JPH10263507A - 気化物分離装置 - Google Patents
気化物分離装置Info
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- JPH10263507A JPH10263507A JP9077043A JP7704397A JPH10263507A JP H10263507 A JPH10263507 A JP H10263507A JP 9077043 A JP9077043 A JP 9077043A JP 7704397 A JP7704397 A JP 7704397A JP H10263507 A JPH10263507 A JP H10263507A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚染された被処理物を加熱処理する加熱処理
装置1と、加熱処理装置1からの排ガス中の気化物を捕
捉して回収処理する気化物捕捉処理手段8と、排ガス中
に同伴する固形物を捕捉して回収処理する集塵装置6と
からなる気化物分離装置を、汚染された被処理物を加熱
処理して、排出される排ガス中の固形物と、冷却により
固形化する汚染物質及び水溶性気化物とを別々に捕捉回
収するように構成して、汚染された被処理物からの汚染
物質の除去を確実としながら設備の簡素化を図る。 【解決手段】 被処理物を加熱処理する加熱処理装置1
からの排ガス流路に無機材から成る耐熱フィルタ7を備
えた集塵装置6を配置し、集塵装置6の下流側に、除塵
後の排ガス中の気化物を回収処理する気化物捕捉処理手
段8を配置してある。尚、耐熱フィルタ7を多孔質金属
焼結体で形成してあればさらによい。
装置1と、加熱処理装置1からの排ガス中の気化物を捕
捉して回収処理する気化物捕捉処理手段8と、排ガス中
に同伴する固形物を捕捉して回収処理する集塵装置6と
からなる気化物分離装置を、汚染された被処理物を加熱
処理して、排出される排ガス中の固形物と、冷却により
固形化する汚染物質及び水溶性気化物とを別々に捕捉回
収するように構成して、汚染された被処理物からの汚染
物質の除去を確実としながら設備の簡素化を図る。 【解決手段】 被処理物を加熱処理する加熱処理装置1
からの排ガス流路に無機材から成る耐熱フィルタ7を備
えた集塵装置6を配置し、集塵装置6の下流側に、除塵
後の排ガス中の気化物を回収処理する気化物捕捉処理手
段8を配置してある。尚、耐熱フィルタ7を多孔質金属
焼結体で形成してあればさらによい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により気体化
し、その後の冷却によって固体化するような汚染物質に
より汚染された砂、スラッジ、土壌、廃液処理汚泥等の
汚染された被処理物から気化する汚染物質を分離する気
化物分離装置に関し、詳しくは、汚染された被処理物を
加熱処理する加熱処理装置と、前記加熱処理装置からの
排ガス中の気化物を捕捉して回収処理する気化物捕捉処
理手段と、前記排ガス中に同伴する固形物を捕捉して回
収処理する集塵装置とからなる気化物分離装置に関す
る。
し、その後の冷却によって固体化するような汚染物質に
より汚染された砂、スラッジ、土壌、廃液処理汚泥等の
汚染された被処理物から気化する汚染物質を分離する気
化物分離装置に関し、詳しくは、汚染された被処理物を
加熱処理する加熱処理装置と、前記加熱処理装置からの
排ガス中の気化物を捕捉して回収処理する気化物捕捉処
理手段と、前記排ガス中に同伴する固形物を捕捉して回
収処理する集塵装置とからなる気化物分離装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、汚染された被処理物中の気化性汚
染物質を除去するのに、一般の気化物除去設備と同様の
気化物分離装置が用いられており、図2に示すように、
ゴミ焼却設備1A等の加熱処理装置1から排出される排
ガスを煙突10に導く排ガス流路5に、前記加熱処理装
置1からの排ガス中の気化物を凝結させて、他の気化性
物質と共に除去処理する気化物捕捉処理手段8と、前記
気化物捕捉処理手段8からの排ガス中の固形物を除去す
る集塵装置6とが順次配置され、誘引送風機9により前
記加熱処理装置1内からの排ガスを煙突10を経て排出
していた。つまり、集塵装置6としてバグフィルタ6A
や電気集塵機が用いられているために、フィルタ6a等
の耐用温度に合わせて、集塵装置6の入口温度を280
〜250℃より低く保つ必要があり、集塵装置6への排
ガスを冷却する必要がある。このために前記気化物捕捉
処理手段8は、排ガスを冷却する冷却塔を兼用してい
る。図示の例は、加熱処理装置1としてゴミ焼却炉1A
を用いた例を示すもので、被処理物供給手段2から供給
される被処理物を炉内で加熱処理して気化物除去後の被
処理物を焼却するものである。つまり、ストーカ機構で
形成する炉内の火床上に、ホッパ2aに投入された被処
理物をプッシャ2bで供給し、前記被処理物中の気化性
物質を汚染物質と共に気化させ、気化性物質を蒸発させ
た後の被処理物を、後続の火床上で焼却するものであ
る。気化した気化性物質は、火炉内で可燃性のものは燃
焼して処理され、燃焼によって処理されない気化性物質
は、燃焼排ガスと共に排ガス流路5を経て気化物捕捉処
理手段8に至り、捕捉の後処理される。ここで、前記気
化物捕捉処理手段8は、湿式のものが用いられるため
に、ゴミ焼却炉1A出口には排ガス温度調整機構3が設
けられており、前記気化物捕捉処理手段8での処理液の
突沸を防止可能な温度にまで排ガスを冷却するようにし
てある。さらに、この気化物捕捉処理手段8から排出さ
れる排ガス中の粉塵等の固形物を捕捉除去する集塵装置
6が下流側の排ガス流路5に設けてある。この集塵装置
6にはバグフィルタ6Aが用いられており、スプレー充
填塔で冷却された排ガス中の粉塵等をフィルタ6aで捕
捉し、落下させてロータリバルブ6bを経て排出するよ
うにしてある。バグフィルタ6Aから排出される排ガス
は、さらに必要な処理を施した後、煙突から大気中に放
出するようにしてある。
染物質を除去するのに、一般の気化物除去設備と同様の
気化物分離装置が用いられており、図2に示すように、
ゴミ焼却設備1A等の加熱処理装置1から排出される排
ガスを煙突10に導く排ガス流路5に、前記加熱処理装
置1からの排ガス中の気化物を凝結させて、他の気化性
物質と共に除去処理する気化物捕捉処理手段8と、前記
気化物捕捉処理手段8からの排ガス中の固形物を除去す
る集塵装置6とが順次配置され、誘引送風機9により前
記加熱処理装置1内からの排ガスを煙突10を経て排出
していた。つまり、集塵装置6としてバグフィルタ6A
や電気集塵機が用いられているために、フィルタ6a等
の耐用温度に合わせて、集塵装置6の入口温度を280
〜250℃より低く保つ必要があり、集塵装置6への排
ガスを冷却する必要がある。このために前記気化物捕捉
処理手段8は、排ガスを冷却する冷却塔を兼用してい
る。図示の例は、加熱処理装置1としてゴミ焼却炉1A
を用いた例を示すもので、被処理物供給手段2から供給
される被処理物を炉内で加熱処理して気化物除去後の被
処理物を焼却するものである。つまり、ストーカ機構で
形成する炉内の火床上に、ホッパ2aに投入された被処
理物をプッシャ2bで供給し、前記被処理物中の気化性
物質を汚染物質と共に気化させ、気化性物質を蒸発させ
た後の被処理物を、後続の火床上で焼却するものであ
る。気化した気化性物質は、火炉内で可燃性のものは燃
焼して処理され、燃焼によって処理されない気化性物質
は、燃焼排ガスと共に排ガス流路5を経て気化物捕捉処
理手段8に至り、捕捉の後処理される。ここで、前記気
化物捕捉処理手段8は、湿式のものが用いられるため
に、ゴミ焼却炉1A出口には排ガス温度調整機構3が設
けられており、前記気化物捕捉処理手段8での処理液の
突沸を防止可能な温度にまで排ガスを冷却するようにし
てある。さらに、この気化物捕捉処理手段8から排出さ
れる排ガス中の粉塵等の固形物を捕捉除去する集塵装置
6が下流側の排ガス流路5に設けてある。この集塵装置
6にはバグフィルタ6Aが用いられており、スプレー充
填塔で冷却された排ガス中の粉塵等をフィルタ6aで捕
捉し、落下させてロータリバルブ6bを経て排出するよ
うにしてある。バグフィルタ6Aから排出される排ガス
は、さらに必要な処理を施した後、煙突から大気中に放
出するようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の気
化物分離装置においては、加熱処理装置1からの排ガス
を、除塵前に気化物捕捉処理手段8内で冷却するので、
汚染物質の気化物も凝結させることになり、同時に液と
接触した排ガスに同伴する飛散固形物も捕捉されるの
で、排液部8cから排出される排出液には、気化物と共
に汚染物質の凝結物と捕捉された飛散固形物とを含有し
ており、先述のように、冷却の際に排ガス中の水溶成分
を同時に吸収している排出液の処理に際して、汚染物質
を含む気化物と他の固形物の混合した処理液から沈澱を
分離した後に、さらに凝結した汚染物質と他の飛散固形
物の分離を行わねばならないという問題を有している。
さらに、高温の排ガスを冷却するために多量の冷却水が
必要となり、上記排出液の処理が大掛かりとなる問題を
有している。そこで、本発明の気化物分離装置は、上記
の問題点を解決し、汚染された被処理物を加熱処理し
て、排出される排ガス中に同伴する飛散固形物と、冷却
により固形化する汚染物質及び水溶性気化物とを別々に
捕捉回収して、汚染された被処理物からの汚染物質の除
去を確実としながら設備の簡素化を図ることを目的とす
る。
化物分離装置においては、加熱処理装置1からの排ガス
を、除塵前に気化物捕捉処理手段8内で冷却するので、
汚染物質の気化物も凝結させることになり、同時に液と
接触した排ガスに同伴する飛散固形物も捕捉されるの
で、排液部8cから排出される排出液には、気化物と共
に汚染物質の凝結物と捕捉された飛散固形物とを含有し
ており、先述のように、冷却の際に排ガス中の水溶成分
を同時に吸収している排出液の処理に際して、汚染物質
を含む気化物と他の固形物の混合した処理液から沈澱を
分離した後に、さらに凝結した汚染物質と他の飛散固形
物の分離を行わねばならないという問題を有している。
さらに、高温の排ガスを冷却するために多量の冷却水が
必要となり、上記排出液の処理が大掛かりとなる問題を
有している。そこで、本発明の気化物分離装置は、上記
の問題点を解決し、汚染された被処理物を加熱処理し
て、排出される排ガス中に同伴する飛散固形物と、冷却
により固形化する汚染物質及び水溶性気化物とを別々に
捕捉回収して、汚染された被処理物からの汚染物質の除
去を確実としながら設備の簡素化を図ることを目的とす
る。
【0004】
〔特徴構成〕上記の目的のための本発明の気化物分離装
置の特徴構成は、請求項1に記載の如く、加熱処理装置
からの排ガス流路に無機材から成る耐熱フィルタを備え
た集塵装置を配置し、前記集塵装置の下流側に、除塵後
の排ガス中の気化物を回収処理する気化物捕捉処理手段
を配置してある(第1特徴構成)点にある。尚、請求項
2に記載の如く、前記第1特徴構成における耐熱フィル
タを多孔質金属焼結体で形成して(第2特徴構成)あれ
ばなおよい。
置の特徴構成は、請求項1に記載の如く、加熱処理装置
からの排ガス流路に無機材から成る耐熱フィルタを備え
た集塵装置を配置し、前記集塵装置の下流側に、除塵後
の排ガス中の気化物を回収処理する気化物捕捉処理手段
を配置してある(第1特徴構成)点にある。尚、請求項
2に記載の如く、前記第1特徴構成における耐熱フィル
タを多孔質金属焼結体で形成して(第2特徴構成)あれ
ばなおよい。
【0005】〔各特徴構成の作用効果〕上記各特徴構成
によれば、気化物捕捉処理手段によって排ガスを冷却し
て汚染物質を沈澱分離可能に捕捉するとともに、排ガス
と共に他の有害物質を排出することが防止できるように
なる。
によれば、気化物捕捉処理手段によって排ガスを冷却し
て汚染物質を沈澱分離可能に捕捉するとともに、排ガス
と共に他の有害物質を排出することが防止できるように
なる。
【0006】つまり、上記第1特徴構成によれば、加熱
処理装置からの排ガス流路に配置した耐熱除塵装置の下
流側に気化物捕捉処理手段を配置してあるので、その気
化物捕捉処理手段に至る前に固形物を捕捉させてあり、
排ガスの冷却設備を兼ねる湿式洗煙塔等を用いてある場
合にも、洗浄排液中に固形物が捕捉されることを防止で
き、捕捉された気化性汚染物質が冷却に伴って固形化す
れば、沈澱分離するだけの処理で回収できる。従って、
除塵装置を通過する際には気体である汚染物質と排ガス
同伴固形物との分離工程が省略できる。さらに、加熱処
理装置からの除塵後の高温の排ガスをそのまま気化物捕
捉手段に導入することができるため、排ガスが冷却され
ることがなく、耐熱除塵装置から湿式洗煙塔等で構成さ
れる気化物捕捉処理手段に至る排ガス流路を通過する排
ガス中には気化性汚染物質は気体のままに維持され、前
記排ガス流路中に沈積することを防止できる。さらに、
前記加熱処理装置がゴミ焼却炉のように被処理物中に塩
素分を多く含む場合には、排ガス中の塩素除去のために
水酸化カルシウムのような還元剤を吹き込む必要がある
が、生成する塩化カルシウムを気化物捕捉処理手段で処
理することを必要としないようにできる。その結果、汚
染された被処理物の処理効率に優れ、しかも、被処理物
を加熱処理して排出される排ガス中に同伴する飛散固形
物と、汚染物質の気化物及び水溶性気化物とを別々に捕
捉回収して、汚染物質を凝縮させれば、沈澱除去を確実
としつつ、設備の簡素化が可能となる。
処理装置からの排ガス流路に配置した耐熱除塵装置の下
流側に気化物捕捉処理手段を配置してあるので、その気
化物捕捉処理手段に至る前に固形物を捕捉させてあり、
排ガスの冷却設備を兼ねる湿式洗煙塔等を用いてある場
合にも、洗浄排液中に固形物が捕捉されることを防止で
き、捕捉された気化性汚染物質が冷却に伴って固形化す
れば、沈澱分離するだけの処理で回収できる。従って、
除塵装置を通過する際には気体である汚染物質と排ガス
同伴固形物との分離工程が省略できる。さらに、加熱処
理装置からの除塵後の高温の排ガスをそのまま気化物捕
捉手段に導入することができるため、排ガスが冷却され
ることがなく、耐熱除塵装置から湿式洗煙塔等で構成さ
れる気化物捕捉処理手段に至る排ガス流路を通過する排
ガス中には気化性汚染物質は気体のままに維持され、前
記排ガス流路中に沈積することを防止できる。さらに、
前記加熱処理装置がゴミ焼却炉のように被処理物中に塩
素分を多く含む場合には、排ガス中の塩素除去のために
水酸化カルシウムのような還元剤を吹き込む必要がある
が、生成する塩化カルシウムを気化物捕捉処理手段で処
理することを必要としないようにできる。その結果、汚
染された被処理物の処理効率に優れ、しかも、被処理物
を加熱処理して排出される排ガス中に同伴する飛散固形
物と、汚染物質の気化物及び水溶性気化物とを別々に捕
捉回収して、汚染物質を凝縮させれば、沈澱除去を確実
としつつ、設備の簡素化が可能となる。
【0007】そして、上記第2の特徴構成によれば、前
記第1特徴構成における耐熱フィルタを多孔質金属焼結
体で形成してあるので、気化性の汚染物質の気化温度以
上の高温状態の排ガスから微細粉塵を除去することが可
能であり、洗浄排液中には排ガス同伴固形物が沈澱する
ことがなく、前記洗浄排液から分離した汚染物質から、
排ガスに同伴する微細固形物と分離する必要がなく、洗
浄排液の処理が簡単になる。つまり、フィルタが金属製
であることから高温濾過が可能であり、冷却することな
く排ガスの除塵ができる。従って、集塵装置における汚
染物質の凝結及び集塵装置から湿式洗煙塔に至る排ガス
流路への汚染物質の凝縮を防止して、除塵後の排ガスと
ともに気化した汚染物質を気化物捕捉処理手段に送り込
むことができる。殊に、多孔質金属焼結体で形成したフ
ィルタは、他の耐熱フィルタ、例えばセラミック繊維製
のバグフィルタと較べると、殊に逆洗に際しての目開き
の変化、繊維の折損等のトラブルがなく、除塵が確実
で、且つ、保守が極めて容易になるという利点を有して
いる。また、例えば焼結セラミックフィルタと比較すれ
ば、セラミックフィルタに比して強度の大きいことから
フィルタの肉厚を薄くできる結果、通気抵抗を低くで
き、しかも、単位面積当たりの通気量を大きくしても通
気圧損に十分耐えるので、除塵装置の小型化を図ること
も可能とする利点を有している。また、セラミックフィ
ルタにおいては、強度面から肉厚を厚くしてあることか
ら熱衝撃に対する感受性が高まっているのに対して、素
材自身がセラミックフィルタに比して熱衝撃に対して強
く、肉厚も薄くできるので、例えば、高温の排ガスの流
通中に温度の低い逆洗ガスを吹き込んでも、熱衝撃によ
る破損を招くおそれがなく、炉の発停に際しての急激な
流通ガスの温度変化にも十分に耐えることができるの
で、耐久性に優れているという利点も有している。さら
に、前述のように、セラミックフィルタにおいては、厚
肉のために通気抵抗が高く、逆洗ガスの噴出圧を高める
必要が生ずるが、薄肉にして通気抵抗を低くできるの
で、逆洗ガスの噴出圧は比較的低くでき、逆洗ガスの質
量流量を少なくできるので、後続の洗煙塔以後の負荷を
軽減できるという利点も有している。
記第1特徴構成における耐熱フィルタを多孔質金属焼結
体で形成してあるので、気化性の汚染物質の気化温度以
上の高温状態の排ガスから微細粉塵を除去することが可
能であり、洗浄排液中には排ガス同伴固形物が沈澱する
ことがなく、前記洗浄排液から分離した汚染物質から、
排ガスに同伴する微細固形物と分離する必要がなく、洗
浄排液の処理が簡単になる。つまり、フィルタが金属製
であることから高温濾過が可能であり、冷却することな
く排ガスの除塵ができる。従って、集塵装置における汚
染物質の凝結及び集塵装置から湿式洗煙塔に至る排ガス
流路への汚染物質の凝縮を防止して、除塵後の排ガスと
ともに気化した汚染物質を気化物捕捉処理手段に送り込
むことができる。殊に、多孔質金属焼結体で形成したフ
ィルタは、他の耐熱フィルタ、例えばセラミック繊維製
のバグフィルタと較べると、殊に逆洗に際しての目開き
の変化、繊維の折損等のトラブルがなく、除塵が確実
で、且つ、保守が極めて容易になるという利点を有して
いる。また、例えば焼結セラミックフィルタと比較すれ
ば、セラミックフィルタに比して強度の大きいことから
フィルタの肉厚を薄くできる結果、通気抵抗を低くで
き、しかも、単位面積当たりの通気量を大きくしても通
気圧損に十分耐えるので、除塵装置の小型化を図ること
も可能とする利点を有している。また、セラミックフィ
ルタにおいては、強度面から肉厚を厚くしてあることか
ら熱衝撃に対する感受性が高まっているのに対して、素
材自身がセラミックフィルタに比して熱衝撃に対して強
く、肉厚も薄くできるので、例えば、高温の排ガスの流
通中に温度の低い逆洗ガスを吹き込んでも、熱衝撃によ
る破損を招くおそれがなく、炉の発停に際しての急激な
流通ガスの温度変化にも十分に耐えることができるの
で、耐久性に優れているという利点も有している。さら
に、前述のように、セラミックフィルタにおいては、厚
肉のために通気抵抗が高く、逆洗ガスの噴出圧を高める
必要が生ずるが、薄肉にして通気抵抗を低くできるの
で、逆洗ガスの噴出圧は比較的低くでき、逆洗ガスの質
量流量を少なくできるので、後続の洗煙塔以後の負荷を
軽減できるという利点も有している。
【0008】
【発明の実施の形態】上記本発明の気化物分離装置の実
施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら
説明する。図1は本発明による汚染された被処理物から
の気化物分離装置の一例を示す説明図である。尚、前記
従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等
の機能を有する要素に関しては、従来技術についての説
明に用いた図2に付したと同一の符号を付し、各要素に
関する詳細の説明及び前記従来の技術における関わりと
同じ要素間の関わりについての説明は省略する。
施の形態の一例について、以下に、図面を参照しながら
説明する。図1は本発明による汚染された被処理物から
の気化物分離装置の一例を示す説明図である。尚、前記
従来の技術において説明した要素と同じ要素並びに同等
の機能を有する要素に関しては、従来技術についての説
明に用いた図2に付したと同一の符号を付し、各要素に
関する詳細の説明及び前記従来の技術における関わりと
同じ要素間の関わりについての説明は省略する。
【0009】図1に示すように、気化物分離装置には、
加熱処理装置1からの排ガスを煙突10に排出するため
の排ガス流路5に、多孔質焼結金属フィルタ7Aを用い
た耐熱フィルタ7を備える集塵装置6と気化物捕捉処理
手段8とが順に配置されている。
加熱処理装置1からの排ガスを煙突10に排出するため
の排ガス流路5に、多孔質焼結金属フィルタ7Aを用い
た耐熱フィルタ7を備える集塵装置6と気化物捕捉処理
手段8とが順に配置されている。
【0010】前記加熱処理装置1は、被処理物を投入す
る被処理物供給手段3を備えたゴミ焼却炉1Aで構成さ
れている。
る被処理物供給手段3を備えたゴミ焼却炉1Aで構成さ
れている。
【0011】前記集塵装置6は、耐熱フィルタ7として
焼結金属フィルタ7Aと、下部にロータリバルブ6bを
備え、排出コンベア(図示省略)によって回収固形物を
連続的に排出可能に構成してある。さらに、フィルタの
逆洗用に逆洗ノズル6cを備え、高圧空気溜めからの逆
洗用空気を前記焼結金属フィルタ7A内に濾過方向とは
逆方向に吹き込んで、前記焼結金属フィルタ7Aの目詰
まりを除去するようにしてあり、逆洗制御装置によって
定期的に逆洗用空気を前記逆洗ノズル6cから噴射する
ようにしてある。前記焼結金属フィルタ7Aは等方圧加
圧下で焼結されたものが好ましく、最小阻止粒径の小さ
いものが用いられる。前記焼結金属フィルタ7Aは濾過
圧が高くできるので、静圧の大きな誘引送風機を用いる
ことにより濾過速度を大きくすることができ、集塵装置
6の小型化を可能にしている。さらに、逆洗用空気の噴
射圧力も高くできるので、最小阻止粒径が小さくても目
詰まりを防ぐことができる。また、フィルタが金属製で
あることから高温濾過が可能であり、冷却することなく
排ガスの除塵ができる。従って、集塵装置6における汚
染物質の凝結及び集塵装置6から湿式洗煙塔8Aに至る
排ガス流路への汚染物質の凝縮を防止して、除塵後の排
ガスとともに気化した汚染物質を気化物捕捉処理手段8
に送り込むことができる。
焼結金属フィルタ7Aと、下部にロータリバルブ6bを
備え、排出コンベア(図示省略)によって回収固形物を
連続的に排出可能に構成してある。さらに、フィルタの
逆洗用に逆洗ノズル6cを備え、高圧空気溜めからの逆
洗用空気を前記焼結金属フィルタ7A内に濾過方向とは
逆方向に吹き込んで、前記焼結金属フィルタ7Aの目詰
まりを除去するようにしてあり、逆洗制御装置によって
定期的に逆洗用空気を前記逆洗ノズル6cから噴射する
ようにしてある。前記焼結金属フィルタ7Aは等方圧加
圧下で焼結されたものが好ましく、最小阻止粒径の小さ
いものが用いられる。前記焼結金属フィルタ7Aは濾過
圧が高くできるので、静圧の大きな誘引送風機を用いる
ことにより濾過速度を大きくすることができ、集塵装置
6の小型化を可能にしている。さらに、逆洗用空気の噴
射圧力も高くできるので、最小阻止粒径が小さくても目
詰まりを防ぐことができる。また、フィルタが金属製で
あることから高温濾過が可能であり、冷却することなく
排ガスの除塵ができる。従って、集塵装置6における汚
染物質の凝結及び集塵装置6から湿式洗煙塔8Aに至る
排ガス流路への汚染物質の凝縮を防止して、除塵後の排
ガスとともに気化した汚染物質を気化物捕捉処理手段8
に送り込むことができる。
【0012】前記気化物捕捉処理手段8は、上流側に配
置した湿式洗煙塔8Aと、下流側に配置した活性炭吸着
塔8Bとで構成してある。前記湿式洗煙塔8Aとしては
公知のスプレー充填塔が利用可能で、上端部に散水管8
aを配置し、中間部に接触充填層8bを配置して、下部
を水封した排液部8cで形成してある。排ガスは前記接
触充填層8bの下方に接続した上流側の排ガス流路5か
ら導入され、前記接触充填層8bを通過する際に、上方
からの洗浄液の散水と充分に接触して、気化物を冷却し
て凝結させると同時に、排ガス中の水溶成分を溶解させ
て、気化物を含まない排ガスとして、前記接触充填層8
bの上方に接続された排ガス流路5を経て排出される。
この湿式洗煙塔8Aから排出された排ガスは、さらに活
性炭吸着塔8Bに導かれ、活性炭吸着層で排ガスはさら
に清浄化されて、確実に排ガスから汚染物質を除去でき
るようにしてある。このスプレー充填塔8Aでは、上流
側で温度低下させないままに除塵処理した排ガスを処理
するので、凝結温度の比較的高い気化物をもこのスプレ
ー充填塔8Aで捕捉処理することが可能となっている。
ここで凝縮した汚染物質は排液中に沈澱するので容易に
分離捕集することができる。
置した湿式洗煙塔8Aと、下流側に配置した活性炭吸着
塔8Bとで構成してある。前記湿式洗煙塔8Aとしては
公知のスプレー充填塔が利用可能で、上端部に散水管8
aを配置し、中間部に接触充填層8bを配置して、下部
を水封した排液部8cで形成してある。排ガスは前記接
触充填層8bの下方に接続した上流側の排ガス流路5か
ら導入され、前記接触充填層8bを通過する際に、上方
からの洗浄液の散水と充分に接触して、気化物を冷却し
て凝結させると同時に、排ガス中の水溶成分を溶解させ
て、気化物を含まない排ガスとして、前記接触充填層8
bの上方に接続された排ガス流路5を経て排出される。
この湿式洗煙塔8Aから排出された排ガスは、さらに活
性炭吸着塔8Bに導かれ、活性炭吸着層で排ガスはさら
に清浄化されて、確実に排ガスから汚染物質を除去でき
るようにしてある。このスプレー充填塔8Aでは、上流
側で温度低下させないままに除塵処理した排ガスを処理
するので、凝結温度の比較的高い気化物をもこのスプレ
ー充填塔8Aで捕捉処理することが可能となっている。
ここで凝縮した汚染物質は排液中に沈澱するので容易に
分離捕集することができる。
【0013】本発明の気化物分離装置を以上のように構
成すれば、加熱処理装置内1内で被処理物を酸化させる
ので、汚染物質が水溶性酸化物として気化する場合に
は、気化物捕捉処理手段8で湿式処理により汚染物質を
分離することが可能であり、汚染物質が不溶性酸化物と
して気化する場合には沈澱分離により分離することも可
能であり、前記湿式洗煙塔8Aの散水中に汚染物質を可
溶化する薬剤を添加すれば湿式処理を行うことが可能で
あり、何れにしても排ガスに同伴する微細固形物を、前
記気化物捕捉処理手段8の前で捕集してあるので、前記
微細固形物を分離する必要がなくなる。しかも、高温集
塵してあるので、汚染物質が集塵装置6に捕捉されるこ
とがないので、捕集粉塵からの汚染物質の分離も必要が
なくなるという利点を有するようになる。
成すれば、加熱処理装置内1内で被処理物を酸化させる
ので、汚染物質が水溶性酸化物として気化する場合に
は、気化物捕捉処理手段8で湿式処理により汚染物質を
分離することが可能であり、汚染物質が不溶性酸化物と
して気化する場合には沈澱分離により分離することも可
能であり、前記湿式洗煙塔8Aの散水中に汚染物質を可
溶化する薬剤を添加すれば湿式処理を行うことが可能で
あり、何れにしても排ガスに同伴する微細固形物を、前
記気化物捕捉処理手段8の前で捕集してあるので、前記
微細固形物を分離する必要がなくなる。しかも、高温集
塵してあるので、汚染物質が集塵装置6に捕捉されるこ
とがないので、捕集粉塵からの汚染物質の分離も必要が
なくなるという利点を有するようになる。
【0014】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。 〈1〉上記実施の形態に於いては、加熱処理装置1をゴ
ミ焼却炉1Aで構成し、被処理物をストーカ機構上の火
床で焼却する例を示したが、前記加熱処理装置を汚染物
質を気化させるための加熱装置としてあってもよく、こ
の場合、装入被処理物に反応性物質を供給して、汚染物
質の気化を促進するようにしてあってもよい。また、例
えば流動層加熱装置等を用いて、反応性気体を供給する
ことで、被処理物と前記反応性気体とを接触させて、汚
染物質の気化を促進するように構成してあってもよい。 〈2〉尚、除塵温度については詳しく触れていないが、
処理対象被処理物の汚染している有害物質によって適宜
設定可能であり、汚染物質の凝縮温度よりも高い温度で
除塵すればよい。
明する。 〈1〉上記実施の形態に於いては、加熱処理装置1をゴ
ミ焼却炉1Aで構成し、被処理物をストーカ機構上の火
床で焼却する例を示したが、前記加熱処理装置を汚染物
質を気化させるための加熱装置としてあってもよく、こ
の場合、装入被処理物に反応性物質を供給して、汚染物
質の気化を促進するようにしてあってもよい。また、例
えば流動層加熱装置等を用いて、反応性気体を供給する
ことで、被処理物と前記反応性気体とを接触させて、汚
染物質の気化を促進するように構成してあってもよい。 〈2〉尚、除塵温度については詳しく触れていないが、
処理対象被処理物の汚染している有害物質によって適宜
設定可能であり、汚染物質の凝縮温度よりも高い温度で
除塵すればよい。
【0015】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図1】本発明による気化物分離装置の実施の形態の一
例を示す説明図
例を示す説明図
【図2】従来の気化物分離装置の一例を示す説明図
1 加熱処理装置 6 集塵装置 7 耐熱フィルタ 8 気化物捕捉処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 20/20 B01D 53/34 B B09C 1/06 B09B 3/00 303P C02F 11/00 ZAB
Claims (2)
- 【請求項1】 汚染された被処理物を加熱処理する加熱
処理装置(1)と、前記加熱処理装置(1)からの排ガ
ス中の気化物を捕捉して回収処理する気化物捕捉処理手
段(8)と、前記排ガス中に同伴する固形物を捕捉して
回収処理する集塵装置(6)とからなる汚染された被処
理物からの気化物分離装置であって、 前記加熱処理装置(1)からの排ガス流路に無機材から
成る耐熱フィルタ(7)を備えた集塵装置(6)を配置
し、 前記集塵装置(6)の下流側に、除塵後の排ガス中の気
化物を回収処理する気化物捕捉処理手段(8)を配置し
てある気化物分離装置。 - 【請求項2】 前記耐熱フィルタ(7)を多孔質金属焼
結体で形成してある請求項1記載の気化物分離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9077043A JPH10263507A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 気化物分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9077043A JPH10263507A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 気化物分離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10263507A true JPH10263507A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=13622759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9077043A Pending JPH10263507A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 気化物分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10263507A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009039649A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ごみの資源化処理方法 |
JP2014061475A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Toyo Eng Works Ltd | 除塵減臭システムおよび除塵減臭方法 |
CN115487614A (zh) * | 2022-09-29 | 2022-12-20 | 衡阳凯新特种材料科技有限公司 | 一种氮化硅多孔陶瓷材料烧结用环保排气设备 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP9077043A patent/JPH10263507A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009039649A (ja) * | 2007-08-08 | 2009-02-26 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ごみの資源化処理方法 |
JP2014061475A (ja) * | 2012-09-21 | 2014-04-10 | Toyo Eng Works Ltd | 除塵減臭システムおよび除塵減臭方法 |
CN115487614A (zh) * | 2022-09-29 | 2022-12-20 | 衡阳凯新特种材料科技有限公司 | 一种氮化硅多孔陶瓷材料烧结用环保排气设备 |
CN115487614B (zh) * | 2022-09-29 | 2023-11-03 | 衡阳凯新特种材料科技有限公司 | 一种氮化硅多孔陶瓷材料烧结用环保排气设备 |
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