JP3317171B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP3317171B2
JP3317171B2 JP34356996A JP34356996A JP3317171B2 JP 3317171 B2 JP3317171 B2 JP 3317171B2 JP 34356996 A JP34356996 A JP 34356996A JP 34356996 A JP34356996 A JP 34356996A JP 3317171 B2 JP3317171 B2 JP 3317171B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に関
し、更に詳しくは多価アミン化合物を高分子化反応促進
剤とする染料前駆体含有複合微粒子を含み、印字の画像
安定性にすぐれた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー微粒子の製造方法、あるいは油
性液体を芯物質として含有し、ポリマーからなる壁膜材
を含むマイクロカプセルの製造については数多くの方法
が知られており、成著も多数発行されている。例えば、
東レリサーチセンター調査研究企画部編集:「機能性材
料としての微粒子ポリマーの新展開」、東レリサーチセ
ンター発行(1994)、小石真純編著「微粒子設計」
工業調査会発行(1987)、近藤保編「マイクロカプ
セル−その機能と応用」日本規格協会発行(1991)
などの文献をあげることができる。ポリマー微粒子の製
造方法は、大きく分けて、重合性モノマーから、その重
合過程で粒子形成を行う重合造粒法と微小液滴化したポ
リマー溶液から粒子形成を行う分散造粒法に分類でき
る。またマイクロカプセルの製造方法についても前記と
ほぼ同様に分類することができる。
【0003】染料前駆体と、この染料前駆体と、加熱下
に接触反応してこれを発色させる顕色性化合物との発色
反応を利用し、加熱により両発色物質を溶融接触させ、
発色画像を得るようにした感熱記録材料は広く知られて
いる。このような感熱記録材料は、比較的安価であり、
記録機器がコンパクトで、かつその保守も容易であるた
め、ファクシミリ、ワードプロセッサー、各種計算機等
の各種用途の記録媒体として、幅広い分野において使用
されている。しかしながら、染料前駆体からなる固体粒
子と顕色性化合物とを含む従来の感熱記録材料は、油あ
るいは可塑剤の影響でその発色画像が消色しやすいとい
う欠点を有している。
【0004】上記の欠点を解消するためにマイクロカプ
セル内にオイルに溶解した染料前駆体を内包し、感熱記
録材料に応用することも公知であり、例えば特公平4−
4960号公報、特公平4−37796号公報、特公平
4−37797号公報、特公平5−63315号公報等
に記載されている。しかしながら、これらの染料前駆体
を溶解した油性液体を内包するマイクロカプセルは圧力
により破壊されやすく、マイクロカプセルに内包したオ
イルと溶解した染料前駆体がマイクロカプセル外に流れ
出し、顕色剤が接触することで発色するといった問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、油お
よび可塑剤に対する画像保存性に優れた感熱記録材料を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は支持体上に感熱
発色層を設けてなる感熱記録材料において、前記感熱発
色層が、少なくとも4,4’−ジシクロヘキシルメタン
−4,4’−ジイソシアネートなる多価イソシアネート
化合物からなる溶媒中に染料前駆体を溶解し、得られた
溶液を水中に乳化分散した後、水中に溶解している多価
アミン化合物の存在下で前記多価イソシアネート化合物
の高分子化反応を促進させることによって得られるポ
ウレア又はポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる母材
に、前記染料前駆体化合物が含有されている複合微粒子
を含有する感熱記録材料に存する。
【0007】また、本発明は前記多価アミン化合物が、
3価以上である感熱記録材料に存する。
【0008】更に本発明に係わる多価イソシアネート化
合物としてジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソ
シアネートを用い、多価アミン化合物としてはジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリス(アミ
ノエチル)アミンのうちから選ばれる少なくとも1種を
用いる感熱記録材料に存する。
【0009】また、更に本発明に係わる前記多価アミン
化合物使用量は、多価イソシアネート化合物1モルに対
し、多価アミン化合物を0.05モル〜1モル添加する
感熱記録材料に存する。
【0010】更に本発明は前記染料前駆体化合物が含有
されている複合微粒子の顕色性化合物が4,4’−イソ
プロピリデンジフェノールである感熱記録材料に存す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の染料前駆体含有樹脂複合
微粒子は、多価イソシアネート化合物含有高分子形成性
原料を溶媒とし、その中に染料前駆体を溶解させて溶液
を調製し、この溶液を親水性保護コロイド含有水溶液中
に乳化分散し、この乳化分散液を、前記高分子形成性原
料の高分子化反応に供して得られるものである。ポリウ
レア又はポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる母材中
に、前記染料前駆体が含有されていることを特徴とする
ものである。この複合微粒子は、その中に実質的に有機
溶剤を含まないため高い物理的強度を有している。この
ため、本発明の複合微粒子を用いた感熱記録材料は耐圧
性、耐摩擦性に優れた感熱発色層を有している。
【0012】本発明の複合微粒子は、ポリウレアまた
は、ポリウレタン−ポリウレアより選ばれた少なくとも
1種の高分子物質(樹脂)からなる母材と、その中に含
有されている染料前駆体からなるものであって、染料前
駆体と高分子物質とが分子レベルで混合し、固溶体状態
で存在していると考えられる。この複合微粒子中には、
実質的に油性溶媒などの液体を含有していない。複合微
粒子は空隙のない充実固体(内実体)でもよいし、多孔
質固体、又は粒子径の二分の一未満の直径を有する中空
部を有する中空固体であってもよい。しかし、大きな中
空部を有する中空固体は圧力で破壊されやすくなるため
好ましくない。
【0013】本発明の複合微粒子の製造においては、染
料前駆体を多価イソシアネート化合物に溶解し溶液を作
成する。複合微粒子製造における染料前駆体化合物と多
価イソシアネート化合物との重量比率は、発色感度の点
から、複合微粒子の合計重量に対して、染料前駆体化合
物の含有量が5〜80重量%であることが好ましく、2
0〜50重量%であることがより好ましい。このときの
溶解温度は、40〜160℃であることが好ましく、よ
り好ましくは60℃〜120℃とする。40℃以下の温
度では溶質の染料前駆体の多価イソシアネート化合物に
対する溶解性が低く、十分な隔離性を有する複合微粒子
を製造することができない。又、溶解温度が160℃を
超えると、染料前駆体の熱分解が進み安定して複合微粒
子を製造できないことがある。この溶液をポリビニルア
ルコール等の保護コロイド物質を溶解含有している水性
媒体中に乳化分散する。この乳化分散液を40℃以上に
加熱し、多価イソシアネート化合物を重合させてポリウ
レアまたはポリウレタン−ポリウレア樹脂からなる母材
と、この母材中に含有される染料前駆体からなる複合微
粒子を形成する。
【0014】多価イソシアネート化合物を重合するため
に分散液を60℃〜95℃に加温し、この温度に3時間
以上、より好ましくは5時間以上保持することで複合微
粒子を製造することができる。この多価イソシアネート
化合物を重合させる工程に多価アミン化合物を存在さ
せ、多価イソシアネート化合物と反応させる。このよう
にして得られた複合微粒子は、油および可塑剤に対する
画像安定性が優れた感熱記録材料を提供することができ
る。
【0015】本発明で使用する複合微粒子中に含有する
ことができる染料前駆体とは、トリアリール系、ジフェ
ニルメタン系、チアジン系、スピロ系、ラクタム系、フ
ルオラン系などのロイコ体が好ましく使用できる。こう
した染料前駆体は、顕色剤との接触において、それぞれ
固有の発色色調を与えるもので、その発色色調は、黒、
赤、赤紫、オレンジ、青、緑、黄色と多岐にわたってい
る。
【0016】黒色発色を与える染料前駆体としては、3
−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−イソアミル−N−エチ
ルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−2−テ
トラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7
−アニリノフルオラン、3−ジ−n−ブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ−n−アミ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N
−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−〔N−(3−エトキシプロピル)−N−エチル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
〔N−(3−エトキシプロピル)−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−(2,6−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニ
リノ)フルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメ
チルアミノアニリノ)フルオラン、および3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン等を用いることができる。
【0017】本発明においては、前記黒発色を与える染
料前駆体の中でも、耐光性に優れた3−ジ−n−アミル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−(2,6−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2,
4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノアニリノ)フ
ルオランから選ばれる1種であることが好ましい。
【0018】赤もしくは赤紫、オレンジ色系統の発色を
与える染料前駆体としては、3,6−ビス(ジエチルア
ミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3,6−ビ
ス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(p−ニトロ)
アニリノラクタム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フ
ルオラン−γ−(o−クロロ)アニリノラクタム、3−
ジメチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチル
アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6,8−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−tert−ブチルフルオラン、3−(N−エ
チル−N−トリルアミノ)−7−メチルフルオラン、3
−(N−エチル−N−トリルアミノ)−7−エチルフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−
6−メチル−7−クロロフルオラン、および3−(N−
エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフル
オランをあげることができる。
【0019】赤色、赤紫色、オレンジ色系統の発色色調
を与える染料前駆体としては、さらに3−シクロヘキシ
ルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジ−n−ブチル
アミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、3−ジ−
n−ブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3−ト
リルアミノ−7−メチルフルオラン、3−トリルアミノ
−7−エチルフルオラン、2−(N−アセチルアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
ン、2−(N−プロピオニルアニリノ)−3−メチル−
6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベン
ゾイルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルア
ミノフルオラン、2−(N−カルボブトキシアニリノ)
−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(N−ホルミルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジルアニ
リノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオ
ラン、2−(N−アリルアニリノ)−3−メチル−6−
ジ−n−ブチルアミノフルオラン、および2−(N−メ
チルアニリノ)−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミ
ノフルオランをあげることができる。
【0020】赤色、赤紫色、およびオレンジ色系統の発
色色調を示す染料前駆体として、さらに3,3′−ビス
(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)
フタリド、3,3′−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3′−ビス(1−
n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−フェニルスピロ〔(1,4−ジヒドロク
ロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,3′−フタリ
ド〕、7−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−3
−メチル−1−p−メチルフェニルスピロ〔(1,4−
ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾール)−4,
3′−フタリド〕、および7−(N−エチル−N−n−
ヘキシルアミノ)−3−メチル−1−フェニルスピロ
〔(1,4−ジヒドロクロメノ〔2,3−c〕ピラゾー
ル)−4,3′−フタリド〕などをあげることができ
る。
【0021】赤色染料前駆体として、3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロフルオラン、または3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−クロロフルオランを使用する場合、
色調補正のために、色調の異なる染料を混合使用するこ
とは望ましく、例えば3,3′−ビス(1−n−ブチル
−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、もしく
は3,3′−ビス(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)フタリドなどの赤紫系統の色調に発色する
染料前駆体を配合することにより、一層赤味を強く感じ
る色調とすることができる。
【0022】青色発色を与える染料前駆体としては、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエ
チルアミノフェニル)フタリド、3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3
−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−3−(2−n−ヘキシルオキシ−
4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、お
よび3−ジフェニルアミノ−6−ジフェニルアミノフル
オランなどをあげることができる。
【0023】緑色発色を与える染料前駆体としては、3
−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−アニ
リノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジル
アミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ
−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フ
ェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−〔p−
(p−アニリノアニリノ)アニリノ〕−6−メチル−7
−クロロフルオラン、および3,6−ビス(ジメチルア
ミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチ
ルアミノ)フタリドなどをあげることができる。
【0024】黄色系統の発色を与える染料前駆体として
は、3,6−ジメトキシフルオラン、および1−(4−
n−ドデシルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−
(2−キノリル)エチレンなどがある。上記の染料前駆
体は単独で使用してもかまわないが、色調補正のために
他の色の染料前駆体と併用してもかまわない。
【0025】本発明で用いられる多価イソシアネート化
合物は、水の他、アミノ化合物と反応することによりウ
レア結合を、ヒドロキシ化合物と反応することでウレタ
ン結合を形成し、高分子化する。形成される高分子は、
ポリウレア、またはポリウレタン−ポリウレアであり、
使用する高分子形成性材料としては、多価イソシアネー
ト化合物のみであってもよいし、又は多価イソシアネー
ト化合物及びこれと反応するポリオールとの混合物、あ
るいは多価イソシアネート化合物のポリオール付加物、
ビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であって
もよい。これらの多価イソシアネート化合物に染料前駆
体を溶解し、この溶液をポリビニルアルコール等の保護
コロイド物質や界面活性剤を溶解含有している水性媒体
中に乳化分散し、多価アミン化合物の存在下で前記高分
子形成性原料の高分子化反応を促進させることによって
得られ高分子化する。それによって染料前駆体と高分子
物質とからなる複合微粒子を形成することができる。
【0026】高分子形成性原料として用いられる多価イ
ソシアネート化合物としては例えば、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネ
ート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタン−4、4′−ジイソシアネート、5
−イソシアネート−1−(イソシアネートメチル)−
1、3、3−トリメチルシクロヘキサン、3,3′−ジ
メチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネー
ト、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−
1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2
−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイ
ソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″
−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−
2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネー
ト類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,
2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソ
シアネート類、などがある。多価イソシアネートとポリ
オールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイ
ソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4
−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン
付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロール
プロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサン
トリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用
いることができる。他に、これら多価イソシアネート化
合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレ
ット体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート体なども、本発明の高分子形成性原料として好ま
しく用いることができる。
【0027】本発明においては、低粘度で作業性の良い
ジシクロヘキシルメタン−4、4′−ジイソシアネート
を使用することが特に望ましい。もちろん他の多価イソ
シアネートと併用して使用することもできる。
【0028】高分子形成性原料に用いられるポリオール
化合物としては、例えばエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロ
ピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,
2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタ
ン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、
2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキ
サン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロ
キシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,
1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオー
ル、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の
芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合
生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレング
リコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピ
ルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタ
ン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)
ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオ
キサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノ
ールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシア
クリレートのような分子内にヒドロキシル基のあるアク
リレート等をあげることができる。
【0029】多価イソシアネート化合物、及びポリオー
ル化合物などは、上記化合物に限定されるものではな
く、また、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
【0030】本発明に用いられる多価アミン化合物とし
ては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチル
ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロ
キシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエ
チルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミ
ン、トリス(アミノエチル)アミン、エポキシ化合物の
アミン付加物等が挙げられる。なお、多価アミン化合物
は、耐光性を低下させないという点から、脂肪族多価ア
ミン化合物を用いることがより好ましい。
【0031】本発明では、特に多価アミン化合物とし
て、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
トリス(アミノエチル)アミンの存在下で前記高分子形
成性原料の高分子化反応を促進させることによって得ら
れる複合微粒子を感熱記録材料として用いた場合、油お
よび可塑剤に対する画像安定性の向上効果が大きく好ま
しい。これら化合物のうちから選ばれる少なくとも1種
を多価アミン化合物として用いることが望ましい。本発
明で用いる多価アミン化合物は2種以上併用してもかま
わない。
【0032】多価アミン化合物の種類および添加量によ
り複合微粒子の特性を変えることができる。多価アミン
化合物の添加量は、多価イソシアネート化合物1モルに
対し、多価アミン化合物0.05〜1モルが好ましい。
0.05モル以下では画像安定性に対する効果が大きく
なくなり、1モル以上では未反応の多価アミンが系中に
残存するためか、保存時の黄変等の問題があるため好ま
しくない。
【0033】さらに本発明の目的を損なわない範囲で、
錫化合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物などを併
用してもよい。
【0034】本発明において、複合微粒子の調製に用い
られる乳化剤(保護コロイド剤)としては、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、スルホン基変性ポリビニルアルコールなどの変性ポ
リビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩
及びそれらの誘導体などの水溶性合成高分子化合物を用
いることができる。このような乳化剤とともに界面活性
剤、消泡剤などを使用してもよい。複合微粒子調製の際
の乳化剤の使用量については特に限定はないが、一般に
得られる複合微粒子重量に対して1〜200重量%の乳
化剤を用いることが好ましく、3〜150重量%である
ことがより好ましい。
【0035】本発明の感熱記録材料において使用する顕
色性化合物については特に制限はないが、一般に温度の
上昇によって液化、又は溶解する性質を有し、かつ上記
染料前駆体と接触してこれを発色させる性質を有するも
のから選ばれる。代表的な顕色性化合物としては4−t
ert−ブチルフェノール、4−アセチルフェノール、
4−tert−オクチルフェノール、4,4′−sec
−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノール、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4′−
イソプロピリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキ
シリデンジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルサルファイド、4,4′−チオビス(3
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′
−イソプロポキシジフェニルスルホン、およびビス(3
−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのフ
ェノール性化合物をあげることができる。
【0036】さらに本発明において、顕色性化合物とし
て使用できる化合物としては4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、
4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−ヒドロ
キシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安
息香酸クロロフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルなどのフェノール性化合物、または、安息
香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息
香酸、テレフタル酸、サリチル酸、3−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−ベン
ジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)サリチル
酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸などの芳
香族カルボン酸、およびこれらフェノール性化合物、芳
香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニ
ウム、カルシウムなどの多価金属との塩などの有機酸性
物質などが挙げられる。
【0037】本発明の感熱記録材料において使用する顕
色性化合物として4,4’−イソプロピリデンジフェノ
ールを用いた場合、染料前駆体の固体粒子と顕色性化合
物として4,4’−イソプロピリデンジフェノールを含
む従来の感熱記録材料と比べ、油および可塑剤に対する
画像安定性の向上効果が高く、工業的利用価値が高く好
ましい。
【0038】顕色性化合物は通常、複合微粒子100重
量部に対し、30〜300重量部の量で用いられること
が好ましく、より好ましくは50〜200重量部の割合
で使用される。もちろん必要に応じて、2種類以上の顕
色性化合物を併用することもできる。
【0039】本発明においては、主に発色記録画像の保
存性向上のために、画像安定化剤を用いてもよい。この
ような画像安定化剤としては、例えば1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−
tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−〔1,
4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフ
ェノール、および4,4′−〔1,3−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノールなどのフェ
ノール系の化合物、4−ベンジルオキシフェニル−4′
−(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)フ
ェニルスルホン、4−(2−メチル−1,2−エポキシ
エチル)ジフェニルスルホン、および4−(2−エチル
−1,2−エポキシエチル)ジフェニルスルホン等のエ
ポキシ化合物、並びに1,3,5−トリス(2,6−ジ
メチルベンジル−3−ヒドロキシ−4−tert−ブチ
ル)イソシアヌル酸などのイソシアヌル酸化合物から選
ばれた1種以上を含むものを用いることができる。もち
ろん、画像安定化剤はこれらに限定されるものではな
く、又必要に応じて2種類以上の化合物を併用すること
もできる。
【0040】本発明においては、感熱記録発色感度を向
上させるために増感剤を使用することができる。増感剤
としては、従来から感熱記録材料の増感剤として知られ
ている化合物を使用することができ、例えばパラベンジ
ルビフェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、
アジピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジフェノ
キシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エ
タン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジ−
p−クロルベンジル、1,2−ビス(3,4−ジメチル
フェニル)エタン、1,3−ビス(2−ナフトキシ)プ
ロパン、メタターフェニル、ジフェニル、ベンゾフェノ
ンなどをあげることができる。これらの化合物の中で
も、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルとシュウ酸ジ−p
−クロルベンジルを増感剤として使用すると、かぶりが
少ない増感効果が得られる。
【0041】本発明において使用される顕色性化合物、
画像安定化剤および増感剤などの添加剤は、染料前駆体
を固体微粒子状態で使用する時と同じ方法で水中に分散
させ、感熱発色層形成塗料の調製の際にこれに混合すれ
ばよい。また、これらの添加剤を溶剤に溶解し、これを
水溶性高分子化合物を乳化剤として用いて水中に乳化し
て使用することもできる。また画像安定化剤および増感
剤は、染料前駆体を含有する複合微粒子中に含有させて
もよい。
【0042】本発明においては、感熱発色層の白色度向
上、および画像の均一性向上のため、白色度が高く、平
均粒子径が10μm以下の微粒子顔料を感熱発色層に含
有させることができる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレ
ー、シリカ、ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、表面処理された炭酸カルシウムやシリカなどの無機
顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタ
クリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機顔料が
使用できる。サーマルヘッドに対するかす付着、および
スティッキングの防止のためには、吸油量が50ml/1
00g以上の顔料を使用することが好ましい。顔料の配
合量は、発色濃度を低下させない程度、すなわち、感熱
発色層の全固形分重量に対して50重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0043】本発明において、感熱発色層を構成する他
の材料としては接着剤が用いられ、さらに必要により、
架橋剤、ワックス類、金属石鹸、有色染料、有色顔料、
および蛍光染料などを用いることができる。接着剤とし
ては、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、澱
粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド−アクリル酸エステル共重合体、ア
クリルアミド−アクリル酸エステル−メタアクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、カゼイン、ゼ
ラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分子材料、並び
に、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のエマルジョンやスチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体な
どの水不溶性重合体のラテックスなどをあげることがで
きる。
【0044】また、感熱発色層の耐水性を向上させるた
めに、接着剤を三次元硬化させるための架橋剤を感熱発
色層中に含有させることができる。例えば、グリオキザ
ール等のアルデヒド系化合物、ポリエチレンイミン等の
ポリアミン系化合物、エポキシ系化合物、ポリアミド樹
脂、メラミン樹脂、ジメチロールウレア化合物、アジリ
ジン化合物、ブロックイソシアネート化合物、並びに過
硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、および塩化マグネシウ
ム、四ホウ酸ソーダ、四ホウ酸カリウム等の無機化合物
又はホウ酸、ホウ酸トリエステル、ホウ素系ポリマー等
から選ばれた少なくとも1種の架橋性化合物を感熱発色
層の全固形分100重量部に対し1〜10重量部の範囲
で用いることが好ましい。
【0045】感熱発色層に添加されるワックスとして
は、パラフィンワックス、カルナバロウワックス、マイ
クロクリスタリンワックス、ポリオレフィンワックス、
およびポリエチレンワックスなどのワックス類、並びに
例えばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミドなどの高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、
およびその誘導体などをあげることができる。特にメチ
ロール化脂肪酸アミドを感熱発色層に添加すると、地肌
かぶりを悪化させずに増感効果を得ることができる。
【0046】感熱発色層に添加される金属石鹸として
は、高級脂肪酸多価金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、
およびオレイン酸亜鉛等をあげることができる。また多
色発色感熱記録材料とした場合、低温発色色調に対して
補色の関係にある色調を有する有色染料、有色顔料を感
熱発色層中に含有させることは、記録材料の白紙部の色
調を調節するために好ましい。さらに必要に応じて、本
発明の効果を損なわない範囲で、感熱発色層中に、撥油
剤、消泡剤、粘度調節剤など各種添加剤を添加すること
ができる。感熱発色層は、支持体上に乾燥後の塗工量が
2〜20g/m2、より好ましくは4〜10g/m2とな
るように塗工される。
【0047】本発明においては、感熱発色層の上に従来
より公知の感熱記録材料に使用されているような保護層
を設けることができる。こうした保護層は通常、水溶性
高分子材料と顔料を含有する。水溶性高分子材料、およ
び顔料としては、感熱発色層の構成成分として例示した
ような材料を使用することができる。このとき架橋剤を
添加して、保護層に耐水性を付与することがより好まし
い。また、電子線で硬化した樹脂層や紫外線で硬化した
樹脂層を設けることもできる。電子線や紫外線で硬化し
た樹脂を主とする保護層は、水溶性高分子材料と顔料を
含有する保護層の上に設けることがより好ましい。保護
層は、乾燥後の塗工量が0.5〜10g/m2、より好
ましくは1〜5g/m2となるように支持体上に塗工す
る。
【0048】本発明の感熱記録材料は、UVインキ、フ
レキソインキなどで印刷することもできる。この場合、
印刷は、感熱層上、保護層上、電子線硬化樹脂層、ある
いは紫外線硬化樹脂層など、どの層の上に印刷してもか
まわない。
【0049】本発明に用いられる支持体材料の種類、形
状、寸法などには、格別の限定はなく、例えば上質紙
(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙、アート紙、キ
ャストコート紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙、ポリ
オレフィン系合成紙、合成繊維紙、不織布、合成樹脂フ
ィルム等の他、各種透明支持体等も適宜選択して使用す
ることができる。
【0050】本発明においては、従来より公知の感熱記
録材料に使用されている下塗層も利用することができ
る。特に紙を支持体とした場合は、下塗層を設けること
が好ましい。下塗り層は、シリカ、焼成カオリンなどの
ような空隙率の高い顔料を使用することにより、その上
の感熱発色層の発色感度をあげることができる。また下
塗り層中にプラスチックピグメント、中空粒子、発泡体
などを含有させることもその上に形成される感熱発色層
の発色感度向上に効果がある。
【0051】支持体上に上記各層を形成する方法として
は、エアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロール
コーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、および
エクストルージョン法などの既知の塗布方法のいずれを
利用してもよい。また、記録材料裏面からの油や可塑剤
の浸透を抑制したり、カールコントロールのためのバッ
ク層を支持体の裏面に設けることもできる。感熱発色層
をスーパーカレンダーやソフトカレンダーなどの既知の
平滑化方法を用いて平滑化処理することは、その発色感
度を高める事に効果がある。感熱発色層表面は、カレン
ダーの金属ロールおよび弾性ロールのいずれに当てて処
理してもよい。
【0052】本発明を下記実施例により更に詳しく説明
するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。なお、特に断わらない限り、「部」および「%」は
それぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
【0053】実施例1 (1)支持体の作成 カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)480
mlまで叩解した広葉樹晒しクラフトパルプ100部
に、タルク10部、石油樹脂系サイズ剤0.3部、硫酸
バンド0.5部を添加してなる抄紙原料を調成し、坪量
64g/m2の紙を抄紙した。この原紙にサイズプレス
でポリビニルアルコールの2%溶液を塗布した。塗布量
は、0.8g/m2(乾燥)であった。マシンカレンダ
ーで王研式平滑度(J.TAPPI No.5)が50
秒となるように平滑化処理し、本発明で使用する支持体
とした。
【0054】(2)下塗り層の形成 顔料としてシリカ(ミズカシルP527、吸油量190
ml/100g、水沢化学工業(株)製)30部を、0.
7%ポリアクリル酸ソーダ70部にカウレス分散機で分
散した。別に接着剤液として固形分濃度10%のポリビ
ニルアルコール(NM11Q、日本合成化学工業(株)
製)水溶液を用意した。この顔料シリカ分散液と接着剤
液を固形分配合比率が85:15となるように配合し、
この塗料をメイヤーバーを用いて支持体の片面に7.0
g/m2(乾燥)塗工し、下塗り層を形成した。
【0055】(3)黒色発色性染料前駆体含有複合微粒
子分散液の調製 黒色発色性染料前駆体として3−ジ−n−アミルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン5部を120℃
に加熱したジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソ
シアネート15部に溶解し、この溶液を35℃に冷却
後、同じ温度の20%スルホン基変性ポリビニルアルコ
ール(日本合成化学工業製、商標:ゴーセランL−32
66)水溶液100部に徐々に添加し、ホモジナイザー
を用い、回転数12000rpmの撹拌によって乳化分
散した後、この乳化分散液に多価アミン化合物としてジ
エチレントリアミン4部を水50部に溶解した水溶液を
加えて均一化した。この乳化分散液を90℃に昇温し、
10時間の重合反応を行ない、平均粒子径0.4μmの
黒色発色性染料前駆体含有複合微粒子分散液を調製し
た。
【0056】(4)感熱記録材料 顕色性化合物;4,4’―イソプロピリデンジフェノー
ル40部、10%ポリビニルアルコール重合度500、
鹸化度90%)水溶液40部、水20部を混合し、縦型
サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダ
ー)を用いて、平均粒子径が1.2μmとなるように粉
砕、分散した。顔料としてシリカ(ミズカシルP52
7、吸油量190ml/100g、水沢化学工業(株)
製)30部を、0.7%ポリアクリル酸ソーダ70部に
カウレス分散機で分散した。別に接着剤液として固形分
濃度10%のポリビニルアルコール(NM11Q、日本
合成化学工業(株)製)水溶液、および滑剤分散液とし
て固形分濃度21%のステアリン酸亜鉛水性分散液(Z
−7、中京油脂(株)製)を用意した。下記の配合比率
(固形分)で混合調製した感熱発色層塗料を、先に形成
した下塗り層の上に5.0g/m2の塗工量(乾燥)で
塗工し乾燥して感熱発色層を形成した。得られた塗工紙
をスーパーカレンダーにより感熱発色層面の王研式平滑
度が1000秒となるように平滑化処理を行い感熱記録
材料とした。 成分 量(重量部) 黒色発色性染料前駆体含有複合微粒子分散液 40 顕色性成分分散液 40 顔料分散液 15 滑剤分散液 5
【0057】実施例2 多価アミン化合物としてトリエチレンテトラミンを用
い、黒色発色性染料前駆体含有複合微粒子を調製した以
外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0058】実施例3 多価アミン化合物としてトリス(アミノエチル)アミン
を用い、黒色発色性染料前駆体含有複合微粒子を調製し
た以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製し
た。
【0059】比較例1 多価アミン化合物を添加せずに黒色発色性染料前駆体含
有複合微粒子を調製したこと以外は実施例1と同様にし
て感熱記録材料を作製した。
【0060】比較例2 黒色発色性染料前駆体;3−ジ−n−アミルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオランを40部、10%ポ
リビニルアルコール(重合度500、鹸化度90%)水
溶液40部、水20部を混合し、縦型サンドミル(アイ
メックス(株)製、サンドグラインダー)を用いて、平
均粒子径が1.2μmとなるように粉砕、分散した。 顕色性化合物;4,4’―イソプロピリデンジフェノー
ル40部、10%ポリビニルアルコール重合度500、
鹸化度90%)水溶液40部、水20部を混合し、縦型
サンドミル(アイメックス(株)製、サンドグラインダ
ー)を用いて、平均粒子径が1.2μmとなるように粉
砕、分散した。顔料としてシリカ(ミズカシルP52
7、吸油量190ml/100g、水沢化学工業(株)
製)30部を、0.7%ポリアクリル酸ソーダ70部に
カウレス分散機で分散した。別に接着剤液として固形分
濃度10%のポリビニルアルコール(NM11Q、日本
合成化学工業(株)製)水溶液、および滑剤分散液とし
て固形分濃度21%のステアリン酸亜鉛水性分散液(Z
−7、中京油脂(株)製)を用意した。下記の配合比率
(固形分)で混合調製した感熱発色層塗料を、先に形成
した下塗り層の上に5.0g/m2の塗工量(乾燥)で
塗工し乾燥して感熱発色層を形成した。得られた塗工紙
をスーパーカレンダーにより感熱発色層面の王研式平滑
度が1000秒となるように平滑化処理を行い感熱記録
材料とした。 成分 量(重量部) 黒色発色性染料前駆体分散物 10 顕色性化合物分散液 40 顔料分散液 30 接着剤液 15 滑剤分散液 5
【0061】実施例1〜3および比較例1、2の感熱記
録材料の各々について試験を行なった。感熱記録は感熱
印字試験装置TH−PMD(大倉電機製)を用いて、1
ライン記録時間:4msec、副走査線密度:8ライン
/mm、ドット当たり印加エネルギー:2.0mJの条
件下で256ラインのベタ印字を行った。
【0062】このようにして得られた発色物について、
記録画像濃度を測定した。記録画像濃度、保存性処理後
の画像濃度は、記録サンプルの記録画像部をマクベス濃
度計(マクベス社製、型番:RD−914)で測定して
求めた。耐油性、耐可塑剤性を以下の方法で評価した。
耐油性は、記録サンプルをサラダオイルに20℃で12
時間浸せきした後、記録画像部をマクベス濃度計で測定
し、保存率(%)=((浸せき後濃度)/(浸せき前濃
度)×100)で評価した。保存率が50%以上であれ
ば判読できるレベルであり、実用上問題ない。耐可塑剤
性は、記録サンプルをポリ塩化ビニルフィルム(ハイラ
ップKMA―W、三井東圧(株)製)にはさみ、20℃
で24時間放置した後、記録画像部をマクベス濃度計で
測定し、保存率(%)=((処理後濃度)/(処理前濃
度)×100)で評価した。保存率が50%以上であれ
ば判読できるレベルであり、実用上問題ない。上記試験
結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
によって、印字後の画像安定性にすぐれた感熱記録材料
を製造することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に感熱発色層を設けてなる感熱記
    録材料において、前記感熱発色層が、少なくとも4,
    4’−ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
    ネートなる多価イソシアネート化合物からなる溶媒中に
    染料前駆体を溶解し、得られた溶液を水中に乳化分散し
    た後、水中に溶解している多価アミン化合物の存在下で
    前記多価イソシアネート化合物の高分子化反応を促進さ
    せることによって得られるポリウレア又はポリウレタン
    −ポリウレア樹脂からなる母材に、前記染料前駆体化合
    物が含有されている複合微粒子を含有することを特徴と
    する感熱記録材料。
  2. 【請求項2】多価アミン化合物が3価以上である請求項
    1記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】多価アミン化合物としてジエチレントリア
    ミン、トリエチレンテトラミン、トリス(アミノエチ
    ル)アミンのうちから選ばれる少なくとも1種を用いる
    請求項1に記載の感熱記録材料。
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