JPH10260416A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

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JPH10260416A
JPH10260416A JP6651397A JP6651397A JPH10260416A JP H10260416 A JPH10260416 A JP H10260416A JP 6651397 A JP6651397 A JP 6651397A JP 6651397 A JP6651397 A JP 6651397A JP H10260416 A JPH10260416 A JP H10260416A
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JP
Japan
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empty cell
liquid crystal
liquid
cell
vapor
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JP6651397A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Osada
洋之 長田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶の劣化を抑制し、表示画面の広視野角化
および高速応答性を実現した液晶表示素子の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 空セル内を大気より粘度の低い流体で満
たすとともに、該流体を空セルより排出し、流体を排出
した空セル内に液晶を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の製
造方法に係わり、特に、液晶の劣化を防止した液晶表示
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄型で低電圧の駆動が
可能であることから、腕時計や電卓等の表示装置として
広く使用されてきた。特に、TN型の表示方式を用いた
液晶表示装置は、TFT等の能動素子を組み込むことに
より、CRTと同等の表示特性が発揮されることから、
ワードプロセッサーやパーソナルコンピューターのディ
スプレイ等に多く用いられている。現在、フルカラーに
よる表示や動画を表示する要求がますます高まり、TN
型の液晶表示装置における「中間調表示における応答速
度および視野角」を改善するため、スメクチック系液晶
の適用が検討されている。スメクチック系液晶は、強誘
電性液晶を用いた表示モードでは、自発分極を利用する
ため高速応答が可能であり、液晶の(平均の)光学軸は
基板の電極面内で変化するように応答するため視野角も
広くなる。また、同様に、反強誘電性液晶を用いた表示
モードにおいても、高速応答および広視野角を達成す
る。
【0003】ところで、スメクチック液晶は、室温では
粘度が高いことから、空セルにスメクチック液晶をデイ
ップ式注入法(ネマチック液晶において一般的に用いら
れている液晶注入法である)で注入するためには、スメ
クチック液晶を加熱して液晶を等方相あるいはネマチッ
ク相にしなければならない。さらに、空セル内の大気を
十分に排出するためには高真空が必要である。
【0004】しかしながら、高温および高真空下におい
ては、液晶の成分が揮発することから、液晶が劣化する
という問題があった。また、高真空を達成するために、
高価な装置を使用し、長時間を要するという問題があっ
た。
【0005】従来、上記問題点を克服する技術として、
第1の基板の電極上に液晶材料を配置した後、第2の基
板を、電極が向かいあうよう第1の基板に対向配置し、
第1および第2の基板の間隔を一定に保持するスペーサ
ーで第1および第2の基板を貼り合わせる方法(挟み込
み式注入法)が提案されている。
【0006】しかしながら、挟み込み式注入方法では、
第1および第2の基板の正確な位置合わせが難しいとい
う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたもので、液晶の劣化を抑制し、表
示画面の広視野角化および高速応答性を実現した液晶表
示素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したデイップ式注入
法では、はじめに、空セルを真空槽に入れて真空ポンプ
で減圧する。空セル内は、当初、1気圧の空気で満たさ
れているが、真空槽が減圧されるにつれ空セルに設けら
れた液晶注入口(通常、シール剤の切り欠き部)から空
セル内の空気が排出され、空セル内の気圧が低下する。
しかし、セルギャップが1〜3μm程度と狭い場合に
は、空気の粘性の影響が大きく、空セル内の減圧に長時
間を要する。すなわち、長時間にわたり高真空を維持し
なければ、空セル内に空気が残ってしまうため、液晶を
空セル内に完全に充填することができない。また、液晶
表示素子に用いられる液晶は様々な物質からなる混合物
であるため、液晶の構成成分の一部が揮発すると、液晶
の特性が劣化する。したがって、極めて高度な真空度お
よび温度の管理が要求され、空セルへの液晶の充填にも
長時間を要していた。
【0009】本発明者らは、鋭意検討した結果、空セル
内に液晶を注入する際に、はじめに、空セル内を大気よ
り粘度の低い流体で満たし、該流体を空セルから排出し
た後、空セルに液晶を注入することで、上記問題を容易
に解決できることを見いだした。 本願第1の発明に係
る液晶表示素子の製造方法は、空セル内を大気より粘度
の低い流体で満たす工程と、前記流体を満たした空セル
内より前記流体を排出する工程と、前記流体を排出した
空セル内に液晶を充填する工程とを具備したことを特徴
としている。
【0010】本願第1の発明に係る液晶表示素子の製造
方法によれば、空セル内を大気より粘度の低い流体で満
たすことにより空セル内より大気、例えば、空気を排出
し、空セル内の雰囲気を大気より粘度の低い流体で置換
するので、空セル内より置換した流体を容易に排出する
ことができる。したがって、周囲の真空度が高い状態で
液晶を空セル内に確実に充填でき、液晶の特性の劣化を
抑制することができるので、表示画面の広視野角化およ
び高速応答性を実現した液晶表示素子、すなわち、空セ
ル内を大気より粘度の低い流体で満たす工程と、前記流
体を満たした空セル内より前記流体を排出する工程と、
前記流体を排出した空セル内に液晶を充填する工程とに
より製造された液晶表示素子を得ることができる。
【0011】また、本願第2の発明に係る液晶表示素子
の製造方法は、空セル内に、大気より蒸気圧が低く前記
大気より粘度の低い気体となる液体を導入する工程と、
前記空セル内に導入した液体を蒸発させて、前記空セル
内を前記液体の蒸気で満たす工程と、前記蒸気を満たし
た空セル内より前記蒸気を排出する工程と、前記蒸気を
排出した空セル内に液晶を充填する工程とを具備したこ
とを特徴としている。本願第2の発明に係る液晶表示素
子の製造方法によれば、空セル内に大気より蒸気圧が低
く大気より粘度の低い気体となる液体を導入して該液体
を蒸発させることにより、空セル内を大気より粘度の低
い流体で満たすので、空セル内より大気、例えば、空気
を排出し、空セル内の雰囲気を大気より粘度の低い流体
で置換することができ、空セル内より置換した流体を容
易に排出することが可能となる。したがって、したがっ
て、周囲の真空度が高い状態で、液晶を空セル内に確実
に充填でき、液晶の特性の劣化を抑制することができる
ので、表示画面の広視野角化および高速応答性を実現し
た液晶表示素子、すなわち、空セル内に、大気より蒸気
圧が低く前記大気より粘度の低い気体となる液体を導入
する工程と、前記空セル内に導入した液体を蒸発させ
て、前記空セル内を前記液体の蒸気で満たす工程と、前
記蒸気を満たした空セル内より前記蒸気を排出する工程
と、前記蒸気を排出した空セル内に液晶を充填する工程
とにより製造された液晶表示素子を得ることができる。
【0012】本願第1および第2の発明に係る液晶表示
素子の製造方法において、空セルとは、配向処理工程お
よび基板の貼合せ・分断工程が施されたセル内に、液晶
が充填される直前の構成を示すものである。空セル内を
大気より粘度の低い流体で満たし、あるいは、空セル内
に、大気より蒸気圧が低く大気より粘度の低い気体とな
る液体を導入するため、また、空セル内より大気より粘
度の低い流体あるいは蒸気を排出するために、空セルに
施されたシール剤のパターンは適宜設定することができ
る。また、液晶は、空セルに施されたシール剤のパター
ンにしたがって、空セル内に充填することができる。
【0013】本願第1の発明に係る液晶表示素子の製造
方法において、空セル内を大気より粘度の低い流体で満
たす方法としては、上記シール剤のパターンにより設け
られた開口部より空セル内に流体を導入する方法を挙げ
ることができる。空セル内に流体を導入する開口部は必
ずしも1つである必要はない。また、開口部は、空セル
内に満たした流体を排出する排出口として用いることも
できる。流体は、液体あるいは気体を用いることがで
き、液体としては、低沸点の有機溶剤で配向膜に影響を
与えない物質、例えば、ペンタンおよびヘキサン等の脂
肪族炭化水素、メタノ一ル、エタノ一ルおよびイソプロ
ピルアルコール等の炭素数が少ない脂肪族アルコールを
好適に用いることができる。また、気体としては、大気
より粘度が低く、配向膜に影響を与えない物質、例え
ば、水素からなる気体を好適に用いることができる。ま
た、先の液体を加熱し、気化して、気体として導入して
もよい。この場合、空セルを加熱して気体のままセル内
の大気と置換してもよいし、空セルを加熱せず、セル内
で元の液体に凝集させてセル内の大気と置換してもよ
い。また、空セル内より流体を排出するにあたっては、
専用の排出口を設けてもよいが、上記したように開口部
を再利用することができ、例えば、空セルの周囲を真空
ポンプ等により減圧することで容易に達成することがで
きる。さらに、流体を排出した空セル内に液晶を充填す
るには、上記開口部の1つのみを開口しておき、真空下
で該開口している開口部を容器内の液晶に侵漬した後、
不活性ガス等を導入して気圧を上昇させることにより、
毛細管現象で空セル内に液晶を充填する方法を好適に用
いることができる。
【0014】さらに、本願第2の発明に係る液晶表示素
子の製造方法において、空セル内に大気より蒸気圧が低
く大気より粘度の低い気体となる液体を導入する方法と
しては、上述したように、シール剤のパターンにより設
けられた開口部より空セル内に流体を導入する方法を挙
げることができ、空セル内に導入する液体の量は、該液
体が蒸発したときに空セル内より空気が排出され、該上
記と置換されるに十分な量が導入されれば空セル内を完
全に満たす必要はない。空セル内に導入した液体を蒸発
させて空セル内を液体の蒸気で満たすには、液体とし
て、例えば、ペンタンおよびヘキサン等の脂肪族炭化水
素、メタノ一ル、エタノ一ルおよびイソプロピルアルコ
ール等の炭素数が少ない脂肪族アルコール等の低沸点の
有機溶剤で配向膜に影響を与えない物質を用いれば、常
温および常圧下で蒸発するので、自然に空セル内は該液
体の蒸気で満たされることになる。また、蒸気圧と大気
圧との差が小さな液体であっても、例えば、空セルの周
囲を減圧することにより、容易に蒸発させることができ
る。さらに、空セル内より蒸気を排出して空セル内に液
晶を充填するには、上述した方法を同様に用いることが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明に係る一実施形態を詳細に説明する。
【0016】図1および図2は、シール剤1およびシー
ル剤2のパターンにより、開口部Aおよび開口部Bを備
えた空セル3および空セル4を示した図である。図1お
よび図2において、空セル3には、シール剤1およびシ
ール剤2より空セル3および空セル4の端面に向かって
延長された突出部5a〜5lがシール剤によって設けら
れている。また、図2に示す空セル4においては、開口
部Aを構成するシール剤1の端部6およびシール剤2の
端部7の幅L1、L2は、シール剤1およびシール剤2
の幅Lと比べて2倍以上となっており、空セル4の端面
に達するように延長されている。
【0017】はじめに、図3(a)に示すように、開口
部Aより、常温および常圧で、空セル3内に大気より蒸
気圧が低く大気より粘度の低い気体となる液体8を導入
する。該液体8は、粘度の低いものが好ましく、低沸点
の有機溶剤で配向膜に影響を与えない物質、例えば、ペ
ンタンおよびヘキサン等の脂肪族炭化水素、メタノ一
ル、エタノ一ルおよびイソプロピルアルコール等の炭素
数が少ない脂肪族アルコールである。なお、空セル3内
が完全に液体8で満たされれば理想的であるが、空セル
3内より空気が排出されるのであれば、必ずしも空セル
3内を液体8で満たす必要はない。なお、開口部Aから
空セル3内に液体8を導入する際、突出部5a〜5l
は、液体8がシール剤1およびシール剤2を介して開口
部Bに到達し、開口部Bを閉塞して空気の排出を妨げる
ことを防止する。
【0018】次に、図3(b)に示すように、液体8を
導入した開口部Aを紫外線硬化樹脂9a等により封止
し、空セル3の中央部や辺縁部が膨らまないよう、空セ
ル3を治具10a〜10jで押さえながら加熱する。こ
のとき、空セル3を急激に加熱すると液体8が沸騰する
可能性があり、この場合、液体8の蒸気により生じた圧
力で空セル3のシールが破壊される恐れがあることか
ら、空セル3の加熱は、液体8が沸騰しないよう緩やか
に行う。すると、図3(c)に示すように、空セル3内
の液体8は蒸発し、開口部Bから蒸気として排出される
とともに、同時に空セル3内から空気を排出する。な
お、空セル3内の液体8の蒸気は空気に比べ粘度が低い
ため、空セル3より容易に排出される。最終的に、空セ
ル3内の液体8はすべて揮発し、空セル3内は液体8の
蒸気で満たされる。次に、図3(d)に示すように、液
体8の蒸気で満たされた空セル3を、例えば、真空槽に
入れて減圧し、空セル3の開口部Bより液体8の蒸気を
排出する。最後に、図3(e)に示すように減圧を停止
して開口部Bから空セル3内に液晶11を注入し、開口
部Bを紫外線硬化樹脂9b等により封止する。なお、空
セル3内に、わずかに液体8の蒸気が残っている場合が
あるが、該蒸気は冷却すると凝縮して液体8に戻るた
め、体積は蒸気時の約1/1800になる。したがっ
て、空セル3の全体の大きさおよび充填する液晶の量か
らみると無視できる量である。
【0019】また、図4は、シール剤12のパターンに
より開口部Aを備えるとともに、開口部Aを開口部A−
1および開口部A−2に二分する内部に延長したシール
剤13を備えた空セル14を示した図である。空セル1
4を用いた場合には、流体、すなわち、上述した気体あ
るいは液体が開口部A−1より空セル14内に導入され
る。空セル14に導入された気体、液体あるいは液体よ
り揮発した蒸気により、空セル14内の空気は開口部A
−2より排出され、空セル14内は気体、液体あるいは
液体より揮発した蒸気により置換される。そして、上述
したように、開口部Aより空セル14内の気体、液体あ
るいは液体より揮発した蒸気を排出して、液晶を空セル
14内に充填し、開口部Aを紫外線硬化樹脂等により封
止する。
【0020】こうして、視野角が広く、また、応答速度
が速い液晶表示素子を容易に製造することができる。な
お、TFT等の能動素子を各画素ごとに設け、マトリク
ス駆動方式で液晶表示素子を駆動した場合には、特に良
好な表示が期待できる。ただし、能動素子を設ける場合
には、空セルを構成するアレイ基板やカラーフィルタ基
板に存在する段差が激しいため空セル内に空気が残る可
能性がある。この場合、空セルに超音波等による振動を
与えながら、空セル内に流体を導入することにより、空
セル内の空気の残留を防止することができる。
【0021】
【実施例】
(実施例1)2枚の基板(対角4インチ)に、透明電極
で形成した10mm幅のストライプ電極を設け、各基板
上にポリイミド(日産化学株式会社:AL−1051)
を塗布してラビング処理を行った。そして、一方の基板
にスペーサーを散布し、他の基板にはシール剤を塗布し
て2枚の基板を組み立て、図1に示す空セル3を作成し
た。なお、セルギャップは2.0μmとした。
【0022】次に、常温、常圧下で開口部Aをペンタン
だめに侵漬し、毛細管現象にてペンタンを空セル3内に
導入した。空セル3内に空気が僅かに残ったが、ペンタ
ンはほぼ空セル3の全体にゆきわった。この後、開口部
Aを紫外線硬化樹脂を用いて封止し、セルギャップが増
加しないように空セル3をヒーターを内臓した治具で押
さえつけて真空槽にセットした。次いで、治具に内蔵し
たヒーターを加熱し、空セル3内のペンタンを蒸発させ
た。ヒーターの昇温速度は0.1℃/分とし、50℃と
なるまで昇温した。なお、真空槽内には液晶(ロリック
株式会社:FLC−10150;Sc*→Sa転移点6
7℃、Sa→Iso転移点68℃)を備えた液晶だめも
セットした。
【0023】次に、空セル3内のペンタンがすべて蒸発
したのを確認し、1時間かけて真空槽内を0.5torrま
で減圧すると同時に治具を80℃まで加熱した。この
後、液晶だめを80℃まで加熱して液晶を等方相にし
た。次いで、真空槽内に窒素をリークさせるとともに、
開口部Bを液晶だめに侵漬して空セル3内に液晶を充填
した。最後に、セルを常温まで0.2℃/分程度の割合
で冷却し、開口部Bを接着剤で封止して透明電極に電線
をとりつけた。
【0024】以上の工程を経て製造した液晶表示素子を
観察したところ、セル内に残留する空気を確認すること
はできなかった。
【0025】また、該液晶表示素子に62℃で、±50
V、10Hzの正弦波電場を印加して配向処理を行った
後、ノーマリーブラックとなるよう偏光板を貼り、矩形
波によりVT特性を測定したところ、飽和電圧は3.5
V、コントラスト比は53であった。
【0026】さらに、書き込み時間63.5μsec 、保
持時間16.7μsec および書き込み電圧5Vとして、
疑似TFT駆動を行うことにより電圧保持率を測定した
ところ電圧保持率は55%であった。
【0027】(実施例2)基板に能動素子としてTFT
を設け、透明電極で形成した画素電極を信号配線および
ゲート配線に対しマトリックス状に設けた。一方、他の
基板上には、透明電極および配線に対応したブラックマ
トリクスおよびカラーフイルタを設けた。そして、2つ
の基板上にポリイミドを塗布してラビング処理を行った
後、TFTを設けた基板にはスペーサーを散布し、他方
の基板にはシール剤を塗布して2枚の基板を組み立てて
空セルを作成した。なお、空セルのセルギャップは2.
0μmとした。空セルに設けられたシール剤のパターン
は図2に示す通りであり、空セル4には、シール剤1お
よびシール剤2のパターンにより、開口部Aおよび開口
部Bを設けている。
【0028】次に、空セル4に弱い振動を与えながら、
常温、常圧下で開口部Aをペンタンだめに侵漬し、毛細
管現象にてペンタンを空セル4内に導入した。空セル4
内に空気が僅かに残ったが、ペンタンはほぼ空セル4の
全体にゆきわった。この後、開口部Bを紫外線硬化樹脂
を用いて封止し、セルギャップが増加しないように空セ
ル3をヒーターを内蔵した治具で押さえつけて真空槽に
セットした。次いで、治具に内蔵したヒーターを加熱
し、空セル4内のペンタンを蒸発させた。ヒーターの昇
温速度は0.1℃/分とし、50℃となるまで昇温し
た。なお、真空槽内には液晶(ロリック株式会社:FL
C−10150;Sc*→Sa転移点67℃、Sa→I
so転移点68℃)を備えた液晶だめもセットした。
【0029】次に、空セル4内のペンタンがすべて蒸発
したのを確認し、1時間かけて真空槽内を0.5torrま
で減圧すると同時に治具を80℃まで加熱した。この
後、液晶だめを80℃まで加熱して液晶を等方相にし
た。次いで、真空槽内に窒素をリークさせるとともに、
開口部Bを液晶だめに侵漬して空セル4内に液晶を充填
した。最後に、空セル4を常温まで0.2℃/分程度の
割合で冷却し、開口部Aを接着剤で封止して透明電極に
電線をとりつけた。
【0030】以上の工程を経て製造した液晶表示素子を
観察したところ、セル内に残留する空気を確認すること
はできなかった。
【0031】また、液晶表示素子を62℃に保ち、全て
のゲート線に+30Vの直流を、信号線に±10V、1
0Hzの矩形波を、コモン電極には信号線と反対の位相
の±10V、10Hzの矩形波を印加して配向処理を行
った。
【0032】そして、配向処理の施された液晶表示素子
の両面にノーマリーブラックとなるよう偏光板を貼り、
ドライバICをとりつけてテレビ画面を表示させたとこ
ろ、駆動電圧±6Vで良好な動画像を表示することがで
きた。
【0033】(実施例3)2枚の基板(対角4インチ)
に、透明電極で形成した10mm幅のストライプ電極を
設け、各基板上にポリイミド(日産化学株式会社:AL
−1051)を塗布してラビング処理を行った。そし
て、一方の基板にスペーサーを散布し、他の基板にはシ
ール剤を塗布して2枚の基板を組み立て、図4に示す空
セル14を作成した。なお、セルギャップは2.0μm
とした。
【0034】次に、常温、常圧下で、開口部A−1よ
り、加熱気化したメタノールを、該メタノールが開口部
A−2より流出するまで空セル14内に導入して、空セ
ル14内をメタノールで満たした。したがって、空セル
14内には空気が殆ど残らず、メタノールは空セル14
の全体にゆきわった。この後、セルギャップが増加しな
いように、空セル14をヒーターを内蔵した治具で押さ
えつけて真空槽にセットした。次いで、治具に内蔵した
ヒーターを加熱し、空セル14内のメタノールを蒸発さ
せた。ヒーターの昇温速度は0.1℃/分とし、65℃
となるまで昇温した。なお、真空槽内には液晶(ロリッ
ク株式会社:FLC−10150;Sc*→Sa転移点
67℃、Sa→Iso転移点68℃)を備えた液晶だめ
もセットした。
【0035】次に、空セル15内のメタノールがすべて
蒸発したのを確認し、1時間かけて真空槽内を0.5to
rrまで減圧すると同時に治具を80℃まで加熱した。こ
の後、液晶だめを80℃まで加熱して液晶を等方相にし
た。次いで、真空槽内に窒素をリークさせるとともに、
開口部A(A−1およびA−2)を液晶だめに侵漬して
空セル13内に液晶を充填した。最後に、空セル13を
常温まで1℃/分程度の割合で冷却し、開口部A(A−
1およびA−2)を接着剤で封止して透明電極に電線を
とりつけた。
【0036】以上の工程を経て製造した液晶表示素子を
観察したところ、セル内に残留する空気を確認すること
はできなかった。
【0037】また、該液晶表示素子に62℃、±50
V、10Hzの正弦波電場を印加して配向処理を行った
後、矩形波によりVT特性を測定したところ、飽和電圧
は3.5V、コントラスト比は53であった。
【0038】さらに、書き込み時間63.5μsec 、保
持時間16.7μsec および書き込み電圧5Vとして、
疑似TFT駆動を行うことにより電圧保持率を測定した
ところ電圧保持率は55%であった。
【0039】本実施例では、溶剤を空セルに導入した
際、空セル内への空気の残留を防ぐことができ、また、
シール剤で形成された開口部が1つであるため開口部の
封止工程が1回で実行できたので、工程数の削減をも達
成した。
【0040】(実施例4)実施例3と同様にして、図4
に示す空セル14を作成した。
【0041】次に、常温、常圧下で、開口部A−1よ
り、水素を、該水素が開口部A−2より流出するまで空
セル14内に導入して、空セル14内を水素で満たし
た。したがって、空セル14内には空気が殆ど残らず、
水素は空セル14の全体にゆきわった。この後、セルギ
ャップが増加しないように、空セル14をヒーターを治
具で押さえつけて真空槽にセットした。なお、真空槽内
には液晶(ロリック株式会社:FLC−10150;S
c*→Sa転移点67℃、Sa→Iso転移点68℃)
を備えた液晶だめもセットした。
【0042】次に、1時間かけて真空槽内を0.5torr
まで減圧した。この後、液晶だめを80℃まで加熱して
液晶を等方相にした。次いで、真空槽内に窒素をリーク
させるとともに、開口部A(A−1およびA−2)を液
晶だめに侵漬して空セル14内に液晶を充填した。最後
に、空セル14を常温まで1℃/分程度の割合で冷却
し、開口部A(A−1およびA−2)を接着剤で封止し
て透明電極に電線をとりつけた。
【0043】以上の工程を経て製造した液晶表示素子を
観察したところ、セル内に残留する空気を確認すること
はできなかった。
【0044】また、該液晶表示素子に62℃、±50
V、10Hzの正弦波電場を印加して配向処理を行った
後、ノーマリーブラックとなるよう偏光板を貼り、矩形
波によりVT特性を測定したところ、飽和電圧は3.5
V、コントラスト比は53であった。
【0045】さらに、書き込み時間63.5μsec 、保
持時間16.7μsec および書き込み電圧5Vとして、
疑似TFT駆動を行うことにより電圧保持率を測定した
ところ電圧保持率は55%であった。
【0046】本実施例では、気体を空セルに導入した
際、空セル内への空気の残留を防ぐことができ、また、
シール剤で形成された開口部が1つであるため開口部の
封止工程が1回で実行できたので、工程数の削減をも達
成した。
【0047】(比較例1)基板に能動素子としてTFT
を設け、透明電極で形成した画素電極を信号配線および
ゲート配線に対してマトリクス状に設けた。一方、他の
基板上には、透明電極および配線に対応したブラックマ
トリクスおよびカラーフィルタを設けた。各基板上にポ
リイミド(日産化学株式会社:AL−1051)を塗布
してラビング処理を行った。そして、一方の基板にスペ
ーサーを散布し、他の基板にはシール剤を塗布して2枚
の基板を組み立て、図2に示す空セル4を作成した。な
お、セルギャップは2.0μmとした。
【0048】次に、室温、常圧下で空セル4をホットプ
レート上で80℃に加熱して、開口部Aに液晶(ロリッ
ク株式会社:FLC−10150;Sc*→Sa転移点
67℃、Sa→Iso転移点68℃)を接触させた。こ
のとき、液晶は等方相に相転移しするとともに、毛細管
現象によって空セル4内に導入された。4時間経過した
後、空セル4の表示面に対する面積比で約5%の領域で
空気の残留が認められたが、空セル4への液晶の注入を
完了し、セルを常温まで0.2℃/分程度の割合で冷却
した。冷却の結果、セルにおける空気の残留した領域の
面積は減少したが、室温に到達してもセル内に空気は残
留していた。最後に、開口部Aおよび開口部Bを紫外線
硬化樹脂を用いて封止し、透明電極に電線をとりつけ
た。以上の操作で液晶表示素子が製造された。
【0049】該液晶表示素子を62℃に保ち、全てのゲ
ート線に+30Vの直流を、信号線に±10V、10H
zの矩形波を、コモン電極に信号線と反対の位相の±1
0V、10Hzの矩形波を印加して配向処理を行った。
この液晶表示素子の両面に偏光板を貼り、ドライバIC
をとりつけてテレビ画面を表示させたところ、空気残り
がある部分が欠陥となり良好な動画像を表示することが
できなかった。
【0050】(比較例2)2枚の基板(対角4インチ)
に、透明電極で形成した10mm幅のストライプ電極を
設け、各基板上にポリイミド(日産化学株式会社:AL
−1051)を塗布してラビング処理を行った。そし
て、一方の基板にスペーサーを散布し、他の基板にはシ
ール剤を塗布して2枚の基板を組み立て、図5に示す空
セル15を作成した。空セル15においては、シール剤
16のパターンにより、開口部Aのみが設けられてい
る。また、空セル15のセルギャップは2.0μmとし
た。
【0051】次に、空セル15を真空槽にセットした。
なお、真空槽内には液晶(ロリック株式会社:FLC−
10150;Sc*→Sa転移点67℃、Sa→Iso
転移点68℃)を備えた液晶だめもセットした。次い
で、真空槽内を80℃まで加熱し、5時間かけて真空槽
内を0.05torrにまで減圧した。その後、真空槽内に
窒素をリークさせるとともに、開口部Aを液晶だめに侵
漬して空セル16内に液晶を充填した。最後に、セルを
常温まで1℃/分程度の割合で冷却し、開口部Aを接着
剤で封止して透明電極に電線をとりつけた。
【0052】以上の工程を経て製造した液晶表示素子を
観察したところ、セル内に残留する空気を確認すること
はできなかった。
【0053】次に、該液晶表示素子に62℃で、±50
V、10Hzの正弦波電場を印加することにより配向処
理を行おうとしたが、アニール後に見られるストライプ
状のドメインが消去できず消光位がそろわなかった。そ
の後、偏光板を貼り、矩形波により、VT特性を測定し
たが、飽和電圧は4V、コントラスト比は20と実施例
1と比較して大きく劣るものとなった。
【0054】さらに、書き込み時間63.5μsec 、保
持時間16.7μsec および書き込み電圧5Vとして疑
似TFT駆動を行うことにより電圧保持率を測定したと
ころ、電圧保持率は45%であり、実施例1と比べて低
下する結果となった。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したように、本願第1の発明
に係る液晶表示素子の製造方法によれば、空セル内の雰
囲気を大気より粘度の低い流体で置換することにより、
空セル内より置換した流体を容易に排出でき、空セル内
における大気の残留を防止することが可能となるので、
空セルに液晶を充填する際に、空セルおよび周囲の真空
度を高く設定でき、構成成分の蒸発等に起因する液晶の
劣化を起こすことなく、液晶、特に、スメクチック液晶
を空セルに充填することができる。したがって、表示画
面の広視野角化および高速応答性を実現した液晶表示素
子の製造方法を提供することができる。
【0056】また、本願第2の発明に係る液晶表示素子
の製造方法によれば、空セル内に大気より蒸気圧が低く
大気より粘度の低い気体となる液体を導入して該液体を
蒸発させ、空セル内を大気より粘度の低い流体で満たす
とともに空セル内より大気、例えば、空気を排出して空
セル内の雰囲気を大気より粘度の低い流体で置換するこ
とにより、空セル内より置換した流体を容易に排出する
ことができ、空セル内における大気の残留を防止するこ
とが可能となるので、空セルに液晶を充填する際に、空
セルおよび周囲の真空度を高く設定でき、構成成分の蒸
発等に起因する液晶の劣化を起こすことなく、液晶、特
に、スメクチック液晶を空セルに充填することができ
る。したがって、表示画面の広視野角化および高速応答
性を実現した液晶表示素子の製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シール剤1およびシール剤2のパターンによ
り、開口部Aおよび開口部Bを備えた空セル3を表示画
面側から概観した図である。
【図2】シール剤1およびシール剤2のパターンによ
り、開口部Aおよび開口部Bを備えた空セル4を表示画
面側から概観した図である。
【図3】液晶表示素子の製造工程の一例を示した図であ
る。
【図4】シール剤12のパターンにより開口部Aを備え
るとともに、開口部Aを開口部A−1および開口部A−
2に二分する内部に延長したシール剤13を備えた空セ
ル14を表示画面側から概観した図である。
【図5】開口部Aを備えた空セル15を表示画面側から
概観した図である。
【符号の説明】
1、2……シール剤 3、4……空セル 5a〜5
l……突出部 6、7……端部 8……液体 9a、9b……紫外
線硬化樹脂 10a〜10j……治具 11……液晶 12、1
3、14……シール剤 15、16……空セル 17……シール剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空セル内を大気より粘度の低い流体で満
    たす工程と、 前記流体を満たした空セル内より前記流体を排出する工
    程と、 前記流体を排出した空セル内に液晶を充填する工程と、
    を具備したことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 空セル内に、大気より蒸気圧が低く前記
    大気より粘度の低い気体となる液体を導入する工程と、 前記空セル内に導入した液体を蒸発させて、前記空セル
    内を前記液体の蒸気で満たす工程と、 前記蒸気を満たした空セル内より前記蒸気を排出する工
    程と、 前記蒸気を排出した空セル内に液晶を充填する工程と、
    を具備したことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
JP6651397A 1997-03-19 1997-03-19 液晶表示素子の製造方法 Withdrawn JPH10260416A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050073659A (ko) * 2004-01-09 2005-07-18 비오이 하이디스 테크놀로지 주식회사 액정표시장치 및 그의 제조방법
JP2008009127A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Optrex Corp 表示装置

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