JPH10263338A - 金属溶湯用濾過材 - Google Patents

金属溶湯用濾過材

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JPH10263338A
JPH10263338A JP10116525A JP11652598A JPH10263338A JP H10263338 A JPH10263338 A JP H10263338A JP 10116525 A JP10116525 A JP 10116525A JP 11652598 A JP11652598 A JP 11652598A JP H10263338 A JPH10263338 A JP H10263338A
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molten metal
filter
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aluminum
zinc
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JP10116525A
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Takeshi Oshiro
武司 尾城
Mitsuharu Hoshitani
光治 星谷
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属溶湯中の介在物を除去するために、セラ
ミック製又は金属製フィルターを用いて亜鉛、アルミニ
ウム、銅、マグネシウム及びそれらの合金の溶湯を濾過
すると、金属溶湯の濾過の進行につれて金属溶湯がフィ
ルターに付着して目詰まりが生じ、濾過速度が段々遅く
なる。 【解決手段】 亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム
及びそれらの合金の溶湯を濾過するための金属製又はセ
ラミック製濾過材において、溶湯と接触する表面を、亜
鉛と0.1重量%以上、好ましくは3〜6重量%のアル
ミニウムとからなる合金で溶融メッキする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属溶湯用濾過材に
関し、具体的には亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウ
ム及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の溶湯
中に含有される介在物(不純物)を濾別するのに適した
金属製又はセラミック製濾過材に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム
及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の成形品
を鋳造によって製造する際には、その出発原料として新
地金を用いる場合と、スクラップ材を用いる場合と、新
地金とスクラップ材とを併用する場合とがあるが、何れ
の場合にも各金属溶湯中には下記のような介在物(不純
物)が存在していると考えられている。
【0003】a)鉄を主体とする金属粒子、金属化合物
粒子及び金属間化合物粒子; b)鉄、亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウムを主体
とする金属の酸化物; c)レンガ屑等のその他の非金属粒子。
【0004】金属溶湯中のこれらの介在物(不純物)を
除去しないでそのまま鋳造すると、これらの介在物が鋳
物中に随伴され、鋳物中の内部欠陥、あるいは表面欠陥
等を引き起こす原因になると考えられる。金属溶湯中の
介在物を除去するための手段として、従来、セラミック
製又は金属製フィルターを用いてアルミニウム合金溶湯
を濾過することが知られている。
【0005】このようなフィルターとして、たとえば特
開昭61−127830号公報には、耐火物フィルター
の溶湯装入側表面の全部若しくは一部に金属層又は合金
層を形成させた耐火物フィルターが記載されている。こ
の耐火物フィルターは、セラミックフォームフィルター
のような耐火物からなる骨材表面に、溶湯がAl又はA
l合金である場合にはCu,Cu−Zn,Ag,Al又
はAl合金よりなる金属又は合金層を設けたもので、こ
の金属又は合金層は、最も一般的なのは無電解めっき
法、溶射法、或は金属微粉末を吹付けて付着させ必要に
より加熱溶融させる方法により設けられる。
【0006】また特開昭58−55538号公報には、
金属溶湯の濾過材としては、炭素繊維にメッキ、蒸着あ
るいは溶射法で金属を被覆したものが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属溶
湯中の介在物を除去するために、セラミック製又は金属
製フィルターを用いて亜鉛、アルミニウム、銅、マグネ
シウム及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の
溶湯を濾過すると、フィルターの目の細かい場合には金
属溶湯の濾過の進行につれて金属溶湯がフィルターに付
着して目詰まりが生じ、濾過速度が段々遅くなり、実用
的でなくなる。また、濾過速度を向上させるために目の
荒いフィルターを用いると、介在物(不純物)を十分に
濾別することができず、実用的でない。
【0008】さらに、前記の公知文献に記載されたフィ
ルターは、耐火物あるいは炭素繊維の基材に、電気メッ
キ、蒸着あるいは溶射法で金属を被覆したものである
が、このような被覆の形成は、大規模な装置を必要とす
るばかりでなく、操作も複雑であり、生産性やコストの
面からも不利点が多い。
【0009】本発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、亜鉛、アルミニウム、銅、マグ
ネシウム及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属
の溶湯中に含有される介在物(不純物)を濾別するのに
適した、金属溶湯の付着に起因する目詰まりの生じにく
く、かつメッキ層の硬さ等の機械的特性や耐食性が改善
され、また鉄除去にもすぐれた金属製又はセラミック製
濾過材を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、金属溶湯と接
触する金属製又はセラミック製濾過材の表面を、各溶湯
金属とで容易に合金を形成することのできる金属で、よ
り好ましくは溶湯金属とで固溶体を形成することのでき
る金属、中でも亜鉛と0.1重量%以上のアルミニウム
とからなる合金で溶融メッキすることにより、金属溶湯
の付着に起因する目詰まりが生じにくくなることを見出
し、本発明に到達した。
【0011】即ち、本発明の金属溶湯用濾過材は、亜
鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム及びそれらの合金
からなる群から選ばれた金属の溶湯を濾過するための金
属製又はセラミック製濾過材において、該溶湯と接触す
る該濾過材の表面が、亜鉛と0.1重量%以上のアルミ
ニウムとからなる合金で溶融メッキされていることを特
徴とする。
【0012】本発明の金属溶湯用濾過材は、先ず、耐熱
性で且つ機械的強度を有するSUS等の金属又はセラミ
ックで濾過材を作成し、この濾過材の金属溶湯と接触す
る表面に、亜鉛と0.1重量%以上のアルミニウムとか
らなる合金からなるメッキ層を溶融めっき法によって形
成することによって得られる。
【0013】本発明の金属溶湯用濾過材においては、メ
ッキ層を形成する金属は、亜鉛と0.1重量%以上のア
ルミニウムとからなる合金であり、この金属は溶湯と固
溶体を形成することのできるので、本発明の金属溶湯用
濾過材に対する亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム
及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の溶湯の
濡れ性が極めて良好であり、従って金属溶湯の濾過の進
行につれて金属溶湯がフィルターに付着して目詰まりが
生じるようなことはほとんどない。
【0014】本発明の金属溶湯用濾過材においては、メ
ッキ層を形成する金属は、亜鉛と0.1重量%以上、好
ましくは3〜6重量%のアルミニウムとからなる合金で
あり、これはメッキ層の硬さ等の機械的特性や耐蝕性が
金属単独の場合よりも改善されるので好ましい。とくに
前記合金のアルミニウム含有量が5%以上の場合には、
濾過による鉄除去率の著しい向上が得られる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を示す。
【0016】実施例1 メッシュサイズがそれぞれ30、50、100、20
0、300及び400の6種類の網目構造のSUS製フ
ィルターを用意した。それらのフィルター表面に、95
重量%亜鉛−5重量%アルミニウム合金のメッキ層を形
成して本発明の濾過材を得た。このようにして得た本発
明のフィルター及びメッキ層の形成されていない対照フ
ィルターを用いて表1に記載の種々の金属溶湯を濾過し
て、それらのフィルターの濾過性を評価した。濾過性を
評価するために図1に示す装置を作成した。図1に示す
装置は厚さ約10mmの耐熱性断熱材を用いて内径10
0mm×100mm×120mm(高さ)の容器を2個
作り、一方の容器の底の中央に50mm×50mmの穴
を開け、それらを図1に示すように重ね、上の容器の底
にフィルターを載せたものである。この装置の上の容器
に試験金属の融点よりも50℃高い温度の金属溶湯を1
00mmの高さまで注湯し、フィルターを通過した金属
溶湯の量(容量%)を求めた。
【0017】なお、マグネシウム溶湯及びマグネシウム
合金溶湯の場合にはアルゴン雰囲気中で実施した。それ
らの結果は表1に示す通りであった。表1中の記号の意
味は下記の通りである: ○:濾過性(透過率) 80%以上 △:濾過性(透過率) 40%以上80%未満 ×:濾過性(透過率) 40%未満 −:評価未実施
【0018】
【表1】
【0019】実施例2 SUS製フィルターの代わりにセラミック製フィルター
を用いた以外、実施例1と同様にして濾過材の濾過性を
評価した。その結果は実施例1と同じであった。
【0020】実施例3 メッシュサイズが400の網目構造のSUS製フィルタ
ーを用意した。そのフィルター表面に95重量%亜鉛−
5重量%アルミニウム合金のメッキ層を形成して本発明
の濾過材を得た。表2に記載の合金に約0.1重量%の
鉄を添加し、溶湯を形成し、その溶湯を上記の本発明の
濾過材で濾過して、その濾過材の濾過性能を評価した。
濾過前及び濾過後の鉄含有量(重量%)及び鉄除去率は
表2に示す通りであった。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように、溶湯と接触する
表面が、亜鉛と0.1重量%以上のアルミニウムとから
なる合金で溶融メッキされている本発明の金属溶湯用濾
過材は、メッキされていない同一メッシュサイズの濾過
材と比較して、亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム
及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の溶湯の
濾過性(透過率)が優れており、また介在物(不純物)
の除去率も優れており、それらの金属の溶湯中に含有さ
れる介在物(不純物)を濾別するのに適した金属製濾過
材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】濾過性の評価に用いた装置の概略説明図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム
    及びそれらの合金からなる群から選ばれた金属の溶湯を
    濾過するための金属製又はセラミック製濾過材におい
    て、該溶湯と接触する該濾過材の表面が、亜鉛と0.1
    重量%以上のアルミニウムとからなる合金で溶融メッキ
    されていることを特徴とする、金属溶湯用濾過材。
  2. 【請求項2】 前記溶湯と接触する前記濾過材の表面
    が、亜鉛と3〜6重量%のアルミニウムとからなる合金
    で溶融メッキされている請求項1に記載の金属溶湯用濾
    過材。
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