JPH10259596A - 全熱交換素子用原紙 - Google Patents

全熱交換素子用原紙

Info

Publication number
JPH10259596A
JPH10259596A JP6076597A JP6076597A JPH10259596A JP H10259596 A JPH10259596 A JP H10259596A JP 6076597 A JP6076597 A JP 6076597A JP 6076597 A JP6076597 A JP 6076597A JP H10259596 A JPH10259596 A JP H10259596A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base paper
heat exchange
exchange element
total heat
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6076597A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Ando
正孝 安藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP6076597A priority Critical patent/JPH10259596A/ja
Publication of JPH10259596A publication Critical patent/JPH10259596A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防炎性及び吸湿性の優れた全熱交換素子用原
紙の提供。 【解決手段】 ポリエステル系繊維を10〜30重量%
配合した基紙が、防炎剤を有することにより、優れた防
炎性及び吸湿性を有する全熱交換素子用原紙が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防炎性・吸湿性を
有する全熱交換素子用原紙に係わる。
【0002】
【従来の技術】全熱交換素子用素材として使用される原
紙には全熱交換性能を得るために吸湿性が求められるこ
とから、基紙に吸湿剤として無機酸塩や有機酸塩を含浸
させ、吸湿性を持たせている。また、該原紙を原因とす
る火災の恐れをなくすために、さらに防炎剤を含浸させ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基紙の
防炎性を向上させるために多量の防炎剤を有するように
すると、得られた原紙は高温・高湿度雰囲気下では吸湿
しすぎ、水滴が生じるという欠点があった。そこで、本
発明の目的は、優れた防炎性を有すると共にバランスの
良い吸湿性を有する全熱交換素子用原紙を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の全熱交換素子用原紙は、燃焼発熱量が80
00kcal/kg以下の合成繊維の配合された基紙
が、防炎剤を有するものである。前記基紙中の該合成繊
維の配合量は10〜30重量%であることが望ましい。
該合成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維が使
用される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の全熱交換素子用原紙は、
特定の基紙が防炎剤を有するものである。この基紙は、
木材パルプ、靭皮繊維等のようなセルロース繊維からな
るものであって、熱成形する際の成形性をよくするため
に、合成繊維が配合されている。
【0006】合成繊維としては、8000kcal/k
g以下の燃焼発熱量を有する合成繊維、例えば、ポリ塩
化ビニリデン系繊維(約2600kcal/kg)、ポ
リウレタン系繊維(約4440kcal/kg)、ポリ
塩化ビニル系繊維(約4315kcal/kg)、ポリ
エステル系繊維(約5500kcal/kg)、ナイロ
ン系繊維(約7371kcal/kg)やポリメタクリ
ル系繊維(約6265kcal/kg)等が使用でき、
さらに共重合体からなる合成繊維又はこれらの混合品に
ついても、合成繊維総和の燃焼発熱量が8000kca
l/kg以下であれば使用できる。各繊維の燃焼発熱量
については、コンバーテック、1992年1月号71頁
表12に示されたプラスチックの発熱量に基づいてい
る。これら合成繊維のうちポリエステル系繊維として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維(クラレ
エステルEP、クラレ(株)製)やポリエステルの芯と
芯より軟化点の低いポリエステル共重合体の鞘とからな
るポリエステル複合繊維(メルティタイプ3380、ユ
ニチカ(株)製)が、約5500kcal/kgと低い
燃焼発熱量を有しているので、適している。また、該複
合繊維の鞘部の軟化点は130℃と低いので、熱成形に
も適している。
【0007】8000kcal/kg以上の燃焼発熱量
の高い合成繊維を用いた場合、防炎効果を得るためには
多量の防炎剤を使用しなければならない。多量の防炎剤
を使用すると、この防炎剤が高温・高湿度下で吸湿しす
ぎ、その結果原紙に水滴が付着するという問題がある。
しかしながら、8000kcal/kg以下の低い燃焼
発熱量を有する合成繊維を用いれば、多量の防炎剤を用
いる必要がないので、防炎剤による高温・高湿度雰囲気
下での吸湿量は所望の範囲内におさまり、原紙に水滴が
付着するという問題はない。合成繊維は、熱成形の際の
温度条件に応じて、種々の軟化点を有するものを選ぶこ
とができるが、通常の熱成形では150℃以下の軟化点
を有するものが好ましい。
【0008】基紙中の合成繊維の配合量は、10〜30
重量%である。配合量が10重量%未満であると熱成形
性が悪くなり、また30重量%を超えると抄紙性が悪
く、得られた原紙の透気度が低く、難燃化し難く、また
コスト高になる。前記防炎剤としては、グアニジン系防
炎剤、アンモニウム系防炎剤等、例えば、スルファミン
酸グアニジン、リン酸グアニジン、スルファミン酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、リン・窒素化合物等を
使用することができる。これらの防炎剤は、単独で使用
しても、混合して使用してもよいし、必要ならば防炎剤
と吸湿剤とを混合して使用してもよい。
【0009】原紙中の防炎剤量は、基紙の構成(例え
ば、合成繊維の配合量)や防炎剤の吸湿性能や防炎性能
により、高温・高湿度雰囲気下で水滴が発生しないよう
また防炎試験で炭化長が10cm以下となるように設定
される。本発明において基紙の多孔内又は表面に防炎剤
を有するようにするには、例えば、防炎剤水溶液中への
基紙の浸漬又は該水溶液の基紙への塗布若しくは噴霧等
により行われる。上記基紙や防炎剤水溶液中には、製紙
の際に通常使用される各種配合材料が含まれていてもよ
い。
【0010】本発明の全熱交換素子用原紙は、透気度
(JIS P 8117)が50〜500秒である。透気
度が50秒未満だと、全熱交換器で換気を行う際、吸排
気の空気が混ざり合い換気の効率が悪くなる。また、5
00秒を超えると換気の効率は良いが、湿度の交換効率
が低下してしまう。また、本発明の全熱交換素子用原紙
では、40℃×95%RHの雰囲気下での飽和吸湿量が
同条件での基紙の飽和吸湿量(g/m2 )より高くかつ
原紙のコッブ吸水度(g/m2 )より低い範囲になるよ
うに、また、防炎性試験で炭化長が10cm以下になる
ように防炎剤を有することによって、所望の防炎性能と
吸湿性能とを得ることができる。
【0011】本発明の全熱交換素子用原紙は、例えば、
図1に示すような全熱交換素子に使用される。全熱交換
素子1の流路2a及び2bに本発明の全熱交換素子用原
紙3が設けられ、室内外空気の換気時に、該原紙3を通
して、室内外空気の全熱交換が行われ、24時間換気冷
暖房が効率的に行われる。この全熱交換素子によれば、
室内の汚れた空気Aは流路2aを通って熱交換された汚
れた空気Bとして室外へ排出され、一方室外の新鮮な空
気Cは流路2bを通って熱交換された新鮮な空気Dとし
て室内へ流入される。図1において、4はスペーサ、5
は枠である。本発明の原紙を用いる全熱交換素子の構成
は、特に制限されるものではなく、図1のような構成は
説明のための単なる例示である。また、全熱交換素子用
原紙として使用する際の原紙の形状は、特に制限はされ
ないが、例えば、平板状であり、その表面に凹凸があっ
てもよい。
【0012】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
これらは、単なる例示のためにあげるものであり、本発
明を限定するものではない。
【0013】(実施例1)針葉樹漂白クラフトパルプ
(N−BKP)と広葉樹漂白クラフトパルプ(L−BK
P)とを8:2の重量比で混合したパルプ混合物(叩解
度60゜SR)85重量%と、ポリエステル系繊維(メル
ティタイプ3380、ユニチカ(株)製)15重量%と
からなる原料に湿潤強度増強剤および填料歩留まり向上
剤としてカチオン性ポリアミド樹脂(WS−570、日
本PMC(株)製)を対原料0.3重量%(固形分)配
合してスラリーを得、このスラリーを通常の抄紙機にて
抄紙した(基紙米坪量、120g/m2 )。かくして得
られた基紙を、防炎剤として、リン酸アンモニウム及び
スルファミン酸アンモニウムの混合品(ニッカファイノ
ン900、日華化学(株)製)と、リン・窒素化合物及
びリン酸グアニジンの混合品(ノンネン600、丸菱油
化(株)製)とを4:6の固形分重量比で混合した水溶
液中に浸漬処理し、その後乾燥せしめ、含浸量(固形
分)15g/m2 の全熱交換素子用原紙を得た。
【0014】(実施例2)原料として、パルプ混合物8
0重量%に対してポリエステル系繊維(上記メルティタ
イプ3380)を20重量%配合したこと以外は、実施
例1と同じ処理をして全熱交換素子用原紙を得た。
【0015】
【比較例】
(比較例1)実施例1と同様にして基紙を得、これを防
炎処理せず、そのまま対照試料とする。
【0016】(比較例2)実施例1と同じ処理をして全
熱交換素子用原紙を得た。但し、防炎性を上げるために
防炎剤含浸量を実施例1の場合よりも多くした(含浸量
(固形分):30g/m2)。
【0017】(比較例3)原料として、ポリエステル系
繊維の代わりにポリエチレンパルプを用いたこと以外
は、実施例1と同じ処理をして全熱交換素子用原紙を得
た。
【0018】(比較例4)比較例3と同じ処理をして全
熱交換素子用原紙を得た。但し、防炎性を上げるために
防炎剤含浸量を比較例3の場合よりも多くした(含浸量
(固形分):45g/m2)。
【0019】上記実施例1及び2並びに比較例1、2、
3及び4で得た各全熱交換素子用原紙について、透気
度、コッブ吸水度、40℃×95%RH雰囲気下での飽
和吸湿量及び防炎性について、以下記載するような試験
を行った。その結果を表1に示す。透気度はJIS P
8117記載の方法に基づいて測定し、コッブ吸水度は
JIS P 8140記載の方法に基づいて測定した。飽
和吸湿量は、各試料を40℃×95%RHの雰囲気中に
放置し、恒量となったところを飽和吸湿量としてJIS
P 8127記載の方法に準じて吸湿水分量(g/m
2 )を測定した。また、炭化長はJIS Z 2150記
載の方法に基づいて測定した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、実施例1及び2
の全熱交換素子用原紙は良好な防炎性を有しており、ま
た40℃×95%RH雰囲気下の飽和吸湿量が、同条件
の基紙(比較例1)の飽和吸着量より高く、吸湿性を有
しており、また原紙のコッブ吸水度より低く、水滴の発
生がない。実施例1の場合よりも防炎剤の含浸量を高く
した比較例2の全熱交換素子用原紙は、防炎性は良好で
あるが、高温・高湿下での飽和吸湿量がコッブ吸水度よ
り多くなり、原紙より水滴が発生して測定が不能となっ
た。また、ポリエステル系繊維の代わりに燃焼発熱量の
高いポリエチレンパルプを使用した比較例3の場合の全
熱交換素子用原紙は吸湿性はあったが、防炎性は悪かっ
た。この場合に、防炎剤の含浸量を高くすると(比較例
4)、防炎性は良好になるが、高温・高湿度雰囲気下で
の飽和吸湿量がコッブ吸水度より多くなり、水滴が発生
した。高燃焼発熱量の合成繊維では防炎性と高温・高湿
雰囲気でのコッブ吸水度より低い吸湿性とを合わせて有
することは困難である。上記実施例1及び2の全熱交換
素子用原紙は、全熱交換素子に有効に使用される。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼発熱量の低い合成
繊維が配合された基紙に防炎剤を有することにより、良
好な熱成形性、防炎性及び吸湿性を有する全熱交換性能
の優れた全熱交換素子用原紙が得られる。かくして、か
かる原紙を取り付けた機器及びこの機器を含んだシステ
ムにおいて、該原紙を原因とする火災の恐れもなく、高
温・高湿時に水滴の発生する恐れもない良好な全熱交換
性能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全熱交換素子用原紙の使用例を示す全
熱交換素子の斜視図。
【符号の説明】
1 全熱交換素子 2a、2b 流路 3 全熱交換素子用原紙 4 スペーサ 5 枠

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼発熱量が8000kcal/kg以
    下の合成繊維の配合された基紙が、防炎剤を有すること
    を特徴とする全熱交換素子用原紙。
  2. 【請求項2】 前記基紙中の前記合成繊維の配合量が、
    10〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載
    の全熱交換素子用原紙。
  3. 【請求項3】 前記合成繊維が、ポリエステル系繊維で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の全熱交換
    素子用原紙。
JP6076597A 1997-03-14 1997-03-14 全熱交換素子用原紙 Pending JPH10259596A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6076597A JPH10259596A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 全熱交換素子用原紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6076597A JPH10259596A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 全熱交換素子用原紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10259596A true JPH10259596A (ja) 1998-09-29

Family

ID=13151709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6076597A Pending JPH10259596A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 全熱交換素子用原紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10259596A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101127270B1 (ko) * 2004-05-14 2012-03-30 린텍 가부시키가이샤 전열교환소자 용지
KR101322049B1 (ko) * 2009-08-24 2013-10-25 (주)엘지하우시스 전열교환소자용 용지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전열교환소자

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101127270B1 (ko) * 2004-05-14 2012-03-30 린텍 가부시키가이샤 전열교환소자 용지
KR101322049B1 (ko) * 2009-08-24 2013-10-25 (주)엘지하우시스 전열교환소자용 용지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전열교환소자

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4980789B2 (ja) 全熱交換器用シート
JP3791726B2 (ja) 全熱交換器用紙及びそれを使用した全熱交換器用エレメント
JP4736718B2 (ja) 全熱交換器エレメント用原紙
KR101127270B1 (ko) 전열교환소자 용지
JP2017150802A (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子
JP6571894B1 (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子
JPH10259596A (ja) 全熱交換素子用原紙
JPH10212691A (ja) 全熱交換器用紙
JPH10183492A (ja) 全熱交換素子用原紙
WO2019151211A1 (ja) 全熱交換器エレメント用原紙
CN111778759B (zh) 一种全热交换石墨烯纸膜
KR101322049B1 (ko) 전열교환소자용 용지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 전열교환소자
JP3223172U (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子
KR101441192B1 (ko) 난연종이의 제조방법 및 이에 의한 난연종이
JP2020133047A (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子
JP2020134009A (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子
JPH1060796A (ja) 全熱交換素子用素材
JPS6130609B2 (ja)
JPH0515959B2 (ja)
JP2022050053A (ja) 間隔部材用シート及び全熱交換素子
JPS6213048B2 (ja)
JP2007064508A (ja) 全熱交換器用シート
JP2021055873A (ja) 熱交換器、間隔部材用原紙、及び間隔部材用原紙の製造方法
ES1179758U (es) Papel de elemento de intercambio térmico total y elemento de intercambio térmico total.
JP2021152230A (ja) 全熱交換素子用紙及び全熱交換素子