JPH10268227A - ヘッドアップディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】コンバイナを汚すことなく左右軸中心に回転さ
せ、コンバイナを使用位置と非使用位置との間で変位さ
せたり、本体に対する細かい位置調節により観察対象の
虚像を見やすい位置に形成できるヘッドアップディスプ
レイを提供する。 【解決手段】本体５から出射される画像表示光の光路を
コンバイナ２により変更することで、そのコンバイナ２
の前方に観察対象の虚像を形成する。その本体５に摘み
可能な操作部材１５が左右軸中心に回転可能かつ位置保
持可能に取り付けられる。その操作部材１５の回転に連
動して前記コンバイナ２は左右軸中心に回転可能とされ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、観察者の前方視野
内に各種情報を実在物と重畳して表示できるヘッドアッ
プディスプレイに関し、例えば自動車のダッシュボード
上のような乗物内に設置するのに適する。

【０００２】

【従来の技術】例えばナビゲーション情報を自動車のド
ライバーに提供するためにヘッドアップディスプレイが
用いられている。これにより、ドライバーは前方視野か
ら視線を外すことなくナビゲーション情報を視認でき、
事故防止に貢献できる。

【０００３】従来のヘッドアップディスプレイは、観察
者の前方に配置されるコンバイナと、画像表示光を出射
する表示装置を有する本体とを備え、そのコンバイナに
より画像表示光を反射することで、そのコンバイナの前
方に観察対象の虚像を形成する。

【０００４】そのコンバイナは本体にヒンジを介して支
持されることで、左右軸中心に回転可能とされている。
その回転により、コンバイナは非使用時には倒され、使
用時には起立される。また、そのコンバイナの反射面の
法線方向を変化させることで、その虚像の形成位置が変
更可能とされている。すなわち、その本体とコンバイナ
の一方に、ヒンジの回転中心のまわりに複数の溝が形成
され、その本体とコンバイナの他方に、その溝に嵌め合
わせることができる突起を有する保持部材が着脱可能と
されている。そのコンバイナを左右軸中心に回転させた
後に、その突起を複数の溝の何れかに嵌め合わせること
で、そのコンバイナの本体に対する位置保持を行ってい
る。

【０００５】従来、そのコンバイナの左右軸中心の回転
は、コンバイナを手で直接把持して行われていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の構成では、コン
バイナを回転させるために直接手で触れるため、コンバ
イナに指紋や手指の汚れが付着するおそれがあった。

【０００７】また、コンバイナの位置保持のために形成
される複数の溝は、装置が大型化しないように、そのヒ
ンジの回転中心の近傍に設ける必要がある。そのため、
そのコンバイナの位置調節ピッチが大きくなり、細かい
位置調節を行なうことができなかった。

【０００８】本発明は、上記問題を解決することのでき
るヘッドアップディスプレイを提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、コンバイナ
と、画像表示光の出射手段を有する本体とを備え、その
コンバイナにより画像表示光の光路を変更することで、
そのコンバイナの前方に観察対象の虚像を形成するヘッ
ドアップディスプレイにおいて、その本体に摘み可能な
操作部材が左右軸中心に回転可能かつ位置保持可能に取
り付けられ、その操作部材の回転に連動して前記コンバ
イナは左右軸中心に回転可能とされていることを特徴と
する。本発明の構成によれば、操作部材を回転させるこ
とで、コンバイナに触れることなく、コンバイナを左右
軸中心に回転させ、所望位置に位置保持できる。本発明
において、その操作部材と本体との間に発生する摩擦力
により、その本体に対する操作部材の位置保持が可能と
されているのが好ましい。これにより、簡単な構成で操
作部材の位置保持が可能になる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。

【００１１】図１、図２に示す車両用のヘッドアップデ
ィスプレイ１は、中空の本体５と、この本体５に取り付
けられたコンバイナ２とを備える。その本体５は、上下
２部材５Ａ、５Ｂをボルト等により接合することで構成
されている。その本体５に、画像表示器３およびミラー
８が内蔵されている。

【００１２】その本体５は、例えばダッシュボードの上
面に取り付けられることで、そのコンバイナ２と画像表
示器３とは観察者（ドライバー）の前方（図１において
左方）に配置される。その本体５の上部に画像表示光の
出射用開口５ａが形成されている。

【００１３】その画像表示器３は、例えばナビゲーショ
ン情報等に対応する画像表示光Ｌを出射するもので、バ
ックライト付液晶ディスプレイ装置やブラウン管ディス
プレイ装置等により構成できる。

【００１４】その画像表示光Ｌは、後方に向かった後に
上記ミラー８により反射されることで前方斜め上方に向
かい進行し、コンバイナ２に至る。そのコンバイナ２
は、その画像表示光Ｌの光路を変更して観察者の瞳Ｅに
導く。そのコンバイナ２は、例えば、板状のハーフミラ
ーやホログラム素子等により構成できる。ハーフミラー
を用いる場合は反射により画像表示光Ｌの光路が変更さ
れる。ホログラム素子を用いる場合は回折により画像表
示光Ｌの光路が変更される。そのコンバイナ２による画
像表示光Ｌの光路変更により、そのコンバイナ２の前方
位置Ｐに観察対象の虚像が形成される。そのコンバイナ
２は前方からの光を透過するので、その虚像と前方の実
在物の双方を、観察者は視認することができる。そのコ
ンバイナ２の光路変更面２ａとミラー８の反射面８ａ
は、画像表示光Ｌを集光するように湾曲されることでコ
リメート機能を奏するのが好ましい。

【００１５】図３〜図５に示すように、そのコンバイナ
２の両側の下端に、下向きに突出する一対の４角柱状の
挿入部１１が設けられている。各挿入部１１の外側に円
柱状の突出部１１ａが設けられている。その本体５の上
部に一対の開口１２が設けられている。一方の挿入部１
１が一方の開口１２に挿入され、他方の挿入部１１が他
方の開口１２に挿入される。各挿入部１１に、本体５に
左右軸Ｏ中心に回転可能かつ位置保持可能に取り付けら
れた摘み可能な操作部材１５が連結される。

【００１６】すなわち、各操作部材１５は、その回転軸
Ｏを中心とする円筒面に沿う内外周面１５ａ、１５ｂ
と、その外周面１５ｂに周方向に沿って形成された凸部
１５ｃと、軸方向に沿う切欠１５ｄと、その凸部１５ｃ
よりも外端側において切り欠１５ｄの縁部から径方向に
沿って外方に延びる一対の摘み部１５ｅと、内端におい
て内周面１５ａから径方向に沿って内方に延びる連結部
１５ｆとを有し、径方向に弾性変形可能とされている。

【００１７】その本体５の両側面に、本体５を構成する
上部材５Ａと下部材５Ｂの接合面に半円状の切欠を形成
することで保持孔２０が形成されている。各保持孔２０
の内周面２０ａと操作部材１５の外周面１５ｂとが摺動
可能に互いに接するように、各保持孔２０に操作部材１
５が挿入される。これにより、各操作部材１５は左右軸
Ｏ中心に回転可能とされている。各保持孔２０の内周面
２０ａに、周方向に沿って凹部２０ｂが形成されてい
る。各凹部２０ｂに操作部材１５の凸部１５ｃが摺動可
能に挿入されている。各保持孔２０の内周面２０ａと操
作部材１５の外周面１５ｂとの間に発生する摩擦力によ
り、本体５に対する各操作部材１５の位置保持が可能と
されている。また、その各凹部２０ｂへの凸部１５ｃの
挿入により各操作部材１５の保持孔２０からの抜けが阻
止される。本実施形態では、各保持孔２０に挿入された
各操作部材１５は、径が小さくなるように弾性変形した
状態とされ、各保持孔２０の内周面２０ａに弾力により
押し付けられている。これにより、各保持孔２０の内周
面２０ａと操作部材１５の外周面１５ｂとの間に、本体
５に対する各操作部材１５の位置保持のための摩擦力を
確実に発生させることができる。また、一対の摘み部１
５ｅを挟み、その径が小さくなるように操作部材１５を
弾性変形させることで、その摩擦力を解除し、円滑に操
作部材１５を回転させることが可能になる。

【００１８】各操作部材１５の連結部１５ｆに、通孔３
０と、軸方向に沿って内方に突出する一対の受け部３１
とが形成されている。その通孔３０に、上記挿入部１１
の突出部１１ａが挿入され、両受け部３１の間に挿入部
１１が嵌め込まれる。これにより、各操作部材１５の回
転に連動してコンバイナ２は左右軸Ｏ中心に回転可能と
され、本実施形態では各操作部材１５とコンバイナ２と
は同行回転する。なお、各開口１２の前後方向寸法と、
各挿入部１１の開口１２から上方への突出寸法とは、そ
のコンバイナ２を左右軸Ｏ中心に必要量だけ回転させる
ことができるように設定される。

【００１９】上記構成によれば、摘み部１５ｅを摘んで
操作部材１５を回転させることで、コンバイナ２に触れ
ることなく、コンバイナ２を左右軸中心に回転させ、所
望位置に位置保持し、コンバイナ２の光路変更面２ａの
法線方向を変化させることができる。図１における２点
鎖線と実線は、その回転の前後におけるコンバイナ２の
位置の一例を示し、その光路変更面２ａの法線方向が前
後方向に対してなす角度が図中θだけ変化する。また、
コンバイナ２の本体５に対する位置保持と細かい位置調
節が簡単な構成で可能になり、その光路変更面２ａの法
線方向を無段階に変更することで、表示される虚像の位
置を微調整できる。また、そのコンバイナ２の回転角度
を大きくすることで、非使用時におけるヘッドアップデ
ィスプレイ１の高さを低くすることができる。その非使
用時におけるコンバイナ２を覆うカバーを設けるのが好
ましい。

【００２０】図６の（１）、（２）は本発明の変形例を
示す。上記実施形態との相違は、コンバイナ２の各挿入
部１１１は、上記実施形態の突出部１１ａに代えて４角
孔１１１ａを有する。また、上記実施形態の操作部材１
５に代えて本体５に左右軸中心に回転可能かつ位置保持
可能に取り付けられた摘み可能な操作部材１１５は、そ
の回転軸Ｏを中心とする円筒面に沿う外周面１１５ａ
と、その回転軸Ｏを中心とする円錐面に沿うテーパ面１
１５ｂと、その回転軸Ｏに直交する内外側面１１５ｃ、
１１５ｄと、その外側面１１５ｄから外方に延びる摘み
部１１５ｅと、その内側面１１５ｅから内方に延びる４
角柱状の連結部１１５ｆとを有する。そのテーパ面１１
５ｂは、外方に向かうに従い径方向内方に向かう。その
本体５の両側面に、本体５を構成する上記実施形態と同
様の上部材（図示省略）と下部材５Ｂの接合面において
半円状の切欠を設けることで、上記実施形態の保持孔２
０と異なる保持孔１２０が形成されている。各保持孔１
２０は、円筒面に沿う内周面１２０ａと、その内周面１
２０ａの外方にあって上記操作部材１１５のテーパ面１
１５ｂに平行なテーパ面１２０ｂと、内端面１２０ｃ
と、上記連結部１１５ｆの挿通部１２０ｄとを有する。
その操作部材１１５の外周面１１５ａと保持孔１２０の
内周面１２０ａとが摺動可能に互いに接すると共に、そ
の操作部材１１５のテーパ面１１５ｂと保持孔１２０の
テーパ面１２０ｂとが摺動可能に互いに接するように、
各保持孔１２０に操作部材１１５が挿入される。これに
より、各操作部材１１５は左右軸Ｏ中心に回転可能とさ
れている。各保持孔１２０の内端面１２０ｃと各操作部
材１１５の内側面１１５ｃとで挟まれる弾性部材１２１
が設けられている。その弾性部材１２１としては、例え
ば、皿ばねやウェーブワッシャを用いることができる。
その弾性部材１２１の弾力により、操作部材１１５のテ
ーパ面１１５ｂは保持孔１２０のテーパ面１２０ｂに押
し付けられる。これにより、各保持孔１２０のテーパ面
１２０ｂと操作部材１１５のテーパ面１１５ｂとの間
に、本体５に対する各操作部材１１５の位置保持のため
の摩擦力を確実に発生させることができる。また、各操
作部材１１５を回転軸Ｏ方向に押して弾性部材１２１を
弾性変形させることで、その摩擦力を解除し、円滑に操
作部材１１５を回転させることが可能になる。各操作部
材１１５の連結部１１５ｆが、各挿入部１１１の角孔１
１１ａに軸方向移動可能かつ前記回転軸Ｏ中心に同行回
転可能に嵌め込まれる。これにより、各操作部材１１５
の回転に連動してコンバイナ２は左右軸Ｏ中心に回転可
能とされ、本変形例では各操作部材１１５とコンバイナ
２とは同行回転する。他は上記実施形態と同様とされ
る。

【００２１】なお、本発明は上記実施形態や変形例に限
定されない。例えば、操作部材は単一であってもよい。
また、コンバイナと操作部材とを別部材とすることなく
一体成形してもよい。また、操作部材とコンバイナとは
同行回転する必要はなく、例えば、操作部材の回転角度
とコンバイナの回転角度の比が１以外になるように、操
作部材とコンバイナとをギヤ機構を介して連動させても
よい。また、操作部材の外周面に形成した凹部に保持孔
の内周面に形成した凸部を挿入するようにしてもよい。
また、操作部材の外周面に凹部と凸部の両方を形成し、
保持孔の内周面に、その凹部と凸部に挿入される凹部と
凸部の両方を形成してもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、コンバイナを汚すこと
なく左右軸中心に回転させ、コンバイナを使用位置と非
使用位置との間で変位させたり、本体に対する細かい位
置調節により観察対象の虚像を見やすい位置に形成でき
るヘッドアップディスプレイを提供できる。

【００２３】

【本発明の実施態様】本発明のヘッドアップディスプレ
イにおける操作部材は、その回転軸を中心とする円筒面
に沿う外周面を有し、その本体は、その操作部材を挿入
可能な保持孔を有し、その操作部材の外周面と保持孔の
内周面とが互いに摺動可能に接するものとされ、その操
作部材の外周面と保持孔の内周面の一方に形成された凸
部が、他方に形成された凹部に摺動可能に挿入され、そ
の操作部材の外周面と保持孔の内周面との間に発生する
摩擦力により、その本体に対する操作部材の位置保持が
可能とされているのが好ましい。これにより、簡単な構
成でコンバイナの位置保持と、コンバイナの本体に対す
る細かい位置調節が可能になる。また、その操作部材の
保持孔からの抜けを阻止できる。

【００２４】その操作部材と本体との間に発生する摩擦
力により、その本体に対する操作部材の位置保持を可能
とする場合に、その摩擦力は弾性により操作部材を本体
に押し付けることで発生可能とされ、且つ、その弾性に
よる操作部材の本体への押し付けが解除可能とされてい
るのが好ましい。これにより、その摩擦力を確実に発生
させることができると共に、その摩擦力を解除すること
で操作部材を円滑に回転させることができる。その操舵
部材が径方向に弾性変形可能とされ、その径が小さくな
るように径方向に弾性変形した操作部材の外周面が保持
孔の内周面に押し付けられることで、その摩擦力が発生
され、その径が小さくなるように操作部材を弾性変形さ
せることで、その押し付けが解除可能とされているのが
好ましい。あるいは、その回転軸方向から操作部材を本
体に押し付ける弾性部材が設けられることで、その摩擦
力が発生され、その回転軸方向に操作部材を押して弾性
部材を弾性変形させることで、その摩擦力が解除される
のが好ましい。これにより、その押し付け力を簡単な操
作で解除し、操作部材を円滑に回転させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態のヘッドアップディスプレイ
の構成説明用一部破断側面図

【図２】本発明の実施形態のヘッドアップディスプレイ
の要部の斜視図

【図３】本発明の実施形態のヘッドアップディスプレイ
の要部の分解状態での斜視図

【図４】本発明の実施形態のヘッドアップディスプレイ
の部分平断面図

【図５】本発明の実施形態のヘッドアップディスプレイ
の操作部材とコンバイナの側面図

【図６】本発明の変形例のヘッドアップディスプレイの
（１）は部分平断面図、（２）は要部の分解状態での斜
視図

【符号の説明】

２ コンバイナ ５ 本体 １５、１１５ 操作部材 １５ｃ 凸部 ２０、１２０ 保持孔 ２０ｂ 凹部

フロントページの続き (72)発明者 桑山 裕紀子 京都府京都市中京区西ノ京桑原町１番地株 式会社島津製作所三条工場内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンバイナと、画像表示光の出射手段を
   有する本体とを備え、そのコンバイナにより画像表示光
   の光路を変更することで、そのコンバイナの前方に観察
   対象の虚像を形成するヘッドアップディスプレイにおい
   て、 その本体に摘み可能な操作部材が左右軸中心に回転可能
   かつ位置保持可能に取り付けられ、 その操作部材の回転に連動して前記コンバイナは左右軸
   中心に回転可能とされていることを特徴とするヘッドア
   ップディスプレイ。
2. 【請求項２】 その操作部材と本体との間に発生する摩
   擦力により、その本体に対する操作部材の位置保持が可
   能とされている請求項１に記載のヘッドアップディスプ
   レイ。