11170197A 1997-03-26 1997-03-26 ガラスの着色方法 Pending JPH10268364A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710901B2 (en) * 2001-11-02 2004-03-23 Canadian Production Promotion Group Inc. Method and apparatus for two-photon, volumetric spatially resolved holographic data storage in photosensitive glass
JP2010199588A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Schott Ag 集光器オプティクスを備えた光起電力デバイス
JP2017204578A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 凸版印刷株式会社 固体撮像素子およびその製造方法

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