JPH10265375A - 高級脂肪族アルコール製剤 - Google Patents

高級脂肪族アルコール製剤

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JPH10265375A
JPH10265375A JP9071941A JP7194197A JPH10265375A JP H10265375 A JPH10265375 A JP H10265375A JP 9071941 A JP9071941 A JP 9071941A JP 7194197 A JP7194197 A JP 7194197A JP H10265375 A JPH10265375 A JP H10265375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
higher aliphatic
aliphatic alcohol
cyclodextrin
formulation
octacosanol
Prior art date
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Pending
Application number
JP9071941A
Other languages
English (en)
Inventor
Mieko Kawamura
美笑子 川村
Tatsuo Ido
達雄 井戸
Tatsuya Sugawara
達也 菅原
Itaru Miyamoto
至 宮本
Tadashi Funada
正 船田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水に可溶で、生体の吸収性に優れ、少量の投
与で十分な生理活性が認められる高級脂肪族アルコール
製剤を得る。 【解決手段】 炭素数22ないし38の高級脂肪族アル
コールをサイクロデキストリンに包接させた包接体から
なる高級脂肪族アルコール製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素数22ないし
38の高級脂肪族アルコールを含有する製剤、特に生理
活性を有する高級脂肪族アルコール製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】高級脂肪族アルコール、特に天然ワック
スから得られる炭素数22ないし38の高級脂肪族アル
コールは、従来から様々な生理活性を有することが指摘
されてきた。これらの中でも、オクタコサノールは脂質
代謝の亢進や運動能力の向上、ストレス耐性の向上など
に効果を示すことなどが報告されている(“The physio
logical effect of wheat germ oil on human exercis
e”Curerton T. K. Jr. 1972年)。
【0003】しかし、これらの高級脂肪族アルコールは
いずれも、その化学構造から融点が高く、また水に溶け
にくいため生体の吸収効率が悪い。このため充分な効果
を得るためには非常に大量の投与が必要であり、コスト
高になるとともに味に影響を与える。また高融点の粉末
のため、経口的に摂取しにくいなどの問題点がある。
【0004】このように高級脂肪族アルコールの水に溶
けにくい点を改善するために、大量の界面活性剤を添加
することにより、乳化もしくは可溶化することが従来行
われてきた(例えば特開昭61−263937号公報、
特開昭63−219357号公報)。しかし、これらの
組成物においても、その効果は大量の投与によってのみ
発現しており、高級脂肪族アルコール単独の場合と同様
に、吸収性が悪いという問題点がある。
【0005】また、生体の吸収性を増すために高級脂肪
族アルコールをトコフェロールおよびトリグリセリドに
溶解した製剤(特開平6−24966号)が報告されて
いるが、それでも投与量の5〜6%程度が吸収されるの
みで、必ずしも満足できるものとはいえなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のような問題点を解決するため、水に可溶で、生体の吸
収性に優れ、少量の投与で十分な生理活性が認められる
高級脂肪族アルコール製剤を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数22な
いし38の高級脂肪族アルコールのサイクロデキストリ
ン包接体からなることを特徴とする高級脂肪族アルコー
ル製剤である。
【0008】本発明の高級脂肪族アルコール製剤に含有
される高級脂肪族アルコールは、炭素数22ないし38
の高級脂肪族アルコールであり、例えばドコサノール
(炭素数22)、ヘキサコサノール(炭素数26)、オ
クタコサノール(炭素数28)等があげられる。特にオ
クタコサノールについては様々な生理活性が示されてお
り、他のものもこれに類似した生理活性が認められる。
本発明は特に融点が非常に高く、生体への吸収性がきわ
めて悪いオクタコサノール、ヘキサコサノール、トリア
コンタノールなどの吸収性を改善するために効果的であ
る。
【0009】このような高級脂肪族アルコールは、砂糖
きびかすや、ライスワックス等の天然ワックスなどから
抽出したもの、あるいは天然ワックスを加水分解して得
られる天然物由来のもの、および合成品などを用いるこ
とができる。これらは単独で、あるいは混合物として用
いることができる。
【0010】このような高級脂肪族アルコールを包接す
るサイクロデキストリン(cycrodextrin)は、D−グル
コースがα1→4結合により環状構造を形成したもの
で、グルコース6分子からなるα−サイクロデキストリ
ン、グルコース7分子からなるβ−サイクロデキストリ
ン、グルコース8分子からなるγ−サイクロデキストリ
ンなど、ならびにこれらに側鎖を付加したものなどがあ
げられる。これらは単独で、あるいは混合物として用い
ることができる。
【0011】これらのサイクロデキストリンは、外側が
親水性、内側が疎水性のドーナツ状の構造をしており、
内側の疎水性部分に適当な大きさの有機物を包接する。
本発明の製剤はこのような有機物として高級脂肪族アル
コールをサイクロデキストリンに包接したものである。
本発明では高級脂肪族アルコールとともに、安定剤とし
てのトコフェロールや、グリセライド、レシチン、乳化
剤、フレーバー、油溶性ビタミン(A、D、K等)など
の添加剤を包接させることも可能である。
【0012】本発明の高級脂肪族アルコール製剤を構成
する各成分の割合は、高級脂肪族アルコールが0.00
1〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、サ
イクロデキストリンが80〜99.999重量%、好ま
しくは90〜99.99重量%とするのが適当である。
トコフェロールその他の添加剤を包接させる場合は上記
高級アルコールの一部を添加剤で置換える。これらの添
加剤の使用量は高級アルコールに対し、0〜50重量
%、好ましくは0〜5重量%が適当である。
【0013】本発明の高級脂肪族アルコール製剤として
用いる包接体は、高級脂肪族アルコールとサイクロデキ
ストリンならびに必要により添加される添加剤を同時に
溶解する溶媒を用い、これらを混合して溶解攪拌した
後、溶媒を留去し乾燥固形物を得ることにより製造され
る。このとき用いる溶媒としては、水、メタノール、エ
タノール、2−プロパノール、ブタノール、アセトン等
の溶媒を組み合わせて用いることができる。
【0014】こうして得られる包接体はサイクロデキス
トリンの内側の疎水性部分に高級アルコールその他の油
溶性の成分が包接され、包接体の外側は疎水性であるた
め水溶性を示す。このため水に溶解した状態で摂取する
ことができ、生体による吸収性は良い。そしてサイクロ
デキストリン自体の生体による吸収性が良いことから、
これに包接された高級脂肪酸その他の油溶性成分もこれ
に伴なって吸収され、高級脂肪族アルコールの吸収性は
高い。
【0015】本発明の高級脂肪族アルコール製剤は、こ
のような包接体からなるため、水に可溶であり、吸収性
に優れている。一般的には食品に用いることができる
が、治療目的の医薬品として用いても良く、またヒトに
限らず、動物に投与することもできる。そしてこの高級
脂肪族アルコール製剤は、そのまま投与することができ
るほか、他の飲食可能な素材と混合して、あるいは溶液
に溶解して用いることも可能である。このように本発明
の高級脂肪族アルコール製剤は吸収性に優れているた
め、少量の投与で生理効果を発揮でき、コスト的にもメ
リットが大きい。また、水に可溶であるために、飲みや
すい形態、味で摂取することができる。
【0016】一般に難溶性である高級脂肪族アルコール
は、消化管内でミセル形成が困難であるため吸収性が低
いと考えられる。これに対して本発明の高級脂肪族アル
コール製剤はサイクロデキストリンの包接体となってい
るため、水溶性で吸収性は高く、類似の構造を有する。
リポソーム包含体の場合よりも吸収性は高い。
【0017】本発明の高級脂肪族アルコール製剤の吸収
性がよい理由は明らかではないが、サイクロデキストリ
ンを用いて水に可溶化されることにより、小腸粘膜を通
過しやすくなり、しかもサイクロデキストリンに包接さ
れる高級脂肪族アルコールは単分子またはこれに近い小
粒子であるため吸収性が増すものと推測される。これに
対してリポソーム包含体の場合はリン脂質が膜状に集合
して形状体の内部に比較的大粒子の高級脂肪族アルコー
ルが包含されるため、吸収性が劣るものと推測される。
【0018】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、高級脂肪族
アルコールのサイクロデキストリン包接体からなるた
め、水に可溶で、生体の吸収性に優れ、少量の投与で十
分な生理活性が認められる高級脂肪族アルコール製剤が
得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例および比較例
について説明する。以下の実施例および比較例で用いた
高級脂肪族アルコールは、吸収性を確認するために、ア
マシャム社により合成された3H−オクタコサノール
(炭素数28、直鎖アルコール、融点83℃)を用い
た。また投与実験にはddy系マウスを用いた。
【0020】実施例1 3700KBqに相当する量の3Hでラベル化されたオ
クタコサノールにラベル化されていないオクタコサノー
ル22μgを含有したエタノール200μlを添加し、
さらにメタノール:エタノール:水(25:55:2
0,v/v)を200μl加え、70℃に加熱して溶解
した。これにγ−サイクロデキストリン(塩水港製糖
(株)製)0.4mgを含有するメタノール:エタノー
ル:水(30:40:30,v/v)100μlを加
え、70℃に保ったまま5時間放置した。窒素ガスで溶
媒を留去し、オクタコサノール製剤を得た。この製剤を
水に溶解して試験液とした。
【0021】比較例1 1650KBqに相当するラベル化されたオクタコサノ
ールを少量のエタノールで溶解した後、蒸留水2ml中
に添加した。この分散液を90℃以上に加温し、超音波
により分散させながら冷却して、蒸留水中に微粒子のオ
クタコサノールが分散している試験液とした。
【0022】比較例2 リポソーム製剤(商品名コートソームEL−A−01、
日本油脂(株)製、商標)を用いてラベル化されたオク
タコサノールを包含するリポソームを調製した。165
0KBqに相当するオクタコサノールを含有するエタノ
ール溶液1mlをリポソーム製剤バイアル1/2本の容
量に添加、充分に振盪し、窒素ガスで溶剤を留去して生
理食塩水2mlに溶解し、この溶液をフィルター(目開
0.2μm)で濾過して試験液とした。
【0023】比較例3 1650KBqに相当するラベル化されたオクタコサノ
ールを含有するエタノール溶液0.86mlから0.2
mlを採取し、これにエタノールで5倍に希釈したポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレート(TW−80、
花王アトラス社製)を0.1ml添加し、加温してエタ
ノールを除去した。これに2mlの生理食塩水を加え、
80℃で加温して完全に分散させて試験液とした。
【0024】比較例4 1650KBqに相当する量のラベル化されたオクタコ
サノールを含有するエタノール溶液1mlを2mgのd
l−α−トコフェロールとともに加温溶解した。その後
80℃に加熱してエタノールを完全に留去した。この溶
液にコーン油2mlを添加して再び加温溶解して試験液
とした。
【0025】試験例1 これらの試験液を37KBq/0.2ml/マウスとな
るように調製し、胃ゾンデを用いてマウスに経口投与し
た(1群3匹)。投与後24時間目にエーテル麻酔下で
心臓採血後、各臓器を摘出し、それぞれを溶解剤(ソル
エン−350、Packard社製、商品名)で可溶化し、液
体シンチレーションカウンター(2050CA TRI
−CARB、Packard社製、商品名)で放射能を測定し
た。その結果を投与24時間後の3H−オクタコサノー
ル体内分布(%dose/g、投与した放射能カウントが各組
織中に1gあたりどの程度カウントされたかを%で表わ
す。)として表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1の結果より、実施例のものは比較例の
ものに比べてオクタコサノールの吸収量が多く、類似の
構造を有するリポソーム包含体(比較例2)、界面活性
剤による分散液(比較例3)、ならびに油脂とビタミン
Eによる溶解液(比較例4)よりも吸収性が高いことが
わかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船田 正 茨城県北相馬郡利根町布川618−102

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数22ないし38の高級脂肪族アル
    コールのサイクロデキストリン包接体からなることを特
    徴とする高級脂肪族アルコール製剤。
JP9071941A 1997-03-25 1997-03-25 高級脂肪族アルコール製剤 Pending JPH10265375A (ja)

Priority Applications (1)

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JP9071941A JPH10265375A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高級脂肪族アルコール製剤

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JP9071941A JPH10265375A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高級脂肪族アルコール製剤

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JPH10265375A true JPH10265375A (ja) 1998-10-06

Family

ID=13475046

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JP9071941A Pending JPH10265375A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 高級脂肪族アルコール製剤

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JP (1) JPH10265375A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048024A1 (en) * 1999-12-23 2001-07-05 Cerestar Holding B.V. Stabilized cyclodextrin complexes
JP2006282655A (ja) * 2005-03-10 2006-10-19 Nof Corp 脂質代謝調整剤
JP2007091672A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Nof Corp アディポネクチン上昇剤

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001048024A1 (en) * 1999-12-23 2001-07-05 Cerestar Holding B.V. Stabilized cyclodextrin complexes
JP2006282655A (ja) * 2005-03-10 2006-10-19 Nof Corp 脂質代謝調整剤
JP2007091672A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Nof Corp アディポネクチン上昇剤

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