JPH10264990A - 平底円筒形タンク - Google Patents

平底円筒形タンク

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JPH10264990A
JPH10264990A JP9115133A JP11513397A JPH10264990A JP H10264990 A JPH10264990 A JP H10264990A JP 9115133 A JP9115133 A JP 9115133A JP 11513397 A JP11513397 A JP 11513397A JP H10264990 A JPH10264990 A JP H10264990A
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JP
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side plate
tank
cylindrical
flat
welding
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JP9115133A
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Koji Ishii
宏治 石井
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Ishii Iron Works Co Ltd
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Ishii Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンクの側板を構成する側板片の水平溶接
結合部を円筒形状の側板からなくし、組立てや溶接結合
等によるタンク側板形成作業の手間を大幅に減らし、か
つ内在欠陥や変形が生じ難い高品質の側板を設けた平底
円筒形タンクを提供する。 【解決手段】 同一薄肉板厚の平板長方形状鋼板を用
いて、その長方形状の短辺方向に沿って所定曲率を有す
る複数の側板片を形成し、当該複数の側板片の長辺部相
互を鉛直に溶接結合して形成した円筒形の側板を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、同一薄肉板厚の
平板長方形状鋼板を溶接結合して形成した円筒形の側板
を設けてなる平底円筒形タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように従来の平底円筒形タン
ク31は、平板長方形状鋼板を切断し溶接結合して円形
平板状に形成した底板32と、その底板32の周縁近部
に、平板長方形状鋼板を曲げ加工し溶接結合して円筒状
に立設して形成した側板33と、その側板33の上端部
に連接して球面形状等に形成した鋼製屋根34を設けて
密封状に形成し、その内部に低温液化ガス等の貯蔵物を
貯蔵するように形成されている。
【0003】このように形成される平底円筒形タンク3
1の円筒状側板33は、その側板33を形成する長方形
状鋼板の平板素材に鋼板製造上の板幅制約があるため側
板33の全体を一枚の平板素材では形成されておらず、
一般的には図5に示したように形成されていた。
【0004】すなわち従来の平底円筒形タンク31の側
板33は、その側板33を構成する側板片35を、加工
工場等でロール曲げ加工等によって長方形状鋼板の長辺
方向に沿って所定曲率を有する側板片35に形成し、そ
の所定曲率を有する側板片35を建設現場へ搬送し、建
設現場においてレンガ積みの要領で複数段リング状に組
立てて積み上げ、溶接結合し円筒形状に立設して形成し
ていた。
【0005】また、その従来の鋼板製側板33は、直径
と高さの大きさ、或は使用鋼材の強度等にもよるが、貯
蔵物の貯蔵高さ圧力等に耐えられるように、リング状に
積み上げた側板33の各段鋼板厚さを、下方にいくに従
って厚さを増した鋼板が使用されていた。
【0006】しかし、その従来の平底円筒形タンク31
は、その側板33を高強度鋼材の使用によって、或は直
径と高さが比較的小さい等の理由によって、上部から下
部まで同じ厚さの薄肉板厚の平板長方形状鋼板で側板3
3を形成する場合においても、曲げ加工した薄肉板厚の
側板片35を組立時に自立させて容易に組立て形成する
ことが困難なため、加工工場等において側板片35を自
立可能な形状、つまり平板長方形状鋼板の長辺方向に沿
って所定曲率を有する側板片35にロール曲げ加工等で
形成し、その自立可能な形状に形成した側板片35を建
設現場へ搬送し、レンガ積みの要領で複数段リング状に
側板片35を積み上げて組立て溶接結合し、図5のよう
な自立円筒形状の側板33を立設して形成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の平
底円筒形タンク31は、その側板33を構成する側板片
35を自立可能な形状に形成し、かつ加工工場等から建
設現場まで運び易い大きさに形成した側板片35を建設
現場で複数段リング状に積み上げて、図5に示したよう
な側板33を形成するので、その円筒形状の側板33に
は、側板片35の縦溶接結合部37に加えて周方向の水
平溶接結合部36が形成され、タンク全体としての溶接
結合部が多くなるため、溶接結合部の増加によって、タ
ンク形成作業に多くの手間が掛かる不経済な平底円筒形
タンクとなる虞れがあった。また、内在欠陥や変形の生
じ易い溶接結合部が多くなるため、低品質の平底円筒形
タンクになる虞れもあった。
【0008】この発明は、上述のような従来技術が有す
る問題点に鑑みてなされたもので、タンクの側板を構成
する側板片の水平溶接結合部を円筒形状の側板からなく
し、組立てや溶接結合等によるタンク側板形成作業の手
間を大幅に減らし、かつ内在欠陥や変形が生じ難い高品
質の側板を設けた平底円筒形タンクを提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明の平底円筒形
タンクは、同一薄肉板厚の平板長方形状鋼板を用いて、
その長方形状の短辺方向に沿って所定曲率を有する複数
の側板片を形成し、その複数の側板片の長辺部相互を鉛
直に溶接結合して形成した円筒形の側板を設けてなるも
ので、円筒形状の側板から側板片の水平溶接合部をなく
し、組立てや溶接等によるタンク側板形成作業の手間を
大幅に減らし、かつ内在欠陥や変形の生じ難い高品質の
側板とするものである。
【0010】また、第2の発明の平底円筒形タンクは、
第1の発明に係る平底円筒形タンクに設ける円筒形の側
板を、その側板を構成する自立困難な側板片の自立形状
を支持する支持架台を用いて組立て溶接結合することに
よって形成するもので、側板片の水平溶接結合部をなく
した高品質の側板を安全、かつ容易に形成するものであ
る。
【0011】また、第3の発明の平底円筒形タンクは、
第1の発明に係る平底円筒形タンクに設ける円筒形の側
板を、その側板を構成する自立困難な側板片に自立形状
を維持する形状維持材を取付け、その形状維持材を取付
けた側板片を組立て溶接結合することによって形成する
もので、側板片の水平溶接結合部をなくした高品質の側
板を作業能率良く、より安全、かつより経済的に形成す
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に係る平底円筒形タンク
は、その側板高さの長辺長さを有する同一薄肉板厚の長
方形状鋼板の平板素材を、その長方形状の短辺方向に沿
って所定曲率、つまりタンク半径の曲率を有する複数の
側板片に形成し、その複数の側板片の長辺方向を鉛直に
合わせ長辺部相互を溶接結合して円筒形に形成した側板
を設けることによって、従来の平底円筒形タンクの側板
に形成されている側板片の周方向水平溶接接合部をなく
すようにしたものである。
【0013】この発明に係る平底円筒形タンクの第1の
実施形態例として、プレストレスコンクリート外槽を備
えた低温タンクの内槽に適用した事例を、図1及び図2
に基づいて説明する。この事例は、長方形状鋼板の短辺
方向に沿って所定曲率を有する自立困難な側板片を、自
立形状を支持する支持架台を用いて組立て溶接結合して
形成した円筒形の側板を設けた平底円筒形タンクの事例
である。
【0014】図1は、プレストレスコンクリート外槽を
備えた低温タンクの一部を切り欠いて示した概略全体正
面説明図、図2は、図1の内槽側板形成を説明するため
に示した概略部分斜視図である。
【0015】プレストレスコンクリート外槽11を備え
た低温タンク10は、液化ガス等の低温貯蔵物を貯蔵す
る平底円筒形タンクの内槽1と、その内槽1を外部と隔
絶する外槽11とで形成されている。そして、内槽1を
内部に設ける図示の外槽11は、プレストレスコンクリ
ート材で形成した円形平版状の底版12と円筒状の側壁
13、鋼製の球殻状屋根14とで密封状に形成され、内
槽1と外槽11の間には、その底部、側部、屋根部のそ
れぞれに断熱材で形成した保冷層15を設けて形成して
いる。また、外槽11の内壁面には、内槽1が万一壊れ
て貯蔵物が流出した際に、その貯蔵物の外部浸透流出を
止めるライナ材16が底部及び側部に設けられている。
【0016】外槽11の内部に設置する平底円筒形タン
クの内槽1は、長方形状鋼板の素材平板を切断し溶接結
合して円形平板状に形成した底板2の周縁近部に、円筒
形状に形成した側板3を立設し、その側板3の上端部に
球殻封面状の屋根4を溶接結合し、図1に示したような
平底円筒形状の密封タンクに形成する。
【0017】円筒形状側板3を形成する手順は、まず側
板3高さの長辺長さを有する長方形状鋼板の平板素材
を、その短辺方向に沿ってロールやプレス等で曲げ加工
し、短辺方向に沿って所定曲率、つまりタンク半径の曲
率を有する側板片5を形成する。そして、組立時に単独
では自立困難な側板片5の自立形状を支持する支持架台
6を、図2に示すように、側板3を設置する位置の内側
に設け、その支持架台6を用いて側板片5、5、・・・
をそれぞれ自立させて支持し、側板片5、5、・・・の
長辺部相互を合わせて周方向に沿って配列して円筒形状
に組立て、側板片5同士の接合部、つまり長辺部相互を
合わせた縦溶接結合部7を溶接結合して自立した円筒形
状の側板3に形成する。
【0018】側板3を形成する長方形状鋼板の平板素材
は、例えばLNG(液化天然ガス)の極低温液体を貯蔵
する場合には、9%ニッケル鋼鋼板(JIS G312
7)やステンレス鋼鋼板(JIS G4304等)など
の低温特性の良い材料を用いる。このような優れた材料
を用いてLNGを貯蔵する側板3を形成する場合におい
ては、タンク内圧力等の影響にもよるが、直径約15メ
ートル、高さ約15メートルの大きさを有する平底円筒
形タンクの内槽1でも、その内槽1の側板3の板厚厚さ
は、上端部から下端部まで同じ6ミリメートル厚さで形
成でき、同一薄肉板厚平板素材の鋼板を使用して形成す
ることができる。
【0019】組立時に単独では自立困難な側板片5を支
持する支持架台6は、アングル材やチャンネル材等の形
鋼や鋼管等の鋼材を用いて、図2に示したように、底板
2の外周部に立てて側板3のほぼ上端高さまで立ち上げ
て設けた鉛直状支持材8と、その鉛直状支持材8に溶着
や螺着等で結合して支持されるリング状支持材9とを組
枠して形成し、側板3の内面曲率に合わせて形成するリ
ング状支持材9と側板片5とは、詳細図示は省略する
が、例えば側板片5に取付けた駒治具の孔とリング状支
持材9に設けた接合片をテーパーピン等の治具で結合す
る嵌合治具を用いた結合や断続溶接の溶着結合などで結
合し、組立時に単独では自立困難な側板片5を支持し、
側板片5の自立形状を支持できるように形成する。
【0020】なお、支持架台6には、図示を省略する
が、側板片5の組立時の転倒防止のために、必要に応じ
て鉛直状支持材相互間、鉛直状支持材とリング状支持材
との間、外槽と側板片との間、或は底板と支持架台との
間などに鋼製斜材等の支持補強材を設けて形成してもよ
い。
【0021】また、支持架台6のリング状支持材9は、
図2のように、アングル材の一辺を側板3の内面曲率に
合わせて形成し、少なくとも側板片5の下方と上方の位
置に配設すれば、そのリング状支持材9を利用すること
によって、周方向に沿って配設する側板片5の配列組立
作業がきわめて容易にできるばかりか、側板片5、5同
士を結合する溶接の開先形成作業や自動溶接機の設置作
業等もきわめて容易に施工できる。更に、リング状支持
材9と側板片5との結合を、詳細図示を省略した上述の
ような嵌合治具を用いた結合や断続溶接の溶着結合等の
取り外し容易な結合で結合すれば、側板3を形成した後
に支持架台6を解体する作業が容易に施工でき、経済的
である。
【0022】なお、図2に示した支持架台6は、内槽底
板部付近の低所で組立てた屋根4をクレーン等の重機に
よって持ち上げ、或は内槽底板部付近の低所で組立てた
屋根4の下部に空気圧を掛けて持ち上げるエアリフトに
よる持ち上げ等で持ち上げて屋根4を構築し、屋根構築
作業の形成手間を大幅に減らして経済的、かつ屋根4の
低所組立てによって安全に平底円筒形タンクの内槽1を
形成できるように、屋根4の組立作業用架台としても兼
用使用できる場所、つまり側板3を設置する位置の内側
に支持架台6を設けているが、内槽1と外槽11との間
の保冷層15を設ける工事の足場固定用架台に兼用利用
して経済的、かつ安全に保冷工事が施工できるように、
側板3を設置する位置の外側に支持架台6を設けて内槽
1の側板3を形成してもよい。
【0023】上述のようにリング状支持材9と鉛直状支
持材8を組枠して形成した支持架台6を用いて、組立時
に単独では自立困難な側板片5を支持し自立させて組立
て溶接結合して形成した自立円筒形の側板3を設けて平
底円筒形タンクの内槽1を形成し、側板片5の水平溶接
結合部を側板3からなくし、かつ内在欠陥や変形が生じ
易い溶接結合部の全体量を減らし、高品質の側板3を備
えた平底円筒形タンクの内槽1を形成する。
【0024】また、その内槽側板3の形成も、組立時に
単独では自立困難な側板片5を支持架台6に支持させな
がら、容易、かつ短時間に組立て、更に組立てた側板片
5の溶接結合も、縦方向溶接のみの溶接によって、溶接
機移動等の段取り、つまり溶接準備作業量を少なくし、
効率を高める溶接の自動化も容易可能にして、その結果
として溶接結合作業を簡単に施工し、加えて溶接結合部
検査作業も容易に施工して、側板3の形成作業手間を大
幅に減らし、経済的に平底円筒形タンクの内槽1を形成
する。
【0025】そして、上述のように側板3を形成した平
底円筒形タンクの内槽1を内部に設けて形成したプレス
トレスコンクリート外槽11を備えた低温タンク10
は、低廉で高品質なタンクとなる。
【0026】この発明に係る平底円筒形タンクの第2の
実施形態例として、直径と高さが比較的小さな平底円筒
形タンクに適用した事例を、図3及び図4に基づいて説
明する。この事例は、長方形状鋼板の短辺方向に沿って
所定曲率を有する自立困難な側板片に、自立形状を維持
する形状維持材を取付け、その形状維持材を取付けた側
板片を組立て溶接結合して形成した円筒形の側板を設け
た平底円筒形タンクの事例である。
【0027】図3は、上記平底円筒形タンクの概略全体
斜視説明図、図4は、図3の平底円筒形タンク側板の形
成を説明するために示した概略部分斜視図である。
【0028】この平底円筒形タンク21は、図3に示し
たように、長方形状鋼板の平板素材を切断し溶接結合し
て円形平板状に形成した底板22の周縁近部に、円筒形
状に形成した側板23を立設し、その側板23の上端部
に球殻封面状の屋根24を溶接結合して設けた平底円筒
形状の密封タンクに形成し、その内部には水等の貯蔵物
を貯蔵するように形成している。
【0029】円筒形状側板23を形成する手順は、まず
側板23高さの長辺長さを有する長方形状鋼板の平板素
材を、その短辺方向に沿って所定曲率、つまりタンク半
径の曲率を有する側板片25に、ロール曲げやプレス曲
げ等の曲げ加工で形成する。そして、組立時にそのまま
では自立困難な側板片25にその自立形状を維持する形
状維持材26を、図4に示すように取付け、その形状維
持材26を取付けた側板片25、25、・・・の長辺部
相互を合わせ周方向に沿って自立させながら配列して円
筒状に組立て、側板片25同士の接合部、つまり長辺部
相互を合わせた縦溶接結合部27を溶接結合して自立し
た円筒形状の側板23を形成する。
【0030】側板23を形成する長方形状鋼板の平板素
材は、例えば上水道水を貯蔵する場合には、ステンレス
鋼鋼板(JIS G4304等)や一般構造用圧延鋼材
鋼板(JIS G3101)などの材料を用いる。この
ような材料、例えば一般構造用圧延鋼材鋼板を用いて側
板23を形成すると、タンク内圧力等の影響にもよる
が、例えば直径約10メートル、高さ約10メートルの
比較的小さい大きさの平底円筒形タンク21は、その側
板23の板厚厚さを、上端部から下端部まで同じ4.5
ミリメートル厚さで形成でき、同一薄肉板厚平板素材の
鋼板を使用して形成することができる。
【0031】その組立時にそのままでは自立困難な側板
片25の形状を維持する形状維持材26は、アングル材
やチャンネル材の形鋼等の鋼材を用いて、図4に示した
ように、円弧状の短辺方向に沿って当接接続する水平補
強材28と、直線状の長辺方向に沿って当接接続する縦
補強材29とを組枠状に結合して形成し、水平補強材2
8と縦補強材29とからなる形状維持材26の側板片2
5への取付けは、詳細図示は省略するが、例えば側板片
25に取付けた駒治具の孔と形状維持材26に設けた接
合部をテーパーピン等の治具で結合する嵌合治具を用い
た結合や断続溶接の溶着結合などの取り外し容易な結合
で取付け、側板23を形成した後で解体撤去する形状維
持材26の解体撤去作業を容易、かつ経済的に施工でき
るように結合して取付ける。
【0032】形状維持材26を取付けた側板片25は、
図4のように、側板片25の縁部に取付けられる形状維
持材26を形成する形鋼材の一辺縁を側板片25の縁部
内側に沿わせ、他辺縁側が立ち上がる形状となるように
形状維持材26を形成し、側板片25に配設すれば、取
付けられた形状維持材26を利用することによって、側
板片25を損傷することなく吊り上げて配列固定する作
業がきわめて容易にできるばかりか、側板片25、25
同士を結合する溶接の開先形成作業や自動溶接機の設置
作業が容易に施工でき、更に溶接結合時に形状維持材2
6が邪魔することなく効率良く溶接結合を施工すること
ができる。
【0033】なお、形状維持材26を取付けた側板片2
5は、図示を省略するが、側板片25の組立時転倒防止
のために、必要に応じて形状維持材相互間、或は底板と
形状維持材との間などに鋼製斜材等の支持補強材を設け
て形成してもよい。
【0034】また、図4に示した側板片25は、タンク
21の内側に設ける作業足場固定用部材に形状維持材2
6を兼用利用して側板片25組立て等の作業性が高まる
ように、形状維持材26を内側面に取付けて側板片25
を形成しているが、輸送時等に側板片25を傷付けない
架台としても形状維持材26を兼用利用できるように、
形状維持材26を外面側に取付けて側板片25を形成し
てもよい。
【0035】上述のように組立時に単独では自立困難な
側板片25に形状維持材26を取付け、撓み剛性を高め
て、自立可能な側板片25に形成し、その形状維持材2
6を取付けた側板片25を自立させながら立てて組立
て、溶接結合して形成した自立円筒形の側板23を設け
て平底円筒形タンク21を形成し、側板片25の水平溶
接結合部を側板25からなくし、かつ内在欠陥や変形が
生じ易い溶接結合部の全体量を減らし、高品質の側板2
3を備えた平底円筒形タンク21を形成する。
【0036】また、その平底円筒形タンク21の側板2
3の形成も、形状維持材26を取付けて撓み剛性を高
め、自立可能に形成した側板片25は、現場での取付治
具も少なく簡略化されるため容易、かつ短時間に組立て
でき、更に組立てた側板片25の溶接結合も、縦方向溶
接のみの溶接によって、溶接機移動等の段取り、つまり
溶接準備作業量を少なくし、効率を高める溶接の自動化
も容易可能にして、その結果として溶接結合作業を簡単
に施工し、加えて溶接結合部検査作業も容易に施工し
て、側板形成作業の手間を大幅に減らし、経済的に平底
円筒形タンク21を形成する。
【0037】また、形状維持材26の側板片25への取
付けを、側板片25の工場製作時に施工すれば、組立現
場への輸送が容易で、現場組立作業も減り、より安全、
かつ経済的に平底円筒形タンク21を形成することがで
きる。よって、上述のように側板23を形成した平底円
筒形タンク21は、低廉で高品質なタンクとなる。
【0038】上述のこの発明に係る実施形態例は、プレ
ストレスコンクリート外槽11を備えた低温タンク10
の内槽1と、水を貯蔵するドーム状の屋根24を設けた
平底円筒形タンク21の事例をもって詳述したが、他の
平底円筒形タンク、図示は省略するが、例えば金属二重
殻低温タンクの内外槽タンク、浮屋根式タンク、有水式
ガスホルダー等の平底円筒形タンク等にも適用すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】叙述の説明で明らかなように、この発明
に係る平底円筒形タンクは、次の効果を有する。
【0040】同一薄肉板厚の平板長方形状鋼板を用い
て、その長方形状の短辺方向に沿って所定曲率を有する
複数の側板片を形成し、その複数の側板片の長辺部相互
を鉛直に溶接結合して形成した円筒形の側板を設けてい
るので、円筒形状の側板から側板片の水平溶接合部をな
くし、組立てや溶接等によるタンク側板形成作業の手間
を大幅に減らし、かつ内在欠陥や変形の生じ難い高品質
の側板を設けた平底円筒形タンクとすることができる。
【0041】また、長方形状鋼板の短辺方向に沿って所
定曲率を有する側板片、つまり組立時に自立困難な側板
片を、支持架台を用いて自立支持し組立て溶接結合した
円筒形の側板を設けてなる第2の発明の平底円筒形タン
クにおいては、支持架台を側板片の配列組立、溶接開先
形成、自動溶接機設置等の支持架台や作業足場などに使
用でき、かつこの支持架台を屋根構築用架台や足場固定
用架台等にも兼用して利用できるため、より経済的、か
つ安全に形成した高品質の側板を有する平底円筒形タン
クとすることができる。
【0042】また、形状維持材を取付けて自立可能に形
成した側板片を組立て溶接結合した円筒形の側板を設け
てなる第3の発明の平底円筒形タンクにおいては、形状
維持材を取付けた側板片は、取扱い易く現場輸送を容易
にすることができ、かつ現場での取付治具も少なく簡略
化され、組立作業も減りより効率良く行うことができる
ため、更に安全、かつ経済的に形成した高品質の側板を
有する平底円筒形タンクとすることができる。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る平底円筒形タンクの第1の実
施形態例を示した概略全体正面説明図である。
【図2】 図1の平底円筒形タンクの内槽の側板の形成
を説明するために示した概略部分斜視図である。
【図3】 この発明に係る平底円筒形タンクの第2の実
施形態例を示した概略全体斜視説明図である。
【図4】 図3の平底円筒形タンクの側板の形成を説明
するために示した概略部分斜視図である。
【図5】 従来の平底円筒形タンクを示した概略全体斜
視説明図である。
【符号の説明】
1,21,31 平底円筒形タンク 2,2
2,32 底板 3,23,33 側板 4,2
4,34 屋根 5,25,35 側板片 6 支持
架台 7,27,37 縦溶接結合部 8 鉛直状支持材 9 リン
グ状支持材 10 低温タンク 11 外
槽 12 底版 13 側
壁 14 屋根 15 保
冷層 16 ライナ材 26 形
状維持材 28 水平補強材 29 縦
補強材 36 水平溶接結合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一薄肉板厚の平板長方形状鋼板を用い
    て、その長方形状の短辺方向に沿って所定曲率を有する
    複数の側板片を形成し、当該複数の側板片の長辺部相互
    を鉛直に溶接結合して形成した円筒形の側板を設けてな
    ることを特徴とする平底円筒形タンク。
  2. 【請求項2】 上記円筒形の側板は、当該側板を構成す
    る側板片の自立形状を支持する支持架台を用いて組立て
    溶接結合して形成したことを特徴とする請求項1記載の
    平底円筒形タンク。
  3. 【請求項3】 上記円筒形の側板は、当該側板を構成す
    る側板片に自立形状を維持する形状維持材を取付け、当
    該形状維持材を取付けた側板片を組立て溶接結合して形
    成したことを特徴とする請求項1記載の平底円筒形タン
    ク。
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