JPH10264530A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH10264530A
JPH10264530A JP9073733A JP7373397A JPH10264530A JP H10264530 A JPH10264530 A JP H10264530A JP 9073733 A JP9073733 A JP 9073733A JP 7373397 A JP7373397 A JP 7373397A JP H10264530 A JPH10264530 A JP H10264530A
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amino
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Masanao Tajiri
政直 田尻
Masatoshi Fujino
正俊 藤野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油および可塑剤に対する画像保存安定性およ
び発色感度に優れた感熱記録材料の提供。 【解決手段】 支持体上に感熱発色層を設けてなる感熱
記録材料において、前記感熱発色層に、少なくとも染料
前駆体化合物および多価イソシアネート化合物を含む溶
液を水中に乳化分散し、下記式(I)のアミノアルコー
ル化合物の存在下で前記高分子形成性原料の高分子化反
応を促進させることにより得られる微細複合粒子(マト
リックス重合体中に染料前駆体が含まれ、かつ式(I)
のアミノアルコール化合物が反応固定されている)を含
有させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、
アミノアルコール化合物が反応固定されている重合体マ
トリックスと、その中に含まれている染料前駆体とを含
有する微細複合粒子を含み、発色感度に優れた感熱発色
層を有し、発色画像安定性にすぐれた発色画像を形成す
ることができる感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリマー微粒子の製造、あるいは油性液
体を芯物質を、ポリマーからなる壁膜材により包囲され
た微小空間中に収容しているマイクロカプセルの製造に
ついては数多くの方法が知られており、成著も多数発行
されている。このような著書としては例えば、東レリサ
ーチセンター調査研究企画部編集:「機能性材料として
の微粒子ポリマーの新展開」、東レリサーチセンター発
行(1994)、小石真純編著「微粒子設計」、工業調
査会発行(1987)、および近藤保編「マイクロカプ
セル−その機能と応用」、日本規格協会発行(199
1)などの文献をあげることができる。ポリマー微粒子
の製造方法は、大きく分けて、重合性モノマーから、そ
の重合過程で造粒を行う重合造粒法と、微小液滴化した
ポリマー溶液から重合体粒子形成を行う分散造粒法に分
類される。またマイクロカプセルの製造方法についても
前記とほぼ同様に分類することができる。
【0003】染料前駆体と、この染料前駆体と加熱下に
接触反応してこれを発色させる顕色性化合物との発色反
応を利用し、加熱により両発色物質を溶融接触させ、発
色画像を形成するようにした感熱記録材料は広く知られ
ている。このような感熱記録材料は、比較的安価であ
り、記録機器がコンパクトで、かつその保守も容易であ
るため、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算
機等の各種用途の記録媒体として、幅広い分野において
使用されている。しかしながら、染料前駆体からなる固
体粒子と顕色性化合物とを含む従来の感熱記録材料は、
その発色画像が油脂あるいは可塑剤と接触すると消色し
やすいという欠点を有している。
【0004】上記の欠点を解消するためにオイルに溶解
した染料前駆体をマイクロカプセル内に内包させ、これ
を感熱記録材料に応用することが知られている。このよ
うな感熱記録材料は、例えば特公平4−4960号公
報、特公平4−37796号公報、特公平4−3779
7号公報、および特公平5−63315号公報等に記載
されている。しかしながら、染料前駆体を溶解した油性
液体を内包するマイクロカプセルは圧力により破壊され
やすく、それによって、マイクロカプセルに内包された
染料前駆体のオイル溶液がマイクロカプセル外に流れ出
して、顕色性化合物と接触すると、染料前記駆体が発色
してしまうという問題を生ずる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加圧発色防
止性、並びに油脂および可塑剤に対する画像保存性に優
れ、しかも発色感度の高い感熱記録材料を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録材料
は、支持体、およびこの支持体上に形成され、かつ、染
料前駆体と、この染料前駆体と加熱下に反応してこれを
発色させる顕色剤と、接着剤とを含む感熱発色層を有
し、前記染料前駆体が、微細複合粒子中に含まれてお
り、この微細複合粒子が、前記染料前駆体と、多価イソ
シアネート化合物含有重合成分とを含む溶液を水性媒体
中に乳化分散し、この乳化分散溶液粒子を、下記一般式
(I)により表される少なくとも1種のアミノアルコー
ル化合物;
【化2】 〔但し、式中、nは0又は1〜3の整数を表し、R
1 は、水素原子、アルキル基、又はアミノ基およびヒド
ロキシル基から選ばれた少なくとも1個の置換基により
置換されているアルキル基を表し、R2 は、水素原子、
アルキル基又は、少なくとも1個のヒドロキシル基によ
り置換されているアルキル基を表し、Xは、−NH2
又は−NHR3 基を表し、R3 はアルキル基、又は少な
くとも1個のアミノ基により置換されているアルキル基
を表す〕の存在下に重合反応に供して得られ、前記重合
成分の重合によって形成され、かつ前記アルキルアルコ
ール化合物が反応固定されている重合体からなるマトリ
ックス中に、前記染料前駆体が含有されているものであ
る、ことを特徴とするものである。
【0007】本発明の感熱記録材料において前記微細複
合粒子が、前記染料前駆体を、前記多価イソシアネート
化合物を主成分として含む重合成分中に溶解し、この溶
液を水性媒体中に乳化分散し、この乳化分散溶液粒子
を、前記アミノアルコール化合物の存在下において、重
合反応に供して形成されたものであることが好ましい。
【0008】本発明の感熱記録材料に用いられる前記微
細複合粒子において、その重合体マトリックスが、ポリ
ウレタン又はポリウレタン−ポリウレア樹脂を含むもの
であることが好ましい。
【0009】本発明の感熱記録材料において、前記多価
イソシアネート化合物がジシクロヘキシルメタン−4,
4′−ジイソシアネートであり、かつ前記アミノアルコ
ール化合物が2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ルであることが好ましい。
【0010】また本発明の感熱記録材料において、前記
微細複合粒子の形成に用いられる前記多価イソシアネー
ト化合物と前記アミノアルコール化合物とのモル比が
1:0.05〜1であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる染料前駆体含
有樹脂微細複合粒子は、染料前駆体化合物および多価イ
ソシアネート化合物含有重合成分を含む溶液を水性媒体
中に乳化分散し、この乳化分散溶液粒子を、前記式
(I)のアミノアルコール化合物の存在下において、重
合反応に供することにより得られる。この微細複合粒子
は、有機溶剤を含有するマイクロカプセルであってもよ
く、この場合、前記重合成分の重合体からなる壁膜部
と、それにより包囲された空間内に収容された染料前駆
体の有機溶剤溶液とからなり、前記アミノアルコール化
合物は、壁膜部中の重合体に反応固定されている。
【0012】また、本発明に用いられる染料前駆体含有
微細複合粒子が有機溶剤を含有しない場合は、このよう
な染料前駆体含有樹脂微細複合粒子は、多価イソシアネ
ート化合物含有重合成分を溶媒として用い、その中に染
料前駆体を溶解させて溶液を調製し、この溶液を、例え
ば親水性保護コロイド含有水溶液などのような水性媒体
中に乳化分散し、この乳化分散溶液粒子を、前記式
(I)のアミノアルコール化合物の存在下に重合反応に
供して得ることができる。この場合、前記アミノアルコ
ール化合物が反応固定されているポリウレア又はポリウ
レタン−ポリウレア樹脂からなるマトリックス(母材)
中に、前記染料前駆体が、含有されている。このような
微細複合粒子は、その中に実質的に有機溶剤を含まない
ため、高い物理的強度を有している。またこのように有
機溶剤を含有しない微細複合粒子を含む感熱記録材料の
感熱発色性層は、優れた加圧発色防止性、および耐摩擦
性を有しているため、高い実用性を有するものである。
【0013】本発明に用いられる微細複合粒子の製造に
は、油性液体に染料前駆体化合物と多価イソシアネート
化合物を溶解し、この溶液を例えば親水性保護コロイド
含有水溶液のような水性媒体中に乳化分散し、この乳化
分散溶液粒子を、式(I)のアミノアルコール化合物の
存在下において、界面重合法などのような従来知られて
いるマイクロカプセル製造方法に供しもよい。
【0014】しかしながら、染料前駆体の油性液体溶液
を内包するマイクロカプセルは圧力により破壊されやす
く、マイクロカプセルに内包されている染料前駆体のオ
イル溶液がマイクロカプセル外に流れ出して、顕色性化
合物と接触すると、染料前駆体が容易に発色するという
問題点がある。このため、油性溶媒などの液体を含有し
ない微細複合粒子を用いることが好ましい。以下に、油
性溶媒などの液体を含有しない微細複合粒子について説
明する。
【0015】本発明の微細複合粒子は、式(I)のアミ
ノアルコール化合物が反応固定されているポリウレアま
たは、ポリウレタン−ポリウレアより選ばれた少なくと
も1種の重合体(樹脂)からなるマトリックス(母材)
と、その中に含有されている染料前駆体とを含むもので
あって、染料前駆体とマトリックス重合体とが分子レベ
ルで混合し、固溶体状態を形成していると考えられる。
また式(I)のアミノアルコール化合物は、マトリック
ス重合体中に反応固定されている。この微細複合粒子中
には、実質的に油性溶媒などの液体が含有されていな
い。微細複合粒子は空隙のない充実固体(内実体)でも
よいし、多孔質固体であってもよく、又は粒子径の二分
の一未満の直径を有する中空部を有する中空固体であっ
てもよい。しかし、大きな中空部を有する中空固体は圧
力で破壊されやすいという欠点を有する。
【0016】本発明に用いられる微細複合粒子の製造の
好ましい態様においては、染料前駆体を多価イソシアネ
ート化合物を主成分とする重合成分中に溶解し溶液を作
成する。このときの染料前駆体化合物と多価イソシアネ
ート化合物との重量比率は、得られる微細複合粒子の合
計重量に対して、染料前駆体化合物の含有量が5〜80
重量%であることが好ましく、20〜50重量%である
ことがより好ましい。このようにすると、発色感度の良
好な微細複合粒子が得られる。上記微細複合粒子の調製
において、染料前駆体の溶解温度は、40〜160℃で
あることが好ましく、より好ましくは60℃〜120℃
である。40℃未満の温度では溶質として用いられる。
染料前駆体の、多価イソシアネート化合物含有重合成分
に対する溶解が不十分になり、このため十分な隔離性を
有する微細複合粒子を製造することができないことがあ
る。又、溶解温度が160℃を超えると、染料前駆体の
熱分解が進み、微細複合粒子を安定した状態で製造でき
ないことがある。この染料前駆体/重合成分溶液をポリ
ビニルアルコール等の保護コロイド物質を溶解含有して
いる水性媒体中に乳化分散する。この時、必要に応じて
多価アミンやポリオールなどのような、多価イソシアネ
ート化合物と反応する成分やイソシアネート用重合触媒
などを用いてもよい。この乳化分散液を、式(I)のア
ミノアルコール化合物の存在下において、40℃以上に
加熱して重合成分を重合させると、ポリウレアまたはポ
リウレタン−ポリウレア樹脂からなるマトリックス(母
材)と、このマトリックス母材中に含有されている染料
前駆体を含む微細複合粒子が形成される。この微細複合
粒子において、前記式(I)のアミノアルコール化合物
は、マトリックス樹脂と反応して固定されている。
【0017】多価イソシアネート化合物含有重合成分を
重合するために乳化分散液を60℃〜95℃に加温し、
この温度に3時間以上、より好ましくは5時間以上保持
することにより微細複合粒子を製造することができる。
この多価イソシアネート化合物含有重合成分の重合工程
に、式(I)のアミノアルコール化合物を存在させ、重
合成分と反応させる。このようにして得られた微細複合
粒子は、マトリックス樹脂に反応固定されている式
(I)のアミノアルコール化合物の存在により、油脂及
び可塑剤に対する保存性の優れた画像を形成することが
でき、かつ、感熱発色層の発色感度を向上させることが
できる。本発明に用いられる染料前駆体含有微細複合粒
子の粒径には格別の制限はないが一般に0.1〜5.0
μmであることが好ましく、0.2〜2.0μmである
ことがさらに好ましい。
【0018】本発明で使用する微細複合粒子中に含有さ
れる染料前駆体は、トリアリール系、ジフェニルメタン
系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フルオラン系
などのロイコ体から選ぶことができる。このような染料
前駆体は、顕色剤と接触して、それぞれ固有の色調に発
色するものであって、その発色色調は、黒、赤、赤紫、
オレンジ、青、緑、黄色などの多岐にわたっている。
【0019】黒色に発色する染料前駆体としては、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニ
リノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチル
アミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3
−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テト
ラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−
アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−アミル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N
−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメ
チルアミノアニリノ)フルオラン、および3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等を用いることができる。
【0020】本発明においては、前記黒色に発色する染
料前駆体の中でも、耐光性に優れた3−ジ−n−アミル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、およ
び2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリ
ノ)フルオランから選ばれる1種以上を用いることが好
ましい。
【0021】赤もしくは赤紫、オレンジ色系統の色調に
発色する染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチル
アミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−
ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニト
ロ)アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)フルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタ
ム、3−ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−
ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エ
チルフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルア
ミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、および3
−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベ
ンゾフルオランなどをあげることができる。
【0022】赤色、赤紫色、オレンジ色系統の色調に発
色する染料前駆体としては、さらに3−シクロヘキシル
アミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチルア
ミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−n
−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−トリ
ルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ−
7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリノ)
−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−6−
ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンゾイ
ルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノ
フルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)−3
−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−
(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−
ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
ン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−ジ
−n−ブチルアミノフルオラン、および2−(N−メチ
ルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノ
フルオランなどをあげることができる。
【0023】赤色、赤紫色、およびオレンジ色系統の色
調に発色する染料前駆体として、さらに3,3′−ビス
(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3,3′−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3′−ビス(1−
n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロク
ロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリ
ド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−
ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,
3′−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−
ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ
〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾー
ル)−4,3′−フタリド〕などをあげることができ
る。
【0024】赤色染料前駆体として、3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオラン、または3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオランを使用する場合、
色調補正のために、それとは発色色調の異なる染料を混
合使用することは望ましく、例えば3,3′−ビス(1
−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、もしくは3,3′−ビス(1−エチル−2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリドなどの赤紫系統の色
調に発色する染料前駆体を配合することにより、赤味が
一層深い色調とすることができる。
【0025】青色発色を与える染料前駆体としては、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、お
よび3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフル
オランなどをあげることができる。
【0026】緑色発色を与える染料前駆体としては、3
−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フ
ェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−
(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7
−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリドなどをあげることができる。
【0027】黄色系統の色調に発色する染料前駆体とし
ては、3,6−ジメトキシフルオラン、および1−(4
−n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−
(2−キノリル)エチレンなどがある。上記の染料前駆
体は単独で使用してもかまわないが、色調補正のために
他の色調に発色する染料前駆体と併用してもかまわな
い。
【0028】本発明に用いられる多価イソシアネート化
合物は、水およびアミノ化合物と反応することによりウ
レア結合を形成し、またヒドロキシル化合物と反応する
ことによってウレタン結合を形成して、マトリックス樹
脂を形成する。形成される重合体は、ポリウレア、また
はポリウレタン−ポリウレアであり、使用する重合成分
化合物としては、多価イソシアネート化合物のみであっ
てもよいし、又は多価イソシアネート化合物及びこれと
反応するポリオールとの混合物、或いは多価イソシアネ
ート化合物のポリオール付加物、ビウレット体、又はイ
ソシアヌレート体等の多量体であってもよい。これらの
多価イソシアネート化合物に染料前駆体を溶解し、この
溶液を、例えばポリビニルアルコール等の保護コロイド
物質や界面活性剤を溶解含有している水性媒体中に乳化
分散し、この乳化分散溶液粒子を、式(I)のアミノア
ルコール化合物の存在下において前記重合成分を重合反
応させる。それによって形成される重合体に式(I)の
アミノアルコール化合物が固定され、このようなマトリ
ックス重合体中に染料前駆体が含有された微細複合粒子
が形成される。
【0029】本発明に用いられる微細複合粒子形成用多
価イソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリ
レンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシ
アネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタン−4、4′−ジイソシアネー
ト、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチ
ル)−1、3、3−トリメチルシクロヘキサン、3,
3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチ
レン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−
1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4
−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,
4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、
トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイ
ソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン
−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテト
ライソシアネート類、などがある。多価イソシアネート
とポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレ
ンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、
2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプ
ロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチ
ロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘ
キサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマ
ーを用いることができる。他に、これら多価イソシアネ
ート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの
ビウレット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソ
シアヌレート体なども、本発明の高分子形成性原料とし
て好ましく用いることができる。
【0030】本発明においては、多価イソシアネート化
合物として、低粘度で作業性の良好なジシクロヘキシル
メタン−4、4′−ジイソシアネートを使用することが
特に望ましい。もちろん他の多価イソシアネートをこれ
と併用してもよい。
【0031】本発明において、微細複合粒子形成用ポリ
オール化合物としては、例えばエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブ
タン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロ
キシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロ
ヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒ
ドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,
1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリ
オール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン
等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの
縮合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレ
ングリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプ
ロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメ
タン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチ
ル)ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデン
ジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオ
キサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノ
ールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシア
クリレートのような分子内にヒドロキシル基のあるアク
リレート等をあげることができる。
【0032】多価イソシアネート化合物、及びポリオー
ル化合物などは、上記化合物に限定されるものではな
く、また、それらは、それぞれ単独で用いられてもよ
く、或いは必要に応じて各々の二種以上を併用してもよ
い。
【0033】本発明の微細複合粒子の形成に用いられる
多価アミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペン
タメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フ
ェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチ
レンペンタミン、トリス(アミノエチル)アミン、エポ
キシ化合物のアミン付加物等が挙げられる。なお、多価
アミン化合物は、耐光性を低下させないという点から、
脂肪族多価アミン化合物から選ばれることがより好まし
い。多価アミン化合物が用いられる場合、その添加量
は、多価イソシアネート化合物1モル量に対し、0.0
2〜2.00モル量であることが好ましく、0.5〜
1.00モル量であることがより好ましい。
【0034】本発明において微細複合粒子に用いられる
式(I)のアミノアルコール化合物としては、例えば、
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミ
ノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミ
ノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−トリス(ヒド
ロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン
酸、2(2−アミノエチルアミノ)エタノール、N−
(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−
(3−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1−ア
ミノ−2−ブタノール、4−アミノ−1−ブタノール、
2−エチルアミノエタノール、3−アミノ−2,2’−
ジメチル−1−プロパノール、および5−アミノ−1−
プロパノールなどが挙げられる。このようなアミノアル
コール化合物の種類、 及び添加量を変化させることによ
り生成する微細複合粒子の特性を変化させることができ
る。つまり必要とする感熱記録材料の特性に応じて、式
(I)のアミノアルコール化合物の種類、添加量を適宜
選択すればよい。本発明において、式(I)のアミノア
ルコール化合物は単独で用いられてもよく、或いはその
2種以上を併用してよい。
【0035】本発明においては、式(I)のアミノアル
コール化合物として、2−アミノ−2−メチル−1−プ
ロパノールを用いることにより、印字画像の安定性およ
び発色感度に著しく優れた感熱記録材料を得ることがで
きる。このとき、多価イソシアネート化合物として、ジ
シクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートを
用いることが好ましい。
【0036】式(I)のアミノアルコール化合物は、多
価イソシアネート化合物1モルに対し、0.05〜2モ
ルの割合で用いられることが好ましく、より好ましくは
0.1〜1モルの割合で用いられる。その添加量が0.
05モル未満では画像安定性、発色感度に対する向上効
果が不十分になることがあり、またそれが2モルを越え
ると、未反応のアミノアルコール化合物がマトリックス
重合体中に残存し、そのために、白紙部の発色カブリ等
の問題を生ずることがある。
【0037】さらに本発明の目的を損なわない範囲で、
微細複合粒子中に錫化合物、ポリアミド化合物、および
/又はエポキシ化合物などを併用してもよい。
【0038】本発明において、微細複合粒子の調製に、
乳化剤(保護コロイド剤)として、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ス
ルホン基変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩及びそ
れらの誘導体などの水溶性合成高分子化合物を用いるこ
とができる。このような乳化剤とともに界面活性剤、消
泡剤などを使用してもよい。微細複合粒子調製の際の乳
化剤の使用量については特に限定はないが、一般に得ら
れる微細複合粒子重量に対して1〜200重量%の乳化
剤を用いることが好ましく、3〜150重量%であるこ
とがより好ましい。
【0039】本発明の感熱記録材料において使用される
顕色性化合物については特に制限はないが、一般に温度
の上昇によって液化、又は溶解する性質を有し、かつ上
記染料前駆体と接触してこれを発色させる性質を有する
ものから選ばれる。代表的な顕色性化合物としては4−
tert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノー
ル、4−tert−オクチルフェノール、4,4′−s
ec−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,
4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−シク
ロヘキシリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4′−チオビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、およびビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなど
のフェノール性化合物をあげることができる。
【0040】さらに本発明において、顕色性化合物とし
て使用できる化合物としては4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロ
キシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安
息香酸クロロフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルなどのフェノール性化合物、または、安息
香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息
香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベン
ジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸などの芳
香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合物、芳
香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニ
ウム、カルシウムなどの多価金属との塩などの有機酸性
物質などが挙げられる。
【0041】本発明の感熱記録材料において、感熱発色
層中に含まれる染料前駆体含有微細複合粒子の含有量
は、染料前駆体が、感熱発色層中に、その合計量の1〜
15重量%の含有量で含まれるように設定されることが
好ましく、より好ましくは2〜10重量%である。顕色
性化合物は、一般に、微細複合粒子100重量部に対
し、30〜300重量部の割合で用いられることが好ま
しく、より好ましくは50〜200重量部の割合であ
る。もちろん顕色性化合物は単一種で用いられてもよ
く、或いは必要に応じて、2種類以上を混合使用しても
よい。
【0042】本発明においては、主に発色記録画像の保
存性向上のために、感熱発色層中に画像安定化剤を含有
させてもよい。このような画像安定化剤としては、例え
ば1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、4,4′−〔1,4−フェニレンビス(1−メチル
エチリデン)〕ビスフェノール、および4,4′−
〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕
ビスフェノールなどのフェノール系の化合物、4−ベン
ジルオキシフェニル−4′−(2−メチル−2,3−エ
ポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−(2−
メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホ
ン、および4−(2−エチル−1,2−エポキシエチ
ル)ジフェニルスルホン等のエポキシ化合物、並びに
1,3,5−トリス(2,6−ジメチルベンジル−3−
ヒドロキシ−4−tert−ブチル)イソシアヌル酸な
どのイソシアヌル酸化合物から選ばれた1種以上を含む
ものを用いることができる。もちろん、画像安定化剤は
これらに限定されるものではなく、又必要に応じて2種
類以上の化合物を併用することもできる。
【0043】本発明においては、発色感度を向上させる
ために感熱発色層中に増感剤を含有させることができ
る。増感剤としては、従来から感熱記録材料の増感剤と
して知られている化合物を使用することができ、例えば
パラベンジルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、
1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジ
ベンジル、アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2
−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェ
ノキシ)エタン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シ
ュウ酸ジ−p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4
−ジメチルフェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフ
トキシ)プロパン、メタターフェニル、ジフェニル、ベ
ンゾフェノンなどをあげることができる。これらの化合
物の中でも、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルとシュウ
酸ジ−p−クロルベンジルとを増感剤として使用する
と、かぶりが少ない増感効果が得られる。
【0044】本発明において使用される顕色性化合物、
画像安定化剤および増感剤などの添加剤は、これらを水
性媒体中に分散し、この分散液を感熱発色層形成塗料の
調製の際に混合すればよい。また、これらの添加剤を溶
剤に溶解し、これを水溶性高分子化合物を乳化剤として
用いて水中に乳化して使用することもできる。また画像
安定化剤および増感剤は、染料前駆体とともに微細複合
粒子中に含有させてもよい。
【0045】本発明においては、感熱発色層の白色度向
上、および画像の均一性向上のため、感熱発色層中に、
白色度が高く、平均粒子径が10μm以下の微粒子顔料
を含有させることができる。このような顔料としては、
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、ケイソウ
土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理された炭
酸カルシウムやシリカなどの無機顔料、並びに、尿素−
ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、
ポリスチレン樹脂等の有機顔料が使用できる。サーマル
ヘッドに対するかす付着、およびスティッキングの防止
のためには、吸油量が50ml/100g以上の顔料を使
用することが好ましい。顔料の配合量は、発色濃度を低
下させない程度、すなわち、感熱発色層の全固形分重量
に対して50重量%以下であることが好ましい。
【0046】本発明において、感熱発色層を構成する他
の材料としては接着剤が用いられ、さらに必要により、
架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、
および蛍光染料などを用いることができる。接着剤とし
ては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱
粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、ア
クリルアミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼラ
チン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並び
に、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体な
どの水不溶性重合体のラテックスなどをあげることがで
きる。
【0047】また、感熱発色層の耐水性を向上させるた
めに、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱発
色層中に含有させることができる。例えば、グリオキザ
ール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等の
ポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹
脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリ
ジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過
硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、および塩化マグネシウ
ム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物
又はホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等
から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱発色
層の全固形分100重量部に対し1〜10重量部の範囲
で用いることが好ましい。
【0048】感熱発色層に添加されるワックスとして
は、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、
およびポリエチレンワックスなどのワックス類、並びに
例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミドなどの高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、
およびその誘導体などをあげることができる。特にメチ
ロール化脂肪酸アミドを感熱発色層に添加すると、地肌
かぶりを悪化させずに増感効果を得ることができる。
【0049】感熱発色層に添加される金属石鹸として
は、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、
およびオレイン酸亜鉛等をあげることができる。また本
発明を多色発色感熱記録材料に利用する場合、低温発色
色調に対して補色の関係にある色調を有する有色染料、
有色顔料を感熱発色層中に含有させてもよく、このよう
にすることにより記録材料の白紙部の色調を適宜に調節
することができる。さらに必要に応じて、本発明の効果
を損なわない範囲内で、感熱発色層中に、撥油剤、消泡
剤、粘度調節剤など各種添加剤を添加することができ
る。感熱発色層は、支持体上に乾燥後の塗工量が2〜2
0g/m2 、より好ましくは4〜10g/m2 となるよ
うに塗工される。
【0050】本発明においては、感熱発色層の上に従来
より公知の感熱記録材料に使用されているような保護層
を設けることができる。こうした保護層は通常、水溶性
高分子材料と顔料を含有する。水溶性高分子材料、およ
び顔料としては、感熱発色層の構成成分として例示した
ような材料を使用することができる。このとき架橋剤を
添加して、保護層に耐水性を付与することがより好まし
い。また、電子線で硬化した樹脂層や紫外線で硬化した
樹脂層を設けることもできる。電子線や紫外線で硬化し
た樹脂を主とする保護層は、水溶性高分子材料と顔料を
含有する保護層の上に設けることがより好ましい。保護
層は、乾燥後の塗工量が0.5〜10g/m2 、より好
ましくは1〜5g/m2 となるように支持体上に塗工す
る。
【0051】本発明の感熱記録材料は、UVインキ、フ
レキソインキなどで印刷することもできる。この場合、
印刷は、感熱層上、保護層上、電子線硬化樹脂層、ある
いは紫外線硬化樹脂層など、どの層の上に印刷してもか
まわない。
【0052】本発明に用いられる支持体材料の種類、形
状、寸法などには、格別の限定はなく、例えば上質紙
(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キ
ャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリ
オレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フ
ィルム等の他、各種透明支持体等も適宜選択して使用す
ることができる。
【0053】本発明においては、従来より公知の感熱記
録材料に使用されている下塗層も利用することができ
る。特に紙を支持体とした場合は、下塗り層を設けるこ
とが好ましい。下塗り層は、シリカ、焼成カオリンなど
のような空隙率の高い顔料を使用することにより、その
上の感熱発色層の発色感度をあげることができる。また
下塗り層中にプラスチックピグメント、中空粒子、発泡
体などを含有させることもその上に形成される感熱発色
層の発色感度向上に効果がある。
【0054】支持体上に上記各層を形成する方法として
は、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロール
コーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、および
エクストルージョン法などの既知の塗布方法のいずれを
利用してもよい。また、記録材料裏面からの油や可塑剤
の浸透を抑制したり、カールコントロールのためのバッ
ク層を支持体の裏面に設けることもできる。感熱発色層
をスーパーカレンダーやソフトカレンダーなどの既知の
平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その発色感
度を高める事に効果がある。感熱発色層表面は、カレン
ダーの金属ロールおよび弾性ロールのいずれに当てて処
理してもよい。
【0055】
【実施例】本発明を下記実施例により更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、特に断らない限り、「部」および「%」はそれぞ
れ「重量部」および「重量%」を示す。
【0056】実施例1 (1)支持体の作製 カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)480
mlまで叩解した広葉樹晒しクラフトパルプ100部
に、タルク10部、石油樹脂系サイズ剤0.3部、硫酸
バンド0.5部を添加して抄紙原料を調製し、これから
坪量64g/m2の原紙を抄紙した。この原紙にサイズ
プレスによりポリビニルアルコールの2%水溶液を塗布
し乾燥した。その塗布量は、0.8g/m2 (乾燥)で
あった。この原紙にマシンカレンダー処理を施し、その
王研式平滑度(J.TAPPI No.5)が50秒に
なるように平滑化処理して感熱記録材料用支持体を作製
した。
【0057】(2)下塗り層の形成 顔料としてシリカ(ミズカシル登録商標P527、吸油
量190ml/100g、水沢化学工業(株)製)30部
を、0.7%ポリアクリル酸ソーダ水溶液70部中にカ
ウレス分散機を用いて分散した。別に接着剤液として固
形分濃度10%のポリビニルアルコール(NM11Q、
日本合成化学工業(株)製)水溶液を用意した。前記顔
料シリカ分散液と接着剤液とを固形分配合比率が85:
15になるように配合混合し、得られた塗料をメイヤー
バーを用いて前記支持体の片面上に7.0g/m2 (乾
燥)の塗工量で塗工して下塗り層を形成した。
【0058】(3)黒色発色性染料前駆体含有微細複合
粒子分散液の調製 黒色発色性染料前駆体として3−ジ−n−アミルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部を用い、こ
れを120℃に加熱されたジシクロヘキシルメタン−
4,4’−ジイソシアネート15部に溶解した。この溶
液を35℃に冷却し、これと同じ温度の20%スルホン
基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、商
標:ゴーセランL−3266)水溶液100部に、前記
染料前駆体溶液を徐々に添加し、これをホモジナイザー
により、回転数12000rpmの攪拌によって乳化分
散した。次にこの乳化分散液に、式(I)のアミノアル
コール化合物として2−アミノ−2−メチル−1−プロ
パノール2部を水50部に溶解した水溶液を加えて均一
化した。この乳化分散液を90℃に昇温し、この温度に
おいて10時間の重合反応に供して、平均粒子径0.4
μmの黒色発色性染料前駆体含有微細複合粒子の水性分
散液を調製した。
【0059】(4)感熱記録材料 顕色性化合物として4,4’―イソプロピリデンジフェ
ノール40部、10%ポリビニルアルコール(重合度5
00、鹸化度90%)水溶液40部、および水20部を
混合し、縦型サンドミル(アイメックス(株)製、サン
ドグラインダー)を用いて、前記顕色性化合物を平均粒
子径が1.2μmになるように粉砕し分散した。別に、
顔料としてシリカ(ミズカシル登録商標P527、吸油
量190ml/100g、水沢化学工業(株)製)30部
を、0.7%ポリアクリル酸ソーダ水溶液70部中に、
カウレス分散機を用いて分散した。別に接着剤液として
固形分濃度10%のポリビニルアルコール(ゴーセノー
ル登録商標NM11Q、日本合成化学工業(株)製)水
溶液を調製し、また滑剤分散液として固形分濃度21%
のステアリン酸亜鉛水性分散液(Z−7登録商標、中京
油脂(株)製)を用意した。上記塗料成分液を下記の配
合比率(固形分)で混合調製して感熱発色層塗料を調製
した。次に前記支持体の下塗り層の上に、前記塗料を
5.0g/m2 の塗工量(乾燥)になるように塗工し乾
燥して感熱発色層を形成した。得られた塗工紙の感熱発
色層面を、スーパーカレンダーにより処理し、その王研
式平滑度が1000秒となるように平滑化して、感熱記
録材料を作製した。 塗料成分 量(重量部) 黒色発色性染料前駆体含有微細複合粒子分散液 40 顕色性成分分散液 40 顔料分散液 15 滑剤分散液 5
【0060】実施例2 式(I)のアミノアルコール化合物として2−アミノ−
2−メチル−1−プロパノール4gを用いて、黒色発色
性染料前駆体含有微細複合粒子を調製したことを除き、
その他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し
た。
【0061】実施例3 式(I)のアミノアルコール化合物としてN−(2−ヒ
ドロキシプロピル)エチレンジアミン4gを用いて、黒
色発色性染料前駆体含有微細複合粒子を調製したことを
除き、その他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作
製した。
【0062】実施例4 式(I)のアミノアルコール化合物として2−アミノ−
2−エチル−1,3−プロパンジオール4gを用いて黒
色発色性染料前駆体含有微細複合粒子を調製したことを
除き、その他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作
製した。
【0063】比較例1 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを添加せず
に黒色発色性染料前駆体含有微細複合粒子を調製したこ
とを除き、その他は実施例1と同様にして感熱記録材料
を作製した。
【0064】比較例2 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの代わり
に、tert−ブチルアミン4gを添加して黒色発色性
染料前駆体含有微細複合粒子を調製したことを除き、そ
の他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0065】比較例3 2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの代わり
に、2−メチル−1−プロパノール4gを添加して黒色
発色性染料前駆体含有微細複合粒子を調製したことを除
き、その他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
した。
【0066】比較例4 黒色発色性染料前駆体として3−ジ−n−アミルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオランを40部、10
%ポリビニルアルコール(重合度500、鹸化度90
%)水溶液40部、および水20部を混合し、縦型サン
ドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダー)
を用いて、染料前駆体の平均粒子径が1.2μmになる
ように粉砕、分散した。顕色性化合物として4,4’―
イソプロピリデンジフェノール40部、10%ポリビニ
ルアルコール(重合度500、鹸化度90%)水溶液4
0部、および水20部を混合し、縦型サンドミル(アイ
メックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、顕
色性化合物の平均粒子径が1.2μmになるように粉
砕、分散した。顔料としてシリカ(ミズカシル登録商標
P527、吸油量190ml/100g、水沢化学工業
(株)製)30部を、0.7%ポリアクリル酸ソーダ水
溶液70部中にカウレス分散機を用いて分散した。別に
接着剤液として固形分濃度10%のポリビニルアルコー
ル(ゴーセノール登録商標NM11Q、日本合成化学工
業(株)製)水溶液、を調製し、また滑剤分散液として
固形分濃度21%のステアリン酸亜鉛水性分散液(Z−
7登録商標、中京油脂(株)製)を用意した。上記成分
液を、下記の配合比率(固形分)で混合して感熱発色層
塗料を調製し、この塗料を実施例1と同一の支持体の下
塗り層の上に、5.0g/m2 塗工量(乾燥)になるよ
うに塗工し乾燥して感熱発色層を形成した。得られた塗
工紙の感熱発色層面に、スーパーカレンダーによる平滑
化処理を施して、その王研式平滑度が1000秒となる
ようにして、感熱記録材料を作製した。 塗料成分 量(重量部) 黒色発色性染料前駆体分散物 10 顕色性化合物分散液 40 顔料分散液 30 接着剤液 15 滑剤分散液 5
【0067】比較例5 比較例4の感熱発色層形成用塗料に2−アミノ−2−メ
チル−1−プロパノール2部を添加したことを除き、そ
の他は比較例と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0068】比較例6 実施例1における黒色発色性染料前駆体含有微細複合粒
子分散液の調製の際に、2−アミノ−2−メチル−1−
プロパノールを添加しなかったこと、およびこのように
して得られた感熱発色層形成用塗料に2−アミノ−2−
メチル−1−プロパノール2部を添加したことを除き、
その他は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し
た。
【0069】テスト 実施例1〜4および比較例1〜6の感熱記録材料の各々
について下記テストを行なった。感熱記録テストにおい
ては、感熱印字試験装置TH−PMD(大倉電機製)を
用いて、1ライン記録時間:4msec、副走査線密
度:8ライン/mm、ドット当たり印加エネルギー:
0.5mJの条件下で256ラインのベタ印字を行っ
た。
【0070】このようにして得られた発色物について、
記録画像濃度を測定した。この記録画像濃度、および保
存性処理後の画像濃度は、記録サンプルの記録画像部を
マクベス濃度計(マクベス社製、型番:RD−914)
で測定して求めた。耐油性、耐可塑剤性は下記の方法で
評価された。耐油性テストにおいて、記録サンプルをサ
ラダオイルに20℃で8時間浸せきした後、記録画像部
をマクベス濃度計で測定し、画像保存率を下記式:保存
率(%)=((浸せき後濃度)/(浸せき前濃度)×1
00)により評価した。保存率が50%以上であれば画
像は判読できるレベルにあるから実用上問題ない。耐可
塑剤性テストにおいて、記録サンプルをポリ塩化ビニル
フィルム(ハイラップKMA―W、三井東圧(株)製)
の2表面の間にはさみ、20℃で12時間放置した後、
記録画像部をマクベス濃度計で測定し、画像保存率を下
記式:保存率(%)=((処理後濃度)/(処理前濃
度)×100)により評価した。保存率が50%以上で
あれば画像は判読できるレベルにあるから、実用上問題
ない。
【0071】上記試験結果を表1に示す。
【表1】
【0072】表1の結果から明らかなように、本発明に
係る実施例1〜4の感熱記録材料においては、発色感度
が高く、また画像の耐油、耐可塑剤安定性もすぐれてい
た。比較例1においては、黒色発色性染料前駆体含有微
細複合粒子の調製に際し、式(I)のアミノアルコール
化合物が用いられなかったため、得られた感熱発色層の
発色感度が不良であった。比較例2においては2−アミ
ノ−2−メチル−1−プロパノール(アミノ基及びヒド
ロキシル基含有)の代わりに、アミン化合物を用いたた
め、発色画像の耐油、耐可塑剤性が不良であった。比較
例3においては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノールの代わりにヒドロキシル化合物を用いたため、発
色感度が不良であった。比較例4においては、微細複合
粒子を用いずに、黒色発色性染料前駆体の分散液を用
い、かつ、式(I)のアミノアルコール化合物を使用し
なかったため、画像の耐油・耐可塑剤性が著しく不良で
あった。また比較例5において、比較例4の感熱発色層
形成用塗料に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ルを添加したところ、得られた発色画像の耐油・耐可塑
性は著しく不良であって、実施例1において認められた
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール添加による
耐油・耐可塑性改善効果は全く認められなかった。さら
に比較例6においては式(I)のアミノアルコール化合
物を添加することなく黒色発色性染料前駆体含有微細複
合粒子を調製し、得られた微細複合粒子含有感熱発色層
用塗料に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを
添加したところ、画像の耐油・耐可塑剤性は向上した
が、感熱発色層の発色感度は不良であった。上記実施例
および比較例から、式(I)のアミノアルコール化合物
を、染料前駆体微細複合粒子の重合体マトリックスに反
応固定した場合のみに、感熱発色層の発色感度の著しい
向上、及び発色画像の耐油・耐可塑剤性の顕著な向上の
両方を達成し得ることが確認された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、およびこの支持体上に形成さ
    れ、かつ、染料前駆体と、この染料前駆体と加熱下に反
    応してこれを発色させる顕色剤と、接着剤とを含む感熱
    発色層を有し、 前記染料前駆体が、微細複合粒子中に含まれており、こ
    の微細複合粒子が、前記染料前駆体と、多価イソシアネ
    ート化合物含有重合成分とを含む溶液を水性媒体中に乳
    化分散し、この乳化分散溶液粒子を、下記一般式(I)
    により表される少なくとも1種のアミノアルコール化合
    物; 【化1】 〔但し、式中、nは0又は1〜3の整数を表し、R
    1 は、水素原子、アルキル基、又はアミノ基およびヒド
    ロキシル基から選ばれた少なくとも1個の置換基により
    置換されているアルキル基を表し、R2 は、水素原子、
    アルキル基又は、少なくとも1個のヒドロキシル基によ
    り置換されているアルキル基を表し、Xは、−NH2
    又は−NHR3 基を表し、R3 はアルキル基、又は少な
    くとも1個のアミノ基により置換されているアルキル基
    を表す〕の存在下に重合反応に供して得られ、前記重合
    成分の重合によって形成され、かつ前記アルキルアルコ
    ール化合物が反応固定されている重合体からなるマトリ
    ックス中に、前記染料前駆体が含有されているものであ
    る、ことを特徴とする感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記微細複合粒子が、前記染料前駆体
    を、前記多価イソシアネート化合物を主成分として含む
    重合成分中に溶解し、この溶液を水性媒体中に乳化分散
    し、この乳化分散溶液粒子を、前記アミノアルコール化
    合物の存在下において、重合反応に供して形成されたも
    のである、請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記微細複合粒子において、その重合体
    マトリックスが、ポリウレタン又はポリウレタン−ポリ
    ウレア樹脂を含む、請求項1に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記多価イソシアネート化合物がジシク
    ロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートであ
    り、かつ前記式(I)のアミノアルコール化合物が2−
    アミノ−2−メチル−1−プロパノールである、請求項
    1に記載の感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 前記微細複合粒子の形成に用いられる前
    記式(I)のアミノアルコール化合物の量は、前記多価
    イソシアネート化合物1モルに対して、0.05〜2モ
    ルである、請求項1に記載の感熱記録材料。
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WO2006075604A1 (ja) * 2005-01-11 2006-07-20 Oji Paper Co., Ltd. 感熱記録体

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