JPH10261513A - フレーク状磁性粉末および磁性塗料 - Google Patents
フレーク状磁性粉末および磁性塗料Info
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- JPH10261513A JPH10261513A JP9085990A JP8599097A JPH10261513A JP H10261513 A JPH10261513 A JP H10261513A JP 9085990 A JP9085990 A JP 9085990A JP 8599097 A JP8599097 A JP 8599097A JP H10261513 A JPH10261513 A JP H10261513A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/14—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
- H01F41/16—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates the magnetic material being applied in the form of particles, e.g. by serigraphy, to form thick magnetic films or precursors therefor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子的商品監視システム用磁性タグシート等
に磁性塗料として用いた場合に優れた磁気特性が得られ
る磁性粉末および磁性塗料を提供する。 【解決手段】 Al:4〜14質量%、Ni:8〜30
質量%、Co:10質量%を超え30質量%以下と、T
i:5質量%以下、Cu:5質量%以下のうちいずれか
1種または2種とを含み残部Feおよび不可避的不純物
からなるアトマイズ粉を機械的に破砕して、平均粒径1
0〜100μm、厚み0.01〜50μmで、かつ、平
均粒径と厚みとの比が5以上のフレーク状とする。この
フレーク状磁性粉末を、700〜1000℃の温度で2
hr以下の加熱処理、400〜700℃の温度で30h
r以下の時効処理により磁気特性を向上する。前記フレ
ーク状磁性粉末を含有する磁性塗料を紙または樹脂のシ
ートもしくはフィルムに塗布して使用する。
に磁性塗料として用いた場合に優れた磁気特性が得られ
る磁性粉末および磁性塗料を提供する。 【解決手段】 Al:4〜14質量%、Ni:8〜30
質量%、Co:10質量%を超え30質量%以下と、T
i:5質量%以下、Cu:5質量%以下のうちいずれか
1種または2種とを含み残部Feおよび不可避的不純物
からなるアトマイズ粉を機械的に破砕して、平均粒径1
0〜100μm、厚み0.01〜50μmで、かつ、平
均粒径と厚みとの比が5以上のフレーク状とする。この
フレーク状磁性粉末を、700〜1000℃の温度で2
hr以下の加熱処理、400〜700℃の温度で30h
r以下の時効処理により磁気特性を向上する。前記フレ
ーク状磁性粉末を含有する磁性塗料を紙または樹脂のシ
ートもしくはフィルムに塗布して使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子式商品監視装
置用のタグシート等に用いられる、半硬質磁性を有する
フレーク状粉末とこれを用いた磁性塗料に関するもので
ある。
置用のタグシート等に用いられる、半硬質磁性を有する
フレーク状粉末とこれを用いた磁性塗料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、磁性タグシートを用いた電子的商
品監視システムが実用化されている。これは、商品に装
着する磁性タグシートと磁界を形成するゲートと監視装
置などからなる。磁性タグシートは、例えば図1に示す
ように、樹脂シート1にアモルファス細線2と半硬質磁
性材料からなる磁性片3とを組合せて貼付したもので、
予め脱磁した状態とし、これを商品に装着しておく。商
品が万引きや盗難にあったときに、商品がゲートを通る
と、ゲートが発生する弱磁界によってアモルファス細線
2にパルス電圧を生じて高調波を発生する。この高調波
を監視装置が感知して警報ブザー等により、万引きや盗
難にあった商品がゲートを通過したことを知らせるもの
である。正式に買上げ済みの商品では、レジを通過する
ときに磁化装置により磁性片3を磁化する。これによ
り、商品がゲートを通ったとき、アモルファス細線2に
発生するパルス電圧は失活され、高調波を生じないので
監視装置は反応しない。
品監視システムが実用化されている。これは、商品に装
着する磁性タグシートと磁界を形成するゲートと監視装
置などからなる。磁性タグシートは、例えば図1に示す
ように、樹脂シート1にアモルファス細線2と半硬質磁
性材料からなる磁性片3とを組合せて貼付したもので、
予め脱磁した状態とし、これを商品に装着しておく。商
品が万引きや盗難にあったときに、商品がゲートを通る
と、ゲートが発生する弱磁界によってアモルファス細線
2にパルス電圧を生じて高調波を発生する。この高調波
を監視装置が感知して警報ブザー等により、万引きや盗
難にあった商品がゲートを通過したことを知らせるもの
である。正式に買上げ済みの商品では、レジを通過する
ときに磁化装置により磁性片3を磁化する。これによ
り、商品がゲートを通ったとき、アモルファス細線2に
発生するパルス電圧は失活され、高調波を生じないので
監視装置は反応しない。
【0003】上記の磁性タグシートに用いる磁性片3と
しては、適度な保磁力(Hc)と高い残留磁束密度(B
r)を持つことが望ましい。すなわち、保磁力が高すぎ
れば磁性タグシートの磁化に強力な磁化装置を必要と
し、実用的でない。保磁力が低すぎれば磁性タグシート
は容易に磁化され、商品監視システムの機能が不安定と
なる。通常、磁性片3用材料としては保磁力の値100
〜300Oeが望ましいとされる。また、磁性片3の残
留磁束密度が高いほど、アモルファス細線2に発生する
パルス電圧の失活に対して効果的であり、磁性片3の小
型軽量化に有効なので、磁性片3用材料の残留磁束密度
は高いことが望ましい。
しては、適度な保磁力(Hc)と高い残留磁束密度(B
r)を持つことが望ましい。すなわち、保磁力が高すぎ
れば磁性タグシートの磁化に強力な磁化装置を必要と
し、実用的でない。保磁力が低すぎれば磁性タグシート
は容易に磁化され、商品監視システムの機能が不安定と
なる。通常、磁性片3用材料としては保磁力の値100
〜300Oeが望ましいとされる。また、磁性片3の残
留磁束密度が高いほど、アモルファス細線2に発生する
パルス電圧の失活に対して効果的であり、磁性片3の小
型軽量化に有効なので、磁性片3用材料の残留磁束密度
は高いことが望ましい。
【0004】従来、磁性片3としては、適度な保磁力と
比較的高い残留磁束密度とを有する材料としてFe−C
r−Co合金が用いられている。Fe−Cr−Co合金
は、インゴットの製造から、熱間加工、冷間加工、熱処
理、切断という複雑な工程と厳しい製造条件下で製造さ
れるため製品歩留が低く、特に冷間加工の条件が厳し
く、加工中に割れの発生が多く、また、熱処理において
も温度条件の許容幅が狭く、複雑で長時間の熱処理が必
要であるという問題があった。
比較的高い残留磁束密度とを有する材料としてFe−C
r−Co合金が用いられている。Fe−Cr−Co合金
は、インゴットの製造から、熱間加工、冷間加工、熱処
理、切断という複雑な工程と厳しい製造条件下で製造さ
れるため製品歩留が低く、特に冷間加工の条件が厳し
く、加工中に割れの発生が多く、また、熱処理において
も温度条件の許容幅が狭く、複雑で長時間の熱処理が必
要であるという問題があった。
【0005】しかも、従来の磁性タグシートの場合に
は、たとえば9mm×2mm×50μm厚の板状の磁性
片3が5枚程度張り付けられて使用されており、磁性タ
グシートの組立ての工数が多くかかり、コスト高の原因
ともなっていた。このような問題を解決するためには、
粉末状とした磁性材料を含む磁性塗料を基材に塗布する
ことにより、磁性材料の加工および磁性タグシート組立
てを簡略化することが考えられる。しかし、磁性塗料を
塗布する方法では、磁性材料の粉末粒子が生じる反磁界
のために磁性片3の磁気特性が低下し、高感度のシステ
ムが構成できないという問題があった。
は、たとえば9mm×2mm×50μm厚の板状の磁性
片3が5枚程度張り付けられて使用されており、磁性タ
グシートの組立ての工数が多くかかり、コスト高の原因
ともなっていた。このような問題を解決するためには、
粉末状とした磁性材料を含む磁性塗料を基材に塗布する
ことにより、磁性材料の加工および磁性タグシート組立
てを簡略化することが考えられる。しかし、磁性塗料を
塗布する方法では、磁性材料の粉末粒子が生じる反磁界
のために磁性片3の磁気特性が低下し、高感度のシステ
ムが構成できないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電
子的商品監視システム用磁性タグシート等に磁性塗料と
して用いた場合に優れた磁気特性が得られる磁性粉末お
よび磁性塗料を提供することにある。
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、電
子的商品監視システム用磁性タグシート等に磁性塗料と
して用いた場合に優れた磁気特性が得られる磁性粉末お
よび磁性塗料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁性粉末は、 (1)化学組成が、Al:4質量%以上14質量%以
下、Ni:8質量%以上30質量%以下、Co:10質
量%を超え30質量%以下、残部Feおよび不可避的不
純物からなり、平均粒径が10〜100μm、厚みが
0.01〜50μmであり、かつ、平均粒径と厚みとの
比が5以上であることを特徴とする。 (2)(1)記載のフレーク状磁性粉末において、上記
化学組成に加えて、さらに、Ti:5質量%以下、C
u:5質量%以下のうちいずれか1種または2種を含む
ことを特徴とする。 (3)(1)および(2)のいずれか1項記載のフレー
ク状磁性粉末であって、アトマイズ法により製造された
粉末を機械的に破砕してなることを特徴とする。 (4)(1)ないし(3)のいずれか1項記載のフレー
ク状磁性粉末を、700〜1000℃の温度で2hr以
下の時間において加熱保持後冷却したことを特徴とす
る。 (5)(4)記載のフレーク状磁性粉末を、さらに40
0〜700℃の温度で30hr以下の時間において時効
処理したことを特徴とする。
に、本発明の磁性粉末は、 (1)化学組成が、Al:4質量%以上14質量%以
下、Ni:8質量%以上30質量%以下、Co:10質
量%を超え30質量%以下、残部Feおよび不可避的不
純物からなり、平均粒径が10〜100μm、厚みが
0.01〜50μmであり、かつ、平均粒径と厚みとの
比が5以上であることを特徴とする。 (2)(1)記載のフレーク状磁性粉末において、上記
化学組成に加えて、さらに、Ti:5質量%以下、C
u:5質量%以下のうちいずれか1種または2種を含む
ことを特徴とする。 (3)(1)および(2)のいずれか1項記載のフレー
ク状磁性粉末であって、アトマイズ法により製造された
粉末を機械的に破砕してなることを特徴とする。 (4)(1)ないし(3)のいずれか1項記載のフレー
ク状磁性粉末を、700〜1000℃の温度で2hr以
下の時間において加熱保持後冷却したことを特徴とす
る。 (5)(4)記載のフレーク状磁性粉末を、さらに40
0〜700℃の温度で30hr以下の時間において時効
処理したことを特徴とする。
【0008】また、本発明の磁性塗料は、 (6)(1)ないし(5)のいずれか1項記載のフレー
ク状磁性粉末を含有することを特徴とする。 (7)(6)記載の磁性塗料であって、紙または樹脂の
シートもしくはフィルムに塗布されることを特徴とす
る。
ク状磁性粉末を含有することを特徴とする。 (7)(6)記載の磁性塗料であって、紙または樹脂の
シートもしくはフィルムに塗布されることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のフレーク状磁性粉末は、
半硬質アルニコ系磁性材料であって、特定した化学組成
を有し、これをフレーク状の粉末形状とすることによっ
て、反磁界の影響を少なくし、塗料とした場合にも磁性
タグシートとして優れた磁気特性を発揮するものであ
る。
半硬質アルニコ系磁性材料であって、特定した化学組成
を有し、これをフレーク状の粉末形状とすることによっ
て、反磁界の影響を少なくし、塗料とした場合にも磁性
タグシートとして優れた磁気特性を発揮するものであ
る。
【0010】以下に、本発明のフレーク状磁性粉末にお
ける化学組成の限定理由を述べる。 Al:4質量%以上14質量%以下 Alは、半硬質アルニコ系磁性材料において優れた磁気
特性を得るために必須元素であるが、含有率が4質量%
以下では保磁力が低く、また、含有率が14質量%を超
えると残留磁束密度が低下するとともに、保磁力も低下
するするため、Al含有率は質量%以上14質量%以下
とする。
ける化学組成の限定理由を述べる。 Al:4質量%以上14質量%以下 Alは、半硬質アルニコ系磁性材料において優れた磁気
特性を得るために必須元素であるが、含有率が4質量%
以下では保磁力が低く、また、含有率が14質量%を超
えると残留磁束密度が低下するとともに、保磁力も低下
するするため、Al含有率は質量%以上14質量%以下
とする。
【0011】Ni:8質量%以上30質量%以下 Niは、半硬質アルニコ系磁性材料において優れた磁気
特性を得るために必須の元素であるが、含有率が8質量
%以下では保磁力が低く、また、含有率が30質量%を
超えると残留磁束密度が低下するとともに、保磁力も低
下するするため、Ni含有率は8質量%以上30質量%
以下とする。
特性を得るために必須の元素であるが、含有率が8質量
%以下では保磁力が低く、また、含有率が30質量%を
超えると残留磁束密度が低下するとともに、保磁力も低
下するするため、Ni含有率は8質量%以上30質量%
以下とする。
【0012】Co:10質量%を超え30質量%以下 Coは、本発明の合金において残留磁束密度を高めるた
めに必須の元素であるが、その含有率が10質量%以下
では十分に高い残留磁束密度が得られないのでCo含有
率は10質量%を超えるものとする。しかしコストの高
い元素なので30質量%を上限として添加する。
めに必須の元素であるが、その含有率が10質量%以下
では十分に高い残留磁束密度が得られないのでCo含有
率は10質量%を超えるものとする。しかしコストの高
い元素なので30質量%を上限として添加する。
【0013】Ti:5質量%以下 Tiは、保磁力の向上に寄与する元素なので必要に応じ
て添加する。しかし、過剰に含有すると合金の飽和磁束
密度が低下するのでTi含有率の上限は5質量%とす
る。 Cu:5質量%以下 Cuは、保磁力の向上に寄与する元素なので必要に応じ
て添加する。しかし、過剰に含有すると合金の飽和磁束
密度が低下するのでCu含有率の上限は5質量%とす
る。
て添加する。しかし、過剰に含有すると合金の飽和磁束
密度が低下するのでTi含有率の上限は5質量%とす
る。 Cu:5質量%以下 Cuは、保磁力の向上に寄与する元素なので必要に応じ
て添加する。しかし、過剰に含有すると合金の飽和磁束
密度が低下するのでCu含有率の上限は5質量%とす
る。
【0014】フレーク状磁性粉末の大きさについては、
塗料化のしやすさ、塗膜の均一性、塗膜面の粗さが小さ
いこと、反磁界が小さくなるような形状とすること等を
考慮して、本発明のフレーク状磁性粉末は、平均粒径が
10〜100μm、厚みが0.01〜50μmであり、
かつ、平均粒径と厚みとの比が5以上、好ましくは10
以上のものとする。
塗料化のしやすさ、塗膜の均一性、塗膜面の粗さが小さ
いこと、反磁界が小さくなるような形状とすること等を
考慮して、本発明のフレーク状磁性粉末は、平均粒径が
10〜100μm、厚みが0.01〜50μmであり、
かつ、平均粒径と厚みとの比が5以上、好ましくは10
以上のものとする。
【0015】本発明のフレーク状磁性粉末は、上記のよ
うに化学組成を限定し、また粉末形状、寸法を調整する
ことによって、塗料化して紙または樹脂シート等に塗布
したときに優れた電子的商品監視システム用磁性タグシ
ートとしての磁気特性を発揮するものである。本発明の
フレーク状磁性粉末は、所要の化学組成を有する合金塊
を機械的に破砕して粉末化し、かつ、フレーク化して製
造する。好ましくは、所要の化学組成を有する合金溶湯
から、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法等によって製
造したアトマイズ粉を機械的破砕法によってフレーク化
して製造する。アトマイズ粉の粒径が過大であるとフレ
ーク化した後の粉末の大きさも大きくなり、塗料として
用いた場合に平滑な塗布面を得難いので、アトマイズ粉
の最大粒径は、150μm以下とするのが好ましい。粉
末の機械的破砕は、アトライターやボールミル等を用い
て行うことができる。
うに化学組成を限定し、また粉末形状、寸法を調整する
ことによって、塗料化して紙または樹脂シート等に塗布
したときに優れた電子的商品監視システム用磁性タグシ
ートとしての磁気特性を発揮するものである。本発明の
フレーク状磁性粉末は、所要の化学組成を有する合金塊
を機械的に破砕して粉末化し、かつ、フレーク化して製
造する。好ましくは、所要の化学組成を有する合金溶湯
から、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法等によって製
造したアトマイズ粉を機械的破砕法によってフレーク化
して製造する。アトマイズ粉の粒径が過大であるとフレ
ーク化した後の粉末の大きさも大きくなり、塗料として
用いた場合に平滑な塗布面を得難いので、アトマイズ粉
の最大粒径は、150μm以下とするのが好ましい。粉
末の機械的破砕は、アトライターやボールミル等を用い
て行うことができる。
【0016】フレーク化した粉末を700〜1000℃
の温度で加熱処理することによって磁気特性を向上する
ことができる。本発明の合金は、前記加熱によってα相
から強磁性のα1 相と非磁性のα2 相とに分離して磁気
特性を向上するが、加熱温度が低いと前記分離反応が生
じ難いので加熱処理の下限温度を700℃とする。ま
た、加熱温度が高温に過ぎれば粉末に焼結が生じてしま
うので、加熱温度の上限を1000℃とする。前記加熱
処理における加熱保持時間が長すぎると前記分離反応が
進み過ぎ、かえって磁気特性に悪影響をもたらすので、
加熱保持時間は2時間以下とする。
の温度で加熱処理することによって磁気特性を向上する
ことができる。本発明の合金は、前記加熱によってα相
から強磁性のα1 相と非磁性のα2 相とに分離して磁気
特性を向上するが、加熱温度が低いと前記分離反応が生
じ難いので加熱処理の下限温度を700℃とする。ま
た、加熱温度が高温に過ぎれば粉末に焼結が生じてしま
うので、加熱温度の上限を1000℃とする。前記加熱
処理における加熱保持時間が長すぎると前記分離反応が
進み過ぎ、かえって磁気特性に悪影響をもたらすので、
加熱保持時間は2時間以下とする。
【0017】さらに、前記加熱処理を施した粉末に、4
00〜700℃の温度で時効処理を施すと元素の拡散が
促進され、α1 相とα2 相との元素の濃度差が大きくな
って、粉末の磁気特性が一層向上する。時効処理温度が
低すぎると元素の拡散が十分に生じないので時効処理温
度の下限を400℃とする。時効処理温度が高すぎる
か、又は時効処理時間が長すぎると、元素の拡散が進み
すぎて過時効となり磁気特性を損うので、時効処理温度
の上限は700℃とし、時効処理時間は30時間以下と
する。
00〜700℃の温度で時効処理を施すと元素の拡散が
促進され、α1 相とα2 相との元素の濃度差が大きくな
って、粉末の磁気特性が一層向上する。時効処理温度が
低すぎると元素の拡散が十分に生じないので時効処理温
度の下限を400℃とする。時効処理温度が高すぎる
か、又は時効処理時間が長すぎると、元素の拡散が進み
すぎて過時効となり磁気特性を損うので、時効処理温度
の上限は700℃とし、時効処理時間は30時間以下と
する。
【0018】塗料化については、従来公知の技術と同様
に、塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、ウレタン樹
脂等と、それら樹脂の硬化剤、分散剤および必要に応じ
て添加される滑剤等を用い、これらと前記フレーク状磁
性粉末との混合組成物として実現される。また、粘度の
調整などのためにメチルエチルケトン等の溶剤が使用さ
れる。もちろん、これらの組成は、塗料としての使用し
やすさや、塗膜の特性に応じて適宜に選択すればよく、
特に限定されるものではない。
に、塩化ビニール樹脂、酢酸ビニール樹脂、ウレタン樹
脂等と、それら樹脂の硬化剤、分散剤および必要に応じ
て添加される滑剤等を用い、これらと前記フレーク状磁
性粉末との混合組成物として実現される。また、粘度の
調整などのためにメチルエチルケトン等の溶剤が使用さ
れる。もちろん、これらの組成は、塗料としての使用し
やすさや、塗膜の特性に応じて適宜に選択すればよく、
特に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】水アトマイズ法によって、表1の実施例1〜
6に示す化学組成を有する粒度75μm以下の球状の合
金粉末を得た。これらの合金粉末の平均粒径は30〜4
0μmの範囲にあった。前記合金粉末2kgにキシレン
2リットルおよび鋼球17.5kgを加え、アトライタ
ー用いて回転数250rpmで15hrフレーク化処理
を行ってフレーク状粉末を得た。
6に示す化学組成を有する粒度75μm以下の球状の合
金粉末を得た。これらの合金粉末の平均粒径は30〜4
0μmの範囲にあった。前記合金粉末2kgにキシレン
2リットルおよび鋼球17.5kgを加え、アトライタ
ー用いて回転数250rpmで15hrフレーク化処理
を行ってフレーク状粉末を得た。
【0020】
【表1】 前記フレーク状粉末に、アルゴン雰囲気中で900℃×
15minの加熱処理を施した。一部のフレーク状粉末
については、前記の加熱処理後、さらに600℃×10
hrの時効処理を施した。上記の各フレーク状粉末20
00重量部に塩化ビニール・酢酸ビニール樹脂100重
量部、ウレタン樹脂100重量部、硬化剤100重量
部、分散剤10重量部を加え、溶剤としてメチルエチル
ケトンを適宜添加して、ボールミルによって5hr混合
して塗料化した。
15minの加熱処理を施した。一部のフレーク状粉末
については、前記の加熱処理後、さらに600℃×10
hrの時効処理を施した。上記の各フレーク状粉末20
00重量部に塩化ビニール・酢酸ビニール樹脂100重
量部、ウレタン樹脂100重量部、硬化剤100重量
部、分散剤10重量部を加え、溶剤としてメチルエチル
ケトンを適宜添加して、ボールミルによって5hr混合
して塗料化した。
【0021】上記のようにして得た塗料をPET(ポリ
エチレンテレフタレート)樹脂上に塗布しておよそ50
μmの厚さの塗膜を形成した。前記塗料の塗布は一般の
塗料と同様に容易に行うことができ、形成された塗膜は
PET樹脂に密着しており、滑らかな表面状態を得るこ
とができた。図2に塗膜の断面組織を示す。前記塗膜に
ついて、VSM(振動試料型磁力計)を用い、印加磁界
10kOeとして保磁力Hcと残留磁束密度Brを測定
した。
エチレンテレフタレート)樹脂上に塗布しておよそ50
μmの厚さの塗膜を形成した。前記塗料の塗布は一般の
塗料と同様に容易に行うことができ、形成された塗膜は
PET樹脂に密着しており、滑らかな表面状態を得るこ
とができた。図2に塗膜の断面組織を示す。前記塗膜に
ついて、VSM(振動試料型磁力計)を用い、印加磁界
10kOeとして保磁力Hcと残留磁束密度Brを測定
した。
【0022】上記各フレーク状粉末の寸法および磁気特
性の測定結果を表2に示す。比較のため、圧延によって
厚み50μmとした比較例1、フレーク化処理を行わな
い球状粉末に対して、以後の工程を実施例1〜4と同様
に行った比較例2、および製造工程は実施例1〜4と同
様であるが、粉末の化学組成が本発明の範囲を外れる比
較例3について磁気特性を測定し、その結果を表2に併
記した。
性の測定結果を表2に示す。比較のため、圧延によって
厚み50μmとした比較例1、フレーク化処理を行わな
い球状粉末に対して、以後の工程を実施例1〜4と同様
に行った比較例2、および製造工程は実施例1〜4と同
様であるが、粉末の化学組成が本発明の範囲を外れる比
較例3について磁気特性を測定し、その結果を表2に併
記した。
【0023】
【表2】 表2よれば、本発明の実施例は、比較例2、3に比べて
磁気特性が優れ、いずれも圧延材(比較例1)に匹敵す
る保磁力と残留磁束密度を有することが明らかである。
磁気特性が優れ、いずれも圧延材(比較例1)に匹敵す
る保磁力と残留磁束密度を有することが明らかである。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、電子的商品監視システム用磁性タグシート等に磁性
塗料として用いた場合にも反磁界の影響が少なく、磁性
タグシートとして所要の保磁力と高い残留磁束密度とを
有し、かつ、その製造および塗料化も容易なフレーク状
磁性粉末、並びに、磁性タグシート等に用いるのに適し
た磁性塗料が提供される。
ば、電子的商品監視システム用磁性タグシート等に磁性
塗料として用いた場合にも反磁界の影響が少なく、磁性
タグシートとして所要の保磁力と高い残留磁束密度とを
有し、かつ、その製造および塗料化も容易なフレーク状
磁性粉末、並びに、磁性タグシート等に用いるのに適し
た磁性塗料が提供される。
【図1】電子的商品監視システム用磁性タグシートを例
示した平面図である。
示した平面図である。
【図2】本発明の磁性塗料を塗布して得た塗膜の断面組
織を示した図面に代る顕微鏡写真である。
織を示した図面に代る顕微鏡写真である。
1 樹脂シート 2 アモルファス細線 3 磁性片
Claims (7)
- 【請求項1】 化学組成が、Al:4質量%以上14質
量%以下、Ni:8質量%以上30質量%以下、Co:
10質量%を超え30質量%以下、残部Feおよび不可
避的不純物からなり、平均粒径が10〜100μm、厚
みが0.01〜50μmであり、かつ、平均粒径と厚み
との比が5以上であることを特徴とするフレーク状磁性
粉末。 - 【請求項2】 上記化学組成に加えて、さらに、Ti:
5質量%以下、Cu:5質量%以下のうちいずれか1種
または2種を含むことを特徴とする請求項1記載のフレ
ーク状磁性粉末。 - 【請求項3】 アトマイズ法により製造された粉末を機
械的に破砕してなることを特徴とする請求項1および請
求項2のいずれか1項記載のフレーク状磁性粉末。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
記載のフレーク状磁性粉末を、700〜1000℃の温
度で2hr以下の時間において加熱保持後冷却したこと
を特徴とするフレーク状磁性粉末。 - 【請求項5】 請求項4記載のフレーク状磁性粉末を、
さらに400〜700℃の温度で30hr以下の時間に
おいて時効処理したことを特徴とするフレーク状磁性粉
末。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
記載のフレーク状磁性粉末を含有することを特徴とする
磁性塗料。 - 【請求項7】 紙または樹脂のシートもしくはフィルム
に塗布されることを特徴とする請求項6記載の磁性塗
料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9085990A JPH10261513A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | フレーク状磁性粉末および磁性塗料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9085990A JPH10261513A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | フレーク状磁性粉末および磁性塗料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10261513A true JPH10261513A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13874123
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9085990A Pending JPH10261513A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | フレーク状磁性粉末および磁性塗料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10261513A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009116494A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Hitachi Chem Co Ltd | 電子タグ |
JP2022506709A (ja) * | 2019-07-29 | 2022-01-17 | コリア ミンティング,セキュリティ プリンティング アンド アイディー カード オペレーティング コーポレーション | アルニコ系硬質磁性体粒子及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP9085990A patent/JPH10261513A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009116494A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Hitachi Chem Co Ltd | 電子タグ |
JP2022506709A (ja) * | 2019-07-29 | 2022-01-17 | コリア ミンティング,セキュリティ プリンティング アンド アイディー カード オペレーティング コーポレーション | アルニコ系硬質磁性体粒子及びその製造方法 |
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