JPH10259576A - 布帛製看板、看板用布帛及び布帛の処理方法 - Google Patents

布帛製看板、看板用布帛及び布帛の処理方法

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JPH10259576A
JPH10259576A JP6805097A JP6805097A JPH10259576A JP H10259576 A JPH10259576 A JP H10259576A JP 6805097 A JP6805097 A JP 6805097A JP 6805097 A JP6805097 A JP 6805097A JP H10259576 A JPH10259576 A JP H10259576A
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JP
Japan
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signboard
cloth
fabric
weight
cationic copolymer
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Withdrawn
Application number
JP6805097A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Ochiai
哲也 落合
Hidemasa Mori
英正 毛利
Susumu Tanabe
進 田辺
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Taiho Kogyo Co Ltd
Nard Institute Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
Nard Institute Ltd
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Publication date
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 耐久性があり、印字性、発色性、耐水
性、耐熱水性、耐摩擦性、及び耐候性に優れた布帛製看
板と、その看板に使用する看板用布帛、及び、その布帛
の処理方法を提供すること。 【解決手段】 編織基材と、アクリルアミドとジメチル
ジアリルアンモニウムクロライドとのカチオン性共重合
体と、前記カチオン性共重合体に対して親和性を有する
官能基を備える看板用表示材料とを有してなることを特
徴とする布帛製看板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布帛製看板、看板
用布帛及び布帛の処理方法に関し、更に詳しくは、耐久
性があり、印字性、発色性、耐水性、耐熱水性、耐摩擦
性、及び耐候性に優れた布帛製看板と、その看板に使用
する看板用布帛、及び、その布帛の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えば商店の屋号、職業、売品、値段等を人目につくよ
うにすることを目的に、前記屋号、職業、売品、値段等
を記した看板が用いられている。
【0003】前記看板は人目につくように種々の形態に
形成され、その形態としては例えば、旗、のれん、のぼ
り、つき出し看板、店頭サイン、シーリングディスプレ
イ、ハンガーディスプレイ、ウォールディスプレイ、商
品まわりディスプレイ、ウインドウディスプレイ、カッ
トアウトディスプレイ、等身大人形等のPOP広告(Po
int of Purchase Advertising )物等を挙げることがで
きる。
【0004】前記看板は人目につくような場所、例えば
商店の店頭、軒先及び店内、商品まわり、天井、壁面、
ショーウインドウ、フロア、歩道、街路樹、アーケード
等に設置されるので、前記看板における基材及び前記基
材の表面に形成された画像には、種々の耐久性が要求さ
れる。
【0005】前記看板における基材として紙を採用した
場合、例えば、商店のキャンペーン期間前に店内に設置
した前記看板が、所定のキャンペーン期間中に破れてし
まい、看板としての機能を発揮できないという問題があ
った。
【0006】また、前記看板における基材として紙を採
用した場合、例えば、商店のキャンペーン期間前に店頭
に設置した前記看板が、所定のキャンペーン期間中にお
ける日光の照射による熱、紫外線等の影響、並びに、風
雨、降雪、酸性雨、煤煙、及び粉塵による擦傷等の影響
によって、変色、変形、若しくは破損してしまい、看板
としての機能を発揮できないという問題があった。
【0007】前記看板における基材として布帛を採用し
た場合、例えば、顔料を分散した水性インクで前記布帛
に画像を形成すると、十分満足のいく鮮明な画像が得ら
れないという印字性、発色性に劣る問題、耐水性、耐熱
水性、及び耐候性に劣る問題、及び、粉塵による擦傷等
の影響によって前記画像が損傷等を起こすという耐摩擦
性に劣る問題等があった。
【0008】本発明の目的は、変色、変形、若しくは破
損することなく耐久性に優れた布帛製看板と、その看板
に使用する看板用布帛及び、その布帛の処理方法を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、鮮明な画像が得られ
印字性、発色性に優れた布帛製看板と、その看板に使用
する看板用布帛及び、その布帛の処理方法を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の他の目的は、耐水性、耐熱水性、
耐摩擦性、及び耐候性に優れた布帛製看板と、その看板
に使用する看板用布帛及び、その布帛の処理方法を提供
することにある。
【0011】本発明の他の目的は、風雨、降雪、雹、酸
性雨、NOX 、SOX 及び煤煙等の影響を受ける場所に
設置しても鮮明な画像を保持することができる布帛製看
板と、その看板に使用する看板用布帛及び、その布帛の
処理方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、粉塵による擦傷等の
影響を受ける場所に設置しても鮮明な画像を保持するこ
とができる布帛製看板と、その看板に使用する看板用布
帛及び、その布帛の処理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、編織基材と、前記編織基材に含浸され
たアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロ
ライドとのカチオン性共重合体と、前記カチオン性共重
合体を含浸する編織基材の表面に画像を形成するところ
の、前記カチオン性共重合体に対して親和性を有する官
能基を備える看板用表示材料とを有してなることを特徴
とする布帛製看板であり、前記課題を解決するための第
2の手段は、前記第1の手段におけるカチオン性共重合
体が、モノマ−単位としてのアクリルアミドを5〜70
重量%の割合で含有してなる前記第1の手段の布帛製看
板であり、前記課題を解決するための第3の手段は、前
記第1の手段におけるカチオン性共重合体の前記編織基
材に対する含有量が、乾燥重量で0.01〜10重量%
である前記第1の手段の布帛製看板であり、前記課題を
解決するための第4の手段は、前記第1の手段における
編織基材が織物である前記第1の手段の布帛製看板であ
り、前記課題を解決するための第5の手段は、編織基材
と、前記編織基材に含浸されたアクリルアミドとジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライドとのカチオン性共重
合体とを有することを特徴とする看板用布帛であり、前
記課題を解決するための第6の手段は、前記第5の手段
におけるカチオン性共重合体が、モノマ−単位としての
アクリルアミドを5〜70重量%の割合で含有してなる
前記第5の手段の看板用布帛であり、前記課題を解決す
るための第7の手段は、前記第5の手段におけるカチオ
ン性共重合体の前記編織基材に対する含有量が、乾燥重
量で0.01〜10重量%である前記第5の手段の看板
用布帛であり、前記課題を解決するための第8の手段
は、前記第5の手段における編織基材が織物である前記
第5の手段の看板用布帛であり、前記課題を解決するた
めの第9の手段は、編織基材を、前記編織基材に含浸さ
れたアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムク
ロライドとのカチオン性共重合体を含有する組成物で処
理することを特徴とする布帛の処理方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
(一般的説明)本発明の布帛製看板は、編織基材と、前
記編織基材に含浸されたアクリルアミドとジメチルジア
リルアンモニウムクロライドとのカチオン性共重合体
と、前記カチオン性共重合体を含浸する編織基材の表面
に画像を形成するところの、前記カチオン性共重合体に
対して親和性を有する官能基を備える看板用表示材料と
を有してなり、本発明の看板用布帛は、編織基材と、前
記編織基材に含浸されたアクリルアミドとジメチルジア
リルアンモニウムクロライドとのカチオン性共重合体と
を有する。
【0015】前記編織基材としては、例えば化学繊維若
しくは天然繊維を編織して得られる編織物を挙げること
ができる。
【0016】前記化学繊維としては、例えば合成繊維
(人造繊維)、半合成繊維、及び再生繊維等を挙げるこ
とができる。
【0017】前記合成繊維としては、例えばポリアミド
繊維、アラミド繊維、ナイロン、ノボロイド繊維、ビニ
ロン、ビニリデン繊維、フッ素繊維、ポリ四フッ化エチ
レン繊維、ポリアセタール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
アクリル繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ポ
リエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、青化ビニリデ
ン、ポリウレタン繊維、ポリ尿素系、ポリスチレン系繊
維、ポリエステルエーテル系繊維、ポリクラール繊維等
を採用することができる。
【0018】前記半合成繊維としては、例えばアセテー
ト繊維、トリアセテート繊維、酢化アセテート繊維、エ
チルセルロース繊維等を採用することができる。
【0019】前記再生繊維としては、例えばビスコース
レーヨン、普通レーヨン、強力ビスコースレーヨン、銅
アンモニア繊維(キュプラ)、ポリノジック繊維等を採
用することができる。
【0020】前記天然繊維としては、例えば植物繊維、
動物繊維、鉱物繊維を挙げることができる。
【0021】前記植物繊維としては、例えば木綿、カポ
ック等の種子毛繊維、亜麻、大麻、ラミー、ジュート等
の靭皮繊維、マニラ麻、サイザル麻等の葉脈繊維、ヤ
シ、ビンロウジュ等の果実繊維等を採用することができ
る。
【0022】前記動物繊維としては、例えば羊毛、アル
パカ、カシミヤ、モヘヤ等の獣毛繊維、家蚕糸、野蚕糸
等の絹繊維等を採用することができる。
【0023】前記化学繊維としては、例えば20℃相対
湿度65%雰囲気における繊維の吸湿度が0〜10%の
範囲内にある、アセテート繊維、ナイロン繊維例えばナ
イロン6及びナイロン6,6、ポリエステル繊維、アク
リル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維、ビ
ニロン繊維等が好ましく、特に繊維の吸湿度が0〜5%
である、ポリエステル繊維、アクリル繊維等を好適に採
用することができる。
【0024】前記天然繊維としては、例えば20℃相対
湿度65%雰囲気における繊維の吸湿度が0〜20%の
範囲内にある植物繊維等が好ましく、特に繊維の吸湿度
が0〜10%である木綿等を好適に採用することができ
る。
【0025】この発明においては、編織物基材を形成す
る繊維は天然繊維と合成繊維との混紡繊維であっても良
い。
【0026】前記編織基材に含浸させるカチオン性共重
合体におけるアクリルアミドとジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライドとのモノマー組成比(アクリルアミ
ド:ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)として
は、5〜70重量%:95〜30重量%の範囲内である
ことが好ましく、より好ましくは30〜50重量%:7
0〜50重量%である。
【0027】前記編織基材に前記化学繊維を採用した場
合には、前記モノマー組成比(アクリルアミド:ジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド)を20〜40重量
%:80〜60重量%の範囲内にするとより好適に本発
明の目的を達成することができる。
【0028】また、前記編織基材に前記天然繊維を採用
した場合には、前記モノマー組成比(アクリルアミド:
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)を40〜6
0重量%:60〜40重量%の範囲内にするとより好適
に本発明の目的を達成することができる。
【0029】前記アクリルアミドの組成割合が5重量%
を下回るカチオン性共重合体を前記編織基材に含浸させ
て得られた布帛と、前記アクリルアミドの組成割合が5
重量%以上であるカチオン性共重合体を前記編織基材に
含浸させて得られた布帛とに、例えば、色を重ねて印字
する混色の印字を行なった後、混色印字されたそれぞれ
の布帛上に形成された画像の明度を色差計を用いて測定
した場合、前記アクリルアミドの組成割合が5重量%以
上であるカチオン性共重合体を前記編織基材に含浸させ
て得られた布帛上に形成された画像においては、前記ア
クリルアミドの組成割合が5重量%を下回るカチオン性
共重合体を前記編織基材に含浸させて得られた布帛上に
形成された画像に比べて、その画像の明度をより高くす
ることができるので好ましい。
【0030】また前記アクリルアミドの組成割合が5重
量%以上であるカチオン性共重合体を前記編織基材に含
浸させて得られた布帛上に形成された画像においては、
前記アクリルアミドの組成割合が5重量%を下回るカチ
オン性共重合体を前記編織基材に含浸させて得られた布
帛上に形成された画像に比べて、その画像の耐摩擦性を
より向上することができるので好ましい。
【0031】一方、前記カチオン性共重合体におけるア
クリルアミドの組成割合が70重量%以下であるカチオ
ン性共重合体を前記編織基材に含浸させて得られた布帛
においては、前記カチオン性共重合体におけるアクリル
アミドの組成割合が70重量%を上回るカチオン性共重
合体を前記編織基材に含浸させて得られた布帛に比べ
て、その布帛における風合いをより向上することがで
き、さらにその布帛におけるインクの吸収性も向上する
ことができる。
【0032】本発明においては、前記カチオン性共重合
体におけるアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライドとのモノマー組成比(アクリルアミド:
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)を5〜70
重量%:95〜30重量%の範囲内にすることによっ
て、特にその画像の明度においては、例えば一般的に、
紙上に形成した画像に比べて、画像の明度が劣る傾向が
強い布帛であっても、より明度が高い画像を形成するこ
とができ、さらにその布帛における風合いを損なうこと
なく、しかもインクの吸収性、乾燥性等をより向上する
ことができる。
【0033】さらに、例えば紙と編織物とにそれぞれ画
像を形成する場合、前記紙においてはその繊維は細く短
く、しかも各繊維がランダムな状態になって抄紙されて
いるのに対して、前記編織物を構成する糸においてはそ
の糸は長く、しかも各糸が規則的に編織されてなるの
で、この規則的な編織方向に沿ってインクがにじむとい
う編織物独特の問題を生ずる。
【0034】本発明においては、前記カチオン性共重合
体におけるアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライドとのモノマー組成比(アクリルアミド:
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド)を5〜70
重量%:95〜30重量%の範囲内にすることによっ
て、前記モノマー組成比が前記範囲外である場合に比べ
て、前記編織基材におけるインクのにじみをより効果的
に防止し、より印字性を向上することができる。
【0035】この発明におけるカチオン性共重合体の分
子量は、編織基材にこのカチオン性共重合体を含浸させ
るために使用されるカチオン性共重合体溶液を調製し、
前記編織基材にこのカチオン共重合体を均一に含浸させ
ることができる限りどのような分子量であってもよい
が、通常の場合、少なくとも300,000から多くと
も2,000,000までの範囲内の分子量が好まし
く、特に少なくとも500,000であるのが好まし
い。カチオン性共重合体の分子量が300,000未満
であると看板用表示材料の堅牢度が低下することがあ
り、分子量が2,000,000を越えるとカチオン性
共重合体溶液の粘度が高くなって作業性に劣ることがあ
る。
【0036】前記カチオン性共重合体の前記編織基材に
対する含有量は、一般的に言うと、乾燥重量で0.01
〜10重量%であるのが好ましく、より好ましくは0.
01〜3重量%、更に好ましくは1〜3重量%である。
【0037】前記カチオン性共重合体の前記編織基材に
対する含有量は、前記編織基材に採用する繊維の種類等
によって最適な値に設定することができ、さらに前記編
織基材を採用することにより得られる看板用布帛におけ
る優れた印字性と風合いと堅牢度とをバランス良く実現
するように前記含有量を設定することができる。
【0038】例えば、前記化学繊維をよって得られた糸
を編織した編織基材を採用した場合、前記カチオン性共
重合体の前記編織基材に対する含有量は、(1)その看
板用布帛における印字性を考慮すると好ましくは0.1
〜10重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、
(2)その看板用布帛における風合いを考慮すると好ま
しくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
3重量%、(3)その看板用布帛を採用した布帛製看板
における堅牢度を考慮すると好ましくは0.01〜5重
量%、より好ましくは0.01〜3重量%である。
【0039】また例えば、前記天然繊維をよって得られ
た糸を編織した編織基材を採用した場合、前記カチオン
性共重合体の前記編織基材に対する含有量は、(1)そ
の看板用布帛における印字性を考慮すると好ましくは
1.0〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%、
(2)その看板用布帛における風合いを考慮すると好ま
しくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
3重量%、(3)その看板用布帛を採用した布帛製看板
における堅牢度を考慮すると好ましくは0.01〜5重
量%、より好ましくは0.01〜3重量%である。
【0040】前記看板用表示材料は、前記カチオン性共
重合体に対して親和性を有する官能基を備えてなる。
【0041】前記看板用表示材料としては、例えば
(a)顔料、(b)スチレン−アクリル系樹脂、(c)
エチレングリコール、(d)尿素、及び(e)水を有し
てなる水性インク等のインク、インクジェット用イン
ク、反応染料インク、アニオン性油性染料インク、顔料
分散インク等を挙げることができる。
【0042】前記顔料としては、例えばイエロー、シア
ン、マゼンタ、ブラック等の色を発色する発色顔料等を
挙げることができる。
【0043】前記発色顔料としては、例えば黄色を発色
するPY−74、シアン色を発色するβ−CuPc、マ
ゼンタ色を発色するPR−122、黒色を発色するカー
ボンブラック等を挙げることができる。
【0044】前記看板用表示材料における前記カチオン
性共重合体に対して親和性を有する官能基としては、例
えばアニオン性基として、SO3 -基、OSO3 -基、CO
-基、O- 基等を挙げることができる。
【0045】このような官能基は、看板用表示材料を形
成する成分としての顔料、結合剤としての樹脂及び各種
添加剤のいずれかあるいは全てに含まれていれば良い。
好適な例としては、結合剤としての樹脂中に含まれる官
能基が挙げられる。
【0046】見方を変えると、本発明の目的をより良く
達成するには、少なくとも、前記カチオン性共重合体に
対して親和性を有する官能基が、顔料を結合する結合剤
としての樹脂中に含まれているのが好適である。そのよ
うな樹脂の好適例として、例えば前記スチレン−アクリ
ル系樹脂、スチレン−無水マレイン酸系樹脂、セルロー
ス系樹脂、無水マレイン酸−オレフィン系樹脂等を挙げ
ることができる。
【0047】前記官能基は、前記看板用表示材料におけ
る前記カチオン性共重合体に対して親和性を有するの
で、本発明の布帛製看板において優れた印字性、堅牢度
等をバランス良く実現することができる。
【0048】以下、本発明を実施例及び比較例により更
に詳細に説明する。
【0049】(実施例1)防炎性の繊維として知られる
興人社製ポリクラール繊維(20℃RH65%における
吸湿度4%、比重1.32)を編織して得られた布帛
(A4サイズに裁断)を用意した。
【0050】アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライド(30/70)共重合体(分子量10
0万)を、水/イソプロピルアルコール=7/3の混合
溶媒で希釈して3重量%になるように濃度を調整し、こ
れを塗布液とした。
【0051】前記ポリクラール繊維の布帛を前記塗布液
に5分間浸漬し、これを乾燥した後、前記ポリクラール
繊維の布帛の乾燥重量に対して2重量%のアクリルアミ
ド/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(30/
70)共重合体を含浸するポリクラール繊維の布帛を
得、これを試験体とした。
【0052】次に、EPSON社製インクジェットプリ
ンタ「MJ−700V2C」にインク組成が(a)イエ
ローの発色顔料(PY−74)3重量%、(b)スチレ
ン−アクリル系樹脂2重量%、(c)エチレングリコー
ル30重量%、(d)尿素10重量%、及び(e)水5
5重量%である水性インクを充填し、前記試験体に対し
て印字を行なった。
【0053】前記試験体の風合い、印字濃度、発色性、
耐水性堅牢度、耐熱水性堅牢度、及び耐湿式摩擦性堅牢
度を評価し、その結果を表1に示した。
【0054】尚、前記風合い及び前記発色性は、目視で
4段階評価を行ない(◎:非常に良い、○:良い、△:
普通、×:悪い)、前記印字濃度は、Kollmorgen Instr
ument 社製マクベス濃度計「RD−1255」により測
定した反射濃度であり、前記耐水堅牢度は、JIS−L
0846(B法)に於ける変退色に準じて測定し、前記
耐熱水堅牢度は、JIS−L0845ビーカ法(3号)
に於ける変退色に準じて測定し、前記耐湿式摩擦堅牢度
は、高湿度に於けるJIS−L0849に準じて測定し
た。
【0055】(実施例2)木綿繊維(20℃RH65%
における吸湿度8%、比重1.52)を編織して得られ
た木綿繊維の布帛(A4サイズに裁断)を使用し、前記
木綿繊維の布帛の乾燥重量に対して0.5重量%のアク
リルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド
(30/70)共重合体(分子量100万)を含浸する
木綿繊維の布帛を得、これを試験体とした以外は実施例
1と同様の操作を行ない、その結果を表1に示した。
【0056】(実施例3)アクリルアミド/ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド(10/90)共重合体
(分子量100万)を使用した以外は実施例1と同様の
操作を行ない、その結果を表1に示した。
【0057】(実施例4)アクリルアミド/ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド(60/40)共重合体
(分子量100万)を使用した以外は実施例1と同様の
操作を行ない、その結果を表1に示した。
【0058】(実施例5)アクリルアミド/ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド(60/40)共重合体
(分子量50万)を使用した以外は実施例1と同様の操
作を行ない、その結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
【0060】(比較例1)アクリルアミド/ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド共重合体に代えてジメチ
ルジアリルアンモニウムクロライド重合体(分子量10
0万)を使用した以外は実施例1と同様の操作を行な
い、その結果を表2に示した。
【0061】(比較例2)ポリクラール繊維の布帛に代
えて木綿繊維(20℃RH65%における吸湿度8%、
比重1.52)を編織して得られた木綿繊維の布帛(A
4サイズに裁断)を使用した以外は比較例1と同様の操
作を行ない、その結果を表2に示した。
【0062】(比較例3)アクリルアミド重合体を、水
/イソプロピルアルコール=7/3の混合溶媒で希釈し
て3重量%になるように塗布液の濃度を調整し、ポリク
ラール繊維の布帛の乾燥重量に対して2重量%のアクリ
ルアミド重合体(分子量100万)を含浸するポリクラ
ール繊維の布帛を得、これを試験体とした以外は実施例
1と同様の操作を行ない、その結果を表2に示した。
【0063】(比較例4)ポリクラール繊維の布帛に代
えて木綿繊維(20℃RH65%における吸湿度8%、
比重1.52)を編織して得られた木綿繊維の布帛(A
4サイズに裁断)を使用し、前記木綿繊維の乾燥重量に
対して0.5重量%のアクリルアミド重合体(分子量1
00万)を含浸する木綿繊維の布帛を得、これを試験体
とした以外は比較例3と同様の操作を行ない、その結果
を表2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、布帛にアクリルアミド
とジメチルジアリルアンモニウムクロライドの共重合体
を処理することにより顔料分散インクを用いたプリンタ
での非常に鮮明な印字性及び耐水性、耐熱水性、摩擦堅
牢度を示す布帛を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 田辺 進 大阪府吹田市五月が丘東8番B−303

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編織基材と、前記編織基材に含浸された
    アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロラ
    イドとのカチオン性共重合体と、前記カチオン性共重合
    体を含浸する編織基材の表面に画像を形成するところ
    の、前記カチオン性共重合体に対して親和性を有する官
    能基を備える看板用表示材料とを有してなることを特徴
    とする布帛製看板。
  2. 【請求項2】 前記請求項1におけるカチオン性共重合
    体は、モノマ−単位としてのアクリルアミドが5〜70
    重量%の割合で含有してなる前記請求項1に記載の布帛
    製看板。
  3. 【請求項3】 前記請求項1におけるカチオン性共重合
    体は、前記編織基材に対する含有量が、乾燥重量で0.
    01〜10重量%である前記請求項1に記載の布帛製看
    板。
  4. 【請求項4】 前記請求項1における編織基材は、織物
    である前記請求項1に記載の布帛製看板。
  5. 【請求項5】 編織基材と、前記編織基材に含浸された
    アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロラ
    イドとのカチオン性共重合体とを有することを特徴とす
    る看板用布帛。
  6. 【請求項6】 前記請求項5におけるカチオン性共重合
    体は、モノマ−単位としてのアクリルアミドが5〜70
    重量%の割合で含有してなる前記請求項5に記載の看板
    用布帛。
  7. 【請求項7】 前記請求項5におけるカチオン性共重合
    体は、前記編織基材に対する含有量が、乾燥重量で0.
    01〜10重量%である前記請求項5に記載の看板用布
    帛。
  8. 【請求項8】 前記請求項5における編織基材は、織物
    である前記請求項5に記載の看板用布帛。
  9. 【請求項9】 編織基材を、前記編織基材に含浸された
    アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロラ
    イドとのカチオン性共重合体を含有する組成物で処理す
    ることを特徴とする布帛の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2472101A (en) * 2009-07-24 2011-01-26 Natural Adcampaign Ltd Advertising and display structures

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