JPH10267173A - 耐摩耗性ホース - Google Patents

耐摩耗性ホース

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JPH10267173A
JPH10267173A JP7191797A JP7191797A JPH10267173A JP H10267173 A JPH10267173 A JP H10267173A JP 7191797 A JP7191797 A JP 7191797A JP 7191797 A JP7191797 A JP 7191797A JP H10267173 A JPH10267173 A JP H10267173A
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JP
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rubber
component
wear
resistant hose
specific
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JP7191797A
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English (en)
Inventor
Hideaki Tanahashi
英明 棚橋
Daizo Nakayama
大三 中山
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐久性に優れた耐摩耗性ホースを提供する。 【解決手段】最内層1および最外層2の一方が、下記A
〜D成分を含有するゴム組成物によって形成され、B成
分の配合割合が、D成分中のaとA成分との合計重量1
00に対して重量割合が30〜70であり、A成分の硫
黄含有量が、D成分中のaとA成分との合計重量に対し
て0.7〜2.7重量%である。 記 A:天然ゴム及びジエン系ゴムの少くとも一方。 B:ISAFカーボンブラック。 C:加硫剤 D:次のaからなるマトリックス中に、次のbがノボラ
ック型フェノール樹脂を介したグラフト結合により分散
されたゴム材料。a:天然ゴム及びジエン系ゴムの一
方。b:分子中に−CONH−基を有する熱可塑性樹脂
製微粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐摩耗性を
備えた耐摩耗性ホースに関するものであり、詳しくは、
生コンクリート(以下「生コン」と略す)を打設するた
めの生コン打設用ゴムホース等として用いられる耐摩耗
性ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設工事や土木工事等において生コンを
打設場所に打設する場合、ピストン式ポンプ等を用いて
生コンを打設現場近くまで移送鋼管を通して圧送した
後、打設現場では、自由に屈曲できる可撓性の生コン打
設用ゴムホースを上記移送鋼管の先端に接続して使用す
るのが一般的である。このような生コン打設用ゴムホー
スとしては、ホース内部に圧送される生コンの圧力に耐
え得るように内面ゴム層と外面ゴム層との間に、複数の
補強層(通常は2〜4層)を設けたものが用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような生コン打
設用ゴムホースは、脈動による大きな内圧に起因する内
面ゴム層の著しい摩耗に加えて、生コン中に含まれる
砂、砂利、砕石、火山礫等の骨材との摩擦によって、上
記内面ゴム層が激しく摩耗するという問題がある。ま
た、上記生コン打設用ゴムホースは、打設現場の凹凸路
面上に直接置かれ、その凹凸路面上を引き回されるた
め、外面ゴム層が凹凸路面との摩擦や衝撃によって局部
的に摩耗したり破損が生じるという問題がある。したが
って、従来の生コン打設用ゴムホースは、その内面ゴム
層および外面ゴム層が、耐摩耗性に優れた天然ゴムやス
チレン−ブタジエン共重合ゴム等で形成されているのが
一般的である。しかしながら、耐摩耗性には、細かい搬
送物による滑り時の摩耗(擦り摩耗)と、大塊による衝
撃時の摩耗(チップカット摩耗)とがあり、一般に両者
は背反関係にあるため、上記天然ゴム等を単に用いるだ
けでは、耐擦り摩耗性(耐DIN摩耗性)と耐衝撃摩耗
性(耐チップカット摩耗性)の双方の特性を得ることは
できない。このように、耐擦り摩耗性(耐DIN摩耗
性)と耐衝撃摩耗性(耐チップカット摩耗性)の双方の
特性を満足する耐摩耗性ホースは未だ得られていないの
が実情であり、これら双方の特性を備えた耐摩耗性ホー
スの開発が待望されている。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐擦り摩耗性(耐DIN摩耗性)および耐衝撃
摩耗性(耐チップカット摩耗性)の双方の特性を備え、
耐久性に優れた耐摩耗性ホースの提供をその目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の耐摩耗性ホースは、多層構造の耐摩耗性
ホースであって、最内層および最外層の少なくとも一方
が、下記の(A)〜(D)成分を含有するゴム組成物に
よって形成され、かつ、上記(B)成分の配合割合が、
上記(D)成分中の(a)と(A)成分との合計100
重量部に対して30〜70重量部であり、上記ゴム組成
物中の硫黄含有量が、上記(D)成分中の(a)と
(A)成分との合計量に対して0.7〜2.7重量%で
あるという構成をとる。 (A)天然ゴムおよびジエン系ゴムの少なくとも一方。 (B)ISAFカーボンブラック。 (C)加硫剤。 (D)下記の(a)からなるマトリックス中に、下記の
(b)がノボラック型フェノール樹脂を介したグラフト
結合により分散されてなるゴム材料。 (a)天然ゴムおよびジエン系ゴムの少なくとも一方。 (b)分子中に−CONH−基を有する熱可塑性樹脂製
微粒子。
【0006】なお、本発明の耐摩耗性ホースにおける
「多層構造」とは、少なくとも2層構造であることをい
う。また、本発明において「ゴム組成物中の硫黄含有
量」とは、ゴム組成物中に含まれる加硫剤(C成分)中
の硫黄含有量をいい、加硫剤(C成分)とともに加硫促
進剤を用いる場合は、ゴム組成物中に含まれる加硫剤
(C成分)中の硫黄含有量と、加硫促進剤中の硫黄含有
量の総量をいう。
【0007】本発明者らは、耐擦り摩耗性(耐DIN摩
耗性)および耐衝撃摩耗性(耐チップカット摩耗性)の
双方の特性を備えた耐摩耗性ホースを得るべく鋭意研究
を重ねた。そして、上記特性の向上を考慮した結果、耐
摩耗性ホースを構成する最内層および最外層の形成材料
に着目し、上記層形成材料として一般に用いられるゴム
成分に、分子中に−CONH−基を有する熱可塑性樹脂
製微粒子を配合すると、上記ゴム成分の補強性が向上す
ることを突き止めた。しかしながら、上記ゴム成分と熱
可塑性樹脂製微粒子とは相溶性が悪く、両者を単に配合
するだけでは、ゴムマトリックス中での熱可塑性樹脂製
微粒子の分散性に劣り、所望の耐久性の向上効果が得ら
れない。そこで、さらに研究を続けた結果、結合剤とし
てノボラック型フェノール樹脂を用い、このノボラック
型フェノール樹脂を介してゴム成分と上記熱可塑性樹脂
製微粒子とをグラフト結合させたゴム材料(D成分)を
準備し、これを上記ゴムマトリックス中に他の成分とと
もに配合させると、グラフト結合した熱可塑性樹脂製微
粒子を含むゴム材料が均一に分散し、結果、この熱可塑
性樹脂製微粒子がゴムマトリックス全体に分散してゴム
成分の補強性が向上するとともに、他の材料との加工性
に優れることを突き止めた。すなわち、上記特定のゴム
(A成分)とISAFカーボンブラック(B成分)と加
硫剤(C成分)と特定のゴム材料(D成分)を含有し、
しかも上記ISAFカーボンブラック(B成分)の配合
量と、ゴム組成物中の硫黄含有量とがそれぞれ特定量に
設定された特殊なゴム組成物を用いると、耐擦り摩耗性
(耐DIN摩耗性)および耐衝撃摩耗性(耐チップカッ
ト摩耗性)の双方の特性を備えた耐摩耗性ホースが得ら
れることを見出し本発明に到達した。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0009】本発明の耐摩耗性ホースの一例としては、
図1(A)および(B)に示すように、最内層1の外周
面に最外層2が形成された2層構造のものがあげられ
る。そして、上記耐摩耗性ホースの最内層1および最外
層2の少なくとも一方は、特殊なゴム組成物を用いて形
成されている。
【0010】上記特殊なゴム組成物は、特定のゴム(A
成分)とISAFカーボンブラック(B成分)と加硫剤
(C成分)と特定のゴム材料(D成分)とを用いて得ら
れる。そして、上記特殊なゴム組成物におけるゴム成分
は、上記特定のゴム(A成分)と、上記特定のゴム材料
(D成分)中の特定のゴム(a)とからなる。このゴム
成分の上記ゴム組成物全体に占める割合は、ゴム組成物
全体の少なくとも40重量%に設定することが好まし
く、特に好ましくは40〜70重量%である。
【0011】上記D成分中の特定のゴム(a)ととも
に、本発明にかかるゴム組成物中のゴム成分を形成する
特定のゴム(A成分)としては、天然ゴムおよびジエン
系ゴムの少なくとも一方が用いられる。上記ジエン系ゴ
ムとしては、従来から用いられているものであれば特に
限定はなく、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ク
ロロプレンゴム(CR)等があげられる。これらは単独
であるいは2種以上併せて用いられる。
【0012】上記ISAFカーボンブラック(B成分)
は、いわゆる準超耐摩耗性(Intermediate Super Abras
ion Furnace)カーボンブラックであり、なかでも窒素吸
着比表面積が100〜135m2 /gであり、かつ、ヨ
ウ素吸着量が100〜130mg/gのものを用いるこ
とが好ましい。特に、上記ISAFカーボンブラック
(B成分)は、窒素吸着比表面積が110〜135m2
/gであり、かつ、ヨウ素吸着量が110〜130mg
/gのものを用いることが好ましい。すなわち、上記I
SAFカーボンブラック(B成分)の窒素吸着比表面積
およびヨウ素吸着量がいずれも上記好適範囲の下限を下
回ると、充分な補強性が得られず耐摩耗性が劣り、逆
に、上記窒素吸着比表面積およびヨウ素吸着量がいずれ
も上記好適範囲の上限を超えると、加工性が悪くなるか
らである。なお、上記ISAFカーボンブラック(B成
分)の窒素吸着比表面積は、吸着気体として窒素ガスを
用いる気相吸着法を用いて測定される。また、上記ヨウ
素吸着量とは、JIS K 6221−1982に記載
されているように、ISAFカーボンブラック(B成
分)1g当たりに吸着されるヨウ素の量(mg)をい
う。
【0013】上記ISAFカーボンブラック(B成分)
の配合割合は、上記特定のゴム(A成分)と、上記D成
分中の特定のゴム(a)との合計100重量部(以下
「部」と略す)に対して30〜70部の範囲であること
が必要であり、好ましくは40〜65部である。すなわ
ち、上記ISAFカーボンブラック(B成分)の配合割
合が30部未満であると、充分な補強性が得られず耐摩
耗性が劣り、70部を超えるとムーニー粘度が高くなり
すぎ加工性が悪くなるからである。
【0014】上記加硫剤(C成分)としては、従来から
用いられるものであれば特に限定はなく、例えば、硫黄
や有機加硫剤等があげられる。これらは単独であるいは
2種以上併せて用いられる。そして、上記有機加硫剤の
なかでも活性硫黄放出型有機加硫剤が特に好ましい。こ
の活性硫黄放出型有機加硫剤は、活性状態の硫黄(Acti
ve sulfur)を放出し、加硫時の温度で解離した活性状態
の硫黄(Active sulfur)により架橋を行わせる加硫剤で
ある。このような活性硫黄放出型有機加硫剤を用いた場
合は、粉末硫黄を用いた場合に生じるサルファーブルー
ムやスコーチを避けることができるため、耐老化性の向
上効果が得られる。
【0015】上記活性硫黄放出型有機加硫剤としては、
例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、
テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、ジペン
タメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチ
ウラム類、セレニウムジエチルジチオカルバメート(T
TSE)、テルリウムジエチルジチオカルバメート(T
TTE)等のジチオ酸塩類、2−(4′−モルホリノジ
チオ)ベンゾチアゾール(MDB)等のチアゾール類等
があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて
用いられる。これらの活性硫黄放出型有機加硫剤は、こ
のもの自体が強力な加硫促進剤であるため必ずしも加硫
促進剤を必要とせず、これら単独使用または併用で充分
加硫を行うことができる。
【0016】また、上記活性硫黄放出型有機加硫剤とし
ては、上記TT等の他にモルフォリン・ジサルファイ
ド、アルキルフェノール・ジサルファイド、有機多硫化
重合体等があげられる。これらの活性硫黄放出型有機加
硫剤は、必ず加硫促進剤を必要とする点で、上記TT等
の加硫剤とは異なるタイプに属するものである。
【0017】本発明においては、上記加硫剤(C成分)
とともに加硫促進剤を用いてもよい。上記加硫促進剤と
しても、従来から用いられるものであれば特に限定はな
く、例えば、N−tert−2−ベンゾチアゾールスルフェ
ンアミド(NS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−
ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DZ)、N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
(CZ)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾー
ルスルフェンアミド(MSA)等のスルフェンアミド類
等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せ
て用いられる。
【0018】そして、特殊なゴム組成物中に含まれる硫
黄含有量は、上記(D)成分中の(a)と(A)成分と
の合計量に対して0.7〜2.7重量%の範囲に設定す
る必要があり、好ましくは0.8〜2.2重量%であ
る。すなわち、上記硫黄含有量が0.7重量%未満であ
ると、耐擦り摩耗性(耐DIN摩耗性)が劣り、2.7
重量%を超えると耐衝撃摩耗性(耐チップカット摩耗
性)が劣るからである。なお、上記特殊なゴム組成物中
に含まれる硫黄含有量とは、先にも述べたように、上記
加硫剤(C成分)のみを用いる場合は加硫剤(C成分)
中の硫黄含有量をいい、加硫剤(C成分)とともに加硫
促進剤を用いる場合は、加硫剤(C成分)中の硫黄含有
量と、加硫促進剤中の硫黄含有量の総量をいう。
【0019】上記A〜C成分とともに用いられる特定の
ゴム材料(D成分)は、特定のゴム(a)からなるマト
リックス中に、特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)がノ
ボラック型フェノール樹脂を介したグラフト結合により
分散されたものである。
【0020】上記特定のゴム(a)は、前記A成分とと
もに本発明にかかるゴム組成物中のゴム成分を形成する
ものであり、前記A成分で述べた各種ゴムと同様のもの
があげられる。そして、上記D成分中の特定のゴム
(a)は、上記A成分である特定のゴムと同一であって
も異なっていてもよい。なかでも、上記D成分中の特定
のゴム(a)が天然ゴムであり、かつ、上記A成分であ
る特定のゴムが、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(S
BR)およびブタジエンゴム(BR)の少なくとも一方
であることが好ましい。
【0021】上記特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)に
おける熱可塑性樹脂としては、例えば、各種のナイロ
ン、ポリ尿素、熱可塑性ウレタン等があげられる。具体
的には、上記ナイロンとしては、ナイロン12、ナイロ
ン610、ナイロン611、ナイロン612等があげら
れ、上記ポリ尿素としては、ポリヘプタメチレン尿素、
ポリウンデカメチレン尿素等があげられ、上記熱可塑性
ウレタンとしては、各種のポリオールとポリイソシアネ
ートとの反応生成物があげられる。これらのなかでも、
上記ナイロンが特に好ましい。また、上記熱可塑性樹脂
の融点は190〜240℃が好ましく、特に好ましくは
200〜220℃である。
【0022】上記特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)
は、平均粒径0.1〜1.2μmの範囲のものが好まし
く、より好ましくは0.1〜1μmである。すなわち、
上記特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)の平均粒径が
0.1μm未満であると、得られるゴム組成物の引張強
度および伸びが不充分となり、充分な補強性が得られ
ず、1.2μmを超えると上記特定のゴム(a)からな
るマトリックス中での分散性が低下し、得られるゴム組
成物の引張物性が充分に発揮されないおそれがあるから
である。
【0023】上記特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)の
配合割合は、上記特定のゴム(A成分)と上記D成分中
の特定のゴム(a)との合計100部に対して1〜20
部が好ましく、特に好ましくは5〜10部である。すな
わち、上記熱可塑性樹脂製微粒子(b)の配合割合が1
部未満であると、耐摩耗性が劣る傾向がみられ、20部
を超えるとムーニー粘度が高くなりすぎ加工性が悪化す
る傾向がみられるからである。
【0024】上記D成分中のノボラック型フェノール樹
脂は、上記特定のゴム(a)と上記特定の熱可塑性樹脂
製微粒子(b)とをグラフト結合させるための結合剤と
して使用される。上記ノボラック型フェノール樹脂と
は、フェノール、ビスフェノール類等のフェノール類
と、ホルムアルデヒド供与体(パラホルムアルデヒドで
もよい)とを、硫酸、塩酸、リン酸、シュウ酸等の従来
公知の酸触媒の存在下、縮合反応させることによって得
られる可溶可融の樹脂およびその変形物(変性物)をい
う。このようなノボラック型フェノール樹脂としては、
例えば、ノボラック型フェノールホルムアルデヒド初期
縮合物、ノボラック型スチレン化フェノールホルムアル
デヒド初期縮合物、ノボラック型ラクタム−ビスフェノ
ールF−ホルムアルデヒド初期縮合物等があげられる。
【0025】上記フェノール類とともに縮合反応するホ
ルムアルデヒド供与体としては、ヘキサメチレンテトラ
ミン、アセトアルデヒドアンモニア、パラホルムアルデ
ヒド等の公知の化合物が用いられる。
【0026】そして、上記特定のゴム材料(D成分)
は、例えば、つぎのような方法により作製される。すな
わち、上記特定のゴム(a)100部と、特定の熱可塑
性樹脂製微粒子(b)1〜100部と、上記特定のゴム
(a)および特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)の合計
100部に対して0.2〜10部のノボラック型フェノ
ール樹脂と、上記ノボラック型フェノール樹脂100部
に対して1〜50部のホルムアルデヒド供与体とを、上
記熱可塑性樹脂の融点以上の温度でバンバリーミキサ
ー、ロール、押出機等により混練してこれらを積重し、
冷却後、シート出しすることによって作製できる。この
ようにして、上記特定のゴム(a)からなるマトリック
ス中に、上記特定の熱可塑性樹脂製微粒子(b)がノボ
ラック型フェノール樹脂を介したグラフト結合により分
散されてなるゴム材料(D成分)を得ることができる。
【0027】なお、上記特定のゴム材料(D成分)にお
けるグラフト率〔すなわち、特定のゴム(a)からなる
マトリックス中に分散されている特定の熱可塑性樹脂製
微粒子(b)の重量に対する、特定の熱可塑性樹脂製微
粒子(b)にグラフト結合している特定のゴム(a)の
重量割合〕は、3〜25重量%となるように調整するの
が好ましい。
【0028】なお、前記特殊なゴム組成物には、前記A
〜D成分の他に、従来からゴム組成物に用いられる老化
防止剤、粘着付与剤、軟化剤等の添加剤を必要に応じて
適宜配合することができる。
【0029】本発明の耐摩耗性ホースのなかでも、図1
(A)および(B)に示すような2層構造の耐摩耗性ホ
ースは、例えば、つぎのようにして製造することができ
る。
【0030】〔ゴム組成物の調製〕まず、先に述べた方
法に従い、前記特定のゴム(a)と特定の熱可塑性樹脂
製微粒子(b)とをノボラック型フェノール樹脂を介し
てグラフト結合させることにより、上記特定のゴム
(a)からなるマトリックス中に上記特定の熱可塑性樹
脂製微粒子(b)を分散させたゴム材料(D成分)を作
製する。つぎに、このゴム材料(D成分)に、上記特定
のゴム(A成分)とISAFカーボンブラック(B成
分)と加硫剤(C成分)と、必要に応じて加硫促進剤を
それぞれ所定量配合するとともに、必要により添加剤を
適宜に配合し、バンバリミキサー、ロール等の混練機を
用いて混合することにより特殊なゴム組成物を調製す
る。
【0031】〔耐摩耗性ホースの作製〕上記特殊なゴム
組成物を押出機により押出成形して最内層1を形成した
後、さらに、上記最内層1の外周面に上記特殊なゴム組
成物を押出成形して、図1(A)および(B)に示すよ
うな、最内層1の外周面に最外層2が形成された2層構
造の耐摩耗性ホースを作製する。あるいは、上記特殊な
ゴム組成物を用いて2層同時に共押出成形することによ
って作製することも可能である。また、押出成形以外の
方法を採用することも可能であり、例えば、射出成形等
によって作製しても差し支えない。
【0032】なお、上記耐摩耗性ホースの作製では、マ
ンドレルを使用しない場合について説明したが、マンド
レルを用いて従来と同様の方法により作製することもで
きる。
【0033】なお、本発明の耐摩耗性ホースは、図1に
示したような2層構造に限定されるものではなく、最内
層と最外層との間に複数の補強層を形成した構造であっ
ても差し支えない。本発明の耐摩耗性ホースの他の例と
して、図2に示すように、内面ゴム層11の外周に、内
側補強布層12、補強ワイヤ層13および外側補強布層
14が順次形成され、さらにその外周に外面ゴム層15
が形成された5層構造の生コン打設用ゴムホースがあげ
られる。この場合、上記内面ゴム層11(最内層)およ
び外面ゴム層15(最外層)の少なくとも一方の層が、
前記特殊なゴム組成物により形成される。
【0034】このようにして得られる本発明の耐摩耗性
ホースの各層の厚みは、ホースの使用用途により異なる
が、例えば、上記生コン打設用ゴムホースとして用いる
場合、最内層の厚みは、通常1〜10mmであり、好ま
しくは2〜5mmである。また、最外層の厚みは、通常
1〜10mmであり、好ましくは2〜5mmである。
【0035】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0036】
【実施例1〜13】 〔ゴム組成物の調製〕後記の表1〜表3に示す天然ゴム
と分子中に−CONH−基を有する熱可塑性樹脂製微粒
子(平均粒径0.5〜1.0μm)とを、先に述べた方
法に従い、ノボラック型フェノール樹脂を介してグラフ
ト結合させ、天然ゴムからなるマトリックス中に上記熱
可塑性樹脂製微粒子が分散されたゴム材料(UBESH
P LG1050、宇部興産社製)を調整した。つぎ
に、上記ゴム材料に後記の表1〜表3に示す他の成分を
同表に示す割合で配合し、これを通常の混練機で混合し
てゴム組成物を調製した。なお、ゴム組成物中に含まれ
る硫黄含有量(ゴム成分総量に対する)を後記の表1〜
表3に併せて示した。
【0037】〔生コン打設用ゴムホースの作製〕上記ゴ
ム組成物を押出機を用いてマンドレル上に押し出し内面
ゴム層11(厚み3mm)を形成した後、この内面ゴム
層11の外周に、トッピングを施したナイロン製すだれ
コードを角度65°で螺旋状に1層のみ巻き付けて内側
補強布層12を形成した。つぎに、上記内側補強布層1
2の外周に、ワイヤ(太さ2.6mm)を11.6mm
のピッチで上記内側補強布層12と同一方向に螺旋状に
巻き付けて補強ワイヤ層13を形成した。つづいて、上
記補強ワイヤ層13の外周に、上記トッピングを施した
ナイロン製すだれコードを上記補強ワイヤ層13と逆方
向に角度65°で螺旋状に3層巻き付けて外側補強布層
14を形成した。そして、この外側補強布層14の外周
に、上記ゴム組成物を押出機を用いて押し出して外面ゴ
ム層15(厚み2mm)を形成した。最後に、ホース全
体を加硫機を用いて通常の条件で加硫した後、マンドレ
ルを抜き取り、図2に示すような5層構造の生コン打設
用ゴムホース(長さ8m、内径105mm)を作製し
た。
【0038】
【比較例1〜7】後記の表4および表5に示す各成分を
同表に示す割合で配合し、これを通常の混練機で混練し
てゴム組成物を調製した。それ以外は、実施例と同様に
して生コン打設用ゴムホースを作製した。
【0039】
【比較例8】実施例で用いた特定の熱可塑性樹脂製微粒
子(平均粒径0.5〜1.0μm)に代えて、後記の表
5に示すような、分子中に−CONH−基を有する熱可
塑性樹脂製短繊維(コーネックスSF、帝人社製)を用
いた。それ以外は、実施例と同様にして生コン打設用ゴ
ムホースを作製した。なお、上記分子中に−CONH−
基を有する熱可塑性樹脂製短繊維は、ゴムまたは樹脂等
の混合用アラミド繊維に特殊なRFL処理を施したもの
であり、繊維長約3mm、繊維径約9〜14μmのもの
を用いた。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】このようにして得られた実施例品および比
較例品のホースを用いて、擦り摩耗(DIN摩耗)およ
び衝撃摩耗(チップカット摩耗)の比較評価を下記の基
準に従い行った。また、上記各ホースの内面ゴム層およ
び外面ゴム層として用いたゴム組成物の加工性について
も評価を行った。これらの結果を、後記の表6〜表10
に併せて示した。
【0046】〔擦り摩耗(DIN摩耗)〕JIS K
6264に記載の方法に準拠して行った。結果は、比較
例1品を100とした場合の指数で表記した。なお、指
数値が小さい方が耐摩耗性に優れている。
【0047】〔衝撃摩耗(チップカット摩耗)〕引っ掻
き摩耗試験により測定した。すなわち、前記各ゴム組成
物を通常の条件により架橋してゴムを作製し、このゴム
を予め準備したドラム内に貼り付けるとともに、ドラム
内に先のとがった小塊(摩耗子)を入れ、70℃の雰囲
気下、168時間ドラムを回転させた。そして、回転前
後のゴム重量を測定し、ゴム重量の差から摩耗量を算出
した。結果は、比較例1品を100とした場合の指数で
表記した。なお、指数値が小さい方が耐摩耗性に優れて
いる。
【0048】〔加工性〕前記ゴム組成物をバンバリーミ
キサーまたはロールを用いて混練し、加工性を評価し
た。そして、ムーニー粘度が低く、スコーチが発生しな
いものを○として表示し、ムーニー粘度が高いもの、あ
るいはスコーチが発生するものを×として表示した。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
【表10】
【0054】上記表6〜表10の結果から、全実施例品
のホースは、耐擦り摩耗(DIN摩耗)および耐衝撃摩
耗(チップカット摩耗)の双方の特性に優れ、しかもゴ
ム組成物の加工性も優れていることがわかる。これに対
して、比較例品のホースは、耐擦り摩耗(DIN摩耗)
および耐衝撃摩耗(チップカット摩耗)のいずれかの特
性が劣ることがわかる。なお、比較例5品のホースに用
いたゴム組成物は、硫黄含有量が多すぎるためスコーチ
が発生し、加工性に劣ることがわかる。また、比較例7
品のホースに用いたゴム組成物は、ISAFカーボンブ
ラックの配合量が多すぎるためムーニー粘度が高く、加
工性に劣ることがわかる。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐摩耗性ホース
は、最内層および最外層の少なくとも一方が、特定のゴ
ム(A成分)とISAFカーボンブラック(B成分)と
加硫剤(C成分)と特定のゴム材料(D成分)を含有
し、しかも上記ISAFカーボンブラック(B成分)の
配合量と、ゴム組成物中の硫黄含有量とがそれぞれ特定
量に設定された特殊なゴム組成物を用いて形成されてい
るため、耐擦り摩耗性(耐DIN摩耗性)および耐衝撃
摩耗性(耐チップカット摩耗性)の双方の特性を備え、
しかも耐久性および耐屈曲摩耗性にも優れている。した
がって、本発明の耐摩耗性ホースは、例えば、優れた耐
擦り摩耗性(耐DIN摩耗性)および耐衝撃摩耗性(耐
チップカット摩耗性)が要求される、生コン打設用ゴム
ホース等として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は耐摩耗性ホースの構成を示す断面斜視
図であり、(B)は上記耐摩耗性ホースの断面図であ
る。
【図2】生コン打設用ゴムホースの構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 最内層 2 最外層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層構造の耐摩耗性ホースであって、最
    内層および最外層の少なくとも一方が、下記の(A)〜
    (D)成分を含有するゴム組成物によって形成され、か
    つ、上記(B)成分の配合割合が、上記(D)成分中の
    (a)と(A)成分との合計100重量部に対して30
    〜70重量部であり、上記ゴム組成物中の硫黄含有量
    が、上記(D)成分中の(a)と(A)成分との合計量
    に対して0.7〜2.7重量%であることを特徴とする
    耐摩耗性ホース。 (A)天然ゴムおよびジエン系ゴムの少なくとも一方。 (B)ISAFカーボンブラック。 (C)加硫剤。 (D)下記の(a)からなるマトリックス中に、下記の
    (b)がノボラック型フェノール樹脂を介したグラフト
    結合により分散されてなるゴム材料。 (a)天然ゴムおよびジエン系ゴムの少なくとも一方。 (b)分子中に−CONH−基を有する熱可塑性樹脂製
    微粒子。
  2. 【請求項2】 上記(C)成分である加硫剤が、活性硫
    黄放出型有機加硫剤である請求項1記載の耐摩耗性ホー
    ス。
  3. 【請求項3】 上記ゴム組成物が、上記(A)〜(D)
    成分に加えて、さらに加硫促進剤を含有するものである
    請求項1または2記載の耐摩耗性ホース。
  4. 【請求項4】 上記(D)成分中の(b)の配合割合
    が、上記(D)成分中の(a)と(A)成分との合計1
    00重量部に対して1〜20重量部である請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の耐摩耗性ホース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013073433A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 株式会社トヨックス 積層補強ホース
JP2014228043A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 株式会社ブリヂストン ホース用ゴム組成物及びホース

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